JP2004335499A - 熱電材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】比抵抗(ρ)のばらつきが小さく、歩留まりが高い熱電材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成の原料をインゴットにする。このインゴットをボールミル等により粉砕して粉末形状にし、分級して粒度を整える。適度な粒度範囲の粉末を角柱状の型内に積層しながら挿入し、加熱した熱間で側面を拘束した状態で軸方向に圧力を印加してホットプレスして仮焼結体にする。金型13内に仮焼結体12aを配置し、Ar等の不活性ガス中で、金型13を加熱し、上部金型13aを下方向に移動させることにより、仮焼結体12aを押圧して熱電材料12にする。このとき、下部金型13bの上面の摩擦係数を、上部金型13aの下面より低くする。
【選択図】 図5
【解決手段】Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成の原料をインゴットにする。このインゴットをボールミル等により粉砕して粉末形状にし、分級して粒度を整える。適度な粒度範囲の粉末を角柱状の型内に積層しながら挿入し、加熱した熱間で側面を拘束した状態で軸方向に圧力を印加してホットプレスして仮焼結体にする。金型13内に仮焼結体12aを配置し、Ar等の不活性ガス中で、金型13を加熱し、上部金型13aを下方向に移動させることにより、仮焼結体12aを押圧して熱電材料12にする。このとき、下部金型13bの上面の摩擦係数を、上部金型13aの下面より低くする。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペルチェ効果を利用したペルチェモジュールに使用される熱電材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペルチェ効果を利用した熱電モジュールは、無音及び無振動で動作し、メンテナンスが不要であることから、小型冷蔵庫及び半導体装置内部の温度調整器等の様々な分野への適用が検討されている。熱電材料の特性は、そのゼーベック係数をα(μ・V/K)、比抵抗をρ(Ω・m)、熱伝導率をκ(W/m・K)としたとき、下記数式1に示す熱電性能係数Zによって評価することができる。
【0003】
【数1】
Z=α2/(ρ×κ)
【0004】
前記数式1に示すように、熱電性能指数(Z)が高い材料を得るためには、熱伝導率(κ)及び比抵抗(ρ)が低い材料が好ましい。また、ペルチェモジュールの製品性能を均一化するためには、比抵抗(ρ)のばらつきが少ない熱電材料を使用することが望ましい。比抵抗(ρ)のばらつきを少なくするためには、熱電材料の製造工程において、各結晶に配向性を均等に付与することが重要である。
【0005】
従来、熱電材料の結晶に配向性を付与するためには、すえこみ鍛造法等の塑性加工が使用されている(例えば、特許文献1参照)。図16は、従来の熱電材料の製造方法を示すフローチャートである。図16に示すように、従来の熱電材料の製造方法は、先ず、原料を所定量秤量した後、溶融、混合、凝固させてインゴットにする。このインゴットをボールミル等で粉砕した後、篩いにかけて分級する。その後、必要に応じて水素還元等の脱酸素処理を行う。次に、この粉末を不活性ガス中でホットプレスすることにより焼結インゴットにする。この焼結インゴットを不活性ガス中で熱間すえこみ鍛造した後、更に不活性ガス中で熱処理を行うことにより熱電材料を製造している。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−178219号公報 (第5−11頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来の熱電材料の製造方法により製造された熱電材料は端部の特性が低いという問題がある。このため、従来の熱電材料は、熱電素子に加工する際に、その特性が低い部分を取り除かなければならないため、収率(歩留まり)が低い。
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、比抵抗(ρ)のばらつきが小さく、歩留まりが高い熱電材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願第1発明に係る熱電材料の製造方法は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる材料を、対向する1対の金型を使用して加熱条件下で押圧することにより鍛造加工する工程を有する熱電材料の製造方法において、一方の金型における前記材料と接する面が他方の金型における前記材料と接する面より摩擦係数が低くなるようにして、前記一方の金型を固定し、前記他方の金型を移動させることにより前記材料を押圧することを特徴とする熱電材料の製造方法。
【0010】
本発明者等は、従来の熱電材料の端部における特性の低下の原因について鋭意実験研究した結果、端部における特性の低下は、対向する1対の金型で材料を挟んで前記材料を押圧するような塑性加工を行った場合、固定されている金型における前記材料と接する面の摩擦抵抗(流動摩擦係数)が、移動させる金型における前記材料と接する面の摩擦抵抗より高いため、材料の流速が均一にならないことが原因であるということを見出した。図17(a)乃至(c)は、従来の塑性加工の一例である熱間すえこみ鍛造工程をその工程順に示す断面図であり、図17(d)は(b)における材料の流動状態を示す模式図であり、図17(e)は(c)における材料の流動状態を示す模式図である。図17(a)に示すように、従来の熱間すえこみ鍛造は、先ず、金型104に焼結インゴット101aを配置する。次に、図17(b)及び(d)に示すように、焼結インゴット101aを上から押圧する。このとき、上部金型104aの下面と焼結インゴット101aとの摩擦抵抗が、下部金型104bの上面と焼結インゴット101aとの摩擦抵抗より低いため、焼結インゴット101aの下部より焼結インゴット101aの上部の方が流速が速くなり、金型104の下端部に空隙102が生じる。そして、更に加圧すると、図17(c)及び(e)に示すように、その空隙102を充填するために材料の流動方向103が斜めになる。その結果、製造された熱電材料101中の結晶の配向性が乱れて、材料端部の特性が低下する。そこで、本発明においては、材料から押圧される面の前記材料に対する摩擦係数を、材料を押圧する面の前記前記材料に対する摩擦係数より低くした金型を使用して鍛造加工を行う。これにより、押圧される面の材料に対する摩擦抵抗が低くなり、この押圧される面側の流速が増加して、材料全体における流速が均一化する。
【0011】
本願第2発明に係る熱電材料の製造方法は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる材料を、対向する1対の金型を使用して加熱条件下で押圧することにより鍛造加工する工程を有する熱電材料の製造方法において、一方の金型における前記材料と接する面に中央部が高く端部方向に向かって傾斜する勾配を形成し、前記一方の金型を固定し、前記他方の金型を移動させることにより前記材料を押圧することを特徴とする。
【0012】
本発明においては、鍛造加工する際に固定される金型の前記材料と接する面に中央部が高く端部方向に向かって傾斜する勾配を形成すると、端部になるに従い対向する金型間の距離が長くなり、材料が流動しやすくなる。その結果、固定されている金型側の材料の流速が増加して、材料全体における流速が均一化する。
【0013】
本願第3発明に係る熱電材料の製造方法は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる材料を、対向する1対の金型を使用して加熱条件下で押圧することにより鍛造加工する工程を有する熱電材料の製造方法において、一方の金型における前記材料と接する面の温度を前記他方の金型における前記材料と接触する面の温度より高くして、前記一方の金型を固定し、前記他方の金型を移動させることにより前記材料を押圧することを特徴とする。
【0014】
本発明においては、鍛造加工の際の金型の温度を、移動させる金型より固定する金型の方を高くすると、固定されている金型側の材料の粘度が低下して流速が速くなり、材料全体の流速が均一化する。
【0015】
本願第4発明に係る熱電材料の製造方法は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる材料を、対向する1対の金型を使用して加熱条件下で押圧することにより鍛造加工する工程を有する熱電材料の製造方法において、双方の金型を同一速度で移動させることにより前記材料を押圧することを特徴とする。
【0016】
本発明においては、双方の金型を同一速度で移動させて材料を押圧することにより、対向する金型の表面における摩擦抵抗の差が少なくなり、材料の流速が均一化する。
【0017】
前記鍛造加工としては、例えば、押圧方向と直交する一方向に前記材料が変形することを抑制し、押圧方向と直交する他方向にのみ材料を変形させる拘束すえこみ鍛造法を使用することができる。
【0018】
