JP2004346241A - ポリ乳酸系樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリマーの混合物に、多官能イソシアナート化合物又は多価フェノール化合物を混合し、溶融反応させることにより得られる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】本発明はポリ乳酸系樹脂組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自然環境保護の見地から、自然環境中で微生物等により分解され得る生分解性樹脂が注目を集めていて、その研究が活発に行われている。上記の生分解性樹脂の具体例としては、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート等の溶融成形加工が可能な生分解性ポリマーが挙げられる。その中でも特に、ポリ乳酸は融点が150〜180℃と比較的高く、結晶性であり強靭で、硬質塩化ビニル樹脂同等の硬度を持つ等の物性面で最も有望視され、また透明性を有するためその普及が大いに期待されている。しかし一方で、その剛直な分子構造のために、強度は高いが、機械的な伸びや柔軟性に劣り、耐衝撃性が他の生分解性樹脂に比べて著しく低いという欠点を有する。
【0003】
又、上記のポリ乳酸以外の生分解性ポリマーは、一般に柔軟性・耐衝撃性に優れているが、ポリ乳酸と比較して融点が60〜110℃と低く、またガラス転移温度も室温以下で結晶性も高く不透明であり、強度も低い。このように、現在市販されているいずれの生分解性樹脂も単独ではそれぞれ欠点を有し、機械特性のバランスに優れた成形品が得られていないのが現状であり、改良が望まれている。
【0004】
上記問題点に対応するために、ポリ乳酸系樹脂組成物の柔軟性、耐衝撃性や成形性を改良する種々の試みがなされている。
【0005】
例えば、特開平9−59356号公報では、「ポリ乳酸セグメント(a)とポリカプロラクトンセグメント(b)とが結合されたブロック共重合体であり、ポリ乳酸成分とポリカプロラクトン成分との重量比(a)/(b)が99/1〜50/50であることを特徴とする共重合物」が提案されている。
【0006】
しかし、上記の提案による生分解性樹脂組成物では、柔軟性と耐衝撃性はともに改善されているものの、その組成比を樹脂の重合段階から定めておかなければならず、後々の段階ではその組成比を変化させることは非常に困難であり、樹脂の製造方法としては柔軟性に欠けている。
【0007】
また、特開2001−31853号公報では、「ポリ乳酸70〜95重量%と脂肪族ポリエステル4〜29重量%とポリカプロラクトン1〜9重量%の割合で混合されている重合体組成物。」が提案されている。
【0008】
しかし、上記提案による生分解性樹脂組成物では、確かにポリ乳酸に軟質系の生分解性樹脂を混合することにより、ポリ乳酸の耐衝撃性は改良されているが、単に樹脂同士をブレンドしただけであり、したがって樹脂同士の相溶性あるいは分散性が悪く、このままでは使用するのは難しい。
【0009】
以上のように、既存の市販されているポリ乳酸と、ポリ乳酸以外の生分解性ポリマーとをブレンドし、かつ簡便な方法によって樹脂同士の相溶性あるいは分散性を良好なものとしながらも、ポリ乳酸の有する剛性を生かし、かつ耐衝撃性が改善された機械特性のバランスのとれたポリ乳酸系樹脂組成物は得られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、自然環境下で完全に分解可能であり、成形性に優れ、剛性が大きく、かつ耐衝撃性に優れ、機械特性のバランスの優れたポリ乳酸系樹脂組成物及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリ乳酸と、ポリ乳酸以外の生分解性ポリマーとをブレンドする際、多官能イソシアナート化合物又は多価フェノール化合物を添加することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸と、ポリ乳酸以外の生分解性ポリマーとがブレンドされているポリ乳酸系樹脂組成物において、多官能イソシアナート化合物又は多価フェノール化合物の少なくとも一方が添加されていることを特徴とする。
【0013】
ここで生分解性樹脂とは、土壌中で微生物により生分解可能な樹脂の総称であり、例えば、澱粉、酢酸セルロース、(キトサン/セルロース/澱粉)重合系等の天然高分子由来のものや、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリエチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)、ポリビニルアルコール等の合成高分子、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバリレート)等の微生物産生系高分子、並びにそれらの混合物(コンパウンド)等が挙げられる。具体的には化学合成系グリーンプラ(登録商標)であるCargill−DOW社製のNature Works(登録商標)、UCC社製のTONE(登録商標)、島津製作所(株)製のラクティ(登録商標)、ユニチカ(株)製のテラマック(登録商標)、昭和高分子(株)製のビオノーレ(登録商標)、三菱ガス化学(株)製のユーペック(登録商標)、三井化学(株)製のレイシア、日本触媒(株)製のルナーレ(登録商標)、Du Pont社製のBiomax(登録商標)、BASF社製のEcoflex(登録商標)、クラレ社製のポバール(登録商標)、Eastman Chemicals社製のEaster Bio(登録商標)、日本合成化学工業(株)製のゴーセノール(登録商標)、アイセロ化学(株)製のドロン(登録商標)、IRE CHEMICAL社製のエンポル(商標)、ダイセル化学工業(株)製のセルグリーン(登録商標)等を使用することができる。さらに、これから研究されるであろう生分解性樹脂が使用可能であると期待できる。
