JP2004334038A - 電磁駆動装置及びこれを用いた光量調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、磁石ロータの回転軸に対して左右2つに縦割りしたコイル枠にコイルを区割することなく全域に捲廻することが可能で装置の小型化とその製作が容易である電磁駆動装置及びこれを用いた光量調整装置の提供を目的としている。
【解決手段】中空筒状のコイル枠13と、このコイル枠13内に回転軸17を介して回動自在に内蔵された磁石ロータ16と、この磁石ロータ16の回転を伝達する伝動部材18と、上記コイル枠13の外周に捲廻されたコイル14とを備えた構成において、上記筒状のコイル枠13を、上記磁石ロータ16の回転軸方向左右に分割した2つのコイル枠13a,13bを結合して構成し、上記コイル14を、この2つのコイル枠の上下端面における結合面(合わせ面)24a,24bに対し交叉する方向に捲廻したものである。
【選択図】 図2
【解決手段】中空筒状のコイル枠13と、このコイル枠13内に回転軸17を介して回動自在に内蔵された磁石ロータ16と、この磁石ロータ16の回転を伝達する伝動部材18と、上記コイル枠13の外周に捲廻されたコイル14とを備えた構成において、上記筒状のコイル枠13を、上記磁石ロータ16の回転軸方向左右に分割した2つのコイル枠13a,13bを結合して構成し、上記コイル14を、この2つのコイル枠の上下端面における結合面(合わせ面)24a,24bに対し交叉する方向に捲廻したものである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は磁石ロータの周囲に捲廻したコイルに通電して、ロータの回転力を生起する電磁駆動装置及びこれを用いて各種光学機器の撮像光量を調整する光量調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】実用新案登録第2541274号公報
一般にカメラなどの光学機器は撮像レンズ部に撮像光が通過する光軸に開閉羽根を設け、この羽根で光を遮閉する所謂シャッター制御、或いは光軸の通過光量を増減調整する所謂露光制御を行っている。かかる羽根部材は伝動部材で磁石ロータに連結され、この磁石ロータの周囲に捲廻したコイルに通電することによって開閉するようになっている。
【0003】
そこで、この磁石ロータとコイルから成る電磁駆動装置は樹脂等で中空筒状に成形したコイル枠に磁石ロータを回転自在に内蔵し、このコイル枠の外周にコイルを捲廻し、その外側をヨーク(磁気誘導部材)で覆って形成されている。
【0004】
従来かかるコイル枠はマグネットの回転軸方向に対し、上下に2分割(上下横割り)するか左右に2分割(左右縦割り)するかいずれかの方法で分割して内部に磁石ロータを内蔵し、その後コイルを外周に捲廻して一体化する構造が採られている。
そして筒状のコイル枠を上下横割りにした場合には樹脂成形による抜きテーパーが必要であり、また内部に磁石ロータを軸承する際に上下の軸受け部の位置ズレでロータの正確な回転が得られないことがあり、その製作に問題を残している。
【0005】
そこで本発明は後者のコイル枠を左右に2分割して縦割りする方法に係わり、従来の小型化が困難である欠点を解決したものである。
従来は筒状(多くは円筒状)のコイル枠を中心から2つに縦割りし、このコイル枠に回転軸を具えたマグネットを内蔵し、コイル枠の外に突出した回転軸に伝動部材を後から取付ける構成になっている。
そしてコイルは2つの縦割りしたコイル枠のそれぞれ個別に形成された凹溝に捲廻され、2つのコイル枠を合体した中心部には磁石ロータの回転軸が突出し、両コイル枠は接着テープで一体化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、従来の縦割り構造の電磁装置はそれぞれコイルを捲廻したコイル枠を真中で結合し、その中心に回転軸部材が位置する為、筒状コイル枠が径方向に大型になってしまう欠点があり、例えばコイルを200ターン必要とする場合にコイル枠には100ターンづつ捲廻する凹溝などの巻き代をそれぞれに形成しなければならず、またその中心には軸部材を支持する軸受け部が必要となり、コイル枠の中心部に軸受けを形成する肉盛り部が必要となりその分装置が径方向に大型化してしまう欠点がある。
【0007】
そこでこの発明は、磁石ロータの回転軸に対して左右2つに縦割りしたコイル枠にコイルを区割することなく捲廻することによって装置の小型化を達成できるとの知見に基づき、この場合にコイル枠の接合面によって形成される溝でコイルが断線する問題を解決し、以って装置の小型化とその製作が容易である電磁駆動装置及びこれを用いた光量調整装置の提供を課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、中空筒状のコイル枠と、このコイル枠内に回転軸を介して回動自在に内蔵された磁石ロータと、この磁石ロータの回転を伝達する伝動部材と、上記コイル枠の外周に捲廻されたコイルとを備え、上記筒状のコイル枠を、上記ロータの回転軸方向左右に分割した2つのコイル枠を結合して構成し、上記コイルを、この2つのコイル枠の上下端面における結合面(合わせ面)に対し交叉する方向に捲廻したものである。
【0009】
この発明によると、筒状のコイル枠を磁石ロータの回転軸方向左右に分割した2つのコイル枠を結合して構成し、その2つのコイル枠の上下端面における結合面によって形成される溝に対し交叉する方向にコイルをコイル枠外周に捲廻するため、まずコイルを捲廻する際若しくは使用途上でコイルが合わせ面で断線することがない。従って従来左右2つに縦割りしたコイル枠のそれぞれに区割してコイルを捲廻していたものに比べコイルの捲廻スペースを大きくすることができ装置を小型化できることとなる。またコイルの捲廻も従来2つのコイル枠に個別に捲廻していたのに対し1つのコイルを捲廻すれば良い。
【0010】
また請求項2に記載の発明は、請求項1記載の電磁駆動装置においてその伝動部材をコイルの捲廻方向に対し略直交する方向に配置すると共に、この伝動部材の所定角度の運動を許容する開口を前記コイル枠の結合面の一部に形成したものである。
この発明によると、伝動部材に対してコイルの捲廻方向を略直交する方向に配置することで、アーム部材などの伝動部材とその外周に捲廻されたコイルとは略直交する位置関係となり伝動部材はこの位置から左右に所定角度(通常は60度前後)揺動する構成を採用でき、コイル枠にコイルを捲廻する面積を最大とすることができる。
【0011】
また請求項3に記載の発明は、請求項1記載の電磁駆動装置においてコイルは2つのコイル枠の上下端面における結合面に対し略直交する方向に捲廻され、前記伝動部材を該コイルの捲廻方向に対し略直交する方向に配置したものである。これにより2つのコイル枠の上下端面における結合面に形成される合わせ溝に対し略直交する方向にコイルは捲廻され、この溝によってコイルが破損する恐れが最も少ない。
【0012】
また上記請求項4に記載の発明は、請求項1記載の電磁駆動装置において磁石ロータの回転軸を軸承する一対の軸受けを前記2つのコイル枠の一方に形成したものである。
この発明によると、2つのコイル枠の一方に磁石ロータの回転軸は支持されるため上下に位置する軸受け相互の位置関係がズレる恐れがない。
【0013】
また請求項5に記載の発明は、請求項1記載の電磁駆動装置において、磁石ロータの回転軸を軸承する一対の軸受けの一方を前記2つのコイル枠の1つに、軸受けの他方をコイル枠の他方に形成したものである。
この発明によると、磁石ロータの回転軸を軸承する一対の軸受けは分離した2つのコイル枠に形成され、コイル枠を合体する際に簡単に磁石ローターを軸受部に組み込むことが出来、その製造が容易である。
【0014】
また請求項6に記載の発明は、
