JP2006031993A - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents

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Kanako Miyashita
加奈子 宮下
Akihiro Matsuda
明浩 松田
Koji Akiyama
浩二 秋山
Masafumi Okawa
政文 大河
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Abstract

【課題】放電ガス導入口付近の表示領域の保護膜(MgO)における不純ガスの吸着を抑制し、色ムラの少ないPDPを提供することを目的とする。
【解決手段】前面板1と背面板2とを対向配置して内部に放電空間を形成し、放電空間に放電ガスを封入するための排気孔(封入孔)31を具備したプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前面板1と背面板2とを封着する工程と、放電空間を排気する工程と、放電空間に放電ガスを封入する工程とを有し、放電空間を排気する工程の前に排気孔(封入孔)31近傍にガス吸着物質であるゲッタ34を配置する工程を有している。
【選択図】図3

Description

本発明は、文字あるいは画像表示用のカラーテレビジョン受像機やディスプレイなどに用いられるプラズマディスプレイパネルに関するものである。
液晶パネルに比べて高速表示が可能であり、かつ大型化が容易であることから高品位テレビジョン画像を大画面で表示することができるディスプレイ装置として、希ガス放電による紫外線で蛍光体を励起発光させて画像を表示させるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPあるいはパネルと記載する)を使用したカラーテレビジョン受信機などの表示装置への期待が高まっている。さらに、PDPはハイビジョン用の大画面表示デバイスとして注目され、そのため高精細化および高輝度化などの表示品質の向上および高い信頼性を目指したPDPの製造技術の開発がますます重要になってきている。
一般的にAC駆動面放電型PDPは、3電極構造を採用しており、この種のPDPは基本的には前面板と背面板との2枚のガラス基板が所定の間隔で対向配置された構造となっている。前面板は、ガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状の透明電極およびバス電極よりなる表示電極と、この表示電極を被覆して電荷を蓄積するコンデンサとしての働きをする誘電体層と、この誘電体層上に形成されたMgO保護層とで構成されている(例えば、特許文献1)。
誘電体層は、通常無機成分として鉛ホウ珪酸系の低融点ガラスなどの粉体と、バインダ成分としてのエチルセルロース樹脂と、溶剤とを混練して得られた所定粘度を有する誘電体ペーストを、印刷法、一括塗布法または転写法などにより表示電極が形成されている前面板の一主面上に所定の膜厚で塗布した後、乾燥させ、焼成することによって形成される。
一方、背面板はガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状のデータ電極と、このデータ電極を覆う誘電体層と、その上に形成された隔壁と、各隔壁によって形成された表示セル内に塗布された赤色、緑色および青色にそれぞれ発光する蛍光体層とで構成されている。
前面板と背面板とはその電極形成面側を対向させて気密封着され、隔壁によって形成された放電空間にはNe−Xeなどの放電ガスが400Torr〜600Torrの圧力で封入されている。
表示電極に映像信号電圧を選択的に印加することによって放電ガスを放電させ、それによって発生した紫外線が各色蛍光体層を励起して赤色、緑色、青色の各色を発光させることによりカラー画像を表示している。
なお、MgO保護層は、蒸着法、スパッタ法などの真空成膜法や、スクリーン印刷法などによって形成される。また、蛍光体層は、スクリーン印刷法あるいはインクジェット法などによって形成される。
次に、従来のPDPの製造方法について図9のフローチャートを用いて説明する。
