JP2004339546A - 真空処理装置と処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被処理物の温度分布を均一にして均質な処理ができる真空処理装置と処理方法を提供する。
【解決手段】排気装置20を有する真空容器1内に配置され、ロール3、4間を移動する被処理物としてのステンレス薄板2と、ステンレス薄板2に成膜またはエッチング処理を施す蒸着源10などの機構と、ステンレス薄板2を加熱するランプヒータ31などの加熱体とを有する真空処理装置であって、ステンレス薄板2とランプヒータ31との間に、処理範囲よりも面積の大きいバッファー板32を配置し、バッファー板32を介して加熱することで温度分布を均一化するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】排気装置20を有する真空容器1内に配置され、ロール3、4間を移動する被処理物としてのステンレス薄板2と、ステンレス薄板2に成膜またはエッチング処理を施す蒸着源10などの機構と、ステンレス薄板2を加熱するランプヒータ31などの加熱体とを有する真空処理装置であって、ステンレス薄板2とランプヒータ31との間に、処理範囲よりも面積の大きいバッファー板32を配置し、バッファー板32を介して加熱することで温度分布を均一化するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子、液晶ディスプレイパネル、太陽電池等の製造における薄膜形成工程、あるいは微細加工工程等に用いられる真空処理装置と処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デバイスの高機能化のため、従来にない特殊な膜を、成膜及びエッチングする取り組みが行われている。また、この種の処理を施す真空処理装置において、製造コストの削減のためにロールツーロール方式の製造方法を使用したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
以下、この種の真空処理装置の一例である蒸着処理装置について、図4、図5を参照して説明する。
【0004】
図4において、1は真空容器で、真空排気装置20を有し、また被処理物としてのステンレス薄板2をロール状態にしたロール3、処理が完了したステンレス薄板2を再度ロール状に巻き取るロール4、ステンレス薄板2の張力調整機構5を備えている。なお、ロール3、4を回転させる駆動系は、図示を省略している。10はロール3、4間においてアルミ膜を成膜するために設置された蒸着源で、蒸着するアルミ11と、アルミ11を収納するルツボ12と、ルツボ12を加熱しアルミ11を蒸発させるためのルツボヒータ13により構成されている。また、蒸着源10に対向した位置に薄板2を加熱する加熱体としてのランプヒータ31が設置され、輻射によりステンレス薄板2を加熱するようになっている。
【0005】
次に、動作を説明する。まず、ステンレス薄板2をロール状にしたロール3と処理が完了した際に巻き取るためのロール4を設置し、真空排気装置20にて1×10−3Pa以下まで真空引きする。次いで、ランプヒータ31を点灯させ、ステンレス薄板2が300℃になるように加熱する。また、蒸着源10において、ルツボヒータ13にてルツボ12を加熱し、ルツボ12内のアルミ11を蒸発させ、ステンレス薄板2に成膜する。同時にロール3、4を回転させ、ステンレス薄板2が10mm/秒の速度で移動することにより、順次アルミの薄膜がステンレス薄板2上に形成されることになる。処理が終わったステンレス薄板2はロール4に巻き取られ、所定の処理を終了する。
【0006】
【特許文献1】
特願2001−332607号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の真空処理装置の構成では、第1に、ランプヒータ31による輻射加熱を行っているため、ステンレス薄板2上において温度分布が発生するという問題がある。成膜条件として290℃〜300℃以内に抑える必要があるが、図5に示すように、ステンレス薄板2上で270℃〜300℃の温度分布が発生し、均質なアルミ膜が形成されない。
【0008】
第2に、ランプヒータ31による加熱の影響がロール3、4の駆動部に及んでしまい、その熱影響によってベアリングのスムーズな回転が妨害され、またステンレス薄板2を均一に張るための張力調整機構5に悪影響を与える等の問題がある。
【0009】
