JP2004341174A - トナーの製造方法、トナー製造装置及び該トナーの製造方法で製造されるトナー - Google Patents

トナーの製造方法、トナー製造装置及び該トナーの製造方法で製造されるトナー Download PDF

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昭一郎 石橋
Akira Ohira
晃 大平
Yoshiki Nishimori
芳樹 西森
Masafumi Uchida
雅文 内田
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Abstract

【課題】感光体フィルミングやクリーニング不良が発生しない安定した性能を有するトナーの製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂微粒子と凝集させ、着色粒子分散液の状態を経てトナー粒子を形成するトナーの製造方法であって、少なくとも1枚以上の沈降板を有する遠心沈降装置を用いて前記着色粒子分散液の濃縮を行い、前記着色粒子分散液の温度を30〜48℃として前記濃縮を行うことを特徴とするトナーの製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナーの製造方法、トナー製造装置及び該トナーの製造方法で製造されるトナーに関する。詳しくは、トナー粒子の製造時に生成される粒子からなる着色粒子分散液を濃縮し、粒子表面に付着した不純物の除去を行う工程を経てトナー粒子を得るトナーの製造方法、トナー製造装置及びトナー製造方法により得られたトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
重合トナーは、水系媒体中の重合プロセスでトナーの粒径や形状を制御することにより、粒径が小さく、かつ粒径分布の幅が狭い、粒子表面に角がない丸みを有するトナーが得られることが開示され、その細線再現性、高解像性からデジタル画像用の小さなドット画像の再現可能なトナーとして注目されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、重合トナーは、水系媒体中で生成したトナー粒子を水系媒体より分離して得られる。トナー粒子が分散している水系媒体(本明細書では着色粒子分散液という)は、界面活性剤やトナー粒子表面より離脱した遊離離型剤粒子、その分解物粒子といった不純物を含有している。そのため、水系媒体より分離したトナー粒子表面にはこれらの不純物が付着しているので、水系媒体より分離したトナー粒子をよく洗浄しトナー粒子表面からこれらの不純物を除去することが必要である。
【0004】
トナー粒子表面から不純物を除去することを目的として、遠心分離により着色粒子分散液の濃縮(水系媒体の単位体積あたりのトナー粒子含有量を増大させることを濃縮という)を行いながら、濾液の導電率が特定の値よりも小さくなるまで粒子を水洗するトナー製造方法に関する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
また、撹拌翼及び濾過材を備えた容器内で着色粒子分散液に洗浄液を加えて撹拌し、加圧下で着色粒子分散液を濾過材に通過させて洗浄液の除去操作を複数回繰り返してトナー粒子表面から不純物除去を行う技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−214629号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2000−292976号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2001−249490号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した技術は、着色粒子分散液の濃縮を行う際に遠心分離機や撹拌容器内に濾布や濾過材を装着して濾過操作を繰り返すだけのものであった。また、上述した技術により着色粒子分散液の濃縮工程を経て得られたトナーは、帯電性能にばらつきを有し、例えば100万枚を超えるコピーを連続で行うと、帯電性が変動する傾向を有した。
【0010】
この様に、濾過材を使用して着色粒子分散液の濃縮を行うと、分離した不純物が再度トナー粒子表面に付着して良好な洗浄性能が得られなかったが、既存の遠心分離手段ではこれに代わる手段が見いだせなかった。
【0011】
また、既存の遠心分離装置では、着色粒子分散液を濃縮する時に生じる遠心力の作用により、トナー粒子が破壊されたり、或いは強度が脆弱化したりする問題を有していた。また、遠心力により粒子表面における極性基の配向性が均一性を崩してトナー性能を低下させていた。この様に、既存の遠心分離装置では着色粒子分散液を濃縮する時に生じる遠心力がトナー粒子に影響を与えないように遠心力を抑えて濃縮を行っている。しかしながら、遠心力の影響を抑えると装置の出力が弱く、濃縮時の作業効率を低下させた。また、遠心力を小さく抑えてもトナー性能低下を十分に避けることができなかった。
【0012】
本発明は、係る課題に鑑みてなされたものであり、本発明の第1の目的は、遊離離型剤等の不純物が粒子表面に残存しないトナー粒子により、高温高湿環境下で画像形成を行っても、カブリやトナー飛散のない高画質画像が得られ、感光体や摩擦帯電部材へのトナー汚染のない静電荷像現像用トナーを提供するとともに、この様なトナーの得られる製造装置と製造方法を提供することである。
【0013】
本発明の第2の目的は、着色粒子分散液より水分除去する際に生じる遠心力の影響によりトナー粒子が壊れたり、トナー粒子表面における極性基の配向が壊されることのない丈夫なトナーを得ることにより、高温高湿環境下や数10万枚以上の長時間にわたる連続画像形成を行っても、感光体フィルミングやクリーニング不良の問題の発生しない、安定した帯電性の維持されるトナーを提供するとともに、この様なトナーの得られる製造装置と製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記構成により達成される。
【0015】
(1) 水系媒体中で着色粒子を形成させる工程を含み、(a)前記色粒子形成後に該着色粒子を水系媒体から分離する工程、(b)前記着色粒子を洗浄媒体中に分散して着色粒子分散液を生成する工程、(c)前記洗浄媒体中に浮遊した着色粒子以外の不純物を洗浄媒体とともに着色粒子から除去する工程、(d)前記着色粒子を水分量3%以下まで乾燥させる工程、を有するトナーの製造方法であって、前記(a)、(b)、(c)の工程を30〜48℃で行うことを特徴とするトナーの製造方法。
【0016】
(2) 樹脂微粒子と凝集させ、着色粒子分散液の状態を経てトナー粒子を形成するトナーの製造方法であって、少なくとも1枚以上の沈降板を有する遠心沈降装置を用いて前記着色粒子分散液の濃縮を行ったのち、前記(a)、(b)、(c)、(d)の工程を行うことを特徴とする(1)に記載のトナーの製造方法。
【0017】
(3) 前記着色粒子分散液のpHが、2以上6.5以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のトナーの製造方法。
【0018】
(4) 前記着色粒子分散液のpHが、8以上〜12以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のトナーの製造方法。
【0019】
(5) 前記濃縮した着色粒子分散液を前記遠心沈降装置外へ自動排出する時の自動排出時間が、前記濃縮した着色粒子分散液1Lあたり1秒以下であることを特徴とする(2)〜(4)のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
【0020】
(6) 前記自動排出された濃縮した着色粒子分散液を水系媒体にて希釈し、希釈した着色粒子分散液を遠心沈降装置により再度濃縮し、濃縮した着色粒子分散液の自動排出を繰り返すことを特徴とする(5)に記載のトナーの製造方法。
【0021】
(7) 前記遠心沈降装置で濃縮を行う着色粒子分散液中の粒子濃度が、8〜40質量%であることを特徴とする(2)〜(6)のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
【0022】
(8) 前記着色粒子分散液に酵素含有消臭剤を含有させてから前記(c)の工程又は前記濃縮を行うことを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
【0023】
(9) 樹脂微粒子を凝集させ、着色粒子分散液の状態を経てトナー粒子を形成するトナー製造装置であって、遠心沈降により前記着色粒子分散液の濃縮を行う濃縮手段を有し、前記濃縮手段は前記着色粒子分散液を収容する収容部を有し、該収容部内に少なくとも1枚以上の沈降板を有し、前記濃縮手段に前記着色粒子分散液を温度30〜48℃で供給する着色粒子分散液供給手段を備えることを特徴とするトナー製造装置。
【0024】
(10) 前記収容部は、接合部により開閉可能であり、該接合部より前記濃縮された着色粒子分散液の排出を行う排出手段を有することを特徴とする(9)に記載のトナー製造装置。
【0025】
(11) 前記沈降板は、前記収容部内で円錐状に配置されることを特徴とする(9)に記載のトナー製造装置。
【0026】
(12) 前記沈降板は、前記収容部内で下方を開いた形状で円錐状に配置されることを特徴とする(11)に記載のトナー製造装置。
【0027】
(13) 前記沈降板は、複数配置され、その配置間隔が、0.5mm以上1.0mm以下であることを特徴とする(9)、(11)、(12)のいずれか1項に記載のトナー製造装置。
【0028】
(14) 前記沈降板より形成される分離沈降面積が、前記濃縮手段の設置面積の10倍以上であることを特徴とする(9)〜(13)のいずれか1項に記載のトナー製造装置。
【0029】
(15) 水系媒体中で着色粒子の形成を行って得られるトナーであって、(1)〜(8)のいずれか1項に記載のトナーの製造方法で製造され、該トナー中に含有される遊離離型剤粒子の数がトナー粒子100個あたり3個以下であることを特徴とするトナー。
【0030】
(16) 前記水系媒体中で形成されたトナー粒子が、海島構造を有することを特徴とする(15)に記載のトナー。
【0031】
(17) 前記水系媒体中で形成されたトナー粒子の平均粒径の値が、3μm以上8μm以下であることを特徴とする(15)又は(16)に記載のトナー。
【0032】
(18) 前記トナーが乳化会合型トナーであることを特徴とする(15)〜(17)のいずれか1項に記載のトナー。
【0033】