また、前記鍛造加工は、前記材料の両側に前記材料より軟質であるダミー材を配置してもよい。前記ダミー材を配置すると、前記材料の流速が強制的に整えられて、材料全体における流速が均一化する。
【0019】
更に、前記材料は、Bi及びSbからなる群から選択された群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成のインゴットを液体急冷法により薄膜化若しくは粉末化したもの又は、前記薄膜若しくは前記粉末の焼結体であることが好ましい。液体急冷法により作製した薄膜化若しくは粉末化したもの及びこれらの焼結体は結晶性が優れているため、熱電特性及び配向性が優れた熱電材料を製造することができる。
【0020】
本願第5発明に係る熱電材料は、前述の熱電材料の製造方法により製造されることを特徴とする。前述の製造方法により製造された熱電材料は、従来の方法で製造された熱電材料より端部の特性が向上して、歩留まりが高くなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る熱電材料の製造方法について、添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態に係る熱電材料の製造方法について説明する。図1は、本実施形態の熱電材料の製造方法の一例を示すフロー図である。本実施形態の熱電材料の製造方法は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成の原料をインゴットにする。図2(a)から(c)は、その工程を示す模式図である。先ず、原料の秤量を行う(ステップS1)。次に、図2(a)に示すように、S1で秤量した原料1をアンプル2に入れる。その後、図2(b)に示すように、アンプル2内を真空引きし、その内部が真空状態か又は不活性ガスを導入した状態にしてアンプル2の口を封じきり、材料を封入する(ステップS2)。次に、図2(c)に示すように、アンプル2をスタンド4により回転可能に支持された管状炉3内に入れ、600乃至700度に加熱することにより原料1を溶解し、更に、管状炉3を揺動しながら原料の溶融を撹拌する。その後、原料の溶液を冷却して凝固させ、インゴットにする(ステップS3)。
【0022】
次に、前記インゴットを薄膜又は粉末形状にする。図3は、液体急冷法(単ロール法)により熱電材料の薄膜又は粉末を製造する方法を示す模式図である。S3で作製した原料インゴットを、先端にスリット又は複数の孔からなる射出口5が設けられた石英ノズル6に入れ、加熱して溶湯7にする。その後、冷却ロール8を回転しながら溶湯7をArガスにより加圧して、石英ノズル6の射出口5から供給する。溶湯7は冷却ロール8に接触して急冷され、冷却ロール8の回転により急冷薄帯9となって送り出される(ステップS4)。
【0023】
次に、ステップS4で得られた急冷薄帯9を水素ガス等の還元ガス雰囲気中又はArガス等の不活性ガス雰囲気中で熱処理を行う(ステップS5)。そして、急冷薄帯9を必要に応じて粉砕し、分級して粒度を整えて箔状粉末にする。次に、適度な粒度範囲の箔状粉末を角柱状の型内に積層しながら挿入し、加熱した熱間で側面を拘束した状態で軸方向に圧力を印加してホットプレスして仮焼結体にする(ステップS6)。
【0024】
その後、この仮焼結体を鍛造加工する(ステップS7)。図4(a)及び(b)は、本実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工を模式的に示す断面図である。本実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造工程は、図4(a)及び(b)に示すように、金型11内に仮焼結体10aを配置し、Ar等の不活性ガス中で、金型11を加熱して、上部金型11a及び下部金型11bの両方を移動させて仮焼結体10aを押圧し、熱電材料10にする。
【0025】
本実施形態の熱電材料の製造方法は、鍛造加工の際に、上部金型11a及び下部金型11bの両方を移動させて仮焼結体10aを押圧するため、上部金型11aの表面と材料との摩擦抵抗と、下部金型11bの表面と材料との摩擦抵抗との差が少なくなり、仮焼結体10a中の流速が均一になる。その結果、本実施形態の熱電材料10は、従来の熱電材料の製造方法のように、一方向から押圧することにより製造された従来の熱電材料に比べて、比抵抗(ρ)のばらつきが減少し、端部における特性の低下が少なくなる。
【0026】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の熱電材料の製造補法は、先ず、前述の第1の実施形態と同様の方法で、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成の原料をインゴットにする。その後、このインゴットをボールミル等により粉砕して粉末形状にし、分級して粒度を整える。次に、適度な粒度範囲の粉末を角柱状の型内に積層しながら挿入し、加熱した熱間で側面を拘束した状態で軸方向に圧力を印加してホットプレスして仮焼結体にする。
【0027】
その後、この仮焼結体を鍛造加工する。本実施形態の熱電材料の製造方法においては、仮焼結体を押圧する面より仮焼結体から押圧される面の方が摩擦係数が低い金型を使用して鍛造加工を行う。図5(a)及び(b)は本実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工を模式的に示す断面図である。図5(a)及び(b)に示すように、金型13内に仮焼結体12aを配置し、Ar等の不活性ガス中で、金型13を加熱し、上部金型13aを下方向に移動させることにより、仮焼結体12aを押圧して熱電材料12にする。このとき、下部金型13bの上面(仮焼結体12aと接触する面)の摩擦係数を、例えば、表面研磨及び潤滑剤の塗布等により、上部金型13aの下面(仮焼結体12aと接触する面)より低くする。前記潤滑剤の種類は特に限定するものではなく摩擦係数が低下すればよい。また、研磨を行った面に潤滑剤を塗布してもよい。更に、側部金型13cの内面(仮焼結体12aと接触する面)に、これらの処理を行ってもよい。
【0028】
本実施形態の熱電材料の製造方法は、鍛造加工する際に固定される下部金型12bの仮焼結体12aと接触する面の摩擦係数を、鍛造加工する際に移動させる上部金型12aの仮焼結体12aと接触する面の摩擦係数より低くすることにより、仮焼結体12aにおける下部金型12b側の流速が増加し、押圧する面側の材料の流速が低下して流速が均一する。その結果、熱電材料12における結晶の配向のばらつきが低減する。
【0029】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態の熱電材料の製造方法は、先ず、前述の第2の実施形態と同様の方法で、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成の仮焼結体を作製する。
【0030】
次に、この仮焼結体を鍛造加工する。本実施形態の熱電材料の製造方法は、少なくとも前記材料から押圧される面に中央部から端部方向に向かって勾配が形成されている金型を使用して鍛造加工を行うものである。図6(a)及び(b)は本実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工を模式的に示す断面図である。図6(a)及び(b)に示すように、本実施形態において使用される金型14の上部金型14aの下面(仮焼結体15aと接する面)及び下部金型14bの上面(仮焼結体15aと接する面)には中央部が高く、端部方向に向かって傾斜する勾配が形成されている。そして、鍛造加工の際は、仮焼結体15aを下部金型14b上に配置し、Ar等の不活性ガス中で、金型14を加熱して、上部金型14aを下方向に移動させることにより、仮焼結体15aが押圧されて熱電材料15になる。
【0031】
本実施形態の熱電材料の製造方法は、鍛造加工する際に、固定される金型の材料と接する面に中央部が高く端部方向に向かって傾斜する勾配を形成することにより、材料が端部においても流動しやすくなり、材料の流動方向が揃う。その結果、熱電材料15における結晶の配向のばらつきが低減し、熱電材料の端部における特性を向上することができる。
【0032】
図7(a)は下部金型14bを示す断面図であり、図7(b)は勾配が大きい金型を使用して作製された熱電材料を示す断面図である。図7(a)に示すように、金型14における勾配の大きさは、例えば、勾配面が平面である場合、0.05/100乃至0.75/100であることが好ましい。勾配が0.05/100より小さいとその効果が得られない。一方、勾配が0.75/100より大きいと、図7(b)に示すように、熱電材料30の中央部厚さと端部の厚さの差が大きくなるため、この熱電材料30から切り出されたウエハは、端部から切り出されたウエハ30aより中央部から切り出されたウエハ30bの方が小さくなる。このようにウエハの大きさが異なると、後工程において、装置に適合しない等の問題が生じる。そこで、ウエハサイズを揃えるために研磨及び切断等を行うと、工程数が増えて製造コストが増加する。なお、本実施形態における勾配の大きさは上述の値に限定されるものではなく、形状等に合わせて適宜選択することができる。
