JP2004335630A - 固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】弁作用金属粉末と固形水溶性バインダーと有機溶剤可溶性バインダーとを有機溶剤中で混合して造粒した後、該造粒物に陽極リードを植立して、成形体を形成することで、固形バインダーを均一に分散する工程と、該成形体から有機溶剤浸漬、温純水浸漬の2段階の溶解洗浄によりバインダーを除去することで焼結体6中の残留カーボン濃度を低減する工程とを有し、
上記の水溶性バインダーにポリビニルアルコールを、有機溶剤可溶性バインダーに樟脳、安息香酸、ポリビニルブチラールを、有機溶剤にエタノール、アセトン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブを用いることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法に関するものであり、特に弁作用金属の焼結体からなる陽極体に誘電体皮膜、固体電解質層、および陰極引出層を形成した構造の固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の固体電解コンデンサ陽極体は、弁作用金属粉末3と有機溶剤可溶性バインダー4とを混合することにより、弁作用金属粉末3の造粒を行い、これを圧縮成型により成形し(図2)、この成形体1に陽極リード2を植立したものを高温・真空焼結することにより得られる(図4)。
【0003】
上記の製造方法では弁作用金属粉末3を造粒することで、弁作用金属粉末の流れ性・成形性を高めているため、バインダーはすべて液状である。
すなわち、流動式造粒機を用いるタンタル粉末の造粒において、水またはリン酸のような液状の無機バインダーをスプレーして一次造粒を行い、ついでポリビニルアルコール水溶液等の液状の有機バインダーをスプレーして最終造粒する方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、液状バインダー混合後の弁作用金属造粒粉の流れ性をさらに良好にするため、20〜400μmの範囲に整粒する技術も使用されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、液状または霧状バインダーで造粒した弁作用金属粉末3をそのまま使用すると、焼結後の陽極体において弁作用金属粉末間が密に接し合っているため、固体電解質形成の工程において陽極体内へ固体電解質母液(例えば、硝酸マンガン溶液)が含浸するパスが狭くなり、tanδ値、ESR値が増大するという問題があり、その対策として図2のように、液状バインダー4混合後の造粒粉末にさらに固形のバインダー5をそのまま混合し、該パスを拡大する技術が用いられている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
また、一般に成形体1から上記バインダーを除去する方法としては高温・真空での熱分解・飛散が用いられる。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−65502号公報
【特許文献2】
特開平4−136102号公報
【特許文献3】
特許第2921464号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、液状バインダー4で一旦造粒し、その後固形バインダー5を混合した場合、混合直後には弁作用金属粉末3と固形バインダー5がある程度均一に分散しているが、実際に圧縮成型により成形し、焼結すると、焼結体6内部に空孔7のバラツキ(偏り)を生じ、固体電解コンデンサのtanδ値、ESR値にバラツキが発生する問題があった(図4)。
これは、固形バインダー5が弁作用金属粉末3に対し比重が極端に小さく、両者の混合粉末を成形金型に導入すると、固形バインダー5は上方向に、弁作用金属粉末3は下方向に偏り、不均一な分散状態になる(図2)ことによるものである。
【0008】
また、陽極リード2の植立が上方向の場合、陽極リード2接続部近傍に空孔7が集中するため、接続部の機械的強度が低下し、固体電解コンデンサの漏れ電流特性悪化を招くという問題があった。
さらに、成形体1から上記2種のバインダーを除去する方法として高温・高真空での熱分解・飛散を用いると、焼結体にバインダーの分解により発生するカーボンが残留し易く、固体電解コンデンサの漏れ電流特性の悪化を招くという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の問題を解決するもので、tanδ、ESRのバラツキが小さく、漏れ電流特性を改善した固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法を提供するものである。
