JP2004335310A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Tetsuo Kobayashi
哲郎 小林
Masao Kanzaki
昌郎 神崎
Yoji Takeuchi
要二 竹内
Osamu Hiruta
修 蛭田
Yuichi Ito
勇一 伊藤
Naruaki Okuda
匠昭 奥田
Shigehiro Kawauchi
滋博 川内
Yoshio Ukiyou
良雄 右京
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

【課題】低温において高い出力を発揮できるリチウム二次電池を提供すること。
【解決手段】Liを吸蔵又は放出できる正極活物質21を含有する正極2と,Liを吸蔵又は放出できる負極活物質を含有する負極と,上記正極と負極との間でリチウムを移動させる電解液とを有するリチウム二次電池である。該リチウム二次電池において,上記正極2には,炭素を含有する導電助材23が混合されており,該導電助材23には,Pt,Au,Ag,Pd,Ir,及びRhから選ばれる1種以上を含む金属粒子235が担持されている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,低温において優れた出力を発揮できるリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来技術】
リチウムイオンの吸蔵・放出を利用したリチウム二次電池は,高電圧でエネルギー密度が高いため,情報機器,通信機器の分野で実用化が進んでいる。特に,パソコン,携帯電話等の小型化に伴い,リチウム二次電池は広く一般に普及するに至っている。その一方で,環境問題,資源問題から電気自動車の開発が急がれ,リチウム二次電池を電気自動車用電源として用いることも検討されている。
【0003】
このように,リチウム二次電池が普及し,特に小型携帯機器に利用されるようになったことに伴い,冬季屋外での利用も増加してきた。ところが,リチウム二次電池は,例えば−30℃等の低温においては,放電特性が低下し,充分な出力を得ることができないという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために,還元触媒作用を有する金属が正極活物質に担持されたリチウム二次電池が提案された(特許文献1参照)。このリチウム二次電池においては,正極中の正極活物質にRh等の還元触媒作用を有する金属を担持させることにより,低温における出力の向上を図っている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−203539号公報
【0006】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来のリチウム二次電池は,低温における放電特性は充分ではなかった。そのため,低温使用時の出力がさらに優れたリチウム二次電池が望まれている。
【0007】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,低温において高い出力を発揮できるリチウム二次電池を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】
本発明は,Liを吸蔵又は放出できる正極活物質を含有する正極と,Liを吸蔵又は放出できる負極活物質を含有する負極と,上記正極と負極との間でリチウムを移動させる電解液とを有するリチウム二次電池において,
上記正極には,炭素を含有する導電助材が混合されており,
該導電助材には,Pt,Au,Ag,Pd,Ir,及びRhから選ばれる1種以上を含む金属粒子が担持されていることを特徴とするリチウム二次電池にある(請求項1)。
【0009】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明のリチウム二次電池においては,上記正極に炭素を含有する導電助材が混合されており,該導電助材に上記金属粒子が担持されている。
そのため,上記リチウム二次電池は,低温において高い出力特性を発揮できるものとなる。
これは,以下の理由によるものであると考えられる。
【0010】
一般に,リチウム二次電池において,電解液中のリチウムイオンやそのカウンターアニオンは,電解液中の極性分子と溶媒和している。
本発明において,上記導電助材に担持された上記金属粒子は,極性分子との親和力が大きく,極性分子と溶媒和したリチウムイオンやそのカウンターアニオンを吸着することができる。
【0011】
その結果,リチウムイオンが挿入・脱離する上記正極活物質及び上記負極活物質と電解液との界面において,リチウムイオン及びそのカウンターアニオンの濃度が局所的に高くなり,反応速度が向上する。そのため,低温における電池の出力が向上すると考えられる。
【0012】
また,本発明においては,炭素を含有する導電助材に,上記金属粒子を担持させている。
