JP2004338281A - 記録媒体及び記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高光沢で高画質な印字を可能とすると共に両面印字が可能でありながら光沢面へのキズを防ぐ裏面を併せ持つインクジェット用記録媒体の提供。
【解決手段】基材の表側の面にインク受容層を有し、かつ該基材の裏側の面にインク受容層を有し、該裏側に設けられたインク受容層の基材側と反対側の面に多孔質熱可塑性樹脂層を設けた記録媒体であって、該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂粒子を用いて形成されたものであり、該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂粒子間に保持された空隙を有することで多孔質となっていることで多孔質となっているインクジェット用記録媒体。
【選択図】 なし
【解決手段】基材の表側の面にインク受容層を有し、かつ該基材の裏側の面にインク受容層を有し、該裏側に設けられたインク受容層の基材側と反対側の面に多孔質熱可塑性樹脂層を設けた記録媒体であって、該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂粒子を用いて形成されたものであり、該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂粒子間に保持された空隙を有することで多孔質となっていることで多孔質となっているインクジェット用記録媒体。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鮮明で高い光沢のある画像が得られる片面光沢両面印字可能な記録媒体、特にインクジェット用記録媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、インク等の記録用の液体(記録液)の微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて、紙などの記録媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行なうものであり、高速低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きく、現像が不要などの特長があり、プリンターへの展開を初めとして、複写機、ワープロ、FAX、プロッター等の情報機器へ展開され急速に普及している。また、近年高性能のデジタルカメラ、デジタルビデオ、スキャナーが安価で提供されつつあり、パーソナルコンピューターの普及と相まって、これらから得られた画像情報をインクジェット記録方式で出力する機会が増えている。このため銀塩系写真や製版方式の多色印刷と比較して遜色無い画像をインクジェット方式で出力することが求められている。
【0003】
そのために、記録の高速化、高精細化、フルカラー化など記録装置、記録方式の改良が行われてきたが、記録媒体に対しても高度な特性が要求されるようになってきた。
【0004】
この様な状況下において一般的に記録媒体に要求される特性としては、(1)インク吸収速度が速く、必要以上の滲みが無いこと、(2)印字濃度及び発色性が高いこと、(3)光沢が高いこと(4)耐候性に優れていることなどが挙げられる。また、はがきとして利用する場合には、さらに裏面の特性として、裏面の筆記性、耐水性等が挙げられる。
【0005】
このような要求に対し従来から多種多様の記録媒体が提案されてきた。例えば、特開昭52−9074号公報には、インク吸収速度を向上させるために比表面積の大きなシリカ系顔料を主成分とした空隙を有する層をインク受容層として設けた記録媒体が開示され、また特開昭63−22997号公報には、インク受容層を形成する顔料層の空隙量を調整してなる記録媒体が開示されている。特開昭55−51583号公報及び特開昭56−157号公報には、インク受理層によってインク吸収性を上げ、高い印字濃度やインク滲みが無い印字ドットを得るために、非晶質シリカ粉末を配合することが開示されている。
【0006】
また、特開昭55−144172号公報には、発色性、鮮明性はインク中の染料のインク受理層における分布状態に左右されることに着目し、染料成分を吸着する特定の物質を用いることが開示されている。特開平3−114873号公報には、紙層上に硫酸バリウムとゼラチンを含む塗層を設けたインクジェット記録媒体を使用することにより、インク吸収性、耐水性、耐光性を改善したことが開示されている。
【0007】
さらに、米国特許明細書第4879166号、同5104730号、特開平2−276670号公報、同4−37576号公報、同5−32037号公報には、擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を含む層をインク受理層とする記録媒体が開示されている。これらアルミナ水和物を用いた記録媒体は、アルミナ水和物が正電荷を有しているため、インク染料の定着が良く、発色性の高い、高光沢性の画像が得られるなど、従来の記録媒体に比べて長所を有している。
【0008】
また、特開平7−89216号公報には、基材上に吸水性顔料を含む層と擬ベーマイトを含む最表層からなるインクジェット被記録材が開示され、擬ベーマイトのみを使用した場合のインク吸収性の不足分を下層の吸水性顔料によって補うことが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような提案により、近年の記録媒体はかなり銀塩写真に近いものになりつつある。ところが、銀塩写真の光沢感を出す為に記録媒体の光沢が上がるにつれて、表面のキズが目立つようになりつつある。特に、はがきのように両面に印字する記録媒体では、連続印刷時に、裏面(宛名面)のインク受容層が表面(通信面)の高光沢のインク受容層を擦った痕が、キズとして視認される場合が多い。
【0010】
したがって、本発明の目的は、高光沢で高画質な印字を可能とすると共に両面印字が可能でありながら光沢面へのキズを防ぐ裏面を併せ持つ記録媒体の提供にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成し得る本発明の記録媒体は、基材の表側の面にインク受容層を有し、かつ該基材の裏側の面にインク受容層を有し、該裏側に設けられたインク受容層の基材側と反対側の面に多孔質熱可塑性樹脂層を設けた記録媒体であって、該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂粒子を用いて形成されたものであり、該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂粒子間に保持された空隙を有することで多孔質となっていることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の記録媒体に用いる基材は、不透明なものが良く、記録媒体に所望の形態維持特性を付与できるものであれば良い。このような基材としては、上質紙、中質紙、アート紙、ボンド紙、レジンコート紙、バライタ紙などの紙類、白色化したポリエチレンテレフタレート、ジアセテート、トリアセテート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリアクリレートなどのプラスチック材料からなるものを挙げることができる。
【0013】
基材として紙を用いる場合、基紙の表面を硫酸バリウムを含む層でコートし、表面のベック平滑度を400秒以上で、かつ白色度を87%以上に調整してなる基材を使用した場合、銀塩写真に匹敵するような画像が得られるので、とりわけ好ましい。
【0014】
ここで用いる硫酸バリウムとしては、その平均粒径が0.4〜1.0μmが好ましくは、0.4〜0.8μmのものがより好ましい。このような硫酸バリウムを使用することで、所望の白色度、光沢度、インク等の記録用の液体(記録液:以下インク総称する)の溶媒成分に対する吸収性をより好適なものとすることができる。硫酸バリウムを結着させるためのバインダーとしては、ゼラチンが好ましく、硫酸バリウム100重量部に対して6〜12重量部の割合で用いることができる。硫酸バリウムを含む層の基紙への塗工量は、インクの溶媒成分に対する吸収性を更に好ましいものとし、また表面の平滑性をより良好とするために、20〜40g/m2の範囲が好ましい。また、硫酸バリウムを含む層の平滑度の上限は、インクの溶媒成分に対する吸収性をより好適なものとする上で、600秒が好ましく、500秒がより好ましい。
【0015】
基材上に設けられるインク受容層としては、種々の構成が使用できるが、銀塩写真に匹敵するような画像を得る上では、インク中の染料等の着色剤成分が主に定着される層にアルミナ水和物を含む多孔質層を用いた構成が好ましい。
【0016】
ここで用いるアルミナ水和物としては、市販のもの、あるいはアルミニウムアルコキシドの加水分解やアルミン酸ナトリウムの加水分解などを用いた公知の方法によって製造されたものを用いることができる。その粒子形状は繊毛状または針状、板状、紡錘状等に限定されず、また、配向性の有無も問わない。更に、アルミナ水和物は、透明性、光沢性、染料定着性の高いもので、且つ被膜形成時にクラック等が入らず、塗工性の良いものであればさらに良い。工業的に市販されているものとしては、例えば、触媒化成工業社製の「カタロイドAS−2」、「カタロイドAS−3」、日産化学社製「アルミナゾル−520」等が挙げられる。
【0017】
また、無配向性アルミナ水和物を調製するには、たとえば、アルミニウムアルコキシドの加水分解・解膠法及び硝酸アルミニウムとアルミン酸ナトリウムによる加水分解・解膠法を用いることができる。
