JP2004338460A - 4輪駆動車の駆動力制御装置 - Google Patents

4輪駆動車の駆動力制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で、極低μ路においても十分なトラクション性能や悪路脱出性を実現することのできる4輪駆動車の駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】4輪車速Vが設定車速Vc以上となって4WD制御からFF制御へと移行する際に、後輪14rl,14rrへとモータ駆動力を伝達するクラッチ機構部30を設定時間t1の間解放し、この間の後輪車輪速に基づく車速変化量ΔVrから車輪のスリップ状態を判定する。その際、後輪14rl,14rrは、従動輪となるため、スリップ状態にあった場合にもグリップ力が回復される。そして、車輪がスリップ状態にあると判定した際にはクラッチ機構部30を再締結することにより、グリップ力が回復された後輪14rl,14rrによってモータ駆動力が路面に伝達され、極低μ路においても十分なトラクション性能や悪路脱出性を実現する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低速走行時に前輪及び後輪に対して駆動力を伝達する4輪駆動車の駆動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば特許文献1に開示されているように、近年、車両においては、発進時のトラクション性能の向上や悪路脱出性の向上等を目的として、例えば、前後輪のうちの一方(主駆動輪)をエンジンで駆動し、他方(副駆動輪)をモータで駆動する4輪駆動車が提案され、実用化されている。この種の4輪駆動車は、前後輪間をプロペラシャフト等を介して連結する必要がないため、スペース効率の高い4輪駆動システムを実現することができる。
【0003】
ところで、この種の4輪駆動車は、システムの軽量化やコスト低減等を効果的に実現することを目的として、副駆動輪駆動用のモータに比較的小型なモータを採用し、このモータの回転を大きな減速比で減速することによって必要とする駆動力を得る構成であることが一般的である。そして、このような構成の4輪駆動車では、自車速が設定車速(例えば30Km/h)以下の低速走行時に副駆動輪にモータ駆動力を付与して4輪駆動走行することでトラクション性能等を確保し、自車速が設定車速以上となった際に副駆動輪への駆動力の伝達を解放して2輪駆動に移行することでモータの過回転を防止する。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−235576号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の構成による4輪駆動車は、アイスバーン等の極低μ路において、十分なトラクション性能や悪路脱出性を実現することが困難となる場合がある。すなわち、極低μ路で前後輪全てがスリップアップした場合においては、実際の自車速が設定車速以下であるにも拘わらず、車輪速センサ等で検出される自車速が見かけ上設定車速以上となって2輪駆動走行へと移行するため、十分なトラクション性能や悪路脱出性を実現することが困難となる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、極低μ路においても十分なトラクション性能や悪路脱出性を実現することのできる4輪駆動車の駆動力制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、前後輪のうちの一方が主駆動輪として設定されているとともに、他方が副駆動輪として設定され、車輪速に基づく自車速が設定車速以下の低速走行時に上記副駆動輪に駆動力を伝達して4輪駆動走行を行う4輪駆動車の駆動力制御装置において、上記自車速が上記設定車速以上となった際に上記副駆動輪への駆動力の伝達を設定時間の間解放してこの間の上記副駆動輪の車速変化から車輪のスリップ状態を判定するスリップ判定手段と、上記スリップ判定手段で車輪がスリップ状態にあると判定した際に、上記副駆動輪への駆動力の伝達を再開する駆動力伝達制御手段とを備えたことを特徴とする。 