JP2004346031A - 植物性発毛有効成分および該発毛有効成分の抽出分離方法 - Google Patents

植物性発毛有効成分および該発毛有効成分の抽出分離方法 Download PDF

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三木  敬三郎
Kiyoko Imai
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Abstract

【課題】ホルモン等による副作用がなく、経口による摂取が可能であり、発毛、育毛および脱毛防止に優れた植物性発毛有効成分、その抽出分離方法およびそれを用いる発毛・育毛剤および健康食品を提供する。
【解決手段】キビ(学名;Panicum miliaceum)から炭素数6以上の脂肪族炭化水素により抽出される脂溶性成分であって、かつ低級脂肪族アルコールにより抽出され分画化された成分を含有してなることを特徴とする植物性発毛有効成分
および
キビの種子を炭素数6以上の脂肪族炭化水素と接触させることにより抽出される脂溶性成分を得る工程と、前記工程にて得られた脂溶性成分をイオン交換用充填剤と接触させ、前記イオン交換用充填剤に吸着された前記脂溶性成分を低級脂肪族アルコール水溶液により溶出する工程と、前記工程にて発毛有効成分含有量の多い画分を回収する工程とからなるクロマトグラフィーの各工程を含むことを特徴とする植物性発毛有効成分の抽出分離方法
および
該発毛有効成分を含有する養毛・育毛剤または健康食品。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物性発毛有効成分、該発毛有効成分の抽出分離方法および該発毛有効成分を含有する経口用発毛・育毛剤および健康食品に関するものであり、さらに詳しくは、キビ(学名;Panicum miliaceum)抽出物の特定画分を利用した植物性発毛有効成分および該発毛有効成分を主成分とし、発毛・育毛促進を図ることができ、また、脱毛の防止に有用な経口用発毛・育毛剤および健康食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
豊富な毛髪を有することは美容上は勿論、その他の種々の意味合いから年齢に拘らず万人に共通する永遠の希求であり、従来から長年に亘って多種多様な発毛剤、養毛剤等の毛髪の成長促進剤が提案されている。これらの発毛・養毛剤としては、特に外部から毛髪または頭部に塗布する外用薬が数多く市販品として提供されている。
【0003】
しかしながら、脱毛症、異常毛発生の原因は毛細血管の血行障害、毛襄および表皮の老朽化および異常、各種ホルモン障害等といわれており、また男性型禿、脱毛症、脂漏は、男性ホルモンおよび男性ホルモンからの代謝物等が原因とされているが、未だ十分解明されていない点が多く、従前から提案され、また上市されてきた養毛剤等は、外用薬でもあり、万人のすべての症状にとって一様に有効なものではなかった。
【0004】
すなわち、従来、脱毛症の治療および予防のために、内分泌腺に作用するエトラジオール、エストロン、ジエチルスチルペストロール等の女性ホルモン、腎臓皮質機能亢進のためにコルチゾン、ヒドロコルチゾン等のコルチコイドが使用されてきたが、かかるホルモン類は、全身の調整機能に影響を与えることが懸念され、発毛・育毛には十分な効果を奏し得なかった。
【0005】
他方、ビタミン類、ロイシン、スレオニン、メチオニン等のアミノ酸、ニコチン酸誘導体の如き末梢血管拡張剤、サリチル酸およびレゾルシン等の角質溶解剤、セファラチン、感光色素、トウガラシ、カンダリスチンキ等の皮膚機能亢進剤等が外用薬剤または毛髪化粧品に添加されて用いられてきたが、これらについても十分な効果は得られなかった。
【0006】
前記の如き発毛・育毛剤の開発に関する状況下において、発毛効果を有するものであって、しかも副作用の面からもその危険がほとんどない生薬抽出物であり、経口による身体内部からの毛髪の成長促進に有用なものとしてキビ抽出物が提案された(特許文献1(特公平3−51390号公報)参照)。
【0007】
しかしながら、前記キビ抽出物は、ホルモンの全身的作用等の副作用がないものの、キビ抽出物の成分としては、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂質、ビタミン類、Mg、Ca等の無機質およびロイシン、ミリアシン等のアミノ酸等が混在したものを使用しているものであり、発毛・育毛作用にとって未だ十分満足できるものではなく、さらに一層の効果を有するものが切望されてきた。
【0008】