【0033】
図8は、本実施形態の熱電材料の製造方法における変形例で使用される金型を模式的に示す断面図である。前述の第3の実施形態においては、上部金型14a及び下部金型14bの両方に勾配が形成されている場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図8に示すように下部金型14bにのみ勾配が形成されていてもよく、少なくとも固定される金型の材料と接する面に形成されていればよい。また、勾配の面は平面及び曲面のどちらでもよく、上下の金型間の距離が中央部より端部の方が長くなるような形状であればよい。
【0034】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態の熱電材料の製造方法は、先ず、前述の第1の実施形態と同様の方法で、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成の原料をインゴットにする。
【0035】
次に、このインゴットを鍛造加工する。本実施形態の熱電材料の製造方法においては、インゴットの両側に例えばアルミニウム等の熱電材料より軟質な材料からなるダミー材を配置して鍛造加工するものである。図9(a)及び(b)は本実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工を模式的に示す断面図である。図9(a)及び(b)に示すように、先ず、側部金型16cに孔19が形成されている金型16内に、インゴット17aを配置し、その両側にダミー材18を配置する。そして、Ar等の不活性ガス中で、金型16を加熱して、上部金型16aを下方向に移動させる。これにより、インゴット17aは押圧されて熱電材料17になる。また、ダミー材18は孔19から金型16の外部に押し出される。孔19は、熱電材料を加工する際に、材料の先端に逆圧を作用させるようにダミー材18の押出荷重を適宜調整したものである。この孔19は、例えば、内側から外側に向かって細くなるテーパー状とすることができる。
【0036】
本実施形態の熱電材料の製造方法においては、鍛造加工の際に、インゴット17aの両側に熱電材料より軟質な材料からなるダミー材18を配置することにより、材料の流動方向を整えることができる。その結果、熱電材料17の端部における結晶配向性が向上し、端部の特性が向上する。
【0037】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態の熱電材料の製造方法においては、先ず、前述の第1の実施形態と同様の方法により、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成の仮焼結体を作製する。そして、固定する金型の温度を、移動させる金型の温度より高く設定して、前記仮焼結体を鍛造加工する。図10(a)及び(b)は本実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工を模式的に示す断面図である。図10(a)及び(b)に示すように、本実施形態の熱電材料の製造方法においては、金型21内に仮焼結体20aを配置し、Ar等の不活性ガス中で、金型21を加熱して、上部金型21aを下方向に移動させることにより、仮焼結体20aを押圧して熱電材料20にする。このとき、上部金型21aの温度(Ta)より、下部金型21bの温度(Tb)を高くする。温度Ta及び温度Tbの差は、特に限定されるものではないが、30乃至50℃であることが好ましい。
【0038】
本実施形態の熱電材料の製造方法は、固定される下部金型21bの温度を、移動させる上部金型21aの温度より高くして鍛造加工を行うことにより、仮焼結体20aにおける下部金型21b側の粘度が低下して流速が速くなり、流速が均一化する。その結果、熱電材料20における結晶配向性が向上し、端部においても特性が向上する。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。
【0040】
本発明の第1の実施例として、前述の第1の実施形態と同様の方法で実施例1の熱電材料を作製した。先ず、Bi1.9Sb0.1Te2.85Se0.15中にSbI3を0.06質量%含有するインゴットを作製し、液体急冷法により薄片化した後、Arガス雰囲気中にて、400℃で10分間ホットプレスを行って仮焼結体を作製した。その後、この仮焼結体をArガス雰囲気中で金型温度460℃、歪速度0.05/分の条件で、上部金型及び下部金型の両方を加圧する鍛造加工を行い熱電材料にした。また、本実施例の比較例として、前述の実施例1の熱電材料と同じ組成のインゴットを、液体急冷法により薄片化した後、Arガス雰囲気中にて、400℃で10分間ホットプレスを行って仮焼結体を作製した。その後、この仮焼結体をArガス雰囲気中で金型温度460℃、歪速度0.05/分の条件で、上部金型のみを加圧して比較例1の熱電材料を作製した。
【0041】
上述の方法により作製した実施例1及び比較例1の熱電材料について比抵抗(ρ)の値を測定した。図11は、横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例1及び比較例1の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。なお、図11における中心からの距離は、中心を0とし、端部を1として規格化した値であり、以下の実施例についても同様である。本実施例においては、比抵抗(ρ)の値が1.1以下の部分を使用可能な部分と判断した。図10に示すように、実施例1の熱電材料は、中心からの距離が0.9の部分まで比抵抗(ρ)の値が1.1以下であった。一方、比較例1の熱電材料は、中心からの距離が0.8の部分で比抵抗(ρ)の値が1.2になっており、中心から0.7の部分までしか使用できなかった。よって、本発明の範囲内で製造された実施例1の熱電材料は、従来の方法で製造された比較例1の熱電材料に比べて、使用できない部分が少なくなり、歩留まりが向上した。
【0042】
次に、本発明の第2の実施例として、前述の第2の実施形態と同様の方法で実施例2及び実施例3の熱電材料を作製した。先ず、Bi2Te2.85Se0.15中にSbI3を0.06質量%含有するインゴットを作製し、ボールミルにより粉砕して粉末化した後、Arガス雰囲気中にて、500℃で10分間ホットプレスを行って仮焼結体を作製した。その後、表面研磨により下部金型の上面の摩擦係数を上部金型の下面の摩擦係数より低くした金型を使用し、Arガス雰囲気中で、金型温度を460℃とし、歪速度0.1/分で、下部金型は固定し、上部金型のみ加圧する鍛造加工を行って実施例2の熱電材料にした。また、下部金型の上面に潤滑剤を塗布することにより下部金型の上面の摩擦係数を上部金型の下面の摩擦係数より低くした金型を使用し、それ以外は前述の実施例2の熱電材料と同様の方法及び条件で実施例3の熱電材料を作製した。
【0043】
上述の方法により作製した実施例2及び3の熱電材料について比抵抗(ρ)の値を測定した。図12は、横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例2及び3の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。なお、図12には比較例として、前述の比較例1のデータも併せて示す。また、本実施例においても、前述の第1実施例と同様に、比抵抗(ρ)の値が1.1以下の部分を使用可能な部分と判断した。図12に示すように、実施例2及び3の熱電材料は、中心からの距離が0.8の部分まで比抵抗(ρ)の値が1.1以下であった。以上の結果より、本発明の範囲内で製造された実施例2及び3の熱電材料は、従来の方法で製造された比較例1の熱電材料に比べて、使用できない部分が減少し、歩留まりが向上した。
【0044】
次に、本発明の第3の実施例として、前述の第3の実施形態と同様の方法で実施例4及び5の熱電材料を作製した。先ず、Bi2Te2.85Se0.15中にSbI3を0.06質量%含有するインゴットを作製し、ボールミルにより粉砕して粉末化した後、Arガス雰囲気中にて、500℃で10分間ホットプレスを行って仮焼結体を作製した。その後、図6に示す上部金型下面及び下部金型の上面に中央部から端部に向かって0.2/100の勾配が形成された金型を使用し、Arガス雰囲気中で、金型温度を460℃とし、歪速度0.1/分で、上部金型のみ加圧する鍛造加工を行って実施例4の熱電材料にした。また、図8に示す下部金型の上面のみに中央部から端部に向かって0.2/100の勾配が形成された金型を使用し、それ以外は前述の実施例4の熱電材料と同様の方法及び条件で実施例5の熱電材料を作製した。
【0045】