また、請求項2記載の発明による4輪駆動車の駆動力制御装置は、請求項1記載の発明において、上記駆動力伝達制御手段は、上記副駆動輪への駆動力伝達再開時に、当該副駆動輪に伝達される駆動力を周期的に解放することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3記載の発明による4輪駆動車の駆動力制御装置は、請求項1または請求項2記載の発明において、上記主駆動輪はエンジンによって駆動され、上記副駆動輪はモータによって駆動されることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1乃至図4は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は4輪駆動車の概略構成を示す機能ブロック図、図2は後輪への駆動力伝達制御ルーチンを示すフローチャート、図3は4WD制御部によるクラッチ制御の一例を示すタイミングチャート、図4は車輪のスリップレートと路面μ特性との関係を示す図表である。
【0010】
図1において、符号1は車体前部に配置されたエンジンを示し、このエンジン1による駆動力は自動変速装置(トルクコンバータ等も含んで図示)2からトランスミッション出力軸2aを経てリダクションドライブギヤ8に伝達される。
【0011】
リダクションドライブギヤ8にはリダクションドリブンギヤ9が噛合されており、これらリダクションドライブギヤ8とリダクションドリブンギヤ9とで減速されたエンジン駆動力は、フロントドライブ軸10を介して前輪終減速装置11に入力された後、左右の前輪ドライブ軸13fl,13frを経て左右前輪(主駆動輪)14fl,14frに伝達される。ここで、自動変速装置2、リダクションドライブギヤ8、リダクションドリブンギヤ9、及び前輪終減速装置11等は、一体のケース12内に収容されている。
【0012】
また、エンジン1には、図示しない発電機が無端ベルト等を介して連設されており、この発電機で発電された電力は車体後部に配設されたモータ20に適宜給電可能となっている。なお、発電機からモータ20への給電は、ジャンクションボックス等(図示せず)を介して直接的に行われるものであってもよく、或いは、バッテリやインバータ装置等(図示せず)を介して間接的に行われるものであってもよい。
【0013】
モータ20は左右後輪(副駆動輪)14rl,14rr側の減速ギヤボックス21に連設され、その出力軸は、減速ギヤボックス21内に配設された入力軸22に連結されている。入力軸22には第1のリダクションドライブギヤ23が固設されており、第1のリダクションドライブギヤ23に噛合する第1のリダクションドリブンギヤ24が、入力軸22に平行な中間軸25に固設されている。
【0014】
また、中間軸25には第2のリダクションドライブギヤ26が固設されており、第2のリダクションドライブギヤ26に噛合する第2のリダクションドリブンギヤ27が、後輪終減速装置29の外周部に対設するクラッチドラム28に固設されている。
【0015】
また、クラッチドラム28と後輪終減速装置29との間には、これらを接離自在に締結するクラッチ機構部30が設けられている。本実施の形態において、クラッチ機構部30は、パイロットクラッチ31とメインクラッチ32とを備えた周知の電磁クラッチで構成され、パイロットクラッチ31が電磁ソレノイド33の電磁力で締結された際に、当該電磁ソレノイド33の電磁力がカム機構部34で機械的に増幅されてメインクラッチ32を動作させ、クラッチドラム28と後輪終減速装置29とを駆動力伝達可能に締結する。
【0016】
そして、これらの構成により、各ギヤ23,24,26,27によって減速されたモータ20の回転は、クラッチ機構部30の締結時に後輪終減速装置29に入力された後、左右の後輪ドライブ軸13rl,13rrを経て左右後輪14rl,14rrに伝達される。なお、モータ20及び減速ギヤボックス21は、一体のケース35内に収容されて後輪駆動ユニット36を構成する。
【0017】
ここで、本実施の形態において、モータ20は比較的小型なモータが採用されており、各ギヤ23,24,26,27による減速比は比較的大きな減速比に設定されている。そして、後輪駆動ユニット36は、モータ20の回転を大きな減速比で減速することにより、低速走行時に必要な後輪駆動トルクを実現する。すなわち、後輪駆動ユニット36は、例えば、自車速が30Km/h以下での低速走行時に、モータ20を過回転させことなく適切な駆動トルクが後輪14rl,14rrに伝達可能となるよう、モータ20や各ギヤ23,24,26,27の諸元が設定されている。