回転軸を有しこの回転軸と直交する方向に一対の磁極を形成した円筒状の磁石ロータと、この磁石ロータから上記磁極の方向と略直交し磁石ロータの径方向に延設した伝動部材と、上記磁石ロータと伝動部材とを上記回転軸を介して回動自在に内蔵する中空筒状のコイル枠と、このコイル枠の外周に捲廻されたコイルとを備え、上記コイル枠を、上記磁極の方向と交叉する方向で上記回転軸を介して左右に分割した2つのコイル枠の結合で構成し、この2つのコイル枠の結合面に上記伝動部材の所定角度の回動を許容する開口を形成し、上記コイルを磁極の方向と略同一の方向に捲廻したものである。
この発明によると、コイル枠を磁石ロータの磁極と直交する方向に分割しコイルをこの磁極と略同一の方向に捲廻することとなりコイル枠の結合面に形成される溝に対してコイルは略直交する方向に巻かれコイルの断線などの問題が生じない。
【0015】
また請求項7に記載の発明は光量調整装置に係わり、
光軸開口を有する基盤と、この基盤の光軸開口の光量を調節する羽根部材と、上記基盤に取り付けられた中空筒状のコイル枠と、このコイル枠内に回転軸を介して回動自在に内蔵された磁石ロータと、この磁石ロータの回転を上記羽根部材に伝達する伝動部材と、上記コイル枠の外周に捲廻されたコイルとを備えた光量調整装置において、上記筒状のコイル枠を、上記ロータの回転軸方向左右に分割した2つのコイル枠を結合して構成し、上記コイルを、この2つのコイル枠の上下端面における結合面に対し交叉する方向に捲廻して構成したものである。
この発明によると、カメラなどの撮影鏡筒に組み込まれるシャッター装置、光量絞り装置などの光量調整装置を小型化でき、以てカメラ鏡筒を小型化できることとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の好適な実施の形態に基づいて説明する。
まず、図1に示すカメラ用シャッター装置に本発明を採用した場合について説明する。図中MOは本発明に係わる電磁駆動装置を示し、SHは光量調整装置を示す。
【0017】
図1において光量調整装置SHは、板状の一対の基板1、2の間に2枚の羽根3、4をピン5で回動自在に収容し、この羽根が基板1、2に形成した光軸開口6を開閉するようにして構成されている。
上記の基板1はポリカーボネートを主体とする合成樹脂でモールド成形によって形成してあり、中央にカメラ装置の撮影光を通過させる光軸開口が設けてある。
またこの基板1には前記羽根3,4を支持するピン5と後述する電磁駆動装置MOを固定する鈎状突起7が一体に形成してある。この基板1には所定の間隔を(ギャップ)を形成するように突出部8が周縁適宜箇所に設けてあり、この突出部8上に基板2が取り付けられ、この一対の基板1,2間に羽根3,4が開閉自在に支持されるようになっている。
【0018】
上記基板2は金属板などの薄板で基板1にビスなどの固定手段で一体に取り付けられ、中央には光軸開口6が形成してある。
上記羽根3,4はポリエステルなどのフィルム板、或いは金属製の薄板で形成され図示のものは2枚構成で半円板形状の先端部が上記光軸開口を遮閉し、若しくは開放するように光軸開口6に配置されている。
また羽根3,4の基端部には後述する駆動装置と係合するスリット9,10がそれぞれに形成されている。
【0019】
この羽根3、4は基板1のピン5に嵌合され、このピン5を中心に回転運動すると共に2枚の羽根3、4のスリット9,10は図1の如く反対方向に傾斜して構成され、後述する駆動装置の伝動ピン11によって互いに反対方向に一方は時計方向、他方は反時計方向に回動するようになっている。
尚、図示のものは羽根を2枚の羽根部材で構成する場合を示したが、1枚若しくは3枚以上で形成しても良い。
【0020】
そして1枚の場合には図1の左右方向に羽根を移動する所謂フオーカルプレーンシャッターの構成とすれば良い。
また3枚以上の場合には羽根を光軸開口の周囲に所定間隔で配置し、光軸開口の外側外周に設けたリング状の作動部材にピンを植設してそれぞれの羽根に形成したスリットと嵌合する。そこでこのリング状作動部材を後述する駆動装置の伝動ピン11で所定角回転することによって光軸開口を開閉するように構成すれば良い。
【0021】
かかる光量調整装置SHは次の電磁駆動装置MOで作動されるようになっている。
電磁駆動装置MOは図2に分解斜視図で、図3に中央縦断面図で示すが、永久磁石から成るマグネットロータ12と、このマグネットロータ12を回動自在に内蔵するコイル枠13と、このコイル枠13の周囲に捲廻したコイル14と、このコイル14の周囲に嵌合したヨーク15とから構成されている。
【0022】
そして磁極を有するマグネットロータ12を周囲のコイル14に通電することによってロータ12を回転させるようになっている。
マグネットロータ12は永久磁石16と回転軸17と後述する伝動部材18とから構成される。
永久磁石16は希土類のプラスチックなど磁性材料を円筒状に形成し、この円筒状磁石に穿設した中心孔に回転軸17を接着剤と共に圧入して固着してある。そしてこの回転軸17は合成樹脂のモールド形成で伝動部材18を一体に備えている。
これは磁石16と回転軸17とを同一素材で一体に形成しても良いが加工が困難である為磁石16の中心に貫通孔を穿設しこれに回転軸17を挿入して固着する方法を採ったものである。
この他、磁石に中心孔を穿設することなく、回転軸17を有する合成樹脂のホルダーに磁石を組み込む方法も知られており本発明に採用し得ることは勿論である。
【0023】
このように回転軸17を有するマグネットロータ12はコイル枠13に回動自在に内蔵され,このコイル枠13にコイル14が捲廻されることになる。
コイル枠13は内部に筒状の磁石16を有するマグネットロータ12を内蔵する為、半裁状の2つのコイル枠13a,13bから構成され、本発明はこれをロータ12の回転軸17を介して左右2つに区割する方法を採っている。
【0024】
図2に示すようにコイル枠13は、内部にマグネットロータ12を収容する空洞19と、このロータ12の回転軸17を軸承する軸受20,21と伝動部材18を外部に突出させる開口22と、周囲にコイル14を捲廻するボビン部23とを必要とする為、通常は中空筒体で構成される。そこで図示のものは合成樹脂のモールド成形でこの中空筒体を縦軸方向(図2参照)に半裁した2つのコイル枠13a,13bで構成し、この2つのコイル枠13a,13bを合体する際に、マグネットロータ12を収容しこの空洞19内に形成した軸受20,21でロータの回転軸両端部を軸承する。そしてロータ12の伝動部材18を外部に突出させる開口22を合体した2つのコイル枠13a,13bの結合面24a,24bから連続するように筒体周側部に形成してある。
【0025】
つまり、コイル枠13は上下端面を有する中空筒体を図2縦方向に左右に分割した形状に構成され、それぞれにマグネットロータ12を収容する空洞部19とコイル14を捲廻するボビン部23と両者を合体する結合面24a,24bと、この結合面から切欠きで連結した開口22と、ロータ回転軸17の軸受部20,21が一体成形で形成してある。
また、図示25は上記結合面24a,24bの一方に形成した位置決め突起であり、他方のコイル枠に形成した嵌合穴26に係合するように適宜個所、図示のものは上下左右4個所に形成してある。
図示27は光量調整装置の基板1に固定する突起であり、その構造は後述する。
【0026】
マグネットロータ12は円筒状の永久磁石16に中心軸孔を設け、この中心軸孔に回転軸17を圧入して接着剤で固定し、この回転軸17にはアーム(棒)状の伝動部材18が磁石16の径方向外側に突出するように一体成形してある。
上記磁石16は前述の通り希土類の合成樹脂などの磁性材料によって形成され、回転軸17はボリカーボネートなどの合成樹脂のモールド成形で構成され、この回転軸17と一体に伝動部材18が形成してある。
そして磁石16はN−S2極に着磁してあり、特に運動を抽出する伝動部材18と略直交する方向にN−S2極が位置するようにしてある。
