JP2004346032A - 酸解離性基含有化合物および感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】波長193nm以下の放射線に適応可能で、ドライエッチング耐性に優れ、コントラストが高い化学増幅型レジストとして好適な感放射線性樹脂組成物の添加剤成分等として有用な酸解離性基含有化合物、および当該感放射線性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】酸解離性基含有化合物は、下記一般式(α)で表される基と環状炭化水素基とを有することを特徴とする。
【化1】
(R1 は炭素数2〜20の1価の酸解離性基を示し、R2 およびR3 は相互に独立に水素原子またはフッ素原子を示し、R4 は酸素原子または硫黄原子を示す。)
感放射線性樹脂組成物は、(A)酸の作用によりアルカリ易溶性となる樹脂ないしアルカリ可溶性樹脂、(B)感放射線性酸発生剤、並びに(C)前記酸解離性基含有化合物を含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】酸解離性基含有化合物は、下記一般式(α)で表される基と環状炭化水素基とを有することを特徴とする。
【化1】
(R1 は炭素数2〜20の1価の酸解離性基を示し、R2 およびR3 は相互に独立に水素原子またはフッ素原子を示し、R4 は酸素原子または硫黄原子を示す。)
感放射線性樹脂組成物は、(A)酸の作用によりアルカリ易溶性となる樹脂ないしアルカリ可溶性樹脂、(B)感放射線性酸発生剤、並びに(C)前記酸解離性基含有化合物を含有する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感放射線性樹脂組成物に関わり、さらに詳しくは、F2 エキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー等の遠紫外線、電子線等の荷電粒子線、シンクロトロン放射線等のX線の如き各種の放射線を使用する微細加工に有用な化学増幅型レジストとして好適に使用することができる感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近では0.20μm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィー技術が必要とされている。
しかし、従来のリソグラフィープロセスでは、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、この近紫外線では、サブクオーターミクロンレベルの微細加工が極めて困難であると言われている。
そこで、0.20μm以下のレベルでの微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができるが、これらのうち、特にKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)あるいはF2 エキシマレーザー(波長157nm)が注目されている。
このようなエキシマレーザーによる照射に適したレジストとして、酸解離性官能基を有する成分と放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を発生する成分(以下、「感放射線性酸発生剤」という。)とによる化学増幅効果を利用したレジスト(以下、「化学増幅型レジスト」という。)が数多く提案されている。
化学増幅型レジストとしては、例えば特許文献1には、カルボン酸のt−ブチルエステル基またはフェノールのt−ブチルカーボナート基を有する重合体と感放射線性酸発生剤とを含有するレジストが提案されている。このレジストは、露光により発生した酸の作用により、重合体中に存在するt−ブチルエステル基あるいはt−ブチルカーボナート基が解離して、該重合体がカルボキシル基あるいはフェノール性水酸基からなる酸性官能基を有するようになり、その結果、レジスト被膜の露光領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。
【0003】
ところで、従来の化学増幅型レジストの多くは、フェノール系樹脂をベースにするものであるが、このような樹脂の場合、放射線として遠紫外線を使用すると、樹脂中の芳香族環に起因して遠紫外線が吸収されるため、露光された遠紫外線がレジスト被膜の下層部まで十分に到達できないという欠点があり、そのため露光量がレジスト被膜の上層部では多く、下層部では少なくなり、現像後のレジストパターンが上部が細く下部にいくほど太い台形状になってしまい、十分な解像度が得られないなどの問題があった。その上、現像後のレジストパターンが台形状となった場合、次の工程、即ちエッチングやイオンの打ち込みなどを行う際に、所望の寸法精度が達成できず、問題となっていた。しかも、レジストパターン上部の形状が矩形でないと、ドライエッチングによるレジストの消失速度が速くなってしまい、エッチング条件の制御が困難になる問題もあった。
一方、レジストパターンの形状は、レジスト被膜の放射線透過率を高めることにより改善することができる。例えば、ポリメチルメタクリレートに代表される(メタ)アクリレート系樹脂は、遠紫外線に対しても透明性が高く、放射線透過率の観点から非常に好ましい樹脂であり、例えば特許文献2には、メタクリレート系樹脂を使用した化学増幅型レジストが提案されている。しかしながら、この組成物は、微細加工性能の点では優れているものの、芳香族環をもたないため、ドライエッチング耐性が低いという欠点があり、この場合も高精度のエッチング加工を行うことが困難であり、放射線に対する透明性とドライエッチング耐性とを兼ね備えたものとは言えない。
【0004】
また、化学増幅型レジストについて、放射線に対する透明性を損なわないで、ドライエッチング耐性を改善する方策の一つとして、レジスト中の樹脂成分に、芳香族環に代えて脂肪族環を導入する方法が知られており、例えば特許文献3には、脂肪族環を有する(メタ)アクリレート系樹脂を使用した化学増幅型レジストが提案されている。
しかしながら、このレジストでは、樹脂成分が有する酸解離性官能基として、従来の酸により比較的解離し易い基(例えば、テトラヒドロピラニル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的解離し難い基(例えば、t−ブチルエステル基、t−ブチルカーボネート基等のt−ブチル系官能基)が用いられており、前者の酸解離性官能基を有する樹脂成分の場合、レジストの基本物性、特に感度やパターン形状は良好であるが、組成物としての保存安定性に難点があり、また後者の酸解離性官能基を有する樹脂成分では、逆に保存安定性は良好であるが、レジストの基本物性、特に感度やパターン形状が損なわれるという欠点がある。さらに、このレジスト中の樹脂成分には脂肪族環が導入されているため、樹脂自体の疎水性が非常に高くなり、基板に対する接着性の面でも問題があった。
【0005】
また、化学増幅型レジストとしての特性を改良する方策の一つとして、高分子あるいは低分子の添加剤を配合した3成分以上の多成分系組成物が多数提案されており、例えば特許文献4には、親水性基を有する樹脂として、p−ヒドロキシスチレンと(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニルや(メタ)アクリル酸t−ブチルとの共重合体、p−ヒドロキシスチレンとp−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルオキシスチレンやp−t−ブトキシカルボニルオキシスチレンとの共重合体等のp−ヒドロキシスチレン共重合体を含有するレジストに、疎水性化合物として3−アダマンタンカルボン酸t−ブチルを配合することにより、露光から露光後の加熱処理までの引き置き時間による影響が少なくなり、あるいは疎水性の強い基を含むレジストの場合にも安定したパターニングが可能となることが開示されている。
【0006】
さらに、近年のフォトリソグラフィープロセスでは急速に微細化が進み、特にKrFエキシマレーザーによるリソグラフィープロセスの場合限界解像度が光源波長の半分以下にまで迫ろうとしている。そのため化学増幅型レジストに対する要求がますます厳しいものとなっており、より高い解像度が要求されるだけでなく、様々な反射率の基板にも対応できなければならない。特に反射率の大きい基板に対応するためには、定在波の影響や、スイングカーブの影響を小さくすることが必要であり、そのため放射線透過率のコントロールが必須となる。放射線透過率を低くするためには、放射線透過率の低い感放射線性酸発生剤の添加量を増やすことも考えられるが、この方法はレジストとしての性能上必ずしも適当ではなく、第三成分(例えば染料等)を添加するのがより好ましいとされている。
そこで、化学増幅型レジストの放射線透過率をコントロールするため、染料としてアントラセン系化合物を添加することが特許文献5や特許文献6に提案されている。しかしながら、単に放射線透過率の低い化合物を添加するだけでは、解像度の低下や、現像残りなどを起こすおそれがあり、レジストとしての性能を損なうという問題がある。また、アントラセン系化合物は一般に昇華性を有するため、露光装置に悪影響を与えるという問題もある。さらにアントラセン系化合物では、化学増幅型レジストに含まれる樹脂成分や添加剤との相溶性が不十分な化合物が多いという欠点もある。
また、特許文献7には、アントラセン骨格等の3環式芳香族骨格に、2価の炭化水素基や酸素原子を介して結合したカルボキシル基を有し、該カルボキシル基が酸不安定基で保護されたカルボン酸誘導体が光吸収性に優れ、化学増幅型レジストの添加剤として好適であることが開示されている。
しかしながら、従来の多成分系化学増幅型レジストでは、特に、ドライエッチング耐性の点で未だ十分とはいえない。
【0007】
このような状況の下、微細化が急速に進行し、また要求性能もますます厳しくなっているフォトリソグラフィープロセスに関するさらなる技術開発の観点から、遠紫外線に代表される短波長の放射線に適応可能で、ドライエッチング耐性が極めて高く、コントラストを著しく改善することができるとともに、レジストとしての基本物性にもすぐれた化学増幅型レジストをもたらしうる添加剤成分の開発が依然として重要な技術課題となっている。
【0008】
【特許文献1】
特公平2−27660号公報
【特許文献2】
特開平4−226461号公報
【特許文献3】
特開平7−234511号公報
【特許文献4】
特開平7−234511号公報
【特許文献5】
特開平7−319155号公報
【特許文献6】
特開平11−265061号公報
【特許文献7】
特開平10−120628号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、波長193nm以下、特に157nm以下の放射線に適応可能で、ドライエッチング耐性に優れ、コントラストが極めて優れ、またレジストとしての基本物性にも優れた化学増幅型レジストとして好適に使用することができる感放射線性樹脂組成物における添加剤成分等として有用な酸解離性基含有化合物、および当該感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一に、
下記一般式(α)で表される基と、環状炭化水素基とを有することを特徴とする、酸解離性基含有化合物(以下、「化合物(α)」という。)
【化3】
〔一般式(α)において、R1 は炭素数2〜20の1価の酸解離性基を示し、
R2 およびR3 は相互に独立に水素原子またはフッ素原子を示し、R4 は酸素原子または硫黄原子を示す。〕
からなる。
【0011】
本発明は、第二に、
(A)樹脂、(B)感放射線性酸発生剤、並びに(C)化合物(α)を含有する感放射線性樹脂組成物であって、(A)樹脂が(A1)酸の作用によりアルカリ易溶性となるアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂および(A2)アルカリ可溶性樹脂の群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする感放射線性樹脂組成物
からなる。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
化合物(α)
一般式(α)において、R1 の炭素数2〜20の1価の酸解離性基としては、例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等を挙げることができる。
【0013】
前記置換メチル基としては、例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、p−ブロモフェナシル基、p−メトキシフェナシル基、p−メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、p−ブロモベンジル基、p−ニトロベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−メチルチオベンジル基、p−エトキシベンジル基、p−エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、i−プロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。
また、前記1−置換エチル基としては、例えば、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−i−プロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。
【0014】
また、前記1−置換−n−プロピル基としては、例えば、1−メトキシ−n−プロピル基、1−エトキシ−n−プロピル基等を挙げることができる。
また、前記1−分岐アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等を挙げることができる。
また、前記シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、メチルジ−i−プロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
また、前記ゲルミル基としては、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、i−プロピルジメチルゲルミル基、メチルジ−i−プロピルゲルミル基、トリ−i−プロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等を挙げることができる。
また、前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0015】
また、前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等を挙げることができる。
さらに、前記環式酸解離性基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、p−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等を挙げることができる。
【0016】
これらの酸解離性基のうち、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ベンジル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−エトキシ−n−プロピル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、トリメチルシリル基、t−ブトキシカルボニル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が好ましく、特に、t−ブチル基、1−メチルシクロペンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が好ましい。
【0017】
本発明における化合物(α)としては、特に、下記一般式(I)で表される化合物(以下、「化合物(I)」という。)が好ましい。
【0018】
【化4】
〔一般式(I)において、R1 、R2 、R3 およびR4 は一般式(α)におけるそれぞれR1 、R2 、R3 およびR4 と同義であり、Xは単結合またはメチレン基を示し、Aは置換または非置換の炭素数2〜20のn価の環状炭化水素基を示し、nは1〜6の整数であり、複数存在するR1 、R2 、R3 、R4 およびXはそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。〕
【0019】
一般式(I)において、Aの置換または非置換の炭素数2〜20のn価の環状炭化水素基としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、デカリン、ノルボルナン、ボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロデカン、アダマンタン等の脂環式炭化水素基に由来する非置換の基やその置換誘導体;
【0020】
ベンゼン、インデン、インダン、ビフェニル、ナフタレン、テトラリン、ビフェニレン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン等の芳香族炭化水素基に由来する非置換の基やその置換誘導体
等を挙げることができる。
【0021】
これらの基のうち、脂環式炭化水素基に由来する非置換の基やその置換誘導体等が好ましく、特に、シクロヘキサン、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロデカン、アダマンタン等に由来する基やその置換誘導体等が好ましい。
【0022】
一般式(I)におけるAの各置換誘導体の置換基としては、例えば、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;
【0023】
フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、パーフルオロ−n−ノニル基、パーフルオロ−n−デシル基等の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基
等を挙げることができる。
【0024】
これらの置換基のうち、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基等が好ましい。
【0025】
また、化合物(I)以外の化合物(α)としては、例えば、下記一般式(II)に示す構造単位(ii−1) を必須単位とし、場合により一般式(II)に示す構造単位(ii−2) をさらに有する化合物(以下、「化合物(II) 」という。)を挙げることができる。
化合物(II) は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。
【0026】
【化5】
〔一般式(II) において、R1 、R2 、R3 およびR4 は一般式(α)におけるそれぞれR1 、R2 、R3 およびR4 と同義であり、Xおよびnは一般式(I)におけるそれぞれXおよびnと同義であり、複数存在するR1 、R2 、R3 、
R4 およびXはそれぞれ相互に同一でも異なってもよく、各mは相互に独立に0〜3の整数であり、一般式(II) 中の各ノルボルナン環は置換されていてもよい。〕
【0027】
構造単位(ii−1)におけるmおよび構造単位(ii−2)におけるmとしてはそれぞれ、特に0が好ましい。また、複数存在する構造単位(ii−1)は相互に同一でも異なってもよく、また複数存在する構造単位(ii−2)は相互に同一でも異なってもよい。
【0028】
本発明における好ましい化合物(I)の具体例としては、下記式(I−1−1) 〜(I−1−6) 、式(I−2−1) 〜(I−2−6) 、式(I−3−1) 〜(I−3−9) 、式(I−4−1) 〜(I−4−9) 、式(I−5−1) 〜(I−5−6) 、式(I−6−1) 〜(I−6−6) 、式(I−7−1) 〜(I−7−6) または式(I−8−1) 〜(I−8−6) で表される化合物のほか、これらの各化合物で、酸解離性基であるt−ブチル基が1つの場合は、該t−ブチル基を前記他の酸解離性基で置換した化合物や、t−ブチル基が2つの場合は、該t−ブチル基の1つまたは2つを前記他の酸解離性基で置換した化合物等を挙げることができる。
但し、各式中、環状炭化水素基と酸素原子または硫黄原子との間の結合手は、式(I−1−1) 〜(I−1−6) および式(I−2−1) 〜(I−2−6) では、ノルボルナン環の2位ないし3位に結合し(結合手が1つの場合)、あるいは2位ないし3位と8位ないし9位とに結合しており(結合手が2つの場合)、式(I−3−1) 〜(I−3−9) および式(I−4−1) 〜(I−4−9) では、トリシクロデカン環の7〜9位のいずれかに結合し(結合手が1つの場合)、あるいは7〜9位のいずれかと3位ないし4位とに結合しており(結合手が2つの場合)、式(I−5−1) 〜(I−5−6) および式(I−6−1) 〜(I−6−6) では、テトラシクロデカン環の3位ないし4位に結合し(結合手が1つの場合)、あるいは3位ないし4位と8位ないし9位とに結合している(結合手が2つの場合)。
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
【化19】
【0043】
【化20】
【0044】
【化21】
【0045】
【化22】
【0046】
【化23】
【0047】
【化24】
【0048】
【化25】
【0049】
【化26】
【0050】
【化27】
【0051】
【化28】
【0052】
【化29】
【0053】
本発明における好ましい化合物(II)の具体例としては、下記式(II−1−1) 〜(II−1−3) 、式(II−2−1) 〜(II−2−3) 、式(II−3−1) 〜(II−3−3) 、式(II−4−1) 〜(II−4−3) で表される化合物のほか、これらの各化合物で、t−ブチル基が1つの場合は、該t−ブチル基を前記他の酸解離性基で置換した化合物や、t−ブチル基が2つ以上の場合は、該t−ブチル基の1つ以上を前記他の酸解離性基で置換した化合物等を挙げることができ、さらに好ましくは式(II−1−1) 、式(II−1−2) または式(II−1−3) で表される化合物である。
