JP3803160B2 - テーブル板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種テーブル(例えばミシン、机、車椅子、看護ベッド、幼児椅子、乗物座席等におけるテーブル)に使用でき、特にミシンのテーブルに適するテーブル板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、後出の図2を援用して示す刺繍ミシンのテーブルには、図7に示すような合板製テーブル板50が使用されてきた。この合板製テーブル板50は、合板51の上下両面に表面材52を接合したものであるが、次のような問題があった。
【0003】
▲1▼ 合板製テーブル板50は一般的に厚みの厚い合板を使用するので重く、刺繍ミシンのフレーム7に固定するまでの取扱性が悪かった。また、図2に二点鎖線で示すように、昇降部6を昇降させる際には大きな動力を要していた。特に、刺繍ヘッド数が多く、従って昇降部6の面積が大きいときには、昇降部を手動で昇降させる場合には作業者に負担が掛かり、電動で昇降させる場合には大型の昇降機構が必要であった。
【0004】
▲2▼ 合板51は振動吸収性が十分でなく、刺繍ミシンの振動と振動による騒音を十分に抑えることができなかった。
▲3▼ 合板51の材料としては輸入木材が多く使用されているが、現地では森林伐採が進んでいるため、環境保全の問題も生じている。
▲4▼ さらに、現状では良質の木の入手が困難になっており、中質又はそれ以下の木でも採用せざるを得ない状況である。こうした中質以下の輸入木材から加工された合板は、水を吸い易く、加工後の乾燥によって反り易い。
【0005】
そこで、本発明者は、合板を使用することなく、軽量化、耐水性の向上、及び反りの防止を図るために、発泡樹脂板を使用することに注目した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、発泡樹脂板には、木ねじが抜けやすいという問題があった。従来の合板製テーブル板50をフレーム7に固定するために使用される木ねじ53は、ねじ部54が合板51に垂直にねじ込まれて食込み、該食込みによる引掛作用によって、合板製テーブル板50から容易には抜けないように保持される。しかし、この木ねじ53を発泡樹脂板にねじ込むと、木ねじを引っ張ったときに木ねじ53周囲の発泡樹脂がねじ部54の食込みから外れるように容易に弾性変形し、木ねじ53が簡単に抜けてしまうのである。
【0007】
そこで、本発明者は、木ねじを保持するのに必要十分な範囲で、発泡樹脂板に木質板を併用することを検討した。木質板の種類には、前記合板の他に、木材の削片、破砕片に接着剤を付けて熱圧成形したパーティクルボードと、木材、植物繊維を細かく開繊して接着剤と混合熱圧成形したファイバーボードとがある。両ボードとも方向性が無いため、合板のように反る心配は無い。しかも、ファイバーボードは耐水性が高い点で、吸水膨張し易いパーティクルボードより好ましい。ファイバーボードはその密度によって3種類に区別されるが、低密度(0.25g/cm3 〜0.50g/cm3 )のインシュレーションボードでは強度が不足し、高密度(0.80g/cm3 〜1.05g/cm3 )のハードボードでは重くなる。よって、本発明者は中密度(0.53g/cm3 〜0.80g/cm3 )のMDF板(medium density fiberboard,中質繊維板)に注目した。
【0008】
しかし、本発明者による検討では、単に発泡樹脂板とMDF板とを併用しただけでは、後述する試験結果から明らかなように、振動吸収性を改善できないという問題が残った。
【0009】
そこで、本発明の目的は、合板を使用することなく、軽量化、耐水性の向上、及び反りの防止を図るというだけではなく、木ねじ保持力を確保でき、さらに、振動吸収性を改善して振動及び騒音の低減を図ることもできるテーブル板を提供することにある。
【0010】
ところで、特開昭57−96851号公報には、ファイバーボードの外部を発泡樹脂で被覆した低発泡プラスチック被覆厚板が開示されているが、該厚板は建築用、土木用等の用途に使用されるもので、本発明とは技術分野が相違するだけでなく、耐候、耐水、耐薬品性、コンクリートの剥離性等の向上を図るもので、本発明の目的及び効果(特に振動吸収性)を示唆していない。
【0011】
