JP2004347405A - 紫外線障害の医学・組織学的評価方法及び抗紫外線性スキンケア組成物 - Google Patents

紫外線障害の医学・組織学的評価方法及び抗紫外線性スキンケア組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線による障害を医学・組織学的に評価する新規な方法、およびこの評価方法によって得られ、抗紫外線性および生体合目的性が高い上、費用対効果比にも優れる抗紫外線性スキンケア組成物を提供する。
【解決手段】マウス背側の剃毛皮膚を評価検定基盤として用い、かつ紫外線照射応答によりインタクトの薄い2列立方上皮から形成される重層扁平上皮と紫外線に鋭敏に反応して真皮内に密に分布し始めるCD68陽性マクロファージを指標とする紫外線障害の医学・組織学的評価方法、並びに鳥類の羽毛を、(a)アルカリ処理により形状変換および形質変換して得られるオリゴβケラチン誘導体、および/または(b)上記(a)の処理に引き続く紫外線照射処理により形状変換および形質変換して得られるオリゴβケラチン誘導体を含み、かつ前記方法により検索評価して得られた抗紫外線性スキンケア組成物である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線障害の医学・組織学的評価方法及び抗紫外線性スキンケア組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、紫外線障害を医学・組織学的に評価する新規な方法、および鳥類の羽毛のアルカリ処理で得られるオリゴβケラチン誘導体を含み、かつ前記方法で検索評価されてなる抗紫外線性スキンケア組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鶏肉および鶏卵の生産の副生物としての家禽羽毛の産生量に関しては、公式的な統計数字は存在しないが、世界有数の鶏肉生産メーカーの内部資料に基づく試算によれば、米国の年間副生量は約200万トンに上り、この算定ベースに従った日本の副生量は約15万トンと試算される。
日米ともに、鶏肉生産の副生羽毛は、その高い集積度故に、内臓類その他副生物とともにレンダリング処理によって大部分フェザーミールに加工されるが、鶏卵生産の副生羽毛は、その低い集積度故に、大部分は産廃処理されている。
【0003】
フェザーミールは、高い供給安定性とその高い蛋白価及び廉価性にも拘らず、飼料用蛋白素材として最も価値の低いものと評価されてきている。家畜にとっての難消化性と必須アミノ酸の欠落がその主因である。
このような背景から、近年、家禽類羽毛の形状変換、主として微細化、技術の開発が行われ、羽毛本来の保温性(そして断熱性)や撥水性を利用する試みがなされてきた。しかしながら、高い製品価格とそれに見合うバルク需要の創出不能というジレンマに陥って、未だにその打開策を見出し得ずにいるのが現状である。
【0004】
本発明者らは、このような事情のもとで、家禽類羽毛の費用対効果の高い形状変換及び形質変換技術を開発し、羽毛本来の既知特性および未知の潜在化特異性を活かした、新規なバルク需要を創出すべく研究を重ね、先に家禽類の羽毛を原料とする水溶性ケラチン誘導体を開発すると共に、この水溶性ケラチン誘導体が、高エネルギー波吸収剤、発光材料、耐候性改善剤、撥水剤などとして有用であることを見出し、特許を出願した(例えば、特許文献1参照)。
上記技術の開発過程で、羽毛のアルカリ処理で得られるβケラチン誘導体(以下、MFPと称すことがある。)は、水に対する溶解度が50質量%以上と異常に高く、かつ有機溶媒にも溶けるという両親媒性をもつことが明らかにされるに至り、その水溶性の特性が注目されるに至った。
【0005】
他方、鳥類の羽は、第一義的には飛翔の手段であると同時に、大気圏下層の対流圏から地表を経て水中までの広範囲で多様・多彩・苛酷な外環境から生体を防御する重要な器官でもある。地表から1km上昇する毎に、温度は6.5℃ずつ減少、紫外線量は約3割ずつ増加、風速も飛躍的に増加する筈で、ヒマラヤの山頂を越えて行き来する渡り鳥は、気温−50℃前後、紫外線量が地表の2.5倍で、危険なUV−C(波長域200〜290nmの紫外線で地表ではゼロとされている。)の照射下、風速40〜60m/sec.でかつ酸素濃度が激減している苛酷な環境にも耐えられるのは、この羽によるところ大と考えて差し支えない。
【0006】
そこで、MFP水溶液を紫外線分光光度計でそのスペクトルを測定した結果、対照の牛血清グロブリンに比べ、紫外線全域の吸収率が優位に高いばかりか、紫外線照射耐性が絶対的に強く、特にUV−C照射耐性が異常に高いことが明らかにされた。このことは、地表とは比べものにならない程照射量が強いUV−Cから生体を防御する合目的な機能と考えることができる。
以上から、両親媒性を有するMFPは、紫外線障害から生体を防御することができ、格段に処方性が改善され、安全性の高い蛋白基材になり得るものと考えられた。
【0007】
従来のUV障害からの生体防御技術(以下、「抗UVスキンケア」という。)は、合成された有機系紫外線吸収剤(材料の耐候性・耐光性改善剤の中で相対的に安全性が高いと考えられたものが大部分)と金属酸化物(化粧品の顔料として使用実績がある。)の併用技術で、その主流は、表面被覆超微粒(数十nmのオーダー)化チタン酸化物と亜鉛酸化物である。これらのサブミクロンオーダーでもUV−A及びUV−Bを遮断できる性能を有するが、単に使用感(肌が白化する)の問題だけで、可視光を透過させるために、この粒径を超微粒化したものである。しかし、超微粒化に起因して、これに紫外線が共存すると有機物が分解される光毒性、すなわち細胞死を惹起する。これは、非生体系における有害物質の自然環境下での自動分解・除去のナノテクとして脚光を浴びているナノ・チタンオキサイド光触媒そのものである。反合目的な光毒性を抑制させるために開発(非鉄金属、セメント、電材メーカーによる)されたのが、当該金属酸化物超微粒子表面の超ナノテクコーティング技術で処理された、数ナノメートルの膜厚のシリカやシリコン被覆物である。次の問題が、当該ナノテク超微粒子の二次凝集性の低減化とその皮膚面への均一分散化及びその定着化、すなわち、処方性の向上で、その決め手がシリコーンオイルへの分散性であった。このために、当該ナノテク超微粒子の一次被膜上に、パーフルオロ炭化水素残基をグラフトしたアクリルポリマーでコートすることとなって、ようやく抗UVスキンケア用紫外線遮断剤ができ上がったものである。
【0008】
しかしながら、このような重装備化にも係わらず、光毒性の完全制御には必ずしも成功していないのが実状である(例えば、非特許文献1参照)。