【0014】
また、ポリ乳酸は、使用者が自ら合成してもよいが、入手のし易さから市販されているものを用いることも可能である。具体的には、Cargill−DOW社製のNature Works(登録商標)、UCC社製のTONE(登録商標)、島津製作所(株)製のラクティ(登録商標)、ユニチカ(株)製のテラマック(登録商標)、三井化学(株)製のレイシア、カネボウ合繊社製ラクトロン(登録商標)、三菱樹脂社製のエコロージュ(登録商標)、クラレ(株)社製のプラスターチ(登録商標)、東セロ(株)社製のパルグリーン(登録商標)等が挙げられる。
【0015】
ポリ乳酸の中でも、両末端に水酸基、両末端にカルボン酸基、あるいは両末端に水酸基とカルボン酸基を有するテレケリック型のものが特に好ましい。こうしたポリ乳酸であれば、添加剤として用いる多官能イソシアナート化合物や多価フェノール化合物と反応して、より多くの架橋構造を形成されるため、機械強度が高くなり、優れたポリ乳酸系樹脂組成物となるからである。
【0016】
また、ポリ乳酸を使用者自ら合成する場合には、実質的にL−乳酸及び/又はD−乳酸由来のモノマー単位のみで構成されるものが好ましい。ここで「実質的」にとは、本発明の効果を損なわない程度範囲で、L−乳酸またはD−乳酸に由来しない他のモノマー単位を含んでいても良いという意味である。ただし、前記のいずれの市販のポリ乳酸もL−乳酸由来であることから、主成分はポリL−乳酸であることがより好ましい。
【0017】
用いるポリ乳酸の分子量としては、重量平均分子量が50,000〜1,000,000の範囲のものが好ましい。かかる範囲を下回るものでは機械特性が十分に得られず、逆に上回る場合は加工性の劣るものとなってしまうためである。
【0018】
本発明によるポリ乳酸系樹脂組成物に用いる多官能イソシアナート化合物としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、3−イソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−4,4‘−ジイソシアナート、2,6−ジイソシアナートヘキサン酸メチルエステル、2−イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエート、3−イソシアナートプロピル−2,6−ジイソシアナートカプロエート等の脂肪族イソシアナート類、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナートと2,6−トリレンジイソシアナートとの混合イソシアナート、4,4‘−ジフェニルメタンイソシアナート、水素化ジェフェニルメタンジイソシアナート、ジフェニルメチルメタンジイソシアナート、1,3−フェニレンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等の芳香族イソシアナート類、トリメチロールプロパンとトルイレンジイソシアナートとのアダクト体、トリメチロールプロパンと1,6−ヘキサメチレンジイソシアナートとのアダクト体、等のトリイソシアナート類が挙げられる。これらの中の1種もしくは2種以上を用いることができる。この中でも、1分子中に3つのイソシアナート基を有する2−イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエートが特に好ましい。分子中に3つの官能基を有するため、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリマーとの共鎖延長を生じる可能性が高くなるためである。
【0019】
上記多官能イソシアナートの中でも、本発明におけるポリ乳酸系樹脂組成物の耐衝撃性の向上を重視する場合には、電子吸引性基である芳香環がイソシアナートに隣接した構造を有することにより、水酸基との反応性に富む芳香族系イソシアナート化合物を用いるのが好ましい。一方で、生分解性樹脂組成物の自然に廃棄された場合における影響を考慮するのであれば、構造中に芳香環を含有しない脂肪族系イソシアナート化合物を使用することが好ましい。
【0020】
上記多官能イソシアナート化合物中のイソシアナート基は、前記のポリ乳酸及び/又はポリ乳酸以外の生分解性ポリマーの末端水酸基あるいはカルボン酸基と反応して、ポリ乳酸及び/又はポリ乳酸以外の生分解性ポリマーそのものの鎖延長、及び、上記ポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリマーとの共鎖延長を生じさせるため、得られる生分解性樹脂組成物の柔軟性および耐衝撃性を著しく向上させることができる。
【0021】
本発明によるポリ乳酸系樹脂組成物に用いる多価フェノール化合物としては、レソルシノール、カテコール、ジヒドロキシビフェノール、トリヒドロキシビフェノール、ヒドロキノン、炭素原子が約1〜12のアルキリデンビスフェノール又はチオビスフェノール等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物の原料となるポリ乳酸以外の生分解性ポリマーは、軟質系の生分解性ポリマーが好ましい。軟質系の生分解性ポリマーは耐衝撃性が高いため、硬質のポリ乳酸にブレンドすることにより、耐衝撃性に劣るというポリ乳酸の有する欠点を改善することができるからである。ここで、軟質系の生分解性ポリマーとしては特に制限はないが、ポリ乳酸と相溶性の良いものがより好ましい。