JP2004339652A - 立体編物積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】事務用、寝具、ベッドパッド等のクッション材及び自動車、鉄道車両、航空機等のクッション材に用いる立体編物に関し、クッション材と使用した場合、着座後の底付き感のないクッション性と良好なフィット感と良好な反発感を有する立体編物積層体を提供する。
【解決手段】表裏二層の編地と、該二層の編地を連結するモノフィラメントによる連結糸からなる連結層で構成された立体編物が、2層以上積層された立体編物積層体であって、立体編物積層体は、(イ)直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮率が互いに異なる立体編物で構成され、(ロ)厚みが15mm以上50mm以下、(ハ)直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮率が10%以上80%以下、(ニ)直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮回復時のヒステリシスロス率が5%以上40%以下であることを特徴とする立体編物積層体。
【選択図】 選択図なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、鉄道車両、航空機、チャイルドシート、ベビーカー等の乗り物用のクッション材、事務用、寝具、ベッドパッド、マットレス、床ずれ防止マット、家具、枕、座布団等のクッション材として好適に使用される立体編物積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
表裏二層の編地と該二層の編地を連結する連結糸から構成された立体編物は、クッション性、通気性、保温性、体圧分散性等の機能を活かして、各種クッション材用途に利用されている。
これらの立体編物は、中間層を構成する連結糸としてモノフィラメントを使用することにより、モノフィラメントの曲げ弾性を活用して立体編物の厚み方向にクッション性が付与されている。
【0003】
立体編物を積層した立体編物積層体として、例えば、特許文献1には、立体編物を複数枚重ね合わせた積層構造の布帛が開示されている。この立体編物積層体は、立体編物の厚みや圧縮特性が何ら考慮されておらず、連結層に基づく良好な反発感、着座初期のソフト感、底付き感の無いクッション感及び良好なフィット感を同時に満足できるものではなかった。
特許文献2には、太い連結糸を用いた立体編物と、細い連結糸を用いた立体編物との少なくとも2種類から構成され立体編物積層体が開示されているが、やはり立体編物積層体としての圧縮特性が考慮されていないため、着座初期のソフトなクッション感、良好な反発感及び底付き感がない、というクッション材として必要な性能を十分に満足できるものではなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−279572号公報
【特許文献2】
特開平11−151140号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点を解決し、立体編物積層体をクッション材に使用した場合に、着座後も底付き感のないクッション性を有すると共に、座った際に良好なフィット感と良好な反発感を同時に満足する立体編物積層体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するために、立体編物の圧縮特性、立体編物に用いる繊維素材及び繊維形態について鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1) 表裏二層の編地と、該二層の編地を連結するモノフィラメントによる連結糸からなる連結層とで構成された立体編物が、2層以上積層された立体編物積層体であって、この立体編物積層体は、(イ)直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮率が互いに異なる立体編物で構成され、(ロ)厚みが15mm以上50mm以下、(ハ)直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮率が10%以上80%以下、(ニ)直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮回復時のヒステリシスロス率が5%以上40%以下であることを特徴とする立体編物積層体。
(2) 直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮時の圧縮率10%時における圧縮荷重の往復比が0.3以上1.0以下であることを特徴とする(1)に記載の立体編物積層体。