そのため,炭素の優れた吸着力を生かして,上記金属粒子を強固に担持することができる。それ故,上記金属粒子は,上記リチウム二次電池の使用時に上記導電助材から剥がれてしまうことはほとんどない。したがって,上記リチウム二次電池は,耐久性に優れ,高い出力を安定に維持することができる。
【0013】
以上のように,本発明によれば,低温において高い出力を発揮できるリチウム二次電池を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明(請求項1)において,上記正極活物質としては,例えばリチウムを含有するものがある。このような正極活物質としては,例えばLiCoO,LiNiO,LiMn,LiFeO,LiFePO,LiCoPO,LiMn1.5Ni0.5,LiNi1−xCo(0<x<1),LiNi1−xAl(0<x<1),LiNiCoAl(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z=1),LiNiCoAlMg(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,0≦w≦1,x+y+z+w=1),及びLiMn1−xCr(0≦x≦1)等を用いることができる。その他にも,上記正極活物質としては,Liと,Fe,Mn,Co,及びNi等の遷移金属元素との複合化合物等を用いることができる。更にこれらの化合物をベースとした異種元素置換体等を用いることもできる。
【0015】
また,上記負極活物質は,リチウムを含有するものであっても,又はリチウムを含有しないものであってもよい。
リチウムを含有する負極活物質としては,例えば金属リチウム,リチウム合金,LiV,LiV,LiTi12,及びLiTi等のリチウム化合物等がある。また,これらの化合物をベースとした異種元素置換体を用いることができる
【0016】
一方,リチウムを含有しない負極活物質としては,例えばリチウムイオンを吸蔵・脱離できる炭素物質等がある。このような炭素物質としては,例えば天然あるいは人造の黒鉛,メソカーボンマイクロビーズ(MCMB),フェノール樹脂等の有機化合物焼成体,コークス等の粉状体等が挙げられる。上記炭素物質以外にも,上記負極活物質としては,VO,FeOOH,SnO,Si化合物等を用いることができる。
【0017】
また,上記電解液としては,電解質を水に溶解してなる水溶液電解液,又は電解質を有機溶媒に溶解してなる非水電解液等を用いることができる。
上記水溶液電解液及び上記非水電解液等に溶解する電解質としては,例えばLiBF,LiPF,LiClO,LiCFSO,LiAsF,LiN(CFSO,LiN(CSO),LiCl,LiOH,及びLiNO等がある。これらの電解質は,それぞれ単独でもよく,又はこれらのうちから2種以上を併用することもできる。
【0018】
上記非水電解液の有機溶媒としては,非プロトン性の有機溶媒を用いることができる。このような有機溶媒としては,例えば環状カーボネート,鎖状カーボネート,環状エステル,環状エーテル,鎖状エーテル等から選ばれる1種又は2種以上からなる混合溶媒を用いることができる
【0019】
ここで,上記環状カーボネートとしては,例えばエチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ブチレンカーボネート,ビニレンカーボネート等がある。上記鎖状カーボネートとしては,例えばジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,メチルエチルカーボネート等がある。
上記環状エステルとしては,例えばガンマブチロラクトン,ガンマバレロラクトン等がある。
上記環状エーテルとしては,例えばテトラヒドロフラン,2−メチルテトラヒドロフラン等がある。
上記鎖状エーテルとしては,例えばジメトキシエタン,エチレングリコールジメチルエーテル等がある。上記有機溶媒としては,これらのもののうち,いずれか1種を単独で用いることもできるし,2種以上を混合させて用いることもできる。
【0020】
上記リチウム二次電池は,例えばリチウムを吸蔵・放出する正極及び負極と,この正極と負極との間に狭装されるセパレータと,正極と負極との間でリチウムを移動させる電解液等を主要な構成要素として構成することができる。
【0021】
正極は,例えば上記正極活物質に,導電助材及び結着剤を混合し,適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを,アルミニウム,ステンレス等の金属箔性の集電体の表面に塗布乾燥し,必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成することができる。
上記導電助材は炭素を含有してなる。このような導電助材としては,例えばカーボンブラック,アセチレンブラック,オイルファーネスカーボン,黒鉛等の炭素物質粉状体の1種又は2種以上を混合したものをを用いることができる。