また、当該ナノテク二重被膜超微粒子を皮膚面に満遍なく覆う必要からその処方量が1割前後と多くなることで、これに起因しキャリアのシリコーンオイルの使用も大量になるに伴い、このシリコーンオイル相とその他の基材との相溶性を向上させるための結合材が多くなるといった具合に、極めて重装備(厚化粧)を余儀なくされることにより、トータル費用対効果が低下するという使用上の問題が生じる。
【0009】
皮膚は、生体中で最大の臓器であること、生体防御の免疫機能における最前線に位置しその寄与が予想外に大きいこと、主要なアレルギー発症部位でその障害がビジュアルであることなどから、最新の皮膚科学の発展は目覚ましく、特に、物質の皮膚吸収(経皮吸収)に関する知見には注目に値するものがある。経皮吸収にスポットを当てたのが、遺伝子ワクチンの実用化研究で、従来は、DNAのような巨大分子は全く経皮吸収されないと信じられてきた。ところが、1990年初め、ウイルスDNAの断片の皮膚塗布によって、生体内に対応する抗体が産生することが明らかとなり、その吸収機序が盛んに研究された結果、全く異分野の皮膚科学分野での知見が日の目を見ることになった。すなわち、当該分野では、物質の何たるかに係わらずその粒径を3μm以下にするだけで、生体内に吸収され、そのパスウエーとなるのが毛嚢(hair follicle)であることが明らかにされている(例えば、非特許文献2参照)。例えば、微細化した蛍光発光ポリスチレンビーズを、水中及び油相分散体としてヘアレスラットと人間の皮膚に塗布後二時間で、9μm及び10μmビーズは皮膚表面に残るが、7μmビーズは大部分毛嚢深部に侵入していることが確認された。3μm以下のビーズでは、stratum corneum(角質層)と毛嚢の双方に蛍光が観測された。しかも、水相分散より油相分散の方がより経皮吸収されやすい。
【0010】
この皮膚科学分野の知見は、上記チタン酸化物および亜鉛酸化物のナノテク二重被覆超微粒子を乳化分散状態で皮膚に塗布することにより、当該金属酸化物微粒子が経皮から吸収される可能性があることを強く示唆している。残念ながら、化粧品分野におけるこの種の研究報告は見当たらない。
合成有機紫外線吸収剤は、本来材料の耐久性改善用に開発されたものが多く、化粧品用としては、溶解性が極端に低いことに起因する難処方性と安全性に対する懸念が課題で、未だに好適なものは開発されていない(例えば、非特許文献3参照)。
【0011】
紫外線障害の評価判定方法には、UV−Bに関するSPF(un rotection actor)とUV−Aに関するPA(rotection factor of UV−)が用いられている。SPFは、ベトナム戦争当時に米兵の日焼けを防ぐために開発されたサンクリーンオイルの塗布量に合わせて作られた米国FDAの基準案に準拠しており、基準塗布量と使用実態量との乖離や塗布剤の経時変化要因の無視、および基準人工光源と太陽光との障害性の乖離等の問題が指摘されている(例えば、非特許文献4参照)。
SPF=塗布皮膚に日焼けを起こす最少UV量/無塗布皮膚が日焼けを起こす最少UV量、で定義される。因みに日焼けは、目視による紅斑の発症で判定する。同一線量では、紅斑発症時間の比として表記され、数値が大きい程防御能が高いとされる。
【0012】
一方、PAには、+++、++、+の3段階があり、前者が最もUV−Aカット能が高いとされ、世界に先駆けて1997年から日本で基準化されたが、SPFに比べ世界的な認知度は今一である。
PA=塗布皮膚の最少持続性即時黒化量/無塗布皮膚の最少持続性黒化量、として定義され、これも目視判定によっている(例えば、非特許文献5参照)。
このように、従来の紫外線障害の評価方法は、単に皮膚表面の色調変化を目測するやり方で、医科学的な生体障害の指標には程遠く、簡便ではあるが殆ど意義がないのが実状である。したがって過剰防御の恐れがあり、そのために必要以上の費用負担と重装備の基材を必要以上に塗布し、その結果当該重装備基材が皮膚吸収によって生体内に侵入し、思いも掛けない生体内障害を惹起する可能性を秘めている。
【0013】
【特許文献1】
特願2002−215944号明細書
【非特許文献1】
「Fragrance Journal」、第12号、第108〜114頁(1998年)
【非特許文献2】
「Pharmaceutical Research」、第12巻、第2号、第179〜186頁(1995年)
【非特許文献3】
「Fragrance Journal」、第5号、第14〜19頁(1999年)
【非特許文献4】
「Fragrance Journal」、第5号、第31〜36頁(1999年)
【非特許文献5】
「FOOD Style」、第3巻、第4号、第65〜69頁(1999年)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、紫外線による障害を医学・組織学的に評価する新規な方法、およびこの評価方法によって得られ、抗紫外線性および生体合目的性が高い上、費用対効果比にも優れる抗紫外線性スキンケア組成物を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、紫外線照射による生体組織障害を、マウス背側の剃毛皮膚を検定基盤として用い、紫外線照射に応答して薄い2列立方上皮から形成される重層扁平上皮と紫外線に鋭敏に反応して真皮内に密に分布し始めるCD68陽性マクロファージを指標とすることにより、医学・組織学的に評価できることを見出した。また、鳥類の羽毛をアルカリ処理して得られたオリゴβケラチン誘導体、およびこれに引続いて紫外線を照射処理して得られたオリゴβケラチン誘導体は、いずれも易水溶性であって、両親媒性を有し、特異的機序により紫外線を吸収することに着目し、このオリゴβケラチン誘導体を含み、かつ上記の紫外線障害を医科学的に評価する方法で得られた抗紫外線性スキンケア組成物が、抗紫外線性および生体合目的性が高い上、費用対効果比にも優れることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
【0016】
すなわち、本発明は、
(1)マウス背側の剃毛皮膚を評価検定基盤として用い、かつ紫外線照射応答によりインタクトの薄い2列立方上皮から形成される重層扁平上皮と紫外線に鋭敏に反応して真皮内に密に分布し始めるCD68陽性マクロファージを指標とすることを特徴とする、紫外線障害の医学・組織学的評価方法、
(2)鳥類の羽毛を、(a)アルカリ処理により形状変換および形質変換して得られるオリゴβケラチン誘導体、および/または(b)上記(a)の処理に引き続く紫外線照射処理により形状変換および形質変換して得られるオリゴβケラチン誘導体を含み、かつ上記(1)項に記載の方法により検索評価して得られたことを特徴とする抗紫外線性スキンケア組成物、