前面板は、前面ガラス基板上に透明電極および銀からなる表示電極を形成し、その上に誘電体ガラスからなる誘電体層と誘電体保護層とを順次形成して完成する。
また、背面板は、背面ガラス基板上に銀からなるデータ電極を形成し、その上に誘電体ガラスからなる下地誘電体層を形成し、さらにその上に所定ピッチで隔壁を形成し、隔壁に挟まれた各空間内に、赤色、緑色、青色の各色蛍光体ペーストをそれぞれ配設して蛍光体層を形成して完成する。その後、背面板の周囲に前面板との封着用ガラスフリットを塗布し、ガラスフリット内の樹脂成分などを除去するために350℃程度で仮焼してフリット形成を行う。
その後、前面板と背面板とを隔壁を介して表示電極とデータ電極が直交するよう対向配置し、450℃程度で焼成して封着ガラスによって周囲を封着する。さらに、全体を350℃程度まで加熱しながらPDP内部を排気する排気ベーキングを行い、常温に下がった後で放電ガスを所定の圧力だけ充填し、チップオフによってガス導入口を封止する。
特開平5−342991号公報
PDPに要望される特性のひとつとして表示品質の均一性が重要である。単色表示の輝度や色合いについては人間の視覚特性は鈍感であるが、白色表示時の色合いには非常に敏感で、面内にわずかな色の違いがあると色ムラとなって視認される。特に情報表示装置として用いる場合には、白色が背景に使われることが多く、白色表示の均一性を向上させることが急務であった。
色ムラの原因としては、放電ガス中の特定の不純ガスなどが影響を与えることが知られている。放電ガス中に不純ガスなどが混入すると、特に3色の蛍光体のうちの緑色蛍光体が放電により経時的に輝度が劣化し色バランスが崩れる。さらに、不純ガスの量がPDP内部の全領域内で不均一であると、表示面内で色バランスの崩れ度合いが不均一になることなどが考えられる。
従来のPDPでは、排気管の周辺部が他の場所に比べて不純ガス吸着量が多く、PDPの表示性能としても排気管、すなわち放電ガス導入口の周辺部で色ムラが顕著であり、緑色の輝度が他の場所に比べて低いという課題があった。
放電ガス導入口の周辺部で不純ガスが多い原因としては、放電空間に充填する放電ガスに含まれる極微量の不純ガスが、放電ガスを導入する際に、放電ガス導入口付近において前面板上に形成された保護膜(MgO)の表面に多く吸着していることなどがあげられる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、放電ガス導入口付近の表示領域の保護膜(MgO)における不純ガスの吸着を抑制し、色ムラの少ないPDPを提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明のPDPの製造方法は、前面板と背面板とを対向配置して内部に放電空間を形成し、放電空間に放電ガスを封入するための封入孔を具備したPDPの製造方法であって、前面板と背面板とを封着する工程と、放電空間を排気する工程と、放電空間に放電ガスを封入する工程とを有し、放電空間を排気する工程の前に封入孔の近傍にガス吸着物質を配置する工程を有している。
このような製造方法によれば、放電ガスを封入する際に、ガス吸着物質により放電ガス中に含まれる不純ガスを吸着することができるため、放電空間の不純ガスを抑制し、白色表示時の色ムラが抑えられ、表示均一性に優れたPDPを製造することができる。
さらに、ガス吸着物質が、ジルコニウムまたはチタンベースのゲッタであることが望ましく、ガス吸着物質が広範囲な気体吸収性を発揮するため、放電ガスに含まれる不純物を効果的に吸収することができる。
さらに、ガス吸着物質が酸化物であることが望ましく、工程中の熱プロセスにおいても安定したガス吸着性能を得ることができる。
また、放電ガスを封入する工程を室温より高い温度条件で行うことが望ましく、排気工程でのベーキング温度を維持した状態で放電ガスを導入することになり、ゲッタが最も活性な状態で不純ガスを吸着することができる。
また、放電ガスを封入する工程の後、室温において、放電ガスの圧力を減圧することで放電空間に封入された放電ガスの圧力を所定の圧力に調整する工程を有することが望ましく、高温で充填された放電ガスを冷却して放電空間内部のガス圧力を減圧して調整することにより、さらに圧力を補填するために外部から不純ガスを持ち込むことがない。
