JP2004339248A - 平版インキ用アゾレーキ顔料 - Google Patents
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Abstract
【課題】化学構造上、揆水性が悪く、且つ、ロジン塩などの純顔料成分とことなる物質を含む平版インキ用アゾレーキ顔料の分散性能の格段の向上並びに、分散性能が経時で劣化しないように維持することが、本発明が解決しようとする課題である。
【解決手段】アゾレーキ顔料の一次粒子の表面に均一な連続膜をつくり、分散性能の格段の向上並びに、経時での分散性能の維持に寄与することが出来る皮膜形成物質として混合脂肪酸モノエステル並びに、長鎖脂肪族アルコールを特定し、これを含有するO/Wエマルジョンを用いて顔料粒子表面を処理することで課題の解決をはかった。
【選択図】 選択図なし
【解決手段】アゾレーキ顔料の一次粒子の表面に均一な連続膜をつくり、分散性能の格段の向上並びに、経時での分散性能の維持に寄与することが出来る皮膜形成物質として混合脂肪酸モノエステル並びに、長鎖脂肪族アルコールを特定し、これを含有するO/Wエマルジョンを用いて顔料粒子表面を処理することで課題の解決をはかった。
【選択図】 選択図なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
平版インキに用いられるアゾレーキ顔料に関するものである。
平版インキとは、枚葉印刷用平版インキ並びに、オフ輪印刷用平版インキの総称を意味し、この中には、平版インキであるがUVインキ・新聞インキ・水なしインキ・ハイブリッドインキ・特殊インキなどと、特別に表現されている平版インキも含む。
アゾレーキ顔料は水溶性又は、水に難溶性のアゾ染料から沈殿剤によって不溶化した顔料を意味し、ブリリアントカーミン6B・レーキレッドC・ウオッチングレッド等で代表されるものである。
【0002】
長鎖脂肪族アルコールとは、一般に高級アルコールと言われるもので、本発明では炭素数13以上のアルコールを指し、天然油脂を原料とするものと、石油化学製品を原料とするものを含む。イソステアリルアルコール・トリデカノール・オレイルアルコールなどで代表されるものである。
【0003】
混合脂肪酸モノエステルとは、飽和脂肪酸モノエステルと不飽和脂肪酸モノエステルとの混合物を意味し、大豆脂肪酸メチルエステル・大豆脂肪酸ブチルエステルなどで代表されるものである。脂肪酸としては炭素数が5から21のものを指し、混合脂肪酸としては、動植物油脂のヤシ油・パーム油・ナタネ油・大豆油・アマニ油・桐油・トール油・牛脂・魚油などの脂肪酸がこれにあたる。脂肪酸モノエステルを構成するアルコールは、アルキル基の炭素数が1から4のもので、メタノール・エタノール・プロパノール・イソプロパノール・ブタノール・イソブチルアルコールなどがある。エステル化は、例えば大豆油をメタノールでアルコリシスし、大豆脂肪酸メチルエステルをえるように、油脂からのアルコリシスあるいは、脂肪酸の直接エステル化を常法で行うことにより得られる。
【0004】
アルキルアミンの酢酸塩とは、ステアリルアミンアセテート・ココナッツアミンアセテートなどの酢酸塩を指し、ロジン石ケンなどと同様に、O/Wエマルジョンを作る時の乳化剤としても利用出来るものである。本発明に於いては、何等かの形で、使用することでの交互作用が確認されている陽イオン活性剤である。
【0005】
長鎖脂肪族アルコール並びに、混合脂肪酸モノエステルを実際に使用するにあたっては、単独ないしは、他の親油物質にブレンドし、乳化剤の助けをかり、これをO/Wエマルジョンにして顔料処理を行うものとする。ここで言う親油物質とは、平版インキ適性のあるものであれば限定するものではない。平版インキ用材料がその代表であり、単品又は複数の混合物でも差し支えないが、実用に当たっては、低粘度になっていることが好ましい。平版インキ用材料としては、例えば、ロジン変性樹脂・石油樹脂・アルキッド樹脂・石油溶剤・植物油・UVインキ用材料などがあるが、これに限定するものではない。
【0006】
本発明の対象となる顔料の形状は、パウダーないしは任意に水分を含んだスラリーないしはウエットケーキのすべての形状を含むものとする。本発明で得られる分散レベルの格段の向上と経時安定性の改善は、顔料形状とは関係なく、すべての形状に効果を有するものである。
【0007】
【従来の技術】
特開平10−46087オフセットインキ用有機顔料並びに、特開平10−25426平版インキ用有機顔料に於いて、はじめて顔料表面をO/Wエマルジョンにした親油物質で処理する技術が開発され、オフセット印刷に於ける乳化その他の印刷適性・効果が大幅に改善され、広く実用されている。
その後、特開2001−261994オフセットインキ用レーキ顔料で、水巾等の改善が、石油樹脂とヨウ素価130以下の植物油のO/Wエマルジョンで処理することでなされている。
