JP2004333901A - 防眩反射防止膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】防眩反射防止膜の製造方法の提供。
【解決手段】一回の塗布の方式で防眩反射防止膜を形成し、これにより防眩反射防止膜の製造工程を簡易化し、防眩反射防止膜の歩留りを高める。この防眩反射防止膜は防眩と反射防止の機能を具備するほか、汚れ防止と硬膜の特性を具備する。これにより、防眩反射防止膜が良好な製品競争力を具備する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一種の光学薄膜の製造方法に係り、特に、防眩反射防止膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスプレイは現代人の生活にあって不可欠の工具となっている。テクノロジーの進歩により、人々のディスプレイの表示品質に対する要求もますます高くなっている。ディスプレイに良好な画像品質を現出させるために、防眩(anti−glare)と反射防止(anti−reflection)機能を具えた防眩反射防止膜は、ディスプレイの装置中で相当に重要な役割を演じる。周知の技術によると、通常、樹脂中に粒子を加入し、粒子の光線に対する散乱現象により防眩の機能を発生させている。反射防止については、周知の技術によると、通常、2〜3層の異なる屈折率の樹脂を堆積させて干渉現象を形成させ、これにより反射率を下げる目的を達成している。
【0003】
図1は周知の技術中の防眩反射防止膜の表示図である。図1に示されるように、基板100の上に1層の防眩層120と1層の反射防止層140が形成されている。周知の技術によると、通常、粒径が1〜100nm或いは300〜3000nmの粒子を樹脂中に添加し並びに上述の基板100の表面に塗布することにより、上述の防眩層120を形成している。上述の反射防止層140は防眩層120の上に二層(或いは二層以上)の高い屈折率の樹脂を塗布することにより反射率を下げることができる。
【0004】
周知の防眩反射防止膜は、二回、更にはそれ以上の塗布工程を行わなければ防眩と反射防止の目的を達成することができない。このような方法は製造工程上の困難度を高め、更に歩留りの下降をもたらす。このほか、何度も塗布されて形成された防眩反射防止膜は厚さが大幅に増加する。このため、ディスプレイ品質に対する要求が日増しに高まっている今日にあって、このような防眩反射防止膜は徐々にその商品上の競争力を失っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このため、周知の技術の防眩反射防止膜の各種の欠点を鑑み、いかに有効に製品歩留りを高めると共に工程上の困難度を下げることができる防眩反射防止膜を製造するか、が早急な解決を要する研究課題とされる。
【0006】
本発明の主要な目的は、一種の防眩反射防止膜の製造方法を提供することにあり、それは、単一回の塗布の方式により防眩反射防止膜を製造し、これにより防眩反射防止膜の製造工程の困難度を減らす方法であるものとする。
【0007】
本発明の別の目的は、一種の防眩反射防止膜の製造方法を提供することにあり、それは、単一回の塗布の方式により防眩反射防止膜を製造し、防眩反射防止膜の歩留りを高める方法であるものとする。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、一種の防眩反射防止膜の製造方法を提供することにあり、それは、特殊粒径の粒子を選択使用することにより、単一回の塗布工程の防眩反射防止膜に防眩と反射防止の効果を共に具備させる方法であるものとする。
【0009】
本発明のさらにまた別の目的は、一種の防眩反射防止膜の製造方法を提供することにあり、それは、特殊材料の粒子を選択使用することにより、汚れ防止と硬膜効果を共に有する防眩反射防止膜を製造する方法であるものとする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、基板を提供する工程と、該基板の上に防眩反射防止層を形成する工程と、を具え、該防眩反射防止層がその最上層に自動配列した第1部分の複数の粒子を具えたことを特徴とする、防眩反射防止膜の製造方法としている。
請求項2の発明は、前記防眩反射防止層を形成する工程が単一回塗布の工程を含むことを特徴とする、請求項1記載の防眩反射防止膜の製造方法としている。