【0018】
これらのアルミナ水和物は、通常粒子径が1μm以下と細かいものであり、優れた分散性を有するものであるため、記録媒体に非常に良好な平滑性、光沢性を持たせることができる。
【0019】
アルミナ水和物を結着するために使用されるバインダーとしては、水溶性高分子の中から自由に選択することができる。例えば、ポリビニルアルコールまたはその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合体などが好ましい。これらのバインダーは単独あるいは複数種混合して用いることができる。
【0020】
アルミナ水和物とバインダーの混合比は、重量比で、好ましくは1:1〜30:1であり、その下限は5:1が、その上限は25:1がより好ましい。バインダーの量をこれらの範囲とすることで、インク受容層の機械的強度を好ましいものとすることができ、ひび割れや粉落ちの発生の防止や、好適な細孔容積の維持が可能となる。
【0021】
アルミナ水和物を含む層を形成するための塗工液には、アルミナ水和物及びバインダーに加え、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを、本発明の効果を損なわない範囲内で添加することも可能である。
【0022】
本発明のバックコート層を有する記録媒体において、基材上にインク受容層を形成する方法としては、上記のアルミナを含む分散溶液を塗工装置を用いて基材上に塗布、乾燥する方法を用いることができる。塗工方法は特に制限されるものではなく、一般に用いられているブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、ダイコーター、スプレー装置等による塗工技術を用いることができる。アルミナ水和物を含む層の塗工量としては、染料定着性をもたせ且つ必要な平滑性を持たせる為にも乾燥固形分換算で30g/m2以下が好ましく、20〜30g/m2の範囲がより好ましい。また、必要に応じてアルミナ水和物及びバインダーを含む層を形成した後に焼成処理を施すことも可能である。かかる焼成処理を施すことにより、バインダーの架橋強度が上がり、インク受容層の機械的強度が向上し、また、アルミナ水和物層の表面光沢が向上する。
【0023】
さらに、上記のアルミナ水和物を含む層を形成するための塗工液に、特開平7−76161号公報で記載されているような、ホウ酸またはホウ酸塩などのバインダーの架橋剤を含有させても、インク受容層の機械的強度が向上するので好ましい。
【0024】
本発明の記録媒体においては、基材の裏面(インク受容層が設けられた面と反対側の面)に、記録時等におけるカールの発生の防止と印字性を良好に確保する為の層(バックコート層)を更に設ける事ができる。このバックコート層は、湿度により基材とインク受容層との間に生じる伸縮差により発生する場合のあるカールを防止する機能を持つもので、吸湿時に基材表面側のインク受容層と同様の変化(収縮)を生じるものが好ましい。このバックコート層は、例えばアルミナを含む層から形成する事ができる。このアルミナとしては、ベーマイト、擬ベーマイト、γ―アルミナ、θ―アルミナ等を挙げる事ができる。ただし、これらに限るわけではない。
【0025】
バックコート層の形成においては、必要に応じてバインダーを用いる事ができる。アルミナと組み合わせて用いることのできるバインダーとして好適なものとしては、水溶性高分子を挙げることができる。例えば、ポリビニルアルコールまたはその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合体などを挙げる事ができる。これらのバインダーは単独あるいは複数種混合して用いることができる。
【0026】
アルミナとバインダーの混合比は、重量比で、好ましくは1:1〜10:1、より好ましくは5:1〜25:1の範囲から任意に選択できる。バインダーの量を上記範囲とすることで、バックコート層のカール防止性と機械的強度をより向上させることができる。バックコート層にも必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを本発明の効果を損なわない範囲内で添加することも可能である。
【0027】
本発明のバックコート層を有する記録媒体において、基材上にバックコート層を形成する方法としては、上記のアルミナを含む分散溶液を塗工装置を用いて基材上に塗布、乾燥する方法を用いることができる。塗工方法は特に制限されるものではなく、一般に用いられているブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、ダイコーター、スプレー装置等による塗工技術を用いることができる。アルミナを含むバックコート層形成時の塗工液の塗工量としては、乾燥固形分換算で5〜25g/m2以下が好ましく、その上限は20g/m2が、下限は10g/m2がより好ましい。必要に応じてバックコート層を形成した後に、焼成処理を施す事も可能である。こうして得られるバックコート層を設ける事で、記録時などにカールの発生が懸念される場合への対処が確実なものとなる。しかも、アルミナ系のバックコート層を設ける事で、裏面への鉛筆、万年筆、ボールペン、フェルトペン等の各種筆記用具での筆記性が良好なものとなる。
【0028】
裏面側のインク受容層上に設けられる多孔質熱可塑性樹脂層は、記録操作におけるインク付与時にはインクの透過性を有することでその下に設けられたインク受容層へインクを通過せる機能を有するものであり、例えば、熱可塑性樹脂粒子を用いて、各粒子間を、適度な多孔質性を維持できるように結合して層形態を保持する構成のものが好適に利用できる。
【0029】
熱可塑性樹脂粒子としては、各種の熱可塑性樹脂材料からなるものを用いることができる。熱可塑性樹脂粒子としては、例えば、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、スチレン系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸系、SBR系、NBR系などのラテックスに含まれる熱可塑性樹脂粒子としてのラテックス粒子を好適に用いることができ、必要に応じてラテックスの固形分量を調整して用いることができる。
【0030】
熱可塑性樹脂粒子を含む塗工液を調製するには、熱可塑性樹脂粒子を適当な溶媒、例えば水性溶媒中に分散させ、塗工方法に合わせて適宜調整することが可能である。塗工量としては、乾燥層厚で通常1〜5μmになるように調整するのが好ましい。厚すぎると印字後の色濃度が低下し、薄すぎるとキズ防止効果が弱まる。層の形成においては、各粒子間の空隙が保持された多孔質の層となるように、乾燥条件等を設定する。多孔質の状態で層を形成する方法としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子を含む塗工液をインク受容層上に塗工した後、熱可塑性樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上であり、かつ最低造膜温度以下の温度で熱処理して多孔質層を形成する方法が利用できる。
【0031】
また、最低造膜温度の異なるラテックス粒子を混合することで、インク透過性を損なうこと無しに皮膜強度を高めることが可能となる。つまり、最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂粒子と最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂粒子を組み合わせ、最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂粒子が造膜し最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂粒子が造膜しない乾燥温度条件を選ぶことで、最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂粒子同士を強固に結びつけることが可能となる。乾燥炉の温度バラツキを考慮すれば、最低造膜温度に30℃以上差があるのが望ましい。更に、最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂としては、インク受容層の塗工条件を限定させないよう130℃以上の最低造膜温度を持つものが望ましい。この場合の最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂粒子と最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂粒子の混合比率は、10:1〜2:1が好ましく、5:1〜5:2がさらに好ましい。最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂粒子10に対する最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂粒子の割合が1未満では、膜強度が十分でなく、5を超えるとインク吸収性が不十分になり好ましくない。また、最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径は200nm以上あると良好なインク透過性を保つのが可能で、最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径は70nmより小さいと画像濃度への影響が少なく塗膜強度も良好であり好ましい。塗工量としては、乾燥層厚で通常1〜5μmになるように調整するのが好ましい。厚すぎると印字後の色濃度が低下し、薄すぎるとキズ防止効果が弱まる。
【0032】