【特許文献1】特公平3−51390号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題の第一は、前記の開発状況下において、ホルモン等による副作用がなく、経口による摂取が可能であり、発毛・育毛作用が顕著な発毛有効成分を提供することにある。
本発明の第二の課題は、キビ抽出物から得られる発毛効果の優れた特定された画分を提供することにある。
また、本発明の第三の課題は、キビから前記発毛有効成分の効率的な抽出分離方法を提供することにある。
さらに、本発明の第四の課題は、キビ抽出物から得られる植物性発毛有効成分を主成分とする経口用発毛・育毛剤および健康食品を提供することにある。
【0010】
本発明は、前記の如く発毛・育毛および脱毛の予防に有用な植物性発毛有効成分、該発毛有効成分を用いる発毛・育毛剤および健康食品に関するものであるが、さらに好ましい実施態様として次の1)〜4)に掲げるものを包含する。
1)前記脂溶性成分のイオン交換用充填剤によるクロマトグラフィーにおいて移動相として用いられるメタノール水溶液の濃度が65〜75%である前記植物性発毛有効成分。
2)前記イオン交換用充填剤が疎水性イオン交換樹脂である前記植物性発毛有効成分。
3)キビ脂溶性成分抽出物のメタノール抽出画分を、逆相ODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーによる70%メタノール水溶液移動相の条件下において展開し、紫外部(234nm)で捕捉される前記植物性発毛有効成分の抽出分離方法。
4)キビから抽出された前記発毛有効成分0.1〜5重量%(キビ脂溶性成分抽出物としては48.8〜53.8重量%であり、該発毛有効成分はこのなかに含まれる。)、小麦胚芽油45〜49重量%、パントテン酸カルシウム1〜1.8重量%およびL−システン0.2〜0.4重量%を含有してなる健康食品。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに具体的に説明する。
本発明の発毛有効成分の抽出に原料として用いられるキビは、イネ科の一年生草木Panicum miliaceum L.であり、抽出には主としてその穀粒が用いられる。穀粒の外側には外皮をかぶっているが、発毛有効成分の抽出にはこれを粉砕して有機溶剤との接触による抽出処理に供し、後記する如き方法が採用される。また、キビの茎その他の植物体も前記種子と同様に使用することができる。
【0012】
本発明に係る発毛有効成分は、キビその他の植物に含まれる植物性ステロイドまたは該ステロイドを含有する物質である。ステロイドは、ステリンおよびこれと類似の構造を有する化合物であり、本発明の発毛有効成分としては、シクロペンタノヒドロフェナントレン環系を有する化合物が好適であり、該化合物は、後述の実施例においても示すように溶出画分IV−2に高濃度に含有される。
【0013】
かかるステロイド類が発毛促進作用を有する理由は、現在十分解明されていないが、本発明者らは、男性ホルモンのジヒドロテストステロンの拮抗作用、すなわち、α−5還元酵素を阻害することにより、ジヒドロテストステロンの合成を阻止し、毛母細胞の細胞活性を刺戟すると共に毛母細胞のケラチンの生産を促進することにより、毛髪の生長を促進させる、とする発毛促進作用を提示している。
【0014】
本発明に係る発毛有効成分は、キビから炭素数6以上の脂肪族炭化水素により抽出される脂溶性成分をさらに低級脂肪族アルコールによる溶出処理に供して得られる分画成分からなるものである。
【0015】
前記、炭素数6以上の脂肪族炭化水素は、キビ穀粒等に含有される脂溶性成分の抽出に使用できるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等またはこれらの混合物のほか石油エーテル等が用いられる。特にヘキサンがその物性から好ましい。キビの脂溶性成分には、少なくともリノール酸、オレイン酸、ステアリン酸等の脂質、シトステロール等の脂肪分類等が含有される。
【0016】
本発明に係る発毛有効成分は、キビの前記炭化水素による抽出物、すなわち、脂溶性成分をさらにイオン交換充填剤と接触させた後、展開剤として低級脂肪族アルコール水溶液を用いるカラムクロマトグラフィーに供することにより得られる特定画分成分として得られるものである。
ここで用いられる低級脂肪族アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、(イソ)プロパノール、(イソ)ブタノール等が挙げられるが、メタノールが特に好ましい。
また、イオン交換用充填剤としては疎水性イオン交換樹脂を挙げることができ、例えば、高分子系イオン交換樹脂、シリカ系イオン交換樹脂等が用いられるが、特に多孔質の吸着剤で水溶液中で疎水性相互作用を行うことができるポリマー等、例えば、市販品として三菱化学(株)製ダイヤイオン等を挙げることができる。
