JP2016046327A - 希土類磁石の製造方法 - Google Patents

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【課題】焼結体に熱間据え込み加工を施して希土類磁石を製造する方法に関し、製造コストを増加させることなく、しかも簡易な方法で、保磁力分布のある希土類磁石を製造する方法を提供する。【解決手段】磁性粉末を加圧成形して焼結体S1を製作し、熱間塑性加工を施して希土類磁石を製造する方法において、熱間塑性加工は、下型K5と上型K4と側面型K6からなる成形型M2の内部に焼結体S1を載置して加圧する熱間据え込み加工であり、熱間据え込み加工に際し、焼結体S1の中で他の部位に比して相対的に高い保磁力を付与したい箇所は予め側方に張り出した凸部S1aを形成しておき、焼結体S1を成形型M2に載置した際に、凸部S1aが側面型K6に当接する、もしくは凸部S1aが焼結体S1の他の部位に比して側面型K6に近接している状態として熱間据え込み加工をおこなう。【選択図】図4

Description

本発明は、焼結体に熱間据え込み加工を施して希土類磁石を製造する希土類磁石の製造方法に関するものである。
ランタノイド等の希土類元素を用いた希土類磁石は永久磁石とも称され、その用途は、ハードディスクやMRIを構成するモータのほか、ハイブリッド車や電気自動車等の駆動用モータなどに用いられている。
この希土類磁石の磁石性能の指標として残留磁化(残留磁束密度)と保磁力を挙げることができるが、モータの小型化や高電流密度化による発熱量の増大に対し、使用される希土類磁石にも耐熱性に対する要求は一層高まっており、高温使用下で磁石の磁気特性を如何に保持できるかが当該技術分野での重要な研究課題の一つとなっている。
希土類磁石としては、組織を構成する結晶粒(主相)のスケールが3〜5μm程度の一般的な焼結磁石のほか、結晶粒を50nm〜300nm程度のナノスケールに微細化したナノ結晶磁石があるが、中でも、上記する結晶粒の微細化を図りながら高価な重希土類元素の添加量を低減したり、重希土類元素の添加を無くすことのできるナノ結晶磁石が現在注目されている。
希土類磁石の製造方法の一例を概説すると、たとえばNd-Fe-B系の金属溶湯を急冷凝固して得られた微粉末(磁性粉末)を加圧成形しながら焼結体とし、この焼結体に磁気的異方性を付与するべく熱間塑性加工を施して希土類磁石(配向磁石)を製造する方法が一般に適用されている。なお、この熱間塑性加工には、後方押出し加工や前方押出し加工といった押出し加工や、据え込み加工(鍛造加工)などが適用されている。
据え込み加工にはさらに、自由鍛造や半密閉鍛造、密閉鍛造が存在している。自由鍛造は、下型のたとえば平坦面にワークを載置し、下型に対して上型を降下させてたとえば上型の平坦なプレス面でワークをプレスし、この際に側方に潰れて広がるワークを側方で拘束させない鍛造法である。これに対し、半密閉鍛造は、側方の一部に側面型を配設しておき、側方に潰れて広がるワークの側方の一部を拘束する鍛造法である。また、密閉鍛造は、上型、下型に加えて据え込み空間を完全閉塞する側面型を備え、側方に潰れて広がるワークの側方を完全に拘束する鍛造法である。
焼結体に熱間据え込み加工をおこなって磁気的異方性を付与することにより、加工された希土類磁石はその全体に亘って結晶にひずみが加えられて磁化容易方向(六方晶c軸方向)に配向する結果、高い磁化(残留磁束密度)が得られる。その一方で、結晶にひずみが加えられることで結晶粒が成長し、結晶粒の成長に伴って結晶間の磁気分断に寄与する粒界相が低減することになり、結果として保磁力が低下することになる。
ところで、IPMモータ等のロータ内に埋設される永久磁石である希土類磁石には、ステータコア側から入射してくる外部磁界による減磁に抗し得る保磁力が要求されている。この希土類磁石に作用する外部磁界は、希土類磁石の埋設されたロータを平面的に見た際に希土類磁石のステータコア側の隅角部が最も大きく、ロータコアの中央側が小さくなるのが一般的である。
したがって、希土類磁石の全領域を同程度の保磁力性能にする必要はなく、高い保磁力が要求される箇所において相対的に大きな保磁力性能を有する希土類磁石であればよい。
このような観点から、特許文献1では、部位ごとに異なる必要保磁力を備えた磁石を組み合わせてなる永久磁石が開示されている。