上述の方法により作製した実施例4及び5の熱電材料について比抵抗(ρ)の値を測定した。図13は、横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例4及び5の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。なお、図13には比較例として、前述の比較例1のデータも併せて示す。また、本実施例においても、前述の第1及び第2実施例と同様に、比抵抗(ρ)の値が1.1以下の部分を使用可能な部分と判断した。図13に示すように、実施例4及び5の熱電材料は、共に中心からの距離が0.8の部分まで比抵抗(ρ)の値が1.1以下であった。以上の結果より、本発明の範囲内で製造された実施例4及び5の熱電材料は、従来の方法で製造された比較例1の熱電材料に比べて、使用可能な部分が増加して歩留まりが向上した。
【0046】
次に、本発明の第4の実施例として、前述の第4の実施形態と同様の方法で実施例6の熱電材料を作製した。先ず、Bi1.8Sb0.2Te0.15中にSbI3を0.06質量%含有するインゴットを作製し、このインゴットを、図9に示す金型を使用し、インゴットの両側にアルミニウムからなるダミー材を配置して、Arガス雰囲気中で、金型温度を500℃とし、歪速度0.1/分で、下部金型は固定し、上部金型のみ加圧する鍛造加工を行って実施例6の熱電材料にした。
【0047】
上述の方法により作製した実施例6の熱電材料について比抵抗(ρ)の値を測定した。図14は、横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例6の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。なお、図14には比較例として、前述の比較例1のデータも併せて示す。また、本実施例においても、前述の第1乃至第3の実施例と同様に、比抵抗(ρ)の値が1.1以下の部分を使用可能な部分と判断した。その結果、図14に示すように、実施例6の熱電材料は、中心からの距離が0.8の部分まで比抵抗(ρ)の値が1.1以下であった。よって、本発明の範囲内で製造された実施例6の熱電材料は、従来の方法で製造された比較例1の熱電材料に比べて、使用可能な部分が増加しており、歩留まりが向上した。
【0048】
本発明の第5の実施例として、前述の第5の実施形態と同様の方法で実施例7の熱電材料を作製した。先ず、Bi1.9Sb0.1Te2.85Se0.15中にSbI3を0.06質量%含有するインゴットを作製し、液体急冷法により薄片化した後、Arガス雰囲気中にて、400℃で10分間ホットプレスを行って仮焼結体を作製した。その後、この仮焼結体をArガス雰囲気中で上部金型温度(Ta)を400℃、下部金型温度(Tb)を500℃とし、歪速度0.05/分の条件で、上部金型のみを加圧する鍛造加工を行い実施例7の熱電材料にした。なお、本実施例における各金型の温度は、図10に示す上部金型温度測定点TA及び下部金型測定点TBにて測定した。
【0049】
上述の方法により作製した実施例7の熱電材料について比抵抗(ρ)の値を測定した。図15は、横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例7の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。なお、図15には比較例として、上下の金型温度を500℃にして鍛造加工を行った比較例1のデータも併せて示す。また、本実施例においては、前述の第1乃至第4の実施形態と同様に、比抵抗(ρ)の値が1.1以下の部分を使用可能な部分と判断した。図15に示すように、実施例7の熱電材料は、比抵抗(ρ)の値が1.1以下である部分は中心からの距離が0.8の部分まであった。よって、本発明の範囲内で製造された実施例7の熱電材料は、上下の金型を同じ温度で鍛造加工を行った比較例1の熱電材料に比べて、使用できない部分が少なくなり、歩留まりが向上した。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、鍛造加工において、固定される金型における材料と接触する面の摩擦抵抗を、移動させる金型における材料と接触する面の摩擦抵抗より低くすることにより、材料全体の流速を均一化し、熱電材料全体の結晶の配向性を均一化して、歩留まりを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の熱電材料の製造方法をその工程順に示すフロー図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の熱電材料の製造方法において、原料をインゴットにするための工程を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の熱電材料の製造方法において、液体急冷法により薄膜又は粉末を製造する方法を示す模式図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工方法を模式的に示す断面図である。
【図5】(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工方法を模式的に示す断面図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工方法を模式的に示す断面図である。
【図7】(a)は本発明の第3の実施形態の熱電材料の製造方法で使用される下部金型14b示す断面図であり、(b)は勾配が大きい金型を使用して作製された熱電材料を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の熱電材料の製造方法における変形例で使用される金型を模式的に示す断面図である。
【図9】(a)及び(b)は本発明の第4の実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工方法を模式的に示す断面図である。
【図10】(a)及び(b)は本発明の第5の実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工方法を模式的に示す断面図である。
【図11】横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例1及び比較例1の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。
【図12】横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例2、実施例3及び比較例1の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。
【図13】横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例4、実施例5及び比較例1の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。
【図14】横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例6及び比較例1の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。
【図15】横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例7及び比較例1の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。
【図16】従来の熱電材料の製造方法を示すフローチャートである。
【図17】(a)乃至(c)は、従来の熱間すえこみ鍛造工程をその工程順に示す断面図であり、(d)は(b)における材料の流動状態を示す模式図であり、(e)は(c)における材料の流動状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1;原料 2;アンプル管 3;管状炉 4;スタンド 5;射出口 6;石英ノズル 7;溶湯 8;冷却ロール 9;急冷薄帯 10、12、15、17、20、101;熱電材料 10a、12a、15a、17a、20a;仮焼結体 11、13、14、16、21、104;金型 11a、13a、14a、14d、16a、21a、104a;上部金型 11b、13b、14b,16b、21b、104b;下部金型 13c、16c;側部金型 17a;インゴット 18;ダミー材 19;孔 30a、30b;ウエハ 101a;焼結インゴット 102;空隙 103;流動方向 TA;上部金型温度測定点 TB;下部金型温度測定点
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペルチェ効果を利用したペルチェモジュールに使用される熱電材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペルチェ効果を利用した熱電モジュールは、無音及び無振動で動作し、メンテナンスが不要であることから、小型冷蔵庫及び半導体装置内部の温度調整器等の様々な分野への適用が検討されている。熱電材料の特性は、そのゼーベック係数をα(μ・V/K)、比抵抗をρ(Ω・m)、熱伝導率をκ(W/m・K)としたとき、下記数式1に示す熱電性能係数Zによって評価することができる。
【0003】
【数1】
Z=α2/(ρ×κ)
【0004】
