JP2004342349A - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents

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加奈子 宮下
Koji Akiyama
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Abstract

【課題】蛍光体層からの不純ガスの放出を抑制し、また、プラズマディスプレイパネルの製造時での不純ガスの持ち込みを低減することにより、放電特性が安定なプラズマディスプレイパネルを実現することを目的とする。
【解決手段】保護層28の形成を真空成膜法で行い、前面板22は保護層28の形成後、少なくとも背面板28と重ね合わせるまでの間、低露点雰囲気下とし、背面板28は、蛍光体層34の形成後、その表層にオーバーコート層35を形成し、その後、前面板22と背面板29とを低露点雰囲気下で重ね合わせることで製造したプラズマディスプレイパネルである。
これにより、プラズマディスプレイパネル21内において蛍光体層34から放出される不純ガスが低減され、また、保護層28に付着して持ち込まれる不純ガスも低減することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、文字あるいは画像表示用のカラーテレビジョン受像機やディスプレイ等に使用するプラズマディスプレイパネル(PDP)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PDPでは、ガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で蛍光体を励起して発光させることにより画像表示を行っている。
【0003】
PDPには、大別して、駆動的にはAC型とDC型とがあり、放電形式では面放電型と対向放電型とがあるが、高精細化、大画面化および構造の簡素性に伴う製造の簡便性から、現状では、3電極構造の面放電型のPDPが主流である。
【0004】
このPDPの一般的な構造を図3に示す。図3はPDPの概略構成を示す断面斜視図である。
【0005】
PDP1の前面板2は、例えばフロートガラスのような、平滑で、透明且つ絶縁性の基板3上に、走査電極4と維持電極5とからなる表示電極6を複数形成し、そしてその表示電極6を覆うように誘電体層7を形成し、さらにその誘電体層7上にMgOからなる保護層8を形成することにより構成している。なお、走査電極4および維持電極5は、それぞれ放電電極となる透明電極4a、5aおよびこの透明電極4a、5aに電気的に接続された、例えばCr/Cu/CrやAg等からなるバス電極4b、5bとから構成されている。
【0006】
また、背面板9は、例えばガラスのような絶縁性の基板10上に、アドレス電極11を複数形成し、このアドレス電極11を覆うように誘電体層12を形成している。そしてこの誘電体層12上の、アドレス電極11間に対応する位置には隔壁13を設けており、誘電体層12の表面と隔壁13の側面にかけて蛍光体層14を設けた構造となっている。
【0007】
そして前面板1と背面板9とは、表示電極6とアドレス電極11とが直交するように放電空間15を挟んで対向して配置される。そして放電空間15には、放電ガスとして、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうち、少なくとも1種類の希ガスが66500Pa(500Torr)程度の圧力で封入されており、隔壁13によって仕切られアドレス電極11と表示電極6である走査電極4および維持電極5との交差部が単位発光領域である放電セル16として動作する。
【0008】
このPDP1では、アドレス電極11、表示電極6に周期的な電圧を印加することによって放電を発生させ、この放電による紫外線を蛍光体層14に照射し可視光に変換させることにより、画像表示を行う(例えば、非特許文献1参照)。
【0009】
【非特許文献1】
2001 FPDテクノロジー大全、株式会社電子ジャーナル、2000年10月25日、p542−p547
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
PDP1の画像表示時には、放電によって発生した荷電粒子は放電セル16内のあらゆる部位に衝突する。図3に示すように、放電セル16内の放電空間15に面しているのは保護層8と蛍光体層14であり、その表面積は放電セル16のサイズおよび形状によっても異なるが、保護層8に対し蛍光体層14の表面積は概ね1.5〜4倍になる。すなわち、放電により、荷電粒子の60〜80%は蛍光体層14に衝突することになる。
【0011】
