JP2004333556A - 走査光学装置およびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】走査線の書き出し位置調整を容易にする。
【解決手段】走査レンズを介さずBDレンズを介してBDセンサに光束を導く小型走査光学装置の場合に、BDレンズを主走査方向に移動させて、走査線の書き出し調整を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】走査レンズを介さずBDレンズを介してBDセンサに光束を導く小型走査光学装置の場合に、BDレンズを主走査方向に移動させて、走査線の書き出し調整を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光走査装置及びそれを用いた画像形成装置に関し、特に光源手段から光変調され出射した光束を回転多面鏡等より成る偏向素子で反射偏向(偏向走査)させた後、fθ特性を有する結像光学系を介して被走査面上を光走査して画像情報を記録するようにした、例えば電子写真プロセスを有するレーザービームプリンターやデジタル複写機等に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は特開平6−59205号公報のように検知センサに入射する光を反射するミラーの角度を変えて検知センサに入射する光の位置をずらすことで被走査面上の走査開始位置を調整していた。
【0003】
また、特開平8−160334号公報のように、走査光学装置に設けられた2本の位置決めピンを移動させて走査光学装置の取り付け位置を主走査方向に移動して被走査面上の走査開始位置を調整していた。
【0004】
また、特開2001−13435号公報のように被走査面の走査領域外側に設けられたセンサの位置を移動させることで被走査面上の走査開始位置を調整していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平6−59205号公報(図4)の走査光学装置ではミラーの回転調整角度に対するセンサ面上におけるビームの主走査方向の移動量が大きく、調整後にネジ固定すると調整位置が動いてしまう等、精度の良い調整が困難であり、調整時間も長かった。
【0006】
特開平8−160334号公報(図5)の走査光学装置では、走査光学装置の移動と調整量が等価であるので、特開平6−59205号公報よりは調整しやすいが、装置内部に走査光学装置の調整による移動スペースを設けなければならないので、装置の小型化に支障があった。また、特開平9−203878号公報(図8)のように装置本体のアクチュエータを用いて走査光学装置内部のレーザシャッタを動かす機構がある場合、走査光学装置が移動することはレーザシャッタ機構の信頼性を低下させる原因となっていた。
【0007】
また、特開2001−13435号公報(図6)の走査光学装置では、走査光学装置外部にセンサを設けているため、装置に組み込んでから走査開始位置を調整しなければならず、組立性やサービス性が悪かった。また被走査面の走査領域外側にセンサを配置するため装置が大型化してしまう。
【0008】
近年、装置の小型化を実現するため特開平7−281113号公報(図7)のように走査レンズを介さず集光レンズを介して同期検知センサにビームを導く走査光学装置が提案されている。本発明は前記のような集光レンズを介して同期検知センサにビームを導く走査光学装置において、上記の課題を解決した走査光学装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本出願に係る発明は、光源と、光源から照射された光束を偏向走査する偏向器と、偏向された光束の同期を取るための検知センサと該検知センサに光束を集光する集光レンズと、偏向された光束を被走査面上に走査結像させる走査レンズを持つ走査光学装置において、前記集光レンズの光軸を主走査方向に移動することで被走査面上の走査開始位置を調整することを特徴とする。
【0010】
また、前記光源から前記偏向器に至るまでの光路中に、偏向面近傍で線像を形成するシリンドリカルレンズが配置され、前記シリンドリカルレンズと前記集光レンズは一体で形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記シリンドリカルレンズと集光レンズの一体レンズを前記光源から照射された光束の光軸の主走査方向に移動することで、前記集光レンズの光軸を主走査方向に移動させて被走査面上の走査開始位置を調整することを特徴とする。前記レンズはプラスチックレンズでも良い。
