JP2004347691A - 剥離紙とこの剥離紙を用いた配送伝票 - Google Patents
剥離紙とこの剥離紙を用いた配送伝票 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004347691A JP2004347691A JP2003141987A JP2003141987A JP2004347691A JP 2004347691 A JP2004347691 A JP 2004347691A JP 2003141987 A JP2003141987 A JP 2003141987A JP 2003141987 A JP2003141987 A JP 2003141987A JP 2004347691 A JP2004347691 A JP 2004347691A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- release paper
- base sheet
- slip
- release
- adhesive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Adhesive Tapes (AREA)
- Paper (AREA)
Abstract
【課題】原反の時点で裏面の表面平滑度が高い剥離紙を用いながら簡易な構成によりその表面平滑度を、この剥離紙が組み入れられる配送伝票の使用に適合するようにし、その配送伝票への上記静電複写方式の情報出力機器による情報出力が適正に行われるようにする。
【解決手段】剥離紙7の剥離面17とは反対側の面である裏面19に、インキの印刷によりなる滑り止め加工部20を設けた。
【選択図】 図3
【解決手段】剥離紙7の剥離面17とは反対側の面である裏面19に、インキの印刷によりなる滑り止め加工部20を設けた。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリンタなどの情報出力機器により情報が出力(印字、印刷)される情報表示媒体を剥離可能に備えることができるようにした剥離紙と、この剥離紙を用いた配送伝票に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から裏面に粘着剤を配したシート状の貼着物を剥離可能に支持するための台紙として、前記粘着剤が接合する部分をシリコーン系樹脂を塗布してなる剥離面とした剥離紙が多く利用されており(例えば特許文献1参照)、貼着物基材とその下面の粘着剤層と前記剥離紙とが重なる積層構成の製品として提供されてきている。
一般に、貼着物としてのラベル片をカス取りした状態で剥離紙に配した製品や剥離面全面に貼着シートが貼り合されている製品は、前述したように貼着物基材と粘着剤層と剥離紙とが重なる長尺な原反から製造されている。そして、その原反がロール形態として巻き取られて保管されているときに、剥離紙裏面に凹凸があるとその凹凸形状が貼着物基材の表面に転写されて、その貼着物基材、即ち、製品としたときの前記ラベル表面や到着シート表面に凹凸が目立って製品の外観や品質を損ない易くなる。
【0003】
そのため、剥離紙の裏面の表面平滑度が高められているのが一般的であり、上記貼着物が装飾用シートなどである場合には、剥離紙の裏面側にアルキッド樹脂や熱硬化性樹脂による鏡面処理剤を塗布して鏡面仕上げとしたり(特許文献2参照)、剥離紙の裏面にポリエチレンもしくはポリプロピレン層を30〜80μmの厚さで設けて平滑な面としたり(特許文献3参照)、また、表面平滑度が50〜150秒の紙基材の両面に低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを溶融混合させた混合ポリエチレンを15〜35μmの厚さでラミネートすること(特許文献4参照)も提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭53−110634(第1頁)
【特許文献2】
公開実用平成3−125039(第4頁17行から19行目、第1図
【特許文献3】
実開平4−106340(段落番号0019、図1)
【特許文献4】
特開2000−73018(段落番号0007、0025)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記貼着物基材と粘着剤層と剥離紙とを積層してなる製品として配送伝票が構成されるようになってきた。これは、配送伝票の用途には従来から複数枚の帳票を綴じ合わせて同時複写構成としたものが用いられていたが、静電複写方式の情報出力機器により情報出力を行なった場合に効率が良好であることや、その情報出力時の静粛性の点で有利であることから、この静電複写方式の情報出力機器を用いて配送情報の出力を行なえるようにし、そして、この情報出力機器に対応できる配送伝票として、同一面上に複数の帳票を分離可能に配置した一シート形態のものが開発されたことによるものであり、所要の帳票が配送物や愛想業務管理台帳などに貼着できるようにするために、この配送伝票を前述した積層物により構成することが行われるようになってきた。