前記数式1に示すように、熱電性能指数(Z)が高い材料を得るためには、熱伝導率(κ)及び比抵抗(ρ)が低い材料が好ましい。また、ペルチェモジュールの製品性能を均一化するためには、比抵抗(ρ)のばらつきが少ない熱電材料を使用することが望ましい。比抵抗(ρ)のばらつきを少なくするためには、熱電材料の製造工程において、各結晶に配向性を均等に付与することが重要である。
【0005】
従来、熱電材料の結晶に配向性を付与するためには、すえこみ鍛造法等の塑性加工が使用されている(例えば、特許文献1参照)。図16は、従来の熱電材料の製造方法を示すフローチャートである。図16に示すように、従来の熱電材料の製造方法は、先ず、原料を所定量秤量した後、溶融、混合、凝固させてインゴットにする。このインゴットをボールミル等で粉砕した後、篩いにかけて分級する。その後、必要に応じて水素還元等の脱酸素処理を行う。次に、この粉末を不活性ガス中でホットプレスすることにより焼結インゴットにする。この焼結インゴットを不活性ガス中で熱間すえこみ鍛造した後、更に不活性ガス中で熱処理を行うことにより熱電材料を製造している。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−178219号公報 (第5−11頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来の熱電材料の製造方法により製造された熱電材料は端部の特性が低いという問題がある。このため、従来の熱電材料は、熱電素子に加工する際に、その特性が低い部分を取り除かなければならないため、収率(歩留まり)が低い。
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、比抵抗(ρ)のばらつきが小さく、歩留まりが高い熱電材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願第1発明に係る熱電材料の製造方法は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる材料を、対向する1対の金型を使用して加熱条件下で押圧することにより鍛造加工する工程を有する熱電材料の製造方法において、一方の金型における前記材料と接する面が他方の金型における前記材料と接する面より摩擦係数が低くなるようにして、前記一方の金型を固定し、前記他方の金型を移動させることにより前記材料を押圧することを特徴とする熱電材料の製造方法。
【0010】
本発明者等は、従来の熱電材料の端部における特性の低下の原因について鋭意実験研究した結果、端部における特性の低下は、対向する1対の金型で材料を挟んで前記材料を押圧するような塑性加工を行った場合、固定されている金型における前記材料と接する面の摩擦抵抗(流動摩擦係数)が、移動させる金型における前記材料と接する面の摩擦抵抗より高いため、材料の流速が均一にならないことが原因であるということを見出した。図17(a)乃至(c)は、従来の塑性加工の一例である熱間すえこみ鍛造工程をその工程順に示す断面図であり、図17(d)は(b)における材料の流動状態を示す模式図であり、図17(e)は(c)における材料の流動状態を示す模式図である。図17(a)に示すように、従来の熱間すえこみ鍛造は、先ず、金型104に焼結インゴット101aを配置する。次に、図17(b)及び(d)に示すように、焼結インゴット101aを上から押圧する。このとき、上部金型104aの下面と焼結インゴット101aとの摩擦抵抗が、下部金型104bの上面と焼結インゴット101aとの摩擦抵抗より低いため、焼結インゴット101aの下部より焼結インゴット101aの上部の方が流速が速くなり、金型104の下端部に空隙102が生じる。そして、更に加圧すると、図17(c)及び(e)に示すように、その空隙102を充填するために材料の流動方向103が斜めになる。その結果、製造された熱電材料101中の結晶の配向性が乱れて、材料端部の特性が低下する。そこで、本発明においては、材料から押圧される面の前記材料に対する摩擦係数を、材料を押圧する面の前記前記材料に対する摩擦係数より低くした金型を使用して鍛造加工を行う。これにより、押圧される面の材料に対する摩擦抵抗が低くなり、この押圧される面側の流速が増加して、材料全体における流速が均一化する。
【0011】
本願第2発明に係る熱電材料の製造方法は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる材料を、対向する1対の金型を使用して加熱条件下で押圧することにより鍛造加工する工程を有する熱電材料の製造方法において、一方の金型における前記材料と接する面に中央部が高く端部方向に向かって傾斜する勾配を形成し、前記一方の金型を固定し、前記他方の金型を移動させることにより前記材料を押圧することを特徴とする。
【0012】
本発明においては、鍛造加工する際に固定される金型の前記材料と接する面に中央部が高く端部方向に向かって傾斜する勾配を形成すると、端部になるに従い対向する金型間の距離が長くなり、材料が流動しやすくなる。その結果、固定されている金型側の材料の流速が増加して、材料全体における流速が均一化する。
【0013】
本願第3発明に係る熱電材料の製造方法は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる材料を、対向する1対の金型を使用して加熱条件下で押圧することにより鍛造加工する工程を有する熱電材料の製造方法において、一方の金型における前記材料と接する面の温度を前記他方の金型における前記材料と接触する面の温度より高くして、前記一方の金型を固定し、前記他方の金型を移動させることにより前記材料を押圧することを特徴とする。
【0014】
本発明においては、鍛造加工の際の金型の温度を、移動させる金型より固定する金型の方を高くすると、固定されている金型側の材料の粘度が低下して流速が速くなり、材料全体の流速が均一化する。
【0015】
本願第4発明に係る熱電材料の製造方法は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる材料を、対向する1対の金型を使用して加熱条件下で押圧することにより鍛造加工する工程を有する熱電材料の製造方法において、双方の金型を同一速度で移動させることにより前記材料を押圧することを特徴とする。
【0016】
本発明においては、双方の金型を同一速度で移動させて材料を押圧することにより、対向する金型の表面における摩擦抵抗の差が少なくなり、材料の流速が均一化する。
【0017】
前記鍛造加工としては、例えば、押圧方向と直交する一方向に前記材料が変形することを抑制し、押圧方向と直交する他方向にのみ材料を変形させる拘束すえこみ鍛造法を使用することができる。
【0018】
また、前記鍛造加工は、前記材料の両側に前記材料より軟質であるダミー材を配置してもよい。前記ダミー材を配置すると、前記材料の流速が強制的に整えられて、材料全体における流速が均一化する。
【0019】
更に、前記材料は、Bi及びSbからなる群から選択された群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成のインゴットを液体急冷法により薄膜化若しくは粉末化したもの又は、前記薄膜若しくは前記粉末の焼結体であることが好ましい。液体急冷法により作製した薄膜化若しくは粉末化したもの及びこれらの焼結体は結晶性が優れているため、熱電特性及び配向性が優れた熱電材料を製造することができる。
【0020】
本願第5発明に係る熱電材料は、前述の熱電材料の製造方法により製造されることを特徴とする。前述の製造方法により製造された熱電材料は、従来の方法で製造された熱電材料より端部の特性が向上して、歩留まりが高くなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る熱電材料の製造方法について、添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態に係る熱電材料の製造方法について説明する。図1は、本実施形態の熱電材料の製造方法の一例を示すフロー図である。本実施形態の熱電材料の製造方法は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成の原料をインゴットにする。図2(a)から(c)は、その工程を示す模式図である。先ず、原料の秤量を行う(ステップS1)。次に、図2(a)に示すように、S1で秤量した原料1をアンプル2に入れる。その後、図2(b)に示すように、アンプル2内を真空引きし、その内部が真空状態か又は不活性ガスを導入した状態にしてアンプル2の口を封じきり、材料を封入する(ステップS2)。次に、図2(c)に示すように、アンプル2をスタンド4により回転可能に支持された管状炉3内に入れ、600乃至700度に加熱することにより原料1を溶解し、更に、管状炉3を揺動しながら原料の溶融を撹拌する。その後、原料の溶液を冷却して凝固させ、インゴットにする(ステップS3)。
【0022】
次に、前記インゴットを薄膜又は粉末形状にする。図3は、液体急冷法(単ロール法)により熱電材料の薄膜又は粉末を製造する方法を示す模式図である。S3で作製した原料インゴットを、先端にスリット又は複数の孔からなる射出口5が設けられた石英ノズル6に入れ、加熱して溶湯7にする。その後、冷却ロール8を回転しながら溶湯7をArガスにより加圧して、石英ノズル6の射出口5から供給する。溶湯7は冷却ロール8に接触して急冷され、冷却ロール8の回転により急冷薄帯9となって送り出される(ステップS4)。