これは後述するコイルとの関係で磁石16の着磁方向(N−S磁極方向)に対し伝動部材18を略直交する方向に配置することによって、N−S磁極と同一方向に捲廻するコイル14と伝動部材18とは略直交する位置関係となる。
【0027】
つまり磁石16の磁極N−Sとほぼ同一方向にコイル14を巻くことが出力効率から好ましく、その時このコイル14と略直交する方向に伝動部材18が位置することとなり、この位置から左右に所定角回転例えば、左右それぞれに30度づつ、合計60度回転(揺動)する位置関係が成立する。
このような位置関係が最も好ましく、コイル14は左右に所定角回転する伝動部材18の移動領域を避けてコイル枠13の可能な限り広い範囲に巻くことが出力トルク或いはコイル枠の外径を小さくする関係で要求される。
この時コイル14に対し略直交する方向を中点として伝動部材18が所定角左右に回転することによって、伝動部材の回転角を一定とした場合コイルを捲廻するコイル枠のスペース(ボビン部23)が最も大きく確保できる。
【0028】
従ってコイル枠13の径を同一とするときはより高いトルクが得られ、逆に出力トルクを一定とするときはコイル枠13の径をより小さくすることが出来る。
これを第4図に従って説明すると磁石16のN−S磁極とコイル14の捲廻方向をほぼ同一方向のY−Yに設定し、磁石に取り付けた伝動部材18を略直交する方向X−Xにその移動領域の中点が位置するように設定する。伝動部材18はX−Xを移動する中点(中間位置)として両側に所定角度づつ移動するように設定する。
尚、前記ボビン部23はコイル枠13の外周に凹溝を形成してコイル14の巻き代として形成され、前記コイル枠13に形成される軸受部20,21は前述の2つのコイル枠13a,13bそれぞれにマグネットロータ12の回転軸17を嵌合する切欠きで構成してある。
特に図示の軸受は2つのコイル枠の一方に回転軸17に倣う円弧状の切欠20aと他方にコ字状の切欠20b(図4参照)で形成してあり、この両方の切欠を合体することによって回転軸17の一端を軸承するようにしてある。
回転軸17の他方も図示しないがこれと同一構成になっている。
【0029】
このように円弧状とコ字状の切欠きを合せて回転軸17を嵌合支持したのは両者を円弧状に形成したときには2つのコイル枠13a,13bを合体する際その位置がズレたとき、或いは製作時に寸法誤差が生じたとき所謂喰い付き現象が起きて回転軸17の円滑な運動が得られなくなる。
これに対し、回転軸17は一方の円弧状切欠部20aに倣い他方のコ字状切欠部20bは平面で軸17を押し付けることとなり喰い付くことがない。
【0030】
そこで本発明はコイル枠を2つに分割する際に分割したコイル枠の上下端面に生ずる結合面をコイルを捲廻する方向と交差する方向に設定したものである。
これは例えば円筒状など筒体に形成した2つのコイル枠13a,13bの上下端面に形成される結合面24a,24bに線状の溝が生じ、この線状溝に対して交叉する方向にコイル14が巻廻されることとなる。
図5に基づいて上述の交差の態様を説明すると、2つのコイル枠13aと13bはX−X線で結合され、ボビン部23がコイル枠13a,13bの周囲に凹溝で形成され、Y−Y方向にコイルが捲廻される。
【0031】
この場合、結合面24a,24bが形成するX−X線はコイル14が形成するY−Y線とほぼ直交する方向に設定してある。この他結合面24a,24bが形成するX−X線は図示X1−X1線からX2−X2線の間(図示矢印部分、即ちコイルを捲廻するボビン部の陵線から外れた位置に結合面が位置する状態)で設定することが可能であり、更にこの範囲から若干外れた位置で結合しても良い。
これは図示のX1−X1,X2−X2の間であればコイルが結合面に形成される線状の溝を常に交叉方向に過りコイル線が溝に没入して破損することがない。
しかし、図示X1−X1,X2−X2の矢印領域から若干外れても結合面が形成する溝は浅く、この結合面が図示矢印領域から外れるに従って溝は深くなる。
【0032】
つまり筒状のコイル枠の陵(図示28と29)に結合面によって形成される溝がコイルの線径との関係で許容される範囲であれば必ずしも図示の範囲内に限られず結合面は若干これから外れた位置に形成しても良い。
【0033】
次に2つのコイル枠13a,13bの結合面24a,24bと前記伝動部材18との位置関係を説明すると、
コイル枠13a,13bの周側面には伝動部材18の回転を許容する為の開口22が必要であり、この開口22は伝動部材18と一体の磁石16をコイル枠内部に収容する関係からコイル枠13a,13bの周側面に位置する結合面から連続してこの開口22を形成する必要が生ずる。
【0034】
つまり図2に示すように上下縦方向に半裁した2つのコイル枠13a,13bはその周側面に開口22が形成され、この開口22は2つのコイル枠13a,13bそれぞれの結合面に形成した切欠きから形成してある。これによって2つのコイル枠13a,13bを合体する際にマグネットロータ12を内蔵するのと同時に伝動部材18を外部に突出させることができる。
【0035】
上述の説明から明らかなように電磁駆動装置MOはマグネットロータ12を2つのコイル枠13a,13bに内蔵し、このコイル枠を合体した後、外周にコイル14をコイル枠13a,13bの上下端面における結合面24a,24bに対して交叉する方向に捲廻し、このコイル枠13a,13bの外周にヨーク15を嵌合して構成されている。
そして図示のコイル枠13a,13bはボリカーボネート系の樹脂をモールド形成で、マグネットロータ12の磁石16は希土類樹脂を焼結によって形成してあり、コイル枠13の外径を5mm直径に、コイルを0.004mm径の銅線で200ターン捲廻してあり、コイル枠のボビン部は3mm幅に構成してある。
【0036】
かかる駆動装置MOは直径が5mmに構成されコイル14の巻き代は3mmで構成され非常に小型なものとなる。この構成にあってコイル捲き代(ボビン部)を1つで単一構成にし、コイル枠13a,13bの接合面24a,24bに対して交叉した方向にコイル14を捲廻することが小型化を可能にしている。
そこで駆動装置MOのコイル枠13a,13bには図示の突出部27が4個所に形成してあり、突出部27は鈎状で断面逆L字状の形状で形成されている。
この突出部27は前述の光量調整装置SHの基板1に形成した鈎状突起7と互いに嵌合するようになっていてこれにより基板1に駆動装置MOが取り付けられる。
【0037】
このように構成された光量調整装置は、例えばカメラの撮影レンズに組み込まれ、前述の羽根3、4はクローズ方向図1矢印側に図示しないスブリングで付勢してある。
そしてカメラのレリーズ操作に連動して、前記コイル14に電源から電流を供給する。するとコイル14に発生する磁界がマグネットロータ12を図1において時計方向に回転させ羽根3、4は基板1の光軸開口6を開く。そこで撮影のための露光が開始し、カメラが露光終了の信号を得て前記コイル14に逆電流を供給し、マグネットロータ18を反時計方向に回転させて羽根3、4が光軸開口6を閉じるように制御する。
このようにすることによって各種カメラ装置のシャツター動作を実行する光量調整に供することが可能となる。
【0038】
次に図6、7に分解斜視図で、図8に中央縦断面図で示す光量調整装置について本発明を説明する。
図示のものは各種カメラ装置に組込まれ、撮影条件に応じて撮影光軸を通過する光量を増減調整する絞り装置に関する。
【0039】
図6においてEXは絞り装置としての光量調整装置をMOはその電磁駆動装置を示し、光量調整装置EXは編平状の一対の基板51、52間に絞り羽根53、54を摺動自在に組み込みこの羽根53、54で基板51、52に設けた光軸開口55の口径を調整するようになっている。
基板51はモールド成形でボリカーボネートなどの合成樹脂から構成され、中央には光軸開口55がその周囲には図示しないリブが羽根53、54をガイドするように設けられている。
【0040】