たとえば、上記据え込み加工による加工率を相違させることで保磁力性能の異なる複数の磁石を製作し、部位ごとに必要な保磁力を備えた磁石を組み合わせて永久磁石を製作することにより、たとえば隅角部には相対的に大きな保磁力を備えた保磁力分布のある永久磁石を製作することができる。
しかしながら、この方法では、一つの永久磁石(希土類磁石)を製作するに当たり、保磁力の異なる複数の磁石を用意し、さらに用意された複数の磁石を必要保磁力に応じて各部位に固有の磁石が配設されるようにして組み付ける磁石製作工程を要し、この磁石製作工程が多大な時間と手間を要することは容易に理解できる。
また、希土類磁石に保磁力分布を付与する別の方法として、熱間塑性加工にて製造された希土類磁石(配向磁石)の粒界相に、ジスプロシウム等の重希土類元素やその合金等を粒界拡散する方法もある。しかし、この方法では、重希土類元素等を粒界拡散させることから、材料コストがかかることと改質合金の粒界拡散工程を要することが相俟って、希土類磁石の製造コストの増加が避けられない。
特開2009−27847号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、焼結体に熱間据え込み加工を施して希土類磁石を製造する製造方法に関し、製造コストを増加させることなく、しかも簡易な方法で、保磁力分布のある希土類磁石を製造することのできる希土類磁石の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による希土類磁石の製造方法は、希土類磁石用の磁性粉末を加圧成形して焼結体を製作し、焼結体に磁気的異方性を付与する熱間塑性加工を施して希土類磁石を製造する希土類磁石の製造方法において、前記熱間塑性加工は、下型と上型と側面型からなる成形型の内部に焼結体を載置し、上型、下型のいずれか一方を他方に対して相対移動させて加圧する熱間据え込み加工であり、熱間据え込み加工に際し、焼結体の中で他の部位に比して相対的に高い保磁力を付与したい箇所は予め側方に張り出した凸部に形成しておき、焼結体を成形型に載置した際に、該凸部が側面型に当接する、もしくは該凸部が焼結体の他の部位に比して側面型に近接している状態として熱間据え込み加工をおこなうものである。
本発明の希土類磁石の製造方法は、熱間塑性加工として熱間据え込み加工を適用し、この加工において、上型と下型に加えて側面型を備えた成形型を使用する。このことに加えて、成形型の据え込み空間に収容される焼結体に関し、相対的に高い保磁力を付与したい部位に凸部を形成しておき、凸部を側面型に当接させた状態で熱間据え込み加工を実施する、もしくは凸部を側面型に近接させた状態で熱間据え込み加工を実施することにより、高い保磁力を付与したい部位における熱間据え込み加工の際の変形量を可及的に少なくし、導入されるひずみを少なくすることで保磁力低下を抑制するものである。したがって、熱間据え込み加工によって焼結体に磁気的異方性が付与されて高い磁化性能を備え、かつ高い保磁力を要する箇所には当該保磁力を備えた保磁力分布のある希土類磁石が製造される。
側面型は、据え込み空間を完全に密閉する形態(密閉鍛造法)であってもよいし、一部閉塞する形態(半密閉鍛造法)であってもよい。
本発明者等による検証の結果、凸部を設けておいた部位の熱間据え込み加工時の変形が抑制されることで導入される塑性ひずみが少なくなり、その部位の保磁力が高められることが実証されている。
本発明の製造方法によれば、側面型を備えた成形型を使用して熱間据え込み加工をおこなうこと、焼結体のうちで相対的に高い保磁力を付与したい部位に凸部を形成しておくことにより、所定の保磁力を要する箇所に当該保磁力が付与された希土類磁石を、製造コストを増加させることなく、しかも簡易かつ効率的な方法で製造することが可能になる。
ここで、上記凸部に関し、たとえば直方体に加工された焼結体の上面隅角部に相対的に高い保磁力を付与したい場合は、焼結体の上面の四つの隅角部から側方に張り出した凸部を設けておけばよい。また、焼結体の上下面の隅角部に相対的に高い保磁力を付与したい場合は、焼結体の上下面の計八つの隅角部から側方に張り出した凸部を設けておけばよい。