【0018】
後輪駆動ユニット36は、4WD制御部によって制御され、主として発進時等の低速走行時に後輪14rl,14rrをモータ駆動することで4輪駆動走行を実現する。
【0019】
具体的に説明すると、4WD制御部40には、各種パラメータとして、例えば、エンジン制御部41を通じてアクセル開度センサ45からのアクセル開度信号等が入力されるとともに、トランスミッション制御部42から自動変速装置2のシフト位置信号等が入力され、さらに、ABS(アンチロックブレーキシステム)制御部43を通じて各車輪速センサ46fl,46fr,46rl,46rrからの各車輪速信号等が入力される。
【0020】
そして、4WD制御部40は、各車輪速センサ46fl,46fr,46rl,46rrからの車輪速信号に基づいて4輪車速Vを演算し、所定の低速走行時に、アクセル開度信号やシフト位置信号等に基づき、予め設定されたマップ等を参照してモータトルクを演算し、図示しない発電機或いはインバータ装置を通じたモータ20の駆動制御を行う。
【0021】
また、4WD制御部40は、4輪車速Vが設定車速Vc(例えば、Vc=30Km/h)以下の低速走行時にクラッチ機構部30を締結することでモータ駆動力を後輪14rf,14rrに伝達する。これにより、前輪14fl,14frがエンジン駆動されるとともに、後輪14rl,14rrがモータ駆動される4輪駆動走行が実現される。
【0022】
その一方で、4WD制御部40は、4輪車速Vが設定車速Vc以上となった際にクラッチ機構部30を解放して2輪駆動走行(前輪(FF)駆動走行)へと移行する。この4輪駆動走行から2輪駆動走行への移行時において、4WD制御部40は、クラッチ機構部30の解放直後からの設定時間(例えば、数msec〜数十msec)内の後輪14rl,14rrの車速変化量ΔVを演算し、この後輪車速の変化量ΔVに基づいて車輪のスリップ状態を判定するとともに、車輪がスリップ状態にあると判定した際にはクラッチ機構部30を再締結させる。すなわち、4WD制御部40は、スリップ判定手段及び駆動力伝達制御手段としての各機能を実現する。
【0023】
次に、図2を参照して、走行時に4WD制御部40で実行される後輪への駆動力伝達制御ルーチンについて説明する。
このルーチンは、設定時間毎に実行されるもので、ルーチンがスタートすると、4WD制御部40は、先ず、ステップS101において、各車輪速センサ46fl,46fr,46rl,46rrからの車輪速信号に基づく4輪車速Vを演算し、ステップS102において、4輪車速Vが予め設定された設定車速Vcよりも小さいか否かを調べる。
【0024】
そして、ステップS102において、V<Vcであり、現在の走行状態が低速走行状態にあると判定した場合にはステップS103に進み、4WD制御部40は、アクセル開度等に応じた後輪14rl,14rrの駆動制御(4WD制御)を行った後、ルーチンを抜ける。すなわち、ステップS103において、4WD制御部40は、アクセル開度等に応じた発電制御或いはインバータ制御等を行うことによってモータ20を所定トルクで駆動制御するとともに、電磁ソレノイド33を通じたクラッチ機構部30の締結制御を行うことにより、所定のモータ駆動力を後輪14rl,14rrに伝達する4WD制御を行った後、ルーチンを抜ける。
【0025】
一方、ステップS102でV≧Vcであると判定してステップS104に進むと、4WD制御部40は、現在の走行制御がFF制御であるか否か(すなわち、後輪駆動ユニット26のモータ20が停止されているとともにクラッチ機構部30が解放されているか否か)を調べる。
【0026】
そして、ステップS104において、現在の走行制御がFF制御でないと判定すると、4WD制御部40は、現在、4輪駆動走行(4WD制御)から前輪駆動走行(FF制御)への移行期間であると判断してステップS105に進み、クラッチ機構部30を解放(OFF)し、続くステップS106において、クラッチ機構部30を解放した直後の後輪車速Vr(t0)を車輪速センサ46rl,46rrからの車輪速信号に基づいて演算する。
【0027】
続くステップS107において、4WD制御部40は、クラッチ機構部30を解放後に設定時間t1(例えば、数msec〜数十msec)が経過したか否かを調べ、設定時間t1が経過したと判定するとステップS108に進む。