【0017】
前記カラムクロマトグラフィーにおいて用いられる低級脂肪族アルコール水溶液は、特定のアルコール濃度勾配を有するものが好適であり、例えば、実施例に示すようにメタノール可溶性画分のうち61〜80%メタノール水溶液が、分画される成分が顕著な発毛・育毛効果を奏する点から好適であり、65〜70%、特に70%メタノール水溶液で分画化される成分が著しく顕著な効果を奏することが把握された。
また、逆相ODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーの条件下においてメタノール画分のうち、溶出時間13〜19分の間に移動するメタノール水溶液画分が発毛有効成分を含有することが把握された。
【0018】
次に、本発明に係る発毛有効成分の抽出分離方法について説明する。
キビを原料とする発毛有効成分の抽出分離方法は、
キビの種子を炭素数6以上の脂肪族炭化水素と接触させることにより脂溶性成分を抽出する工程と、
前記工程にて得られた脂溶性成分をイオン交換用充填剤と接触させる工程と、
前記工程にてイオン交換用充填剤に吸着された前記脂溶性成分を低級脂肪族アルコール水溶液により溶出する工程と、
前記工程にて発毛有効成分含有量の最も多い画分を回収する工程と
からなるクロマトグラフィーの各工程を含むことを特徴とする植物性発毛有効成分の抽出分離方法
に関するものである。
また、逆相クロマトグラフィーとして、
キビの種子を炭素数6以上の脂溶性成分と接触させることにより抽出される脂溶性成分を得る工程と、
前記工程にて得られた脂溶性成分に低級脂肪族アルコールを添加し、該低級脂肪族アルコール抽出物を得る工程と、
前記工程にて得られた前記低級脂肪族アルコール抽出物を、逆相ODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーによる低級脂肪族アルコール水溶液移動相の条件下に展開する工程と、
発毛有効成分の含有量の最も多い画分を分離する工程と
からなることを特徴とする植物性発毛有効成分の抽出分離方法
が提供される。
【0019】
前記逆相クロマトグラフィー用ODS(シリカゲル)カラムを用いる高速液体クロマトグラフィーによれば、流量が毎分1.0mlに調節されるとメタノール濃度勾配法から発毛に重要な作用を有する成分を順次分離し、溶出して精製することが可能となる。
【0020】
また、本発明に係る発毛有効成分を含有する健康食品は、キビ抽出成分を主成分としこれに配合剤を添加したものが好ましい。配合剤としては、小麦胚芽油、パントテン酸カルシウム、L−システン等を少なくとも一種を用いることができる。特に好ましい配合剤は、小麦胚芽油25〜50重量%、パントテン酸カルシウムは2〜4重量%およびL−システン0.3〜1重量%の混合物である。
かかる配合剤の添加量としては、キビ抽出成分に対し、健康食品全量について少なくとも2.5重量%、特に2.5〜10重量%が発毛・育毛の促進の観点から好適である。
【0021】
小麦胚芽油は、小麦胚芽の抽出物として得られるものであり、脂溶性抽出物としては、市販品を使用することができる。脂溶性抽出物は、小麦胚芽粉末1重量部に対し、1〜5重量部の水、0.001〜0.01重量部のプロテアーゼ、アミラーゼ等の酵素を加え、60〜70℃で1〜2日間発酵処理して組織を破壊させ、その後100℃にして酵素を失活させた後、ヘキサンで抽出し、該抽出液からヘキサンを留去してオイル状物質を得ることにより製造することができる。また、水溶性抽出物の製法としては、熱処理した脱脂胚芽含有水溶液を濾過し、得られた抽出水溶液を蒸発乾固させ、破砕、整粒する。その際無水ケイ酸等の固化防止剤を加えて常法処理するか、または抽出水溶液の濃度を約20%に濃縮した後、乳糖を抽出水溶液に対して10%程度添加してスプレードライ法により粉末化することもできる。
【0022】
小麦胚芽抽出物は脂溶成分としてビタミンEを初めとするトコフエロール類、カロチノイド、必須脂肪酸であるリノール酸を主構成分とするトリグリセリド、自律神経失調症に有効といわれているオリザノールに富み、水溶性成分としては約70%を占める炭水化物、20%を占める粗蛋白の他にK、Ma、Na、Ca、Fe、P等の無機質、VB、VB、VB、ニコチン酸、パントテン酸等を含んでいる。本発明に係る健康食品として、小麦胚芽油の特に好ましい配合量は25〜50重量%である。
【0023】
また、パントテン酸カルシウム(ビタミンB)は、既に医療用にも使用されているものであり、その欠乏により脂質代謝異常、皮膚の角質化、脱毛を起こすことが知られている。パントテン酸カルシウムの特に好ましい配合量は、2〜4重量%である。