(3) (1)又は(2)に記載の立体編物積層体を用いたハンモック式座席シート。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の立体編物積層体をクッション材として使用する場合、座った際に底付き感のないクッション性及び人体との良好なフィット感を向上させる上で、表裏二層の編地と該ニ層の編地を連結するモノフィラメントによる連結糸からなる連結層で構成された立体編物が2層以上積層されており、積層体を構成する立体編物は、直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮率が、互いに異なることが必要である。直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮率の測定法は後で述べる。
立体編物をクッション材として使用する場合、良好なクッション性を付与するには、ある程度の厚みが必要である。
【0008】
図1は、表編地2及び裏編地3が者フィラメント連結糸4で連結された立体編物1の断面模式図である。図1に示す1枚の立体編物でクッション材を構成すると、立体編物の厚みが増加するにしたがって、立体編物の仕上げ加工が難しくなる。
連結糸に使用されるモノフィラメントの繊度が細いとクッション性は良好である。しかし、立体編物の厚みが増加するにしたがって、高い曲げ剛性が必要となる。このとき、モノフィラメントの繊度が細い場合には、連結糸の曲げ剛性が不足するために底付き感を感じる。連結糸に使用されるモノフィラメントの繊度が太過ぎるとすると、連結糸の曲げ剛性が高くなり、底付き感は解消される。しかし、繊度が太くなるほど、連結糸が曲げられる際に、連結糸最外表面に大きなひずみが生じやすくなり、連結糸の曲げ回復性が悪くなり、良好な反発感が得られない。
【0009】
図2は、立体編物を2層積層した立体編物積層体の断面模式図である。この立体編物積層体5は、表編地6及び裏編地7がモノフィラメント連結糸8で連結された立体編物と、表編地9及び裏編地10が者フィラメント連結糸11で連結された立体編物とが積層されたものである。クッション材として必要とされる立体編物の厚みを図2に示すように、2層以上の立体編物積層体で構成することにより、立体編物1層で構成する場合の問題点である立体編物の厚みの増加に伴う曲げ剛性の低下を抑え、底付き感を解消すると共に、連結糸の繊度の増加に伴う回復性の低下を抑え、良好なフィット感と良好な反発感を得ることができる。
【0010】
本発明の立体編物積層体の厚みは15mm以上50mm以下であることが必要であり、好ましくは20mm以上45mm以下である。立体編物積層体の厚みが15mm未満であると、着座後に底付き感を感じ、フィット感のある良好なクッション性が得られない。立体編物積層体の厚みが50mmを越えると、目付けが大きくなり過ぎ、重たくなる。
積層する立体編物1枚の厚みは、クッション材として必要とされる立体編物の厚みと、使用する立体編物の厚みとの関係によるが、3mm以上20mm以下が好ましく、より好ましくは3mm以上15mm以下である。
【0011】
本発明の立体編物積層体は、クッション材として使用した場合、座った際に底付き感のないクッション性と人体との良好なフィット感を向上させる上で、直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮率が10%以上80%以下であることが必要であり、好ましくは20%以上80%以下、より好ましくは20%以上75%以下である。
直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重は、1000N(約98kg)の体重の人が座ったときの面積を直径200mm程度と想定した場合の、単位面積あたりの荷重(0.0318N/mm)を直径100mm当たりに換算した荷重である。この荷重は、人体が着座したときの圧力に相当する指標である。
【0012】
立体編物積層体の直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮率とは、立体編物積層体を剛体面上に置いた状態(置敷)で、表面に対し直角方向に直径100mmの円形平面状の圧縮治具に245Nの荷重を加えた時の立体編物積層体の圧縮率のことをいう。この値は、立体編物積層体の連結層を構成する連結糸の圧縮特性によって大きく左右される。立体編物積層体の置敷圧縮率が10%未満であると、モノフィラメントからなる連結層の圧縮弾性が発揮されないため、連結層の良好なソフトなクッション感が得られず、硬く、座り心地の悪いものとなる。立体編物積層体の圧縮率が80%を越えると、連結層のクッション感はソフトになるものの、底付き感が発生し、座り心地が悪くなる。
【0013】
本発明の立体編物積層体は、245N荷重置敷圧縮回復時のヒステリシスロス率が5%以上40%以下であることが、フィット感のあるクッション性と良好な反発感を有する上で必要であり、好ましくは5%以上35%以下である。ヒステリシスロス率が5%未満であると、座席に座った際、人体への反発が弱すぎて良好なフィット感が得られず、座り心地の悪い座席になる。ヒステリシスロス率が40%を越えると、座席に座った際、人体への反発が強すぎて良好なフィット感が得られず、座り心地の悪い座席となる。この245N荷重置敷圧縮回復時のヒステリシスロス率の測定法は後で述べる。