また、実開平3−98241号公報には、発泡樹脂板と熱硬化性樹脂板とを積層した内装用複合パネルが開示されているが、該複合パネルは内装材として壁面等に使用されるもので、本発明とは技術分野が相違するだけでなく、反り、剥離、クラック等の防止を図るもので、本発明の目的及び効果(特に振動吸収性と木ねじ保持力)を示唆していない。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のテーブル板は、次の(1)〜(3)の構成とした。(1)〜(3)において各板の厚さ及び発泡樹脂板の密度は後述する好ましい範囲とする。
【0013】
(1)厚さ方向中央の少なくとも一層の発泡樹脂板と、前記発泡樹脂板の上面及び下面に重ねられる少なくとも一層の上層のMDF板及び少なくとも一層の下層のMDF板と、前記上層のMDF板の上面及び前記下層のMDF板の下面の両方に重ねられる熱硬化性樹脂板とが積層されてなるテーブル板。
【0014】
(2)厚さ方向中央の少なくとも一層のMDF板と、前記MDF板の上面及び下面に重ねられる少なくとも一層の上層の発泡樹脂板及び少なくとも一層の下層の発泡樹脂板と、前記上層の発泡樹脂板の上面及び前記下層の発泡樹脂板の下面の両方に重ねられる熱硬化性樹脂板とが積層されてなるテーブル板。
【0015】
(3)五層以上となるように交互に重ねられる発泡樹脂板及びMDF板と、該重ねられたものの上面及び下面の両方に重ねられる熱硬化性樹脂板とが積層されてなるテーブル板。
【0016】
ここで、「発泡樹脂板」としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリアクリル樹脂、ポリカーボネイト、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂発泡板、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコン樹脂等の熱硬化性樹脂発泡板等が挙げられる。これらの内、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂発泡板が好ましい。市販品としては、三井東圧プラテック株式会社の商品名「パロニア」「パロニアスーパー」等が挙げられる。
【0017】
発泡樹脂板の密度は、使用する樹脂にもよるが、0.05g/cm3 〜0.6g/cm3 が好ましい。さらに好ましくは、0.2g/cm3 〜0.6g/cm3 である。0.05g/cm3 未満ではテーブル板としての強度が不足し、0.6g/cm3 を越えると重くなるからである。
【0018】
発泡樹脂板の厚さは、特に制限はないが、通常、5mm〜50mmのものが用いられる。5mm未満ではテーブル板の面剛性等の強度が低下し、50mmを越える用途はほとんど無い。厚い発泡樹脂板の製造が困難な場合には、薄い発泡樹脂板を二層以上に重ねることもできる。
【0019】
発泡樹脂板を製造する方法は特に制限されず、公知の製造方法により製造されたものでよい。例えば、発泡剤を含む上記樹脂を押出発泡法、ビーズ発泡法、発泡射出成形法、型内発泡成形法等により成形する方法が挙げられる。
【0020】
「MDF板」の厚さは、特に制限はないが、2.5mm〜30mmが好ましい。2.5mm未満では木ねじ保持力が不足し、30mmを越えると重くなるからである。市販品としては、ホクシン株式会社の商品名「スターウッドTL」「スターウッドTLM」等が挙げられる。
【0021】
「熱硬化性樹脂化粧板」としては、メラミン樹脂化粧板、ダップ樹脂化粧板、フェノール樹脂化粧板等が挙げられる。熱硬化性樹脂化粧板の厚さは0.4〜2.5mmが好ましい。0.4mm未満では振動吸収性の改善が不足したりテーブル板の面剛性等の強度が低下したりし、2.5mmを越えると重くなるからである。市販品としては、日本デコラックス株式会社の商品名「デコラックス」等が挙げられる。
【0022】
熱硬化性樹脂化粧板を製造する方法は公知の製造方法でよく、例えば、メラミン樹脂化粧板は、メラミン樹脂をクラフト紙等に含浸させて乾燥させた塗布紙と、フェノール樹脂をクラフト紙等に含浸させて乾燥させた塗布紙とを、複数枚重ね合せて加圧、加熱して積層成形する。また、ダップ樹脂化粧板は、ダップ樹脂をクラフト紙等に含浸させて乾燥させた塗布紙を複数枚重ね合せて加圧、加熱して積層成形する。同様にフェノール樹脂化粧板は、フェノール樹脂をクラフト紙等に含浸させて乾燥させた塗布紙を複数枚重ね合せて加圧、加熱して積層成形する。
【0023】