(3)透明な水性組成物である上記(2)項に記載の抗紫外線性スキンケア組成物、
(4)非水溶性成分をオリゴβケラチン誘導体で可溶化して含む上記(2)または(3)項に記載の抗紫外線性スキンケア組成物、
(5)(a)アルカリ処理により形状変換および形質変換して得られるオリゴβケラチン誘導体が、鳥類の羽毛に対し、1〜20質量%の水酸化アルカリ金属水溶液を、水酸化アルカリ金属として2〜15質量%の割合で用い、20〜80℃の温度でアルカリ処理して得られたものである上記(2)、(3)または(4)項に記載の抗紫外線性スキンケア組成物、および
(6)(a)および(b)のオリゴβケラチン誘導体の分子量が、それぞれ5〜50kDaである上記(2)ないし(5)項のいずれか1項に記載の抗紫外線性スキンケア組成物、
を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の紫外線障害の医学・組織学的評価方法について説明する。
本発明の評価方法は、マウス背側の剃毛皮膚を評価検定基盤として用い、かつ紫外線照射応答によりインタクトの薄い2列立方上皮から形成される重層扁平上皮と紫外線に鋭敏に反応して真皮内に密に分布し始めるCD68陽性マクロファージを指標とする評価方法である。なお、本発明において、UV−Aは、波長400〜320nmの領域の紫外線を、UV−Bは、波長320〜290nmの領域の紫外線を、UV−Cは、波長290〜200nmの領域の紫外線を指す。
【0018】
従来の生体に対する紫外線照射応答性に関する測定方法は、線種毎に、UV−A対してはヒト皮膚上の持続性即時黒化最少量の目測によってPA(紫外線A防護係数)値を算出し、+++、++、+、でその程度を表示する(日本国内に限定される)。UV−Bに関しては米国産のSPF(日焼け防護係数)があり、ヒト皮膚上の日焼けの指標である紅斑の最少発症量を目視で判定してその際のUV−B照射量から算定する。UV−Cに関しては、オゾン層で全量カットされ地表には全く存在しないと一義的に断定されてきた結果、その対策は全く講じられていない。自作の測定装置を用いて計測を試みたケースによれば、冬期の北海道ではかなりのUV−Cが観測されるとの未公開情報もあり、今後は、無視するだけでは済まない事態も予想され、そのための準備を今から心掛けることが大事である。
【0019】
このように、既存測定技術は、単に皮膚表面の色調変化を目測する方法であって、医学・組織学的な生体障害の指標には程遠く、簡便ではあるが殆ど意義がない。したがって、場合によっては過剰防御の恐れがあり、そのために必要以上の費用負担と重装備の基材を必要以上に塗布し、その結果当該重装備基材が皮膚吸収によって生体内に侵入し、思いも掛けない生体内障害を惹起する可能性も秘めており、このことについても全く医学・組織学的なチェックが行われずに放置されているのが実状である。
【0020】
本発明の評価方法においては、先ず紫外線照射による生体組織障害を、通常は豊富な体毛によって十分に紫外線から防御されているマウス背中の剃毛皮膚を対象として、その鋭敏で薄い2列立方上皮が紫外線照射に応答して形成される判別容易な重層扁平上皮の組織染色を顕微鏡下で観測して、紫外線の生体障害発症最少照射量を設定する。そして、当該照射量下での表皮と真皮及び皮下組織における生体異常現象を、組織学的な観察及び免疫組織化学的観察によって一目瞭然に精査する。
【0021】
次に、本発明の抗紫外線性スキンケア組成物は、鳥類の羽毛を、(a)アルカリ処理により形状変換および形質変換して得られるオリゴβケラチン誘導体、および/または(b)上記(a)の処理に引き続く紫外線照射処理により形状変換および形質変換して得られるオリゴβケラチン誘導体を含み、かつ前述の科学的評価方法により検索評価して得られた抗紫外線性スキンケア組成物である。
本発明の抗紫外線性スキンケア組成物において、紫外線吸収剤として用いられるオリゴβケラチン誘導体は、鳥類の羽毛を、(a)アルカリ処理によって形状変換および形質変換することにより、あるいは(b)これに引続いて紫外線照射処理によって形状変換および形質変換することにより、得ることができる。
【0022】
前記オリゴβケラチン誘導体の原料として用いられる鳥類の羽毛としては特に制限はなく、各種の鳥類の羽毛を用いることができるが、大量に入手可能で、かつ資源の有効利用の観点から、家禽類の羽毛が好ましい。家禽類としては、食肉用ブロイラー、産卵鶏、アヒル、カモなどが例示されるが、その中でブロイラーおよび産卵鶏が、羽毛の大量入手性の点から、工業的に好適である。
鳥類の羽毛には、タンパク質の一種であるケラチンが多く含まれている。ケラチンは、一般に不溶性の細胞内タンパク質であり、ジスルフィド結合が多数存在する。ケラチンタンパク質は1種類のタンパク質分子ではなく、αヘリックスを形成したものが9+2本の形でロープ上にらせんを形成しているαケラチンと、ポリペプチド鎖間に水素結合したβ構造をもつβケラチンが、典型的なX線回折像から知られている。羽毛ケラチンにはβケラチンが多く含まれている。
【0023】
本発明においては、鳥類の羽毛をアルカリ処理して、羽毛ケラチンをオリゴβケラチン誘導体に形状変換および形質変換する。このアルカリ処理においては、原料羽毛を細断してそのままアルカリ処理してもよく、あるいはダウン部と芯部を分別して、別々にアルカリ処理してもよい。アルカリ処理には、一般に水酸化アルカリ金属などの水溶性アルカリの水溶液が用いられる。この水溶性アルカリの水溶液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水溶液が挙げられるが、これらの中で、工業的な面から水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。また、反応終了液から脱塩を回避する目的で、水難溶性または水不溶性アルカリ、例えば水酸化カルシウム、活性白土、イオン交換樹脂なども用いることができる。
【0024】
アルカリ処理条件は、原料羽毛中のケラチンに異常反応を惹起させない条件であればよく、特に制限はない。例えばアルカリとして、水酸化アルカリ金属の水溶液を用いる場合、その濃度としては、局所的な強アルカリ状態を回避できる濃度であればよく、特に制限はないが、通常1〜20質量%、好ましくは2〜12質量%の範囲で選定される。また、この水溶液の使用量は羽毛に対し、水酸化アルカリ金属として、好ましくは2〜15質量%、より好ましくは4〜10質量%の割合になるように選定される。
【0025】