ここで、従来、蛍光体層14はスクリーン印刷法あるいはインクジェット法など、蛍光体を含有したインクを用いて塗布した後、蛍光体インクの分散剤として用いられている樹脂成分を除去するための焼成を行うことで形成される。ここで、現状使用されている蛍光体の粒径は概ね1〜3μmで、比表面積が大きく、このことにより、蛍光体層14中には水や炭化水素系など多量の不純ガスが除去しきれずに残っている。
【0012】
そして、放電によって荷電粒子が発生し、蛍光体層14に衝突すると、蛍光体層14中に吸蔵されている不純ガスが叩き出され脱離する。その結果、脱離した不純ガスは一旦、放電空間15中に浮遊し、その後、蛍光体層14表面に再付着したり、前面板2の保護層8に吸着されたりする。保護層8に水や炭化水素系の不純ガスが吸着すると、放電特性が変化する。具体的には、放電遅れ時間が変化し、点灯させる放電セル16を選択するためのアドレス放電で所定の時間内に放電できなくなるといった不具合が生じる。
【0013】
また、保護層8自身、保護層材料として用いられる酸化マグネシウムが吸水性に富み、大気中の水分を吸着しやすいことから、上述のような課題を助長させる要因となっている。
【0014】
本発明は、このような背景の下でなされたものであって、蛍光体層の表層にオーバーコート層を形成し、蛍光体層からの不純ガスの放出を抑制すること、および、PDPの製造時での不純ガスの持ち込みを極力低減することとで、放電特性が安定なPDPを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のプラズマディスプレイパネルは、走査電極と維持電極とを覆う誘電体層を保護する保護層を備える前面板と、紫外線により励起して発光する蛍光体層を備える背面板とを有するプラズマディスプレイパネルにおいて、蛍光体層の表層を保護層と同質の材料からなるオーバーコート層で覆っていることを特徴とするものである。
【0016】
また、上記目的を達成するために、本発明のプラズマディスプレイパネルは、走査電極と維持電極とを覆う誘電体層を保護する保護層を備える前面板と、紫外線により励起して発光する蛍光体層を備える背面板とを有するプラズマディスプレイパネルにおいて、蛍光体層の表層を酸化マグネシウムからなるオーバーコート層で覆っていることを特徴とするものである。
【0017】
また、上記目的を達成するために、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、走査電極と維持電極とを覆う誘電体層を保護する保護層を備える前面板と、紫外線により励起して発光する蛍光体層を備える背面板とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法において、保護層の形成方法が真空成膜法であり、前面板は保護層の形成後、少なくとも背面板と重ね合わせるまでの間、低露点雰囲気下とし、背面板は、蛍光体層の形成後、その表層にオーバーコート層を形成し、その後、前面板と背面板とを低露点雰囲気下で重ね合わせることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、走査電極と維持電極とを覆う誘電体層を保護する保護層を備える前面板と、紫外線により励起して発光する蛍光体層を備える背面板とを有するプラズマディスプレイパネルにおいて、蛍光体層の表層を保護層と同質の材料からなるオーバーコート層で覆っていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルである。
【0019】
また、請求項2に記載の発明は、走査電極と維持電極とを覆う誘電体層を保護する保護層を備える前面板と、紫外線により励起して発光する蛍光体層を備える背面板とを有するプラズマディスプレイパネルにおいて、蛍光体層の表層を酸化マグネシウムからなるオーバーコート層で覆っていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルである。
【0020】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、蛍光体層は緑色蛍光体層を有し、オーバーコート層は、緑色蛍光体層の表層のみを覆っていることを特徴とするものである。
【0021】
また、請求項4に記載の発明は、走査電極と維持電極とを覆う誘電体層を保護する保護層を備える前面板と、紫外線により励起して発光する蛍光体層を備える背面板とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法において、保護層の形成方法が真空成膜法であり、前面板は、保護層の形成後、少なくとも背面板と重ね合わせるまでの間、低露点雰囲気下とし、背面板は、蛍光体層の形成後、その表層にオーバーコート層を形成し、その後、前面板と背面板とを低露点雰囲気下で重ね合わせることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【0022】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、蛍光体層は、緑色蛍光体層を有し、オーバーコート層は緑色蛍光体層の表層のみに形成することを特徴とするものである。