第3に、処理の完了したステンレス薄板2がロール4に巻かれる際に、膜が剥がれるという問題がある。これは、ステンレス薄板2の表面にごく薄い自然酸化膜が生成され、熱サイクルにより自然酸化膜とともに脱落してしまうからである。また、図5に示すような温度ムラにより歪みが発生して密着度が低下することや、ロール4が熱を帯びたステンレス薄板2のために熱歪みを発生することも膜剥がれの原因となっている。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、被処理物の温度分布を均一にして均質な処理ができ、また加熱によるロール駆動系への悪影響を防止でき、また処理後の膜剥がれを防止できる真空処理装置と処理方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の第1発明の真空処理装置は、排気装置を有する真空容器内に配置され、ロールツーロール方式で被処理物を搬送する手段と、前記被処理物に成膜またはエッチング処理を施す機構と、前記被処理物を加熱する加熱体とを有する真空処理装置であって、前記被処理物の処理を施す部位と前記加熱体との間に、前記被処理物の処理範囲よりも面積の大きいバッファー板を配置したものであり、バッファー板を介して加熱することで被処理物の処理を施す部位の温度分布を精度良く均一にでき、均質な処理を実現できる。
【0012】
また、前記加熱体が前記被処理物の処理範囲以外に熱影響を与えないように熱遮断機構を備えると、不要な箇所への熱影響を防止でき、ロール駆動系への悪影響を防止できる。
【0013】
また、前記熱遮断機構は、冷媒を流す通路を有する板状体から成ると、コンパクトな構成で確実に熱影響を防止できて好適である。
【0014】
また、前記バッファー板は、熱伝導度が20W/m・K以上、かつ線膨張係数が5×10−6/K以下のセラミックであると、高い均熱性が得られてバッファー板の全体が均一な温度に加熱され、かつ熱による応力ひずみも殆ど発生せず、バッファー板と被処理物の間の距離も一定に確保できるので、被処理物の均一な加熱を実現することができ、またメンテナンス時の装置立ち上げ時間を短縮し加熱体の消費電力を低減することができる。
【0015】
また、前記バッファー板は、前記被処理物の移動方向下手側で、前記被処理物の中央部より両側部でより長くオーバーラップさせると、処理後の被処理物を中央部と両側部の区別なく同様に温度低下させることができて、ひび割れ、剥離等の問題の発生を防止することができる。
【0016】
また、本願の第2発明の真空処理装置は、排気装置を有する真空容器内に配置され、ロールツーロール方式で被処理物を搬送する手段と、前記被処理物に成膜またはエッチング処理を施す機構と、前記被処理物を加熱する加熱体とを有する真空処理装置であって、前記被処理物を巻き取るロール又は前記被処理物と接触するロールを直径50mm以上の軸体にて構成したものであり、巻き付けられる被処理物の変形による成膜物の剥離を防止できるとともに、軸撓みを防止して被処理物の安定した送りを実現できる。
【0017】
また、前記被処理物を巻き取るロール又は前記被処理物と接触するロールの線膨張係数を10×10−6/K以下にすると、熱によるロールの変形を小さく抑えることで、撓みのない被処理物の送り・巻き取りを実現でき、剥離も防止できる。
【0018】
また、前記被処理物がアルミ合金又は鉄合金から成る場合に、特に好適に適用することができる。
【0019】
また、本願の第3発明の真空処理方法は、真空容器内で被処理物をロールツーロール方式で搬送させ、前記被処理物を加熱しつつ成膜またはエッチング処理を施す真空処理方法であって、前記被処理物の処理が完了した後前記被処理物の両側部と中央部を均等に冷却するものであり、温度ムラによる熱応力が発生することなく、ひび割れ、剥離等の発生を防止できる。
【0020】
また、前記被処理物を加熱体との間にバッファー板を配置して加熱し、かつ前記バッファー板を前記被処理物の中央部より両側部でより長くオーバーラップさせて前記被処理物の両側部と中央部を均等に冷却すると、簡単な構成にて確実に温度ムラによる熱応力の発生を防止してひび割れ、剥離等の発生を防止できる。
【0021】
また、本願の第4発明の真空処理方法は、真空容器内で被処理物をロールツーロール方式で搬送させ、前記被処理物を加熱しつつ成膜またはエッチング処理を施す真空処理方法であって、処理を施す前に前記被処理物を過酸化物溶液、水素アンモニウム系溶液、塩化系溶液の内の少なくとも1種を含む溶液にて洗浄するものであり、自然酸化膜を事前に確実に除去した状態で処理することができ、成膜物の密着度を高め、膜剥離等の問題の発生を防止することができる。
【0022】
また、前記過酸化物溶液は過酸化水素、前記水素アンモニウム系溶液は二フッ化水素アンモニウム、前記塩化系溶液は塩化第二鉄を適用するのが好適である。
【0023】
また、前記被処理物がアルミ合金又は鉄合金である場合に、特に好適に適用することができる。
【0024】
また、処理時の前記被処理物自身の温度が200℃以上の高温での処理時に特に効果的である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の真空処理装置と処理方法の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
【0026】