【0006】
しかしながら、最下層を剥離紙とする積層物からなる一シート形態の配送伝票に上記情報出力機器にて配送情報を機械出力する場合、剥離紙の裏面の表面平滑度が高い多数枚の配送伝票を重ねると上下の配送伝票間の密着度合いが高くなり、その状態で情報出力機器に装填すると、印字部への一枚ずつの送出が適正に行われ難くなる。さらには情報出力機器の内部における給紙工程上でも滑りが発生し易くなって、詰まりや印字ずれなど適正な情報出力処理が行なえないという問題があった。
そこで本発明は上記事情に鑑み、原反の時点で裏面の表面平滑度が高い剥離紙を用いながら簡易な構成によりその表面平滑度を、この剥離紙が組み入れられる配送伝票の使用に適合するようにすることを課題とし、その配送伝票への上記静電複写方式の情報出力機器による情報出力が適正に行われるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、剥離面とは反対側の面である裏面に、インキの印刷によりなる滑り止め加工部が設けられていることを特徴とする剥離紙を提供して、上記課題を解消するものである。
本発明において、上記滑り止め加工部は、剥離面上に積層するラベルなどの情報表示媒体とともにプリンタなどの情報出力機器に給紙されるときの給紙方向に沿って連続または不連続の並びを有したパターンに設けられているものとすることが可能である。また、上記インキは無機物の微粒子を含有しているものとすることが可能である。さらに、上記滑り止め加工部が設けられている面のJIS P 8119で規定される表面平滑度が150秒以下であることが良好である。
【0008】
さらにもう一つ野発明は、上記剥離紙の剥離面に、該剥離面に対向する面に粘着剤が塗布された第一基材シートが貼り合され、前記第一基材シートの前記粘着剤の塗布面とは版体側に接着剤を介して第二基材シートが貼り合され、第二基材シートと第一基材シートと剥離紙との積層領域中に、第二基材シートから剥離紙に達してこの剥離紙を分断しない深さの切り込みにより区分されて分離可能にした帳票が設けられていることを特徴とする配送伝票であり、この配送伝票を提供して上記課題を解消するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明を図1から図4に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1は配送伝票で、該配送伝票1は伝票部2と商品明細部3とが折り部4を介して並設されているものである。そして、前記伝票部2はその全域が図2に示されているように上位から第二基材シート5と第一基材シート6と剥離紙7とが重ねられた積層構成を有しており、前記第二基材シート5の折り部4側の一辺を延設することで単層として商品明細部3が形成されている。
図1に示されているように商品明細部3は配送に係る商品の情報を記載する商品情報記載部8が設けられている。また、伝票部2にあっては切り込み9、10により区分されてそれぞれが分離可能に設けられた帳票である貼付票11と受領証12とが同一平面にして配置され、貼付票11の表面には受取人住所氏名などの配送情報を記載する配送情報記載部13を備え、前記受領証12には受取り確認情報記載部14を備えている。
このように、配送伝票1にあっては同一平面にして商品明細部3の商品情報記載部8、貼付票11の配送情報記載部13、受領証12の受取り確認情報記載部14を備えており、静電複写方式の情報印字機器を利用することで各記載部に同時に情報を出力できるようにしている。
【0010】
上記伝票部2にあっては図2に示すように第二基材シート5の裏面に施された接着剤15を介して第一基材シート6に貼り合されている。また、第一基材シート6はその裏面に施された粘着剤16を介して上記剥離紙7の剥離面17に貼り合されている。そして、上記貼付票11を区分する切り込み9は第二基材シート5から剥離紙7に達していて、且つこの剥離紙7を分断しない深さであり、この切り込み9によって貼付票11は、第二基材シート5と第一基材シート6とが一体となった帳票として必要時に剥離紙7から分離できるように設けられ、分離したこの貼付票11が配送物に貼着できるものとなっている。