また、多孔質熱可塑性樹脂層にも、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを、本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
【0033】
本発明のインク受容層表面側への光沢処理としては、リウエットキャスト法が好適に用いられる。リウエット法は、湿潤状態にあるインク受容層となる層を乾燥させる工程を有する形成方法によりインク受容層を形成した後に、再度熱湯等により処理してインク受容層を湿潤状態に戻し、湿潤状態にあるインク受容層の表面を加熱した鏡面ドラムに圧着して乾燥処理するものである。この結果、インク受容層の表面に強光沢を得る事が出きる。本方法が好ましい理由としては、鏡面ドラムに圧着して湿潤状態のインク受容層を乾燥する場合に、緻密な基材を用いた場合に、裏面からの水分の蒸発が極端に制限される為である。このため湿潤の際に少量の水分で可能なリウェットキャスト方法が好適に用いられる。
【0034】
本発明の記録媒体は、ロール状として、あるいはA4等の所定の大きさのシート状として提供することができ、記録情報に応じてインク滴をインク受容層に付与することによって画像を形成することができる。記録媒体にインクを付与する方法としては、インクジェット方式が好ましく、その中でも、高速印字、高精細印字を可能とする点で、インクに熱エネルギーを作用させてインク滴を形成する方式であるバブルジェット(R)方式を採用するのが好ましい。またインクとしては、水系のものが好ましく、色素としては染料もしくは顔料が使用できる。
【0035】
(実施例)
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。各特性の測定と評価は下記の方法で行った。
【0036】
(1) インク吸収性、印字時キズ
インクジェットプリンター(商品名:BJF−850 キヤノン社製)を用いて、裏面のバックコート層の面に宛名に相当する文字を連続10枚印字し、その後インク受容層のある光沢面に写真情報に応じた画像を連続10枚印字した。その結果、光沢面にキズがつかないものを○、わずかにキズがつくものを△、キズが多数つくものを×とし、裏面の文字に滲みが無いものを○、わずかに滲みがあるものを△、顕著に滲みが観察されるものを×とした。
【0037】
(2) 画像濃度
インクジェットプリンター(商品名:BJF−850 キヤノン社製)を用いて、Bkインクでベタ印字した画像の画像濃度を、マクベス反射濃度計RD−918を用いて評価した。その結果、1.2以上のものを○、1.0〜1.2のものを△、1.0に満たないものを×とした。
【0038】
(3) 表面光沢度
デジタル変角光沢計(スガ試験機社製)を用いて評価をおこなった。表面光沢度が測定角20°で20%以上のものを○、15〜20%のものを△、15%に満たないものを×とした。
【0039】
(4) 塗膜強度
記録媒体の裏面が上になるように固定し、その上に黒色の紙を重ね合わせその上に100gの重りを載せ、その黒色紙で記録媒体の裏面をこすり、黒色紙の白化度合いをみた。ほとんど白化しないものを○、少し白化したものを△、著しく白化したものを×とした。
【0040】
実施例1
米国特許第4242271号に記載された方法に従ってアルミニウムアルコキシドを合成し、これを加水分解することによりアルミナコロイダルゾルを得た。このコロイダルゾルを脱塩処理した後、酢酸を添加して解膠処理を行った。このコロイダルゾルを乾燥して得たアルミナ水和物をX線回折により測定したところ、擬ベーマイトであった。
【0041】
次に、このアルミナ水和物のコロイダルゾルを濃縮して15重量%の溶液を得た。一方、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)をイオン交換水に溶解して10重量%の溶液を得た。これらの2種の溶液を、アルミナ水和物とポリビニルアルコールの固形分が重量比で10:1になるように混合し、攪拌して分散させた後、ポリビニルアルコールの架橋剤としてホウ酸12重量部を添加して塗工液を得た。
【0042】
基材は、坪量150g/m2、ステキヒトサイズ度220秒、ベック平滑度360秒の木材パルプと填剤となからなるロール状の原紙(幅110cm、長さ1000m)を用いた。このロール状の原紙の表面に、ダイコーターにより上記の分散液を乾燥塗工量30g/m2となるように塗工し、乾燥させてインク受容層を形成した。
【0043】
次に、この基材のインク受容層の塗布面とは逆の面(裏面)にもう一つのインク受容層を表側の面と同様に乾燥塗工量20g/m2となるように形成した。
【0044】
次に、多孔質熱可塑性樹脂層として、最低造膜温度140℃、平均粒子径250nmのポリエチレンエマルジョンと最低造膜温度70℃、平均粒子径60nmのアクリル酸エステル系共重合エマルジョンを固形分重量比で、ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=10:1となるように混合したものをトータルの固形分濃度が5重量%になるように調整し塗工液とした。
【0045】
この塗工液をワイヤーバーコーターにより、乾燥塗工膜厚3μmとなるように、前記裏面のインク受容層上に形成した。このときの乾燥温度は、120℃になるように設定した。
【0046】
以上のようにして、表面側のインク受容層、裏面側のインク受容層、多孔質熱可塑性樹脂層の3段階の塗工を行った後、このロールのインク受容層表面にリウエットキャストコーターを用いて、熱湯(80℃)を用いたリウエットキャスト処理を行い記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル1とした。
【0047】
実施例2
ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=5:1となるように混合した以外は実施例1と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル2とした。
【0048】
実施例3
ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=10:3となるように混合した以外は実施例1と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル3とした。
【0049】
実施例4
ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=5:2となるように混合した以外は実施例1と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル4とした。
【0050】
実施例5
ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=2:1となるように混合した以外は実施例1と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル5とした。
【0051】
比較例1
ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=20:1となるように混合した以外は実施例1と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル6とした。
【0052】
比較例2
ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=5:3となるように混合した以外は実施例1と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル7とした。
【0053】
実施例6
実施例1と同様に基材の両面にインク受容層を形成した後、多孔質熱可塑性樹脂層として、最低造膜温度140℃、平均粒子径150nmのポリエチレンエマルジョンと最低造膜温度70℃、平均粒子径70nmのアクリル酸エステル系共重合エマルジョンを固形分重量比で、ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=5:1となるように混合したものをトータルの固形分濃度が5重量%になるように調整し塗工液とした。
【0054】
この塗工液をワイヤーバーコーターにより、乾燥塗工膜厚3μmとなるように、前記裏面のインク受容層上に形成した。このときの乾燥温度は、120℃になるように設定した。
【0055】
以上のようにして、表面側のインク受容層、裏面側のインク受容層、多孔質熱可塑性樹脂層の3段階の塗工を行った後、このロールのインク受容層表面にリウエットキャストコーターを用いて、熱湯(80℃)を用いたリウエットキャスト処理を行い記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル8とした。
【0056】
実施例7
ポリエチレンエマルジョン粒子を平均粒子径200nmに換えた以外は実施例6と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル9とした。
【0057】
実施例8
ポリエチレンエマルジョン粒子を平均粒子径250nmに換えた以外は実施例6と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル10とした。
【0058】
比較例3
ポリエチレンエマルジョン粒子を平均粒子径100nmに換えた以外は実施例6と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル11とした。
【0059】
比較例4