基板52は金属などの薄板で構成され基板1に設けた突起部56上に取付けられ基板1との間に羽根の摺動を許容するギャッブを形成するようになっている。
絞り羽根53、54は基板1に形成したピン(図示せず)と各々に形成した4個所のスリット57が嵌合支持され、図6左右に移動するようになっている。
そして、羽根の基端部には羽根53側にスリット58が羽根54側にスリット59が形成してある。このスリット58、59に後述する電磁駆動装置の伝動ピン60、61が係合され、この伝動ピンで羽根53と54は互いに異なる方向に移動し、その結果光軸開口55の口径を大小に設定できるようになっている。図示62は電磁駆動装置MOを固定する鈎状突起で断面逆L字状に基板1と一体に形成してあり、図示、63は基板1に形成されたスリットで伝動ピン60、61の運動を妨げない為の逃げ溝である。
【0041】
尚、図示のものは羽根を2枚の羽根部材で構成する場合を示したが、1枚若しくは3枚以上で形成しても良く、1枚の場合には光軸開口より小径の開口を形成した羽根を基板の光軸開口に臨ませて位置させる場合と光軸開口から退避して位置させる場合とで光量を調整するようにすれば良く、3枚以上の場合には羽根を光軸開口の周囲に所定間隔で配置し、光軸開口の外側外周に設けたリング状の作動部材にピンを植設してそれぞれの羽根に形成したスリットと嵌合する。そしてこのリング状作動部材を後述する駆動装置の伝動ピンで所定角回転することによって光軸開口を大径小径に調整するように構成すれば良い。
【0042】
次に電磁駆動装置MOは図7に分解斜視図で、図8に中央縦断面図で示すが、前記図2のものと同様に構成され同一の構成については同一番号で説明する。
この電磁駆動装置MOは、永久磁石から成るマグネットロータ12とこのマグネットロータ12を回動自在に内蔵するコイル枠13とこのコイル枠13の周囲に捲廻したコイル14とこのコイル14の周囲に嵌合したヨーク15とから構成され、磁極を有するマグネットロータ12を周囲のコイル14に通電することによって口一タ12を回転させるようになっている。
【0043】
マグネットロータ12は磁石16と回転軸17と後述する伝動部材64とから構成され、磁石16は希土類のプラスチックなどの磁性材料を円筒状に形成し、この円筒状磁石16に穿設した中心孔に回転軸17を接着剤と共に圧入して固着してある。そして回転軸17は合成樹脂のモールド形成で伝動部材64を一体に備えている。
伝動部材64は回転軸17を中心に左右に腕状に延設したアーム部材で構成され、その先端には前述の絞り羽根53、54のスリット58、59に係合する伝動ピン60,61が一体に形成してある。従ってロータ12の回転によって伝動ピン60,61がそれぞれ反対方向に揺動するようになっている。
【0044】
コイル枠13は内部に筒状の磁石16を有するマグネットロータ12を内蔵する為、半裁状の2つのコイル枠13a,13bから構成され、本発明はこれをロータ12の回転軸17を介して左右2つに区割する方法を採っている。
図2に示すものと同様にコイル枠13は内部にマグネットロータ12を収容する空洞19と、この口ータ12の回転軸17を軸承する軸受20,21と伝動部材64を外部に突出させる開口65と、周囲にコイル14を捲廻するボビン部23とを必要とする為、通常は中空筒体で構成される。
【0045】
そこで図示のものは合成樹脂のモールド成形でこの中空筒体を縦軸方向に半裁した2つのコイル枠13a,13bで構成し、この2つのコイル枠13a,13bを合体する際に、マグネットロータ12を収容しこの空洞19内に形成した軸受20,21で口一タの回転軸両端部を軸承する。そして口一タ12の伝動部材64を外部に突出させる開口65を合体した2つのコイル枠13a,13bの結合面24a,24bから連続するように筒体周側部の左右に一対形成してある。
【0046】
また、図示25は上記結合面24a,24bの一方に形成した位置決め突起であり、他方のコイル枠に形成した嵌合穴26に係合するように適宜個所、図示のものは上下左右4個所に形成してある。
また図示27は光量調整装置の基板1に固定する断面逆L字状の鈎状突起であり、前記基板51の鈎状突起62と噛み合わせることによって基板51に駆動装置MOを固定するようになっている。
そして磁石16はN−S2極に着磁してあり、特に運動を抽出する伝動部材18と略直交する方向にN−S2極が位置するようにしてあり、その理由は前記図2のもので説明したのと同様である。
【0047】
そこで本発明はコイル枠を2つに分割する際に分割したコイル枠の上下端面に生ずる結合面をコイルを捲廻する方向と交差する方向に設定したものである。
かかる絞り装置は、例えばカメラの撮影レンズに組み込まれ、前述の羽根53、54はクローズ方向図6矢印側に図示しないスプリングで付勢してある。
【0048】
そしてカメラの電源投入操作に連動して、露光開始信号を絞り制御部に伝達するとカメラ側の光電変換素子が光軸開口55を通過する光量を測定し、光量が不足するときは絞り制御部に信号を送り、前記電磁駆動装置のコイルに電源から電流を供給する。するとコイル14に発生する磁界がマグネットロータ12を図6において反時計方向に回転させ羽根53、54は基板51の光軸開口55を開く方向に移動する。そして前記光電変換素子が適正な光量に達したことを検出するとそこでコイル14に所定の電流を供給してその位置を保持する。
【0049】
逆に光電変換素子が光量過多を検出したときは前記コイル14に逆方向の電流を供給し、マグネットロータ18を反時計方向に回転させて羽根53、54が光軸開口55を小径にするように移動し、光電変換素子が適正な光量に達したことを検出するとそこでコイル11に所定の電流を供給してその位置を保持する。
このようにすることによって各種カメラ装置の絞り動作を実行する光量調整装置を提供することが可能となる。
【0050】
【発明の効果】
本発明は上述の構成から成り、内部に磁石ロータを収容し外周にコイルを捲廻するコイル枠を磁石ロータの回転軸方向左右に分割した2つの半裁状コイル枠で構成し、この2つのコイル枠の接合面に対し交叉する方向にコイルを捲廻したものであるから、コイル枠の接合面に生ずる溝と交叉してコイル線が捲かれることとなりコイル線を断線することなくコイル枠の全域に捲廻することができる。
従って、装置の小型化と高出力化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる光量調整装置(シャッター装置)を示す一部分を分解した斜視図である。
【図2】図1における電磁駆動装置の組み立て分解斜視図である。
【図3】図1における電磁駆動装置の縦断断面図である。
【図4】図1における電磁駆動装置の動作状態の説明図である。
【図5】図1における電磁駆動装置のコイル枠の端面図である。
【図6】本発明に係わる光量調整装置(絞り装置)を示す一部分を分解した斜視図である。
【図7】図6の電磁駆動装置を示す組み立て分解斜視図である。
【図8】図6の電磁駆動装置の要部の中央縦断断面図である。
【符号の説明】
SH 光量調整装置(シャッ夕―装置)
EX 光量調整(絞り装置)
MO 電磁駆動装置
1,2 シャッ夕装置の基板
3,4 シャッ夕羽根(羽根部材)
13a,13b コイル枠(コイル枠全体13)
14 コイル
15 ヨーク
16 磁石ロータ
17 回転軸
18 伝動部材
24a,24b 結合面
20,21 軸受け
51,52 絞り装置の基板
65 開口
【発明の属する技術分野】
この発明は磁石ロータの周囲に捲廻したコイルに通電して、ロータの回転力を生起する電磁駆動装置及びこれを用いて各種光学機器の撮像光量を調整する光量調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】実用新案登録第2541274号公報
一般にカメラなどの光学機器は撮像レンズ部に撮像光が通過する光軸に開閉羽根を設け、この羽根で光を遮閉する所謂シャッター制御、或いは光軸の通過光量を増減調整する所謂露光制御を行っている。かかる羽根部材は伝動部材で磁石ロータに連結され、この磁石ロータの周囲に捲廻したコイルに通電することによって開閉するようになっている。
