JP2004345215A - 木質床材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】局部的な耐荷重性に優れるとともに、耐水性に優れた木質床材、およびそれをコスト的に有利に製造する方法を提供する。
【解決手段】予め、溶融軟化温度が100〜140℃のポリエステル樹脂シートと下地合板2とを接着剤4により接着させ、さらに上記ポリエステル樹脂シートの上に突板2を載置してホットプレスを行い、ポリエステル樹脂シートの上部層と突板2とを溶融粘着させて得られた木質床材A。好ましくは、上記ホットプレスをプレス温度120〜150℃、プレス圧力約1〜10kg/cm2、プレス時間10〜60秒で行なう。
【選択図】図2
【解決手段】予め、溶融軟化温度が100〜140℃のポリエステル樹脂シートと下地合板2とを接着剤4により接着させ、さらに上記ポリエステル樹脂シートの上に突板2を載置してホットプレスを行い、ポリエステル樹脂シートの上部層と突板2とを溶融粘着させて得られた木質床材A。好ましくは、上記ホットプレスをプレス温度120〜150℃、プレス圧力約1〜10kg/cm2、プレス時間10〜60秒で行なう。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質床材およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、突板を下地合板の上に貼着してなる、天然木調の外観を有する木質床材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、突板を化粧面に使用した突板複合板ないしは化粧材、およびその製造方法については、各種の技術が知られている(例えば、特許文献1、2、3参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭62−116142号公報(第1.2頁、第1図、第2図)
【特許文献2】
特開2001−162758号公報(第1.2頁、第1〜4図)
【特許文献3】
特開2002−337291号公報(第1.2頁、第1〜4図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来法による突板複合板は、木質系基材として、例えば、中密度繊維板(MDF)を用い、その表面に突板を貼着した複合板を使用することが多い。しかしながら床材として使用する場合、重い家具等を据付けたとき、局部的な荷重に弱いため凹みが生じたり、基材にクラックが生じるという問題がある。さらに、木質系であるがゆえに、耐水性に劣るという問題がある。本発明は、このような問題を解決して、局部的な耐荷重性に優れるとともに、耐水性も優れた木質床材および、それをコスト的に有利に製造する方法を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、つぎのような技術的手段を講じている。すなわち、本願第一発明によれば、突板とポリエステル樹脂シートと下地合板とを積層してなる木質床材であって、該突板と下地合板との間に溶融軟化温度が100〜140℃のポリエステル樹脂シートを介装するとともに、上記突板とポリエステル樹脂シートの上部層とは溶融粘着され、上記ポリエステル樹脂シートの下面と下地合板とは接着剤により接着されてなる木質床材が提供される。このようにすることによって、強度が補強されるとともに局部的な耐荷重性、耐水性に優れた木質床材を得ることができる。
【0006】
上記ポリエステル樹脂シートの厚さを1.2〜2.3mmとすることが好ましい。1.2〜2.3mm厚の硬質のポリエステル樹脂シートを突板と下地合板との間に介装し、溶融粘着することによって、木質床材自体の強度が補強されるとともに、本棚等、荷重が局部的にかかる家具を据えても、木質床材に凹みが生じたり、基材にクラックが生じることを防ぎ、上記ポリエステル樹脂シートが水の浸入を防ぐため、耐水性を向上させることができる。
【0007】
上記突板と溶融粘着されるポリエステル樹脂シートの上部層が全厚みの20〜30%とすることが好ましい。このように、ポリエステル樹脂の一部を溶融軟化させ、粘着剤として利用することによって、突板との間に十分に粘着作用を発揮し、非溶融の硬質ポリエステル樹脂と突板とがしっかりと粘着する。
【0008】
上記溶融軟化温度が100〜140℃のポリエステル樹脂としては、ポリチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合樹脂等があげられるが、中でもポリチレンテレフタレート樹脂を用いることが好ましい。ポリチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)は、安価で入手し易く、とくに、ペットボトルからのリサイクル品を用いることにより、省資源、省エネルギーを図ることができる。
【0009】
つぎに、本願第二発明によれば、予め、溶融軟化温度が100〜140℃のポリエステル樹脂シートと下地合板とを接着剤により接着させ、さらに上記ポリエステル樹脂シートの上に突板を載置してホットプレスを行い、ポリエステル樹脂シートの上部層と突板とを溶融粘着させることを特徴とする木質床材の製造方法が提供される。このようにすることにより、局部的な耐荷重性に優れるとともに、耐水性に優れた木質床材をコスト的に有利に製造することができる。