反応温度は、タンパク質の熱変性温度以下が好ましく、通常20〜80℃の範囲で選定される。また、反応方式としては、不均一反応であるため、羽毛とアルカリとが効率よく接触できる方式であればよく、特に制限されず、回分式および連続式のいずれであってもよい。処理時間については、使用するアルカリの濃度や量、反応温度などに左右され、一概に定めることはできないが、通常羽毛が実質上溶解してしまうまでアルカリ処理を行うのが有利である。また、アルカリ処理後、必要に応じ、常法に従って脱色処理や脱臭処理を施してもよい。
【0026】
前記の各処理が終了後、アルカリ水溶液を用いた場合には、適宜の酸、好ましくは塩酸で中和後、限外ろ過膜などを用いる膜処理によって脱塩および低分子量画分をカットし、一方、水不溶性または水難溶性アルカリを用いた場合には、そのまま常法に従ってろ過などの固液分離を施し、さらに低分子量画分をカットすることにより、目的のオリゴβケラチン誘導体を含む水溶液が得られる。
このようにして得られたオリゴβケラチン誘導体を含む水溶液は、常法に従って所定濃度まで濃縮し、「オリゴβケラチン誘導体(以下、「MFP」と略記することがある。)」水溶液製剤としてもよく、またこのものに、常法に従ってさらに乾燥処理、例えば蒸発乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥などの処理を施し、MFP粉剤としてもよい。
【0027】
本発明においては、紫外線吸収剤として、このようにして得られたMFPを用いてもよいし、該MFPにさらに紫外線を照射処理して得られたオリゴβケラチン誘導体(以下、「UVP」と略記することがある。)を用いてもよく、あるいはMFPとUVPを併用してもよい。
前記MFPに紫外線を照射する方法としては、MFPを含む水溶液、たとえば前述の乾燥処理する前のMFPを含む水溶液を適当な濃度、具体的には1〜20質量%程度、好ましくは2〜10質量%に調整し、これに紫外線、好ましくは200〜290nmの波長域の紫外線を適宜の照射強度で、80℃以下の温度にて2〜100時間程度照射させる方法を用いることができる。
【0028】
この紫外線照射終了液に、必要に応じ、限外ろ過膜などを用いる膜処理を施し、好ましくは分子量5,000以下、より好ましくは10,000以下の副生低分子化合物を除去する。次いで、このものを常法に従って所定濃度まで濃縮し、UVP水溶液製剤としてもよく、またこのものに、常法に従ってさらに乾燥処理、例えば蒸発乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥などの処理を施し、UVP粉剤としてもよい。
このようにして得られたMFPおよびUVPは、オリゴβケラチン誘導体であり、多重複合化環状構造体と推定される。これらの分子量は5〜50kDaの範囲にあることが好ましく、一般的には数十kDaの平均分子量を有している。
【0029】
このMFPおよびUVPは、水に対する溶解度が、常温で50質量%以上と特異的に大きく、かつ両親媒性を有している。また、加水分解耐性が大きく、耐候性に優れ、pH耐性で、特にアルカリ性での安定性が極めて顕著に大きい上、蛋白質分解酵素の基質にならない。さらに、化学発光による吸収エネルギーの緩和機能を有するために顕著な紫外線照射耐性を示し、特にUV−C照射耐性が特異的に高く、200℃まで安定で蛋白質誘導体としては耐熱性が非常に高い。
【0030】
本発明で用いる紫外線吸収剤は、皮膚組織と極めて同質性が高い羽毛における主成分である硬蛋白質のβケラチンのアルカリ加水分解生成物であって、遺伝子解析によりその一次構造であるアミノ酸配列も決定され、かつマウス塗布及び経口投与試験で安全性も実証されているオリゴβケラチン誘導体である。そして、50質量%以上の水溶性と両親媒性及び高度な界面活性、pH安定性、耐熱性、耐水性、耐候性、紫外線照射耐性などの物性面でもスキンケア処方性に優れている。また、透明な水性剤のスキンケア処方も可能であり、当該誘導体でシリコーンオイルや油溶性ビタミンを可溶化して透明水溶液とすることもできる。
【0031】
本発明の抗紫外線性スキンケア組成物においては、紫外線吸収剤であるオリゴβケラチン誘導体(MFPおよび/またはUVP)の含有量は、通常0.1〜20質量%の範囲で選定される。また、このスキンケア組成物には、適宜な助剤、例えば保湿成分、美白成分、ビタミン類、アミノ酸類、香料、pH調整剤、色素類、耐水性剤、防腐防菌剤、抗炎症剤、収斂剤などを配合することができる。
【0032】
本発明の抗紫外線性スキンケア組成物は、前述した紫外線障害の医学・組織学的評価方法によって検索評価して得られたものであり、抗紫外線性および生体合目的性が高い上、費用対効果比にも優れている。
当該抗紫外線性スキンケア組成物の剤型としては、例えば乳液(O/W型、W/O型)、ローション、オイル、ジェル(水性、油性)、エアゾール、スティックなどが挙げられ、化粧品としては、例えばサンスクリーン、サンタンおよびセルフタンニング並びに一般化粧品全般を挙げることができる。
【0033】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
製造例1 MFPの製造
(1)羽毛のアルカリ処理
成鶏処理場で副生する産卵鶏羽毛を通常の脱毛ラインから直接、鮮度よく採取して狭雑物を除去し、羽毛を超音波洗浄装置で適宜な温度および時間で洗浄したのち、細断機でカットし脱水して密封梱包後、冷暗所に保存したものを原料として使用した。
4質量%NaOH水溶液1kgに前記脱水羽毛200g(乾物質量100g)を加えて室温で攪拌した。羽毛がダウン状になったのち、反応液を加温して70℃に保持し、ダウンおよび芯部が完全に溶解するまで、5時間攪拌を続けた。
反応終了後、反応液を冷却しながら、1モル/L濃度の塩酸を滴下して、残存アルカリおよび硫化物を中和した。なお、反応液中に残存する硫化水素は、硫化水素トラップ剤を加え、加熱して完全に除去した。
次に、この中和処理液を、セライトをろ過助剤に使用して、常法により吸引ろ過した。
(2)脱塩・分取
上記(1)で得られたろ液を、以下のようにして限外ろ過し、分子量1万以下、1万超5万以下および5万超の3フラクションを質量比2:7:1の割合で分取した。
Figure 2004347405
各フラクション毎にロータリーエバポレーターで適宜に濃縮し、市販装置で凍結乾燥に供した。1万超5万以下のフラクション(MFP)の乾燥収量は49g(原料からの収率は49%)であった。
(3)MFP(分子量1万超5万以下)の特性
(イ)分子量分布(水系GPC法)
下記の装置を使用して、標準タンパク質(下記)と対比させてMFP(1万超5万以下の限外ろ過膜により調製)の相対分子量(kDa)分布を測定した。
結果は、9.6kDa及び10.8kDaにメインピークが測定された。チャートを図24に示した。
Figure 2004347405
(ロ)アミノ酸組成:自動アミノ酸分析装置を使用して測定
