JP3643785B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、肌荒れや皮膚の損傷及び老化の防止,改善効果が相乗的に向上した皮膚外用剤に関する。さらに詳しくは、カッコンの抽出物及び抽出分画物より選択した1種又は2種以上、もしくはその有効成分である4',7-ジヒドロキシイソフラボンと、グリコーゲンとを併用して成る皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
加齢や紫外線曝露,皮膚組織内において発生する活性酸素種等による酸化的ストレス、薬物や種々のアレルゲンとの接触などにより、皮膚の炎症反応や皮膚の損傷及び老化が進行することが知られている。これまで皮膚外用剤の分野では、かかる皮膚の炎症や老化を防止するべく、活性酸素種消去剤や抗炎症剤,抗アレルギー剤等多くの生理活性成分の探索及び検討がなされてきた。近年は、消費者の天然志向及び植物志向を反映してか、かかる成分を植物に求める傾向が強くなっている。
【0003】
しかしながら、すでに報告されている植物起源の上記成分の中には、活性が低いため、皮膚外用剤に配合して十分な作用効果を得るにはかなりの高濃度を要したり、安定性や安全性上問題があったり、皮膚外用剤に好ましくない色や臭いを付与してしまうものがあったりして、皮膚外用剤に配合した際に、製剤安定性及び安全性と、作用効果のすべての面で満足できるものは少ないのが現状であった。また皮膚の炎症反応や損傷,老化等は、種々の要因が複雑に関与し合って進行するため、前記反応の一部の過程のみに作用する物質を用いても十分な効果は得られなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明においては、複雑な皮膚の炎症性反応等を抑制し、肌荒れや皮膚の損傷及び老化の防止,改善効果が相乗的に向上した皮膚外用剤を得ることを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するべく種々検討したところ、本発明者らはカッコン(Puerariae Radix)の抽出物及び抽出分画物に高い線維芽細胞賦活作用及びコラーゲン産生促進作用を見いだし、さらにこれらより選択した1種又は2種以上と、グリコーゲンとを併用して皮膚外用剤に含有させることにより、良好な抗炎症作用及び皮膚の修復作用が得られ、肌荒れや皮膚の損傷及び老化の防止,改善効果の相乗的な向上が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
特に、カッコン抽出物及び抽出分画物として、4',7-ジヒドロキシイソフラボン(ダイゼイン)含有量の高いものを用いると、良好な効果が得られ、また4',7-ジヒドロキシイソフラボン自体と併用してもよい。
【0007】
なお、カッコン抽出物については、ムコ多糖断片化抑制,活性酸素消去,抗酸化作用(特開平6−24937)、脂肪合成促進作用(特開平11−199499)、毛乳頭活性化作用(特開平11−240823)が開示され、ヒアルロン酸産生促進作用も報告されている(日本薬学会第120年会講演要旨集2,第58ページ,2000年)が、I型コラーゲンの産生促進作用については全く知られていない。さらに、7-イソプロポキシイソフラボンの代謝物についてI型コラーゲンの合成促進作用が報告されている(Calcified Tissue International 55(5) 356-362 (1994))が、カッコン抽出物中の4',7-ジヒドロキシイソフラボンについては抗アセチルコリン作用を有することは周知であるものの、かかる報告はこれまでなされていない。
【0008】
また、グリコーゲンについては、保湿剤としての利用(特開昭62−178505,特開昭63−290809)や、線維芽細胞増殖作用(特開平11−255657)などが報告されている。しかしながら、カッコンの抽出物もしくは抽出分画物又は4',7-ジヒドロキシイソフラボンと、グリコーゲンとを併用することにより得られる本発明の効果は、これまで全く示唆すらされていない。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において用いるカッコン(Puerariae Radix)は、マメ科(Leguminosae)に属する落葉藤本であるクズ(Pueraria lobata Ohwi)の周皮を除いた根であり、日本産,韓国産及び中国産の角カッコン,板カッコン及び粉カッコンを用いることができる。
【0010】
カッコン(Puerariae Radix)は、生のまま抽出に供してもよいが、抽出効率を考えると、細切,乾燥,粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。抽出は、抽出溶媒に浸漬して行う。抽出効率を上げるため撹拌を行ったり、抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、4時間〜14日間程度とするのが適切である。
