JP2004335702A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】高温における安定性に優れ、かつ、電解液の含浸が短時間で行える、電気二重層キャパシタを提供すること。
【解決手段】ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種類を含み、25℃における粘性係数が、0.1Pa・sの常温溶融塩、または、前記常温溶融塩に有機溶媒を加えることで、25℃における粘性係数を、0.1Pa・s以下に調整した溶液を、電解液として用いる。粘性係数を低くすることで、キャパシタ素子への電解液の含浸時間が短縮し、電気二重層キャパシタの生産性が向上できるとともに、常温溶融塩の低揮発性を利用することで、電気二重層キャパシタの高温安定性を確保できる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気二重層キャパシタに関し、さらに詳しくは高温環境における安定性が高い電気二重層キャパシタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層キャパシタは、電荷を有する固体と、それに接触する電解液の界面に形成される、厚さ数nm程度の電気二重層を、誘電体として利用したものである。電気二重層の容量は、1cmあたり数十μFであるが、表面積が数千mにも及ぶ活性炭を電極として用いることにより、数百〜数千Fの極めて大きな容量を得ることが可能である。
【0003】
そして、電気二重層キャパシタは、下記のような特徴を有し、実用に供されるとともに、さらなる性能向上のための検討がなされている。
(1)充放電サイクルに伴う容量の劣化が少ない。
(2)一般的な電池に比較して、起動後に瞬時に大きな出力を取り出せる。
【0004】
現用の電気二重層キャパシタで、小型のものは、表面に活性炭を主とする分極性電極層を形成した一対の集電体の間に、ポリプロピレン不織布などからなるセパレータを挟んで素子とし、この素子に電解液を含浸させ、金属容器に収容し、キャップとガスケットにより金属容器に密封したコイン型の構造をとっている。
【0005】
この他に、比較的大容量のものとして、シート状の分極性電極、集電体、セパレータを積層して渦巻状に巻き回してキャパシタ素子とし、この素子に電解液を含浸させ、金属容器に収容し、容器の開口部をキャップで密閉して構成した、巻回型の電気二重層キャパシタが製造されている。これらの電気二重層キャパシタは、主にICメモリのバックアップやアクチュエータのバックアップに使用されている。
【0006】
また、最近では、電気自動車の駆動電源用の大容量キャパシタとして、複数のシート状分極性電極と集電体を、セパレータを介して積層して構成される、積層型の電気二重層キャパシタも提案されている。
【0007】
従来の電気二重層キャパシタの電解液には、希硫酸やアルカリ金属塩またはアルカリを含む水溶液系電解液や、第4級アンモニウム塩を、プロピレンカーボネート、アセトニトリルなどの有機溶媒に溶解して得られる、非水溶液系電解液が用いられている。
【0008】
両者の大きな違いは、耐電圧に現れ、水溶液系電解液では単セル当たり0.8〜0.9V、一方非水溶液系電解液では2.3〜3.0Vの耐電圧を有する。電気二重層キャパシタの静電エネルギーは、印加電圧の2乗に比例するため、印加電圧を高くできる非水溶液系電解液を用いたキャパシタの方が、水溶液系電解液を用いたものより多くのエネルギーを蓄えることができる。
【0009】
一方、一般的に塩は固体であり、加熱することで溶融状態となるが、最近では、イオン径を大きくすることで、イオン間の静電相互作用を低下させ、室温付近で液体状態を呈することを可能とした塩が見出され、注目されている。これは、常温で溶融状態となることから、常温溶融塩と呼ばれ、イオン対で構成される液体であることから、イオン性液体とも呼ばれている。
【0010】
常温溶融塩は、一般に200〜300℃に加熱しても安定で、化合物によっては400℃以上の高耐熱性を有している。また、液状でありながら蒸気圧を殆ど持たないことから、揮発量が極めて少ないため、非水溶液系電解液よりも、安定性、殊に高温における安定性が高い電解液として、電気二重層キャパシタへの用途開発が期待できる。
【0011】
しかしながら、従来の常温溶融塩は、非水溶液系電解液と比較して、粘性係数が高い傾向がある。このためキャパシタ素子に常温溶融塩を含浸させようとしても、キャパシタ内部まで常温溶融塩が拡散し難く、キャパシタの容量発現に必要な量の常温溶融塩を含浸できない、もしくは非水溶液系電解液と比べて、多くの含浸時間を要するなどの問題があった。