また、上記受領証12を区分する切り込み10は第二基材シート5のみを分断する深さのものであり、さらにこの受領証12における第二基材シート5の裏面には、受領証12の周辺を除いた領域に上記接着剤15の接着力を小さくする接着力調整用の印刷18が施されており、第二基材シート5のみの単層の帳票として受領証12が第一基材シート6から必要時に分離できるようにしている。
受領証12における第二基材シート5の裏面の周囲では接着剤15が直接第一基材シート6に貼着しているが、この接着剤15の接着力は第二基材シート5と第一基材シート6とがある程度の面積以上で貼り合されることで剥離困難になる接着力で、受領証12の裏面周辺のみが第一基材シート6に接着した状態では、配送伝票1全体と取り扱ったり情報出力機器に通したりしたときに不用意な脱落を生じないようにしているとともに、人の指先などによる捲り上げ操作では第二基材シート単層の受領証12を簡単に分離できるようになるものである。一方、上記貼付票11にあっては第二基材シート5と第一基材シート6とが接着剤15によって直接貼り合され、接着剤15の接着力が、第一基材シート裏面の粘着剤16の剥離面17に対する粘着力に十分に優っており、よって、貼付票11は粘着剤16を有した帳票として剥離紙7から分離できる。
なお、上記受領証12の部分において、接着剤15の接着力を調整するために第一基材シート6における受領票対応領域に前記接着力調整用の印刷を施すことも可能である。
【0011】
配送伝票1において上記第一基材シート6と剥離紙7とはこの配送伝票1を製造する上で予め積層状態となっている原反から得られているものであり、剥離紙7は通常の剥離紙と同じようにシリコーン系樹脂の塗布により上記剥離面17を形成している。そして、配送伝票1の構成部材であるこの剥離紙7の裏面19には、図4に示すように、インキの印刷によりなる滑り止め加工部20が設けられている。
この滑り止め加工部20は、少なくとも情報出力機器の給紙方向A(情報出力機器における配送伝票の引き込み方向および情報出力機器内部の用紙移送方向)に沿って連続、または不連続の並びが得られるパターンとして形成されることが良好である。このように剥離紙7の裏面19にパターンとして滑り止め加工部20が設けられていることで、裏面19の平面平滑度が上記原反時に比べて低下しており、情報出力機器に多数枚の配送伝票1を積み重ねて装填したときにも、剥離紙7の裏面19とその下位の配送伝票1の第二基材シート(伝票部)の表面との密着度が高くならず、情報出力機器への一枚ずつの引き込みが適正に行われ、機器内部での用紙の移送も滑りを生じさせずに適正になる。
【0012】
上記滑り止め加工部20を設けて剥離紙7の裏面19の表面平滑度を低下させているが、JIS P 8119で規定される表面平滑度として150秒以下であることが好ましく、50〜100秒であることが良好である。
そして、図示の実施の形態において滑り止め加工部20は、上記表面平滑度(150秒以下)が得られる条件の下で格子状のパターンに設けられており、給紙方向Aには連続したストライプとしての滑り止め加工部20が存在するように設けられている。勿論、格子状のパターンに限定されるものではなく、給紙方向Aに平行或いは直交するストライプ縞としてもよく、ドットパターン、地紋パターンなど、滑り止め加工部20のパターンは限定されない。
【0013】
滑り止め加工部20はインキの印刷により形成されているものであるが、そのインキに無機物の微粒子や有機物の微粒子が含有されていることが良好であり、炭酸カルシウムの微粒子などが好適に利用できるが、本発明において、含有させる場合の微粒子は限定されない。
【0014】
上記インキとして株式会社ティーアンドケイ東華(T&K TOKA CO.,LTD)製UVマットOPニスを用いて格子状パターンの滑り止め加工部を形成した配送伝票と、滑り止め加工部を有しない配送伝票とを作成して、情報出力機器内部での用紙移送状態を比較した。
なお、滑り止め加工部を有する配送伝票(実施例)では、インキのドライ塗布量を2〜3g/m2とし、剥離紙裏面におけるJIS P 8119で規定された表面経過都度は50〜100秒である。また、滑り止め加工部を有しない配送伝票(比較例)は(滑り止め加工部のみが設けられておらず、他の構成が上述した実施の解体と同じであり、JIS P 8119で規定された表面経過都度は160〜180秒である。
比較の結果、実施例では2000枚に対して情報出力を行なったが一枚も要し詰まりが生じず、他方、比較例に情報出力を行なったところ、20〜30枚につき一回の移送不良が確認された。よって、滑り止め加工部を設けることで配送伝票の給紙が良好になることが判明した。
上記実施例におけるインキのドライ塗布量は1〜10g/m2とすることが可能であり、1〜5g/m2の範囲が好ましく、さらに2〜3g/m2の範囲が一層好ましい。
【0015】
【発明の効果】