あるいは、焼結体の上面もしくは上下面において、焼結体の側方に張り出した矩形枠状の凸部を設けておくこともできる。この場合、焼結体の断面視形状は、上面のみに矩形枠状の凸部が設けられている場合はTの字状となり、上下面に矩形枠状の凸部を設けておく場合はHの字状となる。
既述するように、ロータに希土類磁石が組み込まれた際に高い保磁力が必要となる部位は、たとえば希土類磁石が直方体の場合はティース側となる四つの隅角部であることから、直方体の焼結体において、これが希土類磁石に製造されてロータに組み込まれた際にティース側となる四つの隅角部において側方に張り出した凸部を形成しておき、たとえば成形型の側面型にこの四つの凸部を当接させた状態で熱間据え込み加工を実施することで、ロータに組み込まれた際にティース側となる四つの隅角部の保磁力が他の部位に比して相対的に高い希土類磁石を製造することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の希土類磁石の製造方法によれば、熱間塑性加工として熱間据え込み加工を適用し、この加工において、上型と下型に加えて側面型を備えた成形型を使用するとともに、成形型の据え込み空間に収容される焼結体に関し、相対的に高い保磁力を付与したい部位に凸部を形成しておき、凸部を側面型に当接させた状態で熱間据え込み加工を実施する、もしくは凸部を側面型に近接させた状態で熱間据え込み加工を実施する。このことにより、高い保磁力を付与したい部位における熱間据え込み加工の際の変形量を可及的に少なくし、導入されるひずみを少なくすることで保磁力低下を抑制することができ、熱間据え込み加工によって高い磁化性能を有し、高い保磁力を要する部位に当該保磁力を有する保磁力分布のある希土類磁石を、製造コストを増加させることなく、簡易かつ効率的に製造することができる。
本発明の希土類磁石の製造方法で使用される希土類磁石用の磁性粉末の製作方法を説明した模式図である。 本発明の希土類磁石の製造方法において、焼結体の製作方法を説明した模式図である。 (a)は図2の製作方法で製作された焼結体の実施の形態1を示した斜視図であり、(b)は焼結体の実施の形態2を示した斜視図である。(c)は焼結体の実施の形態3を示した斜視図である。 焼結体の実施の形態1を使用して熱間塑性加工(熱間据え込み加工)を実施している状況を説明した模式図である。 製造された保磁力分布のある希土類磁石を示した斜視図である。 (a)は図3aで示す焼結体のミクロ構造を説明した図であり、(b)は図5で示す希土類磁石のミクロ構造を説明した図である。 実施例および比較例の熱間据え込み加工を説明した図とそれぞれの加工方向ひずみ分布を示した図である。 (a)は実施例および比較例の測定位置における加工方向ひずみの測定結果を示した図であり、(b)は実施例および比較例の測定位置における保磁力の測定結果を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の希土類磁石の製造方法の実施の形態を説明する。
(希土類磁石の製造方法の実施の形態)
図1は本発明の希土類磁石の製造方法で使用される希土類磁石用の磁性粉末の製作方法を説明した模式図であり、図2は本発明の希土類磁石の製造方法において、焼結体の製作方法を説明した模式図である。また、図3は製作された焼結体の実施の形態を示した図である。さらに、図4は焼結体の実施の形態1を使用して熱間塑性加工(熱間据え込み加工)を実施している状況を説明した模式図であり、図5は製造された保磁力分布のある希土類磁石を示した斜視図である。
本発明の製造方法は、希土類磁石用の磁性粉末を加圧成形して焼結体を製作し、焼結体に磁気的異方性を付与する熱間塑性加工を施して希土類磁石を製造する方法である。まず、磁性粉末の製作方法を概説する。
たとえば50kPa以下に減圧した不図示の炉中で、単ロールによるメルトスピニング法により、合金インゴットを高周波溶解し、図1で示すように、希土類磁石を与える組成の溶湯を銅ロールRに噴射して急冷薄帯B(急冷リボン)を製作する。
製作された急冷薄帯Bを粗粉砕して磁性粉末Jを製作する。ここで、磁性粉末Jの粒径範囲は75〜300μmの範囲となるように調整されるのがよい。
次に、製作された磁性粉末を加圧成形して焼結体を製作する方法を説明する。
図2で示すように、中央に溝のある上型K1,下型K2および側面型K3からなる成形型M1を使用する。なお、側面型K3は中央に断面矩形の中空を有した筒体である。