発泡樹脂板、MDF板及び熱硬化性樹脂化粧板の相互間の接合方法は公知の方法でよく、例えば、接着剤接合、ホットメルト接合、熱溶接法等が挙げられる。接着剤接合の場合、使用する接着剤は公知の接着剤でよい。例えば、エポキシ系、ゴム系、ポリウレタン系、ポリ酢酸ビニル系等の接着剤が挙げられる。また、接合方法も公知のものでよい。例えば、接着剤を発泡樹脂板、MDF板及び熱硬化性樹脂化粧板に塗布して、所定の構成に積層し加圧し、必要があれば加熱して接合層を形成する方法が挙げられる。
【0024】
ホットメルト接合の場合、使用するホットメルト剤は公知のものでよい。例えば、ポリアミド系、EVA系、ポリエステル系、ゴム系等のホットメルト剤が挙げられる。また、接合方法も公知の接合方法でよい。例えば、ホットメルト剤を加熱、溶融させ発泡樹脂板、MDF板及び熱硬化性樹脂化粧板に塗布して所定の構成に積層し加圧して接合層を形成する方法が挙げられる。フィルム状ホットメルト剤を所定の構成に積層し加圧しながら高周波を照射し接合層を成形する方法も挙げられる。
【0025】
発泡樹脂板として熱可塑性樹脂発泡板を使用する場合には熱溶接法が使用でき、発泡樹脂板を熱で部分的に溶融したりした後、プレスすることにより、MDF板又は熱硬化性樹脂化粧板との間を接合してもよい。
【0026】
本発明のテーブル板はミシン用テーブル板として特に有用である。ミシン用テーブル板は、前述の理由から軽量性を要するだけでなく、フレームに木ねじで固定されるため十分な木ねじ保持力を要する。さらに、ミシン用テーブル板の上には激しく振動するミシンヘッドが設置されるため、十分な振動吸収性も要する。従って、優れた軽量性、木ねじ保持力、振動吸収性を兼ね備えた本発明のテーブル板は、ミシン用テーブル板に特に適するのである。適用できるミシンとしては、刺繍用ミシンをはじめ、メリヤス用、すくい縫い用、伏せ縫い用、ボタン付用、穴かがり用、しつけ縫い用、手袋用、運動靴用、皮革用、毛皮用、製帽用、製袋用、製本用等の各種ミシンを例示できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施した形態例を図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示す第一実施形態のテーブル板1は、三井東圧プラテック株式会社の商品名「パロニア」(厚さ10mm、密度0.28g/cm3 )よりなる発泡樹脂板2を厚さ方向中央に用い、発泡樹脂板2の上面及び下面に、ホクシン株式会社の商品名「スターウッドTLM」(厚さ4mm、密度0.7g/cm3 )よりなる上層及び下層のMDF板3を各々をエポキシ系接着剤で接合して積層し、さらに上層のMDF板3の上面及び下層のMDF板3の下面に、日本デコラックス株式会社の商品名「デコラックス」よりなる厚さ1mmのメラミン樹脂化粧板4をエポキシ系接着剤で接合して積層し、得られた五層構造の接合板を所定の形状に切断したものである。
【0028】
テーブル板1は、図2に示すような刺繍ミシン20のテーブルに使用され、テーブルの固定部5と、同図に二点鎖線で示すように上下に昇降可能なテーブルの昇降部6とを構成する。なお、テーブル板1のエッジ処理及び刺繍ミシン自体の構成については、本発明と直接関係が無いので説明を省略する。
【0029】
テーブル板1を刺繍ミシンの鋼材製フレーム7に固定するために、頭部11及びねじ部12を備えた木ねじ10が使用される。フレーム7の挿通穴8に対応した、テーブル板1の下面位置には、ねじ部12より小径で浅い案内穴9が予めドリルによって穿設される。ねじ部12を挿通穴8を経て案内穴9に差し込み、テーブル板1に垂直にねじ込むと、ねじ部12が下層のMDF板3及び発泡樹脂板2に食込み、テーブル板1から容易には抜けないように保持される。これにより、テーブル板1はフレーム7上にしっかりと固定される。
【0030】
本形態例のテーブル板1によれば、厚さの主要部に発泡樹脂板2を使用しているため、従来の合板製テーブル板に比べて軽量化でき、もって、手動・電動の別に拘らず、昇降部6を小さな動力で昇降させることができる。
【0031】
さらに、合板と比較して方向性の無い発泡樹脂板2及びMDF板3を使用しているため、反る心配がなく、耐水性も良好である。
【0032】
また、MDF板3は、発泡樹脂板のように容易には弾性変形しないため、ねじ部12の食込みから外れることがなく、全体の木ねじ保持力の向上に大きく寄与する。さらに、メラミン樹脂化粧板4も、その硬質性ゆえに木ねじ保持力の向上に寄与する。このため、たとえフレーム7が外方に非常に強く引っ張られた場合であっても、木ねじ10がテーブル板1から抜ける心配がない。