発明者等は、トナー粒子表面に付着する不純物の比重が水の比重にとても近いことに着目し、両者の比重差であれば着色粒子分散液を濃縮する時に使用する遠心分離装置における粒子の沈降距離を大幅に短くしても粒子表面より不純物を除去できることを見出した。そして、1枚以上の沈降板を有するとともに、粒子の沈降距離が非常に短い遠心沈降装置を用い、かつ着色粒子分散液の温度を30〜48℃の範囲に設定して濃縮を行うことで、瞬時に着色粒子分散液からの水分除去を行えるとともに、トナー粒子表面における極性基の安定配向を壊さずに粒子表面に付着した不純物を粒子表面から除去することを可能にした。その結果、高温高湿環境下で画像形成を連続で行っても安定した帯電性能を有するトナーを得ることを可能とした。
【0034】
さらに、本発明では濃縮を行う着色粒子分散液の温度にも着目し、着色粒子分散液の温度が30〜48℃の時に、不純物の除去が促進されることが見出された。そして濃縮時に加えられる遠心力の大きさを低減させても、十分に不純物が除去されるので、濃縮時にトナー粒子に付与する機械的な負荷が低減されて、耐久性の向上したトナーが得られることを可能とした。すなわち、着色粒子分散液の液温を制御することで、トナー粒子表面から不純物を除去することが促進されることを見出した。
【0035】
着色粒子分散液の温度が35〜45℃の時、より好ましい本発明の効果を得ることができる。
【0036】
さらに、本発明では、濾過材を用いての着色粒子分散液から水分除去するという従来の濃縮法を行わないので、不純物がトナー粒子表面に再トラップする問題がおきない。従って、得られたトナー粒子は残存不純物が大幅に低減されて、連続コピーを行っても帯電性が変動せず、感光体フィルミングやクリーニング不良、あるいはトナー汚染の発生が抑えられ安定した画像形成を可能としている。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施の形態を、以下、図を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されない。また、以下の説明には用語等に対する断定的な表現をしている場合があるが、本発明の好ましい例を示すもので、本発明の用語の意義や技術的な範囲を限定するものではない。
【0038】
図1は、本発明で好ましく使用されるディスク型遠心沈降装置の一例で、該装置本体をその軸方向より見た断面図である。
【0039】
遠心沈降装置本体1は、その中央にロータ3を有し、このロータと締め付けリングにより軸方向に結合されて一体になっている。本体1は、2つのどんぶりを重ね合わせた様な上部部材2と下部部材4から構成され、その内部は後述する沈降板10を配置した濃縮室5を有している。また、上部部材2と下部部材4の接合部6より濃縮室5で濃縮された着色粒子分散液を装置外に自動排出する。
【0040】
本発明に使用されるディスク型遠心沈降装置は、粒子の比重差が2%以上あれば固体粒子の分離が可能で、本発明に係るトナー粒子と不純物との比重差では、極めて短い沈降距離で粒子と不純物の除去が可能である。本発明に使用されるディスク型遠心沈降装置は、図1に示す様に、装置中央のロータの周囲に円錐状の沈降板10を0.5〜1mm間隔で番傘を重ね合わせた様な形状で配置している。本発明ではトナー粒子表面に付着している不純物の比重が水の比重とほぼ同等の値を有するので、沈降距離がきわめて短くなるように沈降板を配置して、粒子表面から不純物を除去する。なお、本発明に使用される遠心沈降装置では比重差が2%以上あれば確実に不純物の除去が可能であるが、比重差に応じて沈降距離を変えることで確実に不純物除去を行うことが可能である。
【0041】
本発明に使用されるディスク型遠心沈降装置は、重力による自然沈降を遠心力により5000〜15000倍を超える力に変換する。すなわち、5000〜15000Gの遠心力を加えることで、トナー粒子表面からの不純物除去を瞬時に行うとともに、着色粒子分散液を濃縮することが可能である。
【0042】
本発明で使用されるディスク型遠心沈降装置の処理能力を実験したところ、バッチ方式で1lの着色粒子分散液を濃縮完了させるのに要した所要時間は、1秒以下だった。また、ディスク型遠心沈降装置は、不純物が除去されて濃縮された着色粒子分散液を接合部6より自動排出するので、着色粒子分散液を濃縮しながら同時に濃縮した着色粒子分散液を濃縮室5外への自動排出することにより、生産性や作業効率を大幅に向上させるとともに、濃縮した着色粒子分散液を長時間にわたり5000〜15000Gの大きな遠心力の作用環境下に放置することがないので、トナー粒子に遠心力の影響による負荷を与えない。その結果、トナー粒子表面における極性基の配向性を乱したり、トナー粒子自体が、機械的に安定した頑丈なトナーを得ることが可能になる。
【0043】
また、本発明ではディスク型遠心沈降装置の沈降板の間隔が0.5mmで比重差が約0.1であるトナー粒子と不純物との分離が可能であることを見出した。粒子の沈降距離となる沈降板の間隔は、好ましくは0.5mm〜10mmであり、より好ましくは0.75mm〜1mmであることが確認された。
【0044】
本発明に使用されるディスク型遠心沈降装置は、前述の様に回転軸の周りに沈降板を円錐状に配置しているが、図1に示す様に薄い板状の沈降板10を円錐状に何枚も傾斜させた状態で重ねる様に下方に開いた形態で配置し、あたかも番傘を開いて積み重ねた様な形態とすることで、例えば濃縮手段である遠心沈降装置の設置面積に対して10倍以上の分離沈降面積を得ることが可能で、作業スペースの効率化と同時に大量、高速の分離が可能である。なお、本発明では濃縮手段の設置面積に対して10倍以上の分離沈降面積を得ることが可能である。
【0045】
本発明では、図示しない着色粒子分散液供給手段から上述したディスク型遠心沈降装置に代表される濃縮手段に温度30〜48℃の着色粒子分散液を供給して濃縮を行う。これにより、遊離離型剤等の不純物が粒子表面に残存しないトナー粒子により、高温高湿環境下で画像形成を行っても、カブリやトナー飛散のない高画質画像が得られ、感光体や摩擦帯電部材へのトナー汚染のない静電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0046】
本発明に使用されるディスク型遠心沈降装置により、着色粒子分散液を濃縮する場合、着色粒子分散液中のトナー粒子固形分体積比率(以下粒子濃度とも言う)が2〜85%で、好ましくは5〜60%であり、より好ましくは8〜40%である。また、粒子サイズは0.1μm以上あればよい。着色粒子分散液の粒子濃度とは、例えば水系媒体中でのトナー粒子形成を行った直後の着色粒子分散液のの他に、本発明による着色粒子分散液の濃縮を行い、遠心沈降装置外に自動排出した濃縮された着色粒子分散液に再度洗浄水を加えて希釈した着色粒子分散液も含まれる。なお、比較までに従来の遠心沈降装置やデカンタ方式では、粒子の固形分体積比率が5〜60%、粒子サイズは10μm以上が好ましかったので、重合法により得られるトナー粒子の様に10μm未満の粒径を有するトナー粒子表面より不純物を除去することは非常に困難を伴うものであった。本発明では、上記性能を有するディスク型遠心沈降装置により水系媒体中で粒子形成を行って得られる平均粒径が3〜9μmの重合トナー粒子の表面からの不純物除去が飛躍的に向上した。
【0047】
この様に、本発明に好ましく使用されるディスク型遠心沈降装置1では、着色粒子分散液の濃縮を行うために、薄板状の沈降板を0.5〜1mmの間隔で何枚も重ねる様に傾斜状態で配置することにより、水系媒体中で粒子形成の完了したトナー粒子表面からの不純物除去と、着色粒子分散液の濃縮とを連続フローで迅速に行うことが可能である。
【0048】
次に、本発明に好ましく使用されるディスク型遠心沈降装置による着色粒子分散液の濃縮について説明する。図2は図1に示す装置本体中での着色粒子分散液内の粒子と不純物を含有する分散媒の移動を示す図である。図中の黒丸はトナー粒子Rを示し、図中の実線の矢印は濃縮前の着色粒子分散液の流れを、白い矢印は粒子の流れを、破線の矢印は濃縮後の液の流れを示す。なお、図2では不純物粒子の図示は省略してある。図2に示す様に、本発明で好ましく使用されるディスク型遠心沈降装置内において、5000〜15000Gの遠心力を付与すると粒子は沈降板10間の上部を遠心力方向に移動して濃縮室5の周縁に蓄積される。このとき、トナー粒子表面に付着していた不純物はあたかも炊飯時に米をといだ時に米の表面にあった糠や米粉が米粒表面より研ぎ落とされるかの様に粒子表面より除去される。また、不純物を含有する液は沈降板間の下部を通って装置中央に移動する。遊離離型剤等から構成される不純物はその比重が分散液の比重と殆ど同じ値を有するので、分散液とともに装置中央に移動して、粒子と不純物とは完全に分離される。
【0049】
前述の様に本発明に好ましく使用されるディスク型遠心沈降装置により、濃縮室5周縁に蓄積した濃縮された着色粒子分散液は、図3(B)に示す様に装置本体1を構成する上部部材2と下部部材4の境界にある接合部6を数ミリ程度開口した時に瞬時に濃縮室5外に自動的に排出されるので、従来のように濃縮物を装置外に排出する際に、濾過材を使用する必要がない。
【0050】
本発明で好ましく使用されるディスク型遠心沈降装置では、水系媒体中で粒子形成した着色粒子分散液を該装置で連続的に通液させながら粒子表面からの不純物除去と濃縮を行い、更には濃縮された着色粒子分散液を遠心力の作用で濃縮室5の外に自動的に排出する。このように、一連の操作を連続に行うことが可能である。
【0051】
なお、本発明に好ましく使用されるディスク型遠心沈降装置では、濃縮室5より自動排出された濃縮済みの着色粒子分散液は装置本体1の外周部に図示していない貯留スペースに一時的に所定量溜めた後に回収するのが生産効率上好ましい。
【0052】
ディスク型遠心沈降装置本体1の接合部6を開閉することにより、濃縮した着色粒子分散液を装置外に排出することは、装置本体1を構成する下部部材4を上下動により達成される。図3は装置本体1の接合部6の開閉を示す模式図であり、図3(A)は接合部6が閉じている無排出時を示し、(B)は接合部6が開放している自動排出時を示す。なお、図中の実線の矢印は濃縮前の着色粒子分散液の流れを、白抜きの矢印は粒子の流れを、破線の矢印は濃縮後の液の流れを、更にハッチングの入った矢印は下部部材4の移動方向を示す。下部部材4の上下動は図1の7に示す下部部材操作室(封鎖室ともいう)内に高圧水を充填することで図3(A)に示す様に下部部材4を上部部材2に強く押しつけた状態を形成することで両者の密着状態を形成して接合部6は閉鎖される。
【0053】
また、下部部材操作室に充填した高圧水を排除することで下部部材4を下方に下げて接合部6を開放する。開放時下部部材4と上部部材2の間には前述の様に数ミリ程度の隙間が形成され、ロータ3の回転による遠心力によって濃縮室5の周面に蓄積された濃縮済みの着色粒子分散液は瞬時に濃縮室5外に勢いよく排出される。ロータ3の回転による遠心力を効果的に利用することにより接合部6の開放時間はこの様に極めて短時間でよい。
【0054】
接合部6の開閉の制御は、図示していないタイマートリガーやセルフトリガー等の感知装置からの信号を受けて、下部部材操作室7への高圧水供給と排出を制御することで達成される。接合部6の開閉制御を行う感知装置は、単位時間当たりに行う自動排出時の濃縮済みの着色粒子分散液の量がほぼ一定でバラツキのない場合は、濃縮室5内の濃縮済みの着色粒子分散液の蓄積速度が一定なので、予め設定したタイム間隔で自動排出を行うタイマートリガーによる開閉制御が好ましい。