原料羽毛には含まれていないランチオニンが多く、反面、羽毛に多く含まれているシスチンが激減しているのが特徴で、アルカリによるシスチンの脱硫黄反応によりランチオニンが生成していることを示している。結果は表1に示した。
【0034】
【表1】
Figure 2004347405
【0035】
(ハ)界面特性
MFPは50質量%以上水に溶ける極めて高親水性を示すが、一方では80質量%エタノール水溶液と熱ジエチレングリコールに溶け、熱植物油に若干溶ける、両親媒性も示す。
(ニ)UV吸収能
検体水溶液を所定の石英セル(光路長1cm)に入れ、吸収能を市販の紫外線分光光度計による吸収スペクトルから求めた。その結果を表2に示す。各波長の吸収能は、紫外線を90%カットする検体濃度で表示してある。なお、対照として、牛血清アルブミン(結晶)を測定に供した。
【0036】
【表2】
Figure 2004347405
【0037】
(ホ)安定性
▲1▼紫外線照射耐性
MFP希釈水溶液に室温下、24時間紫外線を照射し、その安定性を評価した。UV−AおよびUV−Bに対しては、そのUV吸収能に全く変化が認められず、極めて安定性が高い。一方、UV−C照射においては、特異的な現象が観察された。すなわち、HPLCスペクトルでは、分解を示唆するような大きな変化はなんら認められず、UV吸収能には、一般的にその吸収能が増加し、特に長波長側でその増加率が大きかった。
図25、図26および図27に、それぞれ各濃度のMFP水溶液に各波長の紫外線を照射した結果を示す。
▲2▼耐加水分解性
MFP粉末10質量%を含む1モル/L濃度のNaOH水溶液を70℃で95時間加熱したが、UV吸収能はUV−A、UV−BおよびUV−Cとも全く低下せず、HPLCスペクトルにも大きな変化が認められなかった。
図28にUV吸収能を、図29にHPLCチャートを示す。
Figure 2004347405
▲3▼耐生物活性:蛋白分解酵素耐性
10ミリモル/L濃度のTris−HCl液(pH7.5)1mlにMFP1mgを含む溶液に対し、proteinase K 6mUと1ミリモル/L濃度のCaCl液10μlを加え、37℃で90分間強力な消化反応を行った。反応終了液を前記▲2▼と同じHPLC測定条件でHPLCに供し、図30のチャートを得た。
このチャートは、MFPの基本骨格構造が強力な蛋白分解酵素の基質にならないことを示唆している。対照の牛血清アルブミンは完全に消化されている。
▲4▼耐熱性
示差熱分析の結果、200℃以上の耐熱性がある。図31に示差熱分析チャートを示す。
実施例1 紫外線障害の測定系の設定
1)障害発現系とその発現条件の設定
(1)実験材料と方法
i)実験動物
5〜8週齢ICR雄マウスを用い、マウス背側の体毛を動物用バリカンで剃毛した皮膚を実験対象とした。塗布措置等は剃毛による皮膚への影響を考慮して、剃毛後少なくとも12時間間経過してから実験を開始した。
【0038】
ii)紫外線の照射
市販の紫外線照射装置として、紫外線強度計DRC−100X[(株)井内盛栄堂製]と紫外線照射装置(紫外線センサーDRC−100X用365nm/312nm及び紫外線ランプHP−6L/HP−6M)(ATTO社製)を用い、線種は中波長のUV−B及び長波長のUV−Aの2種を使用した。
【0039】
iii)標本の作製
紫外線照射後1日、2日、3日及び5日目にエーテル麻酔下でマウスを屠殺、照射部の皮膚を摘出した。皮膚組織は凍結標本用の包埋剤(Tissue−Tek O.C.T.compoud,サクラ(日本))に浸漬、−20℃で凍結後、14μm厚のクリオスタット標本を作製した。凍結切片標本はゼラチンを塗布したスライドグラスに載せ、冷風乾燥後、ヘマトキシリン・エオシン染色(H−E染色)及び下記に示す各種抗体を用いて免疫染色を施した。
【0040】
iv)免疫組織化学
マクロファージのマーカーとしてCD68[ラット抗マウスCD68モノクロナール抗体(Serotec社(UK))]、ケラチンのマーカーとしてウサギ抗ケラチンポリクロナール抗体(コスモバイオ社(日))、腺維芽細胞のマーカーとしてビメンチン[ヤギ抗子牛ビメンチンポリクロナール抗体(Progen Biotech. Labs.(独))]、ランゲルハンス細胞のマーカーとしてS−100蛋白質[ウサギ抗ウシS−100蛋白ポリクロナール抗体(DAKO Japan 社(日))]、等を用いて免疫染色をした。また、ランゲルハンス細胞の酵素組織化学的証明にATPase(adenosine triphosphatase)法も併用した。
(2)紫外線障害発現系とその障害評価マーカーの設定
i)マウスの皮膚組織構造の特異性の解明
一般の哺乳類とは違い、豊富な体毛で覆われたマウス皮膚の表皮は組織構造が根本的に異なる。ヒトを含む哺乳類では、重層扁平上皮からなり、表皮深部から基底層(胚芽層)、有棘層、顆粒層、角質層に区分されるが、マウスでは重層扁平上皮の形態を全く示さず、また表皮各層の区別もされ得ない。図1および図2に、それぞれ紫外線非照射の対照マウス背側皮膚のH−E染色標本の顕微鏡像(×75)および強拡大像(×150)を示す。
【0041】
ii)マウス皮膚の紫外線照射応答性
▲1▼組織学的観察
マウス剃毛皮膚にUV−Bを50mJ/cm照射すると、3〜5日後には表皮に典型的な重層扁平上皮の形成が惹起され、表皮に特有な層状構造が区別されるようになる。また、皮下組織に浮腫が若干起きている。図3および図4に、それぞれUV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のH−E染色標本の顕微鏡像(×75)および強拡大像(×150)を示す。照射3日後の表皮を詳細に観察すると、顆粒層と角質層の形成が充分でないことが判る。表皮下に近い真皮に多数の細胞群が集積しているが、H−E染色標本からこの細胞群の同定は不可能である。
【0042】
免疫染色標本から推察して、マクロファージを含む遊走細胞と腺維芽細胞等からなる細胞集塊と考えられた。
照射後5日目になると、表皮の顆粒層と角質層が明確に区別されるようになり、重層扁平上皮に典型的な形態を呈するようになる。図5および図6に、それぞれUV−B50mJ/cm照射後5日目のマウス背側皮膚のH−E染色標本の顕微鏡像(×75)および強拡大像(×150)を示す。
【0043】
一方、真皮表層近くの細胞集団が疎分布になっていることや、表皮の形態から推察すると、紫外線照射の影響を受けた表皮と真皮の諸細胞が正常に回復している傾向が認められる。マウス背側表皮が更に強い紫外線照射であるUV−B100mJ/cmを受けると、角質層の最表層にアポトーシスによる変性細胞塊の剥離・脱落像に加えて、顕著な浮腫の形成が皮下組織に観察される。図7に、UV−B100mJ/cm照射後5日目のマウス背側皮膚のH−E染色標本の顕微鏡像(×75)を示す。