請求項3の発明は、前記防眩反射防止層が第1部分の複数の粒子と基板の間に分布する複数の第2部分の粒子を具えたことを特徴とする、請求項1記載の防眩反射防止膜の製造方法としている。
請求項4の発明は、前記複数の粒子の組成が重量百分率が約10%〜30%のフッ素を含有することを特徴とする、請求項1記載の防眩反射防止膜の製造方法としている。
請求項5の発明は、前記複数の粒子の粒径が約50〜450nmであることを特徴とする、請求項1記載の防眩反射防止膜の製造方法としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は一種の防眩反射防止膜の製造方法を提供する。この方法は、少なくとも、基板を提供する工程と、防眩反射防止層を上述の基板の上に形成する工程とを具えている。上述の防眩反射防止層は少なくとも、樹脂と粒径約50〜450nmの複数の粒子を含有する。本発明の設計によると、単一回塗布の方式により形成される防眩反射防止膜は、防眩反射防止膜の製造工程を簡易化し防眩反射防止膜の歩留りを高める。さらに、本発明の防眩反射防止膜は防眩と反射防止の機能のほかに、汚れ防止と硬膜の特性を具備する。
【0012】
周知の技術の防眩反射防止膜と比較すると、本発明は単一回塗布の方式により防眩反射防止膜が形成される。本発明による防眩反射防止膜は防眩と反射防止の機能を具備するほか、汚れ防止と硬膜の機能を具備する。言い換えると、周知の技術による防眩反射防止膜と比較して、本発明による防眩反射防止膜は単一回塗布の方式により形成されるため、製造工程を簡易化するだけでなく、歩留りを高めることができ、さらに、周知の技術による防眩反射防止膜よりも機能性が強い防眩反射防止膜である。さらに、本発明の防眩反射防止膜は周知の防眩反射防止膜よりも良好な明晰度を有する。
【0013】
【実施例】
本発明は一つの実施例を以て以下に詳細に説明される。しかし、この詳細な記載のほか、本発明は更に広くその他の実施例で実行されうる。且つ本発明の範囲はこの詳細な説明に限定されるものではない。また、本発明の明細書中の各部品の異なる部分は実際の寸法により描かれているわけではない。それらの寸法とその他の関係寸法は本発明に対する理解を助けるために誇張されている。
【0014】
本発明の実施例は防眩反射防止膜の製造方法である。この防眩反射防止膜の製造方法は少なくとも、基板を提供する工程と、防眩反射防止層を該基板の上に形成する工程とを具えている。本実施例では、単一回塗布の方式で、複数の粒子を樹脂に添加した混合物を上述の基板の一つの表面に塗布して上述の防眩反射防止層を製造する。
【0015】
本実施例中、上述の防眩反射防止層は、第1部分の粒子が自動配列(self−assembling)した防眩反射防止層の最上層を具え、この最上層が反射防止と汚れ防止(anti−fouling)の機能を提供する。また一方で、上述の防眩反射防止層中にあって、上述の第1部分の粒子と基板の間に位置する樹脂と第2部分の樹脂が防眩と硬膜の機能を提供する。この本実施例の設計により、単一回塗布の方式により防眩、反射防止、汚れ防止、硬膜の機能を具えた防眩反射防止膜が製造される。ゆえに、本実施例の設計は防眩反射防止膜の製造工程を簡易化し、それにより大幅に防眩反射防止膜製造工程上の競争力を高めることができる。さらに、強力な機能性を具備するほか、本実施例による防眩反射防止膜は視覚効果上、極めて良好な明晰度を有する。
【0016】
本発明のもう一つの実施例は、防眩反射防止膜の製造方法である。図2は本実施例による防眩反射防止膜の製造フローチャートである。図2に示されるように、まず、工程220で基板を提供する。上述の基板は透明材料で形成される。本実施例の好ましい例としては、該基板は、トリアセチルセルロース(triacetyl cellulose;TAC)、或いはポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)或いはその他の透明材料を含む。
【0017】
続いて、防眩反射防止層を上述の基板の上に形成する。これは工程240に示されるとおりである。上述の防眩反射防止層の組成は、少なくとも、粒径が約50〜450nmの複数の粒子と樹脂を含む。本実施例の設計によると、上述の粒子を上述の樹脂に添加し、さらに上述の樹脂と粒子の混合溶液を均一に上述の基板の一つの表面に塗布して上述の防眩反射防止層を形成する。上述の粒子の組成は、フッ化物を含む。工程240は単一回塗布の方式により防眩反射防止層を基板上に形成する。
【0018】