【0055】
また、単位時間当たりに蓄積される濃縮済みの着色粒子分散液量にばらつきがある場合は、濃縮室5内の濃縮済みの着色粒子分散液の蓄積速度が一定でないので、タイム間隔での自動排出設定が困難である。この場合は濃縮室内における濃縮済みの着色粒子分散液の蓄積量が特定量になった時に接合部6の開放を行う様に制御するセルフトリガーによる開閉制御が好ましい。なお、本発明に使用される遠心沈降装置の自動排出制御手段は、上記以外の制御方法であってもよいことは言うまでもない。
【0056】
この様に、本発明に好ましく使用されるディスク型遠心沈降装置の濃縮済みの着色粒子分散液を自動排出する手段である上部部材2と下部部材4の境界にある接合部6を開放することにより、不純物除去された濃縮済みの着色粒子分散液を高速に濃縮室5外に排出することが可能である。また、接合部6の開放が数ミリ、かつ短時間で閉鎖させるので開閉に伴う衝撃を極力発生させないものとしている。また、開閉に使用する高圧水の量も極力抑えたものであるので、省エネ、省資源対応を考慮した装置である。
【0057】
本発明に好ましく使用されるディスク型遠心沈降装置の接合部6の開閉頻度は、前述の様に排出時の衝撃が装置に負担を与えない程度のものであるので、特に限定されるものではないが、作業効率や生産効率の視点から1時間当たり60回程度までの自動排出を行うことは全く問題ない。従って、本発明に好ましく使用される遠心沈降装置の1時間当たりの濃縮済みの着色粒子分散液を回収する能力は、前述した固形分貯留スペースに設定容量の70%の着色粒子分散液を貯留して回収する場合には以下の式で示される。
【0058】
1時間当たりの濃縮済みの着色粒子分散液回収能力=貯留スペース×0.7×60
である。
【0059】
また、本発明に好ましく使用されるディスク型遠心沈降装置では、着色粒子分散液の濃縮を連続操作で行うことが可能なので、毎回接合部6より自動排出される濃縮済みの着色粒子分散液量が一定で、濃縮された着色粒子分散液中のトナー粒子が一定の品質レベルに維持することが可能である。
【0060】
また、本発明に使用されるディスク型遠心沈降装置は5000〜15000Gの遠心力により、着色粒子分散液の濃縮を瞬時に行い、濃縮済みの着色粒子分散液を自動排出する時、接合部6の開放を頻繁に行うので濃縮室5内に濃縮済みの着色粒子分散液を長時間残留させない。従って、濃縮済みの着色粒子分散液中のトナー粒子に遠心力の影響を与えないので、粒子表面は極性基の配向の乱れの無い帯電性分布が均一であり、しかも機械的に頑丈なトナー粒子が得られる。
【0061】
更に、濃縮済みの着色粒子分散液は濃縮室5内より確実に自動排出され、最終的に濃縮済みの着色粒子分散液は濃縮室5内に残存しないので、濃縮室5内部の清掃や装置の定期点検時の濃縮室の分解作業を簡単に行うことが可能で、装置のメンテナンス性能も飛躍的に向上させている。
【0062】
次に、本発明に使用されるディスク型遠心沈降装置の沈降手段である沈降板の分離沈降面積について説明する。
【0063】
本発明に使用されるディスク型遠心沈降装置の性能は、以下の式で示す分離沈降面積Σにより示されるものであることが遠心沈降装置の専門家の間では知られている。ここで「分離」と記されているが、これは着色粒子分散液を濃縮する時に形成粒子が分散媒より遠心力で固液分離するので「分離」という用語を使用する。
【0064】
分離沈降面積Σ=2.34×10−3×n×N×cotα×(r −r
上記式中、
N:沈降板の数、n:回転数(rpm)、r:沈降板の外径
:沈降板の内径、α:沈降板の半頂角
を表す。図4は分離沈降面積式における各構成の所在を示す模式図である。沈降板の半頂角とは沈降板の傾斜度合いを示すもので図4から明らかな様に鉛直方向にたいする沈降板の傾斜角を表す。上式から明らかな様に本発明に使用される遠心沈降装置は、形成粒子表面からの効果的な不純物除去を達成する上で遠心力だけではなく、沈降板の性能が重要な因子となっている。
【0065】
また、昨今の遠心沈降技術の研究によれば、上式分離沈降面積Σの値が実際の遠心沈降性能よりずれのあることが判明し、以下式で表される遠心沈降能力指標KQの値が、実際の遠心沈降装置の性能を最もよく反映しているものであると遠心沈降装置関係の専門家の間では言われている。
【0066】
遠心分離機能力指標KQ
=280×(n/1000)1.5×N×cotα×(r 2.75−r 2.75
本発明で使用されるディスク型遠心沈降装置の回転数nは、回転数が100〜10,000rpm、より好ましくは500〜5000rpm、特に好ましくは2000〜4500rpmである。また、装置内に配置される沈降板の数N、沈降板の外径r、沈降板の内径rは装置の設置環境に応じて最大限の分離沈降面積を得る様に設定されるもので、これらの値を適宜設定することにより、前述の様に濃縮手段の設置面積に対して10倍以上の分離沈降面積を得ることも可能であるので、設置面積の小さな小型の濃縮手段でも、大量の着色粒子分散液濃縮を短時間で行うことを可能にする。
【0067】
この様に、本発明に使用されるディスク型遠心沈降装置は、円錐状の薄い板を前述の様な極めて短い沈降距離となるように重ね合わせて配置することにより、従来の遠心沈降装置では到底なし得なかった非常に大きな分離沈降面積を得ることを可能にした。その結果、極めて短時間の内に大量の着色粒子分散液中の粒子表面からの不純物除去を可能にすると同時に着色粒子分散液の濃縮を可能にした。
【0068】
また、濃縮済みの着色粒子分散液を装置外に排出するときに濾過材の使用を不要とし、洗浄水の使用量を軽減させ、遠心力を付与する駆動系に対する負荷の軽減させるとともに消費電力量を低減させる等、省エネ、省資源対応したトナー製造を可能にした。
【0069】
次に、図1を使用して本発明に好ましく使用されるディスク型遠心沈降装置について前述記載の説明を補足する。
【0070】
本発明に好ましく使用される遠心沈降装置の本体1を構成するロータ3は締付けリング30により、上部部材2と結合して一体構造を形成する。また、下部部材4はロータ3と一体形成していることが確認される。
【0071】
本体1を構成する上部部材2と下部部材4は、どんぶりを重ね合わせた様な形状を有し、開閉可能な接合部6を形成しているが、接合部における下部部材4の外径は接合部における上部部材2の外径よりも若干大きい方が、収容部である濃縮室5内の密閉性を確実に確保する上で好ましい。
【0072】
前述の様に、7は下部部材操作室で、接合部6の開閉を行うべく下部部材4の上下動を行うために高圧水が充填、排出される。下部部材操作室7は高圧水の送入口8と送出口9を備えている。
【0073】
濃縮室5内には、複数の円錐形状の分離ディスクからなる沈降板(ディスクスタックとも言う)ロータ3の回転軸を中心として配置されている。11はディストリビュータである。図1に示すように上部部材の上端には液体集積室12が配置され、着色粒子分散液より分離した不純物を含有する分散液を濃縮室5から通路13を経由してこの液体集積室12に向けて送液することが可能である。
【0074】
ロータ3の運転中、液体集積室12内に集められた液は半径方向内側の自由液面14を有する回転液体を形成する。
【0075】
液体集積室12を貫通して中央に延びて固定されている管は送入管15で、液温30〜48℃の着色粒子分散液を濃縮室5内に導入する管である。送入管15はディストリビュータ11の内部にある送入室16に開口している。送入管15の上方にある固定の送出管17は液体集積室12に集められた分散液中の比重の軽い液を分離するために配置されているものである。また、送出装置18が送入管15の周囲に液体集積室12内に配置され、そして送出管17に連結されている。送出装置18は固定されているが、また熱の送出構造では同様な送出装置をロータの回転速度よりも低い速度で回転するように配置することも可能である。
【0076】
送出装置18は液体集積室12内で半径方向外側に延びており、そして自由液面14の半径方向レベルの外側に位置する部分を有している。送出装置18には、少なくとも1つの送出路20が送入口とともに配置されており、この送入口はこの部分に位置していて、かつ液体集積室12からの出口を構成する。送出路20は送出管17の内側に連結されている。
【0077】
図2に示す様に、通路13は濃縮室5内の中央に配置されている。液体集積室12内には、回転軸の周囲にいくつかの壁要素が配置され、ロータ3の回転に至る運転中に液体集積室12内にある分離された液を連行し、半径方向外側に向かって出口の方にこれを導くために、これらの要素間に流路を形成する。この場合、壁要素の少なくとも一部は、自由液面が位置する半径方向のレベルと出口の半径方向外側のレベルとの間に半径方向に延びている。
【0078】
引き続き、図1を用いて本発明に使用される遠心沈降装置における濃縮工程を説明する。
【0079】
遠心沈降装置の始動時にロータ3は回転し、入口8より高圧水を下部部材操作室7に供給することによって、上部部材2と下部部材4との接合部は強く密着して濃縮室5は封鎖される。濃縮室5が封鎖されると、図示しない着色粒子分散液供給手段より30〜48℃の着色粒子分散液が送入管15を通じて送入室16を経由して濃縮室5内に供給される。濃縮室5内が着色粒子分散液で満たされる頃にはロータ3は運転回転数を得て、濃縮室5内の条件が安定する。供給された着色粒子分散液に遠心力の影響が及ぼされている間、着色粒子分散液中の粒子表面からの不純物除去が行われると同時に着色粒子分散液の濃縮が行われる。濃縮の間、着色粒子分散液の温度を30〜48℃の間に維持することが可能な熱伝導性を有する材質のものにしたり、高速で濃縮を行うことが好ましい。
【0080】
この時、不純物の除去と濃縮は、主として円錐形の沈降板10間に構成される空間で行われる。操作中、着色粒子分散液中の大きな比重を有する成分であるトナー粒子は半径方向外側に投げ出され、濃縮室5の半径方向の最も外側の部分に集積される。一方、着色粒子分散液中の軽い比重を有する不純物を含有する分散液の成分は、濃縮室5の半径方向の最も内側に流れる。
【0081】
一定時間経過後、下部部材4を下降させて周縁の接合部6を数ミリ開放すると、粒子成分はロータからの遠心力で濃縮室5の外に勢いよく放出され、不純物を含有する液成分は、濃縮室5より流れ出て通路13を通って液体集積室12に入り、ここで半径方向内側に向かう自由液面を有する回転液体を形成する。液体集積室12内の液は出口を通って、固定されている送出装置18内の送出路20を通過装置外に放出される。
【0082】
液体集積室12内にある液成分の連行は、ロータ3とともに回転している壁要素と液体集積室12の画定面によってなされる。
【0083】
送出装置18に最も近いところにある液は、送出装置18の出口面と接触することにより速度を低下させられる。液体集積室12内の液体の様々な部分はこの様にして、様々な回転速度を得ることになる。液と送出装置18の外側面との接触によって循環する液流が液体集積室12内に生じ、上述の様に液は送出装置18の外側面に沿って半径方向内側に流れ、回転方向から見て流路を形成する2つの壁要素のうちの後部の壁要素に沿って半径方向外側に流れる。
