JP2004346547A - 木製型枠とこの木製型枠を使用する法面の補強工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】木製型枠は、ひとつの面を原木表面2Aとしてなる複数本の丸太加工材2と、原木表面2Aが型枠の表面側となるように複数の丸太加工材2を互いに隙間なく同一面に平行に配列してパネル状に固定している貫通連結具3とからなる。この木製型枠は、裏面に生コンクリートを打設してコンクリート構造物の構築用の型枠に使用されて、構築されたコンクリート構造物の表面に固定されて表面をカバーする。木製型枠は、丸太加工材2をパネル状に連結している裏面の周縁部分に沿って連結枠6を裏面に突出して設けている。この木製型枠は、複数の木製型枠を同一平面に並べるように配列する状態で、隣接する連結枠6を釘7やネジで連結して、隣接する木製型枠を固定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、間伐材等の原木を製材して製作される丸太加工材を平行に並べてパネル状に連結している木製型枠と、この木製型枠を使用して法面を補強する工法に関する。とくに、本発明は、木製型枠を型枠に使用してコンクリート構造物を構築し、その後、木製型枠をコンクリート構造物から外すことなく残して、コンクリート構造物の表面を、木材でもって自然環境に適したようにカバーする木製型枠と、これを使用する法面の補強工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
間伐材などの廃材等で製作される丸太加工材をパネル状に並べた木製型枠であって、コンクリート構造物を構築する型枠として使用され、その後に、構築されたコンクリート構造物の化粧カバーとして使用される木製型枠は、以下の文献に記載される。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第3015848号公報
【特許文献2】
特開平9−21139号公報
【特許文献3】
特開2000−273882号公報
【特許文献4】
特開2001−355249公報
【0004】
特許文献1の公報には、表面を除く裏面、上面及び下面を角柱状に加工した丸太加工材の数本を、表面を揃えてコンクリ−ト流止材を介して上下に接合し、その最上部の丸太加工材の上面から最下部の丸太加工材の下面へ鉄筋挿縦孔を丸太加工材の長さ方向所定間隔に貫設し、その上下接合された数本の丸太加工材の各裏面に密接させると共に、それらを上下から挟持するように上下部分を折り曲げてコ字形に形成し、且つその上下の折曲面に鉄筋挿縦孔に合致する貫通孔を設けた止金具を鉄筋挿縦孔と貫通孔とが連通状態において釘着して一体化した木製型枠が記載される。この木製型枠は、コンクリート構造物の構築に使用された後、脱型しないで、コンクリート構造物の表面をカバーするように使用される。
【0005】
特許文献2の公報には、長手方向を横にした丸太加工材を上下に複数本連設してなる化粧型枠表部材と、丸太加工材に直交し、かつ化粧型枠表部材の上下から所定長さ突出するように、化粧型枠表部材の裏面に配設された連結部材と、丸太加工材を連結部材に締付け固定する固定部材とを具備する木製型枠が記載される。
【0006】
さらに、特許文献3と4の公報には、丸太加工材からなる複数の木製型枠をコンクリート構造物の見付面に沿って併設固定してなり、コンクリート構造物の施工後においてもこの木製型枠を化粧材としてそのまま残すようにする型枠であって、木製型枠の外側面のうちの、隣接する型枠構成材に対向する略平行な1組の対向面の一方に嵌合溝部を形成し、他方に、隣接する型枠構成材の嵌合溝部に凹凸嵌合する嵌合突部を形成し、嵌合溝部に嵌合突部を嵌合させて複数の型枠構成材を併設固定するとともに、複数の型枠構成材を併設固定した状態で、隣接する型枠構成材間のうちのコンクリートの打設空間側に、打設したコンクリートが侵入可能な溝部を形成した木製型枠が記載される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これ等の公報に記載される木製型枠は、コンクリート構造物の表面を、天然の木材でカバーする。