また、前面板と背面板とを封着する工程の前に、封入孔の近傍にガス吸着物質を配置する工程を有する構成であってもよい。このような構成によれば、ZnSiO:Mnなどのガス吸着特性の大きい蛍光体材料を使用して、蛍光体層の形成時に封入孔付近にも蛍光体材料を塗布することにより、蛍光体層の形成と同時にガス吸着層を形成し、ガス吸着層を形成するための材料も不要とする効果を発揮することができる。
また、本発明のPDPは、前面板と背面板とを対向配置して内部に放電空間を形成し、放電空間に放電ガスを封入するための封入孔を具備したPDPであって、封入孔の近傍にジルコニウムあるいはチタンベースのゲッタであるガス吸着物質を備えている。
このような構成によれば、ガス吸着物質が広範囲な気体吸収性を発揮し、放電ガス中に含まれる不純ガスを効果的に吸収することができ、放電空間に不純ガスが少なく、白色表示時の色ムラが抑えられ、表示均一性に優れたPDPを実現することができる。
また、本発明のPDPは、前面板と背面板とを対向配置して内部に放電空間を形成し、放電空間に放電ガスを封入するための封入孔を具備したPDPであって、封入孔の近傍に酸化物であるガス吸着物質を備えている。
このような構成によれば、放電ガス中に含まれる不純ガスを、工程中の高温熱プロセスにおいても安定して効果的に吸着することができ、放電空間に不純ガスが少なく、白色表示時の色ムラが抑えられ、表示均一性に優れたPDPを実現することができる。
本発明のPDPおよびその製造方法によれば、封入する放電ガス中の不純ガスを封入孔の近傍で吸着し、表示領域での不純ガスが少なく、白色表示時の色ムラのない表示均一性に優れたPDPを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図である。図2は同PDPの背面板側からの平面図、図3は同PDPの排気管近傍の構造を示す断面図、図4は同PDPの製造方法を示すフローチャート、図5は同PDPの製造方法における温度プロファイルとPDPの放電空間内部の圧力との関係を示す図である。
本発明の第1の実施の形態におけるPDPの基本構造は、一般的な交流面放電型PDPと同様である。図1に示すように、PDPは第1の基板である前面ガラス基板11などよりなる前面板1と、第2の基板である背面ガラス基板12などよりなる背面板2とが対向して配置され、その外周部をガラスフリットなどからなる封着材によって気密封着されている。封着されたPDP内部の空間である放電空間22には、放電ガスとして、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などが、排気孔を通じて400Torr〜600Torrの圧力で封入されている。
前面板1の前面ガラス基板11上には、走査電極13および維持電極14よりなる一対の帯状の表示電極15が互いに平行となるように複数配置されている。走査電極13および維持電極14は、それぞれ透明電極13a、14aと、透明電極13a、14a上に形成され導電性を高めるための銀などからなる金属母線13b、14bとから構成されている。これらの走査電極13と維持電極14とを覆うように前面ガラス基板11上にはPb−B系ガラスなどからなりコンデンサとしての働きをする誘電体層16が形成され、さらにその上に酸化マグネシウム(MgO)などからなるMgO保護層17が形成されている。
また、背面板2の背面ガラス基板12上には、走査電極13および維持電極14と直交する方向に、複数の帯状のデータ電極19が互いに平行となるように配置され、これを誘電体層18が被覆している。さらに、走査電極13および維持電極14とデータ電極19とで形成される複数の放電セルを区画するための隔壁20が、データ電極19と平行に、ストライプ状に形成されている。隔壁20により区画され放電セルを構成する放電空間22には、それぞれ蛍光体層21が形成されている。蛍光体層21は背面板2に互いに平行に設けられた複数のデータ電極19に対応して、紫外線によって赤色、青色および緑色にそれぞれ発光する蛍光体層21R、21G、21Bが交互に形成されている。
ここで、蛍光体の材料としては、赤色蛍光体として(Y,Gd)BO:Eu、緑色蛍光体としてZnSiO:Mn、YBO:Tb、さらに青色蛍光体:BaMgAl1017:Euなどが使用される。