こうした軟質系の生分解性ポリマーとしては、澱粉、酢酸セルロース、(キトサン/セルロース/澱粉)重合系等の天然高分子由来のものや、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリエチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)、ポリビニルアルコール等の合成高分子、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバリレート)等の微生物産生系高分子、並びにそれらの混合物(コンパウンド)等の生分解性ポリマーが挙げられる。これらの1種を用いてもよく、さらにはこれらの2種以上を混合して用いてもよい。また、軟質ポリマーが両末端に水酸基、両末端にカルボン酸基、あるいは両末端に水酸基とカルボン酸基を有するテレケリック型のものが特に好ましい。添加剤として用いる多官能イソシアナート化合物や多価フェノール化合物と反応して、より多くの架橋構造を形成されるため、機械強度が高くなり、優れたポリ乳酸系樹脂組成物となるからである。
【0023】
【本発明の実施の形態】本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリマーと、多官能イソシアナート化合物又は多価フェノール化合物とを加熱溶融混合する事により、容易に製造が可能である。混合方法や混合装置は特に限定されるものではないが、工業的には連続的に処理できるものが好ましい。具体的な実施の方法としては、例えば、3成分を所定の割合で混合したものを一軸スクリュー押出機や二軸混練押出機などで溶融し、直ちに成形しても良い。又、3成分を溶融混合したのちに一旦ペレット化し、その後必要に応じて溶融成形しても良い。より均一に混合させるには、一旦ペレット化する方法が好ましい。ただし、多官能イソシアナート化合物には水分等との反応性の高いイソシアナート基を含有するため、溶剤を使用して溶液状態で混合する方法は避けた方がよい。
【0024】
溶融押出温度としては、使用する樹脂の融点及び混合比率を考慮して適宜選択するが、通常は150〜220℃の範囲である。好ましくは180〜200℃の範囲より選択することが好ましい。ポリマーの劣化、変質等を防ぐことが必要なために、反応時間としてはできるだけ短時間内に混合することが好ましい。具体的には時間は20分以内、できれば10分以内で混合することが好ましい。
【0025】
また、上記製造において用いる多官能イソシアナート化合物又は多価フェノール化合物は、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリマーとを溶融混合したのちに添加溶融混合しても良く、これらの3成分を同時に溶融混合しても良い。
【0026】
次に、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物の組成比であるが、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリマーとの混合比が、重量比で95:5〜20:80の範囲であることが好ましい。ポリ乳酸が95重量%より多いと耐衝撃性の改善が困難になり、反対に20重量%より少ないとポリ乳酸の特徴である高剛性が損なわれるからである。この範囲内でそれぞれの用途に応じた混合割合で混合すればよい。特に好ましくは、重量比で85:15〜70:30の範囲である。
【0027】
また、多官能イソシアナート化合物又は多価フェノール化合物の添加量は、上記のポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリマーの総量100重量部に対し、0.1〜2.0重量%の範囲であることが好ましい。多官能イソシアナート化合物を用いる場合は、0.5〜1.0重量%であることがより好ましい。多官能イソシアナート化合物の添加量が0.1重量%未満であると、ポリ乳酸及び/又はポリ乳酸以外の生分解性ポリマーそのものの鎖延長、及び、上記ポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリマーとの共鎖延長による柔軟性および衝撃性向上の効果を十分に得られず、逆に2.0重量%を超えると過剰のイソシアナート基がポリマー分子間の架橋を惹起してゲル化分率の増加を招き、生分解性樹脂組成物の柔軟性及び耐衝撃性、成形性が低下する。ただし、前記の各イソシアナート化合物によってその反応性が異なるので、各イソシアナート化合物の反応性に応じた添加量を決定することが好ましい。多価フェノール化合物を用いる場合は、1.0〜1.5重量%であることがより好ましい。
【0028】
更に、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物には、発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて副次的な添加物を加えて様々な改質を行うことが可能である。副次的な添加物の例としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、顔料、抗菌剤、安定剤、静電剤、核形成材、各種フィラー等その他の類似のものが挙げられる。
【0029】
【実施例】以下に本発明実施例及び比較例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本実施例では、以下に示すようにポリ乳酸に対し、3種類のポリ乳酸以外の生分解性ポリマー及び、1種類の多官能イソシアナート化合物、1種類の多価フェノール化合物を使用し実験を行った。
<ポリ乳酸(A1)>
ポリ乳酸
島津製作所社製ラクティ ♯9030
<ポリ乳酸(A2)>
ポリ乳酸
ユニチカ社製テラマック T−4000
<生分解性ポリマー(B1)>
ポリカプロラクトン
ダイセル化学工業社製セルグリーン PH7
<生分解性ポリマー(B2)>
ポリブチレンサクシネート