ポリエチレンエマルジョン粒子を平均粒子径100nmに換え、アクリル酸エステル系共重合エマルジョン粒子を平均粒子径100nm換えた以外は実施例6と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル12とした。
【0060】
比較例5
ポリエチレンエマルジョン粒子を平均粒子径150nmに換え、アクリル酸エステル系共重合エマルジョン粒子を平均粒子径100nm換えた以外は実施例6と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル13とした。
【0061】
比較例6
ポリエチレンエマルジョン粒子を平均粒子径200nmに換え、アクリル酸エステル系共重合エマルジョン粒子を平均粒子径100nm換えた以外は実施例6と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル14とした。
【0062】
比較例7
ポリエチレンエマルジョン粒子を平均粒子径250nmに換え、アクリル酸エステル系共重合エマルジョン粒子を平均粒子径100nm換えた以外は実施例6と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル15とした。
【0063】
実施例9
実施例1と同様に基材の両面にインク受容層を形成した後、多孔質熱可塑性樹脂層として、最低造膜温度140℃、平均粒子径250nmのポリエチレンエマルジョンと最低造膜温度70℃、平均粒子径60nmのアクリル酸エステル系共重合エマルジョンを固形分重量比で、ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=5:1となるように混合したものをトータルの固形分濃度が5重量%になるように調整し塗工液とした。
【0064】
この塗工液をワイヤーバーコーターにより、乾燥塗工膜厚1μmとなるように、前記裏面のインク受容層上に形成した。このときの乾燥温度は、120℃になるように設定した。
【0065】
以上のようにして、表面側のインク受容層、裏面側のインク受容層、多孔質熱可塑性樹脂層の3段階の塗工を行った後、このロールのインク受容層表面にリウエットキャストコーターを用いて、熱湯(80℃)を用いたリウエットキャスト処理を行い記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル16とした。
【0066】
実施例10
乾燥塗工膜厚2μmとなるように前記裏面のインク受容層上に多孔質熱可塑性樹脂層を形成した以外は実施例9と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル17とした。
【0067】
実施例11
乾燥塗工膜厚4μmとなるように前記裏面のインク受容層上に多孔質熱可塑性樹脂層を形成した以外は実施例9と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル18とした。
【0068】
実施例12
乾燥塗工膜厚5μmとなるように前記裏面のインク受容層上に多孔質熱可塑性樹脂層を形成した以外は実施例9と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル19とした。
【0069】
比較例8
前記裏面のインク受容層上に多孔質熱可塑性樹脂層を形成しない以外は実施例9と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル20とした。
【0070】
比較例9
乾燥塗工膜厚7μmとなるように前記裏面のインク受容層上に多孔質熱可塑性樹脂層を形成した以外は実施例9と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル21とした。
【0071】
実施例13
実施例1と同様に基材の両面にインク受容層を形成した後、多孔質熱可塑性樹脂層として、最低造膜温度140℃、平均粒子径250nmのポリエチレンエマルジョンと最低造膜温度80℃、平均粒子径60nmのアクリル酸エステル系共重合エマルジョンを固形分重量比で、ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=5:1となるように混合したものをトータルの固形分濃度が5重量%になるように調整し塗工液とした。
【0072】
この塗工液をワイヤーバーコーターにより、乾燥塗工膜厚3μmとなるように、前記裏面のインク受容層上に形成した。このときの乾燥温度は、90℃になるように設定した。
【0073】
以上のようにして、表面側のインク受容層、裏面側のインク受容層、多孔質熱可塑性樹脂層の3段階の塗工を行った後、このロールのインク受容層表面にリウエットキャストコーターを用いて、熱湯(80℃)を用いたリウエットキャスト処理を行い記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル22とした。
【0074】
実施例14
多孔質熱可塑性樹脂層の形成時の乾燥温度を120℃になるように設定した以外は、実施例13と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル23とした。
【0075】
比較例10
多孔質熱可塑性樹脂層の形成時の乾燥温度を60℃になるように設定した以外は、実施例13と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル24とした。
【0076】
比較例11
多孔質熱可塑性樹脂層の形成時の乾燥温度を150℃になるように設定した以外は、実施例13と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル25とした。
【0077】
比較例12
多孔質熱可塑性樹脂層の形成時の乾燥温度を180℃になるように設定した以外は、実施例13と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル26とした。
【0078】
実施例15
実施例2で用いたのと同じ原紙を用い、さらにこの原紙の一方の表面に、平均粒径0.7μmの硫酸バリウム105重量部、ゼラチン水溶液10重量部、ポリエチレングリコール3.5重量部、クロム明礬0.5重量部を配合した塗工液を、乾燥塗工量で30g/m2で塗布した。その後、スーパーカレンダー処理にて表面平滑化を行って表面平滑度410秒のロール状の基材を得た。
【0079】
この基材を用いた以外は実施例2と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル27とした。
【0080】
実施例16
多孔質熱可塑性樹脂層として、ポリエチレンエマルジョン粒子に換えて、最低造膜温度150℃、平均粒子径800nmのポリプロピレンエマルジョン粒子を用いた以外は実施例2と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル28とした。
【0081】
以上の評価結果を表1にまとめた。
【0082】
この表からわかるように、最低造膜温度が異なる熱可塑性樹脂の混合比が固形分重量比で、最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂:最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂=10:1〜2:1の範囲にすることでインク吸収性と塗膜強度を十分保つことが可能であり、最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂の平均粒子径を70nm以下とし、最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂の平均粒子径を150nm以上とすることでインク吸収性と画像濃度を維持し、多孔質熱可塑性樹脂層の膜厚を1〜5μmの範囲で良好な表面キズ防止効果と画像濃度を保てることが分かる。また、より低温の最低造膜温度を持つ熱可塑性樹脂粒子の最低造膜温度以上で、より高温の最低造膜温度を持つ熱可塑性樹脂粒子の最低造膜温度を超えない乾燥条件を選ぶことでインク吸収性を保ち、十分な光沢が得られる良好なリウェットキャストを行うことが出来る。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、基材の表側の面にインク受容層を有し、かつ該基材の裏側の面にインク受容層を有し、該裏側に設けられたインク受容層の基材側と反対側の面に多孔質熱可塑性樹脂層を設けた記録媒体であって、該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂粒子を用いて形成されたものであり、該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂粒子間に保持された空隙を有することで多孔質となっていることで、高光沢で高画質な印字を可能とすると共に両面印字が可能でありながら光沢面へのキズを防ぐ裏面を併せ持ち、従来得られなかった高品位な写真画像を表現しうる両面印刷インクジェット用紙の提供を可能ならしめるものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、鮮明で高い光沢のある画像が得られる片面光沢両面印字可能な記録媒体、特にインクジェット用記録媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、インク等の記録用の液体(記録液)の微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて、紙などの記録媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行なうものであり、高速低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きく、現像が不要などの特長があり、プリンターへの展開を初めとして、複写機、ワープロ、FAX、プロッター等の情報機器へ展開され急速に普及している。また、近年高性能のデジタルカメラ、デジタルビデオ、スキャナーが安価で提供されつつあり、パーソナルコンピューターの普及と相まって、これらから得られた画像情報をインクジェット記録方式で出力する機会が増えている。このため銀塩系写真や製版方式の多色印刷と比較して遜色無い画像をインクジェット方式で出力することが求められている。