但し、各式中、aおよびbは各構造単位の数を示す整数で、a≧1、b≧0である。また各式中、環状炭化水素基と酸素原子または硫黄原子との間の結合手は、式(II−1−1) 〜(II−1−3) および式(II−2−1) 〜(II−2−3) では、ノルボルナン環の2位ないし3位に結合しており、式(II−3−1) 〜(II−3−3) および式(II−4−1) 〜(II−4−3) では、テトラシクロデカン環の3位ないし4位に結合している。
【0054】
【化30】
【0055】
【化31】
【0056】
【化32】
【0057】
【化33】
【0058】
【化34】
【0059】
【化35】
【0060】
【化36】
【0061】
【化37】
【0062】
【化38】
【0063】
【化39】
【0064】
【化40】
【0065】
【化41】
【0066】
化合物(I)は、例えば、式A−R4 −H〔但し、AおよびR4 は一般式(I)におけるそれぞれAおよびR4 と同義である。〕で表されるアルコールあるいはチオールと、t−ブチルリチウムとを反応させて、リチウムアルコキシドを生成し、これを、下記式(i)で表される化合物と反応させることにより合成することができる。
【0067】
【化42】
〔但し、R1 、R2 およびR3 は一般式(α)におけるそれぞれR1 、R2 およびR3 と同義である。〕
【0068】
また、化合物(II)は、例えば、ノルボルナン環を有するアルコールあるいはチオールを用いる以外は、前記化合物(I)の場合と同様にして合成することができる。
【0069】
化合物(α)は、特に、後述する感放射線性樹脂組成物における添加剤成分として極めて好適に使用することができるほか、関連する他の化合物を合成する原料ないし中間体等としても有用である。
【0070】
感放射線性樹脂組成物
本発明の感放射線性樹脂組成物は、(A)樹脂、(B)感放射線性酸発生剤、並びに(C)化合物(α)を含有する感放射線性樹脂組成物であって、(A)樹脂が(A1)酸の作用によりアルカリ易溶性となるアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂(以下、「樹脂(A1)」という。)および(A2)アルカリ可溶性樹脂(以下、「樹脂(A2)」という。)の群から選ばれる少なくとも1種からなるものである。
【0071】
−(C)成分−
本発明の感放射線性樹脂組成物において、化合物(α)は、レジストとしたときのドライエッチング耐性を改善し、コントラストを向上させる作用を有する溶解制御剤として作用する成分である。
【0072】
本発明の感放射線性樹脂組成物において、化合物(α)としては、特に、式(I−1−2) 、式(I−3−3) 、式(I−5−2) または式(I−7−2) で表される化合物等が好ましい。
【0073】
本発明の感放射線性樹脂組成物において、化合物(α)の使用量は、(A)樹脂100重量部当たり、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。この場合、化合物(α)の使用量が50重量部を超えると、レジストとしての耐熱性が低下する傾向がある。
【0074】
−(A)成分−
本発明における樹脂(A1)としては、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシル基等の1種以上の酸性官能基を含有する樹脂中の酸性官能基の水素原子を、酸の存在下で解離することができる1種以上の酸解離性基で置換した、それ自体としてはアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂を挙げることができる。
ここでいう「アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性」とは、樹脂(A1)を含有する感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト被膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、当該レジスト被膜の代わりに樹脂(A1)のみを用いた被膜を現像した場合に、当該被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質を意味する。
このような樹脂(A1)としては、フッ素含量が、好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上、特に好ましくは40重量%以上である樹脂(以下、「樹脂(A1−1)」という。)が望ましい。
【0075】
以下、樹脂(A1−1)について説明する。
樹脂(A1−1)としては、主鎖および/または側鎖に脂環式骨格を有する樹脂、より具体的には、下記一般式(1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1)」という。)および下記一般式(2)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(2)」という。)の群から選ばれる少なくとも1種を有する樹脂(以下、「樹脂(a1)」という。)が好ましい。
【0076】
【化43】
〔一般式(1)において、各R5 は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基を示し、各Uは相互に独立に酸素原子または下記式(β)で表される基を示し、かつ少なくとも2つのUが式(β)で表される基であり、xおよびyはそれぞれ0または1で、(x+y)=1である。
【0077】
【化44】
(式中、各R6 は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、または酸により解離してヒドロキシル基となる1価の基を示す。)〕
一般式(1)において、R5 、U、xおよびyは、得られる樹脂(a1)のフッ素含量が10重量%以上、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上となるように選択される。
【0078】
【化45】
〔一般式(2)において、各R7 は相互に独立に水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、ヒドロキシル基を有する1価の有機基、または酸解離性基を有する1価の有機基を示し、zは0〜3の整数である。〕
一般式(1)において、R7 およびzは、得られる樹脂(a1)のフッ素含量が10重量%以上、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上となるように選択される。
【0079】
一般式(1)において、R5 のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
これらのハロゲン原子のうち、特にフッ素原子が好ましい。
また、R5 の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
これらのアルキル基のうち、特にメチル基が好ましい。
【0080】
また、R5 の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、パーフルオロ−n−ノニル基、パーフルオロ−n−デシル基等を挙げることができる。
これらのフッ素化アルキル基のうち、特にトリフルオロメチル基が好ましい。
【0081】
一般式(1)におけるR5 としては、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基等が好ましい。
【0082】
Uを示す前記式(β)で表される基(以下、「連結基(β)」という。)において、R6 のハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基および炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基としては、例えば、前記R5 について例示したそれぞれ対応する基と同様のものを挙げることができる。
【0083】
また、R6 の酸により解離してヒドロキシル基となる1価の基としては、例えば、下記式(γ)で表される基を挙げることができる。
【0084】
【化46】
(但し、R8 は酸により解離して水素原子を生じる1価の基を示す。)
【0085】
式(γ)において、R8 の酸により解離して水素原子を生じる1価の基(以下、「酸解離性保護基」という。)としては、例えば、
t−ブトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルカルボニル基、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、ビニルカルボニル基、アリルカルボニル基、ベンジルカルボニル基、4−エトキシ−1−ナフチルカルボニル基、メチルジチオカルボニル基等の有機カルボニル基;
【0086】
メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、t−ブトキシメチル基、t−ブチルチオメチル基、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル基、ベンジロキシメチル基、t−ブトキシメチル基、シロキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、1−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−メチル−1−ベンジロキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−メチル−1−ベンジロキシ−2−フルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−トリメチルシリルエチル基、2−(フェニルセレニル)エチル基等の、式(γ)中の酸素原子と結合してアセタール構造を形成する有機基;
【0087】
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、ジメチル−i−プロピルシリル基、ジエチル−i−プロピルシリル基、ジメチルエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリベンジルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルメトキシフェニルシリル基等のアルキルシリル基;
2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−メチル−2−ノルボルニル基、2−エチル−2−ノルボルニル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基等のアルキル置換脂環族基
等を挙げることができる。
【0088】
これらの酸解離性保護基のうち、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、t−ブチルジメチルシリル基等が好ましい。
【0089】
連結基(β)におけるR6 としては、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、メチル基、トリフルオロメチル基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基等が好ましい。
【0090】
樹脂(a1)において、繰り返し単位(1)は、単独でまたは2種以上が存在することができる。
また、樹脂(a1)において、繰り返し単位(1)はy=0(x=1)の単位のみ、あるいはy=1(x=0)の単位のみからなることができ、またy=0(x=1)の繰り返し単位(1)とy=1(x=0)の繰り返し単位(1)とが共存することができる。
【0091】
さらに、樹脂(a1)における繰り返し単位(1)としては、その3つのUがすべて連結基(β)である単位が好ましく、この場合の連結基(β)の構造に関しては、酸解離性保護基をもたない繰り返し単位(1)では、いずれか1つの連結基(β)のみが1個のヒドロキシル基を有し、残りの連結基(β)がヒドロキシル基をもたないことが好ましく、また酸解離性保護基を有する繰り返し単位(1)では、いずれか1つの連結基(β)のみが1個の酸解離性保護基を有し、残りの連結基(β)がヒドロキシル基および酸解離性保護基をもたないことが好ましい。
【0092】
繰り返し単位(1)は、下記一般式(3)で表されるジオレフィン系単量体(以下、「単量体(3)」という。)の環化重合により形成される単位である。
【0093】
【化47】
【0094】
単量体(3)として下記式(3−1) の化合物を用いた場合、その環化重合により形成される繰り返し単位(1)は、一般に、下記式(4−1)で表される繰り返し単位あるいは下記式(4−2)で表される繰り返し単位の少なくとも1種からなる。
【0095】
【化48】
【0096】
一般式(2)において、R7 の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
これらのアルキル基のうち、特にメチル基が好ましい。
【0097】
また、R7 の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、パーフルオロ−n−ノニル基、パーフルオロ−n−デシル基等を挙げることができる。
これらのフッ素化アルキル基のうち、特にトリフルオロメチル基が好ましい。
【0098】
また、R7 のヒドロキシル基を有する1価の有機基としては、例えば、下記式(δ)で表される基(以下、「ヒドロキシル基含有有機基(δ)」という。)を挙げることができる。
【0099】
【化49】
(但し、P1 はメチレン基、フルオロメチレン基、ジフルオロメチレン基、炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキレン基を示す。)
【0100】
式(δ)において、P1 の炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等を挙げることができる。
【0101】
また、P1 の炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキレン基としては、例えば、(トリフルオロメチル)メチレン基、メチル(トリフルオロメチル)メチレン基、ジ(トリフルオロメチル)メチレン基、1−フルオロエチレン基、1,1−ジフルオロエチレン基、1,2−ジフルオロエチレン基、2,2−ジフルオロエチレン基、1−(トリフルオロメチル)エチレン基、2−(トリフルオロメチル)エチレン基、1−メチル−1−(トリフルオロメチル)エチレン基、2−メチル−2−(トリフルオロメチル)エチレン基、1,1−ジ(トリフルオロメチル)エチレン基、2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチレン基、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロトリメチレン基、オクタフルオロテトラメチレン基等を挙げることができる。
【0102】
好ましいヒドロキシル基含有有機基(δ) としては、例えば、ヒドロキシ(トリフルオロメチル)メチル基、1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、ヒドロキシジ(トリフルオロメチル)メチル基、2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)エチル基、2−ヒドロキシ−2−メチル−2−(トリフルオロメチル)エチル基、2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル基等を挙げることができる。
【0103】
また、R7 の酸解離性基を有する1価の有機基としては、酸により解離して、カルボキシル基あるいはアルコール性水酸基を生成する基が好ましい。
このような好ましい酸解離性基を有する1価の有機基としては、例えば、下記式(ε)で表される基(以下、「酸解離性有機基(ε)」という。)を挙げることができる。
【0104】
【化50】
(但し、P2 は単結合、メチレン基、フルオロメチレン基、ジフルオロメチレン基、炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキレン基を示し、Qは−O−または−COO−を示し、R9 は酸により解離して水素原子を生じる1価の有機基を示す。)
【0105】
式(ε) において、P2 の炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等を挙げることができる。
【0106】
また、P2 の炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキレン基としては、例えば、(トリフルオロメチル)メチレン基、メチル(トリフルオロメチル)メチレン基、ジ(トリフルオロメチル)メチレン基、1−フルオロエチレン基、1,1−ジフルオロエチレン基、1,2−ジフルオロエチレン基、2,2−ジフルオロエチレン基、1−(トリフルオロメチル)エチレン基、2−(トリフルオロメチル)エチレン基、1−メチル−1−(トリフルオロメチル)エチレン基、2−メチル−2−(トリフルオロメチル)エチレン基、1,1−ジ(トリフルオロメチル)エチレン基、2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチレン基、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロトリメチレン基、オクタフルオロテトラメチレン基等を挙げることができる。
【0107】
また、R9 の酸により解離して水素原子を生じる1価の有機基としては、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基;
フェノキシカルボニル基、4−t−ブチルフェニル基、1−ナフチル基等のアリーロキシカルボニル基;
ベンジル基、4−t−ブチルベンジル基、フェネチル基、4−t−ブチルフェネチル基等のアラルキル基;
t−ブトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルカルボニル基、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、ビニルカルボニル基、アリルカルボニル基、ベンジルカルボニル基、4−エトキシ−1−ナフチルカルボニル基、メチルジチオカルボニル基等の有機カルボニル基;
【0108】
メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、t−ブトキシメチル基、t−ブチルチオメチル基、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル基、ベンジロキシメチル基、t−ブトキシメチル基、シロキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、1−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−メチル−1−ベンジロキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−メチル−1−ベンジロキシ−2−フルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−トリメチルシリルエチル基、2−(フェニルセレニル)エチル基等の、式(ε)中の酸素原子と結合してアセタール構造を形成する有機基;
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、ジメチル−i−プロピルシリル基、ジエチル−i−プロピルシリル基、ジメチルエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリベンジルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルメトキシフェニルシリル基等のアルキルシリル基
等を挙げることができる。
【0109】
これらの酸により解離して水素原子を生じる1価の有機基のうち、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、t−ブチルジメチルシリル基等が好ましい。
【0110】
好ましい酸解離性有機基(ε)としては、例えば、t−ブトキシカルボニル基、(エトキシメトキシ)ジ(トリフルオロメチル)メチル基、2−エトキシメトキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル基、(t−ブトキシカルボニルオキシ)ジ(トリフルオロメチル)メチル基、t−ブトキシカルボニルオキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル基等を挙げることができる。
【0111】
一般式(2)におけるR7 としては、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシ(トリフルオロメチル)メチル基、1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、(ヒドロキシ)ジ(トリフルオロメチル)メチル基、2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)エチル基、2−ヒドロキシ−2−メチル−2−(トリフルオロメチル)エチル基、2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル基、t−ブトキシカルボニル基、(エトキシメトキシ)ジ(トリフルオロメチル)メチル基、2−エトキシメトキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル基、(t−ブトキシカルボニルオキシ)ジ(トリフルオロメチル)メチル基、t−ブトキシカルボニルオキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル基等が好ましい。
また、一般式(2)におけるzとしては0または1が好ましい。
【0112】
繰り返し単位(2)を与える単量体としては、酸解離性基有機基(ε)を有し、その基P2 が、その基Qに対してα−位の炭素原子にフッ素原子あるいはフッ素化アルキル基(好ましくはトリフルオロメチル基)が結合した構造をとる単量体が望ましい。
樹脂(a1)において、繰り返し単位(2)は、単独でまたは2種以上が存在することができる。
【0113】
樹脂(a1)は、繰り返し単位(1)および繰り返し単位(2)以外の繰り返し単位(以下、「他の繰り返し単位」という。)を1種以上有することができる。