【0014】
積層する立体編物には、直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮率が異なるものを組み合わせて用いることが必要である。245N荷重置敷圧縮率が最も大きい立体編物に対する、最も小さい立体編物の圧縮率の比が0.15以上0.9以下であることが好ましく、より好ましくは0.2以上0.85以下である。このような圧縮率の異なる立体編物を積層することにより、圧縮初期において、よりソフトなフィット感を達成することができる。
【0015】
立体編物を積層するに際して、最上層に直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮率の最も小さい立体編物を配置し、最下層に圧縮率が最も大きい立体編物を配置することが好ましい。このように積層することによって、最上層に掛かる荷重を下層の立体編物のより広い面積に分散して伝わらせることができ、人体へのフィット感及び反発感を向上させることができる。このクッション性は、立体編物積層体をハンモック式座席用のクッション材として使用した場合に、特に効果が発揮される。
【0016】
立体編物積層体のみでクッション材を構成してもよく、立体編物積層体の肌の触れる表面側に各種の織物、モケット等の織物、トリコット、タブルラッセル、丸編等の編物、塩ビ、天然皮革、人工皮革、不織布等を表皮材として積層してもよい。また、立体編物積層体の裏面側にスプリングバネ、コイルバネ、板バネ、渦巻きバネ等の金属バネ、ゴムバネ、織物や編物等の布バネ等で構成されたバネ層を配置してクッション材を構成してもよい。ここでいう布バネとは、経糸と緯糸のいずれか一方がポリエステル系エラストマー繊維等のモノフィラメント弾性糸で構成され、他方が弾性糸よりも弾性の小さいナイロン繊維、ポリエステル繊維等で構成される織編物をいう。
【0017】
本発明の立体編物積層体は、245N荷重置敷圧縮時の、圧縮率10%時における圧縮荷重の往復比が0.3以上1.0以下であることが好ましい。この往復比の測定法は後で述べる。立体編物積層体の置敷圧縮時の圧縮率10%時における圧縮荷重の往復比が0.3未満であると、座った際の人体への反発感が弱く、良好なフィット感が得られず、座り心地が低下する場合がある。立体編物積層体の置敷圧縮時の圧縮率10%時における圧縮荷重の往復比が1.0を越えると、座った際の人体への反発感が強く、良好なフィット感が得られず、座り心地が悪くなる場合がある。そのため、若干のヒステリシスロスがあることが好ましく、より好ましくは、立体編物積層体の置敷圧縮時の圧縮率10%時における圧縮荷重の往復比0.3以上0.95以下、最も好ましくは0.3以上0.9以下である。
【0018】
本発明の立体編物積層体を構成する立体編物は、表裏二層の編地と該二層の編地を連結するモノフィラメントとで構成されている。ダブルラッセル編機、ダブル丸編機又は横編機で立体編物を編成する場合、連結糸は必ずどちらかの方向に湾曲した状態で編み込まれる。連結糸に厚み方向から力を加えると、既に湾曲している状態から更に湾曲し、力を取り除くと元の状態に戻る。この際に生じる連結糸の曲げと回復の挙動が立体編物の反発感のあるクッション性に大きく影響するため、連結糸には曲げ剛性の高いモノフィラメントが用いられる。
【0019】
本発明において、連結糸に用いるモノフィラメントとしては、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル系エラストマー繊維等、任意の素材の繊維を用いることができるが、このうちポリトリメチレンテレフタレート繊維を連結糸の少なくとも一部を用いると、反発感のある良好なクッション性が得られるので好ましい。
【0020】
モノフィラメントの断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよいが、丸型断面が立体編物のクッション性の耐久性を向上させる上で好ましい。
立体編物の連結糸は全てモノフィラメントであることが好ましいが、必要に応じてモノフィラメント以外の繊維を編成時に交編させてもよい。モノフィラメント以外の繊維は、連結糸における重量混率が50%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下である。例えば、マルチフィラメント仮撚糸等を交編すると、圧縮時にモノフィラメント同士がこすれて発生する耳障りな音を低減できるので好ましい。
【0021】
立体編物の表裏の編地に用いる繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等のポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維、綿、麻、ウール等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、リヨセル等の再生繊維等、任意の繊維を用いることができる。このうちポリトリメチレンテレフタレート繊維を用いると、立体編物積層体をハンモック式の座席用のクッション材に使用する場合に圧縮撓み量を増大でき、ストローク感及びフィット感が良好となるので好ましい。さらにポリトリメチレンテレフタレート繊維は、原糸製造、糸加工又は編地の段階で伸長した状態で熱処理されていると、圧縮撓み時のヒステリシスロス率及び残留歪量が低減されるのでより好ましい。
