JP2004349210A - リチウム二次電池用正極活物質の再生方法 - Google Patents

リチウム二次電池用正極活物質の再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】使用済みのリチウム二次電池から充分な正極容量をもつ正極活物質を再生・回収するリチウム二次電池用正極活物質の再生方法を提供すること。
【解決手段】リチウム二次電池用正極活物質に対して、750℃以上1000℃以下の焼成温度で焼成する焼成工程と、該焼成温度から所定温度まで0.2〜2.0℃/分の速度で冷却する冷却工程と、を有することを特徴とする。つまり、焼成条件及び冷却速度を上述した範囲に制御することで、劣化した正極活物質を再生できる。正極活物質が劣化する機構としては、充放電サイクルや充電状態での放置によって元の結晶構造が変化することが考えられる。正極活物質はリチウムイオンが吸蔵・脱離を繰り返すことによって結晶構造が損なわれていく。結晶構造の変化のうち、特に結晶子サイズが小さくなることにより正極容量が小さくなることが判明した。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、劣化したリチウム二次電池用正極活物質の再生方法に関し、より詳しくは、劣化したリチウム二次電池から回収した正極活物質から性能の回復したリチウム二次電池用正極活物質を再生する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の小型化に伴い、これらの情報関連機器、通信機器の分野に用いる電源として、エネルギー密度の高いリチウム二次電池が実用化され広く普及している。一方で、自動車の分野においても、環境問題、資源問題から電気自動車の開発が急がれており、この電気自動車用の電源としてもリチウム二次電池が検討されている。
【0003】
リチウム二次電池が広範に使用されるに至った現在、使用機器あるいは電池の寿命により廃棄される使用済み電池等のリサイクルを行うことは資源の有効利用の観点からも非常に重要である。
【0004】
リチウム二次電池には、4V級の作動電圧が得られるものとして、スピネル構造のLiMn、層状岩塩構造のLiCoO、LiNiO、及びそれらの一部を他元素で置換したリチウム遷移金属複合酸化物等の希少元素を含む正極活物質が使用され、これらのリチウム遷移金属複合酸化物からなる正極活物質を効果的に再生することが望まれる。
【0005】
従来のリチウム二次電池のリサイクル方法としては、非水二次電池廃材料の処理方法として、正極廃材料を大気中800℃で加熱し、コバルト酸リチウム等を再生することが開示されている(特許文献1)。また、リチウムイオン二次電池からの有価物の回収方法として、電池を800度以上に加熱した炉に投入し、電池を破裂させ有価物を粉末状で分離回収する技術が開示されている(特許文献2)。特許文献2に記載の方法では、燃焼により有機物が消失するので元来微粉末である正極活物質を燃焼ガスに乗せて容易に炉外に取り出すことができる。燃焼ガス中の正極活物質は重力沈降、サイクロン、バグフィルタ等の公知の方法により回収できる。
【0006】
【特許文献1】特開平8−22846号公報
【特許文献2】特開平10−330855号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1及び2に開示された技術では正極活物質から含有される元素を回収することはできるものの、回収した材料をそのまま正極活物質に再生することは困難であった。つまり特許文献1及び2に開示された技術では詳細な処理条件について記載されておらず、開示されていない条件を通常条件に従い処理すると、正極活物質としての機能(正極容量)を回復させることは困難である。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、使用済みのリチウム二次電池から充分な正極容量をもつ正極活物質を再生・回収するリチウム二次電池用正極活物質の再生方法を提供することを解決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決する目的で鋭意研究を行った結果、リチウム二次電池に用いられている劣化した正極活物質を再生させる条件として、焼成温度と焼成後の冷却速度とを制御することが必須であることを見出し、以下の発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明のリチウム二次電池用正極活物質の再生方法は、リチウム二次電池用正極活物質に対して、750℃以上1000℃以下の焼成温度で焼成する焼成工程と、
該焼成温度から所定温度まで0.2〜2.0℃/分の速度で冷却する冷却工程と、を有することを特徴とする(請求項1)。
【0011】