【0011】
抽出溶媒としては、水の他、メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール等の低級アルコール、1,3-ブチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル,プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル類、アセトン,エチルメチルケトン等のケトン類などの極性有機溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。また、生理食塩水,リン酸緩衝液,リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。
【0012】
カッコン(Puerariae Radix)の上記溶媒による抽出物は、そのままでも本発明に係る皮膚外用剤に含有させることができるが、濃縮,乾固したものを水や極性溶媒に再度溶解したり、或いはこれらの生理作用を損なわない範囲で脱色,脱臭,脱塩等の精製処理を行ったり、カラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。特に、イオン交換吸着樹脂に吸着させた後、水・エタノール混合溶媒にて順次溶出した際、50容量%〜99.5容量%エタノール水溶液により溶出される画分が4',7-ジヒドロキシイソフラボンを最も多く含有し、コラーゲン産生促進作用の点から最も好ましく用いられる。イオン交換樹脂としては、DIAION MCIゲル HP-20(三菱化学株式会社製)等が好ましく用いられる。カッコンの前記抽出物やその処理物及び分画物は、各処理及び分画の後凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
【0013】
また本発明においては、上記したカッコンの抽出物又はその分画物の替わりに、精製した4',7-ジヒドロキシイソフラボンを用いてもよい。
【0014】
本発明において、上記カッコン(Puerariae Radix)の抽出物及び抽出分画物の1種又は2種以上、もしくは4',7-ジヒドロキシイソフラボンと併用するグリコーゲンは、α-1,4-グルカン鎖にα-1,6結合によるグルカンの分枝を有するホモ多糖であり、動物の肝臓や筋肉,イガイ等貝類の貝肉,トウモロコシの種子,米粒,酵母等より抽出,調製したものを用いることができる。また、前記動植物等を基原とする市販品を用いてもよい。それらの中でも、ムラサキイガイ(Myti lus edulis)等イガイ類から抽出したグリコーゲンが優れた皮膚の損傷修復作用を有するため、最も好ましく使用できる。
【0015】
グリコーゲンは、動植物の各組織を細切又は粉砕して精製水に浸漬して抽出する。精製水に浸漬した後コロイド破砕機や超音波破砕機などにより破砕してもよい。遠心分離して得た抽出液を加熱処理及び/又はトリクロロ酢酸等で処理してタンパク質を除去した後、メタノール,エタノール,アセトン等の有機溶媒を添加してグリコーゲンを沈殿させるか、或いは濃縮した後、噴霧,乾燥することにより、グリコーゲンを回収することができる。
【0016】
本発明においては、カッコン(Puerariae Radix)の抽出物及び抽出分画物の1種又は2種以上、もしくは4',7-ジヒドロキシイソフラボンと、グリコーゲンとを皮膚外用剤基剤に含有させる。皮膚外用剤全量あたりの配合量としては、カッコン(Puerariae Radix)の抽出物又は抽出分画物についてはその調製方法により異なるが、0.0001〜5.0重量%程度、4',7-ジヒドロキシイソフラボンについては0.00001〜0.1重量%程度、グリコーゲンについては0.001〜5.0重量%程度とするのが適切である。
【0017】
本発明に係る皮膚外用剤は、ローション剤,乳剤,ゲル剤,クリーム剤,軟膏剤,粉末剤,顆粒剤等、種々の剤型で提供することができる。また、化粧水,乳液,クリーム,美容液,パック等の皮膚化粧料、メイクアップベースローション,メイクアップベースクリーム等の下地化粧料、乳液状,油性,固形状等の各剤型のファンデーション,アイカラー,チークカラー等のメイクアップ化粧料、ハンドクリーム,レッグクリーム,ネッククリーム,ボディローション等の身体用化粧料等として提供することができる。
【0018】
なお本発明に係る皮膚外用剤には、カッコン(Puerariae Radix)抽出物等及びグリコーゲンの他に、油性成分,界面活性剤,保湿剤,顔料,紫外線吸収剤,抗酸化剤,香料,防菌防黴剤等の一般的な医薬品及び化粧料用原料や、皮膚細胞賦活剤,抗炎症剤,美白剤等の生理活性成分を含有させることができる。
【0019】
【実施例】
さらに本発明の特徴について、実施例により詳細に説明する。
【0020】
まず、本発明に係る皮膚外用剤に含有させるカッコン(Puerariae Radix)の抽出物及び抽出分画物と、グリコーゲンの調製について示す。
【0021】
[カッコン抽出物1]