しかしながらアゾレーキ顔料の分散に限っては、分散レベルを更に格段に上げたい実用上の要求と、従来技術では分散性能が経時で劣化する傾向があり、これの是正が必要であるため、本発明に於いては、分散レベルの格段の向上と分散の経時での劣化をなくす処理物質の開発を鋭意行い、有効な新しい特定物質を見い出し、この特定物質での処理で、分散性能の格段の向上と分散性能の経時での劣化を完全になくすことが出来た。これによって今までに存在しないレベルの分散性能を長期にわたって、維持出来る技術が確立された。即ち、分散レベルそのものが、格段に改善され、加えて顔料の形状如何にかかわらず、長期保存でも分散性能に経時変化をおこさない画期的な顔料の開発をなし得た。
アゾレーキ顔料は、一般にロジン塩などの純顔料成分とことなる物質を顔料として、一緒に含有するため、その挙動が複雑であることに本発明は着目して、その上にたって、特定物質の選定を行っている。このような考え方による特定物質選定は、本発明がはじめてで従来技術では、今までに考えられていない、全く新しい考え方である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
化学構造上、揆水性が悪く、一般に純顔料成分とことなるロジン塩などを一緒に含む複雑な組成になっている平版インキ用アゾレーキ顔料の分散性能の格段の向上並びに分散性能を経時で劣化しないように維持することが、本発明が解決しようとする課題である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
アゾレーキ顔料の分散性能の格段の向上並びに、経時での分散性能の劣化の改善には、一次粒子の表面に格段に分散改善出来る均一な連続膜を作り、この連続膜の性能が、経時で不変であるような皮膜形成物質を全く新しい考え方にたって特定し、活用することで解決をはかった。
即ち、皮膜形成物質として混合脂肪酸モノエステル並びに長鎖脂肪酸アルコールを特定し、これを含有するO/Wエマルジョンを用いて顔料粒子表面を処理することで課題の解決をはかった。又、その際、アルキルアミンの酢酸塩を乳化剤として、O/Wエマルジョン作製時に使用するとか、O/Wエマルジョン処理後に、加えるなど、何等かの形で使用すると交互作用で、皮膜性能をよりよくすることが出来た。
従来技術では、実用上分散性能を格段に上げたい要求には対応出来ず、又、
経時で、その分散性能が劣化する傾向の解決は困難であった。
本発明では、分散性能の格段の向上と分散性能の経時安定性に寄与する物質を特定し、これを単独又は、親油物質にブレンドし、O/Wエマルジョンにして処理することで、分散性能の格段の向上とともに経時での分散性能の劣化をおさえて、常に分散レベルの格段によい画期的なアゾレーキ顔料の開発をすることが出来た。
今までの顔料は、いずれも、長期保存では、経時変化で分散性能が劣化するので、本発明では、これを解決し、長期保存でも出来たてと同じレベルの良好な分散性能を有するものを開発した。
顔料の分散性は、凝集との関連性が特に大きく、顔料粒子が凝集を起こす一つとして、粒子間の付着水膜の表面張力による力によることが知られている。本発明では、特定物質を含む親油物質で、ロジン塩の存在下等でも、連続且つ均一に顔料粒子表面を覆う事により画期的に、分散性能を改善すると共に、分散性能の経時での劣化を完全に防止することが出来た。加えて、耐熱性も大幅に改善された。
従来技術では、特に経時で処理物質の変質その他により、分散性能に劣化が起こる問題があることが判った。この原因は、アゾレーキ顔料固有の皮膜構成物質への影響、並びにアゾレーキ顔料中に含まれるロジン塩などの混合物質の影響などをうけているものと思われる。
アゾレーキ顔料以外の顔料では、このような経時変化の現象はみられなく、
アゾレーキ顔料固有の問題であると考えられる。
本発明に於ける分散性能に寄与する特定物質の利用により、平版インキ用アゾレーキ顔料の分散性能の格段の向上と分散性能の経時安定性が得られた。
加えて、平版印刷での水巾の向上、乳化耐性の向上など平版印刷適性の向上に寄与すると共に、耐熱性も大幅に改善されているので、インキ製造方式の一つであるフラッシング方式の改善に大きく役立つことが確認された。
【0010】
本発明で得られたアゾレーキ顔料は、原理的にみて平版インキ以外のグラビアインキ・シルクスクリーンインキ・凸版インキ・ジェットインキその他特殊インキに用いても、分散性能その他に抜群な効果を発揮することが期待出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】
スラリー形態の顔料の一次粒子の表面に確実に連続膜を設けるには、予め水希釈性の大きなO/Wエマルジョンにしておく事が必要である。
このような状態にするには、乳化剤として活性剤を使用する事が必要である。予め安定な均一になっているO/Wエマルジョンを作り、これを希釈してスラリーに添加する方法をとらないと物理的に連続した揆水膜を容易に顔料の一次粒子の表面に設ける事はむずかしい。
特許請求の範囲に記載の物質は、顔料に対して0.5重量%以上用いることが必要である。安定なO/Wエマルジョンにしておくと、一次粒子の状態での処理がはじめて可能になり、確実に出来る。均一な微細な油滴として、顔料製造時、スラリー中に投入し、顔料の一次粒子と油滴が充分に接触し、複雑な粒子表面に分散性能のある膜を連続的且つ均一に形成する事が可能となる。