図2は本発明の第1の実施の形態におけるPDPの背面板側からの平面図である。前面板1と背面板2とはガラスフリットからなる封着材3でその外周部が封着されており、背面板2の表示領域30の外側には、放電ガスを導入するための封入孔をかねた排気孔31が設けられている。この排気孔31を覆うようにして排気管32が接続され、排気管32を経由して放電空間22のガスの排気や放電ガスの封入が行われる。
次に、本発明の第1の実施の形態における構造および製造上の特徴について説明する。
図3は排気管32の近傍の構造を側面から示す断面図である。排気管32は排気孔31と接続する部分が円錐状に形成されており、排気管32の円錐部33が背面板2に設けられた放電ガスを導入するための排気孔31を覆うように構成され、排気管32の円錐部33の先端部と背面板2とは封着材3により封着されている。また、排気管32の内部には、ガス吸着物質としてのゲッタ34が配置されている。
図4は本発明の第1の実施の形態におけるPDPの製造方法のフローチャートの一例を示す。図4に示すように、前面板1と背面板2とを形成して封着した後、排気管32の円錐部33にゲッタ34を挿入し、排気管32を背面板2の排気孔31周囲に接合する。なお、排気管32の背面板2への接合を、前面板1と背面板2とを封着材3で接合する際に同時に行ってもよい。また、ゲッタ34の外形を排気管32の内径よりも大きくすることによって、排気管32内へゲッタ34が落下するのを防止するようにしてもよい。次にこの状態で、排気管32に排気ポンプなどを接続し、PDPを加熱しながらいわゆる排気ベーキングを行う。
その状態で、所定の温度に到達した後、所定の時間保持した後、放電空間22に放電ガスを導入しその後、室温まで冷却する。高温で充填された放電空間22内部の放電ガスの圧力は、冷却されると導入時より低くなる。したがって、PDPが室温に冷却してからガス圧力が安定した状態で所定の圧力に調節することが望ましい。その後、排気管32を封止する(チップオフ)ことにより放電ガスの封入が完了し、PDPが完成する。
次に図4におけるゲッタの挿入からチップオフまでの具体的な温度プロファイルとパネル内部のガス圧力について図5を用いて詳細に説明する。
排気管32にゲッタ34を挿入した後、排気管32を排気装置(図示せず)に接続し、放電空間22の排気を開始する。真空度が概略所定の圧力になったところで、PDPの加熱を開始する。ここで、加熱後に排気すると、温度上昇により脱離したガスを効率よく排出することができるが、封着後のPDPの内部には水素が多く存在しているため、加熱時に水素がMgO保護層17や蛍光体層21と反応してしまう。したがって、先に排気により水素を除去し、その後、加熱するのが望ましい。概略所定の圧力まで排気した後に加熱すると、温度に応じて放電空間22から種々のガスが脱離するため、放電空間22のガス圧力は上昇しながら所定の温度に達する。この温度を保持すると、放電空間22に残存するガスは脱離と排出を繰り返し、徐々にガス圧力が低下する。この状態で一定時間経過した後、バルブの切換操作により排気管32の接続経路を切り換え、排気管32を経由して放電空間22に放電ガスを導入する。なお、ゲッタ34は所定の温度で活性な状態になるように設計されており、放電ガスの導入は、ゲッタ34の吸着効果を高めるためにゲッタ34が活性な状態にある温度で行うことが望ましい。
放電ガスの導入後、PDPが割れないように室温まで徐冷する。室温では放電空間22のガス圧力は導入時より低くなる。そのため、所定の圧力に調節する場合に、放電ガスを補填する方法では、ゲッタ34による不純物除去の効果が無駄になってしまう。したがって、放電ガス導入時には所定の圧力よりも高めにしておき、室温に下がってから減圧して調節することが望ましい。さらに、室温に下がったときのガス圧力を見積もり、室温で所定の圧力になるようにガス封入時の圧力を設定する方法も望ましい。
このようにして放電空間22のガス圧力を所定の圧力に設定した後、排気管32を封止してPDPが完成する。
さらに、ゲッタ34の材料としては、ジルコニウムまたはチタンベースの合金が広範囲な気体吸収性を有し最も有用である。特にジルコニウム(Zr)−バナジウム(V)−鉄(Fe)合金の粉末を単独で使用するか、ジルコニウムあるいはチタン粉末との組み合わせて使用するのが好ましい。これらの材料は、製造後には酸化物、窒化物および炭化物が粉末の粒子表面に存在しているが、熱的な活性化処理を施すことにより、それらはバルク内部に向けて拡散し、表面がフリーな状態になって周辺のガスを吸収する。吸収したガスもバルク内部に向けて拡散し、再び周辺のガスを吸収する。この作用の繰り返しによるガス吸収量には限度があるため、排気管32の内部に挿入するゲッタ34の配設量を適性に確保することが重要となる。