カッコンの乾燥粉末200gをエタノール1リットル中に浸漬し、20℃で7日間静置して抽出し、抽出液をろ過して回収した後濃縮,乾固し、凍結乾燥して、標記カッコン抽出物とした。
【0022】
[カッコン抽出物2]
カッコン500gを細切し、エタノール2リットル中にて20℃で3日間撹拌抽出し、抽出液をろ過して回収した後濃縮,乾固し、グリセリン1リットルに溶解して、標記カッコン抽出物とした。
【0023】
[カッコン抽出物3]
カッコン250gを乾燥,粉砕し、50容量%エタノール水溶液2リットル中にて20℃で7日間浸漬した後、ろ過してろ液を回収して、カッコン抽出物3とした。
【0024】
[カッコン抽出分画物1〜4]
カッコン(Puerariae Radix)500gを乾燥,粉砕し、エタノール2リットル中に浸漬して、20℃で7日間静置して抽出した後、ろ過してろ液を回収し、次いで濃縮,乾固して凍結乾燥する。この乾燥粉末36.0gをエタノール500mlに溶解し、さらに精製水1500mlを加え、600mlのDIAIONMCIゲル HP-20(三菱化学株式会社製)を添加して1時間撹拌した後、ろ過して前記樹脂を回収してカラムに充填し、水・エタノールの混合溶媒にて順次段階的に溶出した。その際、50容量%エタノール水溶液,70容量%エタノール水溶液,90容量%エタノール水溶液及び99.5容量%エタノール水溶液にて溶出される画分を回収し、それぞれ凍結乾燥して、標記抽出分画物1〜4とした。
【0025】
[ムラサキイガイ由来グリコーゲン]
ムラサキイガイ(Mytilus edulis)の貝肉10kgに熱水5リットルを加え15分間静置した後、コロイド破砕機により破砕する。前記破砕液を放冷した後、4℃にて8,000rpmで5分間遠心分離し、上清に5重量%になるまでトリクロロ酢酸を加えてタンパク質を沈殿させてろ過し、ろ液をさらにメンブランフィルターにて除菌ろ過し、濃縮した後、スプレードライヤーにより噴霧,乾燥して得た。
【0026】
[トウモロコシ種子由来グリコーゲン]
トウモロコシ(Zea mays L.)の種子1kgを粉砕機で粉砕し、精製水1kgを加えて混合し、室温で15分間撹拌抽出する。抽出液をろ過してろ液を8,500rpmにて5分間遠心分離し、上清を95℃で20分間加熱処理し、冷却後、5,000rpmで5分間遠心分離して凝固したタンパク質を除去した。上清を4℃に冷却し、5重量%になるまでトリクロロ酢酸を加えてタンパク質を沈殿させてろ過し、ろ液を3倍量のメタノールに注加して生じた沈殿物を5,000rpmで5分間遠心分離して回収し、メタノール,エタノール,ジエチルエーテルで順次洗浄した後、凍結乾燥して得た。
【0027】 [米由来グリコーゲン]
精白米1kgを破砕機にて粉砕し、精製水10リットルを加えて20℃で15分間撹拌抽出する。抽出液をろ過してろ液を8,500rpmにて5分間遠心分離し、上清を95℃で15分間加熱処理し、冷却後、4,000rpmで5分間遠心分離して凝固したタンパク質を除去した。上清を4℃に冷却し、5重量%になるまでトリクロロ酢酸を加えてタンパク質を沈殿させてろ過し、ろ液を3倍量のエタノールに注加して生じた沈殿物を5,000rpmで5分間遠心分離して回収し、メタノール,エタノール,ジエチルエーテルで順次洗浄した後、凍結乾燥して得た。
【0028】
続いて、本発明に係る皮膚外用剤についての実施例の処方を示す。
【0029】
[実施例1] ローション剤
(1)エタノール 20.00(重量%)
(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.00
(3)カッコン抽出物1 0.05
(4)ムラサキイガイ由来グリコーゲン 0.20
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(6)ジプロピレングリコール 5.00
(7)1,3-ブチレングリコール 10.00
(8)精製水 63.65
製法:(1)に(2),(3)を添加して溶解し、アルコール相とする。一方、(8)に(4)〜(7)を順次溶解して水相とする。水相にアルコール相を添加し、撹拌,混合する。
【0030】
[実施例2] 乳剤
(1)セタノール 1.00(重量%)
(2)ミツロウ 0.50
(3)ワセリン 2.00
(4)スクワラン 6.00
(5)ジメチルポリシロキサン 2.00
(6)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.00
モノステアリン酸エステル
(7)グリセリルモノステアリン酸エステル 1.00
(8)グリセリン 4.00
(9)1,3-ブチレングリコール 4.00
(10)トウモロコシ種子由来グリコーゲン 0.10
(11)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(12)精製水 62.28
(13)カルボキシビニルポリマー 10.00
(1.0重量%水溶液)
(14)水酸化カリウム(10.0重量%水溶液) 1.00
(15)エタノール 5.00