【0012】
上記の手段により、容易に、安価に走査線の書き出し位置を調整することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1に本発明の走査光学装置の第1実施例を示す。図1は主走査方向の断面図である。本明細書においては走査レンズの光軸と光偏向器により偏向された光束とが形成する面を主走査断面、走査レンズの光軸を含み主走査断面と直交する面を副走査断面と定義する。
【0014】
図中、1は光源手段であり、例えば単一の光束を射出する半導体レーザーより成っている。2はコリメータレンズであり、光源1からの光束を略平行光束に変換している。3はシリンドリカルレンズであり、副走査方向のみに所定の屈折力を有している。4、は開口絞りであり、被走査面7でのスポット径を決定している。コリメータレンズ2、そしてシリンドリカルレンズ3、開口絞り4等の各要素は入射光学手段11の一要素を構成している。
【0015】
5は偏向素子としての光偏向器であり、駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速度で回転している。光偏向器5には回転多面鏡14が搭載されている。
【0016】
6はfθ特性を有する走査レンズ(fθレンズ)であり、副走査断面内において回転多面鏡14の偏向面15又はその近傍と被走査面としての感光ドラム面7又はその近傍との間を略共役関係にすることにより光偏向器の面倒れ補正機能を有している。
【0017】
8は結像レンズ(以下、「BDレンズ」と記す。)であり、感光ドラム面7上の走査開始位置のタイミングを調整するための同期信号検知用の光束(BD光束)を主走査断面内及び副走査断面内において共に後述するBDスリット9面上に略結像させている。
【0018】
9はスリット(以下、「BDスリット」と記す。)であり、BDレンズ8の結像位置、もしくはその近傍に配置されている。このBDスリット9は端部がナイフエッジ状で形成され、主走査方向へ走査されるBDレンズ8により略結像されたスポットがBDセンサー10面に入射する位置を決めている。
【0019】
10は同期検出素子としての光センサー(以下、「BDセンサ」と記す。)であり、本実施形態ではBDセンサー10からの出力信号を検知して得られた同期信号(BD信号)を用いて感光ドラム面7上への画像記録の走査開始位置のタイミングを調整している。
【0020】
尚、BDレンズ8、BDスリット9、そしてBDセンサ10等の各要素は同期位置検出手段13(BD光学系)の一要素を構成している。
【0021】
画像情報に応じて光源手段1より光変調され射出した光束は、コリメータレンズ2により略平行光束に変換され、シリンドリカルレンズ3に入射し、開口絞り4によってその光束断面の大きさが決定される。シリンドリカルレンズ3に入射した光束のうち主走査断面内においてはそのままの状態で射出する。また副走査断面内においては収束して光偏向器5の偏向面5aにほぼ線像(主走査方向に長手の線像)として結像する。そして光偏向器5の偏向面5aで反射偏向された光束は2枚の走査レンズ6により感光ドラム面7上にスポット状に結像され、該光偏向器5を矢印C方向に回転させることによって、該感光ドラム面7上を矢印B方向(主走査方向)に等速度で光走査している。これにより記録媒体である感光ドラム面7上に画像記録を行っている。
【0022】
このとき感光ドラム面7上を光走査する前に該感光ドラム面7上の走査開始位置のタイミングを調整する為に、光偏向器5で反射偏向された光束の一部をBDレンズ8を介してBDスリット9面上に集光させた後、BDセンサー10に導光している。そしてBDセンサー10からの出力信号を検知して得られた同期信号(BD信号)を用いて感光ドラム面7上への画像記録の走査開始位置のタイミングを調整している。BDレンズ8は、主走査方向と副走査方向の屈折力が異なるアナモフィックレンズで構成されている。
【0023】
続いて、図2を用いて本実施例における走査開始位置のタイミング調整方法を模式的に説明する。なお、図2における各光学素子、回転多面鏡および光束は説明しやすいように誇張して表現してあり、実際の寸法関係とは異なる。図2は、入射光学系11とBD光学系13の要部断面図(主走査断面図)である。調整前のBDレンズ8を破線で、調整後のBDレンズ18を実線で示す。本実施例ではBDレンズ8を矢印B方向にδだけ移動させ走査開始位置のタイミング調整を行っている。