つまり、焼成条件及び冷却速度を上述した範囲に制御することで、劣化した正極活物質を再生できる。正極活物質が劣化する機構としては、充放電サイクルや充電状態での放置によって元の結晶構造が変化することが考えられる。正極活物質はリチウムイオンが吸蔵・脱離を繰り返すことによって結晶構造が損なわれていく。結晶構造の変化のうち、特に結晶子サイズが小さくなることにより正極容量が小さくなることが判明した。本発明方法により正極活物質を再生すると、結晶子サイズが大きくなることが判明している。
【0012】
また、前記冷却工程において冷却速度を制御する下限である前記所定温度は500℃であることが好ましい(請求項2)。500℃以上で保持する時間を長く保つことで結晶子が成長し、結晶子サイズが大きくなる。
【0013】
更に、前記リチウム二次電池用正極活物質はマンガン酸リチウムを主成分とすることが好ましい(請求項3)。マンガン酸リチウムは結晶構造が等方的であるのでX線解析法に基づき結晶子サイズが容易に測定できる。マンガン酸リチウムを用いた場合に、前記冷却工程後の前記リチウム二次電池用正極活物質は結晶子の大きさが25nm以上であることが好ましい(請求項4)。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のリチウム二次電池用正極活物質の再生方法は焼成工程とその後の冷却工程とを有する。焼成工程の前にリチウム二次電池から再生する正極活物質を取り出す工程をもつことが好ましい。本再生方法が適用できる正極活物質はリチウム遷移金属複合酸化物からなる。例えば、マンガン酸リチウム(LiMn)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)及びそれらの一部を他元素(Ti、Cr、Fe、Mn、Co、Ni、Cu、Zn等)で置換したリチウム遷移金属複合酸化物である。特にマンガン酸リチウムを主成分とする正極活物質が好ましい。マンガン酸リチウムは結晶構造が等方的であり、正極容量に大きな影響を与える結晶子サイズの測定が容易だからである。
【0015】
正極活物質はリチウム二次電池の正極に含有される。一般的な正極は、前述のリチウム遷移金属複合酸化物に結着剤、導電化材等の必要に応じた添加剤を混合し、必要に応じ適当な溶媒を加えてペースト状の正極合材としたものを、アルミニウム等の金属箔製の集電体表面に塗布乾燥し、その後プレスによって活物質密度を高めることによって形成する。結着剤は、活物質粒子および導電化材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものでポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。これら活物質、導電化材、結着剤を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
【0016】
リチウム二次電池は正極のほか、リチウム金属、炭素材等からなる負極、高分子材料からなる多孔質膜等であるセパレータ、リチウム塩等を含む電解質、電池ケース等を含む。
【0017】
(本再生方法を適用する準備)
本再生方法を適用するリチウム二次電池の正極活物質はリチウム二次電池から分離される。リチウム二次電池を構成する要素のうち、後述する焼成工程(750〜1000℃)において分解消失する要素以外は分離することが望ましい。分離することで再生される正極活物質に不純物が混入することを防止できる。
【0018】
焼成工程で分解すると考えられる要素は、前述した正極から集電体を除去したもの(正極合材由来)に含有される結着剤、導電化材や、電解液(電解質としてのリチウム塩を含む)、高分子材料からなるセパレータ、高分子材料製の電池ケース等である。その他に有機物からなる材料は焼成工程で分解消失すると考えられる。
【0019】
反対に焼成工程を経ても残存すると考えられる要素は、正極及び負極に含まれる集電体、金属製の電池ケース、電極端子等である。一般的に金属は焼成工程を経ても残存すると考えられる。残存しないとしても再生する正極活物質中に取り込まれる虞があるので、あらかじめ除去することが好ましい。
【0020】
リチウム二次電池から正極活物質を取り出す方法としては特に限定しないが、再生するリチウム二次電池について、電池ケースを解体し、内部から正極、負極等からなる発電要素を取り出し正極を分離した後に、正極の集電体から正極活物質層を掻きおとすことで正極活物質を取り出すことができる。解体するリチウム二次電池の充電状態についても特に限定しないが、Li量が減少することから、放電後が好ましい。
【0021】
電解質が混入することが好ましくない場合には正極活物質又は正極活物質が付着した状態の正極について、エチレンカーボネート(EC)や、ジエチルカーボネート(DEC)等の電解質の非水溶媒やエタノール等のアルコール等の電解質を溶解できる溶媒であらかじめ洗浄することもできる。