繰り返し単位(1)を有する樹脂(a1)における他の繰り返し単位としては、例えば、前記一般式(1)における各R5 の一部のみが相互に独立にヒドロキシル基またはカルボキシル基である繰り返し単位、前記一般式(1)におけるUを表す連結基(β)中の2つのR6 の少なくとも一方がカルボキシル基である繰り返し単位、これらの繰り返し単位中のヒドロキシル基あるいはカルボキシル基の水素原子を前記酸解離性保護基で置換した繰り返し単位を挙げることができる。
この場合の他の繰り返し単位中における酸解離性保護基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、t−ブチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、2−メチル−2−アダマンチル基等が好ましい。
【0114】
また、繰り返し単位(2)を有する樹脂(a1)における他の繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(5)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(5)」という。)を挙げることができる。
【0115】
【化51】
〔一般式(5)において、各R10は相互に独立に水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、ヒドロキシル基を有する1価の有機基、または酸解離性基を有する1価の有機基を示し、wは0〜2の整数である。〕
【0116】
一般式(5)において、R10の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、水酸基を有する1価の有機基、および酸解離性基を有する1価の有機基としては、例えば、前記一般式(2)におけるR7 について例示したそれぞれ対応する基と同様のものを挙げることができる。
一般式(5)におけるR10としては、フッ素原子、トリフルオロメチル基等が好ましい。
また、一般式(5)におけるwとしては0〜2がいずれも好ましい。
【0117】
また、樹脂(a1)において、前記以外の他の繰り返し単位を与える単量体としては、例えば、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ヘプタフルオロ−n−プロポキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’,2’,2’−トリフルオロカルボエトキシ)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(2’,2’,2’−トリフルオロカルボエトキシ)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
【0118】
ジシクロペンタジエン、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ] デカ−8−エン、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ] デカ−3−エン、トリシクロ[ 4.4.0.12,5 ] ウンデカ−3−エン、トリシクロ[ 6.2.1.01,8 ] ウンデカ−9−エン、トリシクロ[ 6.2.1.01,8 ] ウンデカ−4−エン、テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10.01,6 ] ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10.01,6 ] ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,12 ]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10.01,6 ] ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[ 6.5.1.13,6 .02,7 .09,13 ]ペンタデカ−4−エン、ペンタシクロ[ 7.4.0.12,5 .19,12.08,13 ]ペンタデカ−3−エン等を挙げることができる。
【0119】
樹脂(a1)において、繰り返し単位(1)および繰り返し単位(2)の合計含有率は、全繰り返し単位に対して、通常、5〜100モル%、好ましくは5〜80モル%、さらに好ましくは5〜60モル%である。この場合、前記合計含有率が5モル%未満では、レジストとしたときの環境耐性が低下する傾向がある。
また、酸解離性保護基を有する繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位に対して、通常、3〜80モル%、好ましくは3〜60モル%である。この場合、酸解離性保護基を有する繰り返し単位の含有率が3モル%未満では、レジストとしたときの残膜率や解像度が低下する傾向があり、一方80モル%を超えると、レジストとしたとき、感度が低下したり、パターン形状が損なわれたりする傾向がある。
また、酸解離性保護基による保護率(遊離ヒドロキシル基、遊離カルボキシル基および酸解離性保護基で保護された基の合計量に対する酸解離性保護基で保護された基の割合。以下同様。)は、好ましくは20〜100モル%、特に好ましくは40〜100モル%である。
また、他の繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位に対して、通常、50モル%以下、好ましくは30モル%以下である。
【0120】
樹脂(a1)は、例えば、その各繰り返し単位に対応する単量体を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、溶媒の非存在下または溶媒中で重合することにより製造することができる。
各重合に使用される前記溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、フルオロクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーエル類等を挙げることができる。
これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0121】
樹脂(A1)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、通常、500〜500,000、好ましくは1,000〜100,000である。この場合、樹脂(A1)のMwが500未満では、レジストとしたときの耐熱性が低下する傾向があり、一方500,000を超えると、レジストとしたときの現像性が低下する傾向がある。
また、樹脂(A1)のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜5、好ましくは1〜3である。
本発明において、樹脂(A1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0122】
次に、本発明における樹脂(A2)は、アルカリ現像液と親和性を示す官能基、例えばフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシル基等の酸性官能基を1種以上有する、アルカリ現像液に可溶な樹脂である。
このような樹脂(A2)としては、例えば、下記式(6)〜(8)で表される繰り返し単位を1種以上有する付加重合系樹脂、下記式(9)で表される繰り返し単位を1種以上有する重縮合系樹脂等を挙げることができる。
【0123】
【化52】
〔式(6)において、R11は水素原子またはメチル基を示し、R12はヒドロキシル基、カルボキシル基、−R13COOH、−OR13COOH、−OCOR13COOHまたは−COOR13COOH(但し、R13は−(CH2)g−を示し、gは1〜4の整数である。)を示す。〕
【0124】
【化53】
〔式(7)において、R14は水素原子またはメチル基を示す。〕
【0125】
【化54】
【0126】
【化55】
〔式(9)において、R15、R16、R17、R18およびR19は相互に独立に水素原子または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示す。〕
【0127】
樹脂(A2)が付加重合系樹脂の場合、前記式(6)〜(8)で表される繰り返し単位のみから構成されていてもよいが、生成した樹脂がアルカリ現像液に可溶である限りでは、1種以上の他の繰り返し単位をさらに有することもできる。
このような他の繰り返し単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、無水マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル、(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド、ビニルアニリン、ビニルピリジン、ビニル−ε−カプロラクタム、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール等の重合性不飽和結合が開裂した単位を挙げることができる。
前記付加重合系樹脂は、例えば式(6)〜(8)で表される繰り返し単位に対応する単量体を、場合により前記他の繰り返し単位を形成する単量体と共に、(共)重合することにより製造することができる。
これらの(共)重合は、単量体や反応媒質の種類等に応じて、ラジカル重合開始剤、アニオン重合触媒、配位アニオン重合触媒、カチオン重合触媒等の重合開始剤あるいは重合触媒を適宜に選定し、塊状重合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合等の適宜の重合方法により実施することができる。
【0128】
また、樹脂(A2)が重縮合系樹脂の場合、前記式(9)で表される繰り返し単位のみから構成されていてもよいが、生成した樹脂がアルカリ現像液に可溶である限りでは、1種以上の他の繰り返し単位をさらに有することもできる。
このような重縮合系樹脂は、式(9)で表される繰り返し単位に対応するフェノール類とアルデヒド類とを、場合により他の繰り返し単位を形成しうる重縮合成分と共に、酸性触媒の存在下、水媒質中または水と親水性溶媒との混合媒質中で(共)重縮合することによって製造することができる。
前記フェノール類としては、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等を挙げることができ、また前記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等を挙げることができる。
【0129】
樹脂(A2)中の式(6)〜(9)で表される繰り返し単位の合計含有率は、場合により含有される前記他の繰り返し単位の種類により一概に規定できないが、好ましくは10〜100モル%、さらに好ましくは20〜100モル%である。
樹脂(A2)は、式(6)や式(9)等で表されるような炭素−炭素不飽和結合を含有する繰り返し単位を有する場合、水素添加物として用いることもできる。この場合の水素添加率は、式(6)や式(9)等で表される繰り返し単位中に含まれる炭素−炭素不飽和結合の、通常、70%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下である。この場合、水素添加率が70%を超えると、得られる樹脂のアルカリ現像液による現像性が低下するおそれがある。
【0130】
本発明における樹脂(A2)としては、特に、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、p−ヒドロキシスチレン/p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン共重合体、p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体等を主成分とするものが好ましい。
樹脂(A2)のMwは、感放射線性樹脂組成物の所望の特性に応じて変わるが、通常、1,000〜150,000、好ましくは3,000〜100,000である。この場合、樹脂(A2)のMwが1,000未満では、レジストとしたときの耐熱性が低下する傾向があり、一方150,000を超えると、レジストとしたときの現像性が低下する傾向がある。
また、樹脂(A2)のMwとMnとの比(Mw/Mn)は、通常、1〜5、好ましくは1〜3である。
本発明において、樹脂(A2)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0131】
なお、(A)樹脂は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないほど好ましく、それにより、レジストとしたときの感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等をさらに改善することができる。(A)樹脂の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等を挙げることができる。
【0132】
−(B)成分−
本発明における感放射線性酸発生剤は、紫外線、遠紫外線、荷電粒子線、X線等の露光により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤(B)」という。)からなる。
本発明における酸発生剤(B)としては、トリフルオロメタンスルホン酸または下記一般式(10)で表される酸(以下、「酸(10)」という。)を発生する化合物(以下、「酸発生剤(B1)」という。)を必須成分とするものが好ましい。
【0133】
【化56】
〔一般式(10)において、Ra は水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基、または炭素数3〜20の環状の1価のフッ素化炭化水素基を示し、該1価の炭化水素基および該1価のフッ素化炭化水素基は置換されていてもよく、各Rb は相互に独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示す。〕
【0134】
一般式(10)において、Ra の炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、nープロピル基、i―プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等を挙げることができる。
【0135】
また、Ra の炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、ノナフルオロ−i−ブチル基、ノナフルオロ−sec−ブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロ−n−オクチル基等を挙げることができる。
【0136】
また、Ra の炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基または炭素数3〜20の環状の1価のフッ素化炭化水素基あるいはこれらの置換誘導体としては、例えば、下記式(v−1)〜(v−7)で表される基等を挙げることができる。
【0137】
【化57】
【0138】
【化58】
【0139】
【化59】
【0140】
【化60】
【0141】
【化61】
【0142】
【化62】
【0143】
【化63】
【0144】
〔式(v−1)〜(v−7)において、各R20は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アセチル基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、1級アミノ基、2級アミノ基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基を示し、各R21は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基を示し、jは0〜10の整数である。
一般式(v−4)において、kは1〜18の整数である。
一般式(v−5)において、uは0〜3の整数である。〕
【0145】
本発明における好ましい酸(10)としては、例えば、
ヘプタフルオロ−n−プロパンスルホン酸、ノナフルオロ−n−ブタンスルホン酸、パーフルオロ−n−オクタンスルホン酸、1,1,2,2,−テトラフルオロ−n−プロパンスルホン酸、1,1,2,2,−テトラフルオロ−n−ブタンスルホン酸、1,1,2,2,−テトラフルオロ−n−オクタンスルホン酸や、
【0146】
前記一般式(v−1)〜(v−7)で表される基の結合手に、
−CF2 CF2 SO3 H、−CF2 CF(CF3)SO3 H、
−CF(CF3)CF2 SO3 H、−CF(CF3)CF(CF3)SO3 H、
−C(CF3)2 CF2 SO3 Hまたは−CF2 C(CF3)2 SO3 Hの基が結合した酸、例えば、下記式(10−1) 〜(10−10) の酸等を挙げることができる。
【0147】
【化64】
【0148】
【化65】
【0149】
【化66】
【0150】
【化67】
【0151】
【化68】
【0152】
本発明において、酸発生剤(B1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明においては、必要に応じて、酸発生剤(B1)と共に、他の酸発生剤(B)を1種以上併用することができる。
好ましい他の酸発生剤(B)としては、露光により、例えば、下記一般式(11) で表される酸(以下、「酸(11)」という。)、下記一般式(12)で表される酸(以下、「酸(12)という。)または下記一般式(13)で表される酸(以下、「酸(13)」という。)を発生する化合物(以下、「酸発生剤(B2)」という。)を挙げることができる。
【0153】
【化69】
〔一般式(11)において、Rb はフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示し、Rb’は水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Rc は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基または炭素数3〜20の環状の1価のフッ素化炭化水素基を示し、該1価の炭化水素基および該1価のフッ素化炭化水素基は置換されていてもよい。
【0154】
一般式(12)において、Rd は炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基を示し、該1価の炭化水素基は置換されていてもよい。
【0155】
一般式(13)において、Reは炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基または炭素数3〜20の環状の1価のフッ素化炭化水素基を示し、該1価の炭化水素基および該1価のフッ素化炭化水素基は置換されていてもよい。〕
【0156】
一般式(11)〜(13)において、Rc 、Rd およびReの炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基および置換されていてもよい炭素数3〜20の環状の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば、前記一般式(10)におけるRaについて例示したそれぞれ対応する基と同様のものを挙げることができる。
【0157】
好ましい酸(11)ととしては、例えば、
1−フルオロエタンスルホン酸、1−フルオロ−n−プロパンスルホン酸、1−フルオロ−n−ブタンスルホン酸、1−フルオロ−n−オクタンスルホン酸、1,1−ジフルオロエタンスルホン酸、1,1−ジフルオロ−n−プロパンスルホン酸、1,1−ジフルオロ−n−ブタンスルホン酸、1,1−ジフルオロ−n−オクタンスルホン酸、1−トリフルオロメチル−n−プロパンスルホン酸、1−トリフルオロメチル−n−ブタンスルホン酸、1−トリフルオロメチル−n−オクタンスルホン酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)エタンスルホン酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−n−プロパンスルホン酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−n−ブタンスルホン酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−n−オクタンスルホン酸や、
【0158】
前記式(v−1)〜(v−7)で表される基の結合手に、−CF2 SO3 H、
−CHFSO3 H、−CH(CF3)SO3 Hまたは−C(CF3)2 SO3 Hの基が結合した酸、例えば、下記式(11−1) 〜(11−40)の酸等を挙げることができる。
【0159】
【化70】
【0160】
【化71】
【0161】
【化72】
【0162】
【化73】
【0163】
【化74】
【0164】
【化75】
【0165】
【化76】
【0166】
【化77】
【0167】
【化78】
【0168】
【化79】
【0169】
【化80】
【0170】
【化81】
【0171】
【化82】
【0172】
【化83】
【0173】
【化84】
【0174】
【化85】
【0175】
【化86】
【0176】
【化87】
【0177】
【化88】
【0178】
【化89】
【0179】
また、好ましい酸(12)としては、例えば、
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、n−プロパンスルホン酸、n−ブタンスルホン酸、i−ブタンスルホン酸、sec−ブタンスルホン酸、t−ブタンスルホン酸、n−ペンタンスルホン酸、n−ヘキサンスルホン酸、n−オクタンスルホン酸、シクロペンタンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸等の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキルスルホン酸類;
ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンジルスルホン酸、α―ナフタレンスルホン酸、β―ナフタレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類;
10−カンファースルホン酸や、
前記式(v−1)〜(v−7)で表される基の結合手に、−SO3 H基が結合した酸等を挙げることができる。