その後、工程260として成膜工程(filming)を実行する。上述の成膜工程は、加熱工程を含む。該加熱工程は、炉(oven)により完成する。上述の成膜工程中の加熱工程は多種類の機能を具備し、そのうちの一つは、上述の防眩反射防止層中の溶剤を除去することである。このほか、更に好ましくは、上述の加熱工程中に、各一つの機台の設計の違いにより、通常数分から数十分間の加熱時間を必要とし、且つ上述の加熱時間内に、上述の粒子自身の物理性質により、防眩反射防止層中の一部の粒子が上述の防眩反射防止層の最上層に自動配列(self−assembling)される。これにより、上述の防眩反射防止層が最上層に自動配列された一部の粒子(第1部分の粒子)と、自動配列した粒子と基板の間の樹脂中に分布するその他の粒子(第2部分の粒子)を具えている。
【0019】
本実施例中、上述の防眩反射防止層の最上層に自動配列された第1部分の粒子が、反射防止の機能を提供する。第1部分の粒子と基板の間に位置する第2部分の粒子と樹脂が防眩の機能を提供する。本実施例の設計により、単一回塗布の方式により防眩反射防止膜を形成でき、さらに有効に防眩反射防止膜の製造工程を簡易化でき、並びに有効に防眩反射防止膜の歩留りを高めることができる。
【0020】
このほか、防眩反射防止層中に使用された粒子自身の特性により、上述の第1部分の粒子が上述の防眩反射防止膜に汚れ防止の機能を提供する。また一方で、本実施例は、上述の樹脂が硬膜樹脂(hard coat resin)とされうる。言い換えると、上述の第1部分の粒子と基板の間に位置する樹脂と第2部分の粒子が上述の防眩反射防止層に硬膜(hard−coating)の効果を提供する。ゆえに、本実施例の防眩反射防止膜は防眩と反射防止のほか、汚れ防止及び硬膜の機能を具備する。すなわち、本実施例の設計は、単一回塗布の方式により機能性が強力な防眩反射防止膜を形成している。
【0021】
本発明の別の実施例は防眩反射防止膜の構造とされる。図3は本実施例による防眩反射防止膜表示図である。図3に示されるように、本発明による防眩反射防止膜は、少なくとも基板300と、防眩反射防止層320を具えている。そのうち、基板300はトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート或いはその他の透明材料の透明基板とされる。
【0022】
上述の防眩反射防止層320は少なくとも樹脂340と複数のフッ素含有粒子360を含有する。本実施例によると、樹脂340は防眩反射防止膜の硬度を高めることができる硬膜樹脂(hard coat resin)とされる。上述のフッ素含有粒子360の粒径は約50〜450nmとされる。本実施例によると、上述のフッ素含有粒子360の組成は、フッ素含有けい化物(fluoro−containing silica)とされうる。
【0023】
本実施例の設計により、単一回塗布工程により樹脂340と複数のフッ素含有粒子360の混合溶液が基板300に塗布される。続いて、加熱工程により上述の防眩反射防止層320中に残存する溶剤が除去される。最後に上述の防眩反射防止層320が基板300上に固定され、こうして防眩反射防止膜が形成される。
【0024】
塗布工程の後、上述のフッ素含有粒子360自身の物理性質により、一部のフッ素含有粒子360が防眩反射防止層320の最上層に自動配列される。図3を参照されたい。上述の防眩反射防止層320は第1部分のフッ素含有粒子360の形成する第1層324と、第2部分のフッ素含有粒子360と樹脂340の形成する第2層328を具えている。該第2層328は第1層324と基板300の間に位置する。
【0025】
本実施例の設計により、粒径約50〜450nmの粒子が極めて良好な光散乱特性を具備するため、本実施例にあって、防眩反射防止層320の最上層に自動配列された複数の第1部分のフッ素含有粒子360で形成された第1層324が極めて良好な反射防止機能を発揮する。一方、第2部分のフッ素含有粒子360と樹脂340の形成する第2層328が防眩の機能を発揮する。さらに、本実施例のフッ素含有粒子360の特性により、上述の第1層324は汚れ防止の特性を具備する。このほか、上述の樹脂340と第2部分のフッ素含有粒子360の形成する第2層328が硬膜の特性を発揮する。言い換えると、本実施例の設計により、単一回塗布の方式により防眩、反射防止、汚れ防止、及び硬膜の機能を具えた防眩反射防止膜が形成される。
【0026】
【発明の効果】