【0003】
そのために、記録の高速化、高精細化、フルカラー化など記録装置、記録方式の改良が行われてきたが、記録媒体に対しても高度な特性が要求されるようになってきた。
【0004】
この様な状況下において一般的に記録媒体に要求される特性としては、(1)インク吸収速度が速く、必要以上の滲みが無いこと、(2)印字濃度及び発色性が高いこと、(3)光沢が高いこと(4)耐候性に優れていることなどが挙げられる。また、はがきとして利用する場合には、さらに裏面の特性として、裏面の筆記性、耐水性等が挙げられる。
【0005】
このような要求に対し従来から多種多様の記録媒体が提案されてきた。例えば、特開昭52−9074号公報には、インク吸収速度を向上させるために比表面積の大きなシリカ系顔料を主成分とした空隙を有する層をインク受容層として設けた記録媒体が開示され、また特開昭63−22997号公報には、インク受容層を形成する顔料層の空隙量を調整してなる記録媒体が開示されている。特開昭55−51583号公報及び特開昭56−157号公報には、インク受理層によってインク吸収性を上げ、高い印字濃度やインク滲みが無い印字ドットを得るために、非晶質シリカ粉末を配合することが開示されている。
【0006】
また、特開昭55−144172号公報には、発色性、鮮明性はインク中の染料のインク受理層における分布状態に左右されることに着目し、染料成分を吸着する特定の物質を用いることが開示されている。特開平3−114873号公報には、紙層上に硫酸バリウムとゼラチンを含む塗層を設けたインクジェット記録媒体を使用することにより、インク吸収性、耐水性、耐光性を改善したことが開示されている。
【0007】
さらに、米国特許明細書第4879166号、同5104730号、特開平2−276670号公報、同4−37576号公報、同5−32037号公報には、擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を含む層をインク受理層とする記録媒体が開示されている。これらアルミナ水和物を用いた記録媒体は、アルミナ水和物が正電荷を有しているため、インク染料の定着が良く、発色性の高い、高光沢性の画像が得られるなど、従来の記録媒体に比べて長所を有している。
【0008】
また、特開平7−89216号公報には、基材上に吸水性顔料を含む層と擬ベーマイトを含む最表層からなるインクジェット被記録材が開示され、擬ベーマイトのみを使用した場合のインク吸収性の不足分を下層の吸水性顔料によって補うことが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような提案により、近年の記録媒体はかなり銀塩写真に近いものになりつつある。ところが、銀塩写真の光沢感を出す為に記録媒体の光沢が上がるにつれて、表面のキズが目立つようになりつつある。特に、はがきのように両面に印字する記録媒体では、連続印刷時に、裏面(宛名面)のインク受容層が表面(通信面)の高光沢のインク受容層を擦った痕が、キズとして視認される場合が多い。
【0010】
したがって、本発明の目的は、高光沢で高画質な印字を可能とすると共に両面印字が可能でありながら光沢面へのキズを防ぐ裏面を併せ持つ記録媒体の提供にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成し得る本発明の記録媒体は、基材の表側の面にインク受容層を有し、かつ該基材の裏側の面にインク受容層を有し、該裏側に設けられたインク受容層の基材側と反対側の面に多孔質熱可塑性樹脂層を設けた記録媒体であって、該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂粒子を用いて形成されたものであり、該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂粒子間に保持された空隙を有することで多孔質となっていることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の記録媒体に用いる基材は、不透明なものが良く、記録媒体に所望の形態維持特性を付与できるものであれば良い。このような基材としては、上質紙、中質紙、アート紙、ボンド紙、レジンコート紙、バライタ紙などの紙類、白色化したポリエチレンテレフタレート、ジアセテート、トリアセテート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリアクリレートなどのプラスチック材料からなるものを挙げることができる。
【0013】
基材として紙を用いる場合、基紙の表面を硫酸バリウムを含む層でコートし、表面のベック平滑度を400秒以上で、かつ白色度を87%以上に調整してなる基材を使用した場合、銀塩写真に匹敵するような画像が得られるので、とりわけ好ましい。
【0014】
ここで用いる硫酸バリウムとしては、その平均粒径が0.4〜1.0μmが好ましくは、0.4〜0.8μmのものがより好ましい。このような硫酸バリウムを使用することで、所望の白色度、光沢度、インク等の記録用の液体(記録液:以下インク総称する)の溶媒成分に対する吸収性をより好適なものとすることができる。硫酸バリウムを結着させるためのバインダーとしては、ゼラチンが好ましく、硫酸バリウム100重量部に対して6〜12重量部の割合で用いることができる。硫酸バリウムを含む層の基紙への塗工量は、インクの溶媒成分に対する吸収性を更に好ましいものとし、また表面の平滑性をより良好とするために、20〜40g/m2の範囲が好ましい。また、硫酸バリウムを含む層の平滑度の上限は、インクの溶媒成分に対する吸収性をより好適なものとする上で、600秒が好ましく、500秒がより好ましい。
【0015】
基材上に設けられるインク受容層としては、種々の構成が使用できるが、銀塩写真に匹敵するような画像を得る上では、インク中の染料等の着色剤成分が主に定着される層にアルミナ水和物を含む多孔質層を用いた構成が好ましい。
【0016】
ここで用いるアルミナ水和物としては、市販のもの、あるいはアルミニウムアルコキシドの加水分解やアルミン酸ナトリウムの加水分解などを用いた公知の方法によって製造されたものを用いることができる。その粒子形状は繊毛状または針状、板状、紡錘状等に限定されず、また、配向性の有無も問わない。更に、アルミナ水和物は、透明性、光沢性、染料定着性の高いもので、且つ被膜形成時にクラック等が入らず、塗工性の良いものであればさらに良い。工業的に市販されているものとしては、例えば、触媒化成工業社製の「カタロイドAS−2」、「カタロイドAS−3」、日産化学社製「アルミナゾル−520」等が挙げられる。
【0017】
また、無配向性アルミナ水和物を調製するには、たとえば、アルミニウムアルコキシドの加水分解・解膠法及び硝酸アルミニウムとアルミン酸ナトリウムによる加水分解・解膠法を用いることができる。
【0018】
これらのアルミナ水和物は、通常粒子径が1μm以下と細かいものであり、優れた分散性を有するものであるため、記録媒体に非常に良好な平滑性、光沢性を持たせることができる。
【0019】
アルミナ水和物を結着するために使用されるバインダーとしては、水溶性高分子の中から自由に選択することができる。例えば、ポリビニルアルコールまたはその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合体などが好ましい。これらのバインダーは単独あるいは複数種混合して用いることができる。
【0020】
アルミナ水和物とバインダーの混合比は、重量比で、好ましくは1:1〜30:1であり、その下限は5:1が、その上限は25:1がより好ましい。バインダーの量をこれらの範囲とすることで、インク受容層の機械的強度を好ましいものとすることができ、ひび割れや粉落ちの発生の防止や、好適な細孔容積の維持が可能となる。
【0021】
アルミナ水和物を含む層を形成するための塗工液には、アルミナ水和物及びバインダーに加え、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを、本発明の効果を損なわない範囲内で添加することも可能である。
【0022】
本発明のバックコート層を有する記録媒体において、基材上にインク受容層を形成する方法としては、上記のアルミナを含む分散溶液を塗工装置を用いて基材上に塗布、乾燥する方法を用いることができる。塗工方法は特に制限されるものではなく、一般に用いられているブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、ダイコーター、スプレー装置等による塗工技術を用いることができる。アルミナ水和物を含む層の塗工量としては、染料定着性をもたせ且つ必要な平滑性を持たせる為にも乾燥固形分換算で30g/m2以下が好ましく、20〜30g/m2の範囲がより好ましい。また、必要に応じてアルミナ水和物及びバインダーを含む層を形成した後に焼成処理を施すことも可能である。かかる焼成処理を施すことにより、バインダーの架橋強度が上がり、インク受容層の機械的強度が向上し、また、アルミナ水和物層の表面光沢が向上する。
【0023】