【0028】
ステップS107からステップS108に進むと、4WD制御部40は、設定時間経過後の後輪車速Vr(t1)を車輪速センサ46rl,46rrからの車輪速信号に基づいて演算し、ステップS109において、後輪車速の変化量ΔVr(=Vr(t0)−Vr(t1))を演算する。
【0029】
続くステップS110において、4WD制御部40は、後輪車速の変化量ΔVrと予め設定された設定車速変化量ΔVrcとを比較することにより、現在の車輪のスリップ状態を判定する。すなわち、極低μ路での4輪駆動走行時に前後輪14fl,14fr,14rl,14rrの全てがスリップアップした場合等には、これらの車輪速から演算される4輪車速Vは実際の車速よりも大きくなる。このようなスリップ走行時において、後輪14rl,14rrへのモータ駆動力を解放すると、後輪14rl,14rrは従動輪となって路面に対するグリップ力を回復するため、後輪車速Vrは実際の車速へと収束する。従って、後輪14rl,14rrへの駆動力解放後の後輪車速の変化量ΔVrが大きい場合には、車輪がスリップ状態にあると判定することができる。
【0030】
そこで、ステップS110において、ΔVr>ΔVrcである場合には、4WD制御部40は、車輪がスリップ状態にあり実際の車速はVc以下であると判定してステップS111に進む。そして、4WD制御部40は、ステップS111において、後輪14rl,14rrへのモータ駆動力の伝達を再開し、このモータ駆動力の伝達を設定時間t2(例えば、数十msec)行った後、ステップS105に戻る。その際、4WD制御部40は、ステップS111において、クラッチ機構部30を、例えば数msecの設定周期でON−OFF制御(締結−解放制御)しながら、後輪14rl,14rrへのモータ駆動力の伝達を行う(図3参照)。すなわち、4WD制御部40は、クラッチ機構部30を周期的に解放することによって回復された後輪14rl,14rrのグリップ力を維持しつつ、後輪14rl,14rrに対するモータ駆動力の伝達を行う。
【0031】
一方、ステップS110において、ΔVr≦ΔVrcであり、車輪が所定のグリップ状態にあると判定した場合には、4WD制御部40は、ステップS112に進み、車輪速センサ46fl,46fr,46rl,46rrからの各車輪速信号に基づく4輪車速Vを再度演算し、ステップS113において、この4輪車速Vが設定車速Vcよりも小さいか否かを調べる。
【0032】
そして、ステップS113においてV<Vcであると判定した場合には、4WD制御部40は、ステップS103に進み、4WD制御に復帰した後、ルーチンを抜ける。すなわち、ステップS111の制御によって車輪のグリップ力が回復した結果、4輪車速Vが設定車速Vcよりも小さくなった場合には、4WD制御へと復帰する。
【0033】
一方、ステップS113において、V≧Vcであると判定した場合には、4WD制御部40は、ステップS114に進み、クラッチ機構部30を解放するとともに、モータ20の駆動を停止してFF制御へと移行した後、ルーチンを抜ける。すなわち、モータ20の駆動を停止してFF制御へと移行することにより、モータ20の過回転を防止する。
【0034】
また、ステップS104において、現在、FF制御中であると判定した場合には、4WD制御部40は、ステップS114に進み、FF制御を継続したままルーチンを抜ける。
【0035】
このような実施の形態によれば、4輪車速Vが設定車速Vc以上となって4WD制御からFF制御へと移行する際に、後輪14rl,14rrへとモータ駆動力を伝達するクラッチ機構部30を設定時間t1の間解放し、この間の後輪車輪速に基づく車速変化量ΔVrから車輪のスリップ状態を判定するとともに、車輪がスリップ状態にあると判定した際にはクラッチ機構部30を再締結することにより、極低μ路においても十分なトラクション性能や悪路脱出性を実現することができる。
【0036】
すなわち、4WD制御からFF制御への移行期間に設定時間t1の間クラッチ機構部30を解放することにより、車輪のスリップ状態を判定することができるとともに、後輪14rl,14rrのグリップ力を回復させることができる。そして、車輪がスリップ状態にあると判定した際にはクラッチ機構部30を再締結することにより、グリップ力の回復した後輪14rl,14rrを介してモータ駆動力を路面に効率よく伝達することができ、極低μ路等おいても十分なトラクション性能や悪路脱出性を実現することができる。