【0003】
そこで、この磁石ロータとコイルから成る電磁駆動装置は樹脂等で中空筒状に成形したコイル枠に磁石ロータを回転自在に内蔵し、このコイル枠の外周にコイルを捲廻し、その外側をヨーク(磁気誘導部材)で覆って形成されている。
【0004】
従来かかるコイル枠はマグネットの回転軸方向に対し、上下に2分割(上下横割り)するか左右に2分割(左右縦割り)するかいずれかの方法で分割して内部に磁石ロータを内蔵し、その後コイルを外周に捲廻して一体化する構造が採られている。
そして筒状のコイル枠を上下横割りにした場合には樹脂成形による抜きテーパーが必要であり、また内部に磁石ロータを軸承する際に上下の軸受け部の位置ズレでロータの正確な回転が得られないことがあり、その製作に問題を残している。
【0005】
そこで本発明は後者のコイル枠を左右に2分割して縦割りする方法に係わり、従来の小型化が困難である欠点を解決したものである。
従来は筒状(多くは円筒状)のコイル枠を中心から2つに縦割りし、このコイル枠に回転軸を具えたマグネットを内蔵し、コイル枠の外に突出した回転軸に伝動部材を後から取付ける構成になっている。
そしてコイルは2つの縦割りしたコイル枠のそれぞれ個別に形成された凹溝に捲廻され、2つのコイル枠を合体した中心部には磁石ロータの回転軸が突出し、両コイル枠は接着テープで一体化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、従来の縦割り構造の電磁装置はそれぞれコイルを捲廻したコイル枠を真中で結合し、その中心に回転軸部材が位置する為、筒状コイル枠が径方向に大型になってしまう欠点があり、例えばコイルを200ターン必要とする場合にコイル枠には100ターンづつ捲廻する凹溝などの巻き代をそれぞれに形成しなければならず、またその中心には軸部材を支持する軸受け部が必要となり、コイル枠の中心部に軸受けを形成する肉盛り部が必要となりその分装置が径方向に大型化してしまう欠点がある。
【0007】
そこでこの発明は、磁石ロータの回転軸に対して左右2つに縦割りしたコイル枠にコイルを区割することなく捲廻することによって装置の小型化を達成できるとの知見に基づき、この場合にコイル枠の接合面によって形成される溝でコイルが断線する問題を解決し、以って装置の小型化とその製作が容易である電磁駆動装置及びこれを用いた光量調整装置の提供を課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、中空筒状のコイル枠と、このコイル枠内に回転軸を介して回動自在に内蔵された磁石ロータと、この磁石ロータの回転を伝達する伝動部材と、上記コイル枠の外周に捲廻されたコイルとを備え、上記筒状のコイル枠を、上記ロータの回転軸方向左右に分割した2つのコイル枠を結合して構成し、上記コイルを、この2つのコイル枠の上下端面における結合面(合わせ面)に対し交叉する方向に捲廻したものである。
【0009】
この発明によると、筒状のコイル枠を磁石ロータの回転軸方向左右に分割した2つのコイル枠を結合して構成し、その2つのコイル枠の上下端面における結合面によって形成される溝に対し交叉する方向にコイルをコイル枠外周に捲廻するため、まずコイルを捲廻する際若しくは使用途上でコイルが合わせ面で断線することがない。従って従来左右2つに縦割りしたコイル枠のそれぞれに区割してコイルを捲廻していたものに比べコイルの捲廻スペースを大きくすることができ装置を小型化できることとなる。またコイルの捲廻も従来2つのコイル枠に個別に捲廻していたのに対し1つのコイルを捲廻すれば良い。
【0010】
また請求項2に記載の発明は、請求項1記載の電磁駆動装置においてその伝動部材をコイルの捲廻方向に対し略直交する方向に配置すると共に、この伝動部材の所定角度の運動を許容する開口を前記コイル枠の結合面の一部に形成したものである。
この発明によると、伝動部材に対してコイルの捲廻方向を略直交する方向に配置することで、アーム部材などの伝動部材とその外周に捲廻されたコイルとは略直交する位置関係となり伝動部材はこの位置から左右に所定角度(通常は60度前後)揺動する構成を採用でき、コイル枠にコイルを捲廻する面積を最大とすることができる。
【0011】
また請求項3に記載の発明は、請求項1記載の電磁駆動装置においてコイルは2つのコイル枠の上下端面における結合面に対し略直交する方向に捲廻され、前記伝動部材を該コイルの捲廻方向に対し略直交する方向に配置したものである。これにより2つのコイル枠の上下端面における結合面に形成される合わせ溝に対し略直交する方向にコイルは捲廻され、この溝によってコイルが破損する恐れが最も少ない。
【0012】
また上記請求項4に記載の発明は、請求項1記載の電磁駆動装置において磁石ロータの回転軸を軸承する一対の軸受けを前記2つのコイル枠の一方に形成したものである。
この発明によると、2つのコイル枠の一方に磁石ロータの回転軸は支持されるため上下に位置する軸受け相互の位置関係がズレる恐れがない。
【0013】
また請求項5に記載の発明は、請求項1記載の電磁駆動装置において、磁石ロータの回転軸を軸承する一対の軸受けの一方を前記2つのコイル枠の1つに、軸受けの他方をコイル枠の他方に形成したものである。
この発明によると、磁石ロータの回転軸を軸承する一対の軸受けは分離した2つのコイル枠に形成され、コイル枠を合体する際に簡単に磁石ローターを軸受部に組み込むことが出来、その製造が容易である。
【0014】
また請求項6に記載の発明は、
回転軸を有しこの回転軸と直交する方向に一対の磁極を形成した円筒状の磁石ロータと、この磁石ロータから上記磁極の方向と略直交し磁石ロータの径方向に延設した伝動部材と、上記磁石ロータと伝動部材とを上記回転軸を介して回動自在に内蔵する中空筒状のコイル枠と、このコイル枠の外周に捲廻されたコイルとを備え、上記コイル枠を、上記磁極の方向と交叉する方向で上記回転軸を介して左右に分割した2つのコイル枠の結合で構成し、この2つのコイル枠の結合面に上記伝動部材の所定角度の回動を許容する開口を形成し、上記コイルを磁極の方向と略同一の方向に捲廻したものである。
この発明によると、コイル枠を磁石ロータの磁極と直交する方向に分割しコイルをこの磁極と略同一の方向に捲廻することとなりコイル枠の結合面に形成される溝に対してコイルは略直交する方向に巻かれコイルの断線などの問題が生じない。
【0015】
また請求項7に記載の発明は光量調整装置に係わり、
光軸開口を有する基盤と、この基盤の光軸開口の光量を調節する羽根部材と、上記基盤に取り付けられた中空筒状のコイル枠と、このコイル枠内に回転軸を介して回動自在に内蔵された磁石ロータと、この磁石ロータの回転を上記羽根部材に伝達する伝動部材と、上記コイル枠の外周に捲廻されたコイルとを備えた光量調整装置において、上記筒状のコイル枠を、上記ロータの回転軸方向左右に分割した2つのコイル枠を結合して構成し、上記コイルを、この2つのコイル枠の上下端面における結合面に対し交叉する方向に捲廻して構成したものである。
この発明によると、カメラなどの撮影鏡筒に組み込まれるシャッター装置、光量絞り装置などの光量調整装置を小型化でき、以てカメラ鏡筒を小型化できることとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の好適な実施の形態に基づいて説明する。
まず、図1に示すカメラ用シャッター装置に本発明を採用した場合について説明する。図中MOは本発明に係わる電磁駆動装置を示し、SHは光量調整装置を示す。
【0017】
図1において光量調整装置SHは、板状の一対の基板1、2の間に2枚の羽根3、4をピン5で回動自在に収容し、この羽根が基板1、2に形成した光軸開口6を開閉するようにして構成されている。