O/Wエマルジョンを作るには、乳化剤として活性剤の使用が必要であるが、活性剤としては、O/Wエマルジョンを作る能力があり、オフセット適性があれば限定するものではない。
例えば、アニオンではロジン塩、カチオンではアルキルアミンの酢酸塩で代表されるアミン塩類などかなり幅広く利用出来るものである。
【0012】
【実施例】
以下、本発明をより詳細に説明する。
特に断りのない限り、部は重量部を意味し、%は重量%を意味している。
【0013】
実施例1
パラトルイジンメタスルホン酸とベータオキシナフトエ酸を原料とし、水相中で合成させたブリリアントカーミン6B(Red57:1)のスラリーにロジンソープ及び塩化カルシウム溶液を加えて、カーミン6Bに対し、20%になる様にロジン処理した。このロジン処理する時に、大豆脂肪酸ブチルエステルが顔料に対し、2%になる様にO/Wエマルジョン処理した。
処理後、レーキ化し、脱水し、カーミン6Bのウエットケーキ(顔料分30%)を得た。
O/Wエマルジョンは、先ずロジンソープの水溶液を作り、その中に少しずつ大豆脂肪酸ブチルエステルを含む溶液を入れながら、小型ハイスピードミキサーで攪拌して、均一な安定なO/Wエマルジョンを得た。
O/Wエマルジョンが出来た後、その安定性を確認後、水に1000倍に希釈して使用に供した。O/Wエマルジョンの処方内容は、日石ネオポリマーNP130、1部と大豆脂肪酸ブチルエステル9部を混合し、150℃で加熱1時間で完全な溶液とし、これを25℃で、25%ロジンソープ20部、水20部とを攪拌し均一なO/Wエマルジョンにし、大豆脂肪酸ブチルエステルが顔料に対し2%になる様に処理した。
処理後、塩化カルシウム液を加えレーキ化後、脱水した。
【0014】
実施例2
実施例1のウエットケーキを130℃、5時間乾燥し、その後粉砕し、カーミン6Bの水分のないパウダーを得た。
【0015】
比較例1
実施例1に於いて、処理剤を石油樹脂(日石ネオポリマーNP130)1部、大豆油9部からなる溶液のロジンソープを用いたO/Wエマルジョンにかえ、大豆油が2%(対顔料)になる様に処理した。処理後、塩化カルシウム液を加えレーキ化し、脱水し、カーミン6Bのウエットケーキ(顔料分25%)を得た。
【0016】
比較例2
比較例1のウエットケーキを130℃、5時間乾燥し、粉砕し、カーミン6Bの水分を含まないパウダーを得た。
【0017】
実施例3
パラトルイジンメタスルホン酸とベータオキシナフトエ酸を原料とし、水相中で合成させたブリリアントカーミン6B(Red57:1)のスラリーに、ロジンが20%になるように、ロジンソープ並びに、塩化カルシウムを加えた。レーキ化終了後に、これを大豆脂肪酸ブチルエステルの入った溶液のO/Wエマルジョンで、大豆脂肪酸ブチルエステルが顔料に対し、2%となるように処理した。
これを脱水し、ウエットケーキ(顔料分25%)を得た。O/Wエマルジョンは、活性剤の水溶液の中に攪拌しながら少しずつ石油樹脂を大豆脂肪酸ブチルエステルに溶かしたものを加え、均一で安定なO/Wエマルジョンをハイスピードミキサーを用いて作った。
O/Wエマルジョンは、溶液10部、アルキルアミンの酢酸塩である活性剤(アセタミン86)2部、水88部で作り、溶液は石油樹脂(日石ネオポリマーNP130)2部、大豆脂肪酸ブチルエステル8部を溶かしてつくった。
【0018】
比較例3
実施例3に於いて、レーキ化終了後に、大豆脂肪酸ブチルエステルのO/Wエマルジョン処理を行わず、その代わりに、活性剤(アセタミン86)の1.5%液で、顔料に対し、活性剤が1.5%になるよう処理し、アルキルアミンの酢酸塩のみの単独処理品を作った。
処理後、脱水し、カーミン6Bのウエットケーキ(顔料分25%)を得た。
【0019】
実施例4
実施例3で使用したO/Wエマルジョンの代わりに、レーキ化後に、下記のものを用いて、イソステアリルアルコールが顔料に対し2%になるように処理し、脱水して、ウエットケーキを得た。
O/Wエマルジョンは、溶液10部・アルキルアミンの酢酸塩である活性剤(アセタミン24)2部・水88部で作製した。ここに用いた溶液は、イソステアリルアルコール(オキソコール180)5部・大豆油5部で作製した。
【0020】
実施例5
実施例3で使用したO/Wエマルジョンの代わりに下記のものを用いて、トール油脂肪酸ブチルエステルが顔料に対し1%になるように処理し、脱水して、ウエットケーキを得た。
これを130℃、5時間乾燥したのちに粉砕し、水分を含まないパウダーとした。
O/Wエマルジョンは、溶液10部・活性剤(アセタミン86)2部・水88部で作製した。ここに用いた溶液は、トール油脂肪酸ブチルエステル7部・インキ用石油ソルベント3部で作製した。
【0021】
実施例6
ウオッチングレッドの顔料を作り、実施例1と同一の処理をし、ウエットケーキとし、これを130℃、5時間乾燥したのちに粉砕し、水分を含まないパウダーとした。
【0022】
実施例7
実施例1に於いて、全部の処理が終わり、レーキ化した顔料スラリーに、顔料に対し、1.5%になるように、活性剤(アセタミン86)の1.5%液で更に、追加して処理を行った。その後、脱水し、カーミン6Bのウエットケーキ(顔料分21%)を得た。