図1において、真空容器1、真空排気装置20、被処理物であるステンレス薄板2、未処理のステンレス薄板2を巻回したロール3、処理が完了したステンレス薄板2をロール状態に巻き取るロール4、ステンレス薄板2の張力調整機構5、蒸着源10、アルミ11、ルツボ12、ルツボヒータ13、ステンレス薄板2を加熱するためのランプヒータ31は、図4を参照して説明した従来例と同じ構成・性能となっている。
【0027】
ランプヒータ31とステンレス薄板2との間に、SiNなどのセラミックからなるバッファー板32が配置されている。バッファー板32は、図2に示すように、処理後のステンレス薄板2に対して中央部より両側部でより長くオーバーラップするように、処理部位の移動方向下手側で中央部に切欠32aを形成した形状とされ、ステンレス薄板2の両側部と中央部を均等に冷却するように構成されている。ランプヒータ31のステンレス薄板2移動方向の両側部には、所定の間隔をあけて熱遮断機構としての一対の冷却板33がバッファー板32に近接する位置にわたって配置されている。冷却板33は、ステンレス製で内部に冷却水を流すように構成されている。さらに、ステンレス薄板2は、事前に過酸化水素溶液にて洗浄された状態となっている。
【0028】
次に、動作とともに詳細な構成を説明する。まず、真空容器1内にステンレス薄板2をロール状にしたロール3と処理が完了した際に巻き取るためのロール4を設置し、真空排気装置20にて1×10−3Pa以下まで真空引きする。次いで、ランプヒータ31を点灯させ、バッファー板32を介してステンレス薄板2が300℃になるように加熱する。
【0029】
ここで、バッファー板32がランプヒータ31からの輻射熱によって加熱されるとともに、バッファー板32がSiN製で熱伝導率が25W/m・Kと高いので、ランプヒータ31からの輻射熱にはバラツキが生じていても、バッファー板32内でほぼ均等に分散する。このバッファー板32は均熱状態にしたいステンレス薄板2の処理範囲よりも大きくしてあり、そのためバッファー板32からの輻射熱で加熱されるステンレス薄板2の均熱性が向上し、かつ処理範囲外でこのバッファー板32が保持されている。その保持材としては、熱伝導の低いもの、かつ接触面積が極力小さいものとしていることは言うまでもない。
【0030】
バッファー板32は熱伝導度が高いものほど均熱性が良く、例えばSiCは75W/m・Kであり、AlNは170W/m・Kであるため効果は一層向上し、特にステンレス薄板2の移動速度が速くなる場合に有効であるがコスト高であるため、コストと効率でどの材料を採用するかが決定される。例えば、3mm/秒以上でステンレス薄板2を移動させ、かつ100mm2 以上の面積において成膜処理する場合においては、最低20W/m・K以上が必要であることを確認している。
【0031】
また、熱伝導度は装置メンテナンスにおいても重要である。常温から昇温する際にバッファー板32の均熱時間が装置立ち上げ時間となるからである。特に、500℃以上の高温処理の場合、20W/m・Kより小さいと、均一温度になるまでの時間が長くかかるので好ましくない。また、ランプヒータ31の消費電力を上げないためにも、熱伝導度の下限を20W/m・Kとするのが好ましい。
【0032】
また、SiN製のバッファー板32は、その線膨張係数が3.2×10−6/Kであるため、熱による応力歪みも殆ど発生しない。これにより、バッファー板32とステンレス薄板2との距離を一定に確保でき、さらに熱応力によるセラミックの破損も起き難く、コスト的に効果がある。バッファー板32の線膨張係数が、5×10−6/Kより大きいと、セラミック材料は熱応力によるひずみが発生し、昇温・降温を繰り返すうちに破壊してしまうおそれがある。また、最近では線膨張係数の低い金属材料が開発されているが、金属はキューリー点と線膨張係数が急激に増加する温度点を有しており、一般的にキューリー点は500°以下である。よって、今後増加する高温での使用では安定した降下を発揮することは困難である。
【0033】
以上により、図3に示すように、図1のX方向から見たステンレス薄板2の温度分布を、蒸着処理を行う範囲において、290℃〜300℃以内に抑えることができる。また、ロールツーロール方式により保持体無しの範囲、すなわち張力調整機構5のロール間の距離を500mmとし、その範囲内に処理する領域を設定しているので、熱が逃げて温度勾配ができる原因を排除でき、温度分布の均一性の確保に効果を発揮していると言える。
【0034】
また、冷却板33を配置していることで、バッファー板32以外への熱影響を防止でき、ロール3、4の安定した駆動が実現されている。
【0035】
次いで、蒸着源10において、ルツボヒータ13にてルツボ12を加熱し、ルツボ12内のアルミ11を蒸発させ、ステンレス薄板2に成膜する。同時にロール3、4を回転させ、ステンレス薄板2を10mm/秒の速度で移動させることにより、順次アルミの薄膜がステンレス薄板2上に形成されることになる。ここで、ステンレス薄板2は事前に過酸化水素溶液にて洗浄された状態であるため、自然酸化膜を除去され、成膜物の密着度を高くすることができる。
【0036】