上記の基板1はポリカーボネートを主体とする合成樹脂でモールド成形によって形成してあり、中央にカメラ装置の撮影光を通過させる光軸開口が設けてある。
またこの基板1には前記羽根3,4を支持するピン5と後述する電磁駆動装置MOを固定する鈎状突起7が一体に形成してある。この基板1には所定の間隔を(ギャップ)を形成するように突出部8が周縁適宜箇所に設けてあり、この突出部8上に基板2が取り付けられ、この一対の基板1,2間に羽根3,4が開閉自在に支持されるようになっている。
【0018】
上記基板2は金属板などの薄板で基板1にビスなどの固定手段で一体に取り付けられ、中央には光軸開口6が形成してある。
上記羽根3,4はポリエステルなどのフィルム板、或いは金属製の薄板で形成され図示のものは2枚構成で半円板形状の先端部が上記光軸開口を遮閉し、若しくは開放するように光軸開口6に配置されている。
また羽根3,4の基端部には後述する駆動装置と係合するスリット9,10がそれぞれに形成されている。
【0019】
この羽根3、4は基板1のピン5に嵌合され、このピン5を中心に回転運動すると共に2枚の羽根3、4のスリット9,10は図1の如く反対方向に傾斜して構成され、後述する駆動装置の伝動ピン11によって互いに反対方向に一方は時計方向、他方は反時計方向に回動するようになっている。
尚、図示のものは羽根を2枚の羽根部材で構成する場合を示したが、1枚若しくは3枚以上で形成しても良い。
【0020】
そして1枚の場合には図1の左右方向に羽根を移動する所謂フオーカルプレーンシャッターの構成とすれば良い。
また3枚以上の場合には羽根を光軸開口の周囲に所定間隔で配置し、光軸開口の外側外周に設けたリング状の作動部材にピンを植設してそれぞれの羽根に形成したスリットと嵌合する。そこでこのリング状作動部材を後述する駆動装置の伝動ピン11で所定角回転することによって光軸開口を開閉するように構成すれば良い。
【0021】
かかる光量調整装置SHは次の電磁駆動装置MOで作動されるようになっている。
電磁駆動装置MOは図2に分解斜視図で、図3に中央縦断面図で示すが、永久磁石から成るマグネットロータ12と、このマグネットロータ12を回動自在に内蔵するコイル枠13と、このコイル枠13の周囲に捲廻したコイル14と、このコイル14の周囲に嵌合したヨーク15とから構成されている。
【0022】
そして磁極を有するマグネットロータ12を周囲のコイル14に通電することによってロータ12を回転させるようになっている。
マグネットロータ12は永久磁石16と回転軸17と後述する伝動部材18とから構成される。
永久磁石16は希土類のプラスチックなど磁性材料を円筒状に形成し、この円筒状磁石に穿設した中心孔に回転軸17を接着剤と共に圧入して固着してある。そしてこの回転軸17は合成樹脂のモールド形成で伝動部材18を一体に備えている。
これは磁石16と回転軸17とを同一素材で一体に形成しても良いが加工が困難である為磁石16の中心に貫通孔を穿設しこれに回転軸17を挿入して固着する方法を採ったものである。
この他、磁石に中心孔を穿設することなく、回転軸17を有する合成樹脂のホルダーに磁石を組み込む方法も知られており本発明に採用し得ることは勿論である。
【0023】
このように回転軸17を有するマグネットロータ12はコイル枠13に回動自在に内蔵され,このコイル枠13にコイル14が捲廻されることになる。
コイル枠13は内部に筒状の磁石16を有するマグネットロータ12を内蔵する為、半裁状の2つのコイル枠13a,13bから構成され、本発明はこれをロータ12の回転軸17を介して左右2つに区割する方法を採っている。
【0024】
図2に示すようにコイル枠13は、内部にマグネットロータ12を収容する空洞19と、このロータ12の回転軸17を軸承する軸受20,21と伝動部材18を外部に突出させる開口22と、周囲にコイル14を捲廻するボビン部23とを必要とする為、通常は中空筒体で構成される。そこで図示のものは合成樹脂のモールド成形でこの中空筒体を縦軸方向(図2参照)に半裁した2つのコイル枠13a,13bで構成し、この2つのコイル枠13a,13bを合体する際に、マグネットロータ12を収容しこの空洞19内に形成した軸受20,21でロータの回転軸両端部を軸承する。そしてロータ12の伝動部材18を外部に突出させる開口22を合体した2つのコイル枠13a,13bの結合面24a,24bから連続するように筒体周側部に形成してある。
【0025】
つまり、コイル枠13は上下端面を有する中空筒体を図2縦方向に左右に分割した形状に構成され、それぞれにマグネットロータ12を収容する空洞部19とコイル14を捲廻するボビン部23と両者を合体する結合面24a,24bと、この結合面から切欠きで連結した開口22と、ロータ回転軸17の軸受部20,21が一体成形で形成してある。
また、図示25は上記結合面24a,24bの一方に形成した位置決め突起であり、他方のコイル枠に形成した嵌合穴26に係合するように適宜個所、図示のものは上下左右4個所に形成してある。
図示27は光量調整装置の基板1に固定する突起であり、その構造は後述する。
【0026】
マグネットロータ12は円筒状の永久磁石16に中心軸孔を設け、この中心軸孔に回転軸17を圧入して接着剤で固定し、この回転軸17にはアーム(棒)状の伝動部材18が磁石16の径方向外側に突出するように一体成形してある。
上記磁石16は前述の通り希土類の合成樹脂などの磁性材料によって形成され、回転軸17はボリカーボネートなどの合成樹脂のモールド成形で構成され、この回転軸17と一体に伝動部材18が形成してある。
そして磁石16はN−S2極に着磁してあり、特に運動を抽出する伝動部材18と略直交する方向にN−S2極が位置するようにしてある。
これは後述するコイルとの関係で磁石16の着磁方向(N−S磁極方向)に対し伝動部材18を略直交する方向に配置することによって、N−S磁極と同一方向に捲廻するコイル14と伝動部材18とは略直交する位置関係となる。
【0027】
つまり磁石16の磁極N−Sとほぼ同一方向にコイル14を巻くことが出力効率から好ましく、その時このコイル14と略直交する方向に伝動部材18が位置することとなり、この位置から左右に所定角回転例えば、左右それぞれに30度づつ、合計60度回転(揺動)する位置関係が成立する。
このような位置関係が最も好ましく、コイル14は左右に所定角回転する伝動部材18の移動領域を避けてコイル枠13の可能な限り広い範囲に巻くことが出力トルク或いはコイル枠の外径を小さくする関係で要求される。
この時コイル14に対し略直交する方向を中点として伝動部材18が所定角左右に回転することによって、伝動部材の回転角を一定とした場合コイルを捲廻するコイル枠のスペース(ボビン部23)が最も大きく確保できる。
【0028】
従ってコイル枠13の径を同一とするときはより高いトルクが得られ、逆に出力トルクを一定とするときはコイル枠13の径をより小さくすることが出来る。
これを第4図に従って説明すると磁石16のN−S磁極とコイル14の捲廻方向をほぼ同一方向のY−Yに設定し、磁石に取り付けた伝動部材18を略直交する方向X−Xにその移動領域の中点が位置するように設定する。伝動部材18はX−Xを移動する中点(中間位置)として両側に所定角度づつ移動するように設定する。
尚、前記ボビン部23はコイル枠13の外周に凹溝を形成してコイル14の巻き代として形成され、前記コイル枠13に形成される軸受部20,21は前述の2つのコイル枠13a,13bそれぞれにマグネットロータ12の回転軸17を嵌合する切欠きで構成してある。
特に図示の軸受は2つのコイル枠の一方に回転軸17に倣う円弧状の切欠20aと他方にコ字状の切欠20b(図4参照)で形成してあり、この両方の切欠を合体することによって回転軸17の一端を軸承するようにしてある。
回転軸17の他方も図示しないがこれと同一構成になっている。
【0029】