【0033】
さらに、本形態例のテーブル板1は、発泡樹脂板2とMDF板3とメラミン樹脂化粧板4の三者を組み合わせたことにより、特に振動吸収性が改善されており、刺繍ミシンの振動及び騒音の低減に寄与する。このように振動吸収性が改善される理由は、発泡樹脂板2とMDF板3とメラミン樹脂化粧板4の各々の固有振動周波数が異なること、特に、発泡樹脂板2及びMDF板3の各固有振動周波数とメラミン樹脂化粧板4の固有振動周波数とが大きく異なることにより、各層の振動が打ち消されることによるものと考えられる。
【0034】
図3に示す第二実施形態のテーブル板15は、全体の厚さを増加させるべく、上層及び下層のMDF板3の間で二層の発泡樹脂板2が接合・積層された点においてのみ、第一実施形態と相違する。従って、第一実施形態と共通の部分については、図3に第一実施形態と同一符号を付して説明を省略する。現状では、厚い発泡樹脂板2の製造が困難なため、このような手段が有効である。本形態例のテーブル板15によっても、第一実施形態と同様の効果が得られる。
【0035】
図4に示す第三実施形態のテーブル板16は、発泡樹脂板2とMDF板3の配置及び層数が入れ代わり、厚さ9mmのMDF板3を厚さ方向中央に用い、MDF板3の上面及び下面に各々上層及び下層の発泡樹脂板2が接合・積層された点と、木ねじ10のねじ部12がMDF板3まで届くように長い点においてのみ、第一実施形態と相違する。従って、第一実施形態と共通の部分については、図4に第一実施形態と同一符号を付して説明を省略する。本形態例のテーブル板16によっても、第一実施形態と同様の効果が得られる。
【0036】
図5に示す第四実施形態のテーブル板17は、MDF板3の厚さを5.5mmとし、下面側のメラミン樹脂化粧板を省略した点においてのみ、第二実施形態と相違する。従って、第二実施形態と共通の部分については、図5に第二実施形態と同一符号を付して説明を省略する。本形態例のテーブル板17によっても、第一実施形態と同様の効果が得られる。
【0037】
図6に示す第五実施形態のテーブル板18は、三層のMDF板3と二層の発泡樹脂板2とを交互に重ねて五層に接合・積層した点と、下面のメラミン樹脂化粧板を省略した点においてのみ、第一実施形態と相違する。従って、第一実施形態と共通の部分については、図6に第一実施形態と同一符号を付して説明を省略する。本形態例のテーブル板18によっても、第一実施形態と同様の効果が得られる。
【0038】
本発明による効果を確認するため、前記第一実施形態のテーブル板1と比較例1〜4のテーブル板について、重量の測定と、木ねじ保持力及び振動吸収性の試験とを行なった。比較例、試験方法、試験結果(表1)の順に説明する。
【0039】
[比較例1] 厚さ24mmの合板の上面及び下面に各々厚さ1mmのメラミン樹脂化粧板を接合・積層してなるテーブル板である。図7に示す従来の合板製テーブル板50に相当する。
[比較例2] 厚さ20mmの発泡樹脂板(前記「パロニア」を2枚積層したもの)の上面及び下面に各々厚さ1mmのメラミン樹脂化粧板を接合・積層してなるテーブル板である。
【0040】
[比較例3] 厚さ20mmのMDF板の上面及び下面に各々厚さ1mmのメラミン樹脂化粧板を接合・積層してなるテーブル板である。
[比較例4] 厚さ10mmの発泡樹脂板(前記「パロニア」)の上面及び下面に各々厚さ4mmのMDF板を接合してなるテーブル板である。本発明のテーブル板1から上面側及び下面側のメラミン樹脂化粧板4を取り除いたものに相当する。
【0041】
[重量] 各テーブル板を3尺×6尺(910mm×1820mm)に切断し、その重量を測定した。重量は、軽い方が良い。
【0042】
[木ねじ保持力] JIS A5905-1994 に規定されている「木ねじ保持力試験法」により測定した。同試験には、JIS B1112に規定されている、呼び径2.7mm、長さ16mmの木ねじ(ねじ部は約11mm)を使用した。まず、テーブル板を50mm×100mmの試験片に切断し、その上面の長短両端辺から25mm離れた2ヶ所に直径2mmのドリルで深さ約3mmの案内穴を設けた。次に、2つの案内穴に2本の木ねじのねじ部先端を各々差し込み、試験片に垂直にねじ込んだ。そして、試験片を固定した後、試験片に食込んだ木ねじを精密万能試験機を用いて垂直に引き抜いた。この引き抜きに要した最大荷重を各位置について測定し、2ヶ所の平均値をもって木ねじ保持力とした。刺繍ミシン用テーブル板の場合、木ねじ保持力は、一般的に40kg以上必要とされる。