【0023】
実施例8
実施例3で使用したO/Wエマルジョンの代わりに下記のものを用いて、トール油脂肪酸ブチルエステルが顔料に対し、10%になるように処理し、脱水してウエットケーキを得た。これを130℃、5時間乾燥して水分を含まないパウダーとした。
O/Wエマルジョンは、トール油脂肪酸ブチルエステル10部、活性剤(アセタミン86)2部、水88部で作った。
【0024】
カーミン6B・ウオッチングレッドの顔料はいずれも次の内容で作った。
上記の各々の実施例ないしは比較例は、これを基本にモデファイして実施した。
ブリリアントカーミン6Bの製法
パラトルイジンメタスルホン酸18.7部を苛性ソーダ4部を含む水溶液に溶解後、35%塩酸24.2部を加え酸析する。この液を0℃に冷却し、これに20%亜硝酸ソーダ水溶液35部を加えてジアゾ化する。
別に苛性ソーダ10部を含む水溶液にベータオキシナフトエ酸19.2部を溶解した液を作製し、これにジアゾ化液を加えてカップリングを行う。
これにロジン石ケン及び塩化カルシウム溶液を加えてカーミン6Bに対し、
20%になるようにロジン処理した。
【0025】
ウオッチングレッドの製法
2−アミノ−4−クロル6−メチルベンゼンスルフォン酸22.2部を苛性ソーダ4部を含む水溶液に加熱溶解後、35%塩酸22部を加えて酸析する。この液を0℃に冷却し、これに20%亜硝酸ソーダ水溶液35部を加えてジアゾ化する。
別に苛性ソーダ10部を含む水溶液にベータオキシナフトエ酸19部を溶解した液を作製し、これにジアゾ化液を加えてカップリングを行う。
これにロジン石ケン及び塩化カルシウム溶液を加えて,ウオッチングレッドに対し、10%になるようにロジン処理した。
【0026】
実施例9
実施例1から実施例8で出来た顔料、並びに比較例1から比較例3で出来た顔料について、それぞれインキ化した。
インキ化は、ウエットケーキはテストフラッシャーと三本ロールミルで、パウダー顔料は三本ロールミルで、分散に差が出るような条件を設定し、全部一定条件のもとでインキ化した。
インキ化処方は、顔料18部、バインダー(東新油脂製GT150)60部、#7ソルベント(石油溶剤)22部で行い、ロールで1度練肉した。そのインキについて、グラインドメーターで分散レベルを相対的に、チェックした。テストは2回くりかえし行い評価した。
【0027】
各サンプルの分散評価結果は次の如くであった。
分散テストは、顔料が出来て10日以内で分散テストをしたものを初期分散と表示し、40℃で10ヶ月放置後に分散テストをしたものを経時分散と表示した。
分散レベルは、A・B・C・Dで表示し、Aが最もよく、Dが最もわるいことを意味する。
実施例1
初期分散は表示B、経時分散は表示Bであった。
実施例2
初期分散は表示B、経時分散は表示Bであった。
実施例3
初期分散は表示A、経時分散は表示Aであった。
実施例4
初期分散は表示A、経時分散は表示Aであった。
実施例5
初期分散は表示A、経時分散は表示Aであった。
実施例6
初期分散は表示B、経時分散は表示Bであった。
実施例7
初期分散は表示A、経時分散は表示Aであった。
実施例8
初期分散は表示A、経時分散は表示Aであった。
比較例1
初期分散は表示C、経時分散は表示Dであった。
比較例2
初期分散は表示C、経時分散は表示Dであった。
比較例3
初期分散は表示C、経時分散は表示Dであった。
以上の如くテスト結果は、特許請求の範囲に記載の特定物質を用いたものは、格段に分散レベルがよく、且つ、全部経時安定性がよくなっていることが確認された。同時に耐熱性も充分あることが確認された。
又、アルキルアミンの酢酸塩を乳化剤として同時に入れたものならびに別々に入れたものも含めて何等かの形でアルキルアミンの酢酸塩を使用した実施例3・実施例4・実施例5・実施例7・実施例8は、特に良好な分散性能を示し、比較例3のアルキルアミンの酢酸塩を単独で用いたものに比較し、格段に効果があり、これ等の間に交互作用のあることが確認出来た。
【0028】
これ等に加え、オフセット印刷での水巾の向上・乳化耐性の向上等についても、スプリントII26オフセット印刷機での印刷テストの結果、大きく寄与することが確認された。
【0029】
【発明の効果】
平版インキ用アゾレーキ顔料の一次粒子表面を混合脂肪酸モノエステル又は長鎖脂肪族アルコールを含有するO/Wエマルジョンで処理し、均一で連続した分散性能のある膜を作る事により、アゾレーキ顔料のウエットケーキは勿論のこと、パウダーにいたるまで、顔料の形状に関係なく、分散レベルが大幅に改善され、この分散性能が経時によっても劣化しないものを作ることが出来た。これによる工業的なメリットは大きく、現行インキ製法の改善、
合理化につながる画期的なものである。
▲1▼.ウエットケーキを用いるインキ製造方法である現行フラッシング方式に於いて、出来るインキの品質向上、並びにインキ生産の効率化に大きく寄与する。
分散性能並びに耐熱性が、絶対的なので、現在、行われているようなフラッシング条件をシビアーにしなくともフラッシングが完全に行われ、