このため、コンクリート地肌では実現できない、自然環境にやさしい表面状態にできる。また、生コンクリートを打設するときには、型枠として使用し、コンクリートを硬化させた後は、従来の型枠のようにコンクリート構造物から外す必要がなく、施工手間を簡素化して、能率よく美しく施工できる特長がある。ただ、多数の丸太加工材を連結してパネル状としているので、裏面に打設される生コンクリートが漏れないようにするのが難しい。打設される生コンクリートは、丸太加工材の間にできる隙間や、隣の木製型枠との間にできる隙間から漏れやすい。漏れた生コンクリートは、木製型枠の表面を汚して、天然木の美しさが失われる。また、漏れて木製型枠の表面に付着する生コンクリートは、硬化すると剥離するのが極めて難しい。コンクリート構造物から外す型枠は、多少の生コンクリートの漏れは問題とはならない。型枠を外すので漏れた生コンクリートがコンクリート構造物の表面を汚さないからである。しかしながら、コンクリート構造物から外さない木製型枠は、漏れた生コンクリートが構築された法面等の表面を汚すので、漏れない構造とすることが特に大切である。
【0008】
ところが、丸太加工材からなる木製型枠は、1枚の合板や金属板で製作される型枠に比較して、生コンクリートが極めて漏れやすい。天然木である多数の丸太加工材をパネル状に連結しているので、丸太加工材の間に隙間ができ、また、木製型枠の間に隙間ができるからである。丸太加工材は天然の木材であるから、合板や金属板とは比較にならないほど、歪や狂いが生じやすい。とくに、水分を吸収したり、あるいは乾燥されると狂いやすい物性がある。各々の丸太加工材が違う状態で変形するので、丸太加工材の間に隙間ができ、また、木製型枠の間に隙間ができる。丸太加工材の間にできる隙間は、丸太加工材を貫通する貫通連結具でしっかりと緊締して少なくできる。難しいのは木製型枠の間にできる隙間である。この間に隙間ができるのは、各々の丸太加工材がばらばらに変形するために、パネル状にしている外周の形状が狂うからである。また、製造工程においても、すべての丸太加工材を完全に同じ長さに切断することはできない。長さに誤差がある複数の丸太加工材を連結すると、両側面に凹凸ができる。側面に凹凸のある木製型枠は、隣の木製型枠を連結すると隙間ができる。また、凹凸はランダムにできるので、互いに凹凸のある木製型枠を連結すると、相当な隙間ができる。このため、丸太加工材を連結している木製型枠は、互いに連結する状態で隙間ができるのを防止するのが極めて難しく、この隙間から生コンクリートが漏れて表面を汚す欠点がある。
【0009】
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、多数の丸太加工材をパネル状に連結しているにもかかわらず、生コンクリートの漏れを極減して、生コンクリートで表面を汚すのを防止できる木製型枠と、この木製型枠を使用して法面を補強する施工工法とを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の木製型枠は、原木を互いに直角な3面で製材して、残りのひとつの面を原木表面2Aとしてなる複数本の丸太加工材2と、複数本の丸太加工材2を貫通して、原木表面2Aが型枠の表面側となるように複数の丸太加工材2を互いに隙間なく同一面に平行に配列してパネル状に固定している貫通連結具3とからなる。この木製型枠は、裏面に生コンクリートを打設してコンクリート構造物11の構築用の型枠に使用されると共に、生コンクリートを硬化させて構築されるコンクリート構造物11の表面に固定されて、構築されるコンクリート構造物11の表面をカバーする。木製型枠は、丸太加工材2をパネル状に連結している裏面の周縁部分に沿って、釘7を打ち込むことができ、あるいはネジをねじ込むことができる連結枠6を裏面に突出して設けている。さらに、この木製型枠は、複数の木製型枠を同一平面に並べるように配列する状態で、隣接する連結枠6を釘7やネジで連結して、隣接する木製型枠を固定するようにしている。