昭和高分子社製ビオノーレ ♯1020
<生分解性ポリマー(B3)>
ポリエチレンサクシネート
日本触媒社製ルナーレSE
<多官能イソシアナート化合物(C1)>
協和発酵社製LTI(2−イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエート)
<多価フェノール化合物(C2)>
東京化成工業社製レソルシノール 製品コード R0008
【0030】
本発明及び以下の実施例において、引張試験はJIS−K7113に準じて、シャルピー衝撃試験はJIS−K7111に準じてフラットワイズ、ノッチ無し試験片で、メルトマスフローレイト(MFR)試験はJIS―K7210熱可塑性プラスチックの流れ試験方法に準じて、温度が190℃、公称荷重2.16kgにて、それぞれ測定を行った。相溶性は射出成形により、厚さ5mm、長さ45mmの引張試験片を作成し、その外観を目視評価し混合状態を判断した。又、同時に原子間力顕微鏡を用いての観察によっても相溶性の評価を行った。
【0031】
(実施例1)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間、ポリカプロラクトン(B1)を50℃で24時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A1):(B1)=90:10の割合で混合し、LTI(C1)をポリマーの総重量100重量%に対し、0.5重量%の割合で混合した。これら3種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行い、また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。
【0032】
(実施例2)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間、ポリカプロラクトン(B1)を50℃で24時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A1):(B1)=80:20の割合で混合し、LTI(C1)をポリマーの総重量100重量%に対し、0.5重量%の割合で混合した。これら3種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行い、また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。また、組成物の切断面を原子間力顕微鏡を用いて観察したところ、粒子径が最大で50nm程度の単位でポリカプロラクトン(B1)成分がポリ乳酸(A1)成分に分散した海島構造が形成し、ナノオーダーでの分散がみられることが確認された。図1及び図2に原子間力顕微鏡写真を示す。
【0033】
(実施例3)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間、ポリカプロラクトン(B1)を50℃で24時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A1):(B1)=75:25の割合で混合し、LTI(C1)をポリマーの総重量100重量%に対し、0.5重量%の割合で混合した。これら3種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行い、また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。
【0034】
(実施例4)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間、ポリカプロラクトン(B1)を50℃で24時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A1):(B1)=70:30の割合で混合し、LTI(C1)をポリマーの総重量100重量%に対し、0.5重量%の割合で混合した。これら3種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行い、また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。
【0035】
(実施例5)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間、ポリカプロラクトン(B1)を50℃で24時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A1):(B1)=80:20の割合で混合し、LTI(C1)をポリマーの総重量100重量%に対し、0.25重量%の割合で混合した。これら3種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行い、また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。
【0036】
(実施例6)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間、ポリカプロラクトン(B1)を50℃で24時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A1):(B1)=80:20の割合で混合し、LTI(C1)をポリマーの総重量100重量%に対し、1.0重量%の割合で混合した。これら3種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行い、また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。
【0037】