このように円弧状とコ字状の切欠きを合せて回転軸17を嵌合支持したのは両者を円弧状に形成したときには2つのコイル枠13a,13bを合体する際その位置がズレたとき、或いは製作時に寸法誤差が生じたとき所謂喰い付き現象が起きて回転軸17の円滑な運動が得られなくなる。
これに対し、回転軸17は一方の円弧状切欠部20aに倣い他方のコ字状切欠部20bは平面で軸17を押し付けることとなり喰い付くことがない。
【0030】
そこで本発明はコイル枠を2つに分割する際に分割したコイル枠の上下端面に生ずる結合面をコイルを捲廻する方向と交差する方向に設定したものである。
これは例えば円筒状など筒体に形成した2つのコイル枠13a,13bの上下端面に形成される結合面24a,24bに線状の溝が生じ、この線状溝に対して交叉する方向にコイル14が巻廻されることとなる。
図5に基づいて上述の交差の態様を説明すると、2つのコイル枠13aと13bはX−X線で結合され、ボビン部23がコイル枠13a,13bの周囲に凹溝で形成され、Y−Y方向にコイルが捲廻される。
【0031】
この場合、結合面24a,24bが形成するX−X線はコイル14が形成するY−Y線とほぼ直交する方向に設定してある。この他結合面24a,24bが形成するX−X線は図示X1−X1線からX2−X2線の間(図示矢印部分、即ちコイルを捲廻するボビン部の陵線から外れた位置に結合面が位置する状態)で設定することが可能であり、更にこの範囲から若干外れた位置で結合しても良い。
これは図示のX1−X1,X2−X2の間であればコイルが結合面に形成される線状の溝を常に交叉方向に過りコイル線が溝に没入して破損することがない。
しかし、図示X1−X1,X2−X2の矢印領域から若干外れても結合面が形成する溝は浅く、この結合面が図示矢印領域から外れるに従って溝は深くなる。
【0032】
つまり筒状のコイル枠の陵(図示28と29)に結合面によって形成される溝がコイルの線径との関係で許容される範囲であれば必ずしも図示の範囲内に限られず結合面は若干これから外れた位置に形成しても良い。
【0033】
次に2つのコイル枠13a,13bの結合面24a,24bと前記伝動部材18との位置関係を説明すると、
コイル枠13a,13bの周側面には伝動部材18の回転を許容する為の開口22が必要であり、この開口22は伝動部材18と一体の磁石16をコイル枠内部に収容する関係からコイル枠13a,13bの周側面に位置する結合面から連続してこの開口22を形成する必要が生ずる。
【0034】
つまり図2に示すように上下縦方向に半裁した2つのコイル枠13a,13bはその周側面に開口22が形成され、この開口22は2つのコイル枠13a,13bそれぞれの結合面に形成した切欠きから形成してある。これによって2つのコイル枠13a,13bを合体する際にマグネットロータ12を内蔵するのと同時に伝動部材18を外部に突出させることができる。
【0035】
上述の説明から明らかなように電磁駆動装置MOはマグネットロータ12を2つのコイル枠13a,13bに内蔵し、このコイル枠を合体した後、外周にコイル14をコイル枠13a,13bの上下端面における結合面24a,24bに対して交叉する方向に捲廻し、このコイル枠13a,13bの外周にヨーク15を嵌合して構成されている。
そして図示のコイル枠13a,13bはボリカーボネート系の樹脂をモールド形成で、マグネットロータ12の磁石16は希土類樹脂を焼結によって形成してあり、コイル枠13の外径を5mm直径に、コイルを0.004mm径の銅線で200ターン捲廻してあり、コイル枠のボビン部は3mm幅に構成してある。
【0036】
かかる駆動装置MOは直径が5mmに構成されコイル14の巻き代は3mmで構成され非常に小型なものとなる。この構成にあってコイル捲き代(ボビン部)を1つで単一構成にし、コイル枠13a,13bの接合面24a,24bに対して交叉した方向にコイル14を捲廻することが小型化を可能にしている。
そこで駆動装置MOのコイル枠13a,13bには図示の突出部27が4個所に形成してあり、突出部27は鈎状で断面逆L字状の形状で形成されている。
この突出部27は前述の光量調整装置SHの基板1に形成した鈎状突起7と互いに嵌合するようになっていてこれにより基板1に駆動装置MOが取り付けられる。
【0037】
このように構成された光量調整装置は、例えばカメラの撮影レンズに組み込まれ、前述の羽根3、4はクローズ方向図1矢印側に図示しないスブリングで付勢してある。
そしてカメラのレリーズ操作に連動して、前記コイル14に電源から電流を供給する。するとコイル14に発生する磁界がマグネットロータ12を図1において時計方向に回転させ羽根3、4は基板1の光軸開口6を開く。そこで撮影のための露光が開始し、カメラが露光終了の信号を得て前記コイル14に逆電流を供給し、マグネットロータ18を反時計方向に回転させて羽根3、4が光軸開口6を閉じるように制御する。
このようにすることによって各種カメラ装置のシャツター動作を実行する光量調整に供することが可能となる。
【0038】
次に図6、7に分解斜視図で、図8に中央縦断面図で示す光量調整装置について本発明を説明する。
図示のものは各種カメラ装置に組込まれ、撮影条件に応じて撮影光軸を通過する光量を増減調整する絞り装置に関する。
【0039】
図6においてEXは絞り装置としての光量調整装置をMOはその電磁駆動装置を示し、光量調整装置EXは編平状の一対の基板51、52間に絞り羽根53、54を摺動自在に組み込みこの羽根53、54で基板51、52に設けた光軸開口55の口径を調整するようになっている。
基板51はモールド成形でボリカーボネートなどの合成樹脂から構成され、中央には光軸開口55がその周囲には図示しないリブが羽根53、54をガイドするように設けられている。
【0040】
基板52は金属などの薄板で構成され基板1に設けた突起部56上に取付けられ基板1との間に羽根の摺動を許容するギャッブを形成するようになっている。
絞り羽根53、54は基板1に形成したピン(図示せず)と各々に形成した4個所のスリット57が嵌合支持され、図6左右に移動するようになっている。
そして、羽根の基端部には羽根53側にスリット58が羽根54側にスリット59が形成してある。このスリット58、59に後述する電磁駆動装置の伝動ピン60、61が係合され、この伝動ピンで羽根53と54は互いに異なる方向に移動し、その結果光軸開口55の口径を大小に設定できるようになっている。図示62は電磁駆動装置MOを固定する鈎状突起で断面逆L字状に基板1と一体に形成してあり、図示、63は基板1に形成されたスリットで伝動ピン60、61の運動を妨げない為の逃げ溝である。
【0041】
尚、図示のものは羽根を2枚の羽根部材で構成する場合を示したが、1枚若しくは3枚以上で形成しても良く、1枚の場合には光軸開口より小径の開口を形成した羽根を基板の光軸開口に臨ませて位置させる場合と光軸開口から退避して位置させる場合とで光量を調整するようにすれば良く、3枚以上の場合には羽根を光軸開口の周囲に所定間隔で配置し、光軸開口の外側外周に設けたリング状の作動部材にピンを植設してそれぞれの羽根に形成したスリットと嵌合する。そしてこのリング状作動部材を後述する駆動装置の伝動ピンで所定角回転することによって光軸開口を大径小径に調整するように構成すれば良い。
【0042】
次に電磁駆動装置MOは図7に分解斜視図で、図8に中央縦断面図で示すが、前記図2のものと同様に構成され同一の構成については同一番号で説明する。
この電磁駆動装置MOは、永久磁石から成るマグネットロータ12とこのマグネットロータ12を回動自在に内蔵するコイル枠13とこのコイル枠13の周囲に捲廻したコイル14とこのコイル14の周囲に嵌合したヨーク15とから構成され、磁極を有するマグネットロータ12を周囲のコイル14に通電することによって口一タ12を回転させるようになっている。
【0043】