【0044】
▲2▼免疫組織化学的観察
―ケラチンの免疫染色―
正常マウスの背側皮膚では、ケラチンの免疫反応は、表皮、毛の外根鞘と付属脂腺に比較的強い陽性反応が観察されるほか、ケラチン陽性線維が真皮に不規則に分布している。このケラチン線維の免疫染色性はUV−Bの50mJ/cm照射によって、特に変化しないが、UV−Bの100mJ/cm照射では真皮のケラチン線維に顕著な変化をもたらし、線維の肥大と線維の網工形成が観察される。図10に、紫外線非照射の対照マウス背側皮膚のケラチン免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)を、図11に、UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のケラチン免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)を、図12に、UV−B100mJ/cm照射後5日目のマウス背側皮膚のケラチン免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)を示す。
【0045】
以上の実験結果から、動物に対する紫外線の影響を実験的に検索する場合、このようなマウス表皮の顕著な形態変化は簡便で、しかも極めて有用な組織学的な指標となる。紫外線とその照射強度は、UV−Bを50mJ/cmが最適と判断された。またケラチン免疫染色は紫外線照射によって誘導される表皮重層扁平上皮の同定に有用である。図13および図14に、それぞれ1質量%および10質量%MFP水溶液の塗布試験において、UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のケラチン免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)を示す。
―CD68の免疫染色―
正常マウスの皮膚を抗CD68抗体で免疫染色すると、CD68陽性マクロファージは、真皮全体に広く分布しているが、特に、表皮下近傍の浅部真皮と皮下組織近傍の深部真皮に密に局在している。その他に、表皮内にCD68陽性細胞が観察されるが、これらの陽性細胞は表皮ランゲルハンス細胞であると推察される。図15に、紫外線非照射の対照マウス背側皮膚のCD68陽性マクロファージ免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×75)を示す。
【0046】
一方、UV−B50mJ/cm照射後3日目の真皮浅部に突起を持ったマクロファージが多数誘導され、密な網工を形成している。又、重層扁平上皮内のランゲルハンス細胞に陽性反応が見られる。UV−B50mJ/cm照射後5日目の真皮では、マクロファージは、対照マウスに類似した分布パターンを示すが、表皮ランゲルハンス細胞は極少数観察されるに過ぎない。図16および図17に、それぞれUV−B50mJ/cm照射後3日目および5日目のマウス背側皮膚のCD68陽性マクロファージ免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)を示す。
【0047】
図18はUV−B100mJ/cm照射後5日目のマウス背側皮膚のCD68陽性マクロファージ免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)である。皮膚損傷部直下の真皮に有突起マクロファージの密な網工が観察される。
図21は、UV−A50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のCD68陽性マクロファージ免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)を示すが、真皮マクロファージはUV−A照射の影響を殆ど受けていないと考えられる。
この実験結果から得られた真皮マクロファージは紫外線照射に対して極めて鋭敏に反応するという知見から、この免疫染色は紫外線防御試験に極めて有用である。
【0048】
iii)マウス背側剃毛皮膚の紫外線障害発現適性とその適正マーカーの実験的評価
以上の実験結果から、動物に対する紫外線の影響を実験的に検索する場合、このようなマウス表皮の顕著な形態変化は簡便で、しかも極めて有用な組織学的な指標となる。
その際の紫外線とその照射強度は、UV−B50mJ/cmが最適と判断された。UV−Aは100mJ/cm照射後に置いても何ら有意な形態変化を惹起させず、より強力な照射が必要である。
当該形態変化の識別・評価においては、ケラチン免疫染色が有力な手段となり、紫外線照射によって誘導される表皮重層扁平上皮の的確な同定方法になり得る(図13,14参照)。
【0049】
更に、実験結果から得られた知見から、真皮マクロファージは紫外線照射に対して極めて鋭敏に反応することが明らかにされたことから、この免疫染色は紫外線防御試験に有用である。
実施例2 MFPの紫外線防御効果の測定
1)実験材料と実験方法
i)実験動物
5〜8週齢ICR雄マウスを用い、マウス背側の体毛を動物用バリカンで剃毛した皮膚を実験対象とした。塗布措置等は剃毛による皮膚への影響を考慮して、剃毛後少なくとも12時間間経過してから実験を開始した。
ii)MFP液の調製とその塗布
MFPを蒸留水に1質量%、5質量%、及び10質量%の割合で溶かし、これを剃毛皮膚に20μL塗布した。塗布部はドライヤーを用いて冷風乾燥した後、紫外線照射に供した。
iii)紫外線の照射
市販の紫外線照射装置として、紫外線強度計DRC−100X[(株)井内盛栄堂製]と紫外線照射装置(紫外線センサーDRC−100X用365nm/312nm及び紫外線ランプHP−6L/HP−6M)(ATTO社製)を用い、線種は中波長のUV−B及び長波長のUV−Aの2種を使用した。UV−Bの照射強度は50mJ/cm、UV−Aは50mJ/cm及び100mJ/cmとした。
iv)標本の作製;実施例1に同じ。
v)免疫組織化学;実施例1に同じ。
2)紫外線障害の発現とその防御
i)マウスの皮膚組織構造の形態変化とその抑制
▲1▼組織学的観察とその評価
図8は1質量%MFP水溶液を塗布し、UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のH−E染色標本の顕微鏡像(×75)である。UV−B50mJ/cm照射では重層扁平上皮の形成が誘導されているが、皮下組織における浮腫の発生は顕著に抑制されている。しかし、同じ紫外線量で被爆されたMFP非塗布の表皮と比較すると(図3)、表皮の厚さ、角質最表面に見られるエオジン好染性の細胞層の有無や毛根と附属脂腺周囲に集結する諸細胞の数などに相違点が見られる。
