JP2004344118A - Dna免疫法による分泌型タンパク質の抗体産生法 - Google Patents

Dna免疫法による分泌型タンパク質の抗体産生法 Download PDF

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義人 沼田
Shoichi Naito
正一 内藤
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Abstract

【課題】免疫原性の低い分泌型タンパク質の抗体産性法を提供する。
【解決手段】膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質の融合タンパク質をコードする発現可能な遺伝子を哺乳動物に免疫原として投与することを特徴とする、分泌型タンパク質に対する抗体の産生方法を見出した。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DNA免疫法による分泌型タンパク質の抗体産生法に関する。
【0002】
【従来の技術】
予防接種あるいは抗体産生(受動免疫、診断用または研究用試薬に用いられる。)を目的として動物を免疫化する場合には、典型的には、部分的に、あるいは完全に均質に精製された、天然あるいは組換えタンパク質を免疫原として注射する。タンパク質を均質に精製するためには陰イオン、陽イオン、分子ふるいクロマトグラフィーを含む複数の段階が必要である。これらの操作は、時間がかかり、最終産物の均質性についても確認しなければならない。
代替法として、動物細胞発現用ベクターに目的遺伝子を組み込み、プラスミドとして動物に投与し、体内で発現させ抗体を産生させる方法(DNA免疫法)がある。本法は免疫原としてタンパク質を用いないため、タンパク質精製のための操作を必要とせず、迅速な抗体作製法として有用である。DNA免疫で抗体産生される機序について、詳細は不明であるが、高免疫原性分泌型タンパク質(例えば、非特許文献1参照)、ファージに対する抗体(例えば非特許文献2参照)や膜結合型タンパク質(例えば非特許文献3、4参照)に対する抗体が作製可能であることが知られている。但し、報告例の多くは膜結合タンパク質に対する抗体の報告であり、分泌型タンパク質に対する抗体報告例は少ない(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特表平6−510524号公報
【特許文献2】特表2001−501832号公報
【特許文献3】国際公開第00/18933A1号パンフレット
【特許文献4】国際公開第02/053592A2号パンフレット
【非特許文献1】Nature (1992) 356, 152−154
【非特許文献2】J. Immunol. Methods (1999) 231, 83−91
【非特許文献3】J. immunol. Methods (2001) 249,147−154
【非特許文献4】Immunology Lett. (2001) 76, 25−30
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
タンパク質の代わりにそれをコードしている遺伝子で動物に免疫を行うDNA免疫法は、迅速な抗体作製法である。しかし、該タンパク質に免疫原性がなかったり、免疫原性が低いこともある。
上記のような技術背景の中、分泌型タンパク質(特に、免疫原性の低い分泌型タンパク質)の抗体産生法が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質の融合タンパク質をコードする発現可能な遺伝子を哺乳動物に投与することにより、分泌型タンパク質に対する抗体を産生することができることを見出した。特に、本発明は、免疫原性の低い分泌型タンパク質の抗体産生において有用である。
すなわち、
I)膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質の融合タンパク質をコードする発現可能な遺伝子を哺乳動物に投与することを特徴とする、分泌型タンパク質に対する抗体の産生方法、に関する。
【0006】
さらには、以下のII)〜X)に関する。
II)該融合タンパク質が、N末端側に分泌型タンパク質、C末端側に膜結合型タンパク質を配置させた融合タンパク質であることを特徴とするI)記載の抗体の産生方法。
III)該融合タンパク質が、N末端側に分泌型タンパク質、C末端側に膜結合型タンパク質の膜結合領域を配置させた融合タンパク質であることを特徴とするI)またはII)の抗体の産生方法。
IV)該分泌型タンパク質の免疫原性が低いことを特徴とするI)からIII)のいずれかに記載の抗体の産生方法。