同図で示すように、成形型M1内に磁性粉末Jを充填し、上型K1を降下させて(X1方向)加圧成形する。
図2で示す加圧成形により、図3aで示すように、直方体の下方において側方に張り出した凸部S1aを備えた焼結体S1が製作される。
なお、使用する成形型を変更したり、適宜の後加工を施すことにより、たとえば図3bで示すように直方体の上下面に凸部S2aを備えた焼結体S2や、図3cで示すように直方体の一方の側面の四つの隅角部に凸部S3aを備えた焼結体S3を製作することもできる。ここで、図3cで示す焼結体S3は、これが熱間据え込み加工されてできた希土類磁石がロータのスロットに収容された際に、凸部S3aを具備する四つの隅角部に相当する希土類磁石の隅角部がロータ周囲に配設されているティースTS側に対向するようになっている。これは、既述するように、ロータに配設される希土類磁石のうち、ティースに対向する側の隅角部の減磁が激しく、したがって他の部位に比して高い保磁力を要求されるからである。
ここで、焼結体S1は、ナノ結晶組織のNd-Fe-B系の主相(平均粒径が300nm以下で、たとえば50nm〜200nm程度の結晶粒径)と、主相の周りにあるNd-X合金(X:金属元素)の粒界相を備えたものである。また、焼結体S1の粒界相を構成するNd-X合金は、Ndと、Co、Fe、Ga等のうちの少なくとも一種以上の合金からなり、たとえば、Nd-Co、Nd-Fe、Nd-Ga、Nd-Co-Fe、Nd-Co-Fe-Gaのうちのいずれか一種、もしくはこれらの二種以上が混在したものであって、Ndリッチな状態となっている。
次に、焼結体S1を熱間塑性加工(熱間据え込み加工)して希土類磁石を製造する方法を説明する。
図4で示すように、下型K5上に断面矩形の中空を有した筒状の側面型K6が配設され、その据え込み空間G内で摺動自在な上型K4を備えた成形型M2を適用し、据え込み空間Gに焼結体S1を凸部S1aが下型K5側にくるようにし、さらに凸部S1aを側面型K6に当接させた状態で載置する。すなわち、図示例の熱間据え込み加工は密閉鍛造方式の加工となっている。
上型K4を下方に摺動して(X2方向)焼結体S1を据え込み加工することにより、図5で示すように直方体形状の希土類磁石Cが製造される。
ここで、焼結体S1のうち、凸部S1aを設けておいた部位は熱間据え込み加工をおこなう前段階で側面型K6に当接していることから、熱間据え込み加工時に凸部S1aの変形は他の部位に比して抑制される。したがって、希土類磁石Cのうち、この凸部S1aに対応する箇所では導入される塑性ひずみが少なくなり、その部位の保磁力が高められることで高保磁力領域が形成され、一方で、凸部S1aを具備しない箇所に相当する他の部位は相対的に低保磁力領域となっている。
このように、図示する希土類磁石の製造方法によれば、熱間据え込み加工に際し、焼結体S1の中で他の部位に比して相対的に高い保磁力を付与したい箇所は予め側方に張り出した凸部S1aに形成しておき、焼結体S1を成形型M2に載置した際に、この凸部S1aを側面型K6に当接させることで、保磁力分布のある希土類磁石Cを効率的に製造することができる。なお、凸部S1aを側面型K6に当接させず、他の部位に比して相対的に側面型K6に近接させた状態で熱間据え込み加工を実施してもよい。
なお、熱間塑性加工の際の歪み速度は0.1/sec以上に調整されているのがよい。また、熱間塑性加工による加工度(圧縮率)が大きい場合、たとえば圧縮率が10%程度以上の場合の熱間塑性加工を強加工と称することができるが、加工率60〜80%程度の範囲で熱間塑性加工をおこなうのがよい。
また、図6aは図3aで示す焼結体のミクロ構造を説明した図であり、図6bは図5で示す希土類磁石のミクロ構造を説明した図である。図6aで示すように、磁性粉末を加圧成形して製作された焼結体S1は、ナノ結晶粒MP(主相)間を粒界相BPが充満する等方性の結晶組織を呈している。これに対し、図6bで示すように、熱間塑性加工されて製造された希土類磁石Cは、磁気的異方性の結晶組織を呈している。