以上説明した本発明の剥離紙によれば、剥離面とは反対側の面である裏面に、インキの印刷によりなる滑り止め加工部が設けられていることを特徴とするものであり、原反時における剥離紙の裏面の表面平滑度を簡易な構成で低下させることができ、この剥離紙を用いた積層物を多数枚積み重ねたときの密着度合いを簡単に下げることができるようになる。また、滑り止め加工部を、剥離面上に積層するラベルなどの情報表示媒体とともにプリンタなどの情報出力機器に給紙されるときの給紙方向に沿って連続または不連続の並びを有したパターンに設けることで、この剥離紙を用いた貼着シートにおける情報出力機器などでの引き込みや用紙移送が適正に行われ、滑りや詰まりを生じさせないようになる。さらに、前記インキが無機物の微粒子を含有しているものとすることで、より一層表面平滑性の低減効果が得られ易くなる。
また、上記滑り止め加工部が設けられている面のJIS P 8119で規定される表面平滑度を150秒以下とすることでも、この剥離紙を用いた貼着シートを積み重ねたときの密着度合いの低減や情報出力機器での用紙引き込み、用紙移送が良好になる。
【0016】
さらに、上記剥離紙の剥離面に、該剥離面に対向する面に粘着剤が塗布された第一基材シートが貼り合され、前記第一基材シートの前記粘着剤の塗布面とは版体側に接着剤を介して第二基材シートが貼り合され、第二基材シートと第一基材シートと剥離紙との積層領域中に、第二基材シートから剥離紙に達してこの剥離紙を分断しない深さの切り込みにより区分されて分離可能にした帳票が設けられていることを特徴とする配送伝票とすることで、多数枚の配送伝票を積み重ねても剥離紙とその下位の配送伝票の表面との密着度合いが高くならず、積み重ね状態での情報出力機器への装填を行なっても適正に一枚ずつの用紙引き込みが行われ、また、機器内部での用紙移送も適正なものとなり、静電複写方式の情報出力機器などを用いた場合の除法出力が適正なものとなるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る配送伝票の一例を示す説明図である。
【図2】一例を伝票部の断面で示す説明図である。
【図3】一例を商品明細部と伝票部との断面で示す説明図である。
【図4】一例の剥離紙側を示す説明図である。
【符号の説明】
1…配送伝票
5…第二基材シート
6…第一基材シート
7…剥離紙
11…貼付票
12…受領証
13…配送情報記載部
14…受取り確認情報記載部
15…接着剤
16…粘着剤
17…剥離面
19…裏面
20…滑り止め加工部
A…給紙方向
【発明の属する技術分野】
本発明はプリンタなどの情報出力機器により情報が出力(印字、印刷)される情報表示媒体を剥離可能に備えることができるようにした剥離紙と、この剥離紙を用いた配送伝票に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から裏面に粘着剤を配したシート状の貼着物を剥離可能に支持するための台紙として、前記粘着剤が接合する部分をシリコーン系樹脂を塗布してなる剥離面とした剥離紙が多く利用されており(例えば特許文献1参照)、貼着物基材とその下面の粘着剤層と前記剥離紙とが重なる積層構成の製品として提供されてきている。
一般に、貼着物としてのラベル片をカス取りした状態で剥離紙に配した製品や剥離面全面に貼着シートが貼り合されている製品は、前述したように貼着物基材と粘着剤層と剥離紙とが重なる長尺な原反から製造されている。そして、その原反がロール形態として巻き取られて保管されているときに、剥離紙裏面に凹凸があるとその凹凸形状が貼着物基材の表面に転写されて、その貼着物基材、即ち、製品としたときの前記ラベル表面や到着シート表面に凹凸が目立って製品の外観や品質を損ない易くなる。
【0003】
そのため、剥離紙の裏面の表面平滑度が高められているのが一般的であり、上記貼着物が装飾用シートなどである場合には、剥離紙の裏面側にアルキッド樹脂や熱硬化性樹脂による鏡面処理剤を塗布して鏡面仕上げとしたり(特許文献2参照)、剥離紙の裏面にポリエチレンもしくはポリプロピレン層を30〜80μmの厚さで設けて平滑な面としたり(特許文献3参照)、また、表面平滑度が50〜150秒の紙基材の両面に低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを溶融混合させた混合ポリエチレンを15〜35μmの厚さでラミネートすること(特許文献4参照)も提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭53−110634(第1頁)
【特許文献2】
公開実用平成3−125039(第4頁17行から19行目、第1図
【特許文献3】
実開平4−106340(段落番号0019、図1)