(実施例7)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間、ポリブチレンサクシネート(B2)を80℃で4時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A1):(B2)=80:20の割合で混合し、LTI(C1)をポリマーの総重量を100重量%として0.5重量%の割合で混合した。これら3種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行い、また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。また、組成物の切断面を原子間力顕微鏡を用いて観察したところ、ポリブチレンサクシネート(B2)成分がポリ乳酸(A1)成分に分散し、サブミクロンオーダーでの分散が進んでいることが確認された。図3及び図4に原子間力顕微鏡写真を示す。
【0038】
(実施例8)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間、ポリエチレンサクシネート(B3)を80℃で6時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A1):(B3)=80:20の割合で混合し、LTI(C1)をポリマーの総重量を100重量%として0.5重量%の割合で混合した。これら3種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行い、また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。また、組成物の切断面を原子間力顕微鏡を用いて観察したところ、ポリエチレンサクシネート(B3)成分がポリ乳酸(A1)成分に分散し、サブミクロンオーダーでの分散が進んでいることが確認された。図5及び図6に原子間力顕微鏡写真を示す。
【0039】
(実施例9)
ポリ乳酸(A2)を130℃で24時間、ポリカプロラクトン(B1)を80℃で6時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A2):(B1)=80:20の割合で混合し、レソルシノール(C2)をポリマーの総重量を100重量%として1.0重量%の割合で混合した。これら3種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行い、また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。また、組成物の切断面を原子間力顕微鏡を用いて観察したところ、実施例2ほどではないながらも、ポリカプロラクトン(B1)成分がポリ乳酸(A2)成分に分散し、サブミクロンオーダーでの分散が進んでいることが確認された。図7及び図8に原子間力顕微鏡写真を示す。
【0040】
(比較例1)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間、ポリカプロラクトン(B1)を50℃で24時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A1):(B1)=90:10の割合で混合し、これら2種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行い、また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。
【0041】
(比較例2)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間、ポリカプロラクトン(B1)を50℃で24時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A1):(B1)=80:20の割合で混合し、これら2種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行い、また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。また、組成物の切断面を原子間力顕微鏡を用いて観察したところ、実施例2とは異なり、ポリ乳酸(A1)成分とポリカプロラクトン(B1)成分とのミクロンオーダーでのドメインしか確認できなかった。図9及び図10に原子間力顕微鏡写真を示す。
【0042】
(比較例3)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間、ポリカプロラクトン(B1)を50℃で24時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A1):(B1)=75:25の割合で混合し、これら2種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行い、また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。
【0043】
(比較例4)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間、ポリカプロラクトン(B1)を50℃で24時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A1):(B1)=70:30の割合で混合し、これら2種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行い、また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。
【0044】