L−システンは毛中のアミノ酸成分のうち最も多く含まれるものである。一般の蛋白質の成分としては認められないが、毛髪、角質に多く人毛中ケラチン物質100g中に約14gのシステンが含まれており、システンの工業的製法として、毛髪を原料として、その加水分解によって得る方法も採用されている。L−システンの特に好ましい配合量は、0.3〜1重量%である。
本発明に係る健康食品の形態としては、特に限定されるものではないが、小麦胚芽油分の作用を利用して軟カプセル剤として用いることが好ましい。
【0024】
【実施例】
以下、本発明について実施例によりさらに具体的に説明する。もっとも本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、発毛促進効果の評価には、次の発毛促進評価方法を採用した。
【0025】
発毛促進評価方法
(1)マウス :4週令、体重平均20グラム
(2)評価試料:各画分をそれぞれ配合剤(小麦胚芽油96.2%、パントテン酸カルシウム3.2%、L−システン0.6%を含有する混合物。)と重量比1:1に混合し調製した混合液を用いた。
(3)評価方法:前記評価試料混合液0.25mlをマウスに一日3回21時間、経口ゾンデにより強制投与した。マウスは各群それぞれnを5匹とした。
対照実験群のマウスには配合剤のみを投与した。
【0026】
実施例1
キビの種子100グラムを200mlのリン酸緩衝液(0.1、pH7.0)ブレンダーで粉砕し、ヘキサンを50ml添加し、抽出処理に供し脂溶性画分を得た。脂溶性画分を集め、エバポレーターで15mlに濃縮した。
この脂溶性抽出物をイオン交換樹脂(三菱化学(株)製商品名:ダイヤイオンセパビーズHP20)によるカラムクロマトグラフィーに供し、メタノール水溶液にて展開した。;カラムクロマトグラフィーにおいては、メタノールの濃度勾配0〜100%水溶液可溶性画分を、次のI〜Vの5画分に分けた。
I : 0〜 20%メタノール水溶液溶出画分
II : 21〜 40%メタノール水溶液溶出画分
III : 41〜 60%メタノール水溶液溶出画分
IV : 61〜 80%メタノール水溶液溶出画分
V : 81〜100%メタノール水溶液溶出画分
これらの画分を、それぞれエバポレーターで濃縮乾固し、キビ脂溶性抽出画分を得た。
【0027】
次に、各画分の育毛促進効果をマウスを用いて前記方法により評価した。評価結果を表1に示す。
【表1】
Figure 2004346031
表1に示す結果から発毛有効成分は、投与群IV61〜80%メタノール水溶液の画分に含まれることが判明した。
【0028】
実施例2
キビの種子200グラムを400mlのリン酸緩衝液(0.1M、pH7.0)とブレンダーで紛砕し、これにヘキサンを100ml添加して抽出処理に供し、常温で25分間撹拌した。脂溶性画分を集め、エバポレーターで25mlに濃縮した。この脂溶性抽出物をイオン交換樹脂(三菱化学(株)製ダイヤイオンセパビーズHP20)によるカラムクロマトグラフィーを用い、メタノール水溶液にて展開した。メタノールの濃度勾配61〜80%水溶液可溶性分願IVを
次の3画分に分けた。
IV−1 : 61〜67%メタノール水溶液溶出画分
IV−2 : 68〜75%メタノール水溶液溶出画分
IV−3 : 75〜80%メタノール水溶液溶出画分
これらの画分をそれぞれエバポレーターで蒸発乾固し粉末を得た。
【0029】
次に、各画分の有効性を前記評価方法で評価した。
その結果、発毛の有効成分は68〜75%メタノール水溶液の画分に含まれていることが分かった。評価結果を表2に示す。
【表2】
Figure 2004346031
【0030】
実施例3
キビの種子65.2グラムをブレンダーで粉砕し、47mlのヘキサンを添加して抽出した。このヘキサン抽出脂溶性成分抽出物にメタノールを加え、撹拌し、生成したメタノール抽出成分を、逆相ODSカラム(関東化学(株)製「Mightysil」(RP−18 GP Aqua φ4.6×250mm))を用いた高速液体クロマトグラフィーによるメタノール:水=70:30移動相の条件下で展開し、図1に示す溶出プロファイルを作成した。流速は毎分1.0ml、紫外部吸光234nmを検出した。
その結果、発毛有効成分は、溶出時間13〜19分のメタノール水溶液画分中に含まれていることが判明した。
【0031】
<抽出条件>
サンプル:キビ脂溶性成分抽出物のメタノール抽出画分
カラム:「Mightysil」(関東化学)RP−18 GP Aqua (φ4.6×250mm)
移動相:メタノール:水=70:30
流量 :1.0ml/min