【0010】
すなわち、弁作用金属粉末3と固形水溶性バインダー5と有機溶剤可溶性バインダー4とを有機溶剤中で混合して、造粒した後、該造粒物に陽極リード2を植立して、成形体1を形成する工程と、
該成形体1内のバインダーを洗浄除去する工程と、
高温・真空中で焼結する工程とを有することを特徴とする固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法である。
【0011】
また、上記の固形水溶性バインダー5がポリビニルアルコールであることを特徴とする固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法である。
【0012】
さらに、上記の有機溶剤可溶性バインダー4が樟脳、安息香酸、ポリビニルブチラールであることを特徴とする固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法である。
【0013】
そして、上記の有機溶剤がエタノール、アセトン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブのいずれかであることを特徴とする固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法である。
【0014】
また、上記の固形水溶性バインダーと有機溶剤可溶性バインダーとを洗浄除去する工程が有機溶剤浸漬、温純水浸漬の2段階からなることを特徴とする固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法である。
【0015】
さらに、上記の固形水溶性バインダー5の平均粒径が200μm以下であることを特徴とする固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法である。
【0016】
そして、上記のの固形水溶性バインダー5が弁作用金属重量に対して0.1〜30.0wt%の範囲にあることを特徴とする固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法である。
【0017】
また、上記の有機溶剤可溶性バインダー4が弁作用金属重量に対して0.1〜30.0wt%の範囲にあることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
弁作用金属粉末3と有機溶剤に溶解しない固形水溶性バインダー5と有機溶剤可溶性バインダー4とを有機溶剤中で混合して、造粒した後、陽極リード2を植立して成形体1を形成する工程と、該成形体1内のバインダーを洗浄除去する工程と、高温・真空中で焼結する工程とにより、固体電解コンデンサ陽極体を製造する。
上記の工程を経ることにより、造粒後の粉末は固形水溶性バインダー5が液状バインダー4によって弁作用金属粉末3に均一に固定された状態となるため(図1)、圧縮成型により成形し、焼結すると、焼結体6内部に偏りのない均一な空孔7(固体電解質母液が含浸するパス)が形成され(図3)、固体電解コンデンサのtanδ値、ESR値のバラツキが低減する。
【0019】
また、陽極リード2の植立が上方向であっても、陽極リード2接続部近傍に空孔7が集中することがないため、接続部の機械的強度が低下することがなく、固体電解コンデンサの漏れ電流特性が改善され、はんだ耐熱性試験、長期の信頼性試験においても良好な漏れ電流特性を示す。
【0020】
また、バインダー除去方法として有機溶剤浸漬、温水浸漬からなる2段階の溶解洗浄を適用することにより、残留バインダー量を低減し、焼結体中の残留カーボン量を低減することができるため、固体電解コンデンサの漏れ電流特性がさらに改善され、はんだ耐熱性試験、長期の信頼性試験においても良好な漏れ電流特性を示す。
【0021】
【実施例】
次に、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0022】
[実施例1]
本発明による固体電解コンデンサ陽極体を以下のようにして作製した。まず、1〜400μm程度の粒度分布を有する、弁作用金属であるタンタル粉末3と、固形水溶性バインダー5として、弁作用金属重量に対して5.0wt%で、平均粒径50μmのポリビニルアルコールとを、弁作用金属重量に対して5.0wt%のポリビニルブチラール(有機溶剤可溶性バインダー4)をエタノールで溶解させた溶液中で混合して造粒粉末を得た。