V)該発現可能な遺伝子が、膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質の融合タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだプラスミドであることを特徴とするI()またはII)記載の抗体の産生方法。
VI)該プラスミドが、CMVプロモーターを持つものであることを特徴とするV)記載の抗体の産生方法。
VII)該抗体がポリクローナル抗体であることを特徴とするI)からVI)のいずれかに記載の抗体の産生方法。
VIII)該抗体がモノクローナル抗体であり、
(1)分泌型タンパク質の抗体産生細胞を得て、
(2)該抗体産生細胞を不死化細胞と融合させてハイブリドーマを得て、
(3)該分泌型タンパク質に対する特異的な抗体を産生するハイブリドーマを選択する、工程を含むI)からVI)のいずれかに記載の抗体の産生方法。
IX)該分泌型タンパク質がC0783であるI)からVIII)のいずれかに記載の抗体の産生方法。
X)分泌型タンパク質と膜結合型タンパク質との融合タンパク質をコードする発現可能な遺伝子を、該分泌タンパク質に対する免疫応答を引き起こすために必要な量だけ哺乳動物に投与することを特徴とする免疫感作方法。
XI)X)記載の遺伝子を含有するワクチン用薬剤。
XII)I)記載の方法によって産生される分泌型タンパク質C0783に対する抗体。
【0007】
本発明において使用される「遺伝子」は、一般にはDNAの形で、発現可能なものを意味する。例えば、該遺伝子は遺伝子の発現と遺伝子にコードされている産物の分泌に必要な遺伝子調節エレメントと共に、プラスミドや転移性遺伝因子などの発現ベクターに組み込まれていてもよい。
本明細書中、「膜結合型タンパク質」とは膜貫通領域を持ち、細胞膜に結合するタンパク質である。一般に、膜結合型タンパク質は、そのN末端側を細胞外に、そのC末端を細胞膜内に配置する。本発明においては、いかなる膜結合型タンパク質も使用され得る。例えば、CD30、CD22、CD25、PDGFレセプター、VEGFレセプター等が使用できる。特に、CD30が好ましい。
本明細書中で「分泌型タンパク質」とは細胞外に分泌されるタンパク質である。本発明においては、いかなる分泌型タンパク質も使用され得る。すなわち、診断あるいは治療目的の為に抗体が必要とされる、いかなる分泌タンパク質であってもよい。例えば、C0783、レプチン、MMP−2、エオタキシン等が使用できる。特に、低免疫原性を示す分泌性タンパク質が好ましい。具体的には、C0783、レプチンが好ましい。
「C0783」とは、WO02/053592の配列番号2にアミノ酸配列が記載されている分泌型タンパク質及び、当該アミノ酸配列に1残基以上のアミノ酸の置換、欠失、挿入または付加を有するアミノ酸配列からなる分泌型タンパク質を意味する。なお、C0783をコードするDNA配列は、同明細書の配列番号1に記載されており、当該DNA酸配列に1残基以上のDNAの置換、欠失、挿入または付加を有するDNA酸配列からなるDNAも本発明に使用することができる。
本明細書中で「融合タンパク質」とは、膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質をコードした遺伝子から発現するタンパク質を意味する。一般に、膜結合型タンパク質は、そのN末端側を細胞外に、そのC末端を細胞膜内に配置する。従って、融合タンパク質は、N末端側に分泌型タンパク質、C末端側に膜結合型タンパク質を配置させた融合タンパク質であるものが好ましい。特に、N末端側に分泌型タンパク質、C末端側に膜結合型タンパク質の膜結合領域を配置させた融合タンパク質が好ましい。
本発明は、膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質の融合タンパク質をコードする発現可能な遺伝子を使用する。特に、膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質の融合タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだプラスミドが好ましい。すなわち、目的とするタンパク質(膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質の融合タンパク質)をコードした遺伝子を持つcDNAを組み込んだ、プロモーターを持ち、生体内で遺伝子を発現させる働きを持つプラスミドDNAを使用することができる。
本明細書中、「プラスミド」とは染色体DNAとは独立して存在する環状DNA分子である。本発明においては、いかなるプラスミドも使用され得る。例えば、pcDNA3.1(インビトロゲン)、pM1−MT(ロシュ)、pCMV−Myc(クロンテック)等が使用できる。特に、pcDNA3.1が好ましい。