引続いて、ロール3、4を駆動させつつステンレス薄板2に蒸着処理後、ステンレス薄板2はランプヒータ31の影響が減少し、徐々に冷却される。ここで、ステンレス薄板2の平面形状の特徴として、両側部より冷却が始まる。そこで、図2に示すように、処理後に冷却される移動方向下手側において、バッファー板32をステンレス薄板2の両側部により長くオーバーラップするように配置していることで、順次送られるステンレス薄板2が処理終了後、両側部と中央部の区別なく同様に温度減少するように最適化される。これにより、温度ムラによる熱応力が発生することなく、ひび割れ・剥離等の問題も発生しなくなる。オーバーラップ形状は、ステンレス薄板2の送り速度、処理温度、バッファー板32の熱伝導度、ランプヒータ31からの輻射熱効率、ランプヒータ31のバッファー板32の距離、バッファー板32とステンレス薄板2の距離に応じて最適化される。これらのパラメータを数式化することは困難ではあるが、中央部より両側部を長くオーバーラップさせるという知見、バッファー板32の熱伝導度を20W/m・Kとするという知見に基づいて実験的に最適形状を見出すことは、さほど困難ではない。
【0037】
また、処理が終わったステンレス薄板2はロール4に巻き取られるが、張力調整機構5のロールとの接触、及びロール4による巻き取りの際、それらのロールの直径を50mm以上としていることで、ステンレス薄板2の変形による膜の剥離を防止できる。直径が50mmより小さいと、ロールに巻き付けられる最初のステンレス薄板2上の成膜部の剥離が確認されたほか、ロールツーロール方式のメリットである大量連続処理を行う際、ステンレス薄板2の自重により軸撓みが発生し、安定した送りができないという問題もある。
【0038】
また、ステンレス薄板2が100℃程度の状態で巻き取られることもあるため、送り精度に影響の大きいロール軸の熱に対する配慮も重要である。ロール3、4を線膨張係数が10×10−6/K以下の材料にて作製しているので、熱による変形が少なく、撓みのないステンレス薄板2の送り、巻き取りを実現でき、かつ膜はがれも防止できる。
【0039】
このように順次アルミの薄膜がステンレス薄板2上に形成され、ロール4に巻き取られ、所定の処理を終了する。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、被処理物であるステンレス薄板2とそれを加熱する加熱体としてのランプヒータ31の間に、熱伝導度・線膨張係数を最適化したバッファー板32を配置し、処理時の温度分布を精度良く均一化し、さらに熱遮断機構により不要な箇所への熱影響を防止することができる。
【0041】
また、ステンレス薄板2を事前に洗浄し、自然酸化膜を除去することにより、成膜物の密着度を高め、さらに処理後均等に冷却されるようにバッファー板32の形状を最適化することにより、線膨張による熱応力の発生を防止することができる。
【0042】
なお、上記実施形態の説明では、生成物の剥離を防止する手段として、ステンレス薄板2の洗浄、ロール直径の最小値の設定、ロールの熱伝導度の設定を同時に行ったが、別々に実施してもそれぞれ効果があることは言うまでもない。
【0043】
また、上記実施形態では、蒸着装置の例を説明したが、プラズマエッチング装置、プラズマCVD装置や、スパッタリング装置に本発明を適用しても良い。
【0044】
【発明の効果】
本発明の真空処理装置と処理方法によれば、被処理物の高温処理時の温度分布の均一性を精度良く高めることができて均質な処理を実現でき、また不要な箇所への熱影響を防止することができ、また膜剥がれのない成膜を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空処理装置の一実施形態の真空蒸着装置の縦断正面図。
【図2】同実施形態のバッファー板の平面図。
【図3】図1のX方向から見たステンレス薄板の温度分布図。
【図4】従来例の真空蒸着装置の縦断正面図。
【図5】図4のX方向から見たステンレス薄板の温度分布図。
【符号の説明】
1 真空容器
2 ステンレス薄板(被処理物)
3、4 ロール
10 蒸着源
20 真空排気装置
31 ランプヒータ(加熱体)
32 バッファー板
33 冷却板(熱遮断機構)
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子、液晶ディスプレイパネル、太陽電池等の製造における薄膜形成工程、あるいは微細加工工程等に用いられる真空処理装置と処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デバイスの高機能化のため、従来にない特殊な膜を、成膜及びエッチングする取り組みが行われている。また、この種の処理を施す真空処理装置において、製造コストの削減のためにロールツーロール方式の製造方法を使用したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
