JP2004346695A - グリーストラップ槽の浄化方法と浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課 題】グリーストラップ槽の内部は勿論、該槽の回りでの害虫の発生を抑制すると共に、悪臭の発生も防ぐことができるグリーストラップ槽の浄化方法とそのための装置を提供すること。
【解決手段】グリーストラップ槽1の内部にオゾンを強制供給することにより、前記トラップ槽1と収容物の中に生息する害虫を含む微生物を殺菌し、その後から前記槽1内の油脂分や生物系汚泥分などを分解するための微生物を新たに投入すること。
【選択図】 図1
【解決手段】グリーストラップ槽1の内部にオゾンを強制供給することにより、前記トラップ槽1と収容物の中に生息する害虫を含む微生物を殺菌し、その後から前記槽1内の油脂分や生物系汚泥分などを分解するための微生物を新たに投入すること。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中華料理店やレストランなどのように食用油脂を多用する厨房施設に付設されているグリーストラップ槽の浄化方法とそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
食用油脂を多用する中華料理店やレストラン等の飲食品提供事業所にはその厨房施設の一環としてグリーストラップ槽の設置が義務付けられている。
【0003】
グリーストラップ槽は、上記レストラン等の厨房排水に含まれる油脂分を、一般下水の排水系に流出させない構造に形成したトラップ槽に一旦溜め置き、当該トラップ槽に溜まった油脂スカムを産業廃棄物処理業者に処理させるなどして処理をしているが、厨房排水に含まれた野菜屑や魚介類の屑などの生物系固形分のうち、細かくなった生物系固形分やそれらからの抽出成分は、厨房排水系の途中に設けられたフィルター、或は、グリーストラップ槽の入口や第一室に設けられたメッシュ系のフィルタや篭などによる目の粗い濾過手段を通過してしまい、グリーストラップ槽の内部に流れ込むのが実情である。
【0004】
グリーストラップ槽内で油脂類と一緒に前記生物系固形分が混入していると、それらが油脂分とともに腐敗したり発酵して悪臭を放つことが知られており、そのための消臭技術や分解処理技術が提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
【0005】
しかし乍ら、上記公知技術では、グリーストラップ槽内に微生物等を投入することにより、腐敗や発酵の原因となる生物を分解することにより問題解決を図っているため、十分な解決策とはなり得ていない。即ち、グリーストラップ槽に流入する油脂分に混じった生物系成分は、油脂分と相俟って単に腐敗臭の発生源となるのみならず、蚊やハエ,ゴキブリなどの害虫の発生源,寄生源となってグリーストラップ槽の回りを不衛生な環境にしてしまっているからである。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−29792号
【特許文献2】
特開2001−252680号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、グリーストラップ槽の内部は勿論、該槽の回りでの害虫の発生を抑制すると共に、悪臭の発生も防ぐことができるグリーストラップ槽の浄化方法とそのための装置を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明グリーストラップ槽の浄化方法の構成は、グリーストラップ槽の内部にオゾンを強制供給することにより、前記トラップ槽と収容物の中に生息する害虫を含む微生物を殺菌し、その後から前記槽内の油脂分や生物系汚泥分などを分解するための微生物を新たに投入することを特徴とするものである。
【0009】