その結果、安定したインキ品質が常に得られ、又、強制分散を必要としない高水準の分散性がフラッシングだけで得られる。
▲2▼.パウダーを用いるインキ製造方法では、分散性能が格段によいので、インキ品質の安定化とインキ生産効率の大幅なアップが期待出来、このパウダーの使用でフラッシング相当の品質のインキが容易に得られるようになった。
【発明の属する技術分野】
平版インキに用いられるアゾレーキ顔料に関するものである。
平版インキとは、枚葉印刷用平版インキ並びに、オフ輪印刷用平版インキの総称を意味し、この中には、平版インキであるがUVインキ・新聞インキ・水なしインキ・ハイブリッドインキ・特殊インキなどと、特別に表現されている平版インキも含む。
アゾレーキ顔料は水溶性又は、水に難溶性のアゾ染料から沈殿剤によって不溶化した顔料を意味し、ブリリアントカーミン6B・レーキレッドC・ウオッチングレッド等で代表されるものである。
【0002】
長鎖脂肪族アルコールとは、一般に高級アルコールと言われるもので、本発明では炭素数13以上のアルコールを指し、天然油脂を原料とするものと、石油化学製品を原料とするものを含む。イソステアリルアルコール・トリデカノール・オレイルアルコールなどで代表されるものである。
【0003】
混合脂肪酸モノエステルとは、飽和脂肪酸モノエステルと不飽和脂肪酸モノエステルとの混合物を意味し、大豆脂肪酸メチルエステル・大豆脂肪酸ブチルエステルなどで代表されるものである。脂肪酸としては炭素数が5から21のものを指し、混合脂肪酸としては、動植物油脂のヤシ油・パーム油・ナタネ油・大豆油・アマニ油・桐油・トール油・牛脂・魚油などの脂肪酸がこれにあたる。脂肪酸モノエステルを構成するアルコールは、アルキル基の炭素数が1から4のもので、メタノール・エタノール・プロパノール・イソプロパノール・ブタノール・イソブチルアルコールなどがある。エステル化は、例えば大豆油をメタノールでアルコリシスし、大豆脂肪酸メチルエステルをえるように、油脂からのアルコリシスあるいは、脂肪酸の直接エステル化を常法で行うことにより得られる。
【0004】
アルキルアミンの酢酸塩とは、ステアリルアミンアセテート・ココナッツアミンアセテートなどの酢酸塩を指し、ロジン石ケンなどと同様に、O/Wエマルジョンを作る時の乳化剤としても利用出来るものである。本発明に於いては、何等かの形で、使用することでの交互作用が確認されている陽イオン活性剤である。
【0005】
長鎖脂肪族アルコール並びに、混合脂肪酸モノエステルを実際に使用するにあたっては、単独ないしは、他の親油物質にブレンドし、乳化剤の助けをかり、これをO/Wエマルジョンにして顔料処理を行うものとする。ここで言う親油物質とは、平版インキ適性のあるものであれば限定するものではない。平版インキ用材料がその代表であり、単品又は複数の混合物でも差し支えないが、実用に当たっては、低粘度になっていることが好ましい。平版インキ用材料としては、例えば、ロジン変性樹脂・石油樹脂・アルキッド樹脂・石油溶剤・植物油・UVインキ用材料などがあるが、これに限定するものではない。
【0006】
本発明の対象となる顔料の形状は、パウダーないしは任意に水分を含んだスラリーないしはウエットケーキのすべての形状を含むものとする。本発明で得られる分散レベルの格段の向上と経時安定性の改善は、顔料形状とは関係なく、すべての形状に効果を有するものである。
【0007】
【従来の技術】
特開平10−46087オフセットインキ用有機顔料並びに、特開平10−25426平版インキ用有機顔料に於いて、はじめて顔料表面をO/Wエマルジョンにした親油物質で処理する技術が開発され、オフセット印刷に於ける乳化その他の印刷適性・効果が大幅に改善され、広く実用されている。
その後、特開2001−261994オフセットインキ用レーキ顔料で、水巾等の改善が、石油樹脂とヨウ素価130以下の植物油のO/Wエマルジョンで処理することでなされている。
しかしながらアゾレーキ顔料の分散に限っては、分散レベルを更に格段に上げたい実用上の要求と、従来技術では分散性能が経時で劣化する傾向があり、これの是正が必要であるため、本発明に於いては、分散レベルの格段の向上と分散の経時での劣化をなくす処理物質の開発を鋭意行い、有効な新しい特定物質を見い出し、この特定物質での処理で、分散性能の格段の向上と分散性能の経時での劣化を完全になくすことが出来た。これによって今までに存在しないレベルの分散性能を長期にわたって、維持出来る技術が確立された。即ち、分散レベルそのものが、格段に改善され、加えて顔料の形状如何にかかわらず、長期保存でも分散性能に経時変化をおこさない画期的な顔料の開発をなし得た。
アゾレーキ顔料は、一般にロジン塩などの純顔料成分とことなる物質を顔料として、一緒に含有するため、その挙動が複雑であることに本発明は着目して、その上にたって、特定物質の選定を行っている。このような考え方による特定物質選定は、本発明がはじめてで従来技術では、今までに考えられていない、全く新しい考え方である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