【0022】
(焼成工程)
焼成工程はリチウム二次電池から取り出した正極活物質を750〜1000℃の間から選択される焼成温度にて焼成する工程である。焼成温度としては800℃超950℃未満が好ましく、850℃以上900℃以下がより好ましい。焼成温度をこの範囲内にすることで、結晶子を充分に成長させることが可能となるとともに、リチウム元素の高温による消散(結果、リチウム元素を含まない遷移金属(複合)酸化物が残存する)を防止できる。
【0023】
焼成温度にて再生する正極活物質を焼成する時間は特に限定しないが、充分に結晶子を成長させるためには12時間以上焼成温度にて焼成することが好ましい。反対に焼成時間は二次粒子の大きさを好ましい大きさを超えないようにするために、72時間以下であることが好ましい。
【0024】
焼成雰囲気は酸化雰囲気であればよく、特に大気雰囲気にて焼成を行うことが好ましい。なお、再生する正極活物質を焼成温度にまで加熱する加熱速度は特に限定しない。
【0025】
(冷却工程)
冷却工程は焼成温度から所定温度まで0.2〜2.0℃/分の速度で冷却する工程である。更に冷却速度としては上限として5.0℃/分を採用することもできる。また、冷却速度の下限としては0.1℃/分、0.3℃/分を採用することもできる。特に冷却速度は1.0℃/分を採用することが好ましい。冷却速度をこの範囲内に制御することで冷却による結晶構造の歪みの発生を抑制でき、且つ正極活物質の二次粒子の大きさが適正値を超えないようにできる。
【0026】
所定温度は急速な冷却速度により結晶構造に歪みが発生することがない温度の上限である。例えば、400℃とすることが好ましく、500℃とすることがより好ましい。所定温度以下については冷却速度を前述の範囲内に制御することは特に必須でない。
【0027】
(その他)
本再生方法を適用した正極活物質は結晶子サイズが大きくなり、正極に適用した場合の性能(例えば、正極容量)が向上する。結晶子サイズの大きさは正極活物質がマンガン酸リチウムである場合に25nm以上になることが好ましい。結晶子サイズの測定は、適正なX線源を選択してX線回折法により測定した回折角と回折線の幅との関係より結晶子サイズを算出する。
【0028】
具体的には結晶子サイズを測定する方法としてはWilson法が挙げられる。Wilson法は結晶子サイズによる回折線の拡がりをコーシー(Cauchy)関数で近似し、格子歪み成分による回折線の拡がりをガウス(Gauss)関数で近似する方法である。つまり、回折線の拡がりをコーシー関数及びガウス関数の線形結合により近似する方法である。
【0029】
回折線のピーク位置θ(ブラッグ角:rad)と、その回折線の積分幅β(rad)について、X軸にβ/(tanθ・sinθ)をY軸にβ/tanθをそれぞれの回折線についてプロットする。ここで、積分幅とは回折線を上下方向に2分したときに面積が半分になる高さにおける回折線の幅をいい、測定値から、X線回折測定装置の光学的拡がりを差し引いた幅である。複数の回折線についてプロットした点について直線で近似し、その直線の勾配(コーシー関数に関係)から結晶子サイズが算出され、Y軸の切片(ガウス関数に関係)から格子歪み成分が算出できる(結晶子の大きさと格子歪プログラム取扱説明書、理学電機株式会社)。具体的には式(1):(結晶子サイズ)=1.05×1.54/(近似直線の勾配)/10(nm)より算出される。
【0030】
Wilson法において用いる回折線の数は2以上であれば近似直線が求められるが、4つ以上用いることが好ましい。特に回折線間の重なりを考慮した結果、(311)、(222)、(400)、(331)、(511)、(440)、(531)及び(444)における回折線から選択することが好ましい。
【0031】
【実施例】
以下に本発明のリチウム二次電池用正極活物質の再生方法について実施例に基づき更に詳細に説明する。
【0032】
〔再生用試験電池の作成〕
本試験例のリチウム二次電池は、組成式LiMnで表されるマンガン酸リチウムを正極活物質として用い、グラファイトを負極活物質として用いたリチウム二次電池である。
【0033】
(正極)
マンガン酸リチウム粉末と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)と導電化材としてのグラファイト粉末とを質量比で90:5:5(質量比)となるように、N−メチルピロリドン中に分散させてペーストを調製した。このペーストをアルミニウム製の箔状の集電体表面にドクターブレードにて塗布・乾燥することで活物質層が集電体表面に形成されたシート状正極を得た。
【0034】
(負極)