【0012】
また、特許文献1には、N,N’−ジアルキルイミダゾウリウム塩からなる常温溶融塩を用いた電気二重層キャパシタに関する技術が開示されている。しかしながら、特許文献1には、前記の問題に対処する技術について何ら開示がなく、しかも用いる化合物がN,N’−ジアルキルイミダゾウリウム塩に限定されているものである。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−110472号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、常温溶融塩を含み、キャパシタ素子への含浸が容易な電解液を得ることで、高温での安定性を向上させた電気二重層キャパシタを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電解液に用いられる常温溶融塩の組成などの調整により、粘性係数を低下させることを検討した結果なされたものである。
【0016】
即ち、本発明は、少なくとも一対の分極性電極を、セパレータを介して対向させたキャパシタ素子と、キャパシタ素子に含浸される電解液を有する電気二重層キャパシタにおいて、前記電解液が常温溶融塩または常温溶融塩と有機溶媒の混合物からなり、前記電解液の25℃における粘性係数が、0.1Pa・s以下であることを特徴とする、電気二重層キャパシタである。
【0017】
また、本発明は、前記常温溶融塩が、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする、前記の電気二重層キャパシタである。
【0018】
本発明において、電解液として用いる常温溶融塩は、高い電気伝導率を示し、かつ、低い粘性係数を示すので、キャパシタ素子への含浸を迅速に行うことが可能である。しかも、適宜有機溶媒を加えることで、粘性係数を調整することも可能である。これによって、電気二重層キャパシタの、高温における安定性と、生産性を向上することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明においては、キャパシタ素子への電解液の含浸工程で、電解液温度及び環境温度などは特に限定する必要がなく、室温近傍の任意の温度で含浸することができる。また、25℃における粘性係数が、0.1Pa・s以下の常温溶融塩を電解液として用いれば、室温でも十分にキャパシタ素子内部に含浸が行えるが、電解液温度および環境温度を室温以上に設定すれば、常温溶融塩の粘性係数はさらに低下するため、より一層含浸時間を短縮させることが可能となる。
【0020】
常温溶融塩は、一般に蒸気圧を殆ど持たないことから、揮発が極めて少ないため、200〜300℃に加熱しても安定である。ただし、あまり温度を上げ過ぎると、キャパシタ素子の、分極性電極やセパレータなどの構成部材の劣化が生じやすくなるため、これら構成部材の劣化や変性が起きない温度に設定するのが好ましい。
【0021】
本発明において、常温溶融塩としては、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム類から選ばれる、少なくとも1種類から構成されることが好ましい。
【0022】
常温溶融塩を構成するカチオンの具合例として、プロピルピリジニウムイオン、イソプロピルピリジニウムイオン、ブチルピリジニウムイオンなどのピリジニウム類、ジメチルイミダゾリウムイオン、エチルメチルミダゾリウムイオン、ジエチルイミダゾリウムイオンなどのイミダゾリウム類、ヘキシルトリメチルアンモニウムイオンなどのアンモニウム類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
一方、常温溶融塩を構成するアニオンには、四フッ化ホウ酸イオン(BF )、六フッ化リン酸イオン(PF )、塩素イオン(Cl)、三フッ化メタンスルホン酸イオン(CFSO )、六フッ化ヒ素イオン(AsF )、ビストリフルオロメチルスルフォニルイミドイオン(N(SOCF )、硝酸イオン(NO )、過塩素酸イオン(ClO )、臭素イオン(Br)、及びヨウ素イオン(I)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