【0024】
光束30は、移動前のBDレンズ8を通ってBDスリット9を通過するときの光束である。
【0025】
光束33は、移動後のBDレンズ18を通ってBDスリット9を通過するときの光束である。
【0026】
偏向面15は、偏向面15による反射光が光束30を形成するときの回転多面鏡14の姿勢である。
【0027】
偏向面35は、偏向面35による反射光が光束33を形成するときの回転多面鏡14の姿勢である。
【0028】
回転多面鏡14は矢印C方向に回転しているので、回転多面鏡14の姿勢は偏向面35の後に偏向面15の状態となる。
【0029】
すなわち、BDレンズを矢印B方向に移動させることで、BDスリット9を通過した光束をBDセンサで検知するタイミングが早くなるので、感光ドラム面上での画像の走査開始時間が早くなる。したがって、画像の走査開始位置が書き出し側に移動する。
【0030】
また、BDレンズを矢印A方向に移動させた場合は、走査開始位置は書き終わり側に移動する。
【0031】
具体的な設計例を挙げると、fθレンズの焦点距離f1、およびBDレンズの焦点距離f2を80mmとしたとき、BDレンズの移動量δ=1mmは、ドラム面上での走査開始位置S=1mmに相当する。
【0032】
fθレンズの焦点距離f1、BDレンズの焦点距離f2、BDレンズの移動量δとドラム面上での走査開始位置Sは以下の関係になる。
【0033】
S=f1/f2×δ
本実施例によれば、走査レンズを介さずBDレンズを介してBDセンサに光束を導く走査光学装置の場合に、BDレンズを移動させることで容易に走査開始位置を調整することができる。また、走査光学装置が積載される画像形成装置内部で走査光学装置の位置が調整によって動くことが無いので、装置の小型化が可能になる。また、特開平9−203878号公報(図8)に示されているようなレーザシャッタを走査光学装置に搭載したときに、走査光学装置を主走査方向に移動して書き出し位置を調整するとシャッターとアクチュエータの位置ずれが発生してシャッターの動作不良を招く恐れがある。本実施例では走査光学装置の位置が調整によって動くことが無いので、シャッターの動作信頼性が向上する。
【0034】
(実施例2)
図3に本発明の第2の実施例を示す。光源手段1、コリメータレンズ2、BDスリット9およびBDセンサ10は、第1の実施例と同じ構成である。BDレンズ20とシリンドリカルレンズ21は一体形成されており、複合アナモフィックレンズ22を形成する。シリンドリカルレンズ21は、副走査方向に屈折力を有しており、屈折面と回折面で構成されている。これは、環境変化による焦線結像位置変化を補償するためである。BDレンズ20は主走査方向と副走査方向とで互いに屈折力が異なるアナモフィックレンズで構成されており、回転多面鏡の偏向面で偏向された光束をスリット9近傍に結像させている。
【0035】
続いて、本実施例における走査開始位置のタイミング調整方法を模式的に説明する。なお、図3における各光学素子、回転多面鏡および光束は説明しやすいように誇張して表現してあり、実際の寸法関係とは異なる。図3は、図2と同様に入射光学系とBD光学系の要部断面図(主走査断面図)を示す。調整前の複合アナモフィックレンズ22を破線で、調整後の複合アナモフィックレンズ42を実線で示す。本実施例では複合アナモフィックレンズ22を矢印E方向(入射光軸45に垂直)に移動させ走査開始位置のタイミング調整を行っている。このときBDレンズ20の光軸47は光軸48へδだけ平行移動する。
【0036】
光束40は、アナモフィックレンズの移動前22におけるBDレンズを通ってBDスリット9を通過するときの光束である。
【0037】
光束41は、アナモフィックレンズの移動後42におけるBDレンズを通ってBDスリット9を通過するときの光束である。
【0038】
偏向面43は、偏向面43による反射光が光束40を形成するときの回転多面鏡46の姿勢である。
【0039】
偏向面44は、偏向面44による反射光が光束41を形成するときの回転多面鏡46の姿勢である。
【0040】
回転多面鏡14は矢印C方向に回転しているので、回転多面鏡46の姿勢は偏向面44の後に偏向面43の状態となる。
【0041】
すなわち、複合アナモフィックレンズ22を矢印E方向に移動させることで、BDスリット9を通過した光束をBDセンサで検知するタイミングが早くなるので、感光ドラム面上での画像の走査開始時間が早くなる。したがって、画像の走査開始位置が書き出し側に移動する。
【0042】