以下、この種の真空処理装置の一例である蒸着処理装置について、図4、図5を参照して説明する。
【0004】
図4において、1は真空容器で、真空排気装置20を有し、また被処理物としてのステンレス薄板2をロール状態にしたロール3、処理が完了したステンレス薄板2を再度ロール状に巻き取るロール4、ステンレス薄板2の張力調整機構5を備えている。なお、ロール3、4を回転させる駆動系は、図示を省略している。10はロール3、4間においてアルミ膜を成膜するために設置された蒸着源で、蒸着するアルミ11と、アルミ11を収納するルツボ12と、ルツボ12を加熱しアルミ11を蒸発させるためのルツボヒータ13により構成されている。また、蒸着源10に対向した位置に薄板2を加熱する加熱体としてのランプヒータ31が設置され、輻射によりステンレス薄板2を加熱するようになっている。
【0005】
次に、動作を説明する。まず、ステンレス薄板2をロール状にしたロール3と処理が完了した際に巻き取るためのロール4を設置し、真空排気装置20にて1×10−3Pa以下まで真空引きする。次いで、ランプヒータ31を点灯させ、ステンレス薄板2が300℃になるように加熱する。また、蒸着源10において、ルツボヒータ13にてルツボ12を加熱し、ルツボ12内のアルミ11を蒸発させ、ステンレス薄板2に成膜する。同時にロール3、4を回転させ、ステンレス薄板2が10mm/秒の速度で移動することにより、順次アルミの薄膜がステンレス薄板2上に形成されることになる。処理が終わったステンレス薄板2はロール4に巻き取られ、所定の処理を終了する。
【0006】
【特許文献1】
特願2001−332607号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の真空処理装置の構成では、第1に、ランプヒータ31による輻射加熱を行っているため、ステンレス薄板2上において温度分布が発生するという問題がある。成膜条件として290℃〜300℃以内に抑える必要があるが、図5に示すように、ステンレス薄板2上で270℃〜300℃の温度分布が発生し、均質なアルミ膜が形成されない。
【0008】
第2に、ランプヒータ31による加熱の影響がロール3、4の駆動部に及んでしまい、その熱影響によってベアリングのスムーズな回転が妨害され、またステンレス薄板2を均一に張るための張力調整機構5に悪影響を与える等の問題がある。
【0009】
第3に、処理の完了したステンレス薄板2がロール4に巻かれる際に、膜が剥がれるという問題がある。これは、ステンレス薄板2の表面にごく薄い自然酸化膜が生成され、熱サイクルにより自然酸化膜とともに脱落してしまうからである。また、図5に示すような温度ムラにより歪みが発生して密着度が低下することや、ロール4が熱を帯びたステンレス薄板2のために熱歪みを発生することも膜剥がれの原因となっている。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、被処理物の温度分布を均一にして均質な処理ができ、また加熱によるロール駆動系への悪影響を防止でき、また処理後の膜剥がれを防止できる真空処理装置と処理方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の第1発明の真空処理装置は、排気装置を有する真空容器内に配置され、ロールツーロール方式で被処理物を搬送する手段と、前記被処理物に成膜またはエッチング処理を施す機構と、前記被処理物を加熱する加熱体とを有する真空処理装置であって、前記被処理物の処理を施す部位と前記加熱体との間に、前記被処理物の処理範囲よりも面積の大きいバッファー板を配置したものであり、バッファー板を介して加熱することで被処理物の処理を施す部位の温度分布を精度良く均一にでき、均質な処理を実現できる。
【0012】
また、前記加熱体が前記被処理物の処理範囲以外に熱影響を与えないように熱遮断機構を備えると、不要な箇所への熱影響を防止でき、ロール駆動系への悪影響を防止できる。
【0013】
また、前記熱遮断機構は、冷媒を流す通路を有する板状体から成ると、コンパクトな構成で確実に熱影響を防止できて好適である。
【0014】
また、前記バッファー板は、熱伝導度が20W/m・K以上、かつ線膨張係数が5×10−6/K以下のセラミックであると、高い均熱性が得られてバッファー板の全体が均一な温度に加熱され、かつ熱による応力ひずみも殆ど発生せず、バッファー板と被処理物の間の距離も一定に確保できるので、被処理物の均一な加熱を実現することができ、またメンテナンス時の装置立ち上げ時間を短縮し加熱体の消費電力を低減することができる。
【0015】
また、前記バッファー板は、前記被処理物の移動方向下手側で、前記被処理物の中央部より両側部でより長くオーバーラップさせると、処理後の被処理物を中央部と両側部の区別なく同様に温度低下させることができて、ひび割れ、剥離等の問題の発生を防止することができる。
【0016】