【0084】
この様にして、本発明に好ましく使用されるディスク型遠心沈降装置により、水系媒体中で形成された粒子を含有する着色粒子分散液を濃縮する時に濾過材を使用せずに濃縮可能であり、粒子表面より不純物除去を行い、さらに濃縮した着色粒子分散液を濾過材を使用せずに装置外への自動排出することが可能である。
【0085】
また、本発明では、得られた濃縮済みの着色粒子分散液を洗浄液に再度分散させてトナー粒子を良く洗浄した後、再度着色粒子分散液の濃縮を行うといった操作を繰り返して行うものでもよい。なお、本発明では濃縮済みの着色粒子分散液の再分散を行うための洗浄水の総量が最初に着色粒子分散液の濃縮を行った時の着色粒子分散液の5〜10倍の範囲内にある時に、より良好な帯電性を有するトナーの得られる。すなわち、上記範囲内の水量の時に得られたトナーでは300万枚を超える連続コピーを実施しても帯電性変動しないことが確認された。また、総量が10倍を超えた場合では更なる効果は見出されなかった。
【0086】
本発明で、着色粒子分散液を酵素を含有する消臭剤で処理しながら濃縮させることが好ましい。酵素を含有する消臭剤としては、生体酸化酵素、とりわけ、ある種の金属含有酵素類のなかに、アンモニア、アミン、硫化水素、メルカプタン類、インドール、カルボニル化合物等を酸化分解する機能を持つものが多い。すなわち、臭気分子の多くは移動性水素を有するため、これを脱水素酸化し、ダイマー化、水溶性化及び不揮発化させることにより消臭が可能となる。
【0087】
消臭効果を有する酵素の具体例としては、タカラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、パパイン、キモパパイン、ペプシン等の酵素を挙げることができる。タカラーゼ酵素は、ヘマトポルフィリンを含み、アポ蛋白質と結合し、鉄が3価スピンの電子状態で、蛋白質のヒスチジンイミダゾール窒素が第5配位座に配位している。また、市販の酵素系消臭剤としては、バイオC(コンソルコーポレーション製)、バイオダッシュP−500(ダイソー社製)が好ましく用いられる。これにより、効率よくトナーの臭気を取り除くことができる。
【0088】
次に、本発明に係る製造方法によって得られるトナー粒子について説明する。本発明の製造方法によれば、例えば図5に示す様に、粒子を構成する樹脂と、離型剤成分である結晶性物質及び着色剤の各成分が、お互いに混和せずに、それぞれが独立して相を形成する海島構造を有するトナー粒子を得ることも可能である。図5に示されるトナー粒子は、離型剤を構成する結晶性物質の島Aと着色剤成分の島Bが樹脂の連続相(海)に存在する構造のものである。なお、本発明で得られるトナー粒子の構造の確認手段としては、透過型電子顕微鏡で撮影された断面写真により、トナー粒子中に海の領域と島の領域とが輝度の異なる領域をもって示されることで確認される。
【0089】
次に本発明のトナーの粒径について説明する。本発明で用いられるトナーの粒径は、個数平均粒径で3〜9μmで、3.5〜8μmであることが好ましく、更に好ましくは3.5〜7.5μmである。この粒径は、トナー粒子の製造方法において、凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
【0090】
個数平均粒径が3〜9μmであることにより、転写効率を高めハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。トナーの粒度分布の算出、個数平均粒径の測定は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザー(いずれもコールター社製)、SLAD1100(島津製作所社製レーザ回折式粒径測定装置)等を用いて測定することができる。本発明においては、コールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機社製)、パーソナルコンピュータを接続し測定、算出したものである。
【0091】
次に本発明のトナーの製造方法について説明する。
樹脂粒子の接着性を向上させる方法としては、樹脂粒子を単一構成の粒子とせず、表面に粒子間の接着性が向上できる様に、表面に低分子量成分を積層した構造の複合樹脂粒子(詳細は後述する)とすることで粒子間の接着性を向上することができる。
【0092】
さらに、会合時点で着色剤を樹脂粒子と同等以下の粒径に分散させることで、粒子間の会合段階で樹脂粒子間に着色剤を存在させることができる。また、セル壁間に金属塩を含有させることも好ましい方法である。
【0093】
この方法では、樹脂粒子と着色剤粒子の会合時点で、過剰の塩析剤を添加することで、会合型トナー内部に多量の金属塩を含有させることができ、粒子の耐久性も上げることができる。
〈乳化重合法〉
本発明のトナーを製造する方法として樹脂粒子を水系媒体中で塩析/融着させて調製する方法も挙げることができる。ここで「水系媒体」とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものをいう。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数以上塩析、凝集、融着させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明のトナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時にアルコールなど水に対して無限溶解する溶媒を加えてもよい。
【0094】
本発明のトナーの製造方法においては、少なくとも重合性単量体に結晶性物質を溶かした後、重合性単量体を重合せしめる工程を経て形成した複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させて得られるものである。本発明のトナーは、重合性単量体に結晶性物質を溶かすものであるが、これは溶解させて溶かすものでも、溶融して溶かすものであってもよい。
【0095】
また、本発明のトナーの製造方法は、多段重合法によって得られる複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させた乳化会合型トナーが好ましい。これにより、より遊離離型剤等の不純物が粒子表面に残存しないトナー粒子とすることができる。
【0096】
以下、多段重合法について以下に説明する。
〈多段重合法により得られる複合樹脂粒子の製造方法〉
〔多段重合工程〕
多段重合工程とは、1つの樹脂粒子において異なる分子量分布を有する相を形成するために重合反応を多段階に分けて行うものであって、得られた樹脂粒子がその粒子の中心より表層に向かって分子量勾配を形成させる様に意図して行うものである。例えば、はじめに高分子量の樹脂粒子分散液を得た後、新たに重合性単量体と連鎖移動剤を加えることによって低分子量の表層を形成する方法が採られている。
【0097】
本発明では、セル構造を安定に形成することができる観点から、二段重合以上の多段重合法を採用することが好ましい。以下に、多段重合法の代表例である二段重合法および三段重合法について説明する。この様な多段階重合反応によって得られたトナーでは破砕強度の観点から表層程低分子量のものが好ましい。
【0098】
〈二段重合法〉
二段重合法は、高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、低分子量樹脂から形成される外層(殻)とにより構成される複合樹脂粒子を製造する方法である。
【0099】
この方法を具体的に説明すると、先ず、単量体溶液を水系媒体(例えば、界面活性剤水溶液)中に油滴分散させた後、この系を重合処理(第一段重合)することにより、高分子量の樹脂粒子の分散液を調製するものである。
【0100】
次いで、この樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と低分子量樹脂を得るための単量体とを添加し、樹脂粒子の存在下で単量体を重合処理(第二段重合)を行うことにより、樹脂粒子の表面に、低分子量の樹脂(単量体の重合体)からなる被覆層を形成する方法である。ここで、中心部の核となる高分子量成分中に離型剤などの機能性材料を添加してもよい。
【0101】
〈三段重合法〉
三段重合法は、高分子量樹脂から形成される中心部(核)、中間層及び低分子量樹脂から形成される外層(殻)とにより構成される複合樹脂粒子を製造する方法である。
【0102】
この方法を具体的に説明すると、先ず、常法に従った重合処理(第一段重合)により得られた樹脂粒子の分散液を、水系媒体(例えば、界面活性剤の水溶液)に添加するとともに、上記水系媒体中に、単量体溶液を油滴分散させた後、この系を重合処理(第二段重合)することにより、樹脂粒子(核粒子)の表面に、樹脂からなる被覆層(中間層)を形成して、複合樹脂粒子(高分子量樹脂−中間分子量樹脂)の分散液を調製する。
【0103】
次いで、得られた複合樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と低分子量樹脂を得るための単量体とを添加し、複合樹脂粒子の存在下で単量体を重合処理(第三段重合)することにより、複合樹脂粒子の表面に、低分子量の樹脂(単量体の重合体)からなる被覆層を形成する。上記方法において、中間層中に離型剤などの機能性物質を含有させることで、離型剤などを微細かつ均一に分散することができ、より好ましい。
【0104】
本発明でいう水系媒体とは、水50〜100質量%と水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等を例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
【0105】
なお、離型剤などの機能性物質を含有する樹脂粒子または被覆層を形成するために好適な重合法としては、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、離型剤を単量体に溶解した単量体溶液を、機械的エネルギーを利用して油滴分散させて分散液を調製し、得られた分散液に水溶性重合開始剤を添加して、油滴内でラジカル重合させる方法(以下、本発明では「ミニエマルジョン法」という。)を挙げることができ、本発明の効果をより発揮することができ好ましい。なお、上記方法において、水溶性重合開始剤に代えて、あるいは水溶性重合開始剤と共に、油溶性重合開始剤を用いても良い。
【0106】
機械的に油滴を形成するミニエマルジョン法によれば、通常の乳化重合法とは異なり、油相に溶解させた結晶性物質が脱離が少なく、形成される樹脂粒子または被覆層内に十分な量の離型剤などの機能性物質を導入することができる。
【0107】