また、BDレンズを矢印D方向に移動させた場合は、走査開始位置は書き終わり側に移動する。
【0043】
なお、複合アナモフィックレンズを矢印E方向に移動させた場合、BDレンズの出射面がBDレンズ光軸方向にλ移動し、光束41がBDスリット9よりBDセンサ側にλ離れた位置に結像するが、これによる走査開始位置のずれ量は微少なので無視できる。
【0044】
第2の実施例によれば、BDレンズとシリンドリカルレンズが一体形成された複合アナモフィックレンズを用いた構成であっても、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0045】
また、複合アナモフィックレンズ22を移動すると、シリンドリカルレンズ21の光軸は、45から49に移動するが、シリンドリカルレンズ21は、主走査方向にパワーを有していないので、光線が画角を有してシリンドリカルレンズ21を出射することはない。したがってドラム面近傍の走査光束のピントのずれは生じず、画像に影響を与えない。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光源と、光源から照射された光束を偏向走査する偏向器と、偏向された光束の同期を取るための検知センサと該検知センサに光束を集光する集光レンズと、偏向された光束を被走査面上に走査結像させる走査レンズを持つ走査光学装置において、前記集光レンズの光軸を主走査平面内で移動することで被走査面上の走査開始位置を調整することができるので、走査線の書き出し位置を容易に調整することができる。また、装置を小型化することが可能になる。また、レーザシャッターのように装置本体のアクチュエータを用いて走査光学装置内部の部品を動かす機構の信頼性を向上させることができる。また、装置の組立性やサービス性も向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の走査光学装置を示す上面図。
【図2】本発明の第1実施例の走査光学装置を示す主走査断面図。
【図3】本発明の第2実施例の走査光学装置を示す主走査断面図。
【図4】特開平6−059205号公報の走査光学装置を説明する図。
【図5】特開平8−160334号公報の走査光学装置を説明する図。
【図6】特開2001−013435号公報の走査光学装置を説明する図。
【図7】本発明に用いた走査光学系を示す図。
【図8】特開平9−203878号公報の走査光学装置を説明する図。
【符号の説明】
3,21 シリンドリカルレンズ
7 ドラム
8、18、20 BDレンズ
9 BDスリット
10 BDセンサ
14 回転多面鏡
15,35,43,44 偏向面
22,42 複合アナモフィックレンズ
30,33,40,41 光束
【発明の属する技術分野】
本発明は光走査装置及びそれを用いた画像形成装置に関し、特に光源手段から光変調され出射した光束を回転多面鏡等より成る偏向素子で反射偏向(偏向走査)させた後、fθ特性を有する結像光学系を介して被走査面上を光走査して画像情報を記録するようにした、例えば電子写真プロセスを有するレーザービームプリンターやデジタル複写機等に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は特開平6−59205号公報のように検知センサに入射する光を反射するミラーの角度を変えて検知センサに入射する光の位置をずらすことで被走査面上の走査開始位置を調整していた。
【0003】
また、特開平8−160334号公報のように、走査光学装置に設けられた2本の位置決めピンを移動させて走査光学装置の取り付け位置を主走査方向に移動して被走査面上の走査開始位置を調整していた。
【0004】
また、特開2001−13435号公報のように被走査面の走査領域外側に設けられたセンサの位置を移動させることで被走査面上の走査開始位置を調整していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平6−59205号公報(図4)の走査光学装置ではミラーの回転調整角度に対するセンサ面上におけるビームの主走査方向の移動量が大きく、調整後にネジ固定すると調整位置が動いてしまう等、精度の良い調整が困難であり、調整時間も長かった。
【0006】