本発明の研究結果から分かったことは、フッ素含有粒子360中のフッ素含有量が増加するにつれ、フッ素含有粒子360の反射率と屈折率が下降しうる。言い換えると、フッ素含有粒子360中の重量百分率を増すことにより、上述の防眩反射防止膜の防眩反射防止特性を高めることができる。本発明の実施例によると、フッ素含有粒子360中のフッ素の重量百分率は約10%〜30%とされる。また別の実施例では、フッ素含有粒子360中のフッ素含有量の分子量中の重量百分率は約20%とされ、且つこの時の防眩反射防止膜は極めて良好な防眩と反射防止機能を発揮する。
【0027】
周知の技術の防眩反射防止膜は、通常基板上に2〜3層の異なる屈折率の樹脂を塗布しなければ反射防止の効果が得られず、また、防眩の効果を発生させるため、通常、一層の、粒子を添加した樹脂を基板上に塗布し、この粒子により光線を散乱させて防眩の機能を提供する。そのうち、上述の粒子の屈折率と上述の樹脂の屈折率は相当に接近する。すなわち、周知の技術中の防眩反射防止膜は少なくとも2回の塗布工程を経なければ防眩反射防止の効果が得られない。ゆえに、周知の技術の防眩反射防止膜の製造工程の困難度が高くなり、並びに防眩反射防止膜の歩留りが下がる。
【0028】
上述の周知の技術の防眩反射防止膜に較べ、本発明の設計によると、単一回塗布の方式により一層の、粒子を添加した樹脂を基板上に塗布して防眩反射防止膜を形成し、上述の粒子の屈折率は上述の樹脂の屈折率よりも小さい。本発明の設計による防眩反射防止膜は、防眩と反射防止の機能のほか、汚れ防止と硬膜の機能を具備する。言い換えると、周知の技術の防眩反射防止膜に較べ、本発明は単一回塗布の方式により防眩反射防止膜を形成して製造工程を簡易化し歩留りを高め、さらに周知の防眩反射防止膜よりも機能性を強化した防眩反射防止膜を提供できる。さらに、本発明の防眩反射防止膜は周知の技術の防眩反射防止膜に較べて薄く、ゆえに本発明の防眩反射防止膜を使用したディスプレイのサイズを薄くする時に、防眩反射防止膜の厚さがディスプレイの負担と制限になることがない。且つ本発明の防眩反射防止膜は添加される粒子と厚さ等の因子により周知の技術よりも良好な明晰度を達成できる。
【0029】
総合すると、本発明は防眩反射防止膜の製造方法を提供している。本発明によると、少なくとも、基板を提供し、防眩反射防止層を該基板の上に形成する。上述の防眩反射防止層は樹脂と、粒径約50〜450nmの複数の粒子を含有する。そのうち、上述の粒子はフッ素含有粒子とされうる。本発明の設計によると、単一回塗布の方式により上述の樹脂と複数の粒子の混合溶液が上述の基板に塗布されて防眩反射防止膜が形成される。これにより、本発明の設計は防眩反射防止膜の製造工程の困難度を減らし、大幅の防眩反射防止膜の歩留りを高める。さらに、本発明の防眩反射防止膜は防眩と反射防止機能のほかに、汚れ防止と硬膜の特性を具備する。
【0030】
以上は本発明の好ましい実施例の説明であって、本発明の実施範囲を限定するものではなく、本発明に基づきなしうる細部の修飾或いは改変は、いずれも本発明の請求範囲に属するものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】周知の防眩反射防止膜の表示図である。
【図2】本発明の防眩反射防止膜の製造方法のフローチャートである。
【図3】本発明による防眩反射防止膜の表示図である。
【符号の説明】
100 基板
120 防眩層
140 反射防止層
220 基板提供
240 防眩反射防止層を基板上に形成
260 成膜工程
300 基板
320 防眩反射防止層
324 第1層
328 第2層
340 樹脂
360 フッ素含有粒子

Claims (5)

  1. 基板を提供する工程と、該基板の上に防眩反射防止層を形成する工程と、を具え、該防眩反射防止層がその最上層に自動配列した第1部分の複数の粒子を具えたことを特徴とする、防眩反射防止膜の製造方法。
  2. 前記防眩反射防止層を形成する工程が単一回塗布の工程を含むことを特徴とする、請求項1記載の防眩反射防止膜の製造方法。
  3. 前記防眩反射防止層が第1部分の複数の粒子と基板の間に分布する複数の第2部分の粒子を具えたことを特徴とする、請求項1記載の防眩反射防止膜の製造方法。
  4. 前記複数の粒子の組成が重量百分率が約10%〜30%のフッ素を含有することを特徴とする、請求項1記載の防眩反射防止膜の製造方法。
  5. 前記複数の粒子の粒径が約50〜450nmであることを特徴とする、請求項1記載の防眩反射防止膜の製造方法。
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