化学構造上、揆水性が悪く、一般に純顔料成分とことなるロジン塩などを一緒に含む複雑な組成になっている平版インキ用アゾレーキ顔料の分散性能の格段の向上並びに分散性能を経時で劣化しないように維持することが、本発明が解決しようとする課題である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
アゾレーキ顔料の分散性能の格段の向上並びに、経時での分散性能の劣化の改善には、一次粒子の表面に格段に分散改善出来る均一な連続膜を作り、この連続膜の性能が、経時で不変であるような皮膜形成物質を全く新しい考え方にたって特定し、活用することで解決をはかった。
即ち、皮膜形成物質として混合脂肪酸モノエステル並びに長鎖脂肪酸アルコールを特定し、これを含有するO/Wエマルジョンを用いて顔料粒子表面を処理することで課題の解決をはかった。又、その際、アルキルアミンの酢酸塩を乳化剤として、O/Wエマルジョン作製時に使用するとか、O/Wエマルジョン処理後に、加えるなど、何等かの形で使用すると交互作用で、皮膜性能をよりよくすることが出来た。
従来技術では、実用上分散性能を格段に上げたい要求には対応出来ず、又、
経時で、その分散性能が劣化する傾向の解決は困難であった。
本発明では、分散性能の格段の向上と分散性能の経時安定性に寄与する物質を特定し、これを単独又は、親油物質にブレンドし、O/Wエマルジョンにして処理することで、分散性能の格段の向上とともに経時での分散性能の劣化をおさえて、常に分散レベルの格段によい画期的なアゾレーキ顔料の開発をすることが出来た。
今までの顔料は、いずれも、長期保存では、経時変化で分散性能が劣化するので、本発明では、これを解決し、長期保存でも出来たてと同じレベルの良好な分散性能を有するものを開発した。
顔料の分散性は、凝集との関連性が特に大きく、顔料粒子が凝集を起こす一つとして、粒子間の付着水膜の表面張力による力によることが知られている。本発明では、特定物質を含む親油物質で、ロジン塩の存在下等でも、連続且つ均一に顔料粒子表面を覆う事により画期的に、分散性能を改善すると共に、分散性能の経時での劣化を完全に防止することが出来た。加えて、耐熱性も大幅に改善された。
従来技術では、特に経時で処理物質の変質その他により、分散性能に劣化が起こる問題があることが判った。この原因は、アゾレーキ顔料固有の皮膜構成物質への影響、並びにアゾレーキ顔料中に含まれるロジン塩などの混合物質の影響などをうけているものと思われる。
アゾレーキ顔料以外の顔料では、このような経時変化の現象はみられなく、
アゾレーキ顔料固有の問題であると考えられる。
本発明に於ける分散性能に寄与する特定物質の利用により、平版インキ用アゾレーキ顔料の分散性能の格段の向上と分散性能の経時安定性が得られた。
加えて、平版印刷での水巾の向上、乳化耐性の向上など平版印刷適性の向上に寄与すると共に、耐熱性も大幅に改善されているので、インキ製造方式の一つであるフラッシング方式の改善に大きく役立つことが確認された。
【0010】
本発明で得られたアゾレーキ顔料は、原理的にみて平版インキ以外のグラビアインキ・シルクスクリーンインキ・凸版インキ・ジェットインキその他特殊インキに用いても、分散性能その他に抜群な効果を発揮することが期待出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】
スラリー形態の顔料の一次粒子の表面に確実に連続膜を設けるには、予め水希釈性の大きなO/Wエマルジョンにしておく事が必要である。
このような状態にするには、乳化剤として活性剤を使用する事が必要である。予め安定な均一になっているO/Wエマルジョンを作り、これを希釈してスラリーに添加する方法をとらないと物理的に連続した揆水膜を容易に顔料の一次粒子の表面に設ける事はむずかしい。
特許請求の範囲に記載の物質は、顔料に対して0.5重量%以上用いることが必要である。安定なO/Wエマルジョンにしておくと、一次粒子の状態での処理がはじめて可能になり、確実に出来る。均一な微細な油滴として、顔料製造時、スラリー中に投入し、顔料の一次粒子と油滴が充分に接触し、複雑な粒子表面に分散性能のある膜を連続的且つ均一に形成する事が可能となる。
O/Wエマルジョンを作るには、乳化剤として活性剤の使用が必要であるが、活性剤としては、O/Wエマルジョンを作る能力があり、オフセット適性があれば限定するものではない。
例えば、アニオンではロジン塩、カチオンではアルキルアミンの酢酸塩で代表されるアミン塩類などかなり幅広く利用出来るものである。
【0012】
【実施例】
以下、本発明をより詳細に説明する。
特に断りのない限り、部は重量部を意味し、%は重量%を意味している。
【0013】
実施例1
パラトルイジンメタスルホン酸とベータオキシナフトエ酸を原料とし、水相中で合成させたブリリアントカーミン6B(Red57:1)のスラリーにロジンソープ及び塩化カルシウム溶液を加えて、カーミン6Bに対し、20%になる様にロジン処理した。このロジン処理する時に、大豆脂肪酸ブチルエステルが顔料に対し、2%になる様にO/Wエマルジョン処理した。