さらに、上記のアルミナ水和物を含む層を形成するための塗工液に、特開平7−76161号公報で記載されているような、ホウ酸またはホウ酸塩などのバインダーの架橋剤を含有させても、インク受容層の機械的強度が向上するので好ましい。
【0024】
本発明の記録媒体においては、基材の裏面(インク受容層が設けられた面と反対側の面)に、記録時等におけるカールの発生の防止と印字性を良好に確保する為の層(バックコート層)を更に設ける事ができる。このバックコート層は、湿度により基材とインク受容層との間に生じる伸縮差により発生する場合のあるカールを防止する機能を持つもので、吸湿時に基材表面側のインク受容層と同様の変化(収縮)を生じるものが好ましい。このバックコート層は、例えばアルミナを含む層から形成する事ができる。このアルミナとしては、ベーマイト、擬ベーマイト、γ―アルミナ、θ―アルミナ等を挙げる事ができる。ただし、これらに限るわけではない。
【0025】
バックコート層の形成においては、必要に応じてバインダーを用いる事ができる。アルミナと組み合わせて用いることのできるバインダーとして好適なものとしては、水溶性高分子を挙げることができる。例えば、ポリビニルアルコールまたはその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合体などを挙げる事ができる。これらのバインダーは単独あるいは複数種混合して用いることができる。
【0026】
アルミナとバインダーの混合比は、重量比で、好ましくは1:1〜10:1、より好ましくは5:1〜25:1の範囲から任意に選択できる。バインダーの量を上記範囲とすることで、バックコート層のカール防止性と機械的強度をより向上させることができる。バックコート層にも必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを本発明の効果を損なわない範囲内で添加することも可能である。
【0027】
本発明のバックコート層を有する記録媒体において、基材上にバックコート層を形成する方法としては、上記のアルミナを含む分散溶液を塗工装置を用いて基材上に塗布、乾燥する方法を用いることができる。塗工方法は特に制限されるものではなく、一般に用いられているブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、ダイコーター、スプレー装置等による塗工技術を用いることができる。アルミナを含むバックコート層形成時の塗工液の塗工量としては、乾燥固形分換算で5〜25g/m2以下が好ましく、その上限は20g/m2が、下限は10g/m2がより好ましい。必要に応じてバックコート層を形成した後に、焼成処理を施す事も可能である。こうして得られるバックコート層を設ける事で、記録時などにカールの発生が懸念される場合への対処が確実なものとなる。しかも、アルミナ系のバックコート層を設ける事で、裏面への鉛筆、万年筆、ボールペン、フェルトペン等の各種筆記用具での筆記性が良好なものとなる。
【0028】
裏面側のインク受容層上に設けられる多孔質熱可塑性樹脂層は、記録操作におけるインク付与時にはインクの透過性を有することでその下に設けられたインク受容層へインクを通過せる機能を有するものであり、例えば、熱可塑性樹脂粒子を用いて、各粒子間を、適度な多孔質性を維持できるように結合して層形態を保持する構成のものが好適に利用できる。
【0029】
熱可塑性樹脂粒子としては、各種の熱可塑性樹脂材料からなるものを用いることができる。熱可塑性樹脂粒子としては、例えば、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、スチレン系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸系、SBR系、NBR系などのラテックスに含まれる熱可塑性樹脂粒子としてのラテックス粒子を好適に用いることができ、必要に応じてラテックスの固形分量を調整して用いることができる。
【0030】
熱可塑性樹脂粒子を含む塗工液を調製するには、熱可塑性樹脂粒子を適当な溶媒、例えば水性溶媒中に分散させ、塗工方法に合わせて適宜調整することが可能である。塗工量としては、乾燥層厚で通常1〜5μmになるように調整するのが好ましい。厚すぎると印字後の色濃度が低下し、薄すぎるとキズ防止効果が弱まる。層の形成においては、各粒子間の空隙が保持された多孔質の層となるように、乾燥条件等を設定する。多孔質の状態で層を形成する方法としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子を含む塗工液をインク受容層上に塗工した後、熱可塑性樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上であり、かつ最低造膜温度以下の温度で熱処理して多孔質層を形成する方法が利用できる。
【0031】
また、最低造膜温度の異なるラテックス粒子を混合することで、インク透過性を損なうこと無しに皮膜強度を高めることが可能となる。つまり、最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂粒子と最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂粒子を組み合わせ、最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂粒子が造膜し最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂粒子が造膜しない乾燥温度条件を選ぶことで、最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂粒子同士を強固に結びつけることが可能となる。乾燥炉の温度バラツキを考慮すれば、最低造膜温度に30℃以上差があるのが望ましい。更に、最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂としては、インク受容層の塗工条件を限定させないよう130℃以上の最低造膜温度を持つものが望ましい。この場合の最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂粒子と最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂粒子の混合比率は、10:1〜2:1が好ましく、5:1〜5:2がさらに好ましい。最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂粒子10に対する最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂粒子の割合が1未満では、膜強度が十分でなく、5を超えるとインク吸収性が不十分になり好ましくない。また、最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径は200nm以上あると良好なインク透過性を保つのが可能で、最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径は70nmより小さいと画像濃度への影響が少なく塗膜強度も良好であり好ましい。塗工量としては、乾燥層厚で通常1〜5μmになるように調整するのが好ましい。厚すぎると印字後の色濃度が低下し、薄すぎるとキズ防止効果が弱まる。
【0032】
また、多孔質熱可塑性樹脂層にも、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを、本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
【0033】
本発明のインク受容層表面側への光沢処理としては、リウエットキャスト法が好適に用いられる。リウエット法は、湿潤状態にあるインク受容層となる層を乾燥させる工程を有する形成方法によりインク受容層を形成した後に、再度熱湯等により処理してインク受容層を湿潤状態に戻し、湿潤状態にあるインク受容層の表面を加熱した鏡面ドラムに圧着して乾燥処理するものである。この結果、インク受容層の表面に強光沢を得る事が出きる。本方法が好ましい理由としては、鏡面ドラムに圧着して湿潤状態のインク受容層を乾燥する場合に、緻密な基材を用いた場合に、裏面からの水分の蒸発が極端に制限される為である。このため湿潤の際に少量の水分で可能なリウェットキャスト方法が好適に用いられる。
【0034】
本発明の記録媒体は、ロール状として、あるいはA4等の所定の大きさのシート状として提供することができ、記録情報に応じてインク滴をインク受容層に付与することによって画像を形成することができる。記録媒体にインクを付与する方法としては、インクジェット方式が好ましく、その中でも、高速印字、高精細印字を可能とする点で、インクに熱エネルギーを作用させてインク滴を形成する方式であるバブルジェット(R)方式を採用するのが好ましい。またインクとしては、水系のものが好ましく、色素としては染料もしくは顔料が使用できる。
【0035】
(実施例)
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。各特性の測定と評価は下記の方法で行った。
【0036】
(1) インク吸収性、印字時キズ
インクジェットプリンター(商品名:BJF−850 キヤノン社製)を用いて、裏面のバックコート層の面に宛名に相当する文字を連続10枚印字し、その後インク受容層のある光沢面に写真情報に応じた画像を連続10枚印字した。その結果、光沢面にキズがつかないものを○、わずかにキズがつくものを△、キズが多数つくものを×とし、裏面の文字に滲みが無いものを○、わずかに滲みがあるものを△、顕著に滲みが観察されるものを×とした。