【0180】
さらに、好ましい酸(13) としては、例えば、
酢酸、n−プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、テレフタル酸、α―ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ノルボルナンカルボン酸、2,3−ノルボルナンジカルボン酸、ノルボルニル−2−酢酸、1−アダマンタンカルボン酸、1−アダマンタン酢酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジ酢酸、 リトコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、コール酸や、
前記式(v−1)〜(v−7)で表される基の結合手に、−COOH基が結合した酸等を挙げることができる。
【0181】
酸発生剤(B1)および酸発生剤(B2)としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、カルボン酸化合物、ジアゾケトン化合物、ハロゲン含有化合物等を挙げることができる。
る。
酸(10)、酸(11)、酸(12)あるいは酸(13)を発生するオニウム塩化合物としては、例えば、
ジフェニルヨードニウム塩、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、
4−ヒドロキシフェニル・フェニル・メチルスルホニウム塩、シクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシル・メチルスルホニウム塩、ジシクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウム塩、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウム塩、4−ヒドロキシフェニル・ベンジル・メチルスルホニウム塩、
1−ナフチルジメチルスルホニウム塩、1−ナフチルジエチルスルホニウム塩、1−(4−シアノナフチル)ジメチルスルホニウム塩、1−(4−シアノナフチル)ジエチルスルホニウム塩、1−(4−ニトロナフチル)ジメチルスルホニウム塩、1−(4−ニトロナフチル)ジエチルスルホニウム塩、1−(4−メチルナフチル)ジメチルスルホニウム塩、1−(4−メチルナフチル)ジエチルスルホニウム塩、1−(4−ヒドロキシナフチル)ジメチルスルホニウム塩、1−(4−ヒドロキシナフチル)ジエチルスルホニウム塩、
【0182】
1−〔1−(4−ヒドロキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−エトキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−n−ブトキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−メトキシメトキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−エトキトメトキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−{4−(1−メトキシエトキシ)ナフチル}〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−{4−(2−メトキシエトキシ)ナフチル}〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−メトキシカルボニルオキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−エトキシカルボニルオキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−n−プロポキシカルボニルオキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−i−プロポキシカルボニルオキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−n−ブトキシカルボニルオキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−t−ブトキシカルボニルオキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−{4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)ナフチル}〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−{4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)ナフチル}〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−ベンジルオキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(1−ナフチルアセトメチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩
等を挙げることができる。
【0183】
また、酸(10)、酸(11)あるいは酸(12)を発生するスルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
また、酸(10)、酸(11)あるいは酸(12)を発生するスルホン酸化合物としては、例えば、スルホン酸エステル、スルホン酸イミド、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
また、酸(13)を発生するカルボン酸化合物としては、例えば、カルボン酸エステル、カルボン酸イミド、カルボン酸シアネート等を挙げることができる。
【0184】
また、酸(10)、酸(11)、酸(12)あるいは酸(13)を発生するジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。
さらに、酸(10)、酸(11)、酸(12)あるいは酸(13)を発生するハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。
【0185】
本発明において、酸発生剤(B)の使用量は、樹脂(A1)または樹脂(A2)100重量部に対して、通常、1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部である。この場合、酸発生剤(B)の使用量が1重量部未満では、レジストとしたときの感度や解像度が低下する傾向があり、一方20重量部を超えると、レジストとしたとき、レジスト被膜の放射線透過率が低下してパターン形状が損なわれるおそれがある。
また、酸発生剤(B2)の使用量は、樹脂(A1)または樹脂(A2)100重量部に対して、通常、5重量部以下、好ましくは3重量部以下である。
【0186】
−添加剤−
本発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、前記化合物(α)以外の溶解制御剤(以下、「他の溶解制御剤」という。)、酸拡散制御剤、界面活性剤、増感剤等の各種の添加剤を配合することができる。
【0187】
本発明の感放射線性樹脂組成物において、他の溶解制御剤の使用割合は、化合物(α)に対して、通常、100重量%以下、好ましくは50重量%以下である。この場合、該使用割合が100重量%を超えると、本発明の所期の効果が低下する傾向がある。
【0188】
前記酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
このような含窒素有機化合物としては、例えば、下記一般式(14)
【0189】
【化90】
〔一般式(14)において、各R22は相互に独立に水素原子、置換もしくは非置換の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のアラルキル基を示す。〕
【0190】
で表される化合物(以下、「含窒素化合物(イ)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(ロ)」という。)、窒素原子を3個以上有するポリアミノ化合物や重合体(以下、これらをまとめて「含窒素化合物(ハ)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
【0191】
含窒素化合物(イ)としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、シクロヘキシルアミン等のモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジ(シクロ)アルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミン類を挙げることができる。
【0192】
含窒素化合物(ロ)としては、例えば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等を挙げることができる。
含窒素化合物(ハ)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、2−ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
【0193】
前記アミド基含有化合物としては、例えば、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
【0194】
前記ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等を挙げることができる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン等を挙げることができる。
これらの酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0195】
本発明の感放射線性樹脂組成物において、酸拡散制御剤の配合量は、(A)樹脂に対して、通常、15重量部以下、好ましくは10重量部以下である。この場合、該配合量が15重量部を超えると、レジストとしての感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。なお、該配合量が0.01重量部未満であると、プロセス条件によっては、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
【0196】
前記界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。
このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下商品名で、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75,同No.95(共栄社化学(株)製)、エフトップEF301,同EF303,同EF352(トーケムプロダクツ(株)製)、メガファックスF171,同F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430,同FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,同SC−101,同SC−102,同SC−103,同SC−104,同SC−105,同SC−106(旭硝子(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物において、界面活性剤の配合量は、(A)樹脂100重量部に対して、通常、2重量部以下である。
【0197】
また、前記増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤(B)に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示すもので、感放射線性樹脂組成物のみかけの感度を向上させる効果を有する。
このような増感剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。
これらの増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物において、増感剤の配合量は、(A)樹脂100重量部に対して、通常、50重量部以下である。
また、染料あるいは顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和でき、接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。
さらに、前記以外の添加剤としては、ハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。
【0198】
組成物溶液の調製
本発明の感放射線性樹脂組成物は、普通、その使用に際して、全固形分濃度が、通常、1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%となるように、溶剤に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。
前記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えば、
2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類;
シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類のほか、
【0199】
n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トルエン、キシレン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン
等を挙げることができる。
【0200】
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができるが、就中、直鎖状もしくは分岐状のケトン類、環状のケトン類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
【0201】
レジストパターンの形成方法
本発明の感放射線性樹脂組成物は、特に化学増幅型レジストとして極めて好適に使用することができる。
前記化学増幅型レジストにおいては、露光により酸発生剤(B)から発生した酸の作用によって、化合物(α)中の酸解離性基が解離し、また樹脂(A1)の場合はその酸解離性保護基も解離して、レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、該露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンが得られる。
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行ったのち、所定のレジストパターンを形成するように該レジスト被膜に露光する。その際に使用される放射線としては、使用される酸発生剤(B)の種類に応じて、紫外線、遠紫外線、荷電粒子線、X線等を適宜選定して使用されるが、波長193nm以下、好ましくは波長157nm以下の遠紫外線が望ましく、特に、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2 エキシマレーザー(波長157nm)、Kr2 エキシマレーザー(波長147nm)あるいはArKrエキシマレーザー(波長134nm)が望ましい。
本発明においては、露光後に加熱処理(以下、「PEB」という。)を行うことが好ましく、それにより、化合物(α)中の酸解離性基や樹脂(A1)中の酸解離性保護基の解離反応が円滑に進行する。PEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
【0202】
本発明においては、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば特許文献8等に開示されているように、使用される基板上に有機系あるいは無機系の反射防止膜を形成しておくこともでき、また環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば特許文献9等に開示されているように、レジスト被膜上に保護膜を設けることもでき、あるいはこれらの技術を併用することもできる。
【0203】
【特許文献8】
特公平6−12452号公報
【特許文献9】
特開平5−188598号公報
【0204】
次いで、露光されたレジスト被膜をアルカリ現像液を用いて現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。
前記アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10重量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10重量%を超えると、非露光部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。
【0205】
また、前記アルカリ性水溶液には、例えば有機溶媒を添加することもできる。
前記有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機溶媒の使用量は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下が好ましい。この場合、該使用量が100容量%を超えると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなるおそれがある。
また、前記アルカリ性水溶液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。
なお、アルカリ現像液で現像したのちは、一般に、水で洗浄して乾燥する。
【0206】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。ここで、部は特記しない限り重量基準である。
【実施例】
合成例1
500ミリリットルのフラスコに、テトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4,9−ジオールとテトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4,10−ジオールとの混合物30g、およびテトラヒドロフラン120ミリリットルを加えて、均一溶液とした。その後、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸t−ブチル180gを加え、さらに炭酸セシウム4gを加えて、60℃で30時間反応させた。その後、反応溶液を分液漏斗に移して、酢酸エチル300ミリリットルを加えたのち、水300ミリリットルで2回洗浄を行った。その後、有機層の低沸留分を簡易蒸留器で留去したのち、シリカゲルカラムによる精製(重量比10/95の酢酸エチル/n−ヘキサン混合媒体を使用)を行って、ペースト状の化合物10.2gを得た。
この化合物は、 1H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl3 中で測定)および赤外吸収スペクトルにより、前記式(I−5−2) の化合物であると同定された。各スペクトルを図1および図2に示す。この化合物を「化合物(C−1) 」とする。
【0207】
評価例1〜3および比較例1
下記式(1−1)で表される繰り返し単位と下記式(1−2)で表される繰り返し単位とからなる(A)樹脂(Mw=23,000、Mn=8,000、Mw/Mn=2.88)(以下、「樹脂(A−1) 」とする。)100重量部に対して、表1に示す(B)成分、化合物(C−1) 、酸拡散抑制剤および溶剤を含有する組成物溶液を調製したのち、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過した。その後、各組成物溶液を、シリコン基板上に反射防止膜(商品名DUV30J、ブリューワ・サイエンス社製)を形成した基板上に、スピンコートにより塗布して、110℃に保持したホットプレート上で、90秒間PBを行って、膜厚1,500Åのレジスト被膜を形成した。その後、各レジスト被膜に対して、F2 エキシマレーザー(波長157nm、NA=0.85)あるいはArFエキシマレーザー(波長193nm、NA=0.55)をレチクルを通して露光量を変えて露光し、110℃に保持したホットプレート上で、90秒間PEBを行ったのち、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像することにより、ライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を形成して、解像度を評価した。評価結果を表1に示す。
【0208】
【化91】
【0209】
表1において、F2はF2 エキシマレーザー、ArFはArFエキシマレーザーを表す。
また、(B)成分、酸拡散抑制剤および溶剤は下記のとおりである。
(B)成分
B−1:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート
B−2:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
B−3:トリフェニルスルホニウム2−ノルボルニル−1,1,2,2−テトラフルオロエタン−1−スルホネート
酸拡散抑制剤
D−1:トリ−n−ブチルアミン
D−2:2−フェニルイミダゾール
溶剤
MAK :2−ヘプタノン
PGMEA :プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EL :2−ヒドロキシプロピオン酸エチル
【0210】
【表1】
【0211】
【発明の効果】
本発明の化合物(α)は、特に、本発明の感放射線性樹脂組成物における添加剤成分として極めて好適に使用することができるほか、関連する他の化合物を合成する原料ないし中間体等としても有用である。