【0023】
次に、ステップS4で得られた急冷薄帯9を水素ガス等の還元ガス雰囲気中又はArガス等の不活性ガス雰囲気中で熱処理を行う(ステップS5)。そして、急冷薄帯9を必要に応じて粉砕し、分級して粒度を整えて箔状粉末にする。次に、適度な粒度範囲の箔状粉末を角柱状の型内に積層しながら挿入し、加熱した熱間で側面を拘束した状態で軸方向に圧力を印加してホットプレスして仮焼結体にする(ステップS6)。
【0024】
その後、この仮焼結体を鍛造加工する(ステップS7)。図4(a)及び(b)は、本実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工を模式的に示す断面図である。本実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造工程は、図4(a)及び(b)に示すように、金型11内に仮焼結体10aを配置し、Ar等の不活性ガス中で、金型11を加熱して、上部金型11a及び下部金型11bの両方を移動させて仮焼結体10aを押圧し、熱電材料10にする。
【0025】
本実施形態の熱電材料の製造方法は、鍛造加工の際に、上部金型11a及び下部金型11bの両方を移動させて仮焼結体10aを押圧するため、上部金型11aの表面と材料との摩擦抵抗と、下部金型11bの表面と材料との摩擦抵抗との差が少なくなり、仮焼結体10a中の流速が均一になる。その結果、本実施形態の熱電材料10は、従来の熱電材料の製造方法のように、一方向から押圧することにより製造された従来の熱電材料に比べて、比抵抗(ρ)のばらつきが減少し、端部における特性の低下が少なくなる。
【0026】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の熱電材料の製造補法は、先ず、前述の第1の実施形態と同様の方法で、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成の原料をインゴットにする。その後、このインゴットをボールミル等により粉砕して粉末形状にし、分級して粒度を整える。次に、適度な粒度範囲の粉末を角柱状の型内に積層しながら挿入し、加熱した熱間で側面を拘束した状態で軸方向に圧力を印加してホットプレスして仮焼結体にする。
【0027】
その後、この仮焼結体を鍛造加工する。本実施形態の熱電材料の製造方法においては、仮焼結体を押圧する面より仮焼結体から押圧される面の方が摩擦係数が低い金型を使用して鍛造加工を行う。図5(a)及び(b)は本実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工を模式的に示す断面図である。図5(a)及び(b)に示すように、金型13内に仮焼結体12aを配置し、Ar等の不活性ガス中で、金型13を加熱し、上部金型13aを下方向に移動させることにより、仮焼結体12aを押圧して熱電材料12にする。このとき、下部金型13bの上面(仮焼結体12aと接触する面)の摩擦係数を、例えば、表面研磨及び潤滑剤の塗布等により、上部金型13aの下面(仮焼結体12aと接触する面)より低くする。前記潤滑剤の種類は特に限定するものではなく摩擦係数が低下すればよい。また、研磨を行った面に潤滑剤を塗布してもよい。更に、側部金型13cの内面(仮焼結体12aと接触する面)に、これらの処理を行ってもよい。
【0028】
本実施形態の熱電材料の製造方法は、鍛造加工する際に固定される下部金型12bの仮焼結体12aと接触する面の摩擦係数を、鍛造加工する際に移動させる上部金型12aの仮焼結体12aと接触する面の摩擦係数より低くすることにより、仮焼結体12aにおける下部金型12b側の流速が増加し、押圧する面側の材料の流速が低下して流速が均一する。その結果、熱電材料12における結晶の配向のばらつきが低減する。
【0029】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態の熱電材料の製造方法は、先ず、前述の第2の実施形態と同様の方法で、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成の仮焼結体を作製する。
【0030】
次に、この仮焼結体を鍛造加工する。本実施形態の熱電材料の製造方法は、少なくとも前記材料から押圧される面に中央部から端部方向に向かって勾配が形成されている金型を使用して鍛造加工を行うものである。図6(a)及び(b)は本実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工を模式的に示す断面図である。図6(a)及び(b)に示すように、本実施形態において使用される金型14の上部金型14aの下面(仮焼結体15aと接する面)及び下部金型14bの上面(仮焼結体15aと接する面)には中央部が高く、端部方向に向かって傾斜する勾配が形成されている。そして、鍛造加工の際は、仮焼結体15aを下部金型14b上に配置し、Ar等の不活性ガス中で、金型14を加熱して、上部金型14aを下方向に移動させることにより、仮焼結体15aが押圧されて熱電材料15になる。
【0031】
本実施形態の熱電材料の製造方法は、鍛造加工する際に、固定される金型の材料と接する面に中央部が高く端部方向に向かって傾斜する勾配を形成することにより、材料が端部においても流動しやすくなり、材料の流動方向が揃う。その結果、熱電材料15における結晶の配向のばらつきが低減し、熱電材料の端部における特性を向上することができる。
【0032】
図7(a)は下部金型14bを示す断面図であり、図7(b)は勾配が大きい金型を使用して作製された熱電材料を示す断面図である。図7(a)に示すように、金型14における勾配の大きさは、例えば、勾配面が平面である場合、0.05/100乃至0.75/100であることが好ましい。勾配が0.05/100より小さいとその効果が得られない。一方、勾配が0.75/100より大きいと、図7(b)に示すように、熱電材料30の中央部厚さと端部の厚さの差が大きくなるため、この熱電材料30から切り出されたウエハは、端部から切り出されたウエハ30aより中央部から切り出されたウエハ30bの方が小さくなる。このようにウエハの大きさが異なると、後工程において、装置に適合しない等の問題が生じる。そこで、ウエハサイズを揃えるために研磨及び切断等を行うと、工程数が増えて製造コストが増加する。なお、本実施形態における勾配の大きさは上述の値に限定されるものではなく、形状等に合わせて適宜選択することができる。
【0033】
図8は、本実施形態の熱電材料の製造方法における変形例で使用される金型を模式的に示す断面図である。前述の第3の実施形態においては、上部金型14a及び下部金型14bの両方に勾配が形成されている場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図8に示すように下部金型14bにのみ勾配が形成されていてもよく、少なくとも固定される金型の材料と接する面に形成されていればよい。また、勾配の面は平面及び曲面のどちらでもよく、上下の金型間の距離が中央部より端部の方が長くなるような形状であればよい。
【0034】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態の熱電材料の製造方法は、先ず、前述の第1の実施形態と同様の方法で、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成の原料をインゴットにする。
【0035】
次に、このインゴットを鍛造加工する。本実施形態の熱電材料の製造方法においては、インゴットの両側に例えばアルミニウム等の熱電材料より軟質な材料からなるダミー材を配置して鍛造加工するものである。図9(a)及び(b)は本実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工を模式的に示す断面図である。図9(a)及び(b)に示すように、先ず、側部金型16cに孔19が形成されている金型16内に、インゴット17aを配置し、その両側にダミー材18を配置する。そして、Ar等の不活性ガス中で、金型16を加熱して、上部金型16aを下方向に移動させる。これにより、インゴット17aは押圧されて熱電材料17になる。また、ダミー材18は孔19から金型16の外部に押し出される。孔19は、熱電材料を加工する際に、材料の先端に逆圧を作用させるようにダミー材18の押出荷重を適宜調整したものである。この孔19は、例えば、内側から外側に向かって細くなるテーパー状とすることができる。
【0036】
本実施形態の熱電材料の製造方法においては、鍛造加工の際に、インゴット17aの両側に熱電材料より軟質な材料からなるダミー材18を配置することにより、材料の流動方向を整えることができる。その結果、熱電材料17の端部における結晶配向性が向上し、端部の特性が向上する。