(16)カッコン抽出分画物1 0.02
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合し、加熱溶解して75℃とする。一方、(8)〜(12)の水相成分を混合,溶解して75℃とする。これに前記油相を加えて予備乳化した後、(13)を添加してホモミキサーにて均一に乳化し、次いで(14)を加えて増粘させた後冷却し、40℃で(16)を(15)に溶解して添加,混合する。
【0031】
[実施例3] 水中油型クリーム剤
(1)ミツロウ 6.00(重量%)
(2)セタノール 5.00
(3)還元ラノリン 8.00
(4)スクワラン 27.50
(5)グリセリル脂肪酸エステル 4.00
(6)親油型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.00
(7)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 5.00
モノラウリン酸エステル
(8)プロピレングリコール 5.00
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(10)カッコン抽出分画物2 0.02
(11)米由来グリコーゲン 0.25
(12)精製水 37.13
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,溶解して75℃とする。一方、(9),(10)を(8)に溶解して(11)とともに(12)に加えて混合,溶解し、75℃に加熱する。次いで、この水相成分に前記油相成分を添加して予備乳化した後ホモミキサーにて均一に乳化し、冷却する。
【0032】
[実施例4] ゲル剤
(1)ジプロピレングリコール 10.00(重量%)
(2)カルボキシビニルポリマー 0.50
(3)水酸化カリウム(10.0重量%水溶液) 1.00
(4)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(5)カッコン抽出分画物3 0.02
(6)ムラサキイガイ由来グリコーゲン 0.15
(7)精製水 88.23
製法:(7)に(2),(6)を均一に溶解した後、(1)に(4),(5)を溶解して添加し、次いで(3)を加えて増粘させる。
【0033】
[実施例5] 水中油型乳剤型軟膏
(1)白色ワセリン 25.0(重量%)
(2)ステアリルアルコール 25.0
(3)グリセリン 12.0
(4)ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
(5)ムラサキイガイ由来グリコーゲン 0.1
(6)トウモロコシ種子由来グリコーゲン 0.1
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8)精製水 35.2
(9)カッコン抽出分画物4の1.0(w/v)% 1.5
エタノール溶液
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,加熱して均一に溶解し、75℃とする。一方、(5)〜(8)の水相成分を混合,加熱して75℃とする。この水相成分に前記油相成分を撹拌しながら徐々に添加して乳化し、冷却した後、40℃にて(9)を添加,混合する。
【0034】
[実施例6] リポソーム剤
(1)グリセリン 2.0(重量%)
(2)1,3-ブチレングリコール 3.0
(3)ポリオキシエチレン(25E.O.)オレイルエーテル 0.2
(4)エタノール 10.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)精製水 79.7
(7)4',7-ジヒドロキシイソフラボン,ムラサキ 5.0
イガイ由来グリコーゲン内包リポソーム
製法:(5)を(4)に溶解し、(1)〜(3)とともに(6)に添加して均一に混合し、これに(7)を加えて分散する。なお、(7)の4',7-ジヒドロキシイソフラボン,ムラサキイガイ由来グリコーゲン内包リポソームは、4',7-ジヒドロキシイソフラボンを1.0(w/v)%含有する50容量%エタノール水溶液50mlと、ムラサキイガイ由来グリコーゲンの2.5(w/v)%水溶液50mlに、大豆レシチン80gを添加して55℃で懸濁し、次いで超音波処理してリポソームを調製し、遠心分離により回収して得た。
【0035】
[実施例7] 油中水型エモリエントクリーム
(1)流動パラフィン 30.00(重量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.00
(3)ワセリン 5.00
(4)ジグリセリルジオレイン酸エステル 5.00
(5)L-グルタミン酸ナトリウム 1.60
(6)L-セリン 0.40
(7)プロピレングリコール 3.00
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(9)カッコン抽出物2 0.50
(10)米由来グリコーゲン 0.02
(11)精製水 52.28