また、本発明の感放射線性樹脂組成物は、波長193nm以下、特に157nm以下の放射線に適応可能であり、化合物(α)を含有するため、ドライエッチング耐性に優れ、レジストとしてのコントラストが極めて高く、また解像度等にも優れた化学増幅型レジストとして、今後ますます微細化が進行すると予想される集積回路素子の製造に極めて好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物(C−1) の 1H−NMRスペクトルを示す図である。
【図2】化合物(C−1) の赤外吸収スペクトルを示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、感放射線性樹脂組成物に関わり、さらに詳しくは、F2 エキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー等の遠紫外線、電子線等の荷電粒子線、シンクロトロン放射線等のX線の如き各種の放射線を使用する微細加工に有用な化学増幅型レジストとして好適に使用することができる感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近では0.20μm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィー技術が必要とされている。
しかし、従来のリソグラフィープロセスでは、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、この近紫外線では、サブクオーターミクロンレベルの微細加工が極めて困難であると言われている。
そこで、0.20μm以下のレベルでの微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができるが、これらのうち、特にKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)あるいはF2 エキシマレーザー(波長157nm)が注目されている。
このようなエキシマレーザーによる照射に適したレジストとして、酸解離性官能基を有する成分と放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を発生する成分(以下、「感放射線性酸発生剤」という。)とによる化学増幅効果を利用したレジスト(以下、「化学増幅型レジスト」という。)が数多く提案されている。
化学増幅型レジストとしては、例えば特許文献1には、カルボン酸のt−ブチルエステル基またはフェノールのt−ブチルカーボナート基を有する重合体と感放射線性酸発生剤とを含有するレジストが提案されている。このレジストは、露光により発生した酸の作用により、重合体中に存在するt−ブチルエステル基あるいはt−ブチルカーボナート基が解離して、該重合体がカルボキシル基あるいはフェノール性水酸基からなる酸性官能基を有するようになり、その結果、レジスト被膜の露光領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。
【0003】
ところで、従来の化学増幅型レジストの多くは、フェノール系樹脂をベースにするものであるが、このような樹脂の場合、放射線として遠紫外線を使用すると、樹脂中の芳香族環に起因して遠紫外線が吸収されるため、露光された遠紫外線がレジスト被膜の下層部まで十分に到達できないという欠点があり、そのため露光量がレジスト被膜の上層部では多く、下層部では少なくなり、現像後のレジストパターンが上部が細く下部にいくほど太い台形状になってしまい、十分な解像度が得られないなどの問題があった。その上、現像後のレジストパターンが台形状となった場合、次の工程、即ちエッチングやイオンの打ち込みなどを行う際に、所望の寸法精度が達成できず、問題となっていた。しかも、レジストパターン上部の形状が矩形でないと、ドライエッチングによるレジストの消失速度が速くなってしまい、エッチング条件の制御が困難になる問題もあった。
一方、レジストパターンの形状は、レジスト被膜の放射線透過率を高めることにより改善することができる。例えば、ポリメチルメタクリレートに代表される(メタ)アクリレート系樹脂は、遠紫外線に対しても透明性が高く、放射線透過率の観点から非常に好ましい樹脂であり、例えば特許文献2には、メタクリレート系樹脂を使用した化学増幅型レジストが提案されている。しかしながら、この組成物は、微細加工性能の点では優れているものの、芳香族環をもたないため、ドライエッチング耐性が低いという欠点があり、この場合も高精度のエッチング加工を行うことが困難であり、放射線に対する透明性とドライエッチング耐性とを兼ね備えたものとは言えない。
【0004】
また、化学増幅型レジストについて、放射線に対する透明性を損なわないで、ドライエッチング耐性を改善する方策の一つとして、レジスト中の樹脂成分に、芳香族環に代えて脂肪族環を導入する方法が知られており、例えば特許文献3には、脂肪族環を有する(メタ)アクリレート系樹脂を使用した化学増幅型レジストが提案されている。
しかしながら、このレジストでは、樹脂成分が有する酸解離性官能基として、従来の酸により比較的解離し易い基(例えば、テトラヒドロピラニル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的解離し難い基(例えば、t−ブチルエステル基、t−ブチルカーボネート基等のt−ブチル系官能基)が用いられており、前者の酸解離性官能基を有する樹脂成分の場合、レジストの基本物性、特に感度やパターン形状は良好であるが、組成物としての保存安定性に難点があり、また後者の酸解離性官能基を有する樹脂成分では、逆に保存安定性は良好であるが、レジストの基本物性、特に感度やパターン形状が損なわれるという欠点がある。さらに、このレジスト中の樹脂成分には脂肪族環が導入されているため、樹脂自体の疎水性が非常に高くなり、基板に対する接着性の面でも問題があった。
【0005】
また、化学増幅型レジストとしての特性を改良する方策の一つとして、高分子あるいは低分子の添加剤を配合した3成分以上の多成分系組成物が多数提案されており、例えば特許文献4には、親水性基を有する樹脂として、p−ヒドロキシスチレンと(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニルや(メタ)アクリル酸t−ブチルとの共重合体、p−ヒドロキシスチレンとp−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルオキシスチレンやp−t−ブトキシカルボニルオキシスチレンとの共重合体等のp−ヒドロキシスチレン共重合体を含有するレジストに、疎水性化合物として3−アダマンタンカルボン酸t−ブチルを配合することにより、露光から露光後の加熱処理までの引き置き時間による影響が少なくなり、あるいは疎水性の強い基を含むレジストの場合にも安定したパターニングが可能となることが開示されている。
【0006】
さらに、近年のフォトリソグラフィープロセスでは急速に微細化が進み、特にKrFエキシマレーザーによるリソグラフィープロセスの場合限界解像度が光源波長の半分以下にまで迫ろうとしている。そのため化学増幅型レジストに対する要求がますます厳しいものとなっており、より高い解像度が要求されるだけでなく、様々な反射率の基板にも対応できなければならない。特に反射率の大きい基板に対応するためには、定在波の影響や、スイングカーブの影響を小さくすることが必要であり、そのため放射線透過率のコントロールが必須となる。放射線透過率を低くするためには、放射線透過率の低い感放射線性酸発生剤の添加量を増やすことも考えられるが、この方法はレジストとしての性能上必ずしも適当ではなく、第三成分(例えば染料等)を添加するのがより好ましいとされている。
そこで、化学増幅型レジストの放射線透過率をコントロールするため、染料としてアントラセン系化合物を添加することが特許文献5や特許文献6に提案されている。しかしながら、単に放射線透過率の低い化合物を添加するだけでは、解像度の低下や、現像残りなどを起こすおそれがあり、レジストとしての性能を損なうという問題がある。また、アントラセン系化合物は一般に昇華性を有するため、露光装置に悪影響を与えるという問題もある。さらにアントラセン系化合物では、化学増幅型レジストに含まれる樹脂成分や添加剤との相溶性が不十分な化合物が多いという欠点もある。
また、特許文献7には、アントラセン骨格等の3環式芳香族骨格に、2価の炭化水素基や酸素原子を介して結合したカルボキシル基を有し、該カルボキシル基が酸不安定基で保護されたカルボン酸誘導体が光吸収性に優れ、化学増幅型レジストの添加剤として好適であることが開示されている。
しかしながら、従来の多成分系化学増幅型レジストでは、特に、ドライエッチング耐性の点で未だ十分とはいえない。
【0007】
このような状況の下、微細化が急速に進行し、また要求性能もますます厳しくなっているフォトリソグラフィープロセスに関するさらなる技術開発の観点から、遠紫外線に代表される短波長の放射線に適応可能で、ドライエッチング耐性が極めて高く、コントラストを著しく改善することができるとともに、レジストとしての基本物性にもすぐれた化学増幅型レジストをもたらしうる添加剤成分の開発が依然として重要な技術課題となっている。
【0008】
【特許文献1】
特公平2−27660号公報
【特許文献2】
特開平4−226461号公報
【特許文献3】
特開平7−234511号公報
【特許文献4】
特開平7−234511号公報
【特許文献5】
特開平7−319155号公報
【特許文献6】
特開平11−265061号公報
【特許文献7】
特開平10−120628号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、波長193nm以下、特に157nm以下の放射線に適応可能で、ドライエッチング耐性に優れ、コントラストが極めて優れ、またレジストとしての基本物性にも優れた化学増幅型レジストとして好適に使用することができる感放射線性樹脂組成物における添加剤成分等として有用な酸解離性基含有化合物、および当該感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一に、
下記一般式(α)で表される基と、環状炭化水素基とを有することを特徴とする、酸解離性基含有化合物(以下、「化合物(α)」という。)
【化3】
〔一般式(α)において、R1 は炭素数2〜20の1価の酸解離性基を示し、
R2 およびR3 は相互に独立に水素原子またはフッ素原子を示し、R4 は酸素原子または硫黄原子を示す。〕
からなる。
【0011】
本発明は、第二に、
(A)樹脂、(B)感放射線性酸発生剤、並びに(C)化合物(α)を含有する感放射線性樹脂組成物であって、(A)樹脂が(A1)酸の作用によりアルカリ易溶性となるアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂および(A2)アルカリ可溶性樹脂の群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする感放射線性樹脂組成物
からなる。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
化合物(α)
一般式(α)において、R1 の炭素数2〜20の1価の酸解離性基としては、例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等を挙げることができる。
【0013】
前記置換メチル基としては、例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、p−ブロモフェナシル基、p−メトキシフェナシル基、p−メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、p−ブロモベンジル基、p−ニトロベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−メチルチオベンジル基、p−エトキシベンジル基、p−エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、i−プロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。
また、前記1−置換エチル基としては、例えば、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−i−プロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。
【0014】
また、前記1−置換−n−プロピル基としては、例えば、1−メトキシ−n−プロピル基、1−エトキシ−n−プロピル基等を挙げることができる。
また、前記1−分岐アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等を挙げることができる。
また、前記シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、メチルジ−i−プロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
また、前記ゲルミル基としては、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、i−プロピルジメチルゲルミル基、メチルジ−i−プロピルゲルミル基、トリ−i−プロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等を挙げることができる。
また、前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0015】
また、前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等を挙げることができる。
さらに、前記環式酸解離性基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、p−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等を挙げることができる。
【0016】
これらの酸解離性基のうち、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ベンジル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−エトキシ−n−プロピル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、トリメチルシリル基、t−ブトキシカルボニル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が好ましく、特に、t−ブチル基、1−メチルシクロペンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が好ましい。
【0017】
本発明における化合物(α)としては、特に、下記一般式(I)で表される化合物(以下、「化合物(I)」という。)が好ましい。
【0018】
【化4】
〔一般式(I)において、R1 、R2 、R3 およびR4 は一般式(α)におけるそれぞれR1 、R2 、R3 およびR4 と同義であり、Xは単結合またはメチレン基を示し、Aは置換または非置換の炭素数2〜20のn価の環状炭化水素基を示し、nは1〜6の整数であり、複数存在するR1 、R2 、R3 、R4 およびXはそれぞれ相互に同一でも異なってもよい。〕
【0019】
一般式(I)において、Aの置換または非置換の炭素数2〜20のn価の環状炭化水素基としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、デカリン、ノルボルナン、ボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロデカン、アダマンタン等の脂環式炭化水素基に由来する非置換の基やその置換誘導体;
【0020】
ベンゼン、インデン、インダン、ビフェニル、ナフタレン、テトラリン、ビフェニレン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン等の芳香族炭化水素基に由来する非置換の基やその置換誘導体
等を挙げることができる。
【0021】
これらの基のうち、脂環式炭化水素基に由来する非置換の基やその置換誘導体等が好ましく、特に、シクロヘキサン、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロデカン、アダマンタン等に由来する基やその置換誘導体等が好ましい。
【0022】
一般式(I)におけるAの各置換誘導体の置換基としては、例えば、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;
【0023】
フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、パーフルオロ−n−ノニル基、パーフルオロ−n−デシル基等の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基
等を挙げることができる。
【0024】
これらの置換基のうち、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基等が好ましい。
【0025】
また、化合物(I)以外の化合物(α)としては、例えば、下記一般式(II)に示す構造単位(ii−1) を必須単位とし、場合により一般式(II)に示す構造単位(ii−2) をさらに有する化合物(以下、「化合物(II) 」という。)を挙げることができる。
化合物(II) は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。
【0026】
【化5】
〔一般式(II) において、R1 、R2 、R3 およびR4 は一般式(α)におけるそれぞれR1 、R2 、R3 およびR4 と同義であり、Xおよびnは一般式(I)におけるそれぞれXおよびnと同義であり、複数存在するR1 、R2 、R3 、
R4 およびXはそれぞれ相互に同一でも異なってもよく、各mは相互に独立に0〜3の整数であり、一般式(II) 中の各ノルボルナン環は置換されていてもよい。〕
【0027】
構造単位(ii−1)におけるmおよび構造単位(ii−2)におけるmとしてはそれぞれ、特に0が好ましい。また、複数存在する構造単位(ii−1)は相互に同一でも異なってもよく、また複数存在する構造単位(ii−2)は相互に同一でも異なってもよい。
【0028】
本発明における好ましい化合物(I)の具体例としては、下記式(I−1−1) 〜(I−1−6) 、式(I−2−1) 〜(I−2−6) 、式(I−3−1) 〜(I−3−9) 、式(I−4−1) 〜(I−4−9) 、式(I−5−1) 〜(I−5−6) 、式(I−6−1) 〜(I−6−6) 、式(I−7−1) 〜(I−7−6) または式(I−8−1) 〜(I−8−6) で表される化合物のほか、これらの各化合物で、酸解離性基であるt−ブチル基が1つの場合は、該t−ブチル基を前記他の酸解離性基で置換した化合物や、t−ブチル基が2つの場合は、該t−ブチル基の1つまたは2つを前記他の酸解離性基で置換した化合物等を挙げることができる。
但し、各式中、環状炭化水素基と酸素原子または硫黄原子との間の結合手は、式(I−1−1) 〜(I−1−6) および式(I−2−1) 〜(I−2−6) では、ノルボルナン環の2位ないし3位に結合し(結合手が1つの場合)、あるいは2位ないし3位と8位ないし9位とに結合しており(結合手が2つの場合)、式(I−3−1) 〜(I−3−9) および式(I−4−1) 〜(I−4−9) では、トリシクロデカン環の7〜9位のいずれかに結合し(結合手が1つの場合)、あるいは7〜9位のいずれかと3位ないし4位とに結合しており(結合手が2つの場合)、式(I−5−1) 〜(I−5−6) および式(I−6−1) 〜(I−6−6) では、テトラシクロデカン環の3位ないし4位に結合し(結合手が1つの場合)、あるいは3位ないし4位と8位ないし9位とに結合している(結合手が2つの場合)。
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
【化19】
【0043】
【化20】
【0044】
【化21】
【0045】
【化22】
【0046】
【化23】
【0047】
【化24】
【0048】
【化25】
【0049】
【化26】
【0050】
【化27】
【0051】
【化28】
【0052】
【化29】
【0053】
本発明における好ましい化合物(II)の具体例としては、下記式(II−1−1) 〜(II−1−3) 、式(II−2−1) 〜(II−2−3) 、式(II−3−1) 〜(II−3−3) 、式(II−4−1) 〜(II−4−3) で表される化合物のほか、これらの各化合物で、t−ブチル基が1つの場合は、該t−ブチル基を前記他の酸解離性基で置換した化合物や、t−ブチル基が2つ以上の場合は、該t−ブチル基の1つ以上を前記他の酸解離性基で置換した化合物等を挙げることができ、さらに好ましくは式(II−1−1) 、式(II−1−2) または式(II−1−3) で表される化合物である。
但し、各式中、aおよびbは各構造単位の数を示す整数で、a≧1、b≧0である。また各式中、環状炭化水素基と酸素原子または硫黄原子との間の結合手は、式(II−1−1) 〜(II−1−3) および式(II−2−1) 〜(II−2−3) では、ノルボルナン環の2位ないし3位に結合しており、式(II−3−1) 〜(II−3−3) および式(II−4−1) 〜(II−4−3) では、テトラシクロデカン環の3位ないし4位に結合している。
【0054】
【化30】
【0055】
【化31】
【0056】
【化32】
【0057】
【化33】
【0058】
【化34】
【0059】
【化35】
【0060】
【化36】
【0061】
【化37】
【0062】
【化38】
【0063】
【化39】
【0064】
【化40】
【0065】
【化41】
【0066】
化合物(I)は、例えば、式A−R4 −H〔但し、AおよびR4 は一般式(I)におけるそれぞれAおよびR4 と同義である。〕で表されるアルコールあるいはチオールと、t−ブチルリチウムとを反応させて、リチウムアルコキシドを生成し、これを、下記式(i)で表される化合物と反応させることにより合成することができる。
【0067】
【化42】
〔但し、R1 、R2 およびR3 は一般式(α)におけるそれぞれR1 、R2 およびR3 と同義である。〕
【0068】
また、化合物(II)は、例えば、ノルボルナン環を有するアルコールあるいはチオールを用いる以外は、前記化合物(I)の場合と同様にして合成することができる。
【0069】