【0037】
ここで、4輪車速Vが一旦設定車速Vcを越えた場合においても、スリップ状態から回復した後輪14rl,14rrの車輪速は所定に低下されるので、クラッチ機構部30を再締結した場合にもモータ20の過回転を的確に防止することができ、モータ20の大型化等を招くことなく簡単な構成で、極低μ路等においても良好なトラクション性能等を実現することができる。
【0038】
また、車輪がスリップ状態にあると判定して後輪14rl,14rrへのモータ駆動力の伝達を再開する際には、クラッチ機構部30を設定周期でON−OFF制御することにより、回復したグリップ力を維持しつつ、後輪14rl,14rrに対してモータ駆動力を伝達することができる。従って、図4に示す一般的なタイヤのμ特性において、μ値の大きな領域(図中○印で囲んだ領域)を連続的に使用することができ、最大限のトラクション性能等を発揮することができる。
【0039】
次に、図5,6は本発明の第2の実施の形態に係わり、図5は後輪への駆動力伝達制御ルーチンを示すフローチャート、図6は4WD制御部によるクラッチ制御の一例を示すタイミングチャートである。なお、本実施の形態においては、4WD制御からFF制御へと移行する際の制御が上述の第1の実施の形態と異なる。その他、同様の点については説明を省略する。
【0040】
図5に示すルーチンは、4WD制御部40において、設定時間(例えば、数msec〜数十msec)毎に実行されるもので、ルーチンがスタートすると、4WD制御部40は、先ず、ステップS201において、各車輪速センサ46fl,46fr,46rl,46rrからの車輪速信号に基づく4輪車速Vを演算し、ステップS102において、4輪車速Vが予め設定された設定車速Vcよりも小さいか否かを調べる。
【0041】
そして、ステップS202において、現在の走行状態がV<Vcの低速走行状態にあると判定した場合にはステップS203に進み、4WD制御部40は、アクセル開度等に応じた後輪14rl,14rrの駆動制御(4WD制御)を行った後、ルーチンを抜ける。
【0042】
一方、ステップS202でV≧Vcであると判定してステップS204に進むと、4WD制御部40は、現在の走行制御がFF制御であるか否かを調べる。
【0043】
そして、ステップS204において、現在の走行制御がFF制御でないと判定すると、4WD制御部40は、現在、4輪駆動走行から前輪駆動走行への移行期間であると判断してステップS205に進み、クラッチ機構部30を解放(OFF)し、続くステップS206において、クラッチ機構部30を解放した直後の後輪車速Vr(t0)を車輪速センサ46rl,46rrからの車輪速信号に基づいて演算する。
【0044】
続くステップS207において、4WD制御部40は、クラッチ機構部30を解放後に設定時間t1(例えば、数msec〜数十msec)が経過したか否かを調べ、設定時間t1が経過したと判定するとステップS208に進む。
【0045】
ステップS207からステップS208に進むと、4WD制御部40は、設定時間経過後の後輪車速Vr(t1)を車輪速センサ46rl,46rrからの車輪速信号に基づいて演算し、ステップS209において、後輪車速の変化量ΔVr(=Vr(t0)−Vr(t1))を演算する。
【0046】
続くステップS210において、4WD制御部40は、後輪車速の変化量ΔVrと予め設定された設定車速変化量ΔVrcとを比較することにより、現在の車輪のスリップ状態を判定する。
【0047】
そして、ステップS210において、ΔVr>ΔVrcである場合には、4WD制御部40は、車輪がスリップ状態にあり実際の車速はVc以下であると判定してステップS203に進む。すなわち、4WD制御部40は、ステップS210において、車輪がスリップ状態にあると判定した場合には、ステップS203に進むことで、後輪14rl,14rrへのモータ駆動力の伝達を再開する。
【0048】
一方、ステップS210において、ΔVr≦ΔVrcであり、車輪が所定のグリップ状態にあると判定した場合には、4WD制御部40は、ステップS211に進み、クラッチ機構部30を解放するとともに、モータ20の駆動を停止してFF制御へと移行した後、ルーチンを抜ける。すなわち、モータ20の駆動を停止してFF制御へと移行することにより、モータ20の過回転を防止する。