(12)香料 0.10
製法:(5),(6)を(11)の一部に溶解して50℃とし、あらかじめ50℃に加温した(4)に撹拌しながら徐々に添加する。これをあらかじめ混合し、70℃に加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散する。これに、(8),(9)を(7)に溶解して(10)とともに(11)の残部に添加し、70℃に加熱したものを撹拌しながら加え、ホモミキサーにて乳化する。冷却後、40℃にて(12)を添加,混合する。
【0036】
[実施例8] メイクアップベースクリーム
(1)ステアリン酸 12.00(重量%)
(2)セタノール 2.00
(3)グリセリルトリ2-エチルヘキサン酸エステル 2.50
(4)自己乳化型グリセリルモノステアリン酸 2.00
エステル
(5)プロピレングリコール 10.00
(6)トウモロコシ種子由来グリコーゲン 0.02
(7)水酸化カリウム 0.30
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(9)精製水 67.48
(10)酸化チタン 2.00
(11)ベンガラ 0.40
(12)黄酸化鉄 0.10
(13)香料 0.10
(14)カッコン抽出物3 1.00
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,溶解して75℃とする。一方、(5)〜(9)の水相成分を混合,加熱溶解し、これに(10)〜(12)の顔料成分を添加してホモミキサーにて均一に分散して75℃とする。次いで、この水相成分に前記油相成分を添加してホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(13),(14)を添加,混合する。
【0037】
[実施例9] 乳液状ファンデーション
(1)ステアリン酸 2.00(重量%)
(2)スクワラン 5.00
(3)ミリスチン酸オクチルドデシル 5.00
(4)セタノール 1.00
(5)デカグリセリルモノイソパルミチン酸エステル 9.00
(6)1,3-ブチレンクリコール 6.00
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(8)カッコン抽出物1 0.01
(9)米由来グリコーゲン 0.05
(10)水酸化カリウム 0.08
(11)精製水 53.51
(12)酸化チタン 9.00
(13)タルク 7.40
(14)ベンガラ 0.50
(15)黄酸化鉄 1.10
(16)黒酸化鉄 0.10
(17)香料 0.15
製法:(1)〜(5)の油相成分を混合,溶解して75℃とする。一方、(7),(8)を(6)に溶解して(9),(10)とともに(11)に加えて混合,加熱溶解し、これに(12)〜(16)の顔料成分を添加してホモミキサーにて均一に分散して75℃とする。次いで、この水相成分に前記油相成分を添加してホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(17)を添加,混合する。
【0038】
[実施例10] ハンドクリーム
(1)セタノール 4.00(重量%)
(2)ワセリン 2.00
(3)流動パラフィン 10.00
(4)グリセリルモノステアリン酸エステル 1.50
(5)ポリオキシエチレン(60E.O.)グリセリル 2.50
イソステアリン酸エステル
(6)酢酸トコフェロール 0.25
(7)グリセリン 20.00
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(9)カッコン抽出分画物1 0.02
(10)ムラサキイガイ由来グリコーゲン 0.05
(11)精製水 59.58
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,溶解して75℃とする。一方、(8),(9)を(7)に溶解して(10)とともに(11)に加えて混合,溶解し、75℃とする。次いで、この水相成分に前記油相成分を添加してホモミキサーにて均一に乳化し、冷却する。
【0039】
上記した本発明に係る実施例のうち、実施例1〜実施例6について、中波長紫外線(UVB)による皮膚のしわ形成に対する抑制効果を評価した。その際実施例1〜実施例6において、それぞれ配合したカッコン抽出物又は分画物及び各種グリコーゲン、或いは4',7-ジヒドロキシイソフラボン,ムラサキイガイ由来グリコーゲン内包リポソームを、表1に示すように代替して比較例1〜比較例6とし、同時に評価を行った。評価は、ヘアレスマウス5匹を1群とし、各群について実施例及び比較例をそれぞれ0.2gずつ1日1回背部に塗布し、100mJ/cm2/回のUVBを1週間に3回、20週間照射し、ヘアレスマウス皮膚におけるしわの形成状況を観察し、表2に示す判定基準に従って点数化して評価した。この際、精製水のみを塗布した群を対照とした。結果は各群の平均値を算出し、UVB照射日数との関係により表3に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