【0010】
上記ポリエステル樹脂シートと下地合板とを、予め接着させるには公知の接着方法、例えば、コールドプレス法により行なえばよく、また、それに用いるための接着剤はとくに限定されることなく公知の接着剤が使用可能であり、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アルキド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ゴム系樹脂、その他天然ロジン系樹脂等をあげることができる。中でも、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂が好ましく用いられる。
【0011】
上記ホットプレスは、プレス温度約120〜150℃、プレス圧力を約1〜10kg/cm2で行なわれることが好ましい。上記したように、突板と下地合板との間に介装されるポリエステル樹脂シートの厚さの20〜30%に相当する上部層部分のみを溶融軟化するには、上記ポリエステル樹脂シートの溶融軟化温度よりも若干高めとすることが好ましく、上記温度範囲が選択される。また、プレス時間は10〜60秒とすることが好ましい。上記したホットプレス条件は、ホットプレス後のポリエステル樹脂シートの厚さが、1.0mm±0.05mmを保つように適宜、調節される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照してさらに詳細に説明する。図3は、本願第一発明にかかる木質床材Aの構成を示す側断面図であり、本実施形態においては、ポリエステル樹脂シートとして、PETシート1を用いている。図3からよくわかるように、上記木質床材Aは、突板2とPETシート1と下地合板3とを、この順に積層してなり、上記突板2とPETシート1の上部層とは溶融粘着され、また、PETシート1の下面と下地合板3とは接着剤4により接着されている。
【0013】
つぎに、本願第二発明にかかる木質床材の製造方法を実施例により、詳細に説明する。
【0014】
【実施例】
下地合板3として厚さ5mmの平行合板(3×6尺)を用い、この上に接着剤4として、水性ビニル系接着剤を塗布量100g/m2の割合で塗布し、厚さ1.25mmのペットボトルからリサイクルしたPETシート1を貼着した。プレス圧力7kg/cm2、プレス時間60分でコールドプレスを行い、その後、3日間養生した。養生後、PETシート1をしっかりと貼着した平行合板Bが得られた。上記平行合板Bの側断面図を模式的に図1に示す。さらに、上記平行合板Bを1×6尺に裁断し、その上に厚さ0.25mmの突板2を載置してホットプレスを行なった。
【0015】
ホットプレスの条件は、プレス温度130℃、プレス圧力7kg/cm2、プレス時間30秒であり、ホットプレスを行なう間にPETシート1の上部層が厚さ約0.2mmに亘って溶融し、上記突板2と粘着した。図2は、上記ホットプレスを行なう状態を模式的に示した側断面図である。図2において、符号11で示す部分は、突板2との粘着に用いられるPETシート1の溶融部分を示す。ホットプレス終了後、PETシート1の厚みは約1mmとなり、本願第一発明にかかる木質床材Aを得ることができた。得られた木質床材Aの側断面図を図3に示す。
【0016】
かくして得られた木質床材Aは突板2で化粧され、突板2と下地合板3との間に厚さ約1mmの硬質PETシート1が介装されているため、天然木調の外観を有するとともに、その強度も優れたものであった。また、局部的な耐荷重性も優れており、一般的な使用条件では、ほとんど凹みはみられなかった。さらに、耐水性試験の結果も問題なく、良好であった。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の本願第一発明は、上記のとおりであり、とくに、突板2と下地合板2との間に溶融軟化温度が100〜140℃のポリエステル樹脂シートを介装することを特徴とする。このようにすることによって、強度が補強され、また、局部的な耐荷重性、耐水性に優れた木質床材Aを得ることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、上記ポリエステル樹脂シートの厚さが1.2〜2.3mmとされる。1.2〜2.3mm厚の硬質ポリエステル樹脂シートを軟質の突板2と下地合板2との間に介装し、溶融粘着することによって、請求項1に記載の発明の効果に加えて、木質床材A自体の強度が補強されるとともに、局部的な荷重によって木質床材Aに凹みが生じたり、基材にクラックが生じることを防ぎ、水の浸入も防いで耐水性を向上させることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、上記突板2と溶融粘着されるポリエステル樹脂シートの上部層が全厚さの20〜30%とされる。このように、ポリエステル樹脂シートの一部を溶融軟化させ、粘着剤として利用することによって、請求項1に記載の発明の効果に加えて、突板2との間に十分な粘着作用を発揮し、非溶融の硬質ポリエステル樹脂シートと突板2とをしっかりと粘着させることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、上記ポリエステル樹脂として、ポリチレンテレフタレート樹脂が用いられる。ポリチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)は、安価で入手し易く、とくに、ペットボトルからのリサイクル品を用いることにより、請求項1に記載の発明の効果に加えて、省資源、省エネルギーを図ることができる。