本発明方法においては、一日に少なくとも1回、好ましくは夕食の時間帯が済みグリーストラップ槽に大量の厨房排水が流入した後に、グリーストラップ槽の内部に、オゾンを一例として少なくとも30〜40分程度、強制的に送り込んで当該槽内の微生物を殺菌し、適宜時間を置いて前記グリーストラップ槽にその槽内の油脂分や汚泥分を分解するための微生物を新たに供給する。新たに供給する微生物は、溶液に解いた状態でその溶液を前記トラップ槽の第一槽に供給することが好ましい。ここで、グリーストラップ槽の容積が一例として1m3である場合、前記オゾンの曝気量は約100mg/hr程度、微生物溶液の供給量は1m3に対し50cc/24hr程度で望ましい結果が得られている。
【0010】
本発明浄化方法においては、グリーストラップ槽に対する強制オゾン供給による槽内曝気と微生物供給のタイミングと供給時間(又は供給量)とを、予めプログラムしたタイミングと時間によって制御することにより、グリーストラップ槽内のオゾンによる殺菌と微生物による油脂類の分解と汚泥の分解を自動サイクルによって行うことができる。なお、本発明では上記オゾンは圧縮エアーと一緒に前記トラップ槽内に供給する態様のほか、圧縮エアーのみをグリーストラップ槽内に強制供給することもある。このエアーのみの供給は、微生物が槽内の油脂分などを分解する際に必要な酸素を供給することにより前記微生物の活性化を図る一方、沈澱汚泥などをエアレーションによって浮遊させ、微生物による分解を促進させるためである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明浄化方法の実施の形態例を、この方法を実施するための本発明浄化装置の一例を用いて図を参照しつつ説明する。図1はグリーストラップ槽に対する本発明浄化方法を適用した例を模式的に示した斜視図、図2は本発明浄化装置の一例の構成を説明するための正面図、図3は図2の装置の左側面図、図4は図2の装置の右側面図、図5は図2の装置の平面図である。
【0012】
図1において、1は3室タイプのグリーストラップ槽を模式的に示したもので、ここでは槽1の内部を三室1a,1b,1cを区画すると共に流入排水を次室にオーバフローさせて流入させるために当該槽内に設置された複数のトラップ2を具備しており、第一室1aの側から流入する厨房排水Owiは、比重の大きな油脂類や生物系固形分などを各室に順次沈殿させ乍ら第三室1cから外部系に水Woのみが排出されるように形成されている。
【0013】
上記グリーストラップ槽1は、その上面が着脱式の蓋3により閉塞されているが、この蓋3に近いトラップ槽の側壁上部には、後に述べる本発明浄化装置OBにより供給されるオゾンや圧縮エアー、或は、微生物を槽内へ受入れるために、穴又は切欠による供給口3a,3b,3cが形成されているものとする。
【0014】
上記構成のグリーストラップ槽1に対し、本発明浄化装置OBは、その外部筺体を形成する箱状ケース4の内部に、基本的にはコンプレッサ5とこのコンプレッサ5に接続されたオゾン発生器6、並びに、微生物を溶解させた微生物溶液タンク7とを具備して形成されており、図1の例では前記オゾン発生器6のオゾン出口に接続された配管6aの先端側が2つに分岐され、分岐した配管6b,6cが前記トラップ槽1の第二,第三室1b,1cに設けた供給口3b,3cから槽内に挿入されて、配管6b,6cの先端部が各室1b,1cの内部に配置されている。また、微生物溶液タンク7の配管7aは、その先端部が前記槽1の第一室1aの供給口3aから挿入され、この室1aの内部に配置されている。
【0015】
図1に示した本発明浄化方法の模式図において、オゾン曝気用の配管6b,6c、或は、微生物溶液供給用の配管7aは、各供給口3a〜3cのいずれから槽内に挿入するかは任意である。しかし、実際には、第一室1aには排水Owiと一緒に流入する大形固形分を除去するための網カゴなどが設置されていることが多く、従って、この第一室1aを曝気すると網カゴ内に捕捉沈澱していた固形物をカゴの外へ流出させるおそれがあるので、これを回避するため第一室1aは曝気しない方が好ましい。なお、曝気される第二室1b,第三室1cは第一室1aにも連通しているので、第一室1aに対しても曝気の効果が及び、問題はない。
【0016】