平均粒径50nmのグラファイト粉末とPVDFとを質量比で95:5となるように、N−メチルピロリドン中に分散させペーストを調製した。このペーストをCu製の箔状の集電体表面にドクターブレードにて塗布・乾燥することで活物質層が集電体表面に形成されたシート状負極を得た。
【0035】
(電池の組み立て)
上記正極および負極をそれぞれ所定の大きさに裁断し、裁断した正極と負極とを、その間に厚さ25μmのポリエチレン製セパレータを挟装して捲回し、ロール状の電極体を形成した。
【0036】
これらの電極体に集電用リードを付設し、円筒型電池ケースに挿設し、その後その電池ケース内に非水電解液を注入した。非水電解液には、ECとDECとを体積比で3:7に混合した混合溶媒にLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。最後に電池ケースを密閉して、本試験例のリチウム二次電池を完成させた。
【0037】
(電池の劣化及び再生用の正極活物質の取り出し)
製造した各電池について、電池容量が0mAhとなるまで、4.2V〜3.0Vの間で充放電を繰り返した。電池容量が0mAhとなった電池を解体して正極を取り出し、エタノールで洗浄後、乾燥させた。そして、正極の集電体から正極活物質層(正極活物質、結着剤、導電化材)を剥離し試験に用いる再生用正極合材とした。
【0038】
(実施例1)
前述の再生用正極合材を大気雰囲気中にて焼成した。焼成は焼成温度が750℃で36時間行った(焼成工程)。その後、1.0℃/分の冷却速度となるように制御して室温まで冷却した(冷却工程)。得られた粉末を実施例1の試験試料とした。なお、焼成工程において結着剤及び導電化材等は消失していた。
【0039】
(実施例2〜6)
焼成温度を800℃(実施例2)、850℃(実施例3)、900℃(実施例4)、950℃(実施例5)、1000℃(実施例6)とした以外は実施例1と同様の方法で各実施例の試験試料を得た。実施例1と同様に、得られた粉末では、焼成工程において結着剤及び導電化材等が消失していた。
【0040】
(比較例1〜3)
焼成温度を600℃(比較例12)、700℃(比較例2)、1100℃(比較例3)とした以外は実施例1と同様の方法で各比較例の試験試料を得た。実施例1と同様に、得られた粉末では、焼成工程において結着剤及び導電化材等が消失していた。なお、比較例3の試験試料ではリチウム元素が消散して、酸化マンガンの層が形成されていた。
【0041】
(比較例4)
冷却速度を10℃/分とした以外は実施例3(焼成温度850℃)と同様の方法で試験試料を得た。
【0042】
〔試験電池の作成〕
各実施例及び各比較例の試験試料を正極活物質として用い、グラファイトを負極活物質として用いたリチウム二次電池を作成した。
【0043】
(正極)
各実施例及び各比較例の試験試料と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)と導電化材としてのグラファイト粉末とを質量比で90:5:5(質量比)となるように、N−メチルピロリドン中に分散させてペーストを調製した。このペーストをアルミニウム製の箔状の集電体表面にドクターブレードにて塗布・乾燥することで活物質層が集電体表面に形成されたシート状正極を得た。
【0044】
(負極)
前述の再生用試験電池の作成方法で説明した負極と同様の負極を用いた。
【0045】
(電池の組み立て)
上記正極および負極をそれぞれ所定の大きさに裁断し、裁断した正極と負極とを、その間に厚さ25μmのポリエチレン製セパレータを挟装して捲回し、ロール状の電極体を形成した。このときに、正極1枚に対して、負極が2枚となるようにした。負極を正極よりも過剰とすることで電池容量を正極規制にすることができるので、普通に電池容量を測定することで正極容量を測定できる。
【0046】
これらの電極体に集電用リードを付設し、円筒型電池ケースに挿設し、その後その電池ケース内に非水電解液を注入した。非水電解液には、ECとDECとを体積比で3:7に混合した混合溶媒にLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。最後に電池ケースを密閉して、各実施例及び各比較例のリチウム二次電池(電池容量800mAh)を完成させた。
【0047】
〔正極容量の測定〕
各実施例及び各比較例のリチウム二次電池について電池容量を測定した。上述したように、これらの電池は正極容量規制となっているので電池容量を測定することで正極容量を測定できる。測定結果を表1に示す。なお、正極容量は再生用試験電池の初期の(充放電サイクル初期の)電池容量を100%とした値を示した。
【0048】
〔結晶子サイズ及び格子歪みの測定〕
各実施例及び各比較例の試験試料について、X線回折法に基づき回折線を測定した。測定条件としては、X線源としてCuKα線を用い、X線管電圧が50kV、X線管電流が300mAを選択した。解析に用いた回折線としては(311)、(222)、(400)、(331)、(511)、(440)、(531)及び(444)の8本のピークを用いた。