ここで、機械的エネルギーによる油滴分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、例えば、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙げることができる。また、分散粒子径としては、10〜1000nmとされ、好ましくは50〜1000nm、更に好ましくは30〜300nmである。
【0108】
この重合工程で得られる複合樹脂粒子の粒子径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定される質量平均粒径で10〜1000nmの範囲にあることが好ましい。
【0109】
また、樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は48〜74℃の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは52〜64℃である。
【0110】
また、樹脂粒子の軟化点は95〜140℃の範囲にあることが好ましい。
本発明のトナーは、樹脂および着色粒子の表面に、塩析/融着法によって樹脂粒子を融着させてなる樹脂層を形成させて得られるものであるが、このことについて以下に説明する。
〔着色剤粒子〕
本発明のトナーを得るために使用する着色剤粒子は、界面活性剤を含有する水系媒体中で着色剤粒子を微分散させるための分散装置を用いて形成される。
【0111】
ここで着色剤粒子を分散させる水系媒体中に含有される界面活性剤は臨界ミセル濃度(CMC)以上の濃度で溶解しているものであり、使用される界面活性剤は、前記重合工程で使用するものと同一のものを使用することができる。
【0112】
着色剤粒子の分散処理に使用する分散機は、特に限定されないが、好ましくは、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、ゲッツマンミル、ダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
〔塩析/融着工程〕
この塩析/融着工程は、樹脂粒子と前記の様に分散して得られた着色剤粒子とを塩析/融着させる(塩析と融着とを同時に起こさせる)ことによって、不定形(非球形)のトナー粒子を得る工程である。
【0113】
本発明でいう塩析/融着とは、塩析(粒子の凝集)と融着(粒子間の界面消失)とが同時に起こること、または、塩析と融着とを同時に起こさせる行為をいう。塩析と融着とを同時に行わせるためには、樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度条件下で粒子(樹脂粒子、着色剤粒子)を凝集させる必要がある。
【0114】
この塩析/融着工程では、樹脂粒子および着色剤粒子とともに、荷電制御剤などの内添剤粒子(数平均一次粒子径が10〜1000nm程度の微粒子)を塩析/融着させてもよい。また、着色剤粒子は、表面改質されていてもよく、表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができる。
【0115】
樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させるためには、樹脂粒子および着色剤粒子が分散している分散液中に、臨界凝集濃度以上の塩析剤(凝集剤)を添加するとともに、この分散液を、樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上に加熱することが必要である。
【0116】
塩析/融着させるために好適な温度範囲としては、(Tg+10)〜(Tg+50℃)であり、特に好ましくは(Tg+15)〜(Tg+40℃)である。また、融着を効果的に行なわせるために、水に無限溶解する有機溶媒を添加してもよい。
【0117】
また、本発明においては樹脂粒子と着色剤粒子とを水系媒体中で塩析、凝集、融着させて着色粒子(本発明では、トナー粒子と呼ぶ)を得た後、前記トナー粒子を水系媒体から分離するときに、水系媒体中に存在している界面活性剤のクラフト点以上の温度で行うことが好ましく、更に好ましくは、クラフト点〜(クラフト点+20℃)の温度範囲で行うことである。
【0118】
上記のクラフト点とは、界面活性剤を含有した水溶液が白濁化しはじめる温度であり、クラフト点の測定は下記のように行われる。
【0119】
《クラフト点の測定》
塩析、凝集、融着する工程で用いる水系媒体すなわち界面活性剤溶液に、実際に使用する量の凝集剤を加えた溶液を調製し、この溶液を1℃で5日間貯蔵した。次いで、この溶液を攪拌しながら透明になるまで徐々に加熱した。溶液が透明になった温度をクラフト点として定義する。
【0120】
本発明に係るセル構造を形成するために本発明の静電荷像現像用トナーは、上記に記載の金属元素(形態として、金属、金属イオン等が挙げられる)をトナー中に350〜35000ppm含有することが好ましく、更に好ましくは500〜30000ppmである。
【0121】
トナー中の金属イオン残存量の測定は、蛍光X線分析装置「システム3270型」〔理学電気工業(株)製〕を用いて、凝集剤として用いられる金属塩の金属種(例えば、塩化カルシウムに由来するカルシウム等)から発する蛍光X線強度を測定することによって求めることができる。具体的な測定法としては、凝集剤金属塩の含有割合が既知のトナーを複数用意し、各トナー5gをペレット化し、凝集剤金属塩の含有割合(質量ppm)と、当該金属塩の金属種からの蛍光X線強度(ピーク強度)との関係(検量線)を測定する。次いで、凝集剤金属塩の含有割合を測定すべきトナー(試料)を同様にペレット化し、凝集剤金属塩の金属種からの蛍光X線強度を測定し、含有割合すなわち「トナー中の金属イオン残存量」を求めることができる。
【0122】
本発明のトナーでは、塩を多く残存させるために界面活性剤の代わりに高分子分散剤を使用したり、あるいは界面活性剤と高分子分散剤を併用することで塩の残存量を制御することが好ましい。
【0123】
高分子分散剤とは、具体的にはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸が挙げられ、分子量は3000〜10000のものが好ましく用いられる。
【0124】
〔熟成工程〕
熟成工程は、塩析/融着工程に後続する工程であり、樹脂粒子の融着後も温度を樹脂Tg+15〜Tg+40℃に保ち、一定の強度で攪拌を継続することにより、樹脂粒子と着色剤粒子を融着させ、トナー粒子中にセル構造を形成することができる。
〔濃縮・洗浄工程〕
この濃縮・洗浄工程は、粒子形成工程で得られたトナー粒子表面より遊離離型剤や着色粒子などの不純物粒子をトナー粒子表面から除去するとともに、トナー粒子を含有した着色粒子分散液中の水系媒体を除去して濃縮を行う。そして、濃縮済みの着色粒子分散液を再度洗浄液に再分散させてトナー粒子から界面活性剤や塩析剤等の付着物の除去を行う工程である。前述の様に、本発明はこの工程において前述の遠心沈降装置を使用して着色粒子分散液の濃縮を行うことで、生成粒子の帯電性を変化させたり、粒子を傷つけたり壊すことなく粒子表面からの不純物除去を達成した。なお、本発明では、一度濃縮した着色粒子分散液を洗浄水に投入して希釈、洗浄した後、着色粒子分散液を再度濃縮する操作を繰り返し、粒子表面の不純物をより確実に除去する操作を行ってもよいものである。
【0125】
この様にして、着色粒子分散液の濃縮と洗浄を繰り返した後、粒子比率が50%前後のウェットケーキ(ケーキ状の粒子集合物)が得られる。
【0126】
〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されたトナー粒子を乾燥処理する工程である。
【0127】
この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
【0128】
乾燥処理されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。
【0129】
次に、トナー製造工程で用いられる各構成因子について、詳細に説明する。
本発明に用いられる樹脂(バインダー)を造るための重合性単量体としては、疎水性単量体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋性単量体が用いられる。また、下記の様に構造中に酸性極性基を有する単量体又は塩基性極性基を有する単量体を少なくとも1種類含有するのが望ましい。重合性単量体、重合開始剤、連鎖移動剤等の具体的な化合物の例としては、例えば特開2002−351142号公報等に開示されるものが挙げられる。
【0130】
(界面活性剤)
前述の重合性単量体を使用して、特にミニエマルジョン重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行うことが好ましい。この際に使用することのできる界面活性剤としては、特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適な化合物の例として挙げることができる。
【0131】
イオン性界面活性剤としては、例えば、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
【0132】
本発明は、下記一般式(1)、(2)の界面活性剤が特に好ましく用いられる。
一般式(1) R(OROSO
一般式(2) R(ORSO
一般式(1)、(2)において、Rは炭素数6〜22のアルキル基またはアリールアルキル基を表すが、好ましくは炭素数8〜20のアルキル基またはアリールアルキル基であり、更に好ましくは炭素数9〜16のアルキル基またはアリールアルキル基である。
【0133】
で表される炭素数6〜22のアルキル基としては、例えば、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、Rで表されるアリールアルキル基としては、ベンジル基、ジフェニルメチル基、シンナミル基、スチリル基、トリチル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0134】
一般式(1)、(2)において、Rは炭素数2〜6のアルキレン基を表すが、好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基である。Rで表される炭素数2〜6のアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基等が挙げられる。
【0135】
一般式(1)、(2)において、nは1〜11の整数であるが、好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜5であり、特に好ましくは2〜3である。
【0136】
一般式(1)、(2)において、Mで表される1価の金属元素としてはナトリウム、カリウム、リチウムが挙げられる。中でも、ナトリウムが好ましく用いられる。
【0137】
以下に、一般式(1)、(2)で表される界面活性剤の具体例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0138】
化合物(101):C1021(OCHCHOSONa