【0021】
請求項5に記載の本願第二発明は、上記のとおりであり、とくに、ポリエステル樹脂シートの上に突板2を載置してホットプレスを行い、ポリエステル樹脂シートの上部層と突板2とを溶融粘着させることを特徴とする。このようにすることにより、局部的な耐荷重性に優れるとともに、耐水性に優れた木質床材Aをコスト的に有利に製造することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、上記ホットプレスをプレス温度120〜150℃、プレス圧力約1〜10kg/cm2、プレス時間10〜60秒で行なう。このようにすることにより、請求項5に記載の発明の効果に加えて、突板22で化粧され、突板22と下地合板23との間に厚さ約1mmの硬質PETシート1が介装された天然木調の外観を有するとともに、強度も優れた木質床材Aを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PET樹脂シートを貼着した平行合板を模式的に示す側断面図である。
【図2】図1に示す上記PET樹脂シートの上に突板をホットプレスする状態を模式的に示す側断面図である。
【図3】本発明にかかる木質床材を示す側断面図である。
【符号の説明】
A 本願第一発明にかかる木質床材
B PET樹脂シートを貼着した平行合板
1 PET樹脂シート
11 突板との粘着に用いられるPET樹脂シートの溶融部分。
2 突板
3 下地合板
4 接着剤
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質床材およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、突板を下地合板の上に貼着してなる、天然木調の外観を有する木質床材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、突板を化粧面に使用した突板複合板ないしは化粧材、およびその製造方法については、各種の技術が知られている(例えば、特許文献1、2、3参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭62−116142号公報(第1.2頁、第1図、第2図)
【特許文献2】
特開2001−162758号公報(第1.2頁、第1〜4図)
【特許文献3】
特開2002−337291号公報(第1.2頁、第1〜4図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来法による突板複合板は、木質系基材として、例えば、中密度繊維板(MDF)を用い、その表面に突板を貼着した複合板を使用することが多い。しかしながら床材として使用する場合、重い家具等を据付けたとき、局部的な荷重に弱いため凹みが生じたり、基材にクラックが生じるという問題がある。さらに、木質系であるがゆえに、耐水性に劣るという問題がある。本発明は、このような問題を解決して、局部的な耐荷重性に優れるとともに、耐水性も優れた木質床材および、それをコスト的に有利に製造する方法を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、つぎのような技術的手段を講じている。すなわち、本願第一発明によれば、突板とポリエステル樹脂シートと下地合板とを積層してなる木質床材であって、該突板と下地合板との間に溶融軟化温度が100〜140℃のポリエステル樹脂シートを介装するとともに、上記突板とポリエステル樹脂シートの上部層とは溶融粘着され、上記ポリエステル樹脂シートの下面と下地合板とは接着剤により接着されてなる木質床材が提供される。このようにすることによって、強度が補強されるとともに局部的な耐荷重性、耐水性に優れた木質床材を得ることができる。
【0006】
上記ポリエステル樹脂シートの厚さを1.2〜2.3mmとすることが好ましい。1.2〜2.3mm厚の硬質のポリエステル樹脂シートを突板と下地合板との間に介装し、溶融粘着することによって、木質床材自体の強度が補強されるとともに、本棚等、荷重が局部的にかかる家具を据えても、木質床材に凹みが生じたり、基材にクラックが生じることを防ぎ、上記ポリエステル樹脂シートが水の浸入を防ぐため、耐水性を向上させることができる。
【0007】
上記突板と溶融粘着されるポリエステル樹脂シートの上部層が全厚みの20〜30%とすることが好ましい。このように、ポリエステル樹脂の一部を溶融軟化させ、粘着剤として利用することによって、突板との間に十分に粘着作用を発揮し、非溶融の硬質ポリエステル樹脂と突板とがしっかりと粘着する。
【0008】
上記溶融軟化温度が100〜140℃のポリエステル樹脂としては、ポリチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合樹脂等があげられるが、中でもポリチレンテレフタレート樹脂を用いることが好ましい。ポリチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)は、安価で入手し易く、とくに、ペットボトルからのリサイクル品を用いることにより、省資源、省エネルギーを図ることができる。