【0050】
この結果から判断すると、1質量%濃度のMFP水溶液塗布はこの紫外線照射量に対して、弱いながらも防御効果を示していると言える。
次いで、10質量%MFP塗布試験の結果を図9に示す。これはUV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のH−E染色標本の顕微鏡像(×75)であるが、非照射の対照皮膚と殆ど差異の無い細胞・組織構築が観察され、UV−B50mJ/cm照射に対して10質量%濃度のMFP塗布は、顕著な紫外線防御効果を示すことが実証された。
【0051】
▲2▼免疫組織化学的観察とその評価
―ケラチンの免疫染色―
図14は、10質量%MFP試験の結果を示したものである。これはUV−B50mJ/cm照射後3日目の背側皮膚のケラチン免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)で、非照射の対照皮膚と全く差異が無く、10質量%MFP塗布が顕著な紫外線防御効果を示すことを証明するものである。
―CD68の免疫染色―
1質量%MFP水溶液を塗布後UV−Bを50mJ/cm照射皮膚では、表皮下近傍の真皮にCD68陽性性細胞が密集している。図19に、1質量%MFP水溶液の塗布試験において、UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のCD68陽性マクロファージ免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×75)を示す。この標本の表皮は大部分が二列立方上皮の形態を示すが、一部に重層扁平上皮(写真左上)が観察される。同一標本上に異なった形態の表皮が存在するこの知見は、MFPの塗布が不均質になされたために惹起されたものと考ええられるが、表皮浅層のマクロファージの分布には部位差が特に認められなかった。
10質量%MFP水溶液を塗布すると、照射紫外線が防御される結果として、真皮のCD68陽性性細胞は疎に分布しており、正常皮膚に類似した細胞構築を示す。図20に、10質量%MFP水溶液の塗布試験において、UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のCD陽性マクロファージ免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)を示す。
【0052】
▲3▼MFPの紫外線防御効果
マウスの組織学的試験及び免疫組織化学的試験の何れにおいても、10質量%MFP水溶液塗布が紫外線照射障害を殆ど完全に、1質量%MFP水溶液塗布でも弱く、各々抑制することが実証された。この結果は、用途によって、それぞれの最適濃度が選定されうることを示唆している。
【0053】
▲4▼MFP水溶液塗布による紫外線照射障害の抑制機能に関する特異性
本実験は、紫外線障害からの生体組織防御において、従来の物理化学的な紫外線吸収・遮断のみでは片手落ちで、例えば免疫賦活や活性酸素捕捉・消去と言った生物化学的な機能の亢進(MFPによる当該機能発現機序は末詳ではあるが)が必須であることを強く示唆している。
そして、通常の評価方法が、ヒト皮膚表面の色調変化を目測するだけで、済まされているのに対し、本発明になる評価方法は、医学・組織学的な基盤に基づく最初の科学的な評価方法であることが、MFPの水溶液だけで防御できることを初めて明らかにした理由と言えるかも知れない。
【0054】
換言すれば、従来は、化粧品と言う位置づけに甘んじて、極表層的な評価で済ませることができたが、今後は皮膚が生体最大の臓器で、物理的防御機能のみならず、小腸上皮に類似した免疫・吸収などの代謝機能にも深く関与していることを認識して対処する必要がある。経口からの食品分解成分が小腸上皮から吸収されるのと同じく、皮膚塗布・接触物質が毛嚢から生体内にそのままの形で吸収され得ることを重く考えて、その使用目的の如何に関わらず、安全性を含む医学・組織学的な評価が必要とされる。
実施例3 MFPの安全性試験
1)実験材料とその方法
(1)実験動物;実施例1及び2に同じ。
(2)MFP液の調製;同上。
(3)毒性及び安全試験
蒸留水に溶かした高濃度のMFP(MFP2.5g/体重kg)を8匹のマウスに経口投与した。経口投与1週間後に2匹を屠殺して消化管の全長を縦に切開して病理解剖学的に観察した。また、肝臓や腎臓についても病理解剖学的に肉眼観察を行った。残り6匹は、対照群マウス6匹と共に、2週間後に全て屠殺して、同様な観察を行った。
2)経口投与試験の実施とその解析・評価
MFPを経口投与後、2週間にわたって実験動物の健康状態を肉眼的に観察したが、非投与群(対照群)と比較して、MFP投与群のマウスの飲水・摂食、脱毛、皮診等に関して外見上の異常所見は認められなかった。また、投与群各マウスの体重は実験開始時に比べて微増しており、対照群マウスの体重増と類似の傾向を示した。図22に、マウスに対するMFPの経口投与安全性試験(体重変化)結果を示す。MFP投与マウスの消化管を病理解剖的に肉眼観察を行ったが、腫瘤や狭窄の発生などの異常所見は見られなかった。
3)皮膚塗布試験の実施とその解析・評価
高濃度のMFPをマウス剃毛皮膚に塗布後2週間を通じて毎日観察したが、発赤、湿疹、かぶれ等の皮膚反応は検出されなかった。体重増も対照群マウスと比較して特に異常所見は認められなかった。図23に、マウスに対するMFPの皮膚塗布安全性試験(体重変化)結果を示す。
4)MFPの安全性評価結果
所定の条件でのMFP水溶液のマウス投与試験の結果、経口及び皮膚塗布共に、安全であることが実証された。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、紫外線による障害を医学・組織学的に評価する新規な方法を提供することができると共に、鳥類の羽毛のアルカリ処理で得られるオリゴβケラチン誘導体を含み、かつ上記評価方法によって得られ、抗紫外線性および生体合目的性が高い上、費用対効果比にも優れる抗紫外線性スキンケア組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】紫外線非照射の対照マウス背側皮膚のH−E染色標本の顕微鏡像(×75)図である。
【図2】紫外線非照射の対照マウス背側皮膚のH−E染色標本の強拡大像(×150)図である。
【図3】UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のH−E染色標本の顕微鏡像(×75)図である。
【図4】UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のH−E染色標本の強拡大像(×150)図である。