【特許文献4】
特開2000−73018(段落番号0007、0025)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記貼着物基材と粘着剤層と剥離紙とを積層してなる製品として配送伝票が構成されるようになってきた。これは、配送伝票の用途には従来から複数枚の帳票を綴じ合わせて同時複写構成としたものが用いられていたが、静電複写方式の情報出力機器により情報出力を行なった場合に効率が良好であることや、その情報出力時の静粛性の点で有利であることから、この静電複写方式の情報出力機器を用いて配送情報の出力を行なえるようにし、そして、この情報出力機器に対応できる配送伝票として、同一面上に複数の帳票を分離可能に配置した一シート形態のものが開発されたことによるものであり、所要の帳票が配送物や愛想業務管理台帳などに貼着できるようにするために、この配送伝票を前述した積層物により構成することが行われるようになってきた。
【0006】
しかしながら、最下層を剥離紙とする積層物からなる一シート形態の配送伝票に上記情報出力機器にて配送情報を機械出力する場合、剥離紙の裏面の表面平滑度が高い多数枚の配送伝票を重ねると上下の配送伝票間の密着度合いが高くなり、その状態で情報出力機器に装填すると、印字部への一枚ずつの送出が適正に行われ難くなる。さらには情報出力機器の内部における給紙工程上でも滑りが発生し易くなって、詰まりや印字ずれなど適正な情報出力処理が行なえないという問題があった。
そこで本発明は上記事情に鑑み、原反の時点で裏面の表面平滑度が高い剥離紙を用いながら簡易な構成によりその表面平滑度を、この剥離紙が組み入れられる配送伝票の使用に適合するようにすることを課題とし、その配送伝票への上記静電複写方式の情報出力機器による情報出力が適正に行われるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、剥離面とは反対側の面である裏面に、インキの印刷によりなる滑り止め加工部が設けられていることを特徴とする剥離紙を提供して、上記課題を解消するものである。
本発明において、上記滑り止め加工部は、剥離面上に積層するラベルなどの情報表示媒体とともにプリンタなどの情報出力機器に給紙されるときの給紙方向に沿って連続または不連続の並びを有したパターンに設けられているものとすることが可能である。また、上記インキは無機物の微粒子を含有しているものとすることが可能である。さらに、上記滑り止め加工部が設けられている面のJIS P 8119で規定される表面平滑度が150秒以下であることが良好である。
【0008】
さらにもう一つ野発明は、上記剥離紙の剥離面に、該剥離面に対向する面に粘着剤が塗布された第一基材シートが貼り合され、前記第一基材シートの前記粘着剤の塗布面とは版体側に接着剤を介して第二基材シートが貼り合され、第二基材シートと第一基材シートと剥離紙との積層領域中に、第二基材シートから剥離紙に達してこの剥離紙を分断しない深さの切り込みにより区分されて分離可能にした帳票が設けられていることを特徴とする配送伝票であり、この配送伝票を提供して上記課題を解消するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明を図1から図4に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1は配送伝票で、該配送伝票1は伝票部2と商品明細部3とが折り部4を介して並設されているものである。そして、前記伝票部2はその全域が図2に示されているように上位から第二基材シート5と第一基材シート6と剥離紙7とが重ねられた積層構成を有しており、前記第二基材シート5の折り部4側の一辺を延設することで単層として商品明細部3が形成されている。
図1に示されているように商品明細部3は配送に係る商品の情報を記載する商品情報記載部8が設けられている。また、伝票部2にあっては切り込み9、10により区分されてそれぞれが分離可能に設けられた帳票である貼付票11と受領証12とが同一平面にして配置され、貼付票11の表面には受取人住所氏名などの配送情報を記載する配送情報記載部13を備え、前記受領証12には受取り確認情報記載部14を備えている。
このように、配送伝票1にあっては同一平面にして商品明細部3の商品情報記載部8、貼付票11の配送情報記載部13、受領証12の受取り確認情報記載部14を備えており、静電複写方式の情報印字機器を利用することで各記載部に同時に情報を出力できるようにしている。
【0010】