検出器:UV 234nm
【0032】
比較例1
キビの種子100グラムを200mlのリン酸緩衝液(0.1M、pH7.0)ブレンダーで紛砕し、これにヘキサンを50ml添加し抽出処理に供した。得られた抽出物を前記評価方法でマウスによる発毛・育毛評価試験を行い、次の投与群aに示す評価結果を得た。
【表3】
Figure 2004346031
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るキビ抽出物から分画される発毛有効成分は、発毛、育毛および脱毛防止に著しく顕著な効果を奏するものであり、すでに提案されている前記キビ抽出物の5倍以上もの発毛促進効果を得ることができる。また、該発毛有効成分は、経口用発毛・育毛剤、または健康食品として有用であり、経口による摂取により外用薬成分が到達できない身体部位への供給が可能であることから従来提案されている育毛外用薬に比較して予期せざる効果を奏するものである。勿論、該発毛有効成分は、天然物由来のものであり、副作用のおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】発毛有効成分の高速液体クロマトグラフィーによるプロファイル図である。

Claims (12)

  1. キビ(学名;Panicum miliaceum)から炭素数6以上の脂肪族炭化水素により抽出される脂溶性成分であって、かつ低級脂肪族アルコールにより抽出され分画化される成分を含有してなることを特徴とする植物性発毛有効成分。
  2. 前記低級脂肪族アルコール分画成分が、前記脂溶性成分の疎水性イオン交換用充填剤によるクロマトグラフィーにおいて得られる低級脂肪族アルコール可溶性画分のうち、61〜80%低級脂肪族アルコール水溶液により溶出される成分である請求項1に記載の植物性発毛有効成分。
  3. 前記炭素数6以上の脂肪族炭化水素が、ヘキサンであり、前記低級脂肪族アルコールがメタノールである請求項1または2に記載の植物性発毛有効成分。
  4. 前記低級脂肪族アルコール水溶液分画成分が植物性ステロイド類である請求項1に記載の植物性発毛有効成分。
  5. 前記発毛有効成分が、逆相ODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーによる条件下においてメタノール溶出画分の13分から18分の溶出時間で移動する成分である請求項1に記載の植物性発毛有効成分。
  6. キビの種子を炭素数6以上の脂肪族炭化水素と接触させることにより脂溶性成分を抽出する工程と、
    前記工程にて得られた脂溶性成分をイオン交換用充填剤と接触させる工程と、
    前記工程にてイオン交換用充填剤に吸着された前記脂溶性成分を低級脂肪族アルコール水溶液により溶出する工程と、
    前記工程にて発毛有効成分含有量の最も多い画分を回収する工程と
    からなるクロマトグラフィーの各工程を含むことを特徴とする植物性発毛有効成分の抽出分離方法。
  7. 前記低級脂肪族アルコール水溶液が、61〜80%アルコール水溶液である請求項6に記載の植物性発毛有効成分の抽出分離方法。
  8. キビの種子を炭素数6以上の脂溶性成分と接触させることにより抽出される脂溶性成分を得る工程と、
    前記工程にて得られた脂溶性成分に低級脂肪族アルコールを添加し、該低級脂肪族アルコール抽出物を得る工程と、
    前記工程にて得られた前記低級脂肪族アルコール抽出物を、逆相ODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーによる低級脂肪族アルコール水溶液移動相の条件下に展開する工程と、
    発毛有効成分の含有量の最も多い画分を分離する工程と
    からなることを特徴とする植物性発毛有効成分の抽出分離方法。
  9. 前記炭素数6以上の脂肪族炭化水素がヘキサンであり、低級脂肪族アルコールがメタノールである請求項6ないし8のいずれかの請求項に記載の植物性発毛有効成分の抽出分離法。
  10. 請求項1に記載された植物性発毛有効成分または請求項6に記載された抽出分離方法により得られた植物性発毛有効成分を主成分として含有してなることを特徴とする経口用発毛・育毛剤。
  11. 請求項1に記載された植物性発毛有効成分または請求項6に記載された抽出分離方法で得られた植物性発毛有効成分と配合剤とを含有してなることを特徴とする健康食品。
  12. 前記配合剤が、小麦胚芽油、パントテン酸カルシウムおよびL−システンからなる群より選択された少なくとも一種である請求項11に記載の健康食品。
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