【0022】
上記結着剤は,活物質粒子及び導電助材の粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり,例えばポリテトラフルオロエチレン,ポリフッ化ビニリデン,フッ素ゴム等の含フッ素樹脂,あるいはポリプロピレン,ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
これらの活物質,導電助材,結着剤等を分散させる溶剤としては,例えばn−メチルー2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
【0023】
負極は,上記正極と同様に,例えば上記負極活物質に導電助材及び結着剤を混合し,適当な溶媒を加えてペースト状にした負極合材を,金属箔集電体の表面に塗布,乾燥し,その後必要に応じてプレスして形成することができる。
また,負極のもう一つの形態としては,例えば負極活物質である金属リチウムをシート状に形成するか,あるいはシート状にしたものをニッケル,ステンレス等の集電体網に圧着して形成することができる。このとき,負極活物質としては,金属リチウムの代わりにリチウム合金又はLiTi12等のリチウム化合物を用いることができる。
【0024】
正極と負極との間に狭装させるセパレータは,正極と負極とを分離し電解液を保持するものであり,例えばポリエチレン,ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
【0025】
また,上記リチウム二次電池の形状としては,例えば円筒型,コイン型,角型等がある。上記正極,負極,電解液,セパレータ等を収容する電池缶としては,これらの形状に対応したものを用いることができる。
【0026】
次に,本発明において,上記導電助材には,Pt,Au,Ag,Pd,Ir,及びRhから選ばれる1種以上の金属を含む金属粒子が担持されている。
ここで,上記金属粒子としては,Ptを主成分として含有し,さらにAu,Ag,Pd,Ir,及びRhから選ばれる1種以上を含有する金属混合物又は合金よりなるものを用いることができる(請求項2)。
【0027】
また,上記金属粒子は,Pt,Au,Ag,Pd,Ir,及びRhから選ばれる1種以上の金属と,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,及びCuから選ばれる1種以上の第一遷移金属との合金であることが好ましい(請求項3)。
この場合には,上記リチウム二次電池の低温における出力特性を充分に保ちつつ,上記リチウム二次電池の製造コストを低下させることができる。
【0028】
上記導電助材に上記金属粒子を担持させる方法としては,例えば導電助材に担持させる金属を含む塩の溶液又はコロイド状の溶液に,上記導電助材としての炭素材を分散,攪拌させ,更に還元剤を加えて,上記導電助材上に金属粒子を還元析出させる方法がある。また,例えば還元剤を用いずに,溶媒を加熱除去して,金属粒子を析出させる方法がある。
【0029】
上記の金属を含む塩として,例えばPtを含む塩の場合には,例えばH(Pt(OH)),H(Pt(SO)OH,HPtCl,[Pt(NH(NO]等がある。また,Au,Ag,Pd,Ir,及びRhを含む塩の場合には,例えばAu(SO,AuCl,HAuCl,AgSO,[Ag(NH,[AgCl,[Ag(CN),AgNO,PdSO,Pd(NO,PdCl,[Pd(NH(NO],[Pd(NH]Cl,IrCl,Ir(SO,HIrCl,RhCl・4HO,及びRh(NO等がある。
【0030】
また,上記還元剤としては,例えば過酸化水素水(H),メタノール,ヒドラジン,ホルマリン等を用いることができる。
【0031】
次に,上記金属粒子の上記導電助材への担持量は,該導電助材中に含まれる炭素の重量に対して1〜50wt%であることが好ましい(請求項4)。
上記金属粒子の担持量が1wt%未満の場合には,低温使用時における出力が充分に得られないおそれがある。
一方,50wt%を越える場合には,上記リチウム二次電池の製造コストが高くなるおそれがある。
【0032】
また,上記金属粒子の粒子径は,50nm以下であることが好ましい(請求項5)。
この場合には,金属粒子の比表面積が大きくなるため,より少ない担持量でも充分に,上記金属粒子を担持させることによる効果を得ることができる。
上記金属粒子の粒子径が50nmを越える場合には,低温使用時における出力が充分に得られないおそれがある。
【0033】
また,上記導電助材中に含まれる炭素は,その比表面積が100m/g以上であることが好ましい(請求項6)。
上記導電助材中に含まれる炭素の比表面積が100m/g未満の場合には,粒子径が例えば50nm以下という小さい金属粒子を担持するすることが困難になり,低温使用時における出力が充分に得られないおそれがある。炭素の比表面積が大きいほど,担持される金属の粒子径を小さくできる。
また,上記導電助材中に含まれる炭素の比表面積は,例えば窒素吸着法等によって測定することができる。