【0037】
(2) 画像濃度
インクジェットプリンター(商品名:BJF−850 キヤノン社製)を用いて、Bkインクでベタ印字した画像の画像濃度を、マクベス反射濃度計RD−918を用いて評価した。その結果、1.2以上のものを○、1.0〜1.2のものを△、1.0に満たないものを×とした。
【0038】
(3) 表面光沢度
デジタル変角光沢計(スガ試験機社製)を用いて評価をおこなった。表面光沢度が測定角20°で20%以上のものを○、15〜20%のものを△、15%に満たないものを×とした。
【0039】
(4) 塗膜強度
記録媒体の裏面が上になるように固定し、その上に黒色の紙を重ね合わせその上に100gの重りを載せ、その黒色紙で記録媒体の裏面をこすり、黒色紙の白化度合いをみた。ほとんど白化しないものを○、少し白化したものを△、著しく白化したものを×とした。
【0040】
実施例1
米国特許第4242271号に記載された方法に従ってアルミニウムアルコキシドを合成し、これを加水分解することによりアルミナコロイダルゾルを得た。このコロイダルゾルを脱塩処理した後、酢酸を添加して解膠処理を行った。このコロイダルゾルを乾燥して得たアルミナ水和物をX線回折により測定したところ、擬ベーマイトであった。
【0041】
次に、このアルミナ水和物のコロイダルゾルを濃縮して15重量%の溶液を得た。一方、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)をイオン交換水に溶解して10重量%の溶液を得た。これらの2種の溶液を、アルミナ水和物とポリビニルアルコールの固形分が重量比で10:1になるように混合し、攪拌して分散させた後、ポリビニルアルコールの架橋剤としてホウ酸12重量部を添加して塗工液を得た。
【0042】
基材は、坪量150g/m2、ステキヒトサイズ度220秒、ベック平滑度360秒の木材パルプと填剤となからなるロール状の原紙(幅110cm、長さ1000m)を用いた。このロール状の原紙の表面に、ダイコーターにより上記の分散液を乾燥塗工量30g/m2となるように塗工し、乾燥させてインク受容層を形成した。
【0043】
次に、この基材のインク受容層の塗布面とは逆の面(裏面)にもう一つのインク受容層を表側の面と同様に乾燥塗工量20g/m2となるように形成した。
【0044】
次に、多孔質熱可塑性樹脂層として、最低造膜温度140℃、平均粒子径250nmのポリエチレンエマルジョンと最低造膜温度70℃、平均粒子径60nmのアクリル酸エステル系共重合エマルジョンを固形分重量比で、ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=10:1となるように混合したものをトータルの固形分濃度が5重量%になるように調整し塗工液とした。
【0045】
この塗工液をワイヤーバーコーターにより、乾燥塗工膜厚3μmとなるように、前記裏面のインク受容層上に形成した。このときの乾燥温度は、120℃になるように設定した。
【0046】
以上のようにして、表面側のインク受容層、裏面側のインク受容層、多孔質熱可塑性樹脂層の3段階の塗工を行った後、このロールのインク受容層表面にリウエットキャストコーターを用いて、熱湯(80℃)を用いたリウエットキャスト処理を行い記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル1とした。
【0047】
実施例2
ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=5:1となるように混合した以外は実施例1と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル2とした。
【0048】
実施例3
ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=10:3となるように混合した以外は実施例1と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル3とした。
【0049】
実施例4
ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=5:2となるように混合した以外は実施例1と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル4とした。
【0050】
実施例5
ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=2:1となるように混合した以外は実施例1と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル5とした。
【0051】
比較例1
ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=20:1となるように混合した以外は実施例1と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル6とした。
【0052】
比較例2
ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=5:3となるように混合した以外は実施例1と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル7とした。
【0053】
実施例6
実施例1と同様に基材の両面にインク受容層を形成した後、多孔質熱可塑性樹脂層として、最低造膜温度140℃、平均粒子径150nmのポリエチレンエマルジョンと最低造膜温度70℃、平均粒子径70nmのアクリル酸エステル系共重合エマルジョンを固形分重量比で、ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=5:1となるように混合したものをトータルの固形分濃度が5重量%になるように調整し塗工液とした。
【0054】
この塗工液をワイヤーバーコーターにより、乾燥塗工膜厚3μmとなるように、前記裏面のインク受容層上に形成した。このときの乾燥温度は、120℃になるように設定した。
【0055】
以上のようにして、表面側のインク受容層、裏面側のインク受容層、多孔質熱可塑性樹脂層の3段階の塗工を行った後、このロールのインク受容層表面にリウエットキャストコーターを用いて、熱湯(80℃)を用いたリウエットキャスト処理を行い記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル8とした。
【0056】
実施例7
ポリエチレンエマルジョン粒子を平均粒子径200nmに換えた以外は実施例6と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル9とした。
【0057】
実施例8
ポリエチレンエマルジョン粒子を平均粒子径250nmに換えた以外は実施例6と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル10とした。
【0058】
比較例3
ポリエチレンエマルジョン粒子を平均粒子径100nmに換えた以外は実施例6と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル11とした。
【0059】
比較例4
ポリエチレンエマルジョン粒子を平均粒子径100nmに換え、アクリル酸エステル系共重合エマルジョン粒子を平均粒子径100nm換えた以外は実施例6と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル12とした。
【0060】
比較例5
ポリエチレンエマルジョン粒子を平均粒子径150nmに換え、アクリル酸エステル系共重合エマルジョン粒子を平均粒子径100nm換えた以外は実施例6と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル13とした。
【0061】
比較例6
ポリエチレンエマルジョン粒子を平均粒子径200nmに換え、アクリル酸エステル系共重合エマルジョン粒子を平均粒子径100nm換えた以外は実施例6と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル14とした。
【0062】
比較例7
ポリエチレンエマルジョン粒子を平均粒子径250nmに換え、アクリル酸エステル系共重合エマルジョン粒子を平均粒子径100nm換えた以外は実施例6と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル15とした。
【0063】
実施例9
実施例1と同様に基材の両面にインク受容層を形成した後、多孔質熱可塑性樹脂層として、最低造膜温度140℃、平均粒子径250nmのポリエチレンエマルジョンと最低造膜温度70℃、平均粒子径60nmのアクリル酸エステル系共重合エマルジョンを固形分重量比で、ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=5:1となるように混合したものをトータルの固形分濃度が5重量%になるように調整し塗工液とした。
【0064】
この塗工液をワイヤーバーコーターにより、乾燥塗工膜厚1μmとなるように、前記裏面のインク受容層上に形成した。このときの乾燥温度は、120℃になるように設定した。
【0065】
以上のようにして、表面側のインク受容層、裏面側のインク受容層、多孔質熱可塑性樹脂層の3段階の塗工を行った後、このロールのインク受容層表面にリウエットキャストコーターを用いて、熱湯(80℃)を用いたリウエットキャスト処理を行い記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル16とした。