本発明の第1の実施の形態では、高温を保持している間に放電空間22に残存する脱離ガスは排気管32を経由して排出されるが、排気管32の内部に配設されたゲッタ34は活性化されているため離脱ガスを吸収しやすい状態にある。排気管32に配設されたゲッタ34の量が少なく、排気時にゲッタ34の吸収が飽和状態になってしまうと、放電ガスを導入する際に放電ガス中の不純物を吸収できなくなり、放電ガスに含まれる不純物の除去が困難になる場合があるので、ゲッタ34のガス吸収量に応じてゲッタ34の配設量を決定することにより、より大きな効果が得られる。
以上、本発明の第1の実施の形態におけるPDPおよびその製造方法によれば、排気孔の付近に配設されたガス吸着物質により、放電空間に封入された放電ガス中に含まれる不純物(不純ガス)を効果的かつ広範囲に吸収し、特に排気孔付近の表示領域の保護膜(MgO)への不純物の吸着を抑制し、放電空間に残存する不純ガスを少なくすることができる。この結果、白色表示時の色ムラを抑えることができ、表示均一性に優れたPDPを実現することができる。
(第2の実施の形態)
図6は本発明の第2の実施の形態におけるPDPの排気孔の周辺部の構造を示す平面図であり、図7は同PDPの排気管の周辺部の構造を示す断面図である。
表示領域の構成については第1の実施の形態と略同じであり、同じ符号を用い説明を省略するが、排気管の周辺部の構造が特徴的に異なっている。
図6に示すように、前面板1と背面板2とが封着材3で貼り合わされ、放電空間22の内部に表示領域30が形成されている。背面板2には封着材3と表示領域30の間に放電ガスを導入するための排気孔31が形成されており、この排気孔31の周囲を囲うようにして、ガス吸着層40が配置されている。これを側面断面図として見ると、図7に示すようにガス吸着層40の高さは封着材3や表示領域30の隔壁20の高さよりも低くし、ガス吸着層40の上端部と前面板1の下端部との間には空間が設けられている。
ガス吸着層40を構成する材料としては、酸化物の粉末を主とし、表面水酸基の量が多いことが望ましい。例えば、MgO、Al、ZrO、TiOなどの酸化物の他、複合酸化物であってもよい。ガス吸着層40の形成方法としては、微粉末をペースト状にしたものを排気孔31周辺に塗布したり、微粉末を圧縮プレスした固形状のものを排気孔31周辺に固着したりするなど、吸着層の総表面積が大きくなるように微粉末を用いて形成することが望ましい。
次に本発明の第2の実施の形態におけるPDPの製造方法について説明する。
図8は同PDPの製造方法のフローチャートの一例を示す。前面板1と背面板2を形成した後、背面板2において排気孔31の周辺部にガス吸着層40を形成し、前面板1と背面板2を封着材3により封着する。その後の工程は、図9に示す従来と同様である。
ガス吸着層40を形成する材料としては、放電空間22に封入する放電ガスに含まれる不純ガスを効果的に吸着させるために、微粉末を用いて総表面積が大きくすることが有用である。その対策としては、微粉末からなるペーストを塗布したり、微粉末を圧縮プレスした固形状で固着させる方法があるが、ペーストを塗布する場合は、あらかじめペースト中の脱バインダ処理を行い、汚染源となる不純物を除去しておく必要がある。本発明の第2の実施の形態におけるPDPの製造方法では、蛍光体層21の焼成の前にガス吸着層40のペースト塗布を行っており、蛍光体層21の焼成と同時にペースト中の脱バインダ処理ができるため、脱バインダ処理を行うための工程を特に必要としないという効果がある。
なお、ガス吸着層40の材料としては、蛍光体材料を使用することもできる。特にZnSiO:Mnはガス吸着特性が大きく、蛍光体層21の形成時に排気孔31の付近やその周辺にも蛍光体材料を塗布すれば、ガス吸着層40を形成するための工程と材料が不要となり、蛍光体層21の形成と同時に、ガス吸着層40を形成することができる。