【0023】
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、オーバーコート層は、真空成膜法により形成することを特徴とするものである。
【0024】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、オーバーコート層は、保護層を形成する装置と同一の装置で形成することを特徴とするものである。
【0025】
また、請求項8に記載の発明は、請求項4から7のいずれかに記載の発明において、オーバーコート層は、酸化マグネシウムからなることを特徴とするものである。
【0026】
また、請求項9に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、低露点雰囲気が、減圧雰囲気であることを特徴とするものである。
【0027】
以下、本発明の一実施の形態によるPDPについて図面を参照しながら説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施の形態によるPDPの概略構成を示す断面斜視図である。
【0029】
PDP21の前面板22は、例えばフロートガラスのような、平滑で、透明且つ絶縁性の基板23上に、走査電極24と維持電極25とからなる表示電極26を複数形成し、そしてその表示電極26を覆うように誘電体層27を形成し、さらにその誘電体層27上に、例えばMgOからなる保護層28を形成することにより構成している。なお、走査電極24および維持電極25は、それぞれ放電電極となる透明電極24a、25aおよびこの透明電極24a、25aに電気的に接続されたCr/Cu/CrまたはAg等からなるバス電極24b、25bとから構成されている。ここで、保護層28の材料としては、酸化マグネシウム(MgO)の他、窒化アルミ(AlN)、酸化ストロンチウム(SrO)などの材料を挙げることもできる。以降の説明では、代表的な材料である酸化マグネシウムを例として説明する。
【0030】
また、背面板29は、例えばガラスのような絶縁性の基板30上に、アドレス電極31を複数形成し、このアドレス電極31を覆うように誘電体層32を形成している。そしてこの誘電体層32上の、アドレス電極31間に対応する位置には隔壁33を設けており、誘電体層32の表面と隔壁33の側面にかけて蛍光体層34を設けた構造となっている。蛍光体層34の各ラインが、赤、緑、青の各色の蛍光体層に対応している。そして、蛍光体層34の表層にはオーバーコート層35が形成されている。
【0031】
そして前面板22と背面板29とは、表示電極26とアドレス電極31とが直交するように放電空間36を挟んで対向して配置されている。そして放電空間36には、放電ガスとして、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうち、少なくとも1種類の希ガスが66500Pa(500Torr)程度の圧力で封入されており、隔壁33によって仕切られアドレス電極31と表示電極26である走査電極24および維持電極25との交差部が単位発光領域となる放電セル37として動作する。
【0032】
このPDP21では、アドレス電極31、表示電極26に印加される周期的な電圧によって放電を発生させ、この放電による紫外線を蛍光体層34に照射して可視光に変換させることにより、画像表示を行う。
【0033】
次に、上述した構成のPDP21の駆動方法について説明する。図2は、PDP21と、PDP21を駆動するための駆動回路41とを有するプラズマディスプレイ装置100の概略構成を示すブロック図である。PDP21を駆動するための駆動回路41は、走査電極ドライバ42と維持電極ドライバ43とアドレス電極ドライバ44と、これらの動作を制御するコントローラ45を有している。そして、PDP21の駆動時には、点灯させようとする放電セル37の走査電極24とアドレス電極31との間にアドレス電圧を印加してアドレス放電を行った後に、走査電極24と維持電極25との間にパルス電圧を印加して維持放電を行う。そして、この放電セル37での放電に伴い紫外線が発光し、この紫外線が蛍光体層34(図1)で可視光に変換され、放電セル37が点灯する。
【0034】
次に、上述のPDP21の製造方法について説明する。
【0035】
まず前面板22には、基板23上に表示電極26を形成し、その上に、誘電体層27を、鉛ガラスを主成分とするペーストをスクリーン印刷して焼成することによって形成する。
【0036】
また、背面板29には、基板30上にアドレス電極31を形成し、その上にスクリーン印刷法と焼成によってTiO粒子と誘電体ガラスからなる誘電体層32を形成し、同じくスクリーン印刷を繰り返し行った後、焼成することによってガラス製の隔壁33を所定のピッチで形成する。