【0034】
【実施例】
(実施例1)
次に,本発明の実施例につき,図1及び図2を用いて説明する。
本例のリチウム二次電池は,図1及び図2に示すごとく,Liを吸蔵又は放出できる正極活物質21を含有する正極2と,Liを吸蔵又は放出できる負極活物質を含有する負極3と,上記正極2と負極3との間でリチウムを移動させる電解液とを有する。
また,図2に示すごとく,上記正極2には,炭素を含有する導電助材23が混合されており,該導電助材23には,Ptを含む金属粒子235が担持されている。
【0035】
以下,本例のリチウム二次電池につき,図1及び図2を用いて詳細に説明する。
図1に示すごとく,本例のリチウム二次電池1は,正極2,負極3,セパレータ4,ガスケット5,及び電池缶6等よりなっている。電池缶6は,キャップ63及び外装缶65よりなり,該電池缶6内には,シート状の正極2及び負極3が,該正極2及び負極3の間に挟んだセパレータ4と共に捲回した状態で配置されている。
また,電池缶6のキャップ63の内側には,ガスケット5が設けられ,電池缶6の内部には,電解液が注入されている。
【0036】
図1及び図2に示すごとく,正極2は,アルミニウム箔よりなる正極集電体25に,正極活物質21,導電助材23及び結着剤27よりなるペーストを塗布し乾燥してなっている。また,図2に示すごとく,導電助材23には,Ptよりなる金属粒子235が担持されている。
【0037】
導電助材23は,比表面積が200m/gのオイルファーネスカーボンよりなり,該導電助材23に担持されている金属粒子235の粒子径は,約2〜3nmであり,また金属粒子235の担持量は,導電助材23のオイルファーネスカーボンの重量に対して10wt%であった。
また,負極3は,銅箔よりなる負極集電体35に,負極活物質及び結着剤よりなるペーストを塗布し乾燥してなっている。
【0038】
また,正極集電体25は,キャップ63側に配置された正極集電タブ255に熔接により接続されている。さらに正極集電タブ255は,キャップ63に熔接により接続されており,キャップはプラス極となっている。
また,負極集電体35は,外装缶65の底に配置された負極集電タブ355に熔接により接続されている。さらに負極集電タブ355は,外装缶65の底に接続されており,外装缶の底はマイナス極となっている。
【0039】
次に,本例のリチウム二次電池の製造方法につき,説明する。
まず,以下のようにして金属粒子を担持した導電助材を準備した。
即ち,導電助材としての比表面積が約200m/gのオイルファーネスカーボンを準備し,メタノール還元法によって,オイルファーネスカーボンに金属粒子としてのPtを担持させた。担持量は,10wt%とした。メタノール還元法は,Ptを含む塩としてのHPtClをメタノールにより還元しながらPtを担持する方法である。
【0040】
具体的には,HPtCl・6HOの粉末試薬を50vol%のメタノール水溶液に溶かし,これに導電助材としてのオイルファーネスカーボンを入れ,分散,攪拌した。そして,温度を70℃に保持し,5時間攪拌した。その後放置冷却し,ろ過,水洗して得られたオイルファーネスカーボンの粉末を60℃で乾燥させた。さらに,これを真空中,200℃で12時間処理して,Ptを10wt%担持させた導電助材としてのオイルファーネスカーボンの粉末を得た。
【0041】
次いで,上記のようにして得られたPtを担持した導電助材と,正極活物質としてのLiNi0.8Co0.15Al0.05を,乾式にてミキサー混合し,これに結着剤としての12%PVDF/n−メチル−2−ピロリドン溶液を加え,更にn−メチル−2−ピロリドン液を加えて粘度を調整しながら,混練して正極用のペーストを得た。正極活物質と導電助材と結着剤との混合比は,重量比で,正極活物質:導電助材:結着剤=85:10:5とした。
【0042】
次に,厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に,上記のようにして得られたペーストを塗工機にて塗布して塗工部を形成し,該塗工部の周囲にはペーストを塗布していない未塗工部を形成した。アルミニウム箔に塗布されたペーストの面積は243cmであった。続いて,アルミニウム箔に塗布したペーストを乾燥させ,n−メチルー2−ピロリドン溶媒分を除去し,その後,プレスを行ってシート状の正極を作製した。
【0043】
一方,負極の作製においては,まず,負極活物質としての人造黒鉛粉末に結着剤としての12%PVDF/n−メチル−2−ピロリドン溶液を加え,さらにn−メチル−2−ピロリドン溶液を加えて粘度を調整しながら混練して負極用のペーストを得た。負極活物質と結着剤との混合比は,重量比で,負極活物質:結着剤=95:5とした。
【0044】
次に,厚さ10μmの銅箔の両面に,上記のようにして得られたペーストを塗工機にて塗布して塗工部を形成し,該塗工部の周囲にはペーストを塗布していない未塗工部を形成した。銅箔に印刷されたペーストの面積は280cmであった。続いて,銅箔に塗布したペーストを乾燥させ,n−メチル−2−ピロリドン溶媒分を除去し,その後プレスを行ってシート状の負極を作製した。