また、25℃における粘性係数が、0.1Pa・s以下である常温溶融塩と、有機溶媒の混合物を電解液とした場合も上記と同様であり、電解液温度および環境温度を上げれば電解液の粘性係数が低下し、より迅速に含浸を行うことができる。ただし、設定温度は構成部材に加え、有機溶媒の物性を考慮して、有機溶媒の蒸発や構成部材の劣化が起きない温度以下にするのが好ましい。
【0025】
本発明の常温溶融塩とともに用いられる有機溶媒も限定されるものではなく、前記常温溶融塩を溶解または分散するもので、電気二重層キャパシタの電解液の溶媒として使用されている有機溶媒などが使用できる。例としては、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどのカーボネート類、γ−ブチルラクトンなどの環状エステル、スルホラン、メチルスルホランなどのスルホラン類、アセトニトリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上の混合溶媒として用いてもよい。
【0026】
本発明の電気二重層キャパシタに使用される分極性電極は、炭素材料を主成分とするものであり、炭素材料としては、比表面積700〜3000m/gの活性炭粉末、カーボンブラック、ポリアセンなどが挙げられるが、特に活性炭粉末を使用するのが好ましい。ただし、活性炭粉末だけでは導電性が低いため、高導電性カーボンブラックを5〜30重量%程度添加するのが好ましい。
【0027】
また、炭素材料を主成分とする分極性電極は、その形状、強度を保つため、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのバインダを含むことが好ましい。バインダの添加量は炭素材料の種類や、粒径によっても異なるが、添加量が多過ぎると、炭素材料の比率の減少に伴い、静電容量が減少し、添加量が少な過ぎると、分極性電極として必要な強度の確保が困難になるため、分極性電極は、3〜20重量%のバインダを含んで形成されるのが好ましい。
【0028】
本発明における分極性電極は、例えば活性炭と、カーボンブラックと、ポリテトラフルオロエチレンと、液状潤滑剤との混合物を混練した後、圧延してシート状に成形し、導電性接着剤を介して集電体と接合し、次いで加熱乾燥することで一体化させたもの、あるいは電極シートと集電体とを重ね合わせて圧延することで、互いに圧着させたものである。分極性電極は集電体の片面に接合してもよいし、両面に接合してもよい。
【0029】
また、分極性電極は、メチルセルロースやポリフッ化ビニリデンなどのバインダを溶媒に溶解した溶液に、活性炭とカーボンブラックを分散させたスラリーを、集電体の片面あるいは両面に塗工する方法、または活性炭とフェノール樹脂などのバインダを混合、成形した後、不活性雰囲気下で焼結する方法で製作してもよい。
【0030】
集電体は、導電性に優れ、かつ電気化学的に耐久性のある材料が好ましく、アルミニウムやチタンなどのバルブ金属、ステンレス鋼、金や白金などの貴金属、黒鉛などの炭素材料や、導電材を混入させた導電性ゴムなどが挙げられる。特に軽量で導電性に優れ、電気化学的に安定なことから、アルミニウムが好ましい。
【0031】
セパレータは、紙、セルロース繊維の不織布、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどの高分子材料からなる多孔質シートや、ガラス繊維の不職布などによって構成されたものが好ましい。
【0032】
【実施例】
以下に、具体的な実施例を挙げて、本発明について説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
【0033】
(実施例1)
ここでは、巻回型の電気二重層キャパシタに応用した例について説明する。図1は、本発明の実施例に係る、巻回型の電気二重層キャパシタの一部を破断した斜視図である。図1において、1は正極側の分極性電極、2は正極側の集電体、3はセパレータ、4は負極側の分極性電極、5は負極側の集電体、6は正極側の端子、7は負極側の端子、8は容器、9はゴムキャップである。
【0034】
次に、図1に示した巻回型の電気二重層キャパシタの製造方法について説明する。まず、比表面積が1500m/gの椰子殻系活性炭と、カーボンブラックと、ポリテトラフルオロエチレン粉末を、重量比で8:1:1となるように秤量した混合物に、エタノールを添加して混練し、シート状に成形して乾燥し、厚み0.15mmの、分極性電極1、4のシートを得た。
【0035】
この分極性電極1、4のシートを、電解エッチングしたアルミニウム箔からなる集電体2、5の片面に、導電性接着剤を介して接合した後、これをプレスして熱処理した。次いでこれらの分極性電極1、4に正負極側の端子6、7をカシメにより接合して取り付けた。