本発明浄化方法の一つでは、前記トラップ槽1の内部を、コンプレッサ5のエアー圧により強制供給されるオゾンにより定期的に、具体的には少なくとも一日一回、例えば、夕食の時間帯の経過後においてオゾン曝気による殺菌を行い、この後、所定の時間を置いてオゾンの殺菌効果が無くなった後に、微生物溶液を供給して槽内の油脂分や汚泥をその微生物により分解させるようにしている。
【0017】
このように、本発明ではオゾンを強制供給することによる槽内の定期的なオゾン曝気による殺菌を先行させて槽内環境を浄化し、その後に新たに投入する微生物によってその槽内の油脂分と汚泥とを分解させるので、悪臭の元であった腐敗菌などを殺菌し悪臭の原因が除去されてから新たに投入された微生物によって槽内の油脂分と汚泥が分解され、従って、グリーストラップ槽から悪臭を生じることなく油脂分や汚泥の分解処理を進行させることができるという、格別の効果が得られる。なお、悪臭が少なく害虫の発生も殆んど見られないグリーストラップ槽1については、オゾン曝気を行わず、エアーのみによる槽内曝気で足りる場合もある。槽内エアレーションによって微生物分解に必要な酸素を補うと共に、沈澱物を浮遊させることにより更に微生物分解を促進させればよい場合があるからである。
【0018】
また、本発明における上記トラップ槽内の定期的殺菌処理のためのオゾン曝気、或は、酸素補給及び槽内エアレーションのためのエアー曝気と、前記オゾン曝気による殺菌処理やエアー曝気による酸素補給など処理が所要時間経過した後、遅れて施される油脂分等の分解処理のための微生物の供給の両方のタイミングと夫々の時間は、コンプレッサ5やオゾン発生器6の動作タイミングとその動作時間(供給量)、並びに、前記オゾン供給時間を計時した上での微生物の投入タイミングとその投入時間(投入量)を、タイマーを主体とする制御系によって一元的に自動制御することにより、全く人手を借りることのない全自動化を図ることが出来る。なお、本発明では槽内をエアー曝気する場合、エアー供給と微生物供給を、時間差を付けないで行うこともある。
【0019】
次に、全自動化された本発明浄化装置の一例について、図2〜図5を参照して説明する。図2〜図5において、前面を開口して適宜開閉方式、例えば、ヒンジ式の扉4aを設けたケース4の内部には、まず、微生物溶液タンク7と、このタンク7の溶液を吸上げて配管7aへ流す溶液ポンプ8とが、このケース4の左半側に配置されている。本発明において使用する微生物は、この例の溶液混入タイプのものに限られず、粉粒体タイプのものを用いることもできる。
【0020】
前記ケース4の右半側には、下方にコンプレッサ5が、その上方にオゾン発生器6が配置され、コンプレッサ5の出口側とオゾン発生器6の出口側はミキサー9に配管接続されてミキサー9の出口にオゾン供給用の配管6b,6cに接続される元管6aが接続されている。
【0021】
上記ケース4において、10は、図の例ではオゾン発生器6の上方に配置されたタイマースイッチを主体とするコントローラで、このコントローラ10の内部には、コンプレッサ5とオゾン発生器6の起動タイミングとその作動時間などを制御するタイマースイッチ(図示せず)と、溶液ポンプ8の起動タイミングとその作動時間などを制御するタイマースイッチ(図示せず)などが設けられており、各タイマースイッチの入切時期(時刻)と導通時間の設定を行って動作プログラムを形成することにより、上記コンプレッサ5、オゾン発生器6、溶液ポンプ8の動作状態を制御できるように形成されており、以上の構成によって本発明浄化装置OBの一例を形成している。なお、11は装置の動作状態を示すパイロットランプである。
【0022】
上記の本発明浄化装置OBは、例えば既設のグリーストラップ槽1の蓋3の上に設置し、その蓋3の近くの槽壁に形成した穴や切欠による供給口3a,3b,3cに、微生物溶液用の配管7a、オゾン用の配管6b,6cを挿入して各管の先端部を槽内に配置させることにより、既設のグリーストラップ槽1に対しても、殆んど改造などを要することなく適用できる。