化合物(102):C1021(OCHCHOSONa
化合物(103):C1021(OCHCHSONa
化合物(104):C1021(OCHCHSONa
化合物(105):C17(OCHCH(CH))OSONa
化合物(106):C1837(OCHCHOSONa
(凝集剤)
本発明では、水系媒体中で調製した樹脂粒子の分散液から、樹脂粒子を塩析、凝集、融着する工程において、金属塩を凝集剤として好ましく用いることができるが、2価または3価の金属塩を凝集剤として用いることが更に好ましい。その理由は、1価の金属塩よりも2価、3価の金属塩の方が臨界凝集濃度(凝析値あるいは凝析点)が小さいため好ましい。さらに、前述のセル構造を形成するためにも多価金属塩が好ましい。
【0139】
本発明で用いられる凝集剤は、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩である1価の金属塩、例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩やマンガン、銅等の2価の金属塩、鉄やアルミニウム等の3価の金属塩等が挙げられる。
【0140】
これら金属塩の具体的な例を以下に示す。1価の金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、2価の金属塩としては、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等が挙げられ、3価の金属塩としては、塩化アルミニウム、塩化鉄等が挙げられる。これらは、目的に応じて適宜選択されるが臨界凝集濃度の小さい2価や3価の金属塩が好ましい。
【0141】
本発明で云う臨界凝集濃度とは、水性分散液中の分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加し、凝集が起こるときの凝集剤の添加濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、ラテックス自身及び分散剤により大きく変化する。例えば、岡村誠三他著 高分子化学17,601(1960)等に記述されており、これらの記載に従えば、その値を知ることが出来る。又、別の方法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ電位を測定し、ζ電位が変化し出す点の塩濃度を臨界凝集濃度とすることも可能である。
【0142】
本発明では、金属塩を用いて臨界凝集濃度以上の濃度になるように重合体微粒子分散液を処理する。この時、当然の事ながら、金属塩を直接加えるか、水溶液として加えるかは、その目的に応じて任意に選択される。水溶液として加える場合には、重合体粒子分散液の容量と金属塩水溶液の総容量に対し、添加した金属塩が重合体粒子の臨界凝集濃度以上になる必要がある。
【0143】
本発明では、金属塩の濃度は、臨界凝集濃度以上であれば良いが、セル構造を形成させる必要もあり、臨界凝集濃度の1.5倍以上、さらに好ましくは2.0倍以上添加するとよい。
【0144】
(着色剤)
本発明のトナーは、上記の複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着して得られるものである。本発明のトナーを構成する着色剤(複合樹脂粒子との塩析/融着に供される着色剤粒子)としては、例えば特開2002−351142号公報等に開示される各種の無機顔料、有機顔料、染料を挙げることができる。
【0145】
(離型剤)
本発明に使用されるトナーは、離型剤を含有した樹脂粒子を水系媒体中において融着させ、熟成工程により離型剤を適度に凝集させてセル構造を形成させたトナーであることが好ましい。この様に樹脂粒子中に離型剤を含有させた樹脂粒子を着色剤粒子と水系媒体中で塩析/融着させることで、微細に離型剤が分散されたトナーを得ることができる。ここで、熟成工程とは、樹脂粒子の融着後も温度を離型剤の融点±20℃の範囲で攪拌を継続する工程をいうものである。
【0146】
本発明のトナーでは、離型剤として、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等が好ましく、特に好ましくは、下記式で表されるエステル系化合物である。
【0147】
−(OCO−R
式中、nは1〜4の整数で、好ましくは2〜4、更に好ましくは3〜4、特に好ましくは4である。R、Rは、各々置換基を有しても良い炭化水素基を示す。Rは、炭素数1〜40、好ましくは1〜20、更に好ましくは2〜5がよい。Rは、炭素数1〜40、好ましくは16〜30、更に好ましくは18〜26がよい。
【0148】
次に代表的な化合物の例を以下に示す。
【0149】
【化1】
Figure 2004341174
【0150】
【化2】
Figure 2004341174
【0151】
また、本発明では離型剤に加えて、結晶性ポリエステルを用いることができるものであるが、結晶性ポリエステルとしては、脂肪族ジオールと、脂肪族ジカルボン酸(酸無水物および酸塩化物を含む)とを反応させて得られるポリエステルが好ましい。
【0152】
結晶性ポリエステルを得るために使用されるジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA等を挙げることができる。
【0153】
結晶性ポリエステルを得るために使用されるジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコ酸、イタコン酸、グルタコ酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、これらの酸無水物あるいは酸塩化物を挙げることができる。
【0154】
特に好ましい結晶性ポリエステルとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノールとアジピン酸とを反応して得られるポリエステル、1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとコハク酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、1,4−ブタンジオールとコハク酸とを反応して得られるポリエステルを挙げることができ、これらのうち、1,4−シクロヘキサンジメタノールとアジピン酸とを反応して得られるポリエステルが最も好ましい。
【0155】
上記化合物の添加量は、トナー全体に対し1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、更に好ましくは3〜15質量%である。
【0156】
(現像剤)
本発明のトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよく、一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させた磁性一成分現像剤が挙げられいずれも使用できる。
【0157】
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることもでき、この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
【0158】
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0159】
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0160】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を説明するため、実施例として具体的な態様を示して説明するが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
樹脂粒子の製造
〔樹脂粒子(1HML)〕
(1)核粒子の調製(第一段重合):
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコにアニオン系界面活性剤
化合物(101) C1021(OCHCHOSONa
7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
【0161】
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン70.1g、n−ブチルアクリレート19.9g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、樹脂粒子(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「樹脂粒子(1H)」とする。
(2)中間層の形成(第二段重合);
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタクリル酸6.2g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル5.6gからなる単量体混合液に、結晶性物質として、前記の19)で表される化合物(以下、「例示化合物(19)」という。)98.0gを添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
【0162】
一方、アニオン系界面活性剤(化合物(101))1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記樹脂粒子(1H)を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、前記例示化合物(19)の単量体溶液を8時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
【0163】
次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)5.1gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第二段重合)を行い、樹脂粒子(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂により被覆された構造の複合樹脂粒子の分散液)を得た。これを「樹脂粒子(1HM)」とする。
【0164】
前記樹脂粒子(1HM)を乾燥し、走査型電子顕微鏡で観察したところ、ラテックスに取り囲まれなかった例示化合物(19)を主成分とする粒子(400〜1000nm)が観察された。
(3)外層の形成(第三段重合):
上記の様にして得られた樹脂粒子(1HM)に、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却し樹脂粒子(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層に例示化合物(19)が含有されている複合樹脂粒子)の分散液を得た。この樹脂粒子を「樹脂粒子(1HML)」とする。