【0011】
本発明の請求項5の木製型枠を使用する法面の補強工法は、複数の木製型枠1を法面10の表面と対向して隙間なく固定し、木製型枠1と法面10との間に生コンクリートを打設してコンクリートを硬化し、コンクリートが硬化した後に、木製型枠1をコンクリート構造物11の表面に残して、コンクリート構造物11の表面を木製型枠1でカバーする。複数の木製型枠1は、原木を互いに直角な3面で製材して、残りのひとつの面を原木表面2Aとしてなる複数本の丸太加工材2と、複数本の丸太加工材2を貫通して、原木表面2Aが型枠の表面側となるように複数の丸太加工材2を互いに隙間なく同一面に平行に配列してパネル状に固定している貫通連結具3とからなる。さらに、木製型枠1は、丸太加工材2をパネル状に連結しているパネル部裏面の周縁部分に沿って、釘7を打ち込むことができ、あるいはネジをねじ込むことができる連結枠6を裏面に突出して固定している。この構造をしている複数の木製型枠1を同一平面に並べるように配列して法面10に対向して配列し、隣接する木製型枠1の連結枠6を釘7やネジで連結して、隣接する木製型枠1を隙間なく固定し、木製型枠1と法面10との間に生コンクリートを打設して、表面を木製型枠1でカバーしている。
【0012】
丸太加工材2は、間伐材とすることができる。さらに、丸太加工材2の太さは、50〜150mmとすることができる。さらに、貫通連結具3は、丸太加工材2を貫通する連結ネジ3Aとすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための木製型枠とこの木製型枠を使用する法面の補強工法を例示するものであって、本発明は木製型枠と法面の補強工法を下記のものに特定しない。
【0014】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0015】
図1ないし図5に示す木製型枠1は、法面等と対向して固定されて、裏面に生コンクリートを打設してコンクリート構造物を構築する型枠として使用される。さらに、生コンクリートを硬化させた後、これをコンクリート構造物から外すことなく、構築されるコンクリート構造物の表面に固定されて、コンクリート構造物の表面をカバーするカバー材として使用される。
【0016】
図の木製型枠1は、複数本の丸太加工材2を貫通連結具3でパネル状に連結している。丸太加工材2は、間伐材などの原木を互いに直角な3面で製材して、残りのひとつの面を原木表面2Aとしている。丸太加工材2は、図6の断面図に示すように、木製型枠1の表面となる面を製材しないで丸太の表面として、直角な3面を鋸で切断して製材している。丸太表面は、原木の皮を除去した面、あるいは皮を残した面で、原木の丸みのある面である。丸太加工材2は、太さを100mmとする。ただ、丸太加工材の太さは、たとえば50〜150mmとすることができる。丸太加工材2を太くすると、木製型枠1を強くできる。太い丸太加工材2を製作するには、太い原木を必要とするので、図の丸太加工材2は、図において上下方向と左右方向の幅を同じ幅としているが、上下と左右の幅を異なる幅とすることもできる。丸太加工材2の長さは、木製型枠1の幅を特定する。木製型枠1は、幅を1または2mとするので、丸太加工材2の全長も、1または2mである。ただし、木製型枠1は、幅の異なるものを複数枚使用して、法面10にコンクリート構造物を構築することもできる。たとえば1m幅と2m幅の木製型枠を使用して、千鳥の形状に複数の木製型枠を並べて法面に固定できる。また、法面に固定する領域の形状によっては、幅の異なる木製型枠を使用して、種々の形状の法面と対向して木製型枠を固定できる。したがって、本発明の木製型枠は、幅と丸太加工材の長さを特定しない。