【0022】
編地に用いる繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。繊維の形態も、未加工糸、紡績糸、撚糸、仮撚加工糸、流体噴射加工糸等いずれを用いてもよい。連結糸のモノフィラメントを編地表面への露出しないように被覆率を上げるには、立体編物の少なくとも表裏層の片側面にマルチフィラメントの仮撚加工糸、紡績糸等の嵩高糸を用いることが好ましい。マルチフィラメントの単糸繊度が15デシテックス以下であることがソフトな風合いを得る上で好ましい。
【0023】
立体編物にパワーのあるストレッチ性、又は圧縮撓み性と回復性を付与するためには、少なくとも表裏層の片側の編地にモノフィラメントを用いることが好ましい。モノフィラメントがサイドバイサイド等の複合糸であると、よりストレッチ性と回復性が向上するので好ましい。
立体編物の連結糸をポリエステル系繊維100%で構成すると、廃棄の際に解重合によりモノマーに戻すリサイクルが可能となり、焼却しても有害ガスの発生が防止できるので好ましい。
【0024】
立体編物の表裏の編地又は連結糸のモノフィラメントに用いる繊維は、着色されていることが好ましい。着色方法は、未着色の糸をかせやチーズ状で糸染めする方法(先染め)、紡糸前の原液に顔料、染料等を混ぜて着色する方法(原液着色)、立体編物状で染色したりプリントする方法等を用いることができる。立体編物状で染色すると、立体形状を維持するのが困難であったり、加工性が悪い場合があり、先染め又は原液着色が好ましい。
【0025】
連結糸に用いるモノフィラメントの繊度は、通常、50〜1000デシテックスである。立体編物にソフトな反発感のある、より優れたクッション性を付与する上からは、モノフィラメントの太さは100〜700デシテックスが好ましく、より好ましくは250〜550デシテックスである。
立体編物の表裏の編地に用いるマルチフィラメント等の繊維には、通常、50〜2000デシテックスの太さのものを用いることができ、フィラメント数は任意に設定できる。
【0026】
本発明に用いられる立体編物は、相対する2列の針床を有する編機で編成することができ、編機として、例えば、ダブルラッセル編機、ダブル丸編機、Vベッドを有する横編機等を用いることができる。寸法安定性のよい立体編物を得るには、ダブルラッセル編機が好ましい。編機のゲージは9ゲージから28ゲージが好ましい。
立体編物の表裏の編地は、4角、6角等のメッシュ編地、マギーゼット編地等複数の開口部を有する編地にして軽量化及び通気性を向上させてもよく、表面を平坦な組織にして肌触りを良好にしてもよい。表面を起毛するとより肌触りの良好なものが得られる。
【0027】
立体編物の連結糸の密度は、立体編物6.45cm(2.54×2.54cm)の面積中にある連結糸の本数をN(本/6.45cm)、連結糸のデシテックスをT(g/1×10cm)、連結糸の比重をρ(g/cm)とした時、立体編物6.45cmの面積中にある連結糸の総断面積(N・ T/1×10・ρ)は0.05〜0.25cmが好ましく、より好ましくは0.07〜0.20cmである。この範囲に設定することによって、立体編物がより適度な剛性による良好なクッション性を有するものとなる。
【0028】
立体編物の連結糸は、表裏の編地中にループ状の編目を形成してもよく、表裏編地に挿入組織状に引っかけた構造でもよいが、少なくとも2本の連結糸が表裏の編地を互いに逆方向に斜めに傾斜して、クロス状(X状)又はトラス状に連結することが、立体編物の形態安定性を向上させる上で好ましい。
立体編物積層体の目付は、目的に応じて任意に設定できるが、好ましくは300〜6000g/m、より好ましくは500〜5000g/mである。
【0029】
立体編物積層体を構成する立体編物の仕上げ加工方法は、先染め糸や原液着色糸を使用した立体編物の場合は、生機を精練、ヒートセット等の工程を通して仕上げることができる。連結糸又は表裏糸のいずれかが未着色の立体編物の場合は、生機を精練、染色、ヒートセット等の工程を通して仕上げることができる。
仕上げ加工後の立体編物は、融着、縫製、樹脂加工等の手段で端部を処理したり、熱成形等により所望の形状にして用いることができる。
【0030】
立体編物を複数枚積層する方法としては、編み始めの方向を同方向に積層してもよいが、その方向を各立体編物間において異方向になるようにして積層することが好ましい。すなわち、異なる方向性を備えた立体編物が複数組み合わされて積層することによって、各立体編物は方向性を持って圧縮されるが、立体編物積層体全体としては方向性を低減したクッション感を得ることができる。全ての立体編物の方向性を異ならせる必要はなく、一部の立体編物の方向性を異ならせることによって、立体編物積層体全体の方向性を低減させることができる。立体編物積層体を構成する立体編物を、互いに縫製、接着、熱溶着等により一体化してもよく、接合しなくとも積層状態を維持できればよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