【0165】
この樹脂粒子(1HML)を構成する複合樹脂粒子は、138,000、80,000および13,000にピーク分子量を有するものであり、また、この複合樹脂粒子の重量平均粒径は122nmであった。
〔樹脂粒子(2HML)〕
界面活性剤(101)に代えて、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gを使用したこと以外は、樹脂粒子(1HML)と同様にして、樹脂粒子(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有する複合樹脂粒子の分散液)を得た。この樹脂粒子を「樹脂粒子(2HML)」とする。
【0166】
この樹脂粒子(2HML)を構成する複合樹脂粒子は、138,000、80,000および12,000にピーク分子量を有するものであり、また、この複合樹脂粒子の重量平均粒径は122nmであった。
〔樹脂粒子(3HML)〕
界面活性剤(101)に代えて、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gを使用したこと以外は、樹脂粒子(1HML)と同様にして、樹脂粒子(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有する複合樹脂粒子の分散液)を得た。この樹脂粒子を「樹脂粒子(3HML)」とする。
【0167】
この樹脂粒子(3HML)を構成する複合樹脂粒子は、138,000、80,000および12,000にピーク分子量を有するものであり、また、この複合樹脂粒子の重量平均粒径は110nmであった。
着色粒子分散液(ウェットケーキ)の調製
アニオン系界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)59.0gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解し、この溶液を攪拌しながら、カーボンブラック420.0g徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色粒子分散液を調製した。
【0168】
樹脂粒子(1HML)420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと、着色剤分散液166gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8に調整した。
【0169】
次いで、表1の組み合わせで塩析剤をイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。
【0170】
【表1】
Figure 2004341174
【0171】
3分間放置した後に昇温を開始し、この系を30分間かけて90℃まで昇温し、粒子の成長を開始した。「コールターカウンター マルチサイザー」にて成長した粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が3μmになった時点で、塩析停止剤をおなじく表1の組み合わせでイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させた。更に熟成処理として液温度98℃にて2時間にわたり加熱攪拌することにより、粒子の融着を継続させた。
【0172】
その後、30℃まで冷却し、塩酸を含有する水溶液を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止して、体積平均粒径が4.5μmの粒子状の固形物を20質量%含有する着色粒子分散液を得た。
【0173】
実施例1(トナー1の製造)
▲1▼着色粒子の濃縮工程
上記着色粒子分散液を38℃として図1に示す沈降板間隔0.5mm、装置設置面積に対する全沈降板の面積が500倍のディスク型遠心沈降装置に投入し、回転数を3000rpmに設定、作動させて、上記着色粒子分散液の濃縮を行った。なお、この時の遠心力は11000Gであった。濃縮後の着色粒子分散液は、固形分含有率が50%のウェットケーキ(着色粒子分散液濃縮物をケーキ状にしたもの)を823g得た。得られたウェットケーキをウェットケーキ1とする。なお、この時の濃縮を行った際の所要時間は着色粒子分散液1Lあたり0.4秒であった。なお濃縮時に着色粒子分散液の温度変化はなかった。
▲2▼濃縮した着色粒子分散液(ウェットケーキ)の再分散及び再濃縮工程
ウェットケーキ1を洗浄媒体であるイオン交換水10000mlに投入し、攪拌翼を用いて30分間分散させて分散液を生成した。得られた分散液の電気伝導度を東亜電波工業(株)社製の「CM−14P」を電気伝導度計で測定を行い、着色粒子分散液の電気伝導度の値が50μS/cm以下になるまで、上記ディスク型遠心沈降装置による着色粒子分散液の濃縮と再分散を繰り返した。濃縮時の着色粒子分散液の温度は38℃とした。
▲3▼最終調製工程
最終的に電気伝導度の値が、50μS/cm以下になった時のウェットケーキ1よりトナー粒子を取り出し、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子100個についてその表面における不純物付着状況を確認した。確認の結果、粒子100個中に不純物付着した粒子は1個であることが確認された。
▲4▼乾燥工程
その後、40℃の温風で水分量0.63%となるまで乾燥した。
▲5▼外添工程
乾燥した着色粒子を疎水性シリカ1質量%と混合することにより、トナーを得た。得られたトナーをトナー1とする。
【0174】
実施例2、3(トナー2、3の製造)
上記実施例1における濃縮時の着色粒子分散液の温度を32℃とした以外は実施例1と同様の手順でトナー2を得た。さらに、濃縮時の温度を47℃とした以外は実施例1と同様の手順でトナー3を得た。
【0175】
実施例4〜7(トナー4〜7の製造)
上記ディスク型遠心沈降装置の沈降面積間隔を1.0mm、装置設置面積に対する全沈降板の面積を200倍とした以外は、実施例1と同様にして着色粒子分散液の濃縮と再分散を繰り返しトナー4を得た。なお、この時の着色粒子分散液1Lあたりの処理時間は0.8秒であった。
【0176】
同様に、沈降板面積間隔を0.25mm、装置設置面積に対する全沈降板の面積を1000倍として得られたものをトナー5、2.0mm、100倍で得られたものをトナー6、10mm、10倍に設定して得られたものをトナー7とした。トナー5、6、7の着色粒子分散液1Lあたりの処理時間は0.2秒、1.5秒、3.5秒だった。各トナー100個中の不純物粒子の数を表2に示す。
【0177】
実施例8、9(トナー8、9の製造)
上記実施例1における粒子の体積平均粒径が3μm後の熟成を行わなかった他は実施例1と同様にしてトナー8を得た。また、熟成処理を継続して液温度98℃で加熱撹拌を延長して粒子の融着を継続させた他は実施例1と同様にしてトナー9を得た。各トナー100個中の不純物粒子の数を表2に示す。
【0178】
実施例10〜15(トナー10〜15の製造)
上記実施例1における粒子の融着継続後に使用する調整液のpHを4.5とした他は実施例1と同様の手順でトナー10を得た。また、調整液のpHを6.5としてトナー11を得た。
【0179】
更に、水酸化ナトリウムを添加してpHを8、10、12、14とした調整液を使用して得られたトナーを12、13、14、15とした。得られた各トナーにおける粒子100個当たりの不純物付着量を表2に示す。
【0180】
比較例1(比較用トナー1)
実施例1において、着色粒子分散液の温度を28℃として▲1▼、▲2▼の濃縮工程を行った以外は同様にして比較用トナー2を得た。得られたトナー100個中の不純物粒子の数を表2に示す。
【0181】
比較例2(比較用トナー2)
実施例1において、着色粒子分散液の温度を50℃として▲1▼、▲2▼の濃縮工程を行った以外は同様にして比較用トナー2を得た。得られたトナー100個中の不純物粒子の数を表2に示す。
【0182】
比較例3(比較用トナー3)
実施例1において、▲1▼〜▲3▼の工程を省いた以外は同様にして比較用トナー1を得た。得られたトナー100個中の不純物粒子の数を表2に示す。
【0183】
比較例4(比較用トナー4)
実施例1において、遠心沈降装置に代わって、得られた着色粒子分散液を不織布製の濾布がセットされた遠心分離機の槽内に入れ、加速度が700Gの条件で遠心分離機を作動して着色粒子分散液の濃縮を行う工程を経て比較用トナー4を得た。得られたトナー100個中の不純物粒子の数を表2に示す。
【0184】
比較例5(比較用トナー5)
実施例1において、遠心沈降装置に代わり、特開2001−194826号公報に記載のデカンタ型遠心分離機を使用して、着色粒子分散液の濃縮を行う工程を経て比較用トナー5を得た。得られたトナー100個中の不純物粒子の数を表2に示す。
【0185】
上記トナーの性能を表2に示す。なお、表2中において、トナー粒子の体積平均粒径はコールターカウンターTA−IIにより測定したものであり、粒子100個あたりの不純物含有量は透過型電子顕微鏡写真により評価した。
【0186】
【表2】
Figure 2004341174
【0187】
表2の結果より明らかな様に、本発明に係る製造方法によって得られたトナー粒子表面には不純物が除去されていることが確認された。
【0188】
実写評価
画像形成装置としては市販のデジタル複写機Sitios7165(コニカ社製)を用いた。上記デジタル複写機は、以下の条件に設定し評価を行った。
【0189】
帯電条件
帯電器 ;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750V
露光条件
露光部電位を−50Vにする露光量に設定した
現像条件
DCバイアスを−550Vに設定した
転写条件
コロナ帯電方式。
【0190】
また、定着装置としては、芯金として鉄を使用し、表面を厚さ25μmのPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)で被覆された表面粗さRaが0.8μmの加熱ローラーを使用し、加圧ローラーとして鉄の芯金を使用し、HTVシリコーンゴムの上に厚み120μmのPFAチューブを被覆した表面粗さRaが0.8μmの加圧ローラーを用いた。なお、ニップ幅は3.8mmであり、線速は420mm/secである。
【0191】
なお、定着装置のクリーニング機構及びシリコンオイル供給機構は装着していない。定着の温度は加熱ローラーの表面温度で制御し、165℃の設定温度とした。
【0192】
現像剤としては体積平均粒径60μmのシリコーンコートキャリアを用い、トナー質量濃度が6%となるようにそれぞれのトナーと混合し用いた。
【0193】
複写条件は、高温高湿環境(30℃、83%RH)にて連続100万枚のプリント行い、連続100万枚プリント後のコピー画像について、以下の項目についての評価を行った。なお、コピー画像は、A4サイズ黒化面積率5%の文字原稿を使用し、A4の転写紙に等倍で印字した。
(1)帯電量の経時変化