本明細書中、「プロモーター」とは、mRNAへの転写開始時にRNAポリメラーゼが結合するDNA領域を意味する。本発明においては、いかなるプロモーターも使用され得る。例えば、CMVプロモーター、EF2−αプロモーター、SV40プロモーター等が使用できる。特に、CMVプロモーターが好ましい。
【0008】
本発明により免疫された哺乳動物から、その分泌型タンパク質に対する特異的な抗血清の抗体価をイムノアッセイにより測定することができる。哺乳動物(たとえばマウス、ウサギ、ヤギ)に投与して、その免疫原性タンパク質あるいはポリペプチドに対する免疫応答(抗体、及び/あるいは、細胞性)を引き起こす。免疫された生物から採血し、その免疫原に対する特異的な抗血清を、常法によって得ることができる。この抗血清を評価する。評価の方法としては、液相抗原を用いたEIA、固相化抗原を用いたEIA、ウェスタン・ブロッティングによるC0783−Fcの検出などがある。
【0009】
本発明の方法は、ポリクローナル抗体、あるいはモノクローナル抗体の産生にも利用できる。ポリクロ−ナル抗体の産生のためには膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質の融合タンパク質をコードする発現可能な遺伝子(特に、プラスミドに組み込まれたものが好ましい。)を、哺乳動物(たとえばマウス、ウサギ、ヤギ)に免疫原として投与して、分泌型タンパク質あるいはポリペプチドに対する免疫応答(抗体、及び/あるいは、細胞性)を引き起こさせる。このようにして免疫された生物から、当該分泌型タンパク質に対する特異的な抗血清を、常法によって得ることができる。
【0010】
モノクローナル抗体の産生のためには、膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質の融合タンパク質をコードする発現可能な遺伝子が組み込まれたプラスミド等で免疫された生物から、脾臓細胞、あるいはその他の抗体産生細胞を得る。これらの細胞を、ミエローマ等の適切な不死化細胞と融合させて、ハイブリドーマを得る。そのハイブリドーマをスクリーニングし、分泌型タンパク質に特異的な抗体を産生するものを選択する。
【0011】
本発明の抗体の産生方法は、種々の分泌型タンパク質の抗体の産生に利用可能であり、特に、免疫原性の低い分泌型タンパク質の抗体産生において有用である。すなわち、免疫原性の低い分泌型タンパク質については、単に該分泌型タンパク質をコードする発現可能な遺伝子を哺乳動物に投与するだけでは、該分泌型タンパク質を得ることができず、本発明の方法によって初めて抗体を得ることが可能となる。
【0012】
本発明には、分泌型タンパク質と膜結合型タンパク質との融合タンパク質をコードする発現可能な遺伝子を、該分泌タンパク質またはそのポリペプチドに対する免疫応答を引き起こすために必要な量だけ哺乳動物に投与することを特徴とする免疫感作方法も包含される。本免疫感作方法は、哺乳動物(ヒトあるいはその他の哺乳動物)に予防接種するためにも利用される。
免疫応答を引き起こすために必要な量とは、マウスの場合、1匹当たり1回に15μg、ウサギの場合、1羽あたり1回に320μgである。
分泌型タンパク質と膜結合型タンパク質との融合タンパク質をコードする発現可能な遺伝子は、プラスミドに組み込まれたものであることが好ましい。
該遺伝子(特に、プラスミドに組み込まれたもの)を含有する組成物は、ワクチン用薬剤として使用できる。該ワクチン用薬剤も、本発明に包含される。
【0013】
また、本発明により、分泌型タンパク質C0783に対する抗体を得ることができる。本抗体は、分泌型タンパク質C0783をコードする発現可能な遺伝子によるDNA免疫法では得ることができないが、本発明によって得ることができる。
本抗体はウエスタンブロッテイング、イムノアッセイに利用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明である「DNA免疫法による分泌型タンパク質の抗体産生法」について、以下に説明する。
膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質の融合タンパク質をコードする発現可能な遺伝子の作成については、制限酵素で処理したプラスミドと、制限酵素で処理した該遺伝子を混合し、ライゲーションすることにより行うことができる。
制限酵素は、プラスミドや組み込む遺伝子により適宜選択すればよい。制限酵素としては、例えば、EcoRI,NotI,HindIII,Aor51HI等が使用できる。
ライゲーションには、Rapid DNA Ligation Kit (ロシュ)等を使用すればよい。