立体編物積層体の各種物性の測定方法は以下の通りである。
(1)立体編物積層体の、直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮率P(%)、圧縮回復時のヒステリシスロス率H(%)、及び圧縮回復後の残留歪量T(mm)
島津オートグラフAG−B型(島津製作所製)を用い、直径100mmの、材質が炭素鋼である円盤状圧縮治具により、材質が同様に炭素鋼である剛体面上に置いた立体編物積層体の厚みT(mm)を490Paの荷重をかけて測定し、立体編物積層体を10mm/minの速度で圧縮し、245Nの荷重になったら同速で戻す。この際に得られる図3に示す荷重−変位曲線から、245N荷重時の変位を圧縮量T(mm)とし、圧縮曲線FAと圧縮回復曲線AFで形成される面積をa01(cm)、圧縮回復曲線AFと直線ABと直線BFで形成される面積をa02(cm)とした時に、次式により圧縮率P(%)およびヒステリシスロス率H(%)を算出する。
P(%)=T/T×100
H(%)=a01/(a01+a02)×100
さらに、圧縮・開放した後の回復曲線の荷重が490Paとなる変位を残留歪量 Tとする。
【0032】
(2)立体編物積層体に使用される圧縮率が最も大きい立体編物の圧縮率Pu(%)に対する、圧縮率が最も小さい立体編物の圧縮率Pd(%)の比PP
立体編物積層体を構成する複数枚数の立体編物の縫製、接着、熱溶着等により一体化した部分をはさみやカッターナイフ等で切り離して各立体編物1層に分離させる。島津オートグラフAG−B型(島津製作所製)を用い、直径100mmの円盤状圧縮治具により、剛体面上に置いた分離した立体編物1層での厚みT01(mm)からT0n(mm)を490Paの荷重をかけて測定する。次に、各立体編物1層を10mm/minの速度で圧縮し、245Nの荷重になったら同速で戻す。この際に245N荷重時の変位を圧縮量T11(mm)からT1n(mm)とし、各立体編物1層での圧縮率P(%)からP(%)を次式で算出する。
(%)=T11/T01×100



(%)=T1n/T0n×100
これら各立体編物1層の圧縮率のうち、立体編物1層の圧縮率が最も大きい立体編物の圧縮率Pu(%)とし、立体編物1層の圧縮率が最も小さい立体編物の圧縮率Pd(%)とし、圧縮率の比PPを次式より算出する。
PP=Pd/Pu
【0033】
(3)245N荷重置敷圧縮時の圧縮率10%時における圧縮荷重の往復比F10(1)の方法で得られた図3に示す荷重−変位曲線から、圧縮率10%に相当する圧縮量T10(mm)を次式より算出する。
10(mm)=T×(10/100)
図3に示す圧縮曲線FAにおける圧縮量T10(mm)の応力である直線CE、圧縮回復曲線FAにおける応力である直線CDより、圧縮率10%時における圧縮荷重の往復比F10を算出する。
10=CD/CE
【0034】
(4)ハンモック式クッション材におけるクッション性(着座後の底付き感、座った際のフィット感、反発感、着座初期のソフト感)
立体編物積層体を40cm角に切り出し、端部を縫製してクッション材を作製する。座部の形状が40cm角の四角い金属板で作られた椅子(四つ脚、背もたれなし)のフレームに、立体編物積層体が緩まないように端部を振動溶着し、端部を金属板2枚で挟んでボルト止めして張設されたハンモック式座席を作製する。その上に体重65Kgの男性が座席に座り、着座後の底付き感を下記の基準により官能評価する。
◎:底付き感を感じない、○:底付き感を殆ど感じない、△:底付き感をやや感じる、×:底付き感を激しく感じる。
5分間座った後、1分間退席することを10回繰り返す。座った際のフィット感を下記の基準により官能評価する。
◎:フィット感が高い、○:フィット感がやや高い、△:フィット感がやや低い、×:フィット感が低い。
反発感を下記の基準により官能評価する。
◎:反発感がある、○:反発感がややある、△:反発感がやや少ない、×:反発感が少ない。
更に着座初期のソフト感を下記の基準により官能評価する。
◎:ソフトである、○:ややソフトである、Δ:やや硬い、×:硬い。
【0035】
【参考例1】
(ポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントの製造)
実施例に使用するポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントを、以下の方法により製造した。