【0009】
つぎに、本願第二発明によれば、予め、溶融軟化温度が100〜140℃のポリエステル樹脂シートと下地合板とを接着剤により接着させ、さらに上記ポリエステル樹脂シートの上に突板を載置してホットプレスを行い、ポリエステル樹脂シートの上部層と突板とを溶融粘着させることを特徴とする木質床材の製造方法が提供される。このようにすることにより、局部的な耐荷重性に優れるとともに、耐水性に優れた木質床材をコスト的に有利に製造することができる。
【0010】
上記ポリエステル樹脂シートと下地合板とを、予め接着させるには公知の接着方法、例えば、コールドプレス法により行なえばよく、また、それに用いるための接着剤はとくに限定されることなく公知の接着剤が使用可能であり、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アルキド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ゴム系樹脂、その他天然ロジン系樹脂等をあげることができる。中でも、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂が好ましく用いられる。
【0011】
上記ホットプレスは、プレス温度約120〜150℃、プレス圧力を約1〜10kg/cm2で行なわれることが好ましい。上記したように、突板と下地合板との間に介装されるポリエステル樹脂シートの厚さの20〜30%に相当する上部層部分のみを溶融軟化するには、上記ポリエステル樹脂シートの溶融軟化温度よりも若干高めとすることが好ましく、上記温度範囲が選択される。また、プレス時間は10〜60秒とすることが好ましい。上記したホットプレス条件は、ホットプレス後のポリエステル樹脂シートの厚さが、1.0mm±0.05mmを保つように適宜、調節される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照してさらに詳細に説明する。図3は、本願第一発明にかかる木質床材Aの構成を示す側断面図であり、本実施形態においては、ポリエステル樹脂シートとして、PETシート1を用いている。図3からよくわかるように、上記木質床材Aは、突板2とPETシート1と下地合板3とを、この順に積層してなり、上記突板2とPETシート1の上部層とは溶融粘着され、また、PETシート1の下面と下地合板3とは接着剤4により接着されている。
【0013】
つぎに、本願第二発明にかかる木質床材の製造方法を実施例により、詳細に説明する。
【0014】
【実施例】
下地合板3として厚さ5mmの平行合板(3×6尺)を用い、この上に接着剤4として、水性ビニル系接着剤を塗布量100g/m2の割合で塗布し、厚さ1.25mmのペットボトルからリサイクルしたPETシート1を貼着した。プレス圧力7kg/cm2、プレス時間60分でコールドプレスを行い、その後、3日間養生した。養生後、PETシート1をしっかりと貼着した平行合板Bが得られた。上記平行合板Bの側断面図を模式的に図1に示す。さらに、上記平行合板Bを1×6尺に裁断し、その上に厚さ0.25mmの突板2を載置してホットプレスを行なった。
【0015】
ホットプレスの条件は、プレス温度130℃、プレス圧力7kg/cm2、プレス時間30秒であり、ホットプレスを行なう間にPETシート1の上部層が厚さ約0.2mmに亘って溶融し、上記突板2と粘着した。図2は、上記ホットプレスを行なう状態を模式的に示した側断面図である。図2において、符号11で示す部分は、突板2との粘着に用いられるPETシート1の溶融部分を示す。ホットプレス終了後、PETシート1の厚みは約1mmとなり、本願第一発明にかかる木質床材Aを得ることができた。得られた木質床材Aの側断面図を図3に示す。
【0016】
かくして得られた木質床材Aは突板2で化粧され、突板2と下地合板3との間に厚さ約1mmの硬質PETシート1が介装されているため、天然木調の外観を有するとともに、その強度も優れたものであった。また、局部的な耐荷重性も優れており、一般的な使用条件では、ほとんど凹みはみられなかった。さらに、耐水性試験の結果も問題なく、良好であった。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の本願第一発明は、上記のとおりであり、とくに、突板2と下地合板2との間に溶融軟化温度が100〜140℃のポリエステル樹脂シートを介装することを特徴とする。このようにすることによって、強度が補強され、また、局部的な耐荷重性、耐水性に優れた木質床材Aを得ることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、上記ポリエステル樹脂シートの厚さが1.2〜2.3mmとされる。1.2〜2.3mm厚の硬質ポリエステル樹脂シートを軟質の突板2と下地合板2との間に介装し、溶融粘着することによって、請求項1に記載の発明の効果に加えて、木質床材A自体の強度が補強されるとともに、局部的な荷重によって木質床材Aに凹みが生じたり、基材にクラックが生じることを防ぎ、水の浸入も防いで耐水性を向上させることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、上記突板2と溶融粘着されるポリエステル樹脂シートの上部層が全厚さの20〜30%とされる。このように、ポリエステル樹脂シートの一部を溶融軟化させ、粘着剤として利用することによって、請求項1に記載の発明の効果に加えて、突板2との間に十分な粘着作用を発揮し、非溶融の硬質ポリエステル樹脂シートと突板2とをしっかりと粘着させることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、上記ポリエステル樹脂として、ポリチレンテレフタレート樹脂が用いられる。ポリチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)は、安価で入手し易く、とくに、ペットボトルからのリサイクル品を用いることにより、請求項1に記載の発明の効果に加えて、省資源、省エネルギーを図ることができる。