【0036】
これらのシートを、セパレータ3を介して、正負極の分極性電極1、4が対向するように配置し、かつその一方の露出面にセパレータを配置して渦巻き状に巻回して直径8.5mmのキャパシタ素子を作製した。キャパシタ素子は150℃で24時間減圧乾燥を行い、直径10mmの円筒形の容器8に収納した。
【0037】
この後、25℃における粘度が0.069Pa・sの常温溶融塩である、四フッ化ホウ酸プロピルピリジニウムを電解液として滴下し、5分間減圧して含浸を行い、次いでゴムキャップ9を用いて封口し、巻回型の電気二重層キャパシタを製作した
【0038】
(実施例2)
25℃における粘性係数が、0.056Pa・sの常温溶融塩である、六フッ化リン酸メチルイミダゾリウムを電解液として用いた他は、実施例1と同様にして、巻回型の電気二重層キャパシタを製作した。
【0039】
(実施例3)
25℃における粘性係数が、0.063Pa・sの常温溶融塩である、四フッ化ホウ酸メチルイミダゾリウムを電解液として用いた他は、実施例1と同様にして、巻回型の電気二重層キャパシタを製作した。
【0040】
(実施例4)
常温溶融塩である、四フッ化ホウ酸プロピルピリジニウムと、プロピレンカーボネートを、体積比で9:1となるように計量して混合し、25℃における粘性係数を0.057Pa・sに調整した。これを電解液として用いた他は、実施例1と同様にして、巻回型の電気二重層キャパシタを製作した。
【0041】
(実施例5)
常温溶融塩である、四フッ化ホウ酸プロピルピリジニウムと、プロピレンカーボネートを、体積比で8:2となるように計量して混合し、25℃における粘性係数を0.043Pa・sに調整した。これを電解液として用いた他は、実施例1と同様にして、巻回型の電気二重層キャパシタを製作した。
【0042】
(実施例6)
常温溶融塩である、ビストリフルオロメチルスルフォニルイミドヘキシルトリメチルアンモニウムと、プロピレンカーボネートを、体積比で5:5となるように計量して混合し、25℃における粘性係数を0.075Pa・sに調整した。これを電解液として用いた他は、実施例1と同様にして、巻回型の電気二重層キャパシタを製作した。
【0043】
(実施例7)
常温溶融塩である、ビストリフルオロメチルスルフォニルイミドヘキシルトリメチルアンモニウムと、プロピレンカーボネートを、体積比で6:4となるように計量して混合し、25℃における粘性係数を0.095Pa・sに調整した。これを電解液として用いた他は、実施例1と同様にして、巻回型の電気二重層キャパシタを製作した。
【0044】
次に、比較に供するために、25℃における粘性係数が、0.1Pa・sを超える常温溶融塩、または常温溶融塩と有機溶媒からなる溶液を、電解液として用いた場合について説明する。
【0045】
(比較例1)
電解液として、25℃における粘性係数が、0.134Pa・sの常温溶融塩である、四フッ化ホウ酸ブチルピリジニウムを用いた他は、実施例と同様にして、巻回型の電気二重層キャパシタを製作した。
【0046】
(比較例2)
電解液として、25℃における粘性係数が、0.108Pa・sの常温溶融塩である、六フッ化リン酸エチルイミダゾリウムを用いた他は、実施例と同様にして、巻回型の電気二重層キャパシタを製作した。
【0047】
(比較例3)
常温溶融塩である、ビストリフルオロメチルスルフォニルイミドヘキシルトリメチルアンモニウムと、プロピレンカーボネートを、体積比で7:3となるように計量して混合し、25℃における粘性係数を0.127Pa・sに調整した。これを電解液として用いた他は、実施例1と同様にして、巻回型の電気二重層キャパシタを製作した。
【0048】
(比較例4)
常温溶融塩である、ビストリフルオロメチルスルフォニルイミドヘキシルトリメチルアンモニウムと、プロピレンカーボネートを、体積比で8:2となるように計量して混合し、25℃における粘性係数を0.181Pa・sに調整した。これを電解液として用いた他は、実施例1と同様にして、巻回型の電気二重層キャパシタを製作した。
【0049】
(比較例5)
常温溶融塩である、ビストリフルオロメチルスルフォニルイミドヘキシルトリメチルアンモニウムに溶媒を加えないで、25℃における粘性係数を測定したところ、0.246Pa・sであった。これをそのまま電解液として用い、実施例1と同様にして、巻回型の電気二重層キャパシタを製作した。
【0050】