【0037】
そして、これらの隔壁33に挟まれた各空間内に、赤色蛍光体,緑色蛍光体,青色蛍光体を含む各色蛍光体ペーストをインクジェット法でそれぞれ塗布し、その後、大気中で焼成してペースト内の樹脂成分等を除去することで蛍光体層34を形成する。
【0038】
そして、次に、前面板22と背面板29とを貼り合わせるためのシール材として、封着用ガラスフリット材料を、例えば背面板29の周縁部に塗布し、ガラスフリット内の樹脂成分等を除去するために大気中で仮焼成することにより、封着層(不図示)として形成する。
【0039】
次に、前面板22への保護層28の形成と、背面板29へのオーバーコート層35の形成を行う。保護層28は、前面板22の誘電体層27上に、例えば酸化マグネシウム(MgO)を真空成膜法であるEB蒸着法にて、約1.0μmの厚みで形成する。また、オーバーコート層35は、背面板29の蛍光体層34上に約100nmの厚みで形成する。ここで、材料としては酸化物あるいは弗化物であると好ましい。
【0040】
その後、前面板22と背面板29とを、隔壁33を介して表示電極26とアドレス電極31とが直交するよう対向配置して重ね合わせる。
【0041】
そして、その状態で封着層の封着用ガラスフリット材料が溶ける温度まで加熱して、周囲を密封する、いわゆる封着を行う。
【0042】
さらに、加熱しながらPDP21内を排気することでPDP21内の不純ガスを脱ガスする、排気ベーキングを行い、その後、放電ガスを所定の圧力に導入することで、PDP21が完成する。
【0043】
ここで、上述した本発明の一実施の形態によるPDPの製造方法においては、保護層28の形成は真空成膜法で行い、また、前面板22は、保護層28を形成した後、少なくとも背面板29と重ね合わせるまでの間を低露点雰囲気下とし、また、前面板22と背面板29との重ね合わせは低露点雰囲気下で行う。
【0044】
ここで、保護層28の材料として用いられる酸化マグネシウムは、吸水性に富み、成膜後、大気解放を行うと、大気中に含まれる水分を吸着しやすく、吸着した水分は、後に行う、排気ベーキングを経ても、その排気抵抗ゆえに、PDP21内部から完全に取り除くことはできず、その結果、完成したPDP21内に不純ガスとして存在し、放電に悪影響を及ぼす場合があるが、本発明によれば、保護層28の形成方法が真空成膜法であり、また、保護層28の形成後、少なくとも背面板29と重ね合わせるまでの間、低露点雰囲気下であり、また、背面板29との重ね合わせも低露点雰囲気下で行うことから、保護層28に大気中に含まれる水分が付着し、それがPDP21内に持ち込まれるということは、大幅に抑制されることとなる。
【0045】
ここで、低露点雰囲気のレベルとしては、問題となる水分の量に応じて決定すれば良く、またその実現方法としては、低露点温度のガスを導入した雰囲気とすることや、真空雰囲気等、減圧雰囲気とすること等を挙げることができる。
【0046】
また、前面板22と背面板29とを重ね合わせると、その内側に形成された放電空間36は、隔壁33により仕切られた構造となることから、この状態では、大気中の水分が放電空間36の奥深くにまで入り込んで保護層28に付着する確率は非常に少なくなるので、保護層28に対する水分の付着抑制という観点からは、成膜後、この重ね合わせまでを最低限、低露点雰囲気とすればよい。但し、より確実には、その後に行う、封着、排気ベーキングも、低露点雰囲気下とすることが好ましい。
【0047】
また、本発明によれば、PDP21内での不純ガスの放出源となる蛍光体層34の表層にオーバーコート層35を設けており、このことにより、PDP21内において、蛍光体層34から不純ガスが放出されることを大幅に抑制することが可能となる。
【0048】
ここで、先述の、保護層28に大気中の水分が付着することを抑制するということに整合させるために、例えば、オーバーコート層35の形成方法も真空成膜法とし、保護層28の成膜装置と、オーバーコート層35の成膜装置と、前面板22と背面板29との重ね合わせを行う場、例えば重ね合わせ装置とを、例えばロードロックチャンバーで繋げるという装置構成にすれば、大気開放することなく一貫して低露点雰囲気である真空雰囲気でプラズマディスプレイパネルの製造を行うことが可能となり、好ましい。
【0049】
また、前面板22への保護層28の形成を行う装置において、基板の入れ替えを可能とすることにより、背面板29へのオーバーコート層35の形成を同一の装置で、同質の材料、例えば酸化マグネシウムで形成することが可能となり、設備の簡素化が可能となる。
【0050】
ここで、PDPでは147nmという、波長が非常に短い紫外線で蛍光体層34の励起発光を促すため、オーバーコート層35として用いることのできる材料には、147nmにおける透過率が高いことが求められる。ここで、本発明者らが行った検討により、保護層28と同じMgO材料を用いてオーバーコート層35を形成した結果、数100nm程度までの膜厚であれば、輝度、不純ガスの脱離において効果が得られることを確認した。すなわち、保護層28とオーバーコート層35とをMgOで形成することで、不純ガスの低減と同時に設備の簡略化が可能になるという効果を得ることができる。