表3より明らかなように、対照においては、UVB照射日数が10週を越える頃には皮膚に形成されたしわの深さは中程度にまで達し、20週後には深いしわの形成が認められていた。カッコン抽出分画物4とムラサキイガイ由来グリコーゲン,トウモロコシ種子由来グリコーゲンのすべてを精製水に代替した比較例5塗布群では、対照と比べて有意なしわの形成抑制効果は見られていなかった。カッコンの抽出物又は抽出分画物、ムラサキイガイ由来グリコーゲン又はトウモロコシ種子由来グリコーゲンのいずれかを精製水に代替した比較例1〜比較例4、及び4',7-ジヒドロキシイソフラボンのみを内包するリポソームを含有する比較例6塗布群では、20週後に軽微なしわの形成が認められる程度で、しわの形成は良好に抑制されていたが、実施例塗布群ではいずれも20週後に微小なしわの形成が認められた程度で、それぞれ対応する比較例塗布群に比べて、しわ形成に対する抑制効果は有意に向上していた。
【0044】
続いて、本発明の実施例1〜実施例10について使用試験を行い、皮膚の老化症状の改善効果を評価した。その際、実施例7〜実施例10において、配合したカッコン抽出物又は抽出分画物及び各種グリコーゲンを表4に示すように代替して比較例7〜比較例10とし、上記比較例1〜比較例6とともに同時に使用試験に供した。
【0045】
【表4】
【0046】
皮膚の老化症状の改善効果は、小じわ形成及び皮膚弾性の低下が顕著に認められる40才代〜60才代の女性パネラー20名を1群とし、各群に実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて1日2回、2カ月間連続して使用させて評価した。小じわの程度については肉眼観察及び写真撮影により評価し、皮膚弾性についてはキュートメーターにより測定して、それぞれ使用試験開始前及び終了後の状態を比較し、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の3段階で評価した。結果は、各評価を得たパネラー数にて表5に示した。
【0047】
【表5】
【0048】
表5より明らかなように、カッコン抽出分画物,ムラサキイガイ由来グリコーゲン及びトウモロコシ種子由来グリコーゲンのすべてを精製水に代替した比較例5使用群を除いて、他の比較例使用群のそれぞれにおいてもほぼ良好なしわ及び皮膚弾性の改善傾向が認められていたが、実施例使用群においては、それぞれ対応する比較例使用群に比べて、明確な改善を認めたパネラーは有意に多くなっていた。
【0049】
また、本発明の実施例1〜実施例10及び比較例1〜比較例10について、肌荒れ症状の改善効果を評価した。肌荒れ症状の改善効果は、顕著な肌荒れ症状を呈する20才代〜60才代の女性パネラー20名を1群とし、各群に実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて1日2回、2カ月間連続して使用させて評価した。使用試験開始前及び終了後の皮膚の状態を、表6に示す評価基準に従って評価,点数化し、20名の平均値を算出して表7に示した。
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
表7より明らかなように、本発明の実施例使用群ではいずれにおいても顕著な肌荒れの改善が認められ、使用試験終了後において、皮膚の状態はほぼ良好な状態まで改善されていた。これに対し比較例使用群においても、比較例5使用群を除きかなり良好な肌荒れの改善が認められていたが、その程度はそれぞれ対応する実施例使用群に比べて小さいものであった。
【0053】
なお実施例1〜実施例10については、25℃で6カ月間保存した場合において状態の変化は全く認められず、男性パネラー30名による48時間の背部閉塞貼付試験においても、問題となる皮膚刺激性反応は認められなかった。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、安定性及び安全性が良好で、肌荒れ及び皮膚の老化の防止,改善効果が相乗的に向上した皮膚外用剤を得ることができた。
Claims (4)
- カッコン(Puerariae Radix)の抽出物及び抽出分画物より選択した1種又は2種以上と、グリコーゲンとを含有して成る、肌荒れ改善用皮膚外用剤。
- カッコン(Puerariae Radix)の抽出分画物が、抽出物をイオン交換吸着樹脂に吸着させた後、水・エタノール混合溶媒にて順次溶出した際、50容量%〜99.5容量%エタノール水溶液により溶出される画分であることを特徴とする、請求項1に記載の肌荒れ改善用皮膚外用剤。
- 4',7-ジヒドロキシイソフラボンと、グリコーゲンとを含有して成る、肌荒れ改善用皮膚外用剤。
- グリコーゲンが、イガイより抽出されたものであることを特徴とする、請求項1〜請求項3の一項に記載の肌荒れ改善用皮膚外用剤。
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