【0023】
次に、上記造粒粉末を用い、陽極リード2を植立し、加圧成形して図1に示す成形体1を形成した。
【0024】
そして、成形体1をエタノール溶液中に4時間浸漬し、有機溶剤可溶性バインダー4のポリビニルブチラールを洗浄除去した。ついで、85℃の温純水中に2時間浸漬し、固形水溶性バインダー5のポリビニルアルコールを洗浄除去した後、85℃空気中で3時間乾燥した。
【0025】
その後、高温・真空雰囲気中で焼結し、図3に示すタンタル焼結体6を得た。
さらに、この焼結体6をリン酸溶液中で化成して酸化タンタル皮膜を形成し、その上に固体電解質層としての二酸化マンガン層、陰極引出層としてのカーボン層および銀ペースト層を順次形成して、タンタル固体電解コンデンサ素子を作製した。このコンデンサ素子の陽極リード2を溶接により陽極端子に接続するとともに、陰極層を導電性塗料により陰極端子に接続した後、外装樹脂を施してチップ状固体電解コンデンサを作製した。
【0026】
[従来例1]
実施例1と同様に、1〜400μm程度の粒度分布を有するタンタル粉末3に、該粉末3重量に対して5.0wt%のポリビニルブチラールを含む液状バインダー4を混合し、造粒粉末を得た。ついで、固形バインダー5としてタンタル粉末重量に対して5.0wt%で平均粒径50μmのポリビニルアルコールを該造粒粉末と混合した。
【0027】
次に、上記混合タンタル粉末を使用し、実施例1と同様に陽極リード2を植立し、加圧成形して図2に示す成形体1を作製した。
【0028】
その後、数百℃の高温・高真空雰囲気中で成形体1中の2種のバインダーを熱分解し、飛散させた後、焼結し、図4に示すタンタル焼結体6を得た。その後、実施例1と同様に、この焼結体6をリン酸溶液中で化成して酸化タンタル皮膜を形成し、その上に固体電解質層としての二酸化マンガン層、陰極引出層としてのカーボン層および銀ペースト層を順次形成して、タンタル固体電解コンデンサ素子を作製した。このコンデンサ素子の陽極リード2を溶接により陽極端子に接続するとともに、陰極層を導電性塗料により陰極端子に接続した後、外装樹脂を施すことによりチップ状固体電解コンデンサを作製した。
【0029】
図1は実施例1、また、図2は従来例1におけるタンタル成形体1(タンタル造粒粉末の加圧成形後、バインダー除去前)の切断面の観察結果を模式的に表現した図である。図2の従来例1では固形バインダー5が上方向に偏った状態でタンタル成形体1を形成しているのに対し、図1の実施例1では固形バインダー5が均一に分散した状態でタンタル成形体1を形成している。これは、実施例1では、固形バインダー5が液状バインダー4によりタンタル粉末3粒子のほぼ全部に固定されたことで、混合成形粉末の比重差が小さくなり、均一な分散状態が維持されたためと考えられる。
【0030】
図3は実施例1、また、図4は従来例1におけるタンタル焼結体6(酸化タンタル皮膜形成前)の切断面の観察結果を模式的に表現した図である。図4の従来例1では空孔7が上方向に偏った状態のタンタル焼結体6を形成しているのに対し、図3の実施例1では空孔7が全体に均一に分散した状態のタンタル焼結体6を形成している。これは、上記した固形バインダー5の分散状態が、バインダー除去後そのままの形で空孔7になったためである。
【0031】
図5は、実施例1と従来例1による、チップ状固体電解コンデンサの120Hzでのtanδ値を比較した結果であり、実施例1は従来例1よりレベル、バラツキとも良好な結果を示している。
また、図6は、100kHzでのESR値を比較した結果であり、実施例1は従来例1よりレベル、バラツキとも良好な結果を示している。これは、タンタル焼結体6の空孔7が均一になり、バラツキが低減したことによるものと考えられる。
【0032】
図7は、漏れ電流値(定格電圧印加、1分値)を比較した結果であり、実施例1は従来例1よりレベル、バラツキとも良好な結果を示した。実施例1では、陽極リード2の植立が上方向であっても、陽極リード2接続部近傍に空孔7が集中することがなく、接続部の機械的ストレスに対する強度が低下しないため、漏れ電流特性が改善されたと考えられる。
【0033】
図8は、はんだ耐熱性試験(260℃、10秒エアーリフロー×3回)における漏れ電流値の変化を比較した結果であり、実施例1は従来例1より良好な結果を示した。
さらに、図9は、高温負荷試験(125℃、定格電圧印加)における漏れ電流値の変化を比較した結果であり、実施例1は従来例1より良好な結果を示した。これは、上記した陽極リード2接続部の機械的強度の向上が熱的ストレスに対しても効果があり、また、その効果が長時間にわたって持続したことによるものと考えられる。