ただし、ガス吸着層40の上端部は前面板1の下端部との間に空間を形成する必要がある。空間がなくなると排気コンダクタンスが悪くなり、排気ベーキング工程で十分なガス排気ができなくなるおそれがある。また、空間がなくなるほどガス吸着層40が高く形成され、表示領域30の隔壁20より高くなった場合には、表示領域30の隔壁20の上端部と前面板1との間に隙間が生じ、パネル駆動の際にノイズの原因となる。したがって、ガス吸着層40の高さは隔壁20の高さより低く、前面板1の下端に接しないことが望ましい。
以上のように、本発明の製造方法に係わるPDPは、色ムラなどのない均一な表示性能を実現し、壁掛けテレビや大型モニターなどの高輝度、高精細度のディスプレイ装置として有用である。
本発明の第1の実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図 同PDPの背面板側からの平面図 同PDPの排気管近傍の構造を示す断面図 同PDPの製造方法を示すフローチャート 同PDPの製造方法における温度プロファイルとPDPの放電空間内部の圧力との関係を示す図 本発明の第2の実施の形態におけるPDPの排気孔の周辺部の構造を示す平面図 同PDPの排気管の周辺部の構造を示す断面図 同PDPの製造方法のフローチャート 従来のPDPの製造方法を示すフローチャート
符号の説明
1 前面板
2 背面板
3 封着材
11 前面ガラス基板
12 背面ガラス基板
13 走査電極
13a,14a 透明電極
13b,14b 金属母線
14 維持電極
15 表示電極
16,18 誘電体層
17 MgO保護層
19 データ電極
20 隔壁
21,21R,21G,21B 蛍光体層
22 放電空間
30 表示領域
31 排気孔
32 排気管
33 円錐部
34 ゲッタ
40 ガス吸着層

Claims (8)

  1. 前面板と背面板とを対向配置して内部に放電空間を形成し、前記放電空間に放電ガスを封入するための封入孔を具備したプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    前記前面板と前記背面板とを封着する工程と、前記放電空間を排気する工程と、前記放電空間に放電ガスを封入する工程とを有し、前記放電空間を排気する工程の前に前記封入孔の近傍にガス吸着物質を配置する工程を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. ガス吸着物質が、ジルコニウムまたはチタンベースのゲッタであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. ガス吸着物質が、酸化物であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 放電ガスを封入する工程を、室温より高い温度条件で行うことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 放電ガスを封入する工程の後、室温において、放電ガスの圧力を減圧することで放電空間に封入された放電ガスの圧力を所定の圧力に調整する工程を有することを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. 前面板と背面板とを封着する工程の前に、封入孔の近傍にガス吸着物質を配置する工程を有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  7. 前面板と背面板とを対向配置して内部に放電空間を形成し、前記放電空間に放電ガスを封入するための封入孔を具備したプラズマディスプレイパネルであって、前記封入孔の近傍にジルコニウムあるいはチタンベースのゲッタであるガス吸着物質を備えたことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  8. 前面板と背面板とを対向配置して内部に放電空間を形成し、前記放電空間に放電ガスを封入するための封入孔を具備したプラズマディスプレイパネルであって、前記封入孔の近傍に酸化物であるガス吸着物質を備えたことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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