特開平8−160334号公報(図5)の走査光学装置では、走査光学装置の移動と調整量が等価であるので、特開平6−59205号公報よりは調整しやすいが、装置内部に走査光学装置の調整による移動スペースを設けなければならないので、装置の小型化に支障があった。また、特開平9−203878号公報(図8)のように装置本体のアクチュエータを用いて走査光学装置内部のレーザシャッタを動かす機構がある場合、走査光学装置が移動することはレーザシャッタ機構の信頼性を低下させる原因となっていた。
【0007】
また、特開2001−13435号公報(図6)の走査光学装置では、走査光学装置外部にセンサを設けているため、装置に組み込んでから走査開始位置を調整しなければならず、組立性やサービス性が悪かった。また被走査面の走査領域外側にセンサを配置するため装置が大型化してしまう。
【0008】
近年、装置の小型化を実現するため特開平7−281113号公報(図7)のように走査レンズを介さず集光レンズを介して同期検知センサにビームを導く走査光学装置が提案されている。本発明は前記のような集光レンズを介して同期検知センサにビームを導く走査光学装置において、上記の課題を解決した走査光学装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本出願に係る発明は、光源と、光源から照射された光束を偏向走査する偏向器と、偏向された光束の同期を取るための検知センサと該検知センサに光束を集光する集光レンズと、偏向された光束を被走査面上に走査結像させる走査レンズを持つ走査光学装置において、前記集光レンズの光軸を主走査方向に移動することで被走査面上の走査開始位置を調整することを特徴とする。
【0010】
また、前記光源から前記偏向器に至るまでの光路中に、偏向面近傍で線像を形成するシリンドリカルレンズが配置され、前記シリンドリカルレンズと前記集光レンズは一体で形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記シリンドリカルレンズと集光レンズの一体レンズを前記光源から照射された光束の光軸の主走査方向に移動することで、前記集光レンズの光軸を主走査方向に移動させて被走査面上の走査開始位置を調整することを特徴とする。前記レンズはプラスチックレンズでも良い。
【0012】
上記の手段により、容易に、安価に走査線の書き出し位置を調整することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1に本発明の走査光学装置の第1実施例を示す。図1は主走査方向の断面図である。本明細書においては走査レンズの光軸と光偏向器により偏向された光束とが形成する面を主走査断面、走査レンズの光軸を含み主走査断面と直交する面を副走査断面と定義する。
【0014】
図中、1は光源手段であり、例えば単一の光束を射出する半導体レーザーより成っている。2はコリメータレンズであり、光源1からの光束を略平行光束に変換している。3はシリンドリカルレンズであり、副走査方向のみに所定の屈折力を有している。4、は開口絞りであり、被走査面7でのスポット径を決定している。コリメータレンズ2、そしてシリンドリカルレンズ3、開口絞り4等の各要素は入射光学手段11の一要素を構成している。
【0015】
5は偏向素子としての光偏向器であり、駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速度で回転している。光偏向器5には回転多面鏡14が搭載されている。
【0016】
6はfθ特性を有する走査レンズ(fθレンズ)であり、副走査断面内において回転多面鏡14の偏向面15又はその近傍と被走査面としての感光ドラム面7又はその近傍との間を略共役関係にすることにより光偏向器の面倒れ補正機能を有している。
【0017】
8は結像レンズ(以下、「BDレンズ」と記す。)であり、感光ドラム面7上の走査開始位置のタイミングを調整するための同期信号検知用の光束(BD光束)を主走査断面内及び副走査断面内において共に後述するBDスリット9面上に略結像させている。
【0018】
9はスリット(以下、「BDスリット」と記す。)であり、BDレンズ8の結像位置、もしくはその近傍に配置されている。このBDスリット9は端部がナイフエッジ状で形成され、主走査方向へ走査されるBDレンズ8により略結像されたスポットがBDセンサー10面に入射する位置を決めている。
【0019】
10は同期検出素子としての光センサー(以下、「BDセンサ」と記す。)であり、本実施形態ではBDセンサー10からの出力信号を検知して得られた同期信号(BD信号)を用いて感光ドラム面7上への画像記録の走査開始位置のタイミングを調整している。
【0020】