上記伝票部2にあっては図2に示すように第二基材シート5の裏面に施された接着剤15を介して第一基材シート6に貼り合されている。また、第一基材シート6はその裏面に施された粘着剤16を介して上記剥離紙7の剥離面17に貼り合されている。そして、上記貼付票11を区分する切り込み9は第二基材シート5から剥離紙7に達していて、且つこの剥離紙7を分断しない深さであり、この切り込み9によって貼付票11は、第二基材シート5と第一基材シート6とが一体となった帳票として必要時に剥離紙7から分離できるように設けられ、分離したこの貼付票11が配送物に貼着できるものとなっている。
また、上記受領証12を区分する切り込み10は第二基材シート5のみを分断する深さのものであり、さらにこの受領証12における第二基材シート5の裏面には、受領証12の周辺を除いた領域に上記接着剤15の接着力を小さくする接着力調整用の印刷18が施されており、第二基材シート5のみの単層の帳票として受領証12が第一基材シート6から必要時に分離できるようにしている。
受領証12における第二基材シート5の裏面の周囲では接着剤15が直接第一基材シート6に貼着しているが、この接着剤15の接着力は第二基材シート5と第一基材シート6とがある程度の面積以上で貼り合されることで剥離困難になる接着力で、受領証12の裏面周辺のみが第一基材シート6に接着した状態では、配送伝票1全体と取り扱ったり情報出力機器に通したりしたときに不用意な脱落を生じないようにしているとともに、人の指先などによる捲り上げ操作では第二基材シート単層の受領証12を簡単に分離できるようになるものである。一方、上記貼付票11にあっては第二基材シート5と第一基材シート6とが接着剤15によって直接貼り合され、接着剤15の接着力が、第一基材シート裏面の粘着剤16の剥離面17に対する粘着力に十分に優っており、よって、貼付票11は粘着剤16を有した帳票として剥離紙7から分離できる。
なお、上記受領証12の部分において、接着剤15の接着力を調整するために第一基材シート6における受領票対応領域に前記接着力調整用の印刷を施すことも可能である。
【0011】
配送伝票1において上記第一基材シート6と剥離紙7とはこの配送伝票1を製造する上で予め積層状態となっている原反から得られているものであり、剥離紙7は通常の剥離紙と同じようにシリコーン系樹脂の塗布により上記剥離面17を形成している。そして、配送伝票1の構成部材であるこの剥離紙7の裏面19には、図4に示すように、インキの印刷によりなる滑り止め加工部20が設けられている。
この滑り止め加工部20は、少なくとも情報出力機器の給紙方向A(情報出力機器における配送伝票の引き込み方向および情報出力機器内部の用紙移送方向)に沿って連続、または不連続の並びが得られるパターンとして形成されることが良好である。このように剥離紙7の裏面19にパターンとして滑り止め加工部20が設けられていることで、裏面19の平面平滑度が上記原反時に比べて低下しており、情報出力機器に多数枚の配送伝票1を積み重ねて装填したときにも、剥離紙7の裏面19とその下位の配送伝票1の第二基材シート(伝票部)の表面との密着度が高くならず、情報出力機器への一枚ずつの引き込みが適正に行われ、機器内部での用紙の移送も滑りを生じさせずに適正になる。
【0012】
上記滑り止め加工部20を設けて剥離紙7の裏面19の表面平滑度を低下させているが、JIS P 8119で規定される表面平滑度として150秒以下であることが好ましく、50〜100秒であることが良好である。
そして、図示の実施の形態において滑り止め加工部20は、上記表面平滑度(150秒以下)が得られる条件の下で格子状のパターンに設けられており、給紙方向Aには連続したストライプとしての滑り止め加工部20が存在するように設けられている。勿論、格子状のパターンに限定されるものではなく、給紙方向Aに平行或いは直交するストライプ縞としてもよく、ドットパターン、地紋パターンなど、滑り止め加工部20のパターンは限定されない。
【0013】
滑り止め加工部20はインキの印刷により形成されているものであるが、そのインキに無機物の微粒子や有機物の微粒子が含有されていることが良好であり、炭酸カルシウムの微粒子などが好適に利用できるが、本発明において、含有させる場合の微粒子は限定されない。
【0014】
上記インキとして株式会社ティーアンドケイ東華(T&K TOKA CO.,LTD)製UVマットOPニスを用いて格子状パターンの滑り止め加工部を形成した配送伝票と、滑り止め加工部を有しない配送伝票とを作成して、情報出力機器内部での用紙移送状態を比較した。
なお、滑り止め加工部を有する配送伝票(実施例)では、インキのドライ塗布量を2〜3g/m2とし、剥離紙裏面におけるJIS P 8119で規定された表面経過都度は50〜100秒である。また、滑り止め加工部を有しない配送伝票(比較例)は(滑り止め加工部のみが設けられておらず、他の構成が上述した実施の解体と同じであり、JIS P 8119で規定された表面経過都度は160〜180秒である。