処理後、レーキ化し、脱水し、カーミン6Bのウエットケーキ(顔料分30%)を得た。
O/Wエマルジョンは、先ずロジンソープの水溶液を作り、その中に少しずつ大豆脂肪酸ブチルエステルを含む溶液を入れながら、小型ハイスピードミキサーで攪拌して、均一な安定なO/Wエマルジョンを得た。
O/Wエマルジョンが出来た後、その安定性を確認後、水に1000倍に希釈して使用に供した。O/Wエマルジョンの処方内容は、日石ネオポリマーNP130、1部と大豆脂肪酸ブチルエステル9部を混合し、150℃で加熱1時間で完全な溶液とし、これを25℃で、25%ロジンソープ20部、水20部とを攪拌し均一なO/Wエマルジョンにし、大豆脂肪酸ブチルエステルが顔料に対し2%になる様に処理した。
処理後、塩化カルシウム液を加えレーキ化後、脱水した。
【0014】
実施例2
実施例1のウエットケーキを130℃、5時間乾燥し、その後粉砕し、カーミン6Bの水分のないパウダーを得た。
【0015】
比較例1
実施例1に於いて、処理剤を石油樹脂(日石ネオポリマーNP130)1部、大豆油9部からなる溶液のロジンソープを用いたO/Wエマルジョンにかえ、大豆油が2%(対顔料)になる様に処理した。処理後、塩化カルシウム液を加えレーキ化し、脱水し、カーミン6Bのウエットケーキ(顔料分25%)を得た。
【0016】
比較例2
比較例1のウエットケーキを130℃、5時間乾燥し、粉砕し、カーミン6Bの水分を含まないパウダーを得た。
【0017】
実施例3
パラトルイジンメタスルホン酸とベータオキシナフトエ酸を原料とし、水相中で合成させたブリリアントカーミン6B(Red57:1)のスラリーに、ロジンが20%になるように、ロジンソープ並びに、塩化カルシウムを加えた。レーキ化終了後に、これを大豆脂肪酸ブチルエステルの入った溶液のO/Wエマルジョンで、大豆脂肪酸ブチルエステルが顔料に対し、2%となるように処理した。
これを脱水し、ウエットケーキ(顔料分25%)を得た。O/Wエマルジョンは、活性剤の水溶液の中に攪拌しながら少しずつ石油樹脂を大豆脂肪酸ブチルエステルに溶かしたものを加え、均一で安定なO/Wエマルジョンをハイスピードミキサーを用いて作った。
O/Wエマルジョンは、溶液10部、アルキルアミンの酢酸塩である活性剤(アセタミン86)2部、水88部で作り、溶液は石油樹脂(日石ネオポリマーNP130)2部、大豆脂肪酸ブチルエステル8部を溶かしてつくった。
【0018】
比較例3
実施例3に於いて、レーキ化終了後に、大豆脂肪酸ブチルエステルのO/Wエマルジョン処理を行わず、その代わりに、活性剤(アセタミン86)の1.5%液で、顔料に対し、活性剤が1.5%になるよう処理し、アルキルアミンの酢酸塩のみの単独処理品を作った。
処理後、脱水し、カーミン6Bのウエットケーキ(顔料分25%)を得た。
【0019】
実施例4
実施例3で使用したO/Wエマルジョンの代わりに、レーキ化後に、下記のものを用いて、イソステアリルアルコールが顔料に対し2%になるように処理し、脱水して、ウエットケーキを得た。
O/Wエマルジョンは、溶液10部・アルキルアミンの酢酸塩である活性剤(アセタミン24)2部・水88部で作製した。ここに用いた溶液は、イソステアリルアルコール(オキソコール180)5部・大豆油5部で作製した。
【0020】
実施例5
実施例3で使用したO/Wエマルジョンの代わりに下記のものを用いて、トール油脂肪酸ブチルエステルが顔料に対し1%になるように処理し、脱水して、ウエットケーキを得た。
これを130℃、5時間乾燥したのちに粉砕し、水分を含まないパウダーとした。
O/Wエマルジョンは、溶液10部・活性剤(アセタミン86)2部・水88部で作製した。ここに用いた溶液は、トール油脂肪酸ブチルエステル7部・インキ用石油ソルベント3部で作製した。
【0021】
実施例6
ウオッチングレッドの顔料を作り、実施例1と同一の処理をし、ウエットケーキとし、これを130℃、5時間乾燥したのちに粉砕し、水分を含まないパウダーとした。
【0022】
実施例7
実施例1に於いて、全部の処理が終わり、レーキ化した顔料スラリーに、顔料に対し、1.5%になるように、活性剤(アセタミン86)の1.5%液で更に、追加して処理を行った。その後、脱水し、カーミン6Bのウエットケーキ(顔料分21%)を得た。
【0023】
実施例8
実施例3で使用したO/Wエマルジョンの代わりに下記のものを用いて、トール油脂肪酸ブチルエステルが顔料に対し、10%になるように処理し、脱水してウエットケーキを得た。これを130℃、5時間乾燥して水分を含まないパウダーとした。
O/Wエマルジョンは、トール油脂肪酸ブチルエステル10部、活性剤(アセタミン86)2部、水88部で作った。
【0024】
カーミン6B・ウオッチングレッドの顔料はいずれも次の内容で作った。
上記の各々の実施例ないしは比較例は、これを基本にモデファイして実施した。
ブリリアントカーミン6Bの製法
パラトルイジンメタスルホン酸18.7部を苛性ソーダ4部を含む水溶液に溶解後、35%塩酸24.2部を加え酸析する。この液を0℃に冷却し、これに20%亜硝酸ソーダ水溶液35部を加えてジアゾ化する。