【0066】
実施例10
乾燥塗工膜厚2μmとなるように前記裏面のインク受容層上に多孔質熱可塑性樹脂層を形成した以外は実施例9と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル17とした。
【0067】
実施例11
乾燥塗工膜厚4μmとなるように前記裏面のインク受容層上に多孔質熱可塑性樹脂層を形成した以外は実施例9と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル18とした。
【0068】
実施例12
乾燥塗工膜厚5μmとなるように前記裏面のインク受容層上に多孔質熱可塑性樹脂層を形成した以外は実施例9と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル19とした。
【0069】
比較例8
前記裏面のインク受容層上に多孔質熱可塑性樹脂層を形成しない以外は実施例9と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル20とした。
【0070】
比較例9
乾燥塗工膜厚7μmとなるように前記裏面のインク受容層上に多孔質熱可塑性樹脂層を形成した以外は実施例9と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル21とした。
【0071】
実施例13
実施例1と同様に基材の両面にインク受容層を形成した後、多孔質熱可塑性樹脂層として、最低造膜温度140℃、平均粒子径250nmのポリエチレンエマルジョンと最低造膜温度80℃、平均粒子径60nmのアクリル酸エステル系共重合エマルジョンを固形分重量比で、ポリエチレンエマルジョン粒子:アクリル酸エステル系共重合エマルジョン=5:1となるように混合したものをトータルの固形分濃度が5重量%になるように調整し塗工液とした。
【0072】
この塗工液をワイヤーバーコーターにより、乾燥塗工膜厚3μmとなるように、前記裏面のインク受容層上に形成した。このときの乾燥温度は、90℃になるように設定した。
【0073】
以上のようにして、表面側のインク受容層、裏面側のインク受容層、多孔質熱可塑性樹脂層の3段階の塗工を行った後、このロールのインク受容層表面にリウエットキャストコーターを用いて、熱湯(80℃)を用いたリウエットキャスト処理を行い記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル22とした。
【0074】
実施例14
多孔質熱可塑性樹脂層の形成時の乾燥温度を120℃になるように設定した以外は、実施例13と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル23とした。
【0075】
比較例10
多孔質熱可塑性樹脂層の形成時の乾燥温度を60℃になるように設定した以外は、実施例13と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル24とした。
【0076】
比較例11
多孔質熱可塑性樹脂層の形成時の乾燥温度を150℃になるように設定した以外は、実施例13と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル25とした。
【0077】
比較例12
多孔質熱可塑性樹脂層の形成時の乾燥温度を180℃になるように設定した以外は、実施例13と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル26とした。
【0078】
実施例15
実施例2で用いたのと同じ原紙を用い、さらにこの原紙の一方の表面に、平均粒径0.7μmの硫酸バリウム105重量部、ゼラチン水溶液10重量部、ポリエチレングリコール3.5重量部、クロム明礬0.5重量部を配合した塗工液を、乾燥塗工量で30g/m2で塗布した。その後、スーパーカレンダー処理にて表面平滑化を行って表面平滑度410秒のロール状の基材を得た。
【0079】
この基材を用いた以外は実施例2と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル27とした。
【0080】
実施例16
多孔質熱可塑性樹脂層として、ポリエチレンエマルジョン粒子に換えて、最低造膜温度150℃、平均粒子径800nmのポリプロピレンエマルジョン粒子を用いた以外は実施例2と同様にして記録媒体ロールを得た。このロールからA4サイズの大きさに切り出して、サンプル28とした。
【0081】
以上の評価結果を表1にまとめた。
【0082】
この表からわかるように、最低造膜温度が異なる熱可塑性樹脂の混合比が固形分重量比で、最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂:最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂=10:1〜2:1の範囲にすることでインク吸収性と塗膜強度を十分保つことが可能であり、最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂の平均粒子径を70nm以下とし、最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂の平均粒子径を150nm以上とすることでインク吸収性と画像濃度を維持し、多孔質熱可塑性樹脂層の膜厚を1〜5μmの範囲で良好な表面キズ防止効果と画像濃度を保てることが分かる。また、より低温の最低造膜温度を持つ熱可塑性樹脂粒子の最低造膜温度以上で、より高温の最低造膜温度を持つ熱可塑性樹脂粒子の最低造膜温度を超えない乾燥条件を選ぶことでインク吸収性を保ち、十分な光沢が得られる良好なリウェットキャストを行うことが出来る。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、基材の表側の面にインク受容層を有し、かつ該基材の裏側の面にインク受容層を有し、該裏側に設けられたインク受容層の基材側と反対側の面に多孔質熱可塑性樹脂層を設けた記録媒体であって、該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂粒子を用いて形成されたものであり、該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂粒子間に保持された空隙を有することで多孔質となっていることで、高光沢で高画質な印字を可能とすると共に両面印字が可能でありながら光沢面へのキズを防ぐ裏面を併せ持ち、従来得られなかった高品位な写真画像を表現しうる両面印刷インクジェット用紙の提供を可能ならしめるものである。
Claims (10)
- 基材の表側の面にインク受容層を有し、かつ該基材の裏側の面にインク受容層を有し、該裏側に設けられたインク受容層の基材側と反対側の面に多孔質熱可塑性樹脂層を設けた記録媒体であって、該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂粒子を用いて形成されたものであり、該多孔質熱可塑性樹脂層は熱可塑性樹脂粒子間に保持された空隙を有することで多孔質となっていることを特徴とする記録媒体。
- 前記熱可塑性樹脂粒子が、ラテックス粒子である請求項1に記載の記録媒体。
- 前記ラテックス粒子が、塩化ビニル系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、のいずれかの材料または塩化ビニル−酢酸ビニル系、塩化ビニル−アクリル系、塩化ビニル−塩化ビニリデン系、塩化ビニリデン−アクリル系、SBR系、NBR系の材料及びこれらの2元以上の共重合体の材料から選択されるラテックス粒子である請求項1に記載の記録媒体。
- 前記ラテックスが、最低造膜温度が異なる熱可塑性樹脂の混合物である請求項1に記載の記録媒体。
- 前記ラテックスの最低造膜温度が異なる熱可塑性樹脂の混合比が固形分重量比で、最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂:最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂=10:1〜2:1の範囲にある請求項1に記載の記録媒体。
- 前記ラテックスの最低造膜温度が低い熱可塑性樹脂の平均粒子径が70nm以下であり、最低造膜温度が高い熱可塑性樹脂の平均粒子径が150nm以上である請求項1に記載の記録媒体。
- 前記多孔質熱可塑性樹脂層の膜厚が1〜5μmである請求項1に記載の記録媒体。
- 前記表側の面に設けられたインク受容層の20°光沢率が20%以上である請求項1に記載の記録媒体。
- 請求項1に記載の記録媒体の製造方法であって、
a)基材の表側の面にインク受容層を設ける工程と、
b)該基材の裏側の面にもう一つのインク受容層を設ける工程と、
c)前記裏側のインク受容層上に熱可塑性樹脂粒子を含む塗工液を塗工、乾燥して、熱可塑性樹脂粒子間に空隙を保持した多孔質熱可塑性樹脂層を得る工程と、
d)該基材の表側の面に設けられたインク受容層を湿潤させ、そのインク受容層の表面を加熱された鏡面ドラムに圧着し乾燥処理をする工程と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の記録媒体の製造方法。 - 前記より低温の最低造膜温度を持つ熱可塑性樹脂粒子の最低造膜温度以上、且つより高温の最低造膜温度を持つ熱可塑性樹脂粒子の最低造膜温度未満の温度で加熱処理して多孔質熱可塑性樹脂層を形成する請求項1記載の記録媒体の製造方法。
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