比較の結果、実施例では2000枚に対して情報出力を行なったが一枚も要し詰まりが生じず、他方、比較例に情報出力を行なったところ、20〜30枚につき一回の移送不良が確認された。よって、滑り止め加工部を設けることで配送伝票の給紙が良好になることが判明した。
上記実施例におけるインキのドライ塗布量は1〜10g/m2とすることが可能であり、1〜5g/m2の範囲が好ましく、さらに2〜3g/m2の範囲が一層好ましい。
【0015】
【発明の効果】
以上説明した本発明の剥離紙によれば、剥離面とは反対側の面である裏面に、インキの印刷によりなる滑り止め加工部が設けられていることを特徴とするものであり、原反時における剥離紙の裏面の表面平滑度を簡易な構成で低下させることができ、この剥離紙を用いた積層物を多数枚積み重ねたときの密着度合いを簡単に下げることができるようになる。また、滑り止め加工部を、剥離面上に積層するラベルなどの情報表示媒体とともにプリンタなどの情報出力機器に給紙されるときの給紙方向に沿って連続または不連続の並びを有したパターンに設けることで、この剥離紙を用いた貼着シートにおける情報出力機器などでの引き込みや用紙移送が適正に行われ、滑りや詰まりを生じさせないようになる。さらに、前記インキが無機物の微粒子を含有しているものとすることで、より一層表面平滑性の低減効果が得られ易くなる。
また、上記滑り止め加工部が設けられている面のJIS P 8119で規定される表面平滑度を150秒以下とすることでも、この剥離紙を用いた貼着シートを積み重ねたときの密着度合いの低減や情報出力機器での用紙引き込み、用紙移送が良好になる。
【0016】
さらに、上記剥離紙の剥離面に、該剥離面に対向する面に粘着剤が塗布された第一基材シートが貼り合され、前記第一基材シートの前記粘着剤の塗布面とは版体側に接着剤を介して第二基材シートが貼り合され、第二基材シートと第一基材シートと剥離紙との積層領域中に、第二基材シートから剥離紙に達してこの剥離紙を分断しない深さの切り込みにより区分されて分離可能にした帳票が設けられていることを特徴とする配送伝票とすることで、多数枚の配送伝票を積み重ねても剥離紙とその下位の配送伝票の表面との密着度合いが高くならず、積み重ね状態での情報出力機器への装填を行なっても適正に一枚ずつの用紙引き込みが行われ、また、機器内部での用紙移送も適正なものとなり、静電複写方式の情報出力機器などを用いた場合の除法出力が適正なものとなるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る配送伝票の一例を示す説明図である。
【図2】一例を伝票部の断面で示す説明図である。
【図3】一例を商品明細部と伝票部との断面で示す説明図である。
【図4】一例の剥離紙側を示す説明図である。
【符号の説明】
1…配送伝票
5…第二基材シート
6…第一基材シート
7…剥離紙
11…貼付票
12…受領証
13…配送情報記載部
14…受取り確認情報記載部
15…接着剤
16…粘着剤
17…剥離面
19…裏面
20…滑り止め加工部
A…給紙方向
Claims (5)
- 剥離面とは反対側の面である裏面に、インキの印刷によりなる滑り止め加工部が設けられていることを特徴とする剥離紙。
- 上記滑り止め加工部は、剥離面上に積層するラベルなどの情報表示媒体とともにプリンタなどの情報出力機器に給紙されるときの給紙方向に沿って連続または不連続の並びを有したパターンに設けられている請求項1に記載の剥離紙。
- 上記インキは無機物の微粒子を含有している請求項1または2に記載の剥離紙。
- 上記滑り止め加工部が設けられている面のJIS P 8119で規定される表面平滑度が150秒以下である請求項1から3の何れか一項に記載の剥離紙。
- 請求項1の剥離紙の剥離面に、該剥離面に対向する面に粘着剤が塗布された第一基材シートが貼り合され、前記第一基材シートの前記粘着剤の塗布面とは版体側に接着剤を介して第二基材シートが貼り合され、第二基材シートと第一基材シートと剥離紙との積層領域中に、第二基材シートから剥離紙に達してこの剥離紙を分断しない深さの切り込みにより区分されて分離可能にした帳票が設けられていることを特徴とする配送伝票。