【0034】
〔その他の実施例〕
次に、表1に示すように、水溶性バインダー5(ポリビニルアルコール)の混合量を弁作用金属重量に対して0.05〜40.0wt%の範囲とし、平均粒径を50μmと300μm、また有機溶剤可溶性バインダー4(ポリビニルブチラール)の添加量を弁作用金属重量に対して0.05〜40.0wt%の範囲とし、その他は上記の実施例1と同様の仕様で表1に示す、実施例2〜12のチップ状固体電解コンデンサを構成した。
【0035】
【表1】
【0036】
図10は、水溶性バインダー5の混合量、粒径、有機溶剤可溶性バインダー4の混合量の条件を変えたときの電気特性調査結果であり、実施例1の水溶性バインダー5として使用する固形バインダーは平均粒径が200μmを超えると、加圧後の成形体1の機械的強度が極端に弱くなり、固体電解コンデンサの漏れ電流特性が悪化するため、平均粒径は200μm以下が望ましい。
【0037】
ここで、実施例1の水溶性バインダー5として使用する固形バインダーの混合量は弁作用金属重量に対して0.1wt%未満では、焼結後の陽極体に形成される空孔7が小さくなり、tanδ特性、ESR特性の改善効果が少ない。また、30wt%を超えると、加圧後の成形体1の機械的強度が著しく低下し、固体電解コンデンサの漏れ電流特性が悪化するため、水溶性バインダー5の添加量は弁作用金属重量比で0.1〜30wt%の範囲が望ましい。
【0038】
さらに、実施例1の有機溶剤可溶性バインダー4として使用する液状バインダーの混合量は弁作用金属重量に対して0.1wt%未満であると、弁作用金属粉末3の造粒効果が小さく、粉末の流れ性が悪化する。また、添加量が弁作用金属重量比で30wt%を超えると、加圧後の成形体1の機械的強度が低下し、チップ状固体電解コンデンサ構築後の漏れ電流特性が悪化するため、有機溶剤可溶性バインダー4の添加量は0.1〜30wt%の範囲が望ましい。
【0039】
本発明における水溶性バインダー5は固形のままバインダーとして用いるため、一般の有機溶剤に不溶な材料でないと、焼結後の陽極体の空孔7(固体電解質母液を含浸するパス)が小さくなり、tanδ特性、ESR特性の改善効果が得られない。そのため、水溶性バインダー5は一般の有機溶剤に不溶なポリビニルアルコール等が望ましい。
【0040】
本発明の有機溶剤可溶性バインダー4として、ここではポリビニルブチラールを使用したが、樟脳、安息香酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアセタール、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ホルマール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、エーテル系樹脂、シリコン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、セルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、天然樹脂、フェノール樹脂等公知の有機溶剤に可能なバインダーのうち、少なくとも1種類を使用すればよく、好ましくは、樟脳、安息香酸、ポリビニルブチラールである。
【0041】
本発明の有機溶剤可溶性バインダー4を溶解し、液状のバインダーとして使用する際の有機溶剤として、実施例ではエタノールを使用したが、上記の有機溶剤可溶性バインダー4を溶解することが可能な、アセトン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、シクロヘキサノン、アニソール、O−キシレン、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、ベンゼン、1,1,1−トリクロロエタン、グリセリン、フェノール、トルエン、メタノール、イソプロピルアルコール等公知の有機溶剤のうち、少なくとも1種類を使用することにより実施例と同様の効果を得ることができる。
【0042】
本発明の2種のバインダーを洗浄除去する工程のうち有機溶剤浸漬からなる1段階目の洗浄として、ここではエタノールを使用したが、上記の有機溶剤可溶性バインダー4を溶解することが可能な、アセトン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、シクロヘキサノン、アニソール、O−キシレン、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、ベンゼン、1,1,1−トリクロロエタン、グリセリン、フェノール、トルエン、メタノール、イソプロピルアルコール等公知の有機溶剤のうち、少なくとも1種類を使用することにより実施例と同様の効果を得ることができる。