この結果、本発明浄化装置は新設のものは勿論のこと、既設のグリーストラップ槽における悪臭問題や不衛生である問題などの環境問題を、新設のトラップ槽では生じさせず、既設トラップ槽に対してはこの問題を一挙に解決することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は以上の通りであるから、既設又は新設のいずれのグリーストラップ槽であっても適用することができ、また、槽内殺菌や酸素補給などを先行してから槽内の油脂分等を新たに投入する微生物によって分解処理するいわば2ステップ処理方式であるから、槽内から発生する悪臭を抑制できると共に、槽内に堆積する油脂スカム(汚泥)の量も減少でき、従って、汚泥の抜き取り作業を軽減できるほか、グリーストラップ槽からの排出水の汚染度も低くできるなどの諸効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】グリーストラップ槽に対する本発明浄化方法を適用した例を模式的に示した斜視図。
【図2】本発明浄化装置の一例の構成を説明するため扉を外した正面図。
【図3】図2の装置内部の左側面図。
【図4】図2の装置内部の右側面図。
【図5】図2の装置の平断面図。
【符号の説明】
1 グリーストラップ槽
1a,1b,1c トラップ槽1の第一室〜第三室
2 トラップ
3 蓋
3a,3b,3c 供給口(穴)
4 箱状のケース
5 コンプレッサ
6 オゾン発生器
6a オゾン用の元管
6b,6c オゾン用の配管
7 微生物溶液タンク
7a 微生物溶液用の配管
8 溶液ポンプ
9 ミキサー
10 コントローラ
11 パイロットランプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、中華料理店やレストランなどのように食用油脂を多用する厨房施設に付設されているグリーストラップ槽の浄化方法とそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
食用油脂を多用する中華料理店やレストラン等の飲食品提供事業所にはその厨房施設の一環としてグリーストラップ槽の設置が義務付けられている。
【0003】
グリーストラップ槽は、上記レストラン等の厨房排水に含まれる油脂分を、一般下水の排水系に流出させない構造に形成したトラップ槽に一旦溜め置き、当該トラップ槽に溜まった油脂スカムを産業廃棄物処理業者に処理させるなどして処理をしているが、厨房排水に含まれた野菜屑や魚介類の屑などの生物系固形分のうち、細かくなった生物系固形分やそれらからの抽出成分は、厨房排水系の途中に設けられたフィルター、或は、グリーストラップ槽の入口や第一室に設けられたメッシュ系のフィルタや篭などによる目の粗い濾過手段を通過してしまい、グリーストラップ槽の内部に流れ込むのが実情である。
【0004】
グリーストラップ槽内で油脂類と一緒に前記生物系固形分が混入していると、それらが油脂分とともに腐敗したり発酵して悪臭を放つことが知られており、そのための消臭技術や分解処理技術が提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
【0005】
しかし乍ら、上記公知技術では、グリーストラップ槽内に微生物等を投入することにより、腐敗や発酵の原因となる生物を分解することにより問題解決を図っているため、十分な解決策とはなり得ていない。即ち、グリーストラップ槽に流入する油脂分に混じった生物系成分は、油脂分と相俟って単に腐敗臭の発生源となるのみならず、蚊やハエ,ゴキブリなどの害虫の発生源,寄生源となってグリーストラップ槽の回りを不衛生な環境にしてしまっているからである。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−29792号
【特許文献2】
特開2001−252680号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、グリーストラップ槽の内部は勿論、該槽の回りでの害虫の発生を抑制すると共に、悪臭の発生も防ぐことができるグリーストラップ槽の浄化方法とそのための装置を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明グリーストラップ槽の浄化方法の構成は、グリーストラップ槽の内部にオゾンを強制供給することにより、前記トラップ槽と収容物の中に生息する害虫を含む微生物を殺菌し、その後から前記槽内の油脂分や生物系汚泥分などを分解するための微生物を新たに投入することを特徴とするものである。