なお、本発明において、既に膜結合型タンパク質をコードする遺伝子が組み込まれたプラスミドを使用することができる。すなわち、該プラスミドを制限酵素で処理し、同じ制限酵素で処理した分泌型タンパク質をコードする遺伝子を上記同様に組み込めばよい。膜結合型タンパク質をコードする遺伝子が組み込まれたプラスミドとしては、例えば、pDisplay(インビトロゲン)等が市販されている。
【0015】
このようにして得られた膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質の融合タンパク質をコードする発現可能な遺伝子を、哺乳動物に免疫原として投与する。該投与は、1回でもいいし、継続して行ってもよい。例えば、初回の免疫から、10日後、20日後に追加免疫を行ってもよい。
免疫完了後、該哺乳動物より採血を行い、得られた血液より抗血清を得る。このようにして分泌型タンパク質に対するポリクローナル抗体を得ることができる。
【0016】
本発明は簡便で迅速な抗体作製法として特にゲノム創薬プロジェクトでの応用が今後、期待される。
【実施例】
【0017】
以下の実施例を行うにあたり、以下の試薬を使用した。
▲1▼プラスミドDNA(免疫原)の構築に用いた試薬
プラスミドベクター
pShooterC0783
pcDNACD30
pcDNA3.1 (インビトロゲン)
(プライマーDNA配列)
C0783F1:5’ − ttc tca gaa ttc cca ggg att ccc tcc agg − 3’ (配列 番号:1)
C0783R1:5’ − aga tat ctg cgg ccg ctc acc gct ggg gac − 3’ (配 列番号:2)
C0783F2:5’ − ttc tca aag ctt cca ggg att ccc tcc agg − 3’ (配 列番号:3)
C0783R2:5’ − tta tgg tag ata tcc ttt tca gtg caa ata gg − 3’ ( 配列番号:4)
Expand TM High Fidelity PCR System (ロシュ)
Rapid DNA Ligation Kit (ロシュ)
制限酵素
EcoRI,NotI,HindIII,Aor51HI(TaKaRa)
▲2▼抗血清の評価(EIA)に用いた試薬
第2抗体固相化96ウェルプレート
プレートブロッキング用緩衝液: 2 % Block−Ace (雪印)を含むPBS (pH7.4)
測定用緩衝液: 0.5 % BSAを含むPBS (pH7.4)
抗原:C0783−FcおよびCD30 − Fc
洗浄液: 0.1 % Tween 20を含むPBS (pH7.4)
検出抗体: ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG(Fc特異的)抗体(SIGMA)
酵素活性測定用基質: TMB+ substrate chromogen (DAKO)
反応停止液:1 N HSO
▲3▼抗血清の評価(ウェスタンブロッティング)に用いた試薬
電気泳動用ゲルプレート PAGミニ「第一」4/20 (第一化学薬品)
検出抗体: Anti mouse Ig horseradish peroxidase linked whole antibody (from sheep)
(アマシャム ファルマシア)
酵素活性測定用試薬: ECL TM Western Blotting detection reagents (アマシャム ファルマシア)
【0018】
その他の試薬は特級試薬あるいは分析用試薬を用いた。
マウスとしては、C3H/He及びBALB/cの10週齢の雌を用いた。
【0019】
実施例1 免疫原に用いるプラスミド DNA の構築
マウスの免疫に用いたプラスミドDNAは、
▲1▼全長のC0783を分泌型のタンパク質として発現するpcDNAC0783
▲2▼C0783のシステインリッチドメイン(CR1 − CR5)とCD30の膜貫通領域とを融合 させた膜結合型のC0783を発現するpcDNAC0783NT−CD30CT
▲3▼全長のCD30を発現するpcDNACD30(すでに抗体価が上昇することが明らかにされていて、今回はポジティブコントロールとして使用した)。
の3種類のプラスミドDNAである。
▲1▼−▲3▼の作製手順を図1に示す。
まず▲1▼は、pShooterC0783を鋳型として、C0783F1及びC0783R1を用いてPCRにより増幅される全長のC0783の配列を、EcoRI,NotIで制限酵素消化したpcDNA3.1にライゲーションして得た(▲1▼:pcDNAC0783)。
次に▲2▼は、pShooterC0783を鋳型としてC0783F2及びC0783R2を用いてPCRにより増幅されるC0783のシステインリッチドメイン(CR1−CR5)の配列を、HindIII,Aor51HIで制限酵素消化したpcDNACD30にライゲーションして得た(▲2▼pcDNAC0783NT − CD30CT)。