【0045】
次に,図1に示すごとく,正極2及び負極3の上記未塗工部に,それぞれ正極集電タブ255及び負極集電タブ355を熔接した。これらの正極2及び負極3を厚さ25μmのポリエチレン製のセパレータ4と共に捲回し,スパイラル状の巻き電極を作製した。続いて,これを外装缶65及びキャップ63よりなる電池缶6に挿入し,電池缶6のキャップ63に,正極集電タブ255を熔接により接続すると共に,外装缶6の底に負極集電タブ355を熔接により接続した。
【0046】
その後,電池缶6のキャップ63の内側にガスケット5を配置し,電池缶6内に電解液を注入し,キャップ63にかしめ加工を施すことにより密閉し,リチウム二次電池1を作製した。電解液としては,エチレンカーボネート(EC)及びジエチルカーボネート(DEC)をそれぞれ3:7の体積比で混合して混合有機溶媒を作製し,該混合溶媒にLiPFをその濃度が1Mとなるように加えたものを用いた。
本例によって得られたリチウム二次電池1を試料E1とした。
【0047】
(比較例1)
本例は,導電助材に金属粒子を担持させることなく,リチウム二次電池を作製した例である。本例では,導電助材に金属粒子を担持させない点を除いては,実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
【0048】
即ち,まず,導電助材としての比表面積が約200m/gのオイルファーネスカーボンと,正極活物質としてのLiNi0.8Co0.15Al0.05を,乾式にてミキサー混合し,これに結着剤としての12%PVDF/n−メチル−2−ピロリドン溶液を加え,更にn−メチル−2−ピロリドン液を加えて粘度を調整しながら,混練して正極用のペーストを得た。正極活物質と導電助材と結着剤との混合比は,実施例1と同様に,重量比で,正極活物質:導電助材:結着剤=85:10:5とした。
【0049】
続いて,実施例1と同様にして,集電体としてのアルミニウム箔の両面に,上記のようにして得られたペーストを塗布し,乾燥させ正極を作製した。
また,負極は,実施例1と同様に,負極用のペーストを作製し,該ペーストを銅箔に塗布し,乾燥することによって作製した。
【0050】
さらに,実施例1と同様にして,正極,負極,セパレータ,電解液,及びガスケット等を電池缶に配置し,該電池缶を密閉することにより,リチウム二次電池を作製した。
本例によって得られたリチウム二次電池を試料C1とした。
【0051】
試料C1のリチウム二次電池においては,図3にしめすごとく,正極7は,アルミニウム箔よりなる集電体75の上に形成された正極活物質71,導電助材73,及び結着剤77よりなる。同図に示すごとく,試料C1においては,上記実施例1の試料E1とは異なり,導電助材73に金属粒子は担持されていない。
【0052】
(比較例2)
本例は,正極中に含まれる正極活物質に金属粒子を担持させた例である。本例では,正極活物質に金属粒子を担持させた点を除いては,実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
【0053】
即ち,まず,正極活物質としてのLiNi0.8Co0.15Al0.05を[Pt(NH(NO]水溶液に加え,2時間攪拌し,その後攪拌しながら加熱して徐々に水分を除去した。そして,水分を除去して得られる粉末を60℃にて乾燥させた後,真空中,200℃で12時間処理することにより,Ptを担持した正極活物質としてのLiNi0.8Co0.15Al0.05を得た。
【0054】
次いで,上記のようにして得られた正極活物質と,導電助材としての比表面積が約200m/gのオイルファーネスカーボンの粉末と,結着剤としての12%PVDF/n−メチル−2−ピロリドン溶液とを混合し,更にn−メチル−2−ピロリドン液を加えて粘度を調整しながら,混練して正極用のペーストを得た。正極活物質と導電助材と結着剤との混合比は,実施例1と同様に,重量比で,正極活物質:導電助材:結着剤=85:10:5とした。
【0055】
続いて,実施例1と同様にして,集電体としてのアルミニウム箔の両面に,上記のようにして得られたペーストを塗布し,乾燥させ正極を作製した。
また,負極は,実施例1と同様に,負極用のペーストを作製し,該ペーストを銅箔に塗布し,乾燥することによって作製した。
【0056】
さらに,実施例1と同様にして,正極,負極,セパレータ,電解液,及びガスケット等を電池缶に配置し,該電池缶を密閉することにより,リチウム二次電池を作製した。
本例によって得られたリチウム二次電池を試料C2とした。
【0057】
試料C2のリチウム二次電池においては,図4にしめすごとく,正極8は,アルミニウム箔よりなる集電体85の上に形成された正極活物質81,導電助材83,及び結着剤87よりなる。同図に示すごとく,試料C2においては,上記実施例1の試料E1とは異なり,金属粒子815は正極活物質81に担持されている。