固有粘度[η]=0.9のポリトリメチレンテレフタレートを紡糸温度265℃で紡口から吐出した。次いで、40℃の冷却浴中に導いて冷却しつつ、16.0m/分の速度の第1ロール群によって引張って細化して未延伸モノフィラメントを製造した。これを温度55℃の延伸浴中で5倍に延伸しながら、80.0m/分の第2ロール群によって引張り、120℃のスチーム浴中で弛緩熱処理を施した。その後、72.0m/分の第3ロール群を経て、第3ロール群と同速の巻取り機で巻取り、390デシテックスの延伸モノフィラメントを製造した。440デシテックスの延伸モノフィラメントも同様にして製造した。
固有粘度[η](dl/g)は、次式の定義に基づいて求められる値である。
[η]=lim(ηr−1)/C
C→0
定義中のηrは、純度98%以上のo−クロロフェノール溶媒で溶解したポリトリメチレンテレフタレート糸又はポリエチレンテレフタレート糸の希釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶媒の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているものである。Cはg/100mlで表されるポリマー濃度である。
【0036】
【参考例2】
立体編物の製造方法
立体編物1
6枚筬を装備した14ゲージ、釜間15mmのダブルラッセル編機を用いた。表面の編地を形成する2枚の筬(L1、L2)及び裏面の編地を形成する2枚の筬の片側(L5)から、501dtex/144フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸(旭化成(株)社製、黒色先染め糸)を、いずれもオールインの配列で供給した。裏面を形成するもう一方の筬(L6)及び連結部を形成する2枚の筬(L3、L4)から、参考例1で製造した390dtexのポリトリメチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントを、オールイン(L6)、1イン1アウト(L3)と1アウト1イン(L4)の配列で供給した。
【0037】
以下に示す編組織で、打ち込み13.5コース/2.54cmの密度の立体編物の生機を編成した。得られた生機を15%幅出しして150℃×3分で乾熱ヒートセットし、表裏の編地が平坦な立体編物を得た。
(編組織)
L1:1011/2122/3233/3433/2322/1211/
L2:3433/2322/1211/1011/2122/3233/
L3:1032/4523/
L4:4523/1032/
L5:1110/0001/
L6:4410/1145/
【0038】
立体編物2
6枚筬を装備した14ゲージ、釜間13mmのダブルラッセル編機を用いた。表面の編地を形成する2枚の筬(L1、L2)及び裏面の編地を形成する2枚の筬の片側(L5)から、501dtex144フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸(旭化成(株)社製、黒色先染め糸)を、いずれもオールインの配列で供給した。裏面を形成するもう一方の筬(L6)及び連結部を形成する2枚の筬(L3、L4)から、参考例1で製造した440dtexのポリトリメチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントを、オールイン(L6)、1イン1アウト(L3)と1アウト1イン(L4)の配列で供給した。
【0039】
以下に示す編組織で、打ち込み13.5コース/2.54cmの密度の立体編物の生機を編成した。得られた生機を15%幅出しして150℃×3分で乾熱ヒートセットし、表裏の編地が平坦な立体編物を得た。
(編組織)
L1:1011/2122/3233/3433/2322/1211/
L2:3433/2322/1211/1011/2122/3233/
L3:1032/4523/
L4:4523/1032/
L5:1110/0001/
L6:3310/1134/
【0040】
立体編物3
立体編物2において、釜間15mmのダブルラッセル編機を用いた以外は立体編物5と同様にして立体編物を得た。
【0041】
立体編物4
6枚筬を装備した14ゲージ、釜間15mmのダブルラッセル編機を用いた。表裏の編地を形成する4枚の筬(L1、L2、L5、L6)から、501dtex144フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸(旭化成(株)社製、黒色先染め糸)を、いずれもオールインの配列で供給した。連結部を形成する2枚の筬(L3、L4)から、440dtexのポリエチレンテレフタレート繊維のモノフィラメント(旭化成(株)社製)を1イン1アウト(L3)と1アウト1イン(L4)の配列で供給した。
【0042】
以下に示す編組織で、打ち込み13.5コース/2.54cmの密度で立体編物の生機を編成した。得られた生機を15%幅出しして150℃×3分で乾熱ヒートセットし、表裏の編地が平坦な立体編物を得た。
(編組織)
L1:1011/2122/3233/3433/2322/1211/
L2:3433/2322/1211/1011/2122/3233/
L3:1032/4523/
L4:4523/1032/
L5:1110/0001/
L6:3310/1134/
【0043】
立体編物5