【0043】
また、本発明の2種のバインダーを洗浄除去する工程のうち温純水浸漬からなる2段階目の溶解洗浄は50〜90℃の範囲で高温ほど洗浄効果が大きいが、85℃より高温では水の沸騰により液温管理が困難なため、85℃が望ましい。
【0044】
本発明の弁作用金属粉末3として、ここではタンタルを使用したが、ニオブ、アルミニウム、チタン等を使用しても同様の効果が得られる。
【0045】
本発明の固体電解質として、ここでは二酸化マンガンを使用したが、ポリチオフェン、ポリピロールまたはポリアニリン等の導電性高分子等公知のものが使用できる。
【0046】
【発明の効果】
上記の構成により、tanδ特性、ESR特性、漏れ電流特性において、レベル/バラツキともに低く、かつ、はんだ耐熱性試験/信頼性試験において漏れ電流値が安定した固体電解コンデンサ用陽極体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるタンタル成形体の模式断面図である。
【図2】従来例によるタンタル成形体の模式断面図である。
【図3】本発明の実施例1によるタンタル焼結体の模式断面図である。
【図4】従来例によるタンタル焼結体の模式断面図である。
【図5】本発明の実施例1と従来例1による固体電解コンデンサのtanδ値の比較図である。
【図6】本発明の実施例1と従来例1による固体電解コンデンサのESR値の比較図である。
【図7】本発明の実施例1と従来例1による固体電解コンデンサの漏れ電流値の比較図である。
【図8】本発明の実施例1と従来例1による固体電解コンデンサのはんだ耐熱性試験前後の漏れ電流値の比較図である。
【図9】本発明の実施例1と従来例1による固体電解コンデンサの高温負荷試験の比較図である。
【図10】本発明の実施例における水溶性バインダーの混合量、粒径、有機溶剤可溶性バインダーの混合量の条件を変えたときの固体電解コンデンサの電気特性比較図である。
【符号の説明】
1 成形体
2 陽極リード
3 弁作用金属粉末
4 有機溶剤可溶性バインダー(液状バインダー)
5 水溶性バインダー(固形バインダー)
6 焼結体
7 空孔
Claims (8)
- 弁作用金属粉末と固形水溶性バインダーと有機溶剤可溶性バインダーとを有機溶剤中で混合して造粒した後、該造粒物に陽極リードを植立して、成形体を形成する工程と、
該成形体内のバインダーを洗浄除去する工程と、
高温・真空中で焼結する工程とを有することを特徴とする固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法。 - 請求項1記載の固形水溶性バインダーがポリビニルアルコールであることを特徴とする固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法。
- 請求項1記載の有機溶剤可溶性バインダーが樟脳、安息香酸、ポリビニルブチラールであることを特徴とする固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法。
- 請求項1記載の有機溶剤がエタノール、アセトン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブのいずれかであることを特徴とする固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法。
- 請求項1記載の固形水溶性バインダーと有機溶剤可溶性バインダーとを洗浄除去する工程が、有機溶剤浸漬、温純水浸漬の2段階からなることを特徴とする固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法。
- 請求項1記載の固形水溶性バインダーの平均粒径が200μm以下であることを特徴とする固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法。
- 請求項1記載の固形水溶性バインダーが弁作用金属重量に対して0.1〜30.0wt%の範囲にあることを特徴とする固体電解コンデンサ陽極体およびその製造方法。
- 請求項1記載の有機溶剤可溶性バインダーが弁作用金属重量に対して0.1〜30.0wt%の範囲にあることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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