【0017】
木製型枠1の上下方向の幅、すなわち使用状態における高さは、50cmとする。ただし、木製型枠の高さは、30cm〜100cmとすることもできる。木製型枠の幅は、連結する丸太加工材の数と、丸太加工材の太さで調整する。
【0018】
貫通連結具3は、丸太加工材2を貫通する連結ネジ3Aである。図2〜図4の木製型枠1は、丸太加工材2を複数の貫通連結具3で連結している。丸太加工材2は、貫通連結具3を挿通するために、上下に貫通する貫通孔4を設けている。この貫通孔4に貫通連結具3を挿通して丸太加工材2に連結している。木製型枠1の上下に配置される丸太加工材2は、連結ネジ3Aの頭と、連結ネジ3Aにねじ込むナット3Bとを入れて、これらが丸太加工材2から突出しないように、凹部5を設けている。上の丸太加工材2は上面に、下の丸太加工材2は下面に凹部5を設けている。この貫通連結具3は、丸太加工材2に設けた貫通孔4に連結ネジ3Aを挿通し、連結ネジ3Aにナット3Bをねじ込んで丸太加工材2を締め付けて連結する。ただし、本発明の木製型枠は、貫通連結具を連結ネジに特定せず、丸太加工材に挿通して連結できるすべてのものを使用できる。
【0019】
木製型枠1は、図2と図3の斜視図に示すように、丸太加工材2をパネル状に連結している裏面の周縁部分に沿って連結枠6を固定している。図の連結枠6は木製の角材で、木製型枠1の裏面から突出するように固定している。連結枠6は、釘やネジでしっかりと連結でき、かつ簡単に連結できるように、その突出高さと幅を3cmとしている。ただし、連結枠の突出高さと幅は、1〜5cmとすることもできる。また、木製型枠の下縁と上縁に設ける連結枠は、丸太加工材と一体構造とすることもできる。この丸太加工材は、原木を連結枠を設けた形状に製材して製作される。この丸太加工材は、しっかりと外れないように連結枠を固定できる。
【0020】
連結枠6は、その外周面が丸太加工材2をパネル状に連結しているパネル部の外周面に一致し、あるいは、パネル部の外周面からわずかに突出している。連結枠6を連結して、隣の木製型枠1を隙間なく連結するためである。連結枠6は、図7と図8の断面図に示すように、ここに釘7を打ち込み、あるいはネジ(図示せず)をねじ込んで、隣接する木製型枠1を連結する。したがって、連結枠6は、釘7を打ち込むことができ、あるいはネジをねじ込むことができる木やプラスチック等で制作される。連結枠6は、釘7やネジを介して丸太加工材2に固定され、あいは、接着して丸太加工材2に固定され、あるいはまた、接着すると共に、釘7やネジで固定される。この連結枠6は、複数枚の木製型枠1を同一平面に並べるように配列する状態で、隣接する連結枠6に釘7を打ち込み、あるいはネジをねじ込んで互いに連結されて、隣接する木製型枠1を隙間なく固定する。
【0021】
木製型枠1は、図9に示すように、セパレータ8を介して法面10などに対向して固定されて、法面10と木製型枠1との間に生コンクリートを打設してコンクリート構造物を設ける。セパレータ8は、図1の断面図と図10の拡大断面図に示すように、貫通連結具3に連結される。セパレータ8は、先端に貫通孔8Aを設けており、この貫通孔8Aに貫通連結具3を挿通して、貫通連結具3に連結される。このセパレータ8は、丸太加工材2の間から貫通連結具3に連結される。したがって、丸太加工材2は、セパレータ8を入れる部分に切欠部9を設けている。図3と図5に示す木製型枠1は、4ヶ所にセパレータ8を連結する切欠部9を設けている。セパレータ8を連結する切欠部9は、木製型枠1の複数ヶ所に設けられる。木製型枠1をセパレータ8でもって法面10にしっかりと特定の姿勢で固定するためである。複数の木製型枠1は、連結枠6を釘7やネジで連結して縦横に連結され、さらにセパレータ8を介して法面10に連結される。
【0022】