6枚筬を装備した14ゲージ、釜間15mmのダブルラッセル編機を用いた。表側及び裏側の編地を形成する4枚の筬(L1、L2、L5、L6)から、501dtex144フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸(旭化成(株)社製、黒色先染め糸)を、いずれもオールインの配列で供給した。連結部を形成する2枚の筬(L3、L4)から、参考例1で製造した390dtexのポリトリメチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントを1イン1アウト(L3)と1アウト1イン(L4)の配列で供給した。
【0044】
以下に示す編組織で、打ち込み13.5コース/2.54cmの密度で立体編物の生機を編成した。得られた生機を15%幅出しして150℃×3分で乾熱ヒートセットし、表裏の編地が平坦な立体編物を得た。得られた立体編物の諸物性を表1に示す。
(編組織)
L1:1011/2122/3233/3433/2322/1211/
L2:3433/2322/1211/1011/2122/3233/
L3:1032/4523/
L4:4523/1032/
L5:1110/0001/
L6:3310/1134/
【0045】
立体編物6
立体編物1において、6枚筬を装備した14ゲージのダブルラッセル編機を用い、釜間を30mmとして得た立体編物の生機をフリー(ピンなどで拘束しない状態)で150℃×2分の乾熱ヒートセットを行った以外は立体編物1と同様にして立体編物を得た。
【0046】
立体編物7
立体編物6において、連結糸に使用する糸を880dtexのポリトリメチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントとした以外は立体編物5と同様にして立体編物を得た。
【0047】
立体編物8
6枚筬を装備した14ゲージ、釜間13mmのダブルラッセル編機を用い、表面の編地を形成する2枚の筬(L1、L2)から、501dtex144フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸(旭化成(株)製、黒色先染め糸)を2イン2アウト(L1)と2アウト2イン(L2)の配列で供給し、裏面の編地を形成する2枚の筬の片側(L5)から501dtex144フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の仮撚加工糸(旭化成(株)社製、黒色先染め糸)をいずれもオールインの配列で供給し、裏面を形成するもう一方の筬(L6)及び連結部を形成する2枚の筬(L3、L4)から、参考例1で製造した390dtexのポリトリメチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントをオールイン(L6)、2イン2アウト(L3)と2アウト2イン(L4)の配列で供給した。
【0048】
以下に示す編組織で、打ち込み13.5コース/2.54cmの密度で立体編物の生機を編成した。得られた生機を15%幅出しして150℃×3分で乾熱ヒートセットし、表面がメッシュで裏面の編地が平坦な立体編物を得た。
(編組織)
L1:1011/3233/4544/2322/
L2:4544/3222/0111/2333/
L3:1043/6734/
L4:6734/1043/
L5:1110/0001/
L6:4410/1145/
【0049】
【実施例1】
立体編物1と立体編物2の2枚を積層して立体編物積層体を得た。その構成としては、上層に立体編物2を配置し、下層に立体編物1を配置し、その方向性が上層の立体編物と下層の立体編物間で180度異なるように配置した。この積層立体編物の諸物性を表1に示す。
得られた立体編物積層体により構成されたハンモック式座席は、着座後底付き感のないクッション性を示した。座った際に良好なフィット感及び良好な反発感を有し、着座初期のソフト感があり、座り心地のよいものであった。
【0050】
【実施例2】
立体編物2と立体編物3の2枚を積層して立体編物積層体を得た。その構成としては、上層に立体編物2を配置し、下層に立体編物3を配置し、その方向性が上層の立体編物と下層の立体編物間で180度異なるように配置した。この積層立体編物の諸物性を表1に示す。
得られた立体編物積層体により構成されたハンモック式座席は、着座後底付き感のないクッション性を示した。座った際に良好なフィット感及び良好な反発感を有し、着座初期のソフト感があり、座り心地のよいものであった。
【0051】
【実施例3】
立体編物1と立体編物4の2枚を積層して立体編物積層体を得た。その構成としては、上層に立体編物4を配置し、下層に立体編物1を配置し、その方向性が上層の立体編物と下層の立体編物間で180度異なるように配置した。この積層立体編物の諸物性を表1に示す。
得られた立体編物積層体により構成されたハンモック式座席は、着座後底付き感のないクッション性を示した。座った際に良好なフィット感及び良好な反発感を有し、着座初期のソフト感があり、座り心地のよいものであった。
【0052】
【実施例4】