【0037】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態の熱電材料の製造方法においては、先ず、前述の第1の実施形態と同様の方法により、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成の仮焼結体を作製する。そして、固定する金型の温度を、移動させる金型の温度より高く設定して、前記仮焼結体を鍛造加工する。図10(a)及び(b)は本実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工を模式的に示す断面図である。図10(a)及び(b)に示すように、本実施形態の熱電材料の製造方法においては、金型21内に仮焼結体20aを配置し、Ar等の不活性ガス中で、金型21を加熱して、上部金型21aを下方向に移動させることにより、仮焼結体20aを押圧して熱電材料20にする。このとき、上部金型21aの温度(Ta)より、下部金型21bの温度(Tb)を高くする。温度Ta及び温度Tbの差は、特に限定されるものではないが、30乃至50℃であることが好ましい。
【0038】
本実施形態の熱電材料の製造方法は、固定される下部金型21bの温度を、移動させる上部金型21aの温度より高くして鍛造加工を行うことにより、仮焼結体20aにおける下部金型21b側の粘度が低下して流速が速くなり、流速が均一化する。その結果、熱電材料20における結晶配向性が向上し、端部においても特性が向上する。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。
【0040】
本発明の第1の実施例として、前述の第1の実施形態と同様の方法で実施例1の熱電材料を作製した。先ず、Bi1.9Sb0.1Te2.85Se0.15中にSbI3を0.06質量%含有するインゴットを作製し、液体急冷法により薄片化した後、Arガス雰囲気中にて、400℃で10分間ホットプレスを行って仮焼結体を作製した。その後、この仮焼結体をArガス雰囲気中で金型温度460℃、歪速度0.05/分の条件で、上部金型及び下部金型の両方を加圧する鍛造加工を行い熱電材料にした。また、本実施例の比較例として、前述の実施例1の熱電材料と同じ組成のインゴットを、液体急冷法により薄片化した後、Arガス雰囲気中にて、400℃で10分間ホットプレスを行って仮焼結体を作製した。その後、この仮焼結体をArガス雰囲気中で金型温度460℃、歪速度0.05/分の条件で、上部金型のみを加圧して比較例1の熱電材料を作製した。
【0041】
上述の方法により作製した実施例1及び比較例1の熱電材料について比抵抗(ρ)の値を測定した。図11は、横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例1及び比較例1の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。なお、図11における中心からの距離は、中心を0とし、端部を1として規格化した値であり、以下の実施例についても同様である。本実施例においては、比抵抗(ρ)の値が1.1以下の部分を使用可能な部分と判断した。図10に示すように、実施例1の熱電材料は、中心からの距離が0.9の部分まで比抵抗(ρ)の値が1.1以下であった。一方、比較例1の熱電材料は、中心からの距離が0.8の部分で比抵抗(ρ)の値が1.2になっており、中心から0.7の部分までしか使用できなかった。よって、本発明の範囲内で製造された実施例1の熱電材料は、従来の方法で製造された比較例1の熱電材料に比べて、使用できない部分が少なくなり、歩留まりが向上した。
【0042】
次に、本発明の第2の実施例として、前述の第2の実施形態と同様の方法で実施例2及び実施例3の熱電材料を作製した。先ず、Bi2Te2.85Se0.15中にSbI3を0.06質量%含有するインゴットを作製し、ボールミルにより粉砕して粉末化した後、Arガス雰囲気中にて、500℃で10分間ホットプレスを行って仮焼結体を作製した。その後、表面研磨により下部金型の上面の摩擦係数を上部金型の下面の摩擦係数より低くした金型を使用し、Arガス雰囲気中で、金型温度を460℃とし、歪速度0.1/分で、下部金型は固定し、上部金型のみ加圧する鍛造加工を行って実施例2の熱電材料にした。また、下部金型の上面に潤滑剤を塗布することにより下部金型の上面の摩擦係数を上部金型の下面の摩擦係数より低くした金型を使用し、それ以外は前述の実施例2の熱電材料と同様の方法及び条件で実施例3の熱電材料を作製した。
【0043】
上述の方法により作製した実施例2及び3の熱電材料について比抵抗(ρ)の値を測定した。図12は、横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例2及び3の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。なお、図12には比較例として、前述の比較例1のデータも併せて示す。また、本実施例においても、前述の第1実施例と同様に、比抵抗(ρ)の値が1.1以下の部分を使用可能な部分と判断した。図12に示すように、実施例2及び3の熱電材料は、中心からの距離が0.8の部分まで比抵抗(ρ)の値が1.1以下であった。以上の結果より、本発明の範囲内で製造された実施例2及び3の熱電材料は、従来の方法で製造された比較例1の熱電材料に比べて、使用できない部分が減少し、歩留まりが向上した。
【0044】
次に、本発明の第3の実施例として、前述の第3の実施形態と同様の方法で実施例4及び5の熱電材料を作製した。先ず、Bi2Te2.85Se0.15中にSbI3を0.06質量%含有するインゴットを作製し、ボールミルにより粉砕して粉末化した後、Arガス雰囲気中にて、500℃で10分間ホットプレスを行って仮焼結体を作製した。その後、図6に示す上部金型下面及び下部金型の上面に中央部から端部に向かって0.2/100の勾配が形成された金型を使用し、Arガス雰囲気中で、金型温度を460℃とし、歪速度0.1/分で、上部金型のみ加圧する鍛造加工を行って実施例4の熱電材料にした。また、図8に示す下部金型の上面のみに中央部から端部に向かって0.2/100の勾配が形成された金型を使用し、それ以外は前述の実施例4の熱電材料と同様の方法及び条件で実施例5の熱電材料を作製した。
【0045】
上述の方法により作製した実施例4及び5の熱電材料について比抵抗(ρ)の値を測定した。図13は、横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例4及び5の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。なお、図13には比較例として、前述の比較例1のデータも併せて示す。また、本実施例においても、前述の第1及び第2実施例と同様に、比抵抗(ρ)の値が1.1以下の部分を使用可能な部分と判断した。図13に示すように、実施例4及び5の熱電材料は、共に中心からの距離が0.8の部分まで比抵抗(ρ)の値が1.1以下であった。以上の結果より、本発明の範囲内で製造された実施例4及び5の熱電材料は、従来の方法で製造された比較例1の熱電材料に比べて、使用可能な部分が増加して歩留まりが向上した。
【0046】
次に、本発明の第4の実施例として、前述の第4の実施形態と同様の方法で実施例6の熱電材料を作製した。先ず、Bi1.8Sb0.2Te0.15中にSbI3を0.06質量%含有するインゴットを作製し、このインゴットを、図9に示す金型を使用し、インゴットの両側にアルミニウムからなるダミー材を配置して、Arガス雰囲気中で、金型温度を500℃とし、歪速度0.1/分で、下部金型は固定し、上部金型のみ加圧する鍛造加工を行って実施例6の熱電材料にした。
【0047】
上述の方法により作製した実施例6の熱電材料について比抵抗(ρ)の値を測定した。図14は、横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例6の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。なお、図14には比較例として、前述の比較例1のデータも併せて示す。また、本実施例においても、前述の第1乃至第3の実施例と同様に、比抵抗(ρ)の値が1.1以下の部分を使用可能な部分と判断した。その結果、図14に示すように、実施例6の熱電材料は、中心からの距離が0.8の部分まで比抵抗(ρ)の値が1.1以下であった。よって、本発明の範囲内で製造された実施例6の熱電材料は、従来の方法で製造された比較例1の熱電材料に比べて、使用可能な部分が増加しており、歩留まりが向上した。
【0048】
本発明の第5の実施例として、前述の第5の実施形態と同様の方法で実施例7の熱電材料を作製した。先ず、Bi1.9Sb0.1Te2.85Se0.15中にSbI3を0.06質量%含有するインゴットを作製し、液体急冷法により薄片化した後、Arガス雰囲気中にて、400℃で10分間ホットプレスを行って仮焼結体を作製した。その後、この仮焼結体をArガス雰囲気中で上部金型温度(Ta)を400℃、下部金型温度(Tb)を500℃とし、歪速度0.05/分の条件で、上部金型のみを加圧する鍛造加工を行い実施例7の熱電材料にした。なお、本実施例における各金型の温度は、図10に示す上部金型温度測定点TA及び下部金型測定点TBにて測定した。