また、本願の第2発明の真空処理装置は、排気装置を有する真空容器内に配置され、ロールツーロール方式で被処理物を搬送する手段と、前記被処理物に成膜またはエッチング処理を施す機構と、前記被処理物を加熱する加熱体とを有する真空処理装置であって、前記被処理物を巻き取るロール又は前記被処理物と接触するロールを直径50mm以上の軸体にて構成したものであり、巻き付けられる被処理物の変形による成膜物の剥離を防止できるとともに、軸撓みを防止して被処理物の安定した送りを実現できる。
【0017】
また、前記被処理物を巻き取るロール又は前記被処理物と接触するロールの線膨張係数を10×10−6/K以下にすると、熱によるロールの変形を小さく抑えることで、撓みのない被処理物の送り・巻き取りを実現でき、剥離も防止できる。
【0018】
また、前記被処理物がアルミ合金又は鉄合金から成る場合に、特に好適に適用することができる。
【0019】
また、本願の第3発明の真空処理方法は、真空容器内で被処理物をロールツーロール方式で搬送させ、前記被処理物を加熱しつつ成膜またはエッチング処理を施す真空処理方法であって、前記被処理物の処理が完了した後前記被処理物の両側部と中央部を均等に冷却するものであり、温度ムラによる熱応力が発生することなく、ひび割れ、剥離等の発生を防止できる。
【0020】
また、前記被処理物を加熱体との間にバッファー板を配置して加熱し、かつ前記バッファー板を前記被処理物の中央部より両側部でより長くオーバーラップさせて前記被処理物の両側部と中央部を均等に冷却すると、簡単な構成にて確実に温度ムラによる熱応力の発生を防止してひび割れ、剥離等の発生を防止できる。
【0021】
また、本願の第4発明の真空処理方法は、真空容器内で被処理物をロールツーロール方式で搬送させ、前記被処理物を加熱しつつ成膜またはエッチング処理を施す真空処理方法であって、処理を施す前に前記被処理物を過酸化物溶液、水素アンモニウム系溶液、塩化系溶液の内の少なくとも1種を含む溶液にて洗浄するものであり、自然酸化膜を事前に確実に除去した状態で処理することができ、成膜物の密着度を高め、膜剥離等の問題の発生を防止することができる。
【0022】
また、前記過酸化物溶液は過酸化水素、前記水素アンモニウム系溶液は二フッ化水素アンモニウム、前記塩化系溶液は塩化第二鉄を適用するのが好適である。
【0023】
また、前記被処理物がアルミ合金又は鉄合金である場合に、特に好適に適用することができる。
【0024】
また、処理時の前記被処理物自身の温度が200℃以上の高温での処理時に特に効果的である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の真空処理装置と処理方法の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
【0026】
図1において、真空容器1、真空排気装置20、被処理物であるステンレス薄板2、未処理のステンレス薄板2を巻回したロール3、処理が完了したステンレス薄板2をロール状態に巻き取るロール4、ステンレス薄板2の張力調整機構5、蒸着源10、アルミ11、ルツボ12、ルツボヒータ13、ステンレス薄板2を加熱するためのランプヒータ31は、図4を参照して説明した従来例と同じ構成・性能となっている。
【0027】
ランプヒータ31とステンレス薄板2との間に、SiNなどのセラミックからなるバッファー板32が配置されている。バッファー板32は、図2に示すように、処理後のステンレス薄板2に対して中央部より両側部でより長くオーバーラップするように、処理部位の移動方向下手側で中央部に切欠32aを形成した形状とされ、ステンレス薄板2の両側部と中央部を均等に冷却するように構成されている。ランプヒータ31のステンレス薄板2移動方向の両側部には、所定の間隔をあけて熱遮断機構としての一対の冷却板33がバッファー板32に近接する位置にわたって配置されている。冷却板33は、ステンレス製で内部に冷却水を流すように構成されている。さらに、ステンレス薄板2は、事前に過酸化水素溶液にて洗浄された状態となっている。
【0028】
次に、動作とともに詳細な構成を説明する。まず、真空容器1内にステンレス薄板2をロール状にしたロール3と処理が完了した際に巻き取るためのロール4を設置し、真空排気装置20にて1×10−3Pa以下まで真空引きする。次いで、ランプヒータ31を点灯させ、バッファー板32を介してステンレス薄板2が300℃になるように加熱する。
【0029】
ここで、バッファー板32がランプヒータ31からの輻射熱によって加熱されるとともに、バッファー板32がSiN製で熱伝導率が25W/m・Kと高いので、ランプヒータ31からの輻射熱にはバラツキが生じていても、バッファー板32内でほぼ均等に分散する。このバッファー板32は均熱状態にしたいステンレス薄板2の処理範囲よりも大きくしてあり、そのためバッファー板32からの輻射熱で加熱されるステンレス薄板2の均熱性が向上し、かつ処理範囲外でこのバッファー板32が保持されている。その保持材としては、熱伝導の低いもの、かつ接触面積が極力小さいものとしていることは言うまでもない。