【図5】UV−B50mJ/cm照射後5日目のマウス背側皮膚のH−E染色標本の顕微鏡像(×75)図である。
【図6】UV−B50mJ/cm照射後5日目のマウス背側皮膚のH−E染色標本の強拡大像(×150)図である。
【図7】UV−B100mJ/cm照射後5日目のマウス背側皮膚のH−E染色標本の顕微鏡像(×75)図である。
【図8】1質量%MFP水溶液の塗布試験において、UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のH−E染色標本の顕微鏡像(×75)図である。
【図9】10質量%MFP水溶液の塗布試験において、UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のH−E染色標本の顕微鏡像(×75)図である。
【図10】紫外線非照射の対照マウス背側皮膚のケラチン免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)図である。
【図11】UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のケラチン免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)図である。
【図12】UV−B100mJ/cm照射後5日目のマウス背側皮膚のケラチン免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)図である。
【図13】1質量%MFP水溶液の塗布試験において、UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のケラチン免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)図である。
【図14】10質量%MFP水溶液の塗布試験において、UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のケラチン免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)図である。
【図15】紫外線非照射の対照マウス背側皮膚のCD68陽性マクロファージ免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×75)図である。
【図16】UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のCD68陽性マクロファージ免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)図である。
【図17】UV−B50mJ/cm照射後5日目のマウス背側皮膚のCD68陽性マクロファージ免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)図である。
【図18】UV−B100mJ/cm照射後5日目のマウス背側皮膚のCD68陽性マクロファージ免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)図である。
【図19】1質量%MFP水溶液の塗布試験において、UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のCD68陽性マクロファージ免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×75)図である。
【図20】10質量%MFP水溶液の塗布試験において、UV−B50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のCD68陽性マクロファージ免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)図である。
【図21】UV−A50mJ/cm照射後3日目のマウス背側皮膚のCD68陽性マクロファージ免疫染色標本の蛍光顕微鏡像(×150)図である。
【図22】マウスに対するMFPの経口投与安全性試験(体重変化)結果を示すグラフである。
【図23】マウスに対するMFPの皮膚塗布安全性試験(体重変化)結果を示すグラフである。
【図24】製造例1で得られたMFPの水系GPCチャートである。
【図25】MFP0.4質量%水溶液に各波長の紫外線を照射した場合の紫外線吸収能の1例を示すグラフである。
【図26】MFP0.1質量%水溶液に各波長の紫外線を照射した場合の紫外線吸収能の1例を示すグラフである。
【図27】MFP0.04質量%水溶液に各波長の紫外線を照射した場合の紫外線吸収能の1例を示すグラフである。
【図28】MFPにおけるアルカリ処理時間と紫外線吸収能との関係の1例を示すグラフである。
【図29】アルカリ処理MFPの1例のHPLCスペクトル図である。
【図30】MFPの蛋白質分解酵素反応の動態の1例を示すHPLCチャートである。
【図31】MFPの熱安定性を示す示差熱分析チャートである。

Claims (6)

  1. マウス背側の剃毛皮膚を評価検定基盤として用い、かつ紫外線照射応答によりインタクトの薄い2列立方上皮から形成される重層扁平上皮と紫外線に鋭敏に反応して真皮内に密に分布し始めるCD68陽性マクロファージを指標とすることを特徴とする、紫外線障害の医学・組織学的評価方法。
  2. 鳥類の羽毛を、(a)アルカリ処理により形状変換および形質変換して得られるオリゴβケラチン誘導体、および/または(b)上記(a)の処理に引き続く紫外線照射処理により形状変換および形質変換して得られるオリゴβケラチン誘導体を含み、かつ請求項1に記載の方法により検索評価して得られたことを特徴とする抗紫外線性スキンケア組成物。
  3. 透明な水性組成物である請求項2に記載の抗紫外線性スキンケア組成物。
  4. 非水溶性成分をオリゴβケラチン誘導体で可溶化して含む請求項2または3に記載の抗紫外線性スキンケア組成物。
  5. (a)アルカリ処理により形状変換および形質変換して得られるオリゴβケラチン誘導体が、鳥類の羽毛に対し、1〜20質量%の水酸化アルカリ金属水溶液を、水酸化アルカリ金属として2〜15質量%の割合で用い、20〜80℃の温度でアルカリ処理して得られたものである請求項2、3または4に記載の抗紫外線性スキンケア組成物。
  6. (a)および(b)のオリゴβケラチン誘導体の分子量が、それぞれ5〜50kDaである請求項2ないし5のいずれか1項に記載の抗紫外線性スキンケア組成物。
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