(比較例5)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間、ポリブチレンサクシネート(B2)を80℃で4時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A1):(B2)=80:20の割合で混合し、これら2種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行い、また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。また、組成物の切断面を原子間力顕微鏡を用いて観察したところ、ミクロンオーダーでのドメインしか確認できなかった。図11及び図12に原子間力顕微鏡写真を示す。
【0045】
(比較例6)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間、ポリエチレンサクシネート(B3)を80℃で6時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A1):(B3)=80:20の割合で混合し、これら2種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行った。また、得られたペレットは射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。また、組成物の切断面を原子間力顕微鏡を用いて観察したところ、ミクロンオーダーでのドメインしか確認できなかった。図13及び図14に原子間力顕微鏡写真を示す。
【0046】
(比較例7)
ポリ乳酸(A2)を130℃で24時間、ポリカプロラクトン(B1)を80℃で6時間、各々真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、混合比(A2):(B1)=80:20の割合で混合し、これら2種混合物を190℃で一軸の加熱混練機で溶融押出し、ペレタイズ化して主原料を準備した。得られたペレットを真空乾燥した後、メルトマスフローレイト試験を行った。また、得られたペレットは射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。
【0047】
(比較例8)
ポリ乳酸(A1)を100℃で4時間真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、メルトマスフローレイト試験を行った。また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。
【0048】
(比較例9)
ポリ乳酸(A2)を130℃で24時間真空乾燥により十分に水分率を減少させた後、メルトマスフローレイト試験を行った。また、射出成形することにより、引張試験片、シャルピー衝撃試験片を作製し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。
【0049】
以上の実施例1〜9及び比較例1〜9の結果を、表1に示す。
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、前述のようにポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリマーと、多官能イソシアナート化合物及び多価フェノール化合物の少なくとも一方とを添加溶融混合することによって、自然環境下で完全に分解可能であり、成形性に優れ、ポリ乳酸の特徴である剛性を生かし、かつ耐衝撃性に優れたポリ乳酸系樹脂組成物を提供することができる。このポリ乳酸系樹脂組成物は、包装材料、医療用材料、産業資材、工業用品、容器等の各種用途に使用することができる。具体的には、フィルム、シート、被覆紙、ブロー成形体、射出成形体、押出成形体、繊維、不織布、包装材等に利用できる。加えて、生分解性を有するため、従来のプラスチック廃棄問題を軽減することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例2で作製したポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、その切断面を原子間力顕微鏡の弾性モードで撮影した原子間力顕微鏡写真である。走査エリアは1μm×1μm。
【図2】本発明による実施例2で作製したポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、その切断面を原子間力顕微鏡の粘性モードで撮影した原子間力顕微鏡写真である。走査エリアは1μm×1μm。
【図3】本発明による実施例7で作製したポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、その切断面を原子間力顕微鏡の弾性モードで撮影した原子間力顕微鏡写真である。走査エリアは10μm×10μm。
【図4】本発明による実施例7で作製したポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、その切断面を原子間力顕微鏡の粘性モードで撮影した原子間力顕微鏡写真である。走査エリアは10μm×10μm。
【図5】本発明による実施例8で作製したポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、その切断面を原子間力顕微鏡の弾性モードで撮影した原子間力顕微鏡写真である。走査エリアは10μm×10μm。
【図6】本発明による実施例8で作製したポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、その切断面を原子間力顕微鏡の粘性モードで撮影した原子間力顕微鏡写真である。走査エリアは10μm×10μm。