前記の実施例、比較例の巻回型電気二重層キャパシタについて、キャパシタ特性として、等価直列抵抗(以下、ESRと記す)と静電容量を測定した。また、これらの電気二重層キャパシタに、70℃、2.5V、2時間という条件で電圧を印加してエージングを施し、再度キャパシタ特性を測定した。表1は、実施例及び比較例についての、キャパシタ特性の測定結果をまとめて示したものである。
【0051】
【表1】
Figure 2004335702
【0052】
表1より明らかなように、25℃における粘性係数が、0.1Pa・s以下の常温溶融塩を用いた、本発明の実施例1、実施例2、実施例3は、エージング処理を行っても、キャパシタ特性には、変化が見られなかった。一方、25℃における粘性係数が、0.1Pa・sを超える常温溶融塩を用いた比較例1、及び比較例2では、エージング処理を行うことで、キャパシタ特性が著しく劣化していることがわかる。
【0053】
これはキャパシタ素子の分極性電極に、電解液の含浸が不十分な部分が存在しているためと推察される。つまり、エージング処理によって、セパレータに含まれた電解液が、分極性電極の未含浸部分に再含浸されることで、セパレータ単位体積あたりに含まれる電解液量が少なくなるため、キャパシタの内部抵抗の増加を引き起こし、結果としてキャパシタ特性の劣化が生じたと推察される。
【0054】
また、実施例1の常温溶融塩に、有機溶媒を添加して電解液の粘性係数を低下させた、実施例4、実施例5では、若干ながらキャパシタ特性が向上している。これは有機溶媒の添加によって電解液の粘度が低下したため、分極性電極への電解液の含浸量が、より多くなったためと考えられる。
【0055】
さらに、実施例6、実施例7の結果から明らかなように、従来は粘性係数が高過ぎて使用することができなかった、比較例5に用いた常温溶融塩である、ビストリフルオロメチルスルフォニルイミドヘキシルトリメチルアンモニウムに、有機溶媒を添加することで、粘性係数を0.1Pa・s以下に調整して電解液として用いた場合でも、エージング処理を施した後の、キャパシタ特性には、顕著な変化が見られず、上記と同様の効果が得られることがわかった。
【0056】
しかしながら、25℃における電解液の粘性係数が、0.1Pa・sを超える、比較例1、比較例2、比較例3では、エージング処理を施すことで、キャパシタ特性が著しく劣化しており、電解液の含浸が不十分であることがわかる。
【0057】
また、前記実施例においては、巻回型の電気二重層キャパシタを例に挙げて説明したが、この形状に限定されるものではなく、コイン型、角形、積層型の電気二重層キャパシタに使用しても、同様の効果が得られることが期待できる。
【0058】
さらに、前記実施例においては、単一の化合物からなる常温溶融塩を、電解液として用いた場合についてのみ説明したが、粘性係数が、0.1Pa・s以下であれば、複数の化合物を混合して用いても、同様の効果が期待できることは勿論である。
【0059】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、25℃における粘性係数が、0.1Pa・s以下の常温溶融塩、あるいは常温溶融塩に有機溶媒を加えることで、粘性係数を0.1Pa・s以下に調整した混合物を、電解液として用いることで、高温での安定性が向上し、かつ、含浸時間を短縮し得る電気二重層キャパシタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】巻回型の電気二重層キャパシタの一部を破断した斜視図。
【符号の説明】
1 (正極側の)分極性電極
2 (正極側の)集電体
3 セパレータ
4 (負極側の)分極性電極
5 (負極側の)集電体
6 正極側の端子
7 負極側の端子
8 容器
9 ゴムキャップ

Claims (2)

  1. 少なくとも一対の分極性電極を、セパレータを介して対向させたキャパシタ素子と、キャパシタ素子に含浸される電解液を有する電気二重層キャパシタにおいて、前記電解液が常温溶融塩または常温溶融塩と有機溶媒の混合物からなり、前記電解液の25℃における粘性係数が、0.1Pa・s以下であることを特徴とする、電気二重層キャパシタ。
  2. 前記常温溶融塩は、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする、請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。
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