尚、BDレンズ8、BDスリット9、そしてBDセンサ10等の各要素は同期位置検出手段13(BD光学系)の一要素を構成している。
【0021】
画像情報に応じて光源手段1より光変調され射出した光束は、コリメータレンズ2により略平行光束に変換され、シリンドリカルレンズ3に入射し、開口絞り4によってその光束断面の大きさが決定される。シリンドリカルレンズ3に入射した光束のうち主走査断面内においてはそのままの状態で射出する。また副走査断面内においては収束して光偏向器5の偏向面5aにほぼ線像(主走査方向に長手の線像)として結像する。そして光偏向器5の偏向面5aで反射偏向された光束は2枚の走査レンズ6により感光ドラム面7上にスポット状に結像され、該光偏向器5を矢印C方向に回転させることによって、該感光ドラム面7上を矢印B方向(主走査方向)に等速度で光走査している。これにより記録媒体である感光ドラム面7上に画像記録を行っている。
【0022】
このとき感光ドラム面7上を光走査する前に該感光ドラム面7上の走査開始位置のタイミングを調整する為に、光偏向器5で反射偏向された光束の一部をBDレンズ8を介してBDスリット9面上に集光させた後、BDセンサー10に導光している。そしてBDセンサー10からの出力信号を検知して得られた同期信号(BD信号)を用いて感光ドラム面7上への画像記録の走査開始位置のタイミングを調整している。BDレンズ8は、主走査方向と副走査方向の屈折力が異なるアナモフィックレンズで構成されている。
【0023】
続いて、図2を用いて本実施例における走査開始位置のタイミング調整方法を模式的に説明する。なお、図2における各光学素子、回転多面鏡および光束は説明しやすいように誇張して表現してあり、実際の寸法関係とは異なる。図2は、入射光学系11とBD光学系13の要部断面図(主走査断面図)である。調整前のBDレンズ8を破線で、調整後のBDレンズ18を実線で示す。本実施例ではBDレンズ8を矢印B方向にδだけ移動させ走査開始位置のタイミング調整を行っている。
【0024】
光束30は、移動前のBDレンズ8を通ってBDスリット9を通過するときの光束である。
【0025】
光束33は、移動後のBDレンズ18を通ってBDスリット9を通過するときの光束である。
【0026】
偏向面15は、偏向面15による反射光が光束30を形成するときの回転多面鏡14の姿勢である。
【0027】
偏向面35は、偏向面35による反射光が光束33を形成するときの回転多面鏡14の姿勢である。
【0028】
回転多面鏡14は矢印C方向に回転しているので、回転多面鏡14の姿勢は偏向面35の後に偏向面15の状態となる。
【0029】
すなわち、BDレンズを矢印B方向に移動させることで、BDスリット9を通過した光束をBDセンサで検知するタイミングが早くなるので、感光ドラム面上での画像の走査開始時間が早くなる。したがって、画像の走査開始位置が書き出し側に移動する。
【0030】
また、BDレンズを矢印A方向に移動させた場合は、走査開始位置は書き終わり側に移動する。
【0031】
具体的な設計例を挙げると、fθレンズの焦点距離f1、およびBDレンズの焦点距離f2を80mmとしたとき、BDレンズの移動量δ=1mmは、ドラム面上での走査開始位置S=1mmに相当する。
【0032】
fθレンズの焦点距離f1、BDレンズの焦点距離f2、BDレンズの移動量δとドラム面上での走査開始位置Sは以下の関係になる。
【0033】
S=f1/f2×δ
本実施例によれば、走査レンズを介さずBDレンズを介してBDセンサに光束を導く走査光学装置の場合に、BDレンズを移動させることで容易に走査開始位置を調整することができる。また、走査光学装置が積載される画像形成装置内部で走査光学装置の位置が調整によって動くことが無いので、装置の小型化が可能になる。また、特開平9−203878号公報(図8)に示されているようなレーザシャッタを走査光学装置に搭載したときに、走査光学装置を主走査方向に移動して書き出し位置を調整するとシャッターとアクチュエータの位置ずれが発生してシャッターの動作不良を招く恐れがある。本実施例では走査光学装置の位置が調整によって動くことが無いので、シャッターの動作信頼性が向上する。
【0034】
(実施例2)