【0043】
[振動吸収性] 動電型試験機で厚み方向の振動伝達性を測定した。測定には、テーブル板を150mm×150mmに切断して得た試験片を使用した。まず、上下方向振動発生プレートの上に試験片を瞬間接着剤で固定し、その上に3kgの重りを固定し、さらにその上にセンサーを固定した。そして、正弦波周波数掃引試験で一定加速度2Gを与え、300〜700Hz域での周波数応答関数(=振動加速度/加振力)dBを測定した。周波数応答関数が小さい方が、振動吸収性が良い。
【0044】
【表1】
【0045】
表1において、◎は非常に良い、○は良い、△は普通、×は悪い、をそれぞれ示す。表1から分かる通り、発泡樹脂板を使用しない比較例1及び3は重量が大きく、好ましくない。比較例2は、木質板を使用しないため、軽量ではあるが、木ねじ保持力において劣る。メラミン樹脂化粧板を使用しない比較例4は、振動吸収性において比較例1及び本発明より劣る。
【0046】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)発泡樹脂板2及びMDF板3の配置及び層数をさらに変更すること。
(2)メラミン樹脂化粧板4に代えて、別の熱硬化性樹脂化粧板を使用すること。
【0047】
(3)刺繍ミシン用テーブル板以外の、例えばメリヤス用、すくい縫い用、伏せ縫い用、ボタン付用、穴かがり用、しつけ縫い用、手袋用、運動靴用、皮革用、毛皮用、製帽用、製袋用、製本用等の各種ミシン用テーブル板として具体化すること。
(4)ミシン用テーブル板以外の、例えば乗物座席用テーブル、車椅子用テーブル、看護ベッド用テーブル、幼児椅子用テーブル等のテーブル板として具体化すること。
【0048】
【発明の効果】
本発明のテーブル板は、上記の通り構成されているので、合板を使用することなく、軽量化、耐水性の向上、及び反りの防止を図るというだけではなく、木ねじ保持力を確保でき、さらに、振動吸収性を改善して振動及び騒音の低減を図ることもできるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態のテーブル板を示す断面図である。
【図2】同テーブル板を使用した刺繍ミシンを示す斜視図である。
【図3】第二実施形態のテーブル板を示す断面図である。
【図4】第三実施形態のテーブル板を示す断面図である。
【図5】第四実施形態のテーブル板を示す断面図である。
【図6】第五実施形態のテーブル板を示す断面図である。
【図7】従来の合板製テーブル板を示す断面図である。
【符号の説明】
1 テーブル板
2 発泡樹脂板
3 MDF板
4 メラミン樹脂化粧板
15 テーブル板
16 テーブル板
17 テーブル板
18 テーブル板
Claims (4)
- 厚さ方向中央の少なくとも一層の厚さ5mm〜50mm且つ密度0.05g/cm3 〜0.6g/cm3 の発泡樹脂板(2)と、
前記発泡樹脂板(2)の上面及び下面に重ねられる少なくとも一層の上層の厚さ2.5mm〜30mmのMDF板(3)及び少なくとも一層の下層の厚さ2.5mm〜30mmのMDF板(3)と、
前記上層のMDF板(3)の上面及び前記下層のMDF板(3)の下面の両方に重ねられる厚さ0.4〜2.5mmの熱硬化性樹脂板(4)と
が積層されてなるテーブル板。 - 厚さ方向中央の少なくとも一層の厚さ2.5mm〜30mmのMDF板(3)と、
前記MDF板(3)の上面及び下面に重ねられる少なくとも一層の上層の厚さ5mm〜50mm且つ密度0.05g/cm3 〜0.6g/cm3 の発泡樹脂板(2)及び少なくとも一層の下層の厚さ5mm〜50mm且つ密度0.05g/cm3 〜0.6g/cm3 の発泡樹脂板(2)と、
前記上層の発泡樹脂板(2)の上面及び前記下層の発泡樹脂板(2)の下面の両方に重ねられる厚さ0.4〜2.5mmの熱硬化性樹脂板(4)と
が積層されてなるテーブル板。 - 五層以上となるように交互に重ねられる厚さ5mm〜50mm且つ密度0.05g/cm3 〜0.6g/cm3 の発泡樹脂板(2)及び厚さ2.5mm〜30mmのMDF板(3)と、
該重ねられたものの上面及び下面の両方に重ねられる熱硬化性樹脂板(4)と
が積層されてなるテーブル板。 - 前記テーブル板はミシン用テーブル板である請求項1〜3のいずれか一項に記載のテーブル板。
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