以上の木製型枠1は、図11と図12に示すように、法面10に固定されて、法面10を補強する。この工法は、以下の工程で法面10を補強する。
(1) 法面10と対向し、法面10との間に生コンクリートを打設する隙間ができるように、最下段の木製型枠1を横に並べて、複数の木製型枠1を法面10と所定の間隔で固定する。横に並べている木製型枠1は、縦の連結枠6を釘止し、あるいはネジ止して、横に隣接する木製型枠1との間に隙間ができないように互いに連結される。釘7やネジは、図7の断面図に示すように、一方の木製型枠1の連結枠6から他方の木製型枠1の連結枠6に挿通されて、隣接する木製型枠1をしっかりと連結する。さらに、木製型枠1は、セパレータ8を介して法面10に連結して固定される。セパレータ8は、一端を木製型枠1の貫通連結具3に連結して、他端を法面10に連結して固定している。
【0023】
(2) 最下段の木製型枠1と法面10との間に生コンクリートを打設する。このとき、生コンクリートは、木製型枠1の上縁よりもわずかに低く、あるいは木製型枠1の上縁と同じレベルで打設される。
【0024】
(3) その後、下から2段目の木製型枠1を最下段の木製型枠1に固定する。2段目の木製型枠1は、下縁の連結枠6を、図8に示すように、最下段の木製型枠1の上縁の連結枠6に釘7等で連結し、左右の連結枠6を、図7に示すように、互いに隣の木製型枠1の連結枠6に釘7等で連結する。さらに、セパレータ8を介して法面10に固定する。
【0025】
(4) その後、2段目の木製型枠1と法面10との間に生コンクリートを打設する。
以後、同じようにして、下段の木製型枠1の上に上段の木製型枠1を連結し、木製型枠1をセパレータ8で法面10に固定した後、木製型枠1と法面10との間に生コンクリートを打設して、所定の高さと幅に木製型枠1とコンクリート構造物11を構築する。
【0026】
(5) 生コンクリートが硬化してコンクリート構造物11となる。コンクリート構造物11の表面は、生コンクリートが硬化した後も外さない木製型枠1でカバーされる。木製型枠1は、セパレータ8を介して法面10に固定され、さらにセパレータ8がコンクリート構造物11に埋設されて、コンクリート構造物11にしっかりと固定される。
【0027】
【発明の効果】
本発明の木製型枠とこの木製型枠を使用する法面の補強工法は、多数の丸太加工材をパネル状に連結しているにもかかわらず、生コンクリートの漏れを極減して、生コンクリートで表面を汚すのを防止できる特長がある。それは、本発明の木製型枠が、複数本の丸太加工材を互いに隙間なく配列して貫通連結具でパネル状に固定すると共に、裏面の周縁部分に沿って連結枠を裏面に突出して設けており、複数の木製型枠を同一平面に並べるように配列する状態で、隣接する連結枠を釘やネジで連結して固定するようにしているからである。この構造の木製型枠は、隣接する連結枠を釘やネジで連結して固定するので、隣接する木製型枠を互いに連結する状態で、これらの境界部分に隙間ができるのを極減できる。したがって、この隙間から生コンクリートが漏れて表面を汚すのを有効に防止できる。また、本発明の補強工法は、この構造の木製型枠を使用して、連結された木製型枠の裏面に生コンクリートを打設してコンクリート構造物を構築し、コンクリート構造物の表面に木製型枠を固定して表面をカバーしているので、木製型枠の連結部分の隙間から生コンクリートが漏れて表面を汚すのを防止して、コンクリート構造物の表面を木製型枠で美しくカバーできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる木製型枠の垂直断面図
【図2】図1に示す木製型枠の斜視図
【図3】図2に示す木製型枠の背面斜視図
【図4】図1に示す木製型枠の正面図
【図5】図1に示す木製型枠の背面図
【図6】原木の3面を切断して丸太加工材を製材する状態を示す概略図
【図7】左右に隣接する木製型枠を連結する状態を示す水平拡大断面図