【0051】
また、本発明者らが行った検討により、赤、緑、青の3色の蛍光体層34において、特に緑色の蛍光体層からの不純ガスが、蛍光体層34からの放出ガスのうちの大部分を占めていることを見出した。そこで、不純ガスの主たる発生源である緑色の蛍光体層の表層のみにオーバーコート層35を形成してやると、効果的に不純ガスの発生を抑えることができ、且つ、青色の蛍光体層にはオーバーコート層35を形成しないことから、発光効率がもともと低い青色の蛍光体層の青色発光を有効に取り出すことができるため、好ましい。
【0052】
なお、本発明の明細書に添付の図面ならびに上記記載の実施の形態は、本発明の一例として挙げたに過ぎない。本発明は、これら図面および実施の形態に限定されることを意図しない。
【0053】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明のプラズマディスプレイパネルによれば、蛍光体層からの不純ガスの放出が抑制され、また、プラズマディスプレイパネルの製造時での不純ガスの持ち込みを低減することが可能となり、放電特性が安定なプラズマディスプレイパネルを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイパネルの概略構成を示す断面斜視図
【図2】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイパネルを用いたプラズマディスプレイ装置の概略構成を示すブロック図
【図3】従来のプラズマディスプレイパネルの概略構成を示す断面斜視図
【符号の説明】
21 プラズマディスプレイパネル
22 前面板
24 走査電極
25 維持電極
26 表示電極
27 誘電体層
28 保護層
29 背面板
34 蛍光体層
35 オーバーコート層

Claims (9)

  1. 走査電極と維持電極とを覆う誘電体層を保護する保護層を備える前面板と、紫外線により励起して発光する蛍光体層を備える背面板とを有するプラズマディスプレイパネルにおいて、蛍光体層の表層を保護層と同質の材料からなるオーバーコート層で覆っていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 走査電極と維持電極とを覆う誘電体層を保護する保護層を備える前面板と、紫外線により励起して発光する蛍光体層を備える背面板とを有するプラズマディスプレイパネルにおいて、蛍光体層の表層を酸化マグネシウムからなるオーバーコート層で覆っていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  3. 蛍光体層は緑色蛍光体層を有し、オーバーコート層は、緑色蛍光体層の表層のみを覆っていることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 走査電極と維持電極とを覆う誘電体層を保護する保護層を備える前面板と、紫外線により励起して発光する蛍光体層を備える背面板とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法において、保護層の形成方法が真空成膜法であり、前面板は、保護層の形成後、少なくとも背面板と重ね合わせるまでの間、低露点雰囲気下とし、背面板は、蛍光体層の形成後、その表層にオーバーコート層を形成し、その後、前面板と背面板とを低露点雰囲気下で重ね合わせることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 蛍光体層は、緑色蛍光体層を有し、オーバーコート層は緑色蛍光体層の表層のみに形成することを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. オーバーコート層は、真空成膜法により形成することを特徴とする請求項4または5に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  7. オーバーコート層は、保護層を形成する装置と同一の装置で形成することを特徴とする請求項6に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. オーバーコート層は、酸化マグネシウムからなることを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. 低露点雰囲気が、減圧雰囲気であることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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