現像剤をセットして1枚目の画像を出したときの帯電量をQa、100万枚の画像を出したときの帯電量をQbとし、Qb/Qaが
◎:0.9以上1.1未満
○:0.8以上0.9未満、又は1.1以上1.2未満
△:0.7以上0.8未満、又は1.2以上1.3未満
×:0.7未満又は1.3以上
(2)感光体フィルミング
前述の連続100万枚コピー後の感光体表面を目視にて観察するとともに、フィルミングによるハーフトーンのむらの有無を判定した。
【0194】
◎:ムラのない均一な画像が得られ、フィルミング発生は見られない
○:スジ状の薄いムラが存在するが、実用上問題なし、又感光体表面上のフィルミング発生は認められない
△:スジ状の薄いムラが存在し、感光体表面に若干のフィルミング発生が確認されるが実用上問題なし
×:スジ状のはっきりしたムラが数本以上存在し、感光体表面にはっきりしたフィルミングが認められ、実用上問題あり。
(3)カブリ
連続100万コピー後のコピー画像画像部白地部分における未使用転写シートに対する相対濃度を、マクベス濃度計を用いて測定した。
【0195】
◎:相対濃度0〜0.002未満
○:相対濃度0.002以上0.003未満
△:相対濃度0.003以上0.005未満
×:相対濃度0.005以上。
(4)クリーニング不良
クリーニング部からのトナーすり抜けによる白地部分を汚染開始したコピー枚数で評価した。
(5)網点再現性
20mm×20mmの10%網点画像部についてのマクベス反射濃度計「RD−918」により、1枚目と100万枚目のドットの再現性を評価した。濃度変化が0.10未満であれば画質変化は少なく問題なしと評価した。
(6)ライン幅
2ドットラインの画像信号に対応するライン画像のライン幅を印字評価システム「RT2000」(ヤーマン(株)製)により再生再現性を評価した。評価は1枚目及び100万枚目のライン画像のライン幅とライン幅の変動について評価した。
【0196】
◎:1枚目と100万枚目のライン幅がいずれも200μm以下で、ライン幅の変化が0〜5μm未満
○:1枚目と100万枚目のライン幅はいずれも200μm以下で、ライン幅変化が5μm以上10μm未満
△:1枚目のライン幅は200μmを若干オーバーするが、100万枚目のライン幅は200μm以下で、ライン幅変化は10μm未満
×:1枚目と100万枚目のライン幅はいずれも200μmを超え、かつライン幅の変化が10μmを超えるもの
(7)文字つぶれ
100万枚コピー後に、3ポイントと5ポイントの文字画像を形成し、下記の判断基準でルーペを使用して評価した。
【0197】
◎:3ポイント、5ポイントとも明瞭で、容易に判読可能
○:3ポイントは一部判読不能な文字が発生するがルーペで判読可能、5ポイントは明瞭で容易に判読可能
×:3ポイントは殆どの文字がルーペでも判読不可、5ポイントも一部あるいは全部が目視による判読不能な状態。
(8)階調性変動
スタート時と100万枚コピー後に、反射濃度値0.3のハーフトーン画像を形成し、その濃度変動を評価した。
【0198】
◎:初期と100万枚コピー後の濃度変動が、0.3±0.05以内
○:初期と100万枚コピー後の濃度変動が、0.3±0.1以内
×:初期と100万枚コピー後の濃度変動が0.3±0.1を超える。
【0199】
以上の結果を表3に示す。
【0200】
【表3】
Figure 2004341174
【0201】
上記評価結果より明らかな様に、本発明に係る製造方法により作製されたトナーである実施例1〜15では、高温高湿下での100万枚に及ぶ連続コピー実施後でも帯電性変動のない非常に安定したトナーが得られ、上記環境下における画像形成でも感光体フィルミングやクリーニング不良の発生が見られなかった。さらに、100万枚の連続コピーを行ってもカブリ発生がなく、網点再現性やライン幅、文字つぶれのない細線再現性が優れ、ハーフトーン画質の良好な画像が得られた。
【0202】
本発明に係る製造方法で得られたトナーは、デジタル画像形成装置に要求される細線再現性やハーフトーン画像再現性といった画質性能を100万枚の連続コピー後も再現可能であることが確認された。
【0203】
なお、本発明では、本実施例実施後、更に500万枚及び1000万枚の連続コピーを行い、上記評価を行ったところ、いずれも良好な結果が得られることが見出された。
【0204】
【発明の効果】
実施例の結果から明らかな様に、本発明に係る遠心沈降装置による着色粒子分散液の濃縮を経て得られたトナー粒子では、トナー粒子表面に不純物の残存が全く見られないことが確認され、高温高湿下で100万枚の長期連続コピーを行ってもトナー粒子表面における帯電量変化の見られないことが確認された。
【0205】
また、本発明に係るトナーを使用した画像形成では、高温高湿下で100万枚を超える長期大量コピーを行っても画質変動のない安定したトナー画像の得られることが確認され、帯電性変動のない安定した画像形成技術の確立を達成した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好ましくディスク型使用される遠心沈降装置の断面構成図である。
【図2】本発明に使用されるディスク型遠心沈降装置内における着色粒子分散液中の粒子と不純物を含有する分散媒の移動を示す図である。
【図3】本発明で使用されるディスク型遠心沈降装置の接合部の開閉による濃縮着色粒子分散液の自動排出を示す図である。
【図4】分離沈降面積式における各構成の所在を示す模式図である。
【図5】本発明で製造されるトナー粒子の粒子構造の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 遠心沈降装置本体
2 上部部材
3 ロータ
4 下部部材
5 濃縮室
6 接合部
7 下部部材操作室
10 沈降板
12 液体集積室
15 送入管
17 送出管
R トナー粒子

Claims (18)

  1. 水系媒体中で着色粒子を形成させる工程を含み、
    (a)前記色粒子形成後に該着色粒子を水系媒体から分離する工程、
    (b)前記着色粒子を洗浄媒体中に分散して着色粒子分散液を生成する工程、
    (c)前記洗浄媒体中に浮遊した着色粒子以外の不純物を洗浄媒体とともに着色粒子から除去する工程、
    (d)前記着色粒子を水分量3%以下まで乾燥させる工程、
    を有するトナーの製造方法であって、
    前記(a)、(b)、(c)の工程を30〜48℃で行うことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 樹脂微粒子と凝集させ、着色粒子分散液の状態を経てトナー粒子を形成するトナーの製造方法であって、
    少なくとも1枚以上の沈降板を有する遠心沈降装置を用いて前記着色粒子分散液の濃縮を行ったのち、前記(a)、(b)、(c)、(d)の工程を行うことを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記着色粒子分散液のpHが、2以上6.5以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記着色粒子分散液のpHが、8以上〜12以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
  5. 前記濃縮した着色粒子分散液を前記遠心沈降装置外へ自動排出する時の自動排出時間が、前記濃縮した着色粒子分散液1Lあたり1秒以下であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  6. 前記自動排出された濃縮した着色粒子分散液を水系媒体にて希釈し、希釈した着色粒子分散液を遠心沈降装置により再度濃縮し、濃縮した着色粒子分散液の自動排出を繰り返すことを特徴とする請求項5に記載のトナーの製造方法。
  7. 前記遠心沈降装置で濃縮を行う着色粒子分散液中の粒子濃度が、8〜40質量%であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  8. 前記着色粒子分散液に酵素含有消臭剤を含有させてから前記(c)の工程又は前記濃縮を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  9. 樹脂微粒子を凝集させ、着色粒子分散液の状態を経てトナー粒子を形成するトナー製造装置であって、
    遠心沈降により前記着色粒子分散液の濃縮を行う濃縮手段を有し、
    前記濃縮手段は前記着色粒子分散液を収容する収容部を有し、該収容部内に少なくとも1枚以上の沈降板を有し、
    前記濃縮手段に前記着色粒子分散液を温度30〜48℃で供給する着色粒子分散液供給手段を備えることを特徴とするトナー製造装置。
  10. 前記収容部は、接合部により開閉可能であり、該接合部より前記濃縮された着色粒子分散液の排出を行う排出手段を有することを特徴とする請求項9に記載のトナー製造装置。
  11. 前記沈降板は、前記収容部内で円錐状に配置されることを特徴とする請求項9に記載のトナー製造装置。
  12. 前記沈降板は、前記収容部内で下方を開いた形状で円錐状に配置されることを特徴とする請求項11に記載のトナー製造装置。
  13. 前記沈降板は、複数配置され、その配置間隔が、0.5mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項9、11、12のいずれか1項に記載のトナー製造装置。
  14. 前記沈降板より形成される分離沈降面積が、前記濃縮手段の設置面積の10倍以上であることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載のトナー製造装置。
  15. 水系媒体中で着色粒子の形成を行って得られるトナーであって、請求項1〜8のいずれか1項に記載のトナーの製造方法で製造され、該トナー中に含有される遊離離型剤粒子の数がトナー粒子100個あたり3個以下であることを特徴とするトナー。
  16. 前記水系媒体中で形成されたトナー粒子が、海島構造を有することを特徴とする請求項15に記載のトナー。
  17. 前記水系媒体中で形成されたトナー粒子の平均粒径の値が、3μm以上8μm以下であることを特徴とする請求項15又は16に記載のトナー。
  18. 前記トナーが乳化会合型トナーであることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載のトナー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006330519A (ja) * 2005-05-27 2006-12-07 Nippon Zeon Co Ltd 重合トナーの製造方法
JP2008145687A (ja) * 2006-12-08 2008-06-26 Seiko Epson Corp 現像方法及び現像装置
JP2017182060A (ja) * 2016-03-24 2017-10-05 キヤノン株式会社 トナー粒子の製造方法

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