化合物(α)は、特に、後述する感放射線性樹脂組成物における添加剤成分として極めて好適に使用することができるほか、関連する他の化合物を合成する原料ないし中間体等としても有用である。
【0070】
感放射線性樹脂組成物
本発明の感放射線性樹脂組成物は、(A)樹脂、(B)感放射線性酸発生剤、並びに(C)化合物(α)を含有する感放射線性樹脂組成物であって、(A)樹脂が(A1)酸の作用によりアルカリ易溶性となるアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂(以下、「樹脂(A1)」という。)および(A2)アルカリ可溶性樹脂(以下、「樹脂(A2)」という。)の群から選ばれる少なくとも1種からなるものである。
【0071】
−(C)成分−
本発明の感放射線性樹脂組成物において、化合物(α)は、レジストとしたときのドライエッチング耐性を改善し、コントラストを向上させる作用を有する溶解制御剤として作用する成分である。
【0072】
本発明の感放射線性樹脂組成物において、化合物(α)としては、特に、式(I−1−2) 、式(I−3−3) 、式(I−5−2) または式(I−7−2) で表される化合物等が好ましい。
【0073】
本発明の感放射線性樹脂組成物において、化合物(α)の使用量は、(A)樹脂100重量部当たり、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。この場合、化合物(α)の使用量が50重量部を超えると、レジストとしての耐熱性が低下する傾向がある。
【0074】
−(A)成分−
本発明における樹脂(A1)としては、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシル基等の1種以上の酸性官能基を含有する樹脂中の酸性官能基の水素原子を、酸の存在下で解離することができる1種以上の酸解離性基で置換した、それ自体としてはアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂を挙げることができる。
ここでいう「アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性」とは、樹脂(A1)を含有する感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト被膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、当該レジスト被膜の代わりに樹脂(A1)のみを用いた被膜を現像した場合に、当該被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質を意味する。
このような樹脂(A1)としては、フッ素含量が、好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上、特に好ましくは40重量%以上である樹脂(以下、「樹脂(A1−1)」という。)が望ましい。
【0075】
以下、樹脂(A1−1)について説明する。
樹脂(A1−1)としては、主鎖および/または側鎖に脂環式骨格を有する樹脂、より具体的には、下記一般式(1)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1)」という。)および下記一般式(2)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(2)」という。)の群から選ばれる少なくとも1種を有する樹脂(以下、「樹脂(a1)」という。)が好ましい。
【0076】
【化43】
〔一般式(1)において、各R5 は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基を示し、各Uは相互に独立に酸素原子または下記式(β)で表される基を示し、かつ少なくとも2つのUが式(β)で表される基であり、xおよびyはそれぞれ0または1で、(x+y)=1である。
【0077】
【化44】
(式中、各R6 は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、または酸により解離してヒドロキシル基となる1価の基を示す。)〕
一般式(1)において、R5 、U、xおよびyは、得られる樹脂(a1)のフッ素含量が10重量%以上、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上となるように選択される。
【0078】
【化45】
〔一般式(2)において、各R7 は相互に独立に水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、ヒドロキシル基を有する1価の有機基、または酸解離性基を有する1価の有機基を示し、zは0〜3の整数である。〕
一般式(1)において、R7 およびzは、得られる樹脂(a1)のフッ素含量が10重量%以上、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上となるように選択される。
【0079】
一般式(1)において、R5 のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
これらのハロゲン原子のうち、特にフッ素原子が好ましい。
また、R5 の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
これらのアルキル基のうち、特にメチル基が好ましい。
【0080】
また、R5 の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、パーフルオロ−n−ノニル基、パーフルオロ−n−デシル基等を挙げることができる。
これらのフッ素化アルキル基のうち、特にトリフルオロメチル基が好ましい。
【0081】
一般式(1)におけるR5 としては、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基等が好ましい。
【0082】
Uを示す前記式(β)で表される基(以下、「連結基(β)」という。)において、R6 のハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基および炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基としては、例えば、前記R5 について例示したそれぞれ対応する基と同様のものを挙げることができる。
【0083】
また、R6 の酸により解離してヒドロキシル基となる1価の基としては、例えば、下記式(γ)で表される基を挙げることができる。
【0084】
【化46】
(但し、R8 は酸により解離して水素原子を生じる1価の基を示す。)
【0085】
式(γ)において、R8 の酸により解離して水素原子を生じる1価の基(以下、「酸解離性保護基」という。)としては、例えば、
t−ブトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルカルボニル基、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、ビニルカルボニル基、アリルカルボニル基、ベンジルカルボニル基、4−エトキシ−1−ナフチルカルボニル基、メチルジチオカルボニル基等の有機カルボニル基;
【0086】
メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、t−ブトキシメチル基、t−ブチルチオメチル基、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル基、ベンジロキシメチル基、t−ブトキシメチル基、シロキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、1−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−メチル−1−ベンジロキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−メチル−1−ベンジロキシ−2−フルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−トリメチルシリルエチル基、2−(フェニルセレニル)エチル基等の、式(γ)中の酸素原子と結合してアセタール構造を形成する有機基;
【0087】
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、ジメチル−i−プロピルシリル基、ジエチル−i−プロピルシリル基、ジメチルエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリベンジルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルメトキシフェニルシリル基等のアルキルシリル基;
2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−メチル−2−ノルボルニル基、2−エチル−2−ノルボルニル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基等のアルキル置換脂環族基
等を挙げることができる。
【0088】
これらの酸解離性保護基のうち、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、t−ブチルジメチルシリル基等が好ましい。
【0089】
連結基(β)におけるR6 としては、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、メチル基、トリフルオロメチル基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基等が好ましい。
【0090】
樹脂(a1)において、繰り返し単位(1)は、単独でまたは2種以上が存在することができる。
また、樹脂(a1)において、繰り返し単位(1)はy=0(x=1)の単位のみ、あるいはy=1(x=0)の単位のみからなることができ、またy=0(x=1)の繰り返し単位(1)とy=1(x=0)の繰り返し単位(1)とが共存することができる。
【0091】
さらに、樹脂(a1)における繰り返し単位(1)としては、その3つのUがすべて連結基(β)である単位が好ましく、この場合の連結基(β)の構造に関しては、酸解離性保護基をもたない繰り返し単位(1)では、いずれか1つの連結基(β)のみが1個のヒドロキシル基を有し、残りの連結基(β)がヒドロキシル基をもたないことが好ましく、また酸解離性保護基を有する繰り返し単位(1)では、いずれか1つの連結基(β)のみが1個の酸解離性保護基を有し、残りの連結基(β)がヒドロキシル基および酸解離性保護基をもたないことが好ましい。
【0092】
繰り返し単位(1)は、下記一般式(3)で表されるジオレフィン系単量体(以下、「単量体(3)」という。)の環化重合により形成される単位である。
【0093】
【化47】
【0094】
単量体(3)として下記式(3−1) の化合物を用いた場合、その環化重合により形成される繰り返し単位(1)は、一般に、下記式(4−1)で表される繰り返し単位あるいは下記式(4−2)で表される繰り返し単位の少なくとも1種からなる。
【0095】
【化48】
【0096】
一般式(2)において、R7 の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
これらのアルキル基のうち、特にメチル基が好ましい。
【0097】
また、R7 の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、パーフルオロ−n−ノニル基、パーフルオロ−n−デシル基等を挙げることができる。
これらのフッ素化アルキル基のうち、特にトリフルオロメチル基が好ましい。
【0098】
また、R7 のヒドロキシル基を有する1価の有機基としては、例えば、下記式(δ)で表される基(以下、「ヒドロキシル基含有有機基(δ)」という。)を挙げることができる。
【0099】
【化49】
(但し、P1 はメチレン基、フルオロメチレン基、ジフルオロメチレン基、炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキレン基を示す。)
【0100】
式(δ)において、P1 の炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等を挙げることができる。
【0101】
また、P1 の炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキレン基としては、例えば、(トリフルオロメチル)メチレン基、メチル(トリフルオロメチル)メチレン基、ジ(トリフルオロメチル)メチレン基、1−フルオロエチレン基、1,1−ジフルオロエチレン基、1,2−ジフルオロエチレン基、2,2−ジフルオロエチレン基、1−(トリフルオロメチル)エチレン基、2−(トリフルオロメチル)エチレン基、1−メチル−1−(トリフルオロメチル)エチレン基、2−メチル−2−(トリフルオロメチル)エチレン基、1,1−ジ(トリフルオロメチル)エチレン基、2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチレン基、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロトリメチレン基、オクタフルオロテトラメチレン基等を挙げることができる。
【0102】
好ましいヒドロキシル基含有有機基(δ) としては、例えば、ヒドロキシ(トリフルオロメチル)メチル基、1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、ヒドロキシジ(トリフルオロメチル)メチル基、2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)エチル基、2−ヒドロキシ−2−メチル−2−(トリフルオロメチル)エチル基、2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル基等を挙げることができる。
【0103】
また、R7 の酸解離性基を有する1価の有機基としては、酸により解離して、カルボキシル基あるいはアルコール性水酸基を生成する基が好ましい。
このような好ましい酸解離性基を有する1価の有機基としては、例えば、下記式(ε)で表される基(以下、「酸解離性有機基(ε)」という。)を挙げることができる。
【0104】
【化50】
(但し、P2 は単結合、メチレン基、フルオロメチレン基、ジフルオロメチレン基、炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキレン基を示し、Qは−O−または−COO−を示し、R9 は酸により解離して水素原子を生じる1価の有機基を示す。)
【0105】
式(ε) において、P2 の炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等を挙げることができる。
【0106】
また、P2 の炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキレン基としては、例えば、(トリフルオロメチル)メチレン基、メチル(トリフルオロメチル)メチレン基、ジ(トリフルオロメチル)メチレン基、1−フルオロエチレン基、1,1−ジフルオロエチレン基、1,2−ジフルオロエチレン基、2,2−ジフルオロエチレン基、1−(トリフルオロメチル)エチレン基、2−(トリフルオロメチル)エチレン基、1−メチル−1−(トリフルオロメチル)エチレン基、2−メチル−2−(トリフルオロメチル)エチレン基、1,1−ジ(トリフルオロメチル)エチレン基、2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチレン基、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロトリメチレン基、オクタフルオロテトラメチレン基等を挙げることができる。
【0107】
また、R9 の酸により解離して水素原子を生じる1価の有機基としては、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基;
フェノキシカルボニル基、4−t−ブチルフェニル基、1−ナフチル基等のアリーロキシカルボニル基;
ベンジル基、4−t−ブチルベンジル基、フェネチル基、4−t−ブチルフェネチル基等のアラルキル基;
t−ブトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルカルボニル基、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、ビニルカルボニル基、アリルカルボニル基、ベンジルカルボニル基、4−エトキシ−1−ナフチルカルボニル基、メチルジチオカルボニル基等の有機カルボニル基;
【0108】
メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、t−ブトキシメチル基、t−ブチルチオメチル基、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル基、ベンジロキシメチル基、t−ブトキシメチル基、シロキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、1−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−メチル−1−ベンジロキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−メチル−1−ベンジロキシ−2−フルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−トリメチルシリルエチル基、2−(フェニルセレニル)エチル基等の、式(ε)中の酸素原子と結合してアセタール構造を形成する有機基;
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、ジメチル−i−プロピルシリル基、ジエチル−i−プロピルシリル基、ジメチルエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリベンジルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルメトキシフェニルシリル基等のアルキルシリル基
等を挙げることができる。
【0109】
これらの酸により解離して水素原子を生じる1価の有機基のうち、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、t−ブチルジメチルシリル基等が好ましい。
【0110】
好ましい酸解離性有機基(ε)としては、例えば、t−ブトキシカルボニル基、(エトキシメトキシ)ジ(トリフルオロメチル)メチル基、2−エトキシメトキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル基、(t−ブトキシカルボニルオキシ)ジ(トリフルオロメチル)メチル基、t−ブトキシカルボニルオキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル基等を挙げることができる。
【0111】
一般式(2)におけるR7 としては、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシ(トリフルオロメチル)メチル基、1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、(ヒドロキシ)ジ(トリフルオロメチル)メチル基、2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)エチル基、2−ヒドロキシ−2−メチル−2−(トリフルオロメチル)エチル基、2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル基、t−ブトキシカルボニル基、(エトキシメトキシ)ジ(トリフルオロメチル)メチル基、2−エトキシメトキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル基、(t−ブトキシカルボニルオキシ)ジ(トリフルオロメチル)メチル基、t−ブトキシカルボニルオキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル基等が好ましい。
また、一般式(2)におけるzとしては0または1が好ましい。
【0112】
繰り返し単位(2)を与える単量体としては、酸解離性基有機基(ε)を有し、その基P2 が、その基Qに対してα−位の炭素原子にフッ素原子あるいはフッ素化アルキル基(好ましくはトリフルオロメチル基)が結合した構造をとる単量体が望ましい。
樹脂(a1)において、繰り返し単位(2)は、単独でまたは2種以上が存在することができる。
【0113】
樹脂(a1)は、繰り返し単位(1)および繰り返し単位(2)以外の繰り返し単位(以下、「他の繰り返し単位」という。)を1種以上有することができる。
繰り返し単位(1)を有する樹脂(a1)における他の繰り返し単位としては、例えば、前記一般式(1)における各R5 の一部のみが相互に独立にヒドロキシル基またはカルボキシル基である繰り返し単位、前記一般式(1)におけるUを表す連結基(β)中の2つのR6 の少なくとも一方がカルボキシル基である繰り返し単位、これらの繰り返し単位中のヒドロキシル基あるいはカルボキシル基の水素原子を前記酸解離性保護基で置換した繰り返し単位を挙げることができる。
この場合の他の繰り返し単位中における酸解離性保護基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、t−ブチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、2−メチル−2−アダマンチル基等が好ましい。
【0114】
また、繰り返し単位(2)を有する樹脂(a1)における他の繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(5)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(5)」という。)を挙げることができる。
【0115】
【化51】