【0030】
バッファー板32は熱伝導度が高いものほど均熱性が良く、例えばSiCは75W/m・Kであり、AlNは170W/m・Kであるため効果は一層向上し、特にステンレス薄板2の移動速度が速くなる場合に有効であるがコスト高であるため、コストと効率でどの材料を採用するかが決定される。例えば、3mm/秒以上でステンレス薄板2を移動させ、かつ100mm2 以上の面積において成膜処理する場合においては、最低20W/m・K以上が必要であることを確認している。
【0031】
また、熱伝導度は装置メンテナンスにおいても重要である。常温から昇温する際にバッファー板32の均熱時間が装置立ち上げ時間となるからである。特に、500℃以上の高温処理の場合、20W/m・Kより小さいと、均一温度になるまでの時間が長くかかるので好ましくない。また、ランプヒータ31の消費電力を上げないためにも、熱伝導度の下限を20W/m・Kとするのが好ましい。
【0032】
また、SiN製のバッファー板32は、その線膨張係数が3.2×10−6/Kであるため、熱による応力歪みも殆ど発生しない。これにより、バッファー板32とステンレス薄板2との距離を一定に確保でき、さらに熱応力によるセラミックの破損も起き難く、コスト的に効果がある。バッファー板32の線膨張係数が、5×10−6/Kより大きいと、セラミック材料は熱応力によるひずみが発生し、昇温・降温を繰り返すうちに破壊してしまうおそれがある。また、最近では線膨張係数の低い金属材料が開発されているが、金属はキューリー点と線膨張係数が急激に増加する温度点を有しており、一般的にキューリー点は500°以下である。よって、今後増加する高温での使用では安定した降下を発揮することは困難である。
【0033】
以上により、図3に示すように、図1のX方向から見たステンレス薄板2の温度分布を、蒸着処理を行う範囲において、290℃〜300℃以内に抑えることができる。また、ロールツーロール方式により保持体無しの範囲、すなわち張力調整機構5のロール間の距離を500mmとし、その範囲内に処理する領域を設定しているので、熱が逃げて温度勾配ができる原因を排除でき、温度分布の均一性の確保に効果を発揮していると言える。
【0034】
また、冷却板33を配置していることで、バッファー板32以外への熱影響を防止でき、ロール3、4の安定した駆動が実現されている。
【0035】
次いで、蒸着源10において、ルツボヒータ13にてルツボ12を加熱し、ルツボ12内のアルミ11を蒸発させ、ステンレス薄板2に成膜する。同時にロール3、4を回転させ、ステンレス薄板2を10mm/秒の速度で移動させることにより、順次アルミの薄膜がステンレス薄板2上に形成されることになる。ここで、ステンレス薄板2は事前に過酸化水素溶液にて洗浄された状態であるため、自然酸化膜を除去され、成膜物の密着度を高くすることができる。
【0036】
引続いて、ロール3、4を駆動させつつステンレス薄板2に蒸着処理後、ステンレス薄板2はランプヒータ31の影響が減少し、徐々に冷却される。ここで、ステンレス薄板2の平面形状の特徴として、両側部より冷却が始まる。そこで、図2に示すように、処理後に冷却される移動方向下手側において、バッファー板32をステンレス薄板2の両側部により長くオーバーラップするように配置していることで、順次送られるステンレス薄板2が処理終了後、両側部と中央部の区別なく同様に温度減少するように最適化される。これにより、温度ムラによる熱応力が発生することなく、ひび割れ・剥離等の問題も発生しなくなる。オーバーラップ形状は、ステンレス薄板2の送り速度、処理温度、バッファー板32の熱伝導度、ランプヒータ31からの輻射熱効率、ランプヒータ31のバッファー板32の距離、バッファー板32とステンレス薄板2の距離に応じて最適化される。これらのパラメータを数式化することは困難ではあるが、中央部より両側部を長くオーバーラップさせるという知見、バッファー板32の熱伝導度を20W/m・Kとするという知見に基づいて実験的に最適形状を見出すことは、さほど困難ではない。
【0037】
また、処理が終わったステンレス薄板2はロール4に巻き取られるが、張力調整機構5のロールとの接触、及びロール4による巻き取りの際、それらのロールの直径を50mm以上としていることで、ステンレス薄板2の変形による膜の剥離を防止できる。直径が50mmより小さいと、ロールに巻き付けられる最初のステンレス薄板2上の成膜部の剥離が確認されたほか、ロールツーロール方式のメリットである大量連続処理を行う際、ステンレス薄板2の自重により軸撓みが発生し、安定した送りができないという問題もある。
【0038】
また、ステンレス薄板2が100℃程度の状態で巻き取られることもあるため、送り精度に影響の大きいロール軸の熱に対する配慮も重要である。ロール3、4を線膨張係数が10×10−6/K以下の材料にて作製しているので、熱による変形が少なく、撓みのないステンレス薄板2の送り、巻き取りを実現でき、かつ膜はがれも防止できる。
【0039】