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003141987A JP2004347691A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | 剥離紙とこの剥離紙を用いた配送伝票 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003141987A JP2004347691A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | 剥離紙とこの剥離紙を用いた配送伝票 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004347691A true JP2004347691A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33530199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003141987A Pending JP2004347691A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | 剥離紙とこの剥離紙を用いた配送伝票 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004347691A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009023275A (ja) * | 2007-07-23 | 2009-02-05 | Toppan Forms Co Ltd | 印字用単片帳票 |
-
2003
- 2003-05-20 JP JP2003141987A patent/JP2004347691A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009023275A (ja) * | 2007-07-23 | 2009-02-05 | Toppan Forms Co Ltd | 印字用単片帳票 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7579076B2 (en) | Unit-piece printing sheet and process for producing the same | |
JP3858082B2 (ja) | 共接着性接着シートを含むパッド | |
JP2000513287A (ja) | 接着接合されたシートを含むパッド | |
JP2000263966A (ja) | 配送伝票 | |
JP2001353987A (ja) | 配送伝票用帳票 | |
JP2004034673A (ja) | 複合情報シート | |
WO2014122795A1 (ja) | ラベル | |
JP4443019B2 (ja) | 配送用帳票 | |
JP4464456B1 (ja) | 伝票用シート | |
JP2000202974A (ja) | 積層体 | |
JP2006289806A (ja) | プリンタ用紙 | |
JP2004347691A (ja) | 剥離紙とこの剥離紙を用いた配送伝票 | |
JP2002120478A (ja) | 情報通信体の製造方法 | |
JPH11157254A (ja) | 配送伝票 | |
US9449534B2 (en) | Method for manufacturing extended content booklet labels | |
US20090278343A1 (en) | Coplanar-joined printing carrier made from at least two partial printing carriers, the partial printing carriers, and the method for their fabrication | |
JP6519196B2 (ja) | 冊子付き配送伝票 | |
JP4668372B2 (ja) | 配送伝票 | |
JP2018079647A (ja) | 配送伝票 | |
JP2019081283A (ja) | 冊子及び冊子の製造方法 | |
JPH01214482A (ja) | 簡易製本具とその製造方法 | |
JP5961981B2 (ja) | 貼り合わせ帳票の製造方法および装置 | |
JP2002113980A (ja) | 情報通信体の製造方法 | |
JP2002019206A (ja) | 印刷用疑似接着積層体 | |
JP2010023261A (ja) | 葉書シート及び葉書の作製方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060508 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091006 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100216 |