〔一般式(5)において、各R10は相互に独立に水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、ヒドロキシル基を有する1価の有機基、または酸解離性基を有する1価の有機基を示し、wは0〜2の整数である。〕
【0116】
一般式(5)において、R10の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、水酸基を有する1価の有機基、および酸解離性基を有する1価の有機基としては、例えば、前記一般式(2)におけるR7 について例示したそれぞれ対応する基と同様のものを挙げることができる。
一般式(5)におけるR10としては、フッ素原子、トリフルオロメチル基等が好ましい。
また、一般式(5)におけるwとしては0〜2がいずれも好ましい。
【0117】
また、樹脂(a1)において、前記以外の他の繰り返し単位を与える単量体としては、例えば、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ヘプタフルオロ−n−プロポキシテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−(2’,2’,2’−トリフルオロカルボエトキシ)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(2’,2’,2’−トリフルオロカルボエトキシ)テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10 ]ドデカ−3−エン、
【0118】
ジシクロペンタジエン、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ] デカ−8−エン、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ] デカ−3−エン、トリシクロ[ 4.4.0.12,5 ] ウンデカ−3−エン、トリシクロ[ 6.2.1.01,8 ] ウンデカ−9−エン、トリシクロ[ 6.2.1.01,8 ] ウンデカ−4−エン、テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10.01,6 ] ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10.01,6 ] ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,12 ]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .17,10.01,6 ] ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[ 6.5.1.13,6 .02,7 .09,13 ]ペンタデカ−4−エン、ペンタシクロ[ 7.4.0.12,5 .19,12.08,13 ]ペンタデカ−3−エン等を挙げることができる。
【0119】
樹脂(a1)において、繰り返し単位(1)および繰り返し単位(2)の合計含有率は、全繰り返し単位に対して、通常、5〜100モル%、好ましくは5〜80モル%、さらに好ましくは5〜60モル%である。この場合、前記合計含有率が5モル%未満では、レジストとしたときの環境耐性が低下する傾向がある。
また、酸解離性保護基を有する繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位に対して、通常、3〜80モル%、好ましくは3〜60モル%である。この場合、酸解離性保護基を有する繰り返し単位の含有率が3モル%未満では、レジストとしたときの残膜率や解像度が低下する傾向があり、一方80モル%を超えると、レジストとしたとき、感度が低下したり、パターン形状が損なわれたりする傾向がある。
また、酸解離性保護基による保護率(遊離ヒドロキシル基、遊離カルボキシル基および酸解離性保護基で保護された基の合計量に対する酸解離性保護基で保護された基の割合。以下同様。)は、好ましくは20〜100モル%、特に好ましくは40〜100モル%である。
また、他の繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位に対して、通常、50モル%以下、好ましくは30モル%以下である。
【0120】
樹脂(a1)は、例えば、その各繰り返し単位に対応する単量体を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、溶媒の非存在下または溶媒中で重合することにより製造することができる。
各重合に使用される前記溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、フルオロクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーエル類等を挙げることができる。
これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0121】
樹脂(A1)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、通常、500〜500,000、好ましくは1,000〜100,000である。この場合、樹脂(A1)のMwが500未満では、レジストとしたときの耐熱性が低下する傾向があり、一方500,000を超えると、レジストとしたときの現像性が低下する傾向がある。
また、樹脂(A1)のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜5、好ましくは1〜3である。
本発明において、樹脂(A1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0122】
次に、本発明における樹脂(A2)は、アルカリ現像液と親和性を示す官能基、例えばフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシル基等の酸性官能基を1種以上有する、アルカリ現像液に可溶な樹脂である。
このような樹脂(A2)としては、例えば、下記式(6)〜(8)で表される繰り返し単位を1種以上有する付加重合系樹脂、下記式(9)で表される繰り返し単位を1種以上有する重縮合系樹脂等を挙げることができる。
【0123】
【化52】
〔式(6)において、R11は水素原子またはメチル基を示し、R12はヒドロキシル基、カルボキシル基、−R13COOH、−OR13COOH、−OCOR13COOHまたは−COOR13COOH(但し、R13は−(CH2)g−を示し、gは1〜4の整数である。)を示す。〕
【0124】
【化53】
〔式(7)において、R14は水素原子またはメチル基を示す。〕
【0125】
【化54】
【0126】
【化55】
〔式(9)において、R15、R16、R17、R18およびR19は相互に独立に水素原子または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示す。〕
【0127】
樹脂(A2)が付加重合系樹脂の場合、前記式(6)〜(8)で表される繰り返し単位のみから構成されていてもよいが、生成した樹脂がアルカリ現像液に可溶である限りでは、1種以上の他の繰り返し単位をさらに有することもできる。
このような他の繰り返し単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、無水マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル、(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド、ビニルアニリン、ビニルピリジン、ビニル−ε−カプロラクタム、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール等の重合性不飽和結合が開裂した単位を挙げることができる。
前記付加重合系樹脂は、例えば式(6)〜(8)で表される繰り返し単位に対応する単量体を、場合により前記他の繰り返し単位を形成する単量体と共に、(共)重合することにより製造することができる。
これらの(共)重合は、単量体や反応媒質の種類等に応じて、ラジカル重合開始剤、アニオン重合触媒、配位アニオン重合触媒、カチオン重合触媒等の重合開始剤あるいは重合触媒を適宜に選定し、塊状重合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合等の適宜の重合方法により実施することができる。
【0128】
また、樹脂(A2)が重縮合系樹脂の場合、前記式(9)で表される繰り返し単位のみから構成されていてもよいが、生成した樹脂がアルカリ現像液に可溶である限りでは、1種以上の他の繰り返し単位をさらに有することもできる。
このような重縮合系樹脂は、式(9)で表される繰り返し単位に対応するフェノール類とアルデヒド類とを、場合により他の繰り返し単位を形成しうる重縮合成分と共に、酸性触媒の存在下、水媒質中または水と親水性溶媒との混合媒質中で(共)重縮合することによって製造することができる。
前記フェノール類としては、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等を挙げることができ、また前記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等を挙げることができる。
【0129】
樹脂(A2)中の式(6)〜(9)で表される繰り返し単位の合計含有率は、場合により含有される前記他の繰り返し単位の種類により一概に規定できないが、好ましくは10〜100モル%、さらに好ましくは20〜100モル%である。
樹脂(A2)は、式(6)や式(9)等で表されるような炭素−炭素不飽和結合を含有する繰り返し単位を有する場合、水素添加物として用いることもできる。この場合の水素添加率は、式(6)や式(9)等で表される繰り返し単位中に含まれる炭素−炭素不飽和結合の、通常、70%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下である。この場合、水素添加率が70%を超えると、得られる樹脂のアルカリ現像液による現像性が低下するおそれがある。
【0130】
本発明における樹脂(A2)としては、特に、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、p−ヒドロキシスチレン/p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン共重合体、p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体等を主成分とするものが好ましい。
樹脂(A2)のMwは、感放射線性樹脂組成物の所望の特性に応じて変わるが、通常、1,000〜150,000、好ましくは3,000〜100,000である。この場合、樹脂(A2)のMwが1,000未満では、レジストとしたときの耐熱性が低下する傾向があり、一方150,000を超えると、レジストとしたときの現像性が低下する傾向がある。
また、樹脂(A2)のMwとMnとの比(Mw/Mn)は、通常、1〜5、好ましくは1〜3である。
本発明において、樹脂(A2)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0131】
なお、(A)樹脂は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないほど好ましく、それにより、レジストとしたときの感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等をさらに改善することができる。(A)樹脂の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等を挙げることができる。
【0132】
−(B)成分−
本発明における感放射線性酸発生剤は、紫外線、遠紫外線、荷電粒子線、X線等の露光により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤(B)」という。)からなる。
本発明における酸発生剤(B)としては、トリフルオロメタンスルホン酸または下記一般式(10)で表される酸(以下、「酸(10)」という。)を発生する化合物(以下、「酸発生剤(B1)」という。)を必須成分とするものが好ましい。
【0133】
【化56】
〔一般式(10)において、Ra は水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基、または炭素数3〜20の環状の1価のフッ素化炭化水素基を示し、該1価の炭化水素基および該1価のフッ素化炭化水素基は置換されていてもよく、各Rb は相互に独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示す。〕
【0134】
一般式(10)において、Ra の炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、nープロピル基、i―プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等を挙げることができる。
【0135】
また、Ra の炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、ノナフルオロ−i−ブチル基、ノナフルオロ−sec−ブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロ−n−オクチル基等を挙げることができる。
【0136】
また、Ra の炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基または炭素数3〜20の環状の1価のフッ素化炭化水素基あるいはこれらの置換誘導体としては、例えば、下記式(v−1)〜(v−7)で表される基等を挙げることができる。
【0137】
【化57】
【0138】
【化58】
【0139】
【化59】
【0140】
【化60】
【0141】
【化61】
【0142】
【化62】
【0143】
【化63】
【0144】
〔式(v−1)〜(v−7)において、各R20は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アセチル基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、1級アミノ基、2級アミノ基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基を示し、各R21は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基を示し、jは0〜10の整数である。
一般式(v−4)において、kは1〜18の整数である。
一般式(v−5)において、uは0〜3の整数である。〕
【0145】
本発明における好ましい酸(10)としては、例えば、
ヘプタフルオロ−n−プロパンスルホン酸、ノナフルオロ−n−ブタンスルホン酸、パーフルオロ−n−オクタンスルホン酸、1,1,2,2,−テトラフルオロ−n−プロパンスルホン酸、1,1,2,2,−テトラフルオロ−n−ブタンスルホン酸、1,1,2,2,−テトラフルオロ−n−オクタンスルホン酸や、
【0146】
前記一般式(v−1)〜(v−7)で表される基の結合手に、
−CF2 CF2 SO3 H、−CF2 CF(CF3)SO3 H、
−CF(CF3)CF2 SO3 H、−CF(CF3)CF(CF3)SO3 H、
−C(CF3)2 CF2 SO3 Hまたは−CF2 C(CF3)2 SO3 Hの基が結合した酸、例えば、下記式(10−1) 〜(10−10) の酸等を挙げることができる。
【0147】
【化64】
【0148】
【化65】
【0149】
【化66】
【0150】
【化67】
【0151】
【化68】
【0152】
本発明において、酸発生剤(B1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明においては、必要に応じて、酸発生剤(B1)と共に、他の酸発生剤(B)を1種以上併用することができる。
好ましい他の酸発生剤(B)としては、露光により、例えば、下記一般式(11) で表される酸(以下、「酸(11)」という。)、下記一般式(12)で表される酸(以下、「酸(12)という。)または下記一般式(13)で表される酸(以下、「酸(13)」という。)を発生する化合物(以下、「酸発生剤(B2)」という。)を挙げることができる。
【0153】
【化69】
〔一般式(11)において、Rb はフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示し、Rb’は水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Rc は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基または炭素数3〜20の環状の1価のフッ素化炭化水素基を示し、該1価の炭化水素基および該1価のフッ素化炭化水素基は置換されていてもよい。
【0154】
一般式(12)において、Rd は炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基を示し、該1価の炭化水素基は置換されていてもよい。
【0155】
一般式(13)において、Reは炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基または炭素数3〜20の環状の1価のフッ素化炭化水素基を示し、該1価の炭化水素基および該1価のフッ素化炭化水素基は置換されていてもよい。〕
【0156】
一般式(11)〜(13)において、Rc 、Rd およびReの炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基および置換されていてもよい炭素数3〜20の環状の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば、前記一般式(10)におけるRaについて例示したそれぞれ対応する基と同様のものを挙げることができる。
【0157】
好ましい酸(11)ととしては、例えば、
1−フルオロエタンスルホン酸、1−フルオロ−n−プロパンスルホン酸、1−フルオロ−n−ブタンスルホン酸、1−フルオロ−n−オクタンスルホン酸、1,1−ジフルオロエタンスルホン酸、1,1−ジフルオロ−n−プロパンスルホン酸、1,1−ジフルオロ−n−ブタンスルホン酸、1,1−ジフルオロ−n−オクタンスルホン酸、1−トリフルオロメチル−n−プロパンスルホン酸、1−トリフルオロメチル−n−ブタンスルホン酸、1−トリフルオロメチル−n−オクタンスルホン酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)エタンスルホン酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−n−プロパンスルホン酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−n−ブタンスルホン酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−n−オクタンスルホン酸や、
【0158】
前記式(v−1)〜(v−7)で表される基の結合手に、−CF2 SO3 H、
−CHFSO3 H、−CH(CF3)SO3 Hまたは−C(CF3)2 SO3 Hの基が結合した酸、例えば、下記式(11−1) 〜(11−40)の酸等を挙げることができる。
【0159】
【化70】
【0160】
【化71】
【0161】
【化72】
【0162】
【化73】
【0163】
【化74】
【0164】
【化75】
【0165】
【化76】
【0166】
【化77】
【0167】
【化78】
【0168】
【化79】
【0169】
【化80】
【0170】
【化81】
【0171】
【化82】
【0172】
【化83】
【0173】
【化84】
【0174】
【化85】
【0175】
【化86】
【0176】
【化87】
【0177】
【化88】
【0178】
【化89】
【0179】
また、好ましい酸(12)としては、例えば、
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、n−プロパンスルホン酸、n−ブタンスルホン酸、i−ブタンスルホン酸、sec−ブタンスルホン酸、t−ブタンスルホン酸、n−ペンタンスルホン酸、n−ヘキサンスルホン酸、n−オクタンスルホン酸、シクロペンタンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸等の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキルスルホン酸類;
ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンジルスルホン酸、α―ナフタレンスルホン酸、β―ナフタレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類;
10−カンファースルホン酸や、
前記式(v−1)〜(v−7)で表される基の結合手に、−SO3 H基が結合した酸等を挙げることができる。
【0180】
さらに、好ましい酸(13) としては、例えば、
酢酸、n−プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、テレフタル酸、α―ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ノルボルナンカルボン酸、2,3−ノルボルナンジカルボン酸、ノルボルニル−2−酢酸、1−アダマンタンカルボン酸、1−アダマンタン酢酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジ酢酸、 リトコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、コール酸や、
前記式(v−1)〜(v−7)で表される基の結合手に、−COOH基が結合した酸等を挙げることができる。
【0181】
酸発生剤(B1)および酸発生剤(B2)としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、カルボン酸化合物、ジアゾケトン化合物、ハロゲン含有化合物等を挙げることができる。
る。