▲3▼は,pcDNACD30をそのまま使用した(▲3▼:pcDNACD30)。
【0020】
実施例2 免疫 及び 採血
マウス1匹あたりプラスミド DNA(15 μg)を50 μlのPBSに溶かし、マウスの尾に皮内投与した。プラスミド DNA▲1▼−▲3▼をそれぞれ、C3H/He(3匹)、BALB/c(3匹)に免疫した。初回の免役から10日後、20日後に追加免疫を行い、最終免疫から7,14,21,35日後に採血を行った。
【0021】
実施例3 液相抗原を用いた EIA によるマウス抗血清の評価
液相抗原に対する希釈曲線の作製は図2に示す方法で行った。まず、抗マウス IgG抗体を固相化した96ウェルプレートにマウス抗血清を希釈(500 〜 512000倍)して加え、一晩静置した。ウェルを洗浄後、C0783 − Fcを、室温で2時間置く。洗浄後、検出抗体 (ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG(Fc特異的)抗体) を加え、室温で2時間置いた。洗浄後、TMBを加え、室温で10分間反応させた後、1 N HSOを加えて反応を停止、450 nmの吸光度を測定した。
【0022】
実施例4 固相化抗原を用いた EIA によるマウス抗血清の評価
固相化抗原に対する希釈曲線の作製は図3に示す方法で行った。まず、C0783 − Fcを固相化(25 ng/well)した96ウェルプレートをブロッキングした後、マウス抗血清を希釈(500 − 512000倍)して加えた。.ウェルを洗浄後、検出抗体 (ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG(Fc特異的)抗体) を加え、室温で2時間置いた。洗浄後、TMBを加え、室温で10分間反応させた後、1 N HSOを加えて反応を停止、450 nmの吸光度を測定した。
【0023】
実施例5 ウェスタンブロッティングによるC0783 − Fcの検出
C0783 − Fcを還元条件及び非還元条件下で4 − 20 %グラジエント ゲルを用いてSDS−PAGEを行い、PVDF膜へ転写した。PVDF膜を2 % Block − Ace/PBSでブロッキングした後に、500倍に希釈したマウス抗血清を室温で2時間反応させた。その後、検出抗体 (ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG(Fc特異的)抗体) を室温で2時間反応させ、検出はECL法で行った。
【0024】
以下に、上記実施例に対する考察を示す。
今回,3種類のプラスミド DNA▲1▼ − ▲3▼をC3H/He,BALB/cにそれぞれ3匹ずつ免疫を行い、最終免疫から1週間後に得た抗血清について評価を行った。最初にEIAにより液相抗原に対する希釈曲線を作製した(図4、図5).その結果、分泌型のC0783を発現するpcDNAC0783を免疫したマウスは抗体価が上昇せず(図4(a))、膜結合型のC0783を発現するpcDNAC0783NT−CD30CTを免疫したマウスは抗体価が上昇した(図4(b))。抗体価は10000 − 20000倍程度であった。また、ポジティブコントロールとして用いたpcDNACD30を免疫したマウスも特異的な抗体価が上昇した(図5(c))。いずれも,BALB/cよりもC3H/Heの方が大きく抗体価が上昇することがわかった。
【0025】
固相化抗原に対する抗体価も液相抗原の場合とほぼ同様であった(図6、図7)。CD30のDNA免疫の場合と比較して膜結合型のC0783のDNA免疫による抗体価は低かったが、 これはC0783のアミノ酸配列の相同性がヒトとマウスの間で非常に高く、CD30に比べC0783の抗原性が低いことによると予想される。
【0026】
次に,抗体価の上昇が認められたpcDNAC0783NT−CD30CTで免疫したマウスから得た抗血清(Anti − C0783NT mouse serum)を用いて、ウェスタンブロッティングによりC0783−Fcの検出を試みた。その結果を図8に示した。非還元条件ではC0783−Fcの特異的なバンドが検出されたが、還元条件ではその反応性のほとんどが消失したことから抗血清中の抗体のほとんどはシステインリッチドメインのジスルフィド結合を認識している可能性が示唆された。
【0027】
【発明の効果】
膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質の融合タンパク質をコードする発現可能な遺伝子を哺乳動物に投与することにより、分泌型タンパク質に対する抗体を産生することができるを見出した。特に、本発明は、免疫原性の低い分泌型タンパク質の抗体産生において有用である。
【0028】
【配列表】
Figure 2004344118
Figure 2004344118
Figure 2004344118