【0049】
結晶子サイズはこれら測定データに基づき、Wilson法にて算出した。具体的には各回折線についてその回折線のピーク位置θ(rad)と、積分幅β(rad)とから、X軸にβ/(tanθ・sinθ)をY軸にβ/tanθをそれぞれの回折線についてプロットした。積分幅は測定値からX線回折測定装置の光学的拡がりを差し引いて求めた。X線回折測定装置の光学的拡がりは使用したX線回折測定装置において使用したX線源を用い標準試料Siを測定して求めた。8本の回折線についてプロットした点について直線で近似し、その直線の傾きを、(結晶子サイズ)=1.05×1.54/(近似直線の勾配)/10(nm)の式に代入して結晶子サイズを算出した。更に、近似した直線のY軸との切片を、(格子歪み)={(近似直線のY軸切片)^0.5}/4(%)で表される式に代入して格子歪みを算出した。結果を表1に併せて示す。
【0050】
〔結果〕
【表1】
Figure 2004349210
【0051】
表1から明らかなように、焼成温度を750〜1000℃の範囲とした各実施例の試験電池の正極容量は82%以上にまで再生しているのに対して、焼成温度が750℃未満又は1000℃超である比較例1〜3の試験電池では正極容量の再生は芳しくなかった。また、各実施例の試験電池の中でも実施例3及び4の試験電池の性能が良好(95%)であった。
【0052】
特に焼成温度が600℃である比較例1では正極容量は全く再生していない。つまり、結晶子の成長は600℃超の温度範囲で進行することが推察できる。このことは結晶子サイズ及び格子歪みの結果からも支持される。すなわち、各実施例の試験試料では結晶子サイズが28nm以上であるのに対して、比較例1では13nmであり結晶子の成長は認められなかった。ここで、再生用正極合材について結晶子サイズを測定した結果、結晶子サイズは10〜12nmであった。そして比較例2は結晶子サイズが19nmであり、結晶子サイズの成長はあまり進んでいないことが明らかとなった。なお比較例3の試料は組成が変化してしまいX線回折法にて測定した回折線の種類が変わってしまい、結晶子サイズを算出できなかった。
【0053】
また、格子歪みの値も各実施例の結果よりも比較例1及び2の結果の方が1オーダー程度大きくなっている。従って、600℃超において結晶子が成長することが推測されることから、冷却工程における所定温度として600℃を採用することが好ましい。
【0054】
そして、焼成温度が1000℃超である比較例3の結果から焼成温度を1000℃超とすると、酸化マンガンからなる第2層が生成して正極活物質としての機能を充分に発揮できなくなることが明らかとなった。
【0055】
更に、焼成温度を実施例3と同じく850℃に揃え、冷却速度のみを10℃/分とした比較例4は正極容量が38%しか再生されていない。また、結晶子サイズ及び格子歪みの大きさもそれぞれ23nm及び0.20%と良好でなく結晶子サイズ等を好ましい大きさにするには焼成温度の制御のみならず、冷却速度の制御も行う必要があることが明らかとなった。
【0056】
【発明の効果】
以上、本発明のリチウム二次電池用正極活物質の再生方法は、リチウム二次電池用正極活物質に対して、750℃以上、1000℃以下の焼成温度で焼成する焼成工程と、該焼成温度から所定温度まで0.2〜2.0℃/分の速度で冷却する冷却工程と、を有することから、正極活物質の性能を飛躍的に再生することができる。これは正極活物質の結晶子サイズがこれらの条件下で充分な大きさにまで成長するためであると考えられる。

Claims (4)

  1. リチウム二次電池用正極活物質に対して、750℃以上1000℃以下の焼成温度で焼成する焼成工程と、
    該焼成温度から所定温度まで0.2〜2.0℃/分の速度で冷却する冷却工程と、を有することを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の再生方法。
  2. 前記所定温度は500℃である請求項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質の再生方法。
  3. 前記リチウム二次電池用正極活物質はマンガン酸リチウムを主成分とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用正極活物質の再生方法。
  4. 前記冷却工程後の前記リチウム二次電池用正極活物質は結晶子の大きさが25nm以上である請求項3に記載のリチウム二次電池用正極活物質の再生方法。
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