【0049】
上述の方法により作製した実施例7の熱電材料について比抵抗(ρ)の値を測定した。図15は、横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例7の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。なお、図15には比較例として、上下の金型温度を500℃にして鍛造加工を行った比較例1のデータも併せて示す。また、本実施例においては、前述の第1乃至第4の実施形態と同様に、比抵抗(ρ)の値が1.1以下の部分を使用可能な部分と判断した。図15に示すように、実施例7の熱電材料は、比抵抗(ρ)の値が1.1以下である部分は中心からの距離が0.8の部分まであった。よって、本発明の範囲内で製造された実施例7の熱電材料は、上下の金型を同じ温度で鍛造加工を行った比較例1の熱電材料に比べて、使用できない部分が少なくなり、歩留まりが向上した。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、鍛造加工において、固定される金型における材料と接触する面の摩擦抵抗を、移動させる金型における材料と接触する面の摩擦抵抗より低くすることにより、材料全体の流速を均一化し、熱電材料全体の結晶の配向性を均一化して、歩留まりを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の熱電材料の製造方法をその工程順に示すフロー図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の熱電材料の製造方法において、原料をインゴットにするための工程を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の熱電材料の製造方法において、液体急冷法により薄膜又は粉末を製造する方法を示す模式図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工方法を模式的に示す断面図である。
【図5】(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工方法を模式的に示す断面図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工方法を模式的に示す断面図である。
【図7】(a)は本発明の第3の実施形態の熱電材料の製造方法で使用される下部金型14b示す断面図であり、(b)は勾配が大きい金型を使用して作製された熱電材料を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の熱電材料の製造方法における変形例で使用される金型を模式的に示す断面図である。
【図9】(a)及び(b)は本発明の第4の実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工方法を模式的に示す断面図である。
【図10】(a)及び(b)は本発明の第5の実施形態の熱電材料の製造方法における鍛造加工方法を模式的に示す断面図である。
【図11】横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例1及び比較例1の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。
【図12】横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例2、実施例3及び比較例1の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。
【図13】横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例4、実施例5及び比較例1の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。
【図14】横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例6及び比較例1の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。
【図15】横軸に中心からの距離をとり、縦軸に比抵抗(ρ)をとって、実施例7及び比較例1の熱電材料における比抵抗(ρ)のばらつきを示すグラフ図である。
【図16】従来の熱電材料の製造方法を示すフローチャートである。
【図17】(a)乃至(c)は、従来の熱間すえこみ鍛造工程をその工程順に示す断面図であり、(d)は(b)における材料の流動状態を示す模式図であり、(e)は(c)における材料の流動状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1;原料 2;アンプル管 3;管状炉 4;スタンド 5;射出口 6;石英ノズル 7;溶湯 8;冷却ロール 9;急冷薄帯 10、12、15、17、20、101;熱電材料 10a、12a、15a、17a、20a;仮焼結体 11、13、14、16、21、104;金型 11a、13a、14a、14d、16a、21a、104a;上部金型 11b、13b、14b,16b、21b、104b;下部金型 13c、16c;側部金型 17a;インゴット 18;ダミー材 19;孔 30a、30b;ウエハ 101a;焼結インゴット 102;空隙 103;流動方向 TA;上部金型温度測定点 TB;下部金型温度測定点
Claims (9)
- Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる材料を、対向する1対の金型を使用して加熱条件下で押圧することにより鍛造加工する工程を有する熱電材料の製造方法において、一方の金型における前記材料と接する面が他方の金型における前記材料と接する面より摩擦係数が低くなるようにして、前記一方の金型を固定し、前記他方の金型を移動させることにより前記材料を押圧することを特徴とする熱電材料の製造方法。
- Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる材料を、対向する1対の金型を使用して加熱条件下で押圧することにより鍛造加工する工程を有する熱電材料の製造方法において、一方の金型における前記材料と接する面に中央部が高く端部方向に向かって傾斜する勾配を形成し、前記一方の金型を固定し、前記他方の金型を移動させることにより前記材料を押圧することを特徴とする熱電材料の製造方法。
- Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる材料を、対向する1対の金型を使用して加熱条件下で押圧することにより鍛造加工する工程を有する熱電材料の製造方法において、一方の金型における前記材料と接する面の温度を前記他方の金型における前記材料と接触する面の温度より高くして、前記一方の金型を固定し、前記他方の金型を移動させることにより前記材料を押圧することを特徴とする熱電材料の製造方法。
- Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる材料を、対向する1対の金型を使用して加熱条件下で押圧することにより鍛造加工する工程を有する熱電材料の製造方法において、双方の金型を同一速度で移動させることにより前記材料を押圧することを特徴とする熱電材料の製造方法。
- 前記鍛造加工は、押圧方向と直交する一方向に前記材料が変形することを抑制し、押圧方向と直交する他方向にのみ材料を変形させる拘束すえこみ鍛造法であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱電材料の製造方法。
- 前記鍛造加工は、前記材料の両側に前記材料より軟質であるダミー材を配置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱電材料の製造方法。
- 前記材料は、Bi及びSbからなる群から選択された群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成のインゴットを液体急冷法により又は粉末化したものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱電材料の製造方法。
- 前記材料は、Bi及びSbからなる群から選択された群から選択された少なくとも1種類の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種類の元素とからなる組成のインゴットを液体急冷法により薄膜化又は粉末化したものの焼結体であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱電材料の製造方法。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の熱電材料の製造方法により製造されることを特徴とする熱電材料。
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