酸(10)、酸(11)、酸(12)あるいは酸(13)を発生するオニウム塩化合物としては、例えば、
ジフェニルヨードニウム塩、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、
4−ヒドロキシフェニル・フェニル・メチルスルホニウム塩、シクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシル・メチルスルホニウム塩、ジシクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウム塩、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウム塩、4−ヒドロキシフェニル・ベンジル・メチルスルホニウム塩、
1−ナフチルジメチルスルホニウム塩、1−ナフチルジエチルスルホニウム塩、1−(4−シアノナフチル)ジメチルスルホニウム塩、1−(4−シアノナフチル)ジエチルスルホニウム塩、1−(4−ニトロナフチル)ジメチルスルホニウム塩、1−(4−ニトロナフチル)ジエチルスルホニウム塩、1−(4−メチルナフチル)ジメチルスルホニウム塩、1−(4−メチルナフチル)ジエチルスルホニウム塩、1−(4−ヒドロキシナフチル)ジメチルスルホニウム塩、1−(4−ヒドロキシナフチル)ジエチルスルホニウム塩、
【0182】
1−〔1−(4−ヒドロキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−エトキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−n−ブトキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−メトキシメトキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−エトキトメトキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−{4−(1−メトキシエトキシ)ナフチル}〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−{4−(2−メトキシエトキシ)ナフチル}〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−メトキシカルボニルオキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−エトキシカルボニルオキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−n−プロポキシカルボニルオキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−i−プロポキシカルボニルオキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−n−ブトキシカルボニルオキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−t−ブトキシカルボニルオキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−{4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)ナフチル}〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−{4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)ナフチル}〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(4−ベンジルオキシナフチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩、1−〔1−(1−ナフチルアセトメチル)〕テトラヒドロチオフェニウム塩
等を挙げることができる。
【0183】
また、酸(10)、酸(11)あるいは酸(12)を発生するスルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
また、酸(10)、酸(11)あるいは酸(12)を発生するスルホン酸化合物としては、例えば、スルホン酸エステル、スルホン酸イミド、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
また、酸(13)を発生するカルボン酸化合物としては、例えば、カルボン酸エステル、カルボン酸イミド、カルボン酸シアネート等を挙げることができる。
【0184】
また、酸(10)、酸(11)、酸(12)あるいは酸(13)を発生するジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。
さらに、酸(10)、酸(11)、酸(12)あるいは酸(13)を発生するハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。
【0185】
本発明において、酸発生剤(B)の使用量は、樹脂(A1)または樹脂(A2)100重量部に対して、通常、1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部である。この場合、酸発生剤(B)の使用量が1重量部未満では、レジストとしたときの感度や解像度が低下する傾向があり、一方20重量部を超えると、レジストとしたとき、レジスト被膜の放射線透過率が低下してパターン形状が損なわれるおそれがある。
また、酸発生剤(B2)の使用量は、樹脂(A1)または樹脂(A2)100重量部に対して、通常、5重量部以下、好ましくは3重量部以下である。
【0186】
−添加剤−
本発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、前記化合物(α)以外の溶解制御剤(以下、「他の溶解制御剤」という。)、酸拡散制御剤、界面活性剤、増感剤等の各種の添加剤を配合することができる。
【0187】
本発明の感放射線性樹脂組成物において、他の溶解制御剤の使用割合は、化合物(α)に対して、通常、100重量%以下、好ましくは50重量%以下である。この場合、該使用割合が100重量%を超えると、本発明の所期の効果が低下する傾向がある。
【0188】
前記酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
このような含窒素有機化合物としては、例えば、下記一般式(14)
【0189】
【化90】
〔一般式(14)において、各R22は相互に独立に水素原子、置換もしくは非置換の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のアラルキル基を示す。〕
【0190】
で表される化合物(以下、「含窒素化合物(イ)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(ロ)」という。)、窒素原子を3個以上有するポリアミノ化合物や重合体(以下、これらをまとめて「含窒素化合物(ハ)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
【0191】
含窒素化合物(イ)としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、シクロヘキシルアミン等のモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジ(シクロ)アルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミン類を挙げることができる。
【0192】
含窒素化合物(ロ)としては、例えば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等を挙げることができる。
含窒素化合物(ハ)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、2−ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
【0193】
前記アミド基含有化合物としては、例えば、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
【0194】
前記ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等を挙げることができる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン等を挙げることができる。
これらの酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0195】
本発明の感放射線性樹脂組成物において、酸拡散制御剤の配合量は、(A)樹脂に対して、通常、15重量部以下、好ましくは10重量部以下である。この場合、該配合量が15重量部を超えると、レジストとしての感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。なお、該配合量が0.01重量部未満であると、プロセス条件によっては、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
【0196】
前記界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。
このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下商品名で、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75,同No.95(共栄社化学(株)製)、エフトップEF301,同EF303,同EF352(トーケムプロダクツ(株)製)、メガファックスF171,同F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430,同FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,同SC−101,同SC−102,同SC−103,同SC−104,同SC−105,同SC−106(旭硝子(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物において、界面活性剤の配合量は、(A)樹脂100重量部に対して、通常、2重量部以下である。
【0197】
また、前記増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤(B)に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示すもので、感放射線性樹脂組成物のみかけの感度を向上させる効果を有する。
このような増感剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。
これらの増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物において、増感剤の配合量は、(A)樹脂100重量部に対して、通常、50重量部以下である。
また、染料あるいは顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和でき、接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。
さらに、前記以外の添加剤としては、ハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。
【0198】
組成物溶液の調製
本発明の感放射線性樹脂組成物は、普通、その使用に際して、全固形分濃度が、通常、1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%となるように、溶剤に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。
前記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えば、
2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類;
シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類のほか、
【0199】
n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トルエン、キシレン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン
等を挙げることができる。
【0200】
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができるが、就中、直鎖状もしくは分岐状のケトン類、環状のケトン類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
【0201】
レジストパターンの形成方法
本発明の感放射線性樹脂組成物は、特に化学増幅型レジストとして極めて好適に使用することができる。
前記化学増幅型レジストにおいては、露光により酸発生剤(B)から発生した酸の作用によって、化合物(α)中の酸解離性基が解離し、また樹脂(A1)の場合はその酸解離性保護基も解離して、レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、該露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンが得られる。
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行ったのち、所定のレジストパターンを形成するように該レジスト被膜に露光する。その際に使用される放射線としては、使用される酸発生剤(B)の種類に応じて、紫外線、遠紫外線、荷電粒子線、X線等を適宜選定して使用されるが、波長193nm以下、好ましくは波長157nm以下の遠紫外線が望ましく、特に、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2 エキシマレーザー(波長157nm)、Kr2 エキシマレーザー(波長147nm)あるいはArKrエキシマレーザー(波長134nm)が望ましい。
本発明においては、露光後に加熱処理(以下、「PEB」という。)を行うことが好ましく、それにより、化合物(α)中の酸解離性基や樹脂(A1)中の酸解離性保護基の解離反応が円滑に進行する。PEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
【0202】
本発明においては、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば特許文献8等に開示されているように、使用される基板上に有機系あるいは無機系の反射防止膜を形成しておくこともでき、また環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば特許文献9等に開示されているように、レジスト被膜上に保護膜を設けることもでき、あるいはこれらの技術を併用することもできる。
【0203】
【特許文献8】
特公平6−12452号公報
【特許文献9】
特開平5−188598号公報
【0204】
次いで、露光されたレジスト被膜をアルカリ現像液を用いて現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。
前記アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10重量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10重量%を超えると、非露光部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。
【0205】
また、前記アルカリ性水溶液には、例えば有機溶媒を添加することもできる。
前記有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機溶媒の使用量は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下が好ましい。この場合、該使用量が100容量%を超えると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなるおそれがある。
また、前記アルカリ性水溶液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。
なお、アルカリ現像液で現像したのちは、一般に、水で洗浄して乾燥する。
【0206】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。ここで、部は特記しない限り重量基準である。
【実施例】
合成例1
500ミリリットルのフラスコに、テトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4,9−ジオールとテトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4,10−ジオールとの混合物30g、およびテトラヒドロフラン120ミリリットルを加えて、均一溶液とした。その後、α−(トリフルオロメチル)アクリル酸t−ブチル180gを加え、さらに炭酸セシウム4gを加えて、60℃で30時間反応させた。その後、反応溶液を分液漏斗に移して、酢酸エチル300ミリリットルを加えたのち、水300ミリリットルで2回洗浄を行った。その後、有機層の低沸留分を簡易蒸留器で留去したのち、シリカゲルカラムによる精製(重量比10/95の酢酸エチル/n−ヘキサン混合媒体を使用)を行って、ペースト状の化合物10.2gを得た。
この化合物は、 1H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl3 中で測定)および赤外吸収スペクトルにより、前記式(I−5−2) の化合物であると同定された。各スペクトルを図1および図2に示す。この化合物を「化合物(C−1) 」とする。
【0207】
評価例1〜3および比較例1
下記式(1−1)で表される繰り返し単位と下記式(1−2)で表される繰り返し単位とからなる(A)樹脂(Mw=23,000、Mn=8,000、Mw/Mn=2.88)(以下、「樹脂(A−1) 」とする。)100重量部に対して、表1に示す(B)成分、化合物(C−1) 、酸拡散抑制剤および溶剤を含有する組成物溶液を調製したのち、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過した。その後、各組成物溶液を、シリコン基板上に反射防止膜(商品名DUV30J、ブリューワ・サイエンス社製)を形成した基板上に、スピンコートにより塗布して、110℃に保持したホットプレート上で、90秒間PBを行って、膜厚1,500Åのレジスト被膜を形成した。その後、各レジスト被膜に対して、F2 エキシマレーザー(波長157nm、NA=0.85)あるいはArFエキシマレーザー(波長193nm、NA=0.55)をレチクルを通して露光量を変えて露光し、110℃に保持したホットプレート上で、90秒間PEBを行ったのち、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像することにより、ライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を形成して、解像度を評価した。評価結果を表1に示す。
【0208】
【化91】
【0209】
表1において、F2はF2 エキシマレーザー、ArFはArFエキシマレーザーを表す。
また、(B)成分、酸拡散抑制剤および溶剤は下記のとおりである。
(B)成分
B−1:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート
B−2:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
B−3:トリフェニルスルホニウム2−ノルボルニル−1,1,2,2−テトラフルオロエタン−1−スルホネート
酸拡散抑制剤
D−1:トリ−n−ブチルアミン
D−2:2−フェニルイミダゾール
溶剤
MAK :2−ヘプタノン
PGMEA :プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EL :2−ヒドロキシプロピオン酸エチル
【0210】
【表1】
【0211】
【発明の効果】
本発明の化合物(α)は、特に、本発明の感放射線性樹脂組成物における添加剤成分として極めて好適に使用することができるほか、関連する他の化合物を合成する原料ないし中間体等としても有用である。
また、本発明の感放射線性樹脂組成物は、波長193nm以下、特に157nm以下の放射線に適応可能であり、化合物(α)を含有するため、ドライエッチング耐性に優れ、レジストとしてのコントラストが極めて高く、また解像度等にも優れた化学増幅型レジストとして、今後ますます微細化が進行すると予想される集積回路素子の製造に極めて好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物(C−1) の 1H−NMRスペクトルを示す図である。
【図2】化合物(C−1) の赤外吸収スペクトルを示す図である。
Claims (5)
- 環状炭化水素基が、置換または非置換のノルボルナン骨格、置換または非置換のトリシクロデカン骨格および置換または非置換のテトラシクロドデカン骨格の群から選ばれる骨格を有する基である、請求項1に記載の酸解離性基含有化合物。
- (A)樹脂、(B)感放射線性酸発生剤、並びに(C)請求項1に記載の酸解離性基含有化合物を含有する感放射線性樹脂組成物であって、(A)樹脂が(A1)酸の作用によりアルカリ易溶性となるアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂および(A2)アルカリ可溶性樹脂の群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
- (A1)成分が、フッ素含量が10重量%以上の樹脂からなる、請求項4に記載の感放射線性樹脂組成物。
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