【0009】
本発明方法においては、一日に少なくとも1回、好ましくは夕食の時間帯が済みグリーストラップ槽に大量の厨房排水が流入した後に、グリーストラップ槽の内部に、オゾンを一例として少なくとも30〜40分程度、強制的に送り込んで当該槽内の微生物を殺菌し、適宜時間を置いて前記グリーストラップ槽にその槽内の油脂分や汚泥分を分解するための微生物を新たに供給する。新たに供給する微生物は、溶液に解いた状態でその溶液を前記トラップ槽の第一槽に供給することが好ましい。ここで、グリーストラップ槽の容積が一例として1m3である場合、前記オゾンの曝気量は約100mg/hr程度、微生物溶液の供給量は1m3に対し50cc/24hr程度で望ましい結果が得られている。
【0010】
本発明浄化方法においては、グリーストラップ槽に対する強制オゾン供給による槽内曝気と微生物供給のタイミングと供給時間(又は供給量)とを、予めプログラムしたタイミングと時間によって制御することにより、グリーストラップ槽内のオゾンによる殺菌と微生物による油脂類の分解と汚泥の分解を自動サイクルによって行うことができる。なお、本発明では上記オゾンは圧縮エアーと一緒に前記トラップ槽内に供給する態様のほか、圧縮エアーのみをグリーストラップ槽内に強制供給することもある。このエアーのみの供給は、微生物が槽内の油脂分などを分解する際に必要な酸素を供給することにより前記微生物の活性化を図る一方、沈澱汚泥などをエアレーションによって浮遊させ、微生物による分解を促進させるためである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明浄化方法の実施の形態例を、この方法を実施するための本発明浄化装置の一例を用いて図を参照しつつ説明する。図1はグリーストラップ槽に対する本発明浄化方法を適用した例を模式的に示した斜視図、図2は本発明浄化装置の一例の構成を説明するための正面図、図3は図2の装置の左側面図、図4は図2の装置の右側面図、図5は図2の装置の平面図である。
【0012】
図1において、1は3室タイプのグリーストラップ槽を模式的に示したもので、ここでは槽1の内部を三室1a,1b,1cを区画すると共に流入排水を次室にオーバフローさせて流入させるために当該槽内に設置された複数のトラップ2を具備しており、第一室1aの側から流入する厨房排水Owiは、比重の大きな油脂類や生物系固形分などを各室に順次沈殿させ乍ら第三室1cから外部系に水Woのみが排出されるように形成されている。
【0013】
上記グリーストラップ槽1は、その上面が着脱式の蓋3により閉塞されているが、この蓋3に近いトラップ槽の側壁上部には、後に述べる本発明浄化装置OBにより供給されるオゾンや圧縮エアー、或は、微生物を槽内へ受入れるために、穴又は切欠による供給口3a,3b,3cが形成されているものとする。
【0014】
上記構成のグリーストラップ槽1に対し、本発明浄化装置OBは、その外部筺体を形成する箱状ケース4の内部に、基本的にはコンプレッサ5とこのコンプレッサ5に接続されたオゾン発生器6、並びに、微生物を溶解させた微生物溶液タンク7とを具備して形成されており、図1の例では前記オゾン発生器6のオゾン出口に接続された配管6aの先端側が2つに分岐され、分岐した配管6b,6cが前記トラップ槽1の第二,第三室1b,1cに設けた供給口3b,3cから槽内に挿入されて、配管6b,6cの先端部が各室1b,1cの内部に配置されている。また、微生物溶液タンク7の配管7aは、その先端部が前記槽1の第一室1aの供給口3aから挿入され、この室1aの内部に配置されている。
【0015】
図1に示した本発明浄化方法の模式図において、オゾン曝気用の配管6b,6c、或は、微生物溶液供給用の配管7aは、各供給口3a〜3cのいずれから槽内に挿入するかは任意である。しかし、実際には、第一室1aには排水Owiと一緒に流入する大形固形分を除去するための網カゴなどが設置されていることが多く、従って、この第一室1aを曝気すると網カゴ内に捕捉沈澱していた固形物をカゴの外へ流出させるおそれがあるので、これを回避するため第一室1aは曝気しない方が好ましい。なお、曝気される第二室1b,第三室1cは第一室1aにも連通しているので、第一室1aに対しても曝気の効果が及び、問題はない。