別に苛性ソーダ10部を含む水溶液にベータオキシナフトエ酸19.2部を溶解した液を作製し、これにジアゾ化液を加えてカップリングを行う。
これにロジン石ケン及び塩化カルシウム溶液を加えてカーミン6Bに対し、
20%になるようにロジン処理した。
【0025】
ウオッチングレッドの製法
2−アミノ−4−クロル6−メチルベンゼンスルフォン酸22.2部を苛性ソーダ4部を含む水溶液に加熱溶解後、35%塩酸22部を加えて酸析する。この液を0℃に冷却し、これに20%亜硝酸ソーダ水溶液35部を加えてジアゾ化する。
別に苛性ソーダ10部を含む水溶液にベータオキシナフトエ酸19部を溶解した液を作製し、これにジアゾ化液を加えてカップリングを行う。
これにロジン石ケン及び塩化カルシウム溶液を加えて,ウオッチングレッドに対し、10%になるようにロジン処理した。
【0026】
実施例9
実施例1から実施例8で出来た顔料、並びに比較例1から比較例3で出来た顔料について、それぞれインキ化した。
インキ化は、ウエットケーキはテストフラッシャーと三本ロールミルで、パウダー顔料は三本ロールミルで、分散に差が出るような条件を設定し、全部一定条件のもとでインキ化した。
インキ化処方は、顔料18部、バインダー(東新油脂製GT150)60部、#7ソルベント(石油溶剤)22部で行い、ロールで1度練肉した。そのインキについて、グラインドメーターで分散レベルを相対的に、チェックした。テストは2回くりかえし行い評価した。
【0027】
各サンプルの分散評価結果は次の如くであった。
分散テストは、顔料が出来て10日以内で分散テストをしたものを初期分散と表示し、40℃で10ヶ月放置後に分散テストをしたものを経時分散と表示した。
分散レベルは、A・B・C・Dで表示し、Aが最もよく、Dが最もわるいことを意味する。
実施例1
初期分散は表示B、経時分散は表示Bであった。
実施例2
初期分散は表示B、経時分散は表示Bであった。
実施例3
初期分散は表示A、経時分散は表示Aであった。
実施例4
初期分散は表示A、経時分散は表示Aであった。
実施例5
初期分散は表示A、経時分散は表示Aであった。
実施例6
初期分散は表示B、経時分散は表示Bであった。
実施例7
初期分散は表示A、経時分散は表示Aであった。
実施例8
初期分散は表示A、経時分散は表示Aであった。
比較例1
初期分散は表示C、経時分散は表示Dであった。
比較例2
初期分散は表示C、経時分散は表示Dであった。
比較例3
初期分散は表示C、経時分散は表示Dであった。
以上の如くテスト結果は、特許請求の範囲に記載の特定物質を用いたものは、格段に分散レベルがよく、且つ、全部経時安定性がよくなっていることが確認された。同時に耐熱性も充分あることが確認された。
又、アルキルアミンの酢酸塩を乳化剤として同時に入れたものならびに別々に入れたものも含めて何等かの形でアルキルアミンの酢酸塩を使用した実施例3・実施例4・実施例5・実施例7・実施例8は、特に良好な分散性能を示し、比較例3のアルキルアミンの酢酸塩を単独で用いたものに比較し、格段に効果があり、これ等の間に交互作用のあることが確認出来た。
【0028】
これ等に加え、オフセット印刷での水巾の向上・乳化耐性の向上等についても、スプリントII26オフセット印刷機での印刷テストの結果、大きく寄与することが確認された。
【0029】
【発明の効果】
平版インキ用アゾレーキ顔料の一次粒子表面を混合脂肪酸モノエステル又は長鎖脂肪族アルコールを含有するO/Wエマルジョンで処理し、均一で連続した分散性能のある膜を作る事により、アゾレーキ顔料のウエットケーキは勿論のこと、パウダーにいたるまで、顔料の形状に関係なく、分散レベルが大幅に改善され、この分散性能が経時によっても劣化しないものを作ることが出来た。これによる工業的なメリットは大きく、現行インキ製法の改善、
合理化につながる画期的なものである。
▲1▼.ウエットケーキを用いるインキ製造方法である現行フラッシング方式に於いて、出来るインキの品質向上、並びにインキ生産の効率化に大きく寄与する。
分散性能並びに耐熱性が、絶対的なので、現在、行われているようなフラッシング条件をシビアーにしなくともフラッシングが完全に行われ、
その結果、安定したインキ品質が常に得られ、又、強制分散を必要としない高水準の分散性がフラッシングだけで得られる。
▲2▼.パウダーを用いるインキ製造方法では、分散性能が格段によいので、インキ品質の安定化とインキ生産効率の大幅なアップが期待出来、このパウダーの使用でフラッシング相当の品質のインキが容易に得られるようになった。
Claims (3)
- 顔料製造時に長鎖脂肪族アルコールを含有するO/Wエマルジョンを用いて、顔料粒子表面を処理することを特徴とする平版インキ用アゾレーキ顔料。
- 顔料製造時に混合脂肪酸モノエステルを含有するO/Wエマルジョンを用いて、顔料粒子表面を処理することを特徴とする平版インキ用アゾレーキ顔料。
- 請求項1ならびに請求項2の顔料粒子表面の処理に於いて、アルキルアミンの酢酸塩を使用することを特徴とする平版インキ用アゾレーキ顔料。
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