図3に本発明の第2の実施例を示す。光源手段1、コリメータレンズ2、BDスリット9およびBDセンサ10は、第1の実施例と同じ構成である。BDレンズ20とシリンドリカルレンズ21は一体形成されており、複合アナモフィックレンズ22を形成する。シリンドリカルレンズ21は、副走査方向に屈折力を有しており、屈折面と回折面で構成されている。これは、環境変化による焦線結像位置変化を補償するためである。BDレンズ20は主走査方向と副走査方向とで互いに屈折力が異なるアナモフィックレンズで構成されており、回転多面鏡の偏向面で偏向された光束をスリット9近傍に結像させている。
【0035】
続いて、本実施例における走査開始位置のタイミング調整方法を模式的に説明する。なお、図3における各光学素子、回転多面鏡および光束は説明しやすいように誇張して表現してあり、実際の寸法関係とは異なる。図3は、図2と同様に入射光学系とBD光学系の要部断面図(主走査断面図)を示す。調整前の複合アナモフィックレンズ22を破線で、調整後の複合アナモフィックレンズ42を実線で示す。本実施例では複合アナモフィックレンズ22を矢印E方向(入射光軸45に垂直)に移動させ走査開始位置のタイミング調整を行っている。このときBDレンズ20の光軸47は光軸48へδだけ平行移動する。
【0036】
光束40は、アナモフィックレンズの移動前22におけるBDレンズを通ってBDスリット9を通過するときの光束である。
【0037】
光束41は、アナモフィックレンズの移動後42におけるBDレンズを通ってBDスリット9を通過するときの光束である。
【0038】
偏向面43は、偏向面43による反射光が光束40を形成するときの回転多面鏡46の姿勢である。
【0039】
偏向面44は、偏向面44による反射光が光束41を形成するときの回転多面鏡46の姿勢である。
【0040】
回転多面鏡14は矢印C方向に回転しているので、回転多面鏡46の姿勢は偏向面44の後に偏向面43の状態となる。
【0041】
すなわち、複合アナモフィックレンズ22を矢印E方向に移動させることで、BDスリット9を通過した光束をBDセンサで検知するタイミングが早くなるので、感光ドラム面上での画像の走査開始時間が早くなる。したがって、画像の走査開始位置が書き出し側に移動する。
【0042】
また、BDレンズを矢印D方向に移動させた場合は、走査開始位置は書き終わり側に移動する。
【0043】
なお、複合アナモフィックレンズを矢印E方向に移動させた場合、BDレンズの出射面がBDレンズ光軸方向にλ移動し、光束41がBDスリット9よりBDセンサ側にλ離れた位置に結像するが、これによる走査開始位置のずれ量は微少なので無視できる。
【0044】
第2の実施例によれば、BDレンズとシリンドリカルレンズが一体形成された複合アナモフィックレンズを用いた構成であっても、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0045】
また、複合アナモフィックレンズ22を移動すると、シリンドリカルレンズ21の光軸は、45から49に移動するが、シリンドリカルレンズ21は、主走査方向にパワーを有していないので、光線が画角を有してシリンドリカルレンズ21を出射することはない。したがってドラム面近傍の走査光束のピントのずれは生じず、画像に影響を与えない。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光源と、光源から照射された光束を偏向走査する偏向器と、偏向された光束の同期を取るための検知センサと該検知センサに光束を集光する集光レンズと、偏向された光束を被走査面上に走査結像させる走査レンズを持つ走査光学装置において、前記集光レンズの光軸を主走査平面内で移動することで被走査面上の走査開始位置を調整することができるので、走査線の書き出し位置を容易に調整することができる。また、装置を小型化することが可能になる。また、レーザシャッターのように装置本体のアクチュエータを用いて走査光学装置内部の部品を動かす機構の信頼性を向上させることができる。また、装置の組立性やサービス性も向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の走査光学装置を示す上面図。
【図2】本発明の第1実施例の走査光学装置を示す主走査断面図。
【図3】本発明の第2実施例の走査光学装置を示す主走査断面図。
【図4】特開平6−059205号公報の走査光学装置を説明する図。
【図5】特開平8−160334号公報の走査光学装置を説明する図。
【図6】特開2001−013435号公報の走査光学装置を説明する図。
【図7】本発明に用いた走査光学系を示す図。
【図8】特開平9−203878号公報の走査光学装置を説明する図。
【符号の説明】
3,21 シリンドリカルレンズ
7 ドラム