【図8】上下に隣接する木製型枠を連結する状態を示す垂直拡大断面図
【図9】図1に示す木製型枠を法面に固定する状態を示す垂直断面図
【図10】木製型枠とセパレータの連結構造を示す水平拡大断面図
【図11】木製型枠を法面に固定してコンクリート構造物を構築する状態を示す垂直断面図
【図12】木製型枠を法面に固定してコンクリート構造物を構築する状態を示す正面図
【符号の説明】
1…木製型枠
2…丸太加工材 2A…原木表面
3…貫通連結具 3A…連結ネジ 3B…ナット
4…貫通孔
5…凹部
6…連結枠
7…釘
8…セパレータ 8A…貫通孔
9…切欠部
10…法面
11…コンクリート構造物
Claims (8)
- 原木を互いに直角な3面で製材して、残りのひとつの面を原木表面(2A)としてなる複数本の丸太加工材(2)と、複数本の丸太加工材(2)を貫通して、原木表面(2A)が型枠の表面側となるように複数の丸太加工材(2)を互いに隙間なく同一面に平行に配列してパネル状に固定している貫通連結具(3)とからなり、
裏面に生コンクリートを打設してコンクリート構造物(11)の構築用の型枠に使用されると共に、生コンクリートを硬化させて構築されるコンクリート構造物(11)の表面に固定されて、構築されるコンクリート構造物(11)の表面をカバーする木製型枠であって、
丸太加工材(2)をパネル状に連結している裏面の周縁部分に沿って、釘(7)を打ち込むことができ、あるいはネジをねじ込むことができる連結枠(6)を裏面に突出して設けており、複数の木製型枠を同一平面に並べるように配列する状態で、隣接する連結枠(6)を釘(7)やネジで連結して、隣接する木製型枠を固定するようにしてなる木製型枠。 - 丸太加工材(2)が間伐材である請求項1に記載される木製型枠。
- 丸太加工材(2)の太さが50〜150mmである請求項1に記載される木製型枠。
- 貫通連結具(3)が丸太加工材(2)を貫通する連結ネジ(3A)である請求項1に記載される木製型枠。
- 原木を互いに直角な3面で製材して、残りのひとつの面を原木表面(2A)としてなる複数本の丸太加工材(2)と、複数本の丸太加工材(2)を貫通して、原木表面(2A)が型枠の表面側となるように複数の丸太加工材(2)を互いに隙間なく同一面に平行に配列してパネル状に固定している貫通連結具(3)とからなる複数の木製型枠(1)を、法面(10)の表面と対向して隙間なく固定し、木製型枠(1)と法面(10)との間に生コンクリートを打設してコンクリートを硬化し、コンクリートが硬化した後に、木製型枠(1)をコンクリート構造物(11)の表面に残して、コンクリート構造物(11)の表面を木製型枠(1)でカバーする木製型枠を使用する法面の補強工法であって、
木製型枠(1)として、丸太加工材(2)をパネル状に連結しているパネル部裏面の周縁部分に沿って、釘(7)を打ち込むことができ、あるいはネジをねじ込むことができる連結枠(6)を裏面に突出して固定してなる構造の木製型枠(1)を使用し、この構造をしている複数の木製型枠(1)を同一平面に並べるように配列して法面(10)に対向して配列し、隣接する木製型枠(1)の連結枠(6)を釘(7)やネジで連結して、隣接する木製型枠(1)を隙間なく固定し、木製型枠(1)と法面(10)との間に生コンクリートを打設して、表面を木製型枠(1)でカバーしているコンクリート構造物(11)を構築する木製型枠を使用する法面の補強工法。 - 木製型枠(1)の丸太加工材(2)に間伐材を使用する請求項5に記載される木製型枠を使用する法面の補強工法。
- 木製型枠(1)の丸太加工材(2)の太さを50〜150mmとする請求項5に記載される木製型枠を使用する法面の補強工法。
- 貫通連結具(3)として、丸太加工材(2)を貫通する連結ネジ(3A)を使用する請求項5に記載される木製型枠を使用する法面の補強工法。
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