【0021】
請求項5に記載の本願第二発明は、上記のとおりであり、とくに、ポリエステル樹脂シートの上に突板2を載置してホットプレスを行い、ポリエステル樹脂シートの上部層と突板2とを溶融粘着させることを特徴とする。このようにすることにより、局部的な耐荷重性に優れるとともに、耐水性に優れた木質床材Aをコスト的に有利に製造することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、上記ホットプレスをプレス温度120〜150℃、プレス圧力約1〜10kg/cm2、プレス時間10〜60秒で行なう。このようにすることにより、請求項5に記載の発明の効果に加えて、突板22で化粧され、突板22と下地合板23との間に厚さ約1mmの硬質PETシート1が介装された天然木調の外観を有するとともに、強度も優れた木質床材Aを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PET樹脂シートを貼着した平行合板を模式的に示す側断面図である。
【図2】図1に示す上記PET樹脂シートの上に突板をホットプレスする状態を模式的に示す側断面図である。
【図3】本発明にかかる木質床材を示す側断面図である。
【符号の説明】
A 本願第一発明にかかる木質床材
B PET樹脂シートを貼着した平行合板
1 PET樹脂シート
11 突板との粘着に用いられるPET樹脂シートの溶融部分。
2 突板
3 下地合板
4 接着剤
Claims (6)
- 突板とポリエステル樹脂シートと下地合板とを積層してなる木質床材であって、該突板と下地合板との間に溶融軟化温度が100〜140℃のポリエステル樹脂シートを介装するとともに、上記突板とポリエステル樹脂シートの上部層とは溶融粘着され、上記ポリエステル樹脂シートの下面と下地合板とは接着剤により接着されてなる木質床材。
- 上記ポリエステル樹脂シートの厚さが1.2〜2.3mmである請求項1に記載の木質床材。
- 上記突板と溶融粘着されるポリエステル樹脂シートの上部層が全厚さの20〜30%である請求項1に記載の木質床材。
- 上記ポリエステル樹脂がポリチレンテレフタレート樹脂である請求項1に記載の木質床材。
- 予め、溶融軟化温度が100〜140℃のポリエステル樹脂シートと下地合板とを接着剤により接着させ、さらに上記ポリエステル樹脂シートの上に突板を載置してホットプレスを行い、ポリエステル樹脂シートの上部層と突板とを溶融粘着させることを特徴とする木質床材の製造方法。
- 上記ホットプレスをプレス温度120〜150℃、プレス圧力約1〜10kg/cm2、プレス時間10〜60秒で行なう請求項5に記載の木質床材の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003144618A JP2004345215A (ja) | 2003-05-22 | 2003-05-22 | 木質床材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003144618A JP2004345215A (ja) | 2003-05-22 | 2003-05-22 | 木質床材およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004345215A true JP2004345215A (ja) | 2004-12-09 |
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JP2003144618A Pending JP2004345215A (ja) | 2003-05-22 | 2003-05-22 | 木質床材およびその製造方法 |
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JP (1) | JP2004345215A (ja) |
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KR100775930B1 (ko) * | 2007-02-23 | 2007-11-13 | 심대근 | 마루바닥재 |
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2003
- 2003-05-22 JP JP2003144618A patent/JP2004345215A/ja active Pending
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