【0016】
本発明浄化方法の一つでは、前記トラップ槽1の内部を、コンプレッサ5のエアー圧により強制供給されるオゾンにより定期的に、具体的には少なくとも一日一回、例えば、夕食の時間帯の経過後においてオゾン曝気による殺菌を行い、この後、所定の時間を置いてオゾンの殺菌効果が無くなった後に、微生物溶液を供給して槽内の油脂分や汚泥をその微生物により分解させるようにしている。
【0017】
このように、本発明ではオゾンを強制供給することによる槽内の定期的なオゾン曝気による殺菌を先行させて槽内環境を浄化し、その後に新たに投入する微生物によってその槽内の油脂分と汚泥とを分解させるので、悪臭の元であった腐敗菌などを殺菌し悪臭の原因が除去されてから新たに投入された微生物によって槽内の油脂分と汚泥が分解され、従って、グリーストラップ槽から悪臭を生じることなく油脂分や汚泥の分解処理を進行させることができるという、格別の効果が得られる。なお、悪臭が少なく害虫の発生も殆んど見られないグリーストラップ槽1については、オゾン曝気を行わず、エアーのみによる槽内曝気で足りる場合もある。槽内エアレーションによって微生物分解に必要な酸素を補うと共に、沈澱物を浮遊させることにより更に微生物分解を促進させればよい場合があるからである。
【0018】
また、本発明における上記トラップ槽内の定期的殺菌処理のためのオゾン曝気、或は、酸素補給及び槽内エアレーションのためのエアー曝気と、前記オゾン曝気による殺菌処理やエアー曝気による酸素補給など処理が所要時間経過した後、遅れて施される油脂分等の分解処理のための微生物の供給の両方のタイミングと夫々の時間は、コンプレッサ5やオゾン発生器6の動作タイミングとその動作時間(供給量)、並びに、前記オゾン供給時間を計時した上での微生物の投入タイミングとその投入時間(投入量)を、タイマーを主体とする制御系によって一元的に自動制御することにより、全く人手を借りることのない全自動化を図ることが出来る。なお、本発明では槽内をエアー曝気する場合、エアー供給と微生物供給を、時間差を付けないで行うこともある。
【0019】
次に、全自動化された本発明浄化装置の一例について、図2〜図5を参照して説明する。図2〜図5において、前面を開口して適宜開閉方式、例えば、ヒンジ式の扉4aを設けたケース4の内部には、まず、微生物溶液タンク7と、このタンク7の溶液を吸上げて配管7aへ流す溶液ポンプ8とが、このケース4の左半側に配置されている。本発明において使用する微生物は、この例の溶液混入タイプのものに限られず、粉粒体タイプのものを用いることもできる。
【0020】
前記ケース4の右半側には、下方にコンプレッサ5が、その上方にオゾン発生器6が配置され、コンプレッサ5の出口側とオゾン発生器6の出口側はミキサー9に配管接続されてミキサー9の出口にオゾン供給用の配管6b,6cに接続される元管6aが接続されている。
【0021】
上記ケース4において、10は、図の例ではオゾン発生器6の上方に配置されたタイマースイッチを主体とするコントローラで、このコントローラ10の内部には、コンプレッサ5とオゾン発生器6の起動タイミングとその作動時間などを制御するタイマースイッチ(図示せず)と、溶液ポンプ8の起動タイミングとその作動時間などを制御するタイマースイッチ(図示せず)などが設けられており、各タイマースイッチの入切時期(時刻)と導通時間の設定を行って動作プログラムを形成することにより、上記コンプレッサ5、オゾン発生器6、溶液ポンプ8の動作状態を制御できるように形成されており、以上の構成によって本発明浄化装置OBの一例を形成している。なお、11は装置の動作状態を示すパイロットランプである。
【0022】