このように順次アルミの薄膜がステンレス薄板2上に形成され、ロール4に巻き取られ、所定の処理を終了する。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、被処理物であるステンレス薄板2とそれを加熱する加熱体としてのランプヒータ31の間に、熱伝導度・線膨張係数を最適化したバッファー板32を配置し、処理時の温度分布を精度良く均一化し、さらに熱遮断機構により不要な箇所への熱影響を防止することができる。
【0041】
また、ステンレス薄板2を事前に洗浄し、自然酸化膜を除去することにより、成膜物の密着度を高め、さらに処理後均等に冷却されるようにバッファー板32の形状を最適化することにより、線膨張による熱応力の発生を防止することができる。
【0042】
なお、上記実施形態の説明では、生成物の剥離を防止する手段として、ステンレス薄板2の洗浄、ロール直径の最小値の設定、ロールの熱伝導度の設定を同時に行ったが、別々に実施してもそれぞれ効果があることは言うまでもない。
【0043】
また、上記実施形態では、蒸着装置の例を説明したが、プラズマエッチング装置、プラズマCVD装置や、スパッタリング装置に本発明を適用しても良い。
【0044】
【発明の効果】
本発明の真空処理装置と処理方法によれば、被処理物の高温処理時の温度分布の均一性を精度良く高めることができて均質な処理を実現でき、また不要な箇所への熱影響を防止することができ、また膜剥がれのない成膜を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空処理装置の一実施形態の真空蒸着装置の縦断正面図。
【図2】同実施形態のバッファー板の平面図。
【図3】図1のX方向から見たステンレス薄板の温度分布図。
【図4】従来例の真空蒸着装置の縦断正面図。
【図5】図4のX方向から見たステンレス薄板の温度分布図。
【符号の説明】
1 真空容器
2 ステンレス薄板(被処理物)
3、4 ロール
10 蒸着源
20 真空排気装置
31 ランプヒータ(加熱体)
32 バッファー板
33 冷却板(熱遮断機構)
Claims (14)
- 排気装置を有する真空容器内に配置され、ロールツーロール方式で被処理物を搬送する手段と、前記被処理物に成膜またはエッチング処理を施す機構と、前記被処理物を加熱する加熱体とを有する真空処理装置であって、前記被処理物の処理を施す部位と前記加熱体との間に、前記被処理物の処理範囲よりも面積の大きいバッファー板を配置した真空処理装置。
- 前記加熱体が前記被処理物の処理範囲以外に熱影響を与えないように熱遮断機構を備えた請求項1記載の真空処理装置。
- 前記熱遮断機構は、冷媒を流す通路を有する板状体から成る請求項2記載の真空処理装置。
- 前記バッファー板は、熱伝導度が20W/m・K以上、かつ線膨張係数が5×10−6/K以下のセラミックである請求項1記載の真空処理装置。
- 前記バッファー板を、前記被処理物の移動方向下手側で、前記被処理物の中央部より両側部でより長くオーバーラップさせた請求項1記載の真空処理装置。
- 排気装置を有する真空容器内に配置され、ロールツーロール方式で被処理物を搬送する手段と、前記被処理物に成膜またはエッチング処理を施す機構と、前記被処理物を加熱する加熱体とを有する真空処理装置であって、前記被処理物を巻き取るロール又は前記被処理物と接触するロールを直径50mm以上の軸体にて構成した真空処理装置。
- 前記被処理物を巻き取るロール又は前記被処理物と接触するロールの軸の線膨張係数は10×10−6/K以下である請求項6記載の真空処理装置。
- 前記被処理物はアルミ合金又は鉄合金から成る請求項1又は6記載の真空処理装置。
- 真空容器内で被処理物をロールツーロール方式で搬送させ、前記被処理物を加熱しつつ成膜またはエッチング処理を施す真空処理方法であって、前記被処理物の処理が完了した後前記被処理物の両側部と中央部を均等に冷却する真空処理方法。
- 前記被処理物を加熱体との間にバッファー板を配置して加熱し、かつ前記バッファー板を前記被処理物の中央部より両側部でより長くオーバーラップさせて前記被処理物の両側部と中央部を均等に冷却する請求項9記載の真空処理方法。
- 真空容器内で被処理物をロールツーロール方式で搬送させ、前記被処理物を加熱しつつ成膜またはエッチング処理を施す真空処理方法であって、処理を施す前に前記被処理物を過酸化物溶液、水素アンモニウム系溶液、塩化系溶液の内の少なくとも1種を含む溶液にて洗浄する真空処理方法。
- 前記過酸化物溶液が過酸化水素、前記水素アンモニウム系溶液は二フッ化水素アンモニウム、前記塩化系溶液は塩化第二鉄である請求項11記載の真空処理方法。
- 前記被処理物がアルミ合金又は鉄合金である請求項9又は11記載の真空処理方法。
- 処理時の前記被処理物自身の温度が200℃以上である請求項9又は11記載の真空処理方法。
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