8、18、20 BDレンズ
9 BDスリット
10 BDセンサ
14 回転多面鏡
15,35,43,44 偏向面
22,42 複合アナモフィックレンズ
30,33,40,41 光束
Claims (9)
- 光源と、光源から照射された光束を偏向走査する偏向器と、偏向された光束の同期を取るための検知センサと該検知センサに光束を集光する集光レンズと、偏向された光束を被走査面上に走査結像させる走査レンズを持つ走査光学装置において、
前記集光レンズの光軸を主走査平面内で移動することで被走査面上の走査開始位置を調整することを特徴とする走査光学装置。 - 請求項1に記載の走査光学装置において、前記光源から前記偏向器に至るまでの光路中に、偏向面近傍で線像を形成するシリンドリカルレンズが配置され、前記シリンドリカルレンズと前記集光レンズは一体で形成されていることを特徴とする走査光学装置。
- 請求項2に記載の走査光学装置において、前記シリンドリカルレンズと集光レンズの一体レンズを前記光源から照射された光束の光軸の主走査方向に移動することで、前記集光レンズの光軸を主走査方向に移動させて被走査面上の走査開始位置を調整することを特徴とする走査光学装置。
- 請求項1〜3に記載の走査光学装置において、前記検知センサに入射する光線は前記走査レンズを透過しない領域の光線であることを特徴とする走査光学装置。
- 請求項2〜4に記載の走査光学装置において、前記シリンドリカルレンズと集光レンズの一体レンズはプラスチック成型品であることを特徴とする走査光学装置。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光走査装置と、被走査面に配置された感光体と、前記光走査装置で走査された光束によって前記感光体上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、前記現像されたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着器とから成る画像形成装置。
- 更に、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記光走査装置に入力せしめるプリンタコントローラを備えた請求項6の画像形成装置。
- 各々が請求項1〜7のいずれか一項に記載の光走査装置から成る複数の光走査装置と、各々の光走査装置の被走査面に配置され、互いに異なった色の画像を形成する複数の像担持体とから成るカラー画像形成装置。
- 更に、外部機器から入力した色信号を異なった色の画像データに変換して各々の光走査装置に入力せしめるプリンタコントローラを備えた請求項8のカラー画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2003125318A JP2004333556A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 走査光学装置およびそれを用いた画像形成装置 |
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JP2003125318A Withdrawn JP2004333556A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 走査光学装置およびそれを用いた画像形成装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7715075B2 (en) | 2007-08-23 | 2010-05-11 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Optical beam scanning apparatus and image forming apparatus |
US9250439B2 (en) | 2012-10-17 | 2016-02-02 | Sharp Kabushiki Kaisha | Light scanning device and image forming apparatus with the same |
-
2003
- 2003-04-30 JP JP2003125318A patent/JP2004333556A/ja not_active Withdrawn
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