このように、本発明の希土類磁石の製造方法によれば、熱間塑性加工である熱間据え込み加工において、上型K4と下型K5に加えて側面型K6を備えた成形型M2を使用するとともに、成形型M2の据え込み空間Gに収容される焼結体S1に関し、相対的に高い保磁力を付与したい部位に凸部S1aを形成しておき、凸部S1aを側面型K6に当接させた状態で熱間据え込み加工を実施する、もしくは凸部S1aを側面型K6に近接させた状態で熱間据え込み加工を実施する。このことにより、高い保磁力を付与したい部位における熱間据え込み加工の際の変形量を可及的に少なくし、導入されるひずみを少なくすることで保磁力低下を抑制することができ、熱間据え込み加工によって高い磁化性能を有し、高い保磁力を要する部位に当該保磁力を有する保磁力分布のある希土類磁石Cを、製造コストを増加させることなく、簡易かつ効率的に製造することが可能になる。
(従来の製造方法と本発明の製造方法で製造された希土類磁石のひずみと保磁力を測定する実験とその結果)
本発明者等は、従来の製造方法と本発明の製造方法で製造された希土類磁石のひずみと保磁力を測定する実験をおこなった。
ここで、図7は実施例1、2および比較例の熱間据え込み加工を説明した図とそれぞれの加工方向ひずみ分布を示した図である。なお、図7の左側で示す実験モデル図は焼結体や成形型が左右対称であることから、中心線CLの右側のみを図示しており、図7の右側で示すひずみ分布図も同様である。
実施例1は図3aで示す焼結体S1を熱間据え込み加工した場合であり、実施例2は図3bで示す焼結体S2を熱間据え込み加工した場合である。また、比較例は従来一般の直方体の焼結体S’を熱間据え込み加工した場合である。
図7のひずみ分布図より、比較例の希土類磁石の隅角部のひずみは大きく、その一方で、実施例1、2の希土類磁石の隅角部(領域A1,A2)のひずみは極めて小さくなっている。
また、図7のひずみ分布図における各測定点P1、P2,P3における加工方向ひずみに関する測定結果、保磁力に関する測定結果をそれぞれ図8a、bに示している。
図8aより、比較例のひずみ-0.5に対して、実施例1、2のひずみはほぼゼロに近い値であることが分かる。
また、図8bより、比較例の保磁力が17kOe程度であるのに対し、実施例1、2の保磁力はともに22kOe程度と、比較例に比して5kOeも保磁力が増加することが実証されている。
このように、高い保磁力を付与したい焼結体部位に凸部を設け、熱間据え込み加工の際にこの凸部の変形を抑制することにより、高価な重希土類元素等を粒界拡散させることなく、保磁力性能に優れた希土類磁石を製造することが可能になる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
M1,M2…成形型、K1,K4…上型、K2,K5…下型、K3,K6… 側面型、G…据え込み空間、R…銅ロール、B…急冷薄帯(急冷リボン)、J…磁性粉末、S1、S2、S3…焼結体、S1a,S2a,S3a…凸部、C…希土類磁石(配向磁石)、MP…主相(結晶粒、結晶)、BP…粒界相

Claims (3)

  1. 希土類磁石用の磁性粉末を加圧成形して焼結体を製作し、焼結体に磁気的異方性を付与する熱間塑性加工を施して希土類磁石を製造する希土類磁石の製造方法において、
    前記熱間塑性加工は、下型と上型と側面型からなる成形型の内部に焼結体を載置し、上型、下型のいずれか一方を他方に対して相対移動させて加圧する熱間据え込み加工であり、
    熱間据え込み加工に際し、焼結体の中で他の部位に比して相対的に高い保磁力を付与したい箇所は予め側方に張り出した凸部に形成しておき、焼結体を成形型に載置した際に、該凸部が側面型に当接する、もしくは該凸部が焼結体の他の部位に比して側面型に近接している状態として熱間据え込み加工をおこなう希土類磁石の製造方法。
  2. 焼結体の中で他の部位に比して相対的に高い保磁力を付与したい箇所は、焼結体の上面もしくは下面の端部であり、
    焼結体の側面のうち、前記上面もしくは下面の端部に対応する箇所を側方に張り出させて前記凸部とする請求項1に記載の希土類磁石の製造方法。
  3. 焼結体の中で他の部位に比して相対的に高い保磁力を付与したい箇所は、焼結体の上面と下面の端部であり、
    焼結体の側面のうち、前記上面と下面の端部に対応する箇所を側方に張り出させて前記凸部とする請求項1に記載の希土類磁石の製造方法。
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