【0049】
また、ステップS204において、現在、FF制御中であると判定した場合には、4WD制御部40は、ステップS211に進み、FF制御を継続したままルーチンを抜ける。
【0050】
このような実施の形態によれば、駆動力伝達制御ルーチンの制御周期を車重やタイヤ特性等の車両諸元に応じて適切に設定することにより、より簡単な制御で、上述の第1の実施の形態と略同様の効果を奏することができる。
【0051】
すなわち、適切な制御周期で駆動力伝達制御ルーチンを実行することにより、図6に示すように、4輪車速Vが設定車速Vc以上であって且つ車輪がスリップ状態にある期間は、後輪14rl,14rrのグリップ力の回復と、グリップ力が回復した後輪14rl,14rrを通じた路面に対するモータ駆動力の伝達とを繰り返し行うことができるので、極低μ路等においても良好なトラクション性能等を実現することができる。
【0052】
なお、上述の各実施の形態においては、前輪14fl,14frを主駆動輪として設定し、後輪14rl,14rrを副駆動輪として設定した4輪駆動車の一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前輪14fl,14frを副駆動輪として設定し、後輪14rl,14rrを主駆動輪として設定した4輪駆動車にも適用可能であることは勿論である。
【0053】
また、上述の各実施の形態においては、主駆動輪をエンジン駆動し、副駆動輪をモータ駆動する4輪駆動車の一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、主駆動輪及び副駆動輪をそれぞれ個別のモータによって駆動する4輪駆動車や、エンジンやモータから主駆動輪に伝達される駆動力をプロペラシャフト等を介して副駆動輪に伝達する4輪駆動車にも適用可能であることは勿論である。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡単な構成で、極低μ路においても十分なトラクション性能や悪路脱出性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わり、4輪駆動車の概略構成を示す機能ブロック図
【図2】同上、後輪への駆動力伝達制御ルーチンを示すフローチャート
【図3】同上、4WD制御部によるクラッチ制御の一例を示すタイミングチャート
【図4】同上、車輪のスリップレートと路面μ特性との関係を示す図表
【図5】本発明の第2の実施の形態に係わり、後輪への駆動力伝達制御ルーチンを示すフローチャート
【図6】同上、4WD制御部によるクラッチ制御の一例を示すタイミングチャート
【符号の説明】
t1 … 設定時間
14fl,14fr … 前輪(主駆動輪)
14rf,14rr … 後輪(副駆動輪)
40 … 4WD制御部(スリップ判定手段、駆動力伝達制御手段)
V … 4輪車速(自車速)
Vc … 設定車速
ΔV … 車速変化量(副駆動輪の車速変化量)

Claims (3)

  1. 前後輪のうちの一方が主駆動輪として設定されているとともに、他方が副駆動輪として設定され、車輪速に基づく自車速が設定車速以下の低速走行時に上記副駆動輪に駆動力を伝達して4輪駆動走行を行う4輪駆動車の駆動力制御装置において、
    上記自車速が上記設定車速以上となった際に上記副駆動輪への駆動力の伝達を設定時間の間解放してこの間の上記副駆動輪の車速変化から車輪のスリップ状態を判定するスリップ判定手段と、
    上記スリップ判定手段で車輪がスリップ状態にあると判定した際に、上記副駆動輪への駆動力の伝達を再開する駆動力伝達制御手段とを備えたことを特徴とする4輪駆動車の駆動力制御装置。
  2. 上記駆動力伝達制御手段は、上記副駆動輪への駆動力伝達再開時に、当該副駆動輪に伝達される駆動力を周期的に解放することを特徴とする請求項1記載の4輪駆動車の駆動力制御装置。
  3. 上記主駆動輪はエンジンによって駆動され、上記副駆動輪はモータによって駆動されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の4輪駆動車の駆動力制御装置。
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