【0058】
(実験例)
本例では,上記実施例1,比較例1及び比較例2にて作製した上記試料E1,試料C1及びC2について,−30℃における出力を測定した。
即ち,まず,各試料を数回充放電させ,次いで,20℃にてSOC約50%の充電状態に調整した。
その後,各試料を−30℃の恒温槽に移し,数時間保持した。この状態から,120mA,400mA,1200mA,1500mA,及び1800mAの電流値でそれぞれ,10秒間の放電と充電とを繰り返し行った。このとき,放電開始から10秒後の電圧を測定し,電流と電圧の関係を図5に示した。なお,それぞれの充放電の間には所定時間の休止を挟んだ。そして,放電下限を2.5Vとし,このときの放電電流量を求め,電流値と電圧値(2.5V)との積から出力を計算した。その結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
Figure 2004335310
【0060】
図5及び表1より知られるごとく,試料E1のリチウム二次電池は,−30℃という低温環境において,試料C1及び試料C2に比べて20%程度出力が向上しており,優れた出力を発揮することができた。
なお,図5において,横軸は電流値を示し,縦軸は,各放電開始から10秒後の電圧値を示すものである。
【0061】
また,試料E1,試料C1,及び試料C2のすべての試料において,正極は,正極活物質:導電助材:結着剤=85:10:5という重量比よりなっている。
そのため,試料E1及び試料C2中に含まれるPt量は,電極重量を基準として表すと,試料E1では1wt%,及び試料C2では1.7wt%となり,試料E1の方が少ない。即ち,試料E1は,試料C2より少ないPt担持量で,試料C2より大きな出力向上効果を生み出していることが確認できる。これは,試料E1においては,導電助材に金属粒子(Pt)を担持させたことにより,より細かい金属粒子が高分散された状態で導電助材に担持されているためである。
【0062】
以上のように,試料E1のリチウム二次電池は,低温において高い出力を発揮できるものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にかかる,リチウム二次電池の主要な構成を示す説明図。
【図2】実施例1にかかる,試料E1のリチウム二次電池における正極の主要な構成を示す説明図。
【図3】比較例1にかかる,試料C1のリチウム二次電池における正極の主要な構成を示す説明図。
【図4】比較例2にかかる,試料C2のリチウム二次電池における正極の主要な構成を示す説明図。
【図5】実験例にかかる,−30℃出力測定時の試料E1,試料C1,及び試料C2それぞれの電流−電圧曲線を示す図。
【符号の説明】
1...リチウム二次電池,
2...正極,
21...正極活物質,
23...導電助材,
235...金属粒子,
25...集電体,
27...結着剤,
3...負極,

Claims (6)

  1. Liを吸蔵又は放出できる正極活物質を含有する正極と,Liを吸蔵又は放出できる負極活物質を含有する負極と,上記正極と負極との間でリチウムを移動させる電解液とを有するリチウム二次電池において,
    上記正極には,炭素を含有する導電助材が混合されており,
    該導電助材には,Pt,Au,Ag,Pd,Ir,及びRhから選ばれる1種以上を含む金属粒子が担持されていることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 請求項1において,上記金属粒子は,Ptを主成分として含有し,さらにAu,Ag,Pd,Ir,及びRhから選ばれる1種以上を含有する金属混合物又は合金よりなることを特徴とするリチウム二次電池。
  3. 請求項1において,上記金属粒子は,Pt,Au,Ag,Pd,Ir,及びRhから選ばれる1種以上の金属と,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,及びCuから選ばれる1種以上の第一遷移金属との合金であることを特徴とするリチウム二次電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において,上記金属粒子の上記導電助材への担持量は,該導電助材中に含まれる炭素の重量に対して1〜50wt%であることを特徴とするリチウム二次電池。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において,上記金属粒子の粒子径は,50nm以下であることを特徴とするリチウム二次電池。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において,上記導電助材中に含まれる炭素は,その比表面積が100m/g以上であることを特徴とするリチウム二次電池。
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