【図7】本発明による実施例9で作製したポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、その切断面を原子間力顕微鏡の弾性モードで撮影した原子間力顕微鏡写真である。走査エリアは5μm×5μm。
【図8】本発明による実施例9で作製したポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、その切断面を原子間力顕微鏡の粘性モードで撮影した原子間力顕微鏡写真である。走査エリアは5μm×5μm。
【図9】本発明による比較例2で作製したポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、その切断面を原子間力顕微鏡の弾性モードで撮影した原子間力顕微鏡写真である。走査エリアは1μm×1μm。
【図10】本発明による比較例2で作製したポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、その切断面を原子間力顕微鏡の粘性モードで撮影した原子間力顕微鏡写真である。走査エリアは1μm×1μm。
【図11】本発明による比較例5で作製したポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、その切断面を原子間力顕微鏡の弾性モードで撮影した原子間力顕微鏡写真である。走査エリアは10μm×10μm。
【図12】本発明による比較例5で作製したポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、その切断面を原子間力顕微鏡の粘性モードで撮影した原子間力顕微鏡写真である。走査エリアは10μm×10μm。
【図13】本発明による比較例6で作製したポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、その切断面を原子間力顕微鏡の弾性モードで撮影した原子間力顕微鏡写真である。走査エリアは10μm×10μm。
【図14】本発明による比較例6で作製したポリ乳酸系樹脂組成物を射出成形し、その切断面を原子間力顕微鏡の粘性モードで撮影した原子間力顕微鏡写真である。走査エリアは10μm×10μm。
Claims (12)
- ポリ乳酸と、ポリ乳酸以外の生分解性ポリマーとがブレンドされているポリ乳酸系樹脂組成物において、多官能イソシアナート化合物及び多価フェノール化合物の少なくとも一方が添加されていることを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物。
- ポリ乳酸は両末端に水酸基、両末端にカルボン酸基、あるいは末端に水酸基とカルボン酸基を有するテレケリック型構造であることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- 多官能イソシアナート化合物及び多価フェノール化合物は、生分解性ポリマーに対して、0.1〜2.0重量%の割合で混合されていることを特徴とする請求項1又は2記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- 多官能イソシアナート化合物は2−イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエートであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- ポリ乳酸以外の生分解性ポリマーは、軟質系の生分解性ポリマーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- 軟質系の生分解性ポリマーは両末端に水酸基、両末端にカルボン酸基、あるいは末端に水酸基とカルボン酸基を有するテレケリック型構造であることを特徴とする請求項5記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- ポリ乳酸と、ポリ乳酸以外の生分解性ポリマーとの混合比は、重量比で95:5〜20:80の範囲とされていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- 測定時の温度が190℃で、公称荷重を2.16kgとした場合のMFRの値が、20g/10min以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- 原子間力顕微鏡、電子顕微鏡等の超微細構造が観察可能な装置による観察によって、ポリ乳酸にポリ乳酸以外の生分解性ポリマーが分散し、又はポリ乳酸以外の生分解性ポリマーにポリ乳酸が分散し、相溶化が進んでいることが観察されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- 原子間力顕微鏡、電子顕微鏡等の超微細構造が観察可能な装置による観察によって、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリマーとが海島構造を形成していることが観察されることを特徴とする請求項9記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- ポリ乳酸と、ポリ乳酸以外の生分解性ポリマーとが海島構造を形成しており、島の平均粒子径が5〜100nmであることを特徴とする請求項10記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
- ポリ乳酸と、ポリ乳酸以外の生分解性ポリマーと、多官能イソシアナート化合物又は多価フェノール化合物とを150〜220℃の条件で溶融混合することを特徴とするポリ乳酸系樹脂組成物の製造方法。
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