マグネットロータ12は磁石16と回転軸17と後述する伝動部材64とから構成され、磁石16は希土類のプラスチックなどの磁性材料を円筒状に形成し、この円筒状磁石16に穿設した中心孔に回転軸17を接着剤と共に圧入して固着してある。そして回転軸17は合成樹脂のモールド形成で伝動部材64を一体に備えている。
伝動部材64は回転軸17を中心に左右に腕状に延設したアーム部材で構成され、その先端には前述の絞り羽根53、54のスリット58、59に係合する伝動ピン60,61が一体に形成してある。従ってロータ12の回転によって伝動ピン60,61がそれぞれ反対方向に揺動するようになっている。
【0044】
コイル枠13は内部に筒状の磁石16を有するマグネットロータ12を内蔵する為、半裁状の2つのコイル枠13a,13bから構成され、本発明はこれをロータ12の回転軸17を介して左右2つに区割する方法を採っている。
図2に示すものと同様にコイル枠13は内部にマグネットロータ12を収容する空洞19と、この口ータ12の回転軸17を軸承する軸受20,21と伝動部材64を外部に突出させる開口65と、周囲にコイル14を捲廻するボビン部23とを必要とする為、通常は中空筒体で構成される。
【0045】
そこで図示のものは合成樹脂のモールド成形でこの中空筒体を縦軸方向に半裁した2つのコイル枠13a,13bで構成し、この2つのコイル枠13a,13bを合体する際に、マグネットロータ12を収容しこの空洞19内に形成した軸受20,21で口一タの回転軸両端部を軸承する。そして口一タ12の伝動部材64を外部に突出させる開口65を合体した2つのコイル枠13a,13bの結合面24a,24bから連続するように筒体周側部の左右に一対形成してある。
【0046】
また、図示25は上記結合面24a,24bの一方に形成した位置決め突起であり、他方のコイル枠に形成した嵌合穴26に係合するように適宜個所、図示のものは上下左右4個所に形成してある。
また図示27は光量調整装置の基板1に固定する断面逆L字状の鈎状突起であり、前記基板51の鈎状突起62と噛み合わせることによって基板51に駆動装置MOを固定するようになっている。
そして磁石16はN−S2極に着磁してあり、特に運動を抽出する伝動部材18と略直交する方向にN−S2極が位置するようにしてあり、その理由は前記図2のもので説明したのと同様である。
【0047】
そこで本発明はコイル枠を2つに分割する際に分割したコイル枠の上下端面に生ずる結合面をコイルを捲廻する方向と交差する方向に設定したものである。
かかる絞り装置は、例えばカメラの撮影レンズに組み込まれ、前述の羽根53、54はクローズ方向図6矢印側に図示しないスプリングで付勢してある。
【0048】
そしてカメラの電源投入操作に連動して、露光開始信号を絞り制御部に伝達するとカメラ側の光電変換素子が光軸開口55を通過する光量を測定し、光量が不足するときは絞り制御部に信号を送り、前記電磁駆動装置のコイルに電源から電流を供給する。するとコイル14に発生する磁界がマグネットロータ12を図6において反時計方向に回転させ羽根53、54は基板51の光軸開口55を開く方向に移動する。そして前記光電変換素子が適正な光量に達したことを検出するとそこでコイル14に所定の電流を供給してその位置を保持する。
【0049】
逆に光電変換素子が光量過多を検出したときは前記コイル14に逆方向の電流を供給し、マグネットロータ18を反時計方向に回転させて羽根53、54が光軸開口55を小径にするように移動し、光電変換素子が適正な光量に達したことを検出するとそこでコイル11に所定の電流を供給してその位置を保持する。
このようにすることによって各種カメラ装置の絞り動作を実行する光量調整装置を提供することが可能となる。
【0050】
【発明の効果】
本発明は上述の構成から成り、内部に磁石ロータを収容し外周にコイルを捲廻するコイル枠を磁石ロータの回転軸方向左右に分割した2つの半裁状コイル枠で構成し、この2つのコイル枠の接合面に対し交叉する方向にコイルを捲廻したものであるから、コイル枠の接合面に生ずる溝と交叉してコイル線が捲かれることとなりコイル線を断線することなくコイル枠の全域に捲廻することができる。
従って、装置の小型化と高出力化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる光量調整装置(シャッター装置)を示す一部分を分解した斜視図である。
【図2】図1における電磁駆動装置の組み立て分解斜視図である。
【図3】図1における電磁駆動装置の縦断断面図である。
【図4】図1における電磁駆動装置の動作状態の説明図である。
【図5】図1における電磁駆動装置のコイル枠の端面図である。
【図6】本発明に係わる光量調整装置(絞り装置)を示す一部分を分解した斜視図である。
【図7】図6の電磁駆動装置を示す組み立て分解斜視図である。
【図8】図6の電磁駆動装置の要部の中央縦断断面図である。
【符号の説明】
SH 光量調整装置(シャッ夕―装置)
EX 光量調整(絞り装置)
MO 電磁駆動装置
1,2 シャッ夕装置の基板
3,4 シャッ夕羽根(羽根部材)
13a,13b コイル枠(コイル枠全体13)
14 コイル
15 ヨーク
16 磁石ロータ
17 回転軸
18 伝動部材
24a,24b 結合面
20,21 軸受け
51,52 絞り装置の基板
65 開口
Claims (7)
- 中空筒状のコイル枠と、
このコイル枠内に回転軸を介して回動自在に内蔵された磁石ロータと、
この磁石ロータの回転を伝達する伝動部材と、
上記コイル枠の外周に捲廻されたコイルとを備え、
上記筒状のコイル枠を、上記磁石ロータの回転軸方向左右に分割した2つのコイル枠を結合して構成し、
上記コイルをこの2つのコイル枠の上下端面における結合面に対し交叉する方向に捲廻したことを特徴とする電磁駆動装置。 - 前記伝動部材を前記コイルの捲廻方向に対し略直交する方向に配置すると共に、
この伝動部材の所定角度の運動を許容する開口を前記コイル枠の結合面の一部に形成した請求項1記載の電磁駆動装置。 - 前記コイルは前記2つのコイル枠の上下端面における結合面に対し略直交する方向に捲廻され、前記伝動部材は該コイルの捲廻方向に対し略直交する方向に配置された請求項1記載の電磁駆動装置。
- 前記磁石ロータの回転軸を軸承する一対の軸受けを前記2つのコイル枠の一方に形成した請求項1記載の電磁駆動装置。
- 前記磁石ロータの回転軸を軸承する一対の軸受けの一方を前記2つのコイル枠の1つに、軸受けの他方をコイル枠の他方に形成した請求項1記載の電磁駆動装置。
- 回転軸を有しこの回転軸と直交する方向に一対の磁極を形成した円筒状の磁石ロータと、
この磁石ロータから上記磁極の方向と略直交し磁石ロータの径方向に延設した伝動部材と、
上記磁石ロータと伝動部材とを上記回転軸を介して回動自在に内蔵する中空筒状のコイル枠と、
このコイル枠の外周に捲廻されたコイルとを備え、
上記コイル枠を、上記磁極の方向と交叉する方向で上記回転軸を介して左右に分割した2つのコイル枠の結合で構成し、
この2つのコイル枠の結合面に上記伝動部材の所定角度の回動を許容する開口を形成し、
上記コイルを磁極の方向と略同一の方向に捲廻したことを特徴とする電磁駆動装置。 - 光軸開口を有する基盤と、
この基盤の光軸開口の光量を調節する羽根部材と、
上記基盤に取り付けられた中空筒状のコイル枠と、
このコイル枠内に回転軸を介して回動自在に内蔵された磁石ロータと、
この磁石ロータの回転を上記羽根部材に伝達する伝動部材と、
上記コイル枠の外周に捲廻されたコイルとを備えた光量調整装置において、
上記筒状のコイル枠を、上記ロータの回転軸方向左右に分割した2つのコイル枠を結合して構成し、
上記コイルを、この2つのコイル枠の上下端面における結合面に対し交叉する方向に捲廻して構成したことを特徴とする光量調整装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
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