立体編物3と立体編物5の2枚を積層して立体編物積層体を得た。その構成としては、上層に立体編物3を配置し、下層に立体編物5を配置し、その方向性が上層の立体編物と下層の立体編物間で180度異なるように配置した。この積層立体編物の諸物性を表1に示す。
得られた立体編物積層体により構成されたハンモック式座席は、着座後底付き感のないクッション性を示した。座った際に良好なフィット感及び良好な反発感を有し、着座初期のソフト感があり、座り心地のよいものであった。
【0053】
【実施例5】
立体編物1を1枚と立体編物2を2枚の合計3枚を積層して立体編物積層体を得た。その構成としては、最上層に立体編物2を配置し、中間層に立体編物1を配置し、最下層に立体編物2を配置し、その方向性が最上層の立体編物と中間層の立体編物間で180度異なるように配置し、最上層と最下層の立体編物間で同方向になるように配置した。この積層立体編物の諸物性を表1に示す。
【0054】
得られた立体編物積層体により構成されたハンモック式座席は、着座後底付き感のないクッション性を示した。座った際に良好なフィット感及び良好な反発感を有し、着座初期のソフト感があり座り心地のよいものであった。
【0055】
【実施例6】
立体編物1と立体編物2の2枚を積層して立体編物積層体を得た。その構成としては、上層に立体編物2を配置し、下層に立体編物1を配置し、その方向性が上層の立体編物と下層の立体編物間で同方向になるように配置した。この積層立体編物の諸物性を表1に示す。
得られた立体編物積層体により構成されたハンモック式座席は、着座後底付き感のないクッション性を示した。座った際に良好なフィット感及び良好な反発感を有し、着座初期のソフト感があり、座り心地のよいものであった。
【0056】
【比較例1】
立体編物6を積層せず1枚で構成した。立体編物の諸物性を表2に示す。この立体編物により構成されたハンモック式座席は、着座後に底付き感を感じ、人体にフィットせず、座った際に着座初期のソフト感はあるものの反発感が少なく、座り心地の悪いものであった。
【0057】
【比較例2】
立体編物7を積層せず1枚で構成した。立体編物の諸物性を表2に示す。この立体編物により構成されたハンモック式座席は、着座後に底付き感は殆んど感じないものの、座った際に反発感が少なく人体にフィットせず、座り心地の悪いものであった。
【0058】
【比較例3】
実施例3において、下層に立体編物1の代わりに上層と同じ立体編物4を用いて2枚積層した以外は実施例3と同様にして立体編物積層体を得た。得られた立体編物積層体の諸物性を表2に示す。この立体編物積層体により構成されたハンモック式座席は、着座後の底付き感は殆んど感じないものの、座った際に反発感が強すぎて良好なフィット感が得られず、着座初期のソフト感がなく、硬く座り心地の悪いものであった。
【0059】
【比較例4】
立体編物8を2枚積層し、その方向性が上層の立体編物8と下層の立体編物8の間で180度異なるように配置した。この立体編物積層体の諸物性を表2に示す。得られた立体編物積層体により構成されたハンモック式座席は、着座後に底付き感を感じて人体にフィットせず、座った際に着座初期のソフト感は反発感が少なく、座り心地の悪いものであった。
【0060】
【表1】
Figure 2004339652
【0061】
【表2】
Figure 2004339652
【0062】
【発明の効果】
本発明の立体編物積層体は、クッション材に使用した場合、着座後も底付き感のないクッション性を示すと共に座った際に良好なフィット感と良好な反発感を有する立体編物積層体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】立体編物の模式図。
【図2】立体編物積層体の模式図。
【図3】置敷圧縮圧縮荷重−変位曲線を示すグラフ。

Claims (3)

  1. 表裏二層の編地と、該二層の編地を連結するモノフィラメントによる連結糸からなる連結層とで構成された立体編物が、2層以上積層された立体編物積層体であって、この立体編物積層体は、(イ)直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮率が互いに異なる立体編物で構成され、(ロ)厚みが15mm以上50mm以下、(ハ)直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮率が10%以上80%以下、(ニ)直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮回復時のヒステリシスロス率が5%以上40%以下であることを特徴とする立体編物積層体。
  2. 直径100mmの円盤状圧縮治具を用いた245N荷重置敷圧縮時の圧縮率10%時における圧縮荷重の往復比が0.3以上1.0以下であることを特徴とする請求項1記載の立体編物積層体。
  3. 請求項1又は2記載の立体編物積層体を用いたハンモック式座席シート。
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