上記の本発明浄化装置OBは、例えば既設のグリーストラップ槽1の蓋3の上に設置し、その蓋3の近くの槽壁に形成した穴や切欠による供給口3a,3b,3cに、微生物溶液用の配管7a、オゾン用の配管6b,6cを挿入して各管の先端部を槽内に配置させることにより、既設のグリーストラップ槽1に対しても、殆んど改造などを要することなく適用できる。この結果、本発明浄化装置は新設のものは勿論のこと、既設のグリーストラップ槽における悪臭問題や不衛生である問題などの環境問題を、新設のトラップ槽では生じさせず、既設トラップ槽に対してはこの問題を一挙に解決することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は以上の通りであるから、既設又は新設のいずれのグリーストラップ槽であっても適用することができ、また、槽内殺菌や酸素補給などを先行してから槽内の油脂分等を新たに投入する微生物によって分解処理するいわば2ステップ処理方式であるから、槽内から発生する悪臭を抑制できると共に、槽内に堆積する油脂スカム(汚泥)の量も減少でき、従って、汚泥の抜き取り作業を軽減できるほか、グリーストラップ槽からの排出水の汚染度も低くできるなどの諸効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】グリーストラップ槽に対する本発明浄化方法を適用した例を模式的に示した斜視図。
【図2】本発明浄化装置の一例の構成を説明するため扉を外した正面図。
【図3】図2の装置内部の左側面図。
【図4】図2の装置内部の右側面図。
【図5】図2の装置の平断面図。
【符号の説明】
1 グリーストラップ槽
1a,1b,1c トラップ槽1の第一室〜第三室
2 トラップ
3 蓋
3a,3b,3c 供給口(穴)
4 箱状のケース
5 コンプレッサ
6 オゾン発生器
6a オゾン用の元管
6b,6c オゾン用の配管
7 微生物溶液タンク
7a 微生物溶液用の配管
8 溶液ポンプ
9 ミキサー
10 コントローラ
11 パイロットランプ
Claims (6)
- グリーストラップ槽の内部にオゾンを強制供給することにより、前記トラップ槽と収容物の中に生息する害虫を含む微生物を殺菌し、その後から前記槽内の油脂分や生物系汚泥分などを分解するための微生物を新たに投入することを特徴とするグリーストラップ槽の浄化方法。
- 一日に少なくとも1回、好ましくは夕食の時間帯が済みグリーストラップ槽に大量の厨房排水が流入した後に、グリーストラップ槽の内部にオゾンを少なくとも30〜40分程度、強制的に送り込んで当該槽内の微生物を殺菌し、適宜時間を置いて前記グリーストラップ槽にその槽内の油脂分や汚泥分を分解するための微生物を新たに供給する請求項1の浄化方法。
- グリーストラップ槽の内部にエアーを強制供給することにより前記トラップ槽の内部に酸素を供給すると共に、前記エアーにより内部を攪拌して沈澱汚泥などを浮遊させ、この後から前記槽内の油脂分や生物系汚泥分などを分解させるための微生物を新たに投入することを特徴とするグリーストラップ槽の浄化方法。
- グリーストラップ槽に対するオゾン又はエアーの供給タイミングと供給時間、及び、微生物の供給タイミングと供給時間とを、予めプログラムしたタイミングと時間によって制御することにより、グリーストラップ槽内のオゾンによる殺菌と微生物による油脂分,汚泥分の分解を自動サイクルによって行う請求項1〜3のいずれかの浄化方法。
- グリーストラップ槽の上部に載架できるように形成したケース内に、前記トラップ槽の内部をオゾン曝気するためのオゾンを供給するエアコンプレッサとオゾン発生器を設けると共に、オゾン曝気された前記トラップ槽の内部に油脂分や汚泥などを分解するための微生物を供給するための微生物容器を前記ケース内に設け、前記オゾンと微生物をこのグリーストラップ槽へ供給するとき、その供給タイミングと供給時間を制御するようにしたことを特徴とするグリーストラップ槽の浄化装置。
- エアコンプレッサのエアーとオゾン発生器のオゾンは、ミキサーを通すことにより、前記エアーとオゾンの混合気又はエアーのみを選択的にグリーストラップ槽へ供給するようにした請求項5のグリーストラップ槽の浄化装置。
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