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】免疫原に用いるプラスミド DNA の構築についての作業手順を示す図である▲1▼は全長のC0783を分泌型のタンパク質として発現するpcDNAC0783、▲2▼はC0783のシステインリッチドメイン(CR1 − CR5)とCD30の膜貫通領域とを融合させた膜結合型のC0783を発現するpcDNAC0783NT−CD30CT、▲3▼は全長のCD30を発現するpcDNACD30を示す。
【図2】液相抗原に対する希釈曲線の作製手順を示す。
【図3】固相化抗原に対する希釈曲線の作製手順を示す。
【図4】液相抗原(C0783−Fc)に対する、マウス抗血清の希釈曲線を示す。(a)〜(c)は、それぞれ順に、pcDNAC0783、pcDNAC0783NT−CD30CT 、pcDNACD30によりDNA免疫された後に選られた血清を示す。(d)は免疫を行わなかった場合を示す。
【図5】液相抗原(CD30−Fc)に対する、マウス抗血清の希釈曲線を示す。(a)〜(c)は、それぞれ順に、pcDNAC0783、pcDNAC0783NT−CD30CT 、pcDNACD30によりDNA免疫された後に選られたマウス抗血清の結果を示す。(d)は免疫を行わなかった場合を示す。
【図6】固相抗原(C0783−Fc)に対する、マウス抗血清の希釈曲線を示す。(a)〜(c)は、それぞれ順に、pcDNAC0783、pcDNAC0783NT−CD30CT 、pcDNACD30によりDNA免疫された後に選られた血清を示す。(d)は免疫を行わなかった場合を示す。
【図7】固相抗原(CD30−Fc)に対する、マウス抗血清の希釈曲線を示す。(a)〜(c)は、それぞれ順に、pcDNAC0783、pcDNAC0783NT−CD30CT 、pcDNACD30によりDNA免疫された後に選られたマウス抗血清の結果を示す。(d)は免疫を行わなかった場合を示す。
【図8】pcDNAC0783NT−CD30CTで免疫したマウスから得た抗血清(Anti − C0783NT mouse serum)を用いて、ウェスタンブロッティングによりC0783−Fcの検出を行った結果を示す。

Claims (12)

  1. 膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質の融合タンパク質をコードする発現可能な遺伝子を哺乳動物に投与することを特徴とする、分泌型タンパク質に対する抗体の産生方法。
  2. 該融合タンパク質が、N末端側に分泌型タンパク質、C末端側に膜結合型タンパク質を配置させた融合タンパク質であることを特徴とする請求項1記載の抗体の産生方法。
  3. 該融合タンパク質が、N末端側に分泌型タンパク質、C末端側に膜結合型タンパク質の膜結合領域を配置させた融合タンパク質であることを特徴とする請求項1または2記載の抗体の産生方法。
  4. 該分泌型タンパク質の免疫原性が低いことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の抗体の産生方法。
  5. 該発現可能な遺伝子が、膜結合型タンパク質と分泌型タンパク質の融合タンパク質をコードする遺伝子を組み込んだプラスミドであることを特徴とする請求項1または2記載の抗体の産生方法。
  6. 該プラスミドが、CMVプロモーターを持つものであることを特徴とする請求項5記載の抗体の産生方法。
  7. 該抗体がポリクローナル抗体であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の抗体の産生方法。
  8. 該抗体がモノクローナル抗体であり、
    (1)分泌型タンパク質の抗体産生細胞を得て、
    (2)該抗体産生細胞を不死化細胞と融合させてハイブリドーマを得て、
    (3)該分泌型タンパク質に対する特異的な抗体を産生するハイブリドーマを選択する、工程を含む請求項1から6のいずれかに記載の抗体の産生方法。
  9. 該分泌型タンパク質がC0783である請求項1から8のいずれかに記載の抗体の産生方法。
  10. 分泌型タンパク質と膜結合型タンパク質との融合タンパク質をコードする発現可能な遺伝子を、該分泌タンパク質に対する免疫応答を引き起こすために必要な量だけ哺乳動物に投与することを特徴とする免疫感作方法。
  11. 請求項10記載の遺伝子を含有するワクチン用薬剤。
  12. 請求項1記載の方法によって産生される分泌型タンパク質C0783に対する抗体。
JP2003147105A 2003-05-26 2003-05-26 Dna免疫法による分泌型タンパク質の抗体産生法 Pending JP2004344118A (ja)

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