JP2004332094A - ブラインドビアホールを有する基板のビアフィリングめっき方法およびその装置 - Google Patents
ブラインドビアホールを有する基板のビアフィリングめっき方法およびその装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ビアフィリングめっき装置は、硫酸銅めっき液内において基板からなるカソードと銅系のアノードとの間に給電しつつ該基板に設けられたブラインドビアホール内に金属銅を充填させるビアフィリングめっきを行え、しかもアノードに向けて酸素を強制供給してアノード表面に生成される1価の銅を2価の銅に酸化促進可能に形成された酸化促進手段が設けられ、非めっき処理中に酸化促進手段を働かせてアノード表面に生成される1価の銅を積極的に2価の銅に酸化促進しつつ除去可能に形成されている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硫酸銅めっき液内において基板からなるカソードと銅系のアノードとの間に給電しつつめっき処理を行い基板に設けられたブラインドビアホール内に金属銅を充填させるビアフィリングめっき方法およびビアフィリングめっき装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スルーホール(例えば、特許文献1を参照。)を有するプリント配線回路基板(この明細書では、“基板”と略称する。)のめっき方法には、種々あるが、一般的には、ドリルで穿孔することでスルーホール(板厚方向に貫通する貫通穴)を設けた基板の両面に無電解めっきを施し、しかる後に電気めっきを施して両面およびスルーホール内に皮膜を形成する。
【0003】
後者(電気めっき)を実行するために供されるめっき装置は、基板が平板形状であることから平板形状ワーク(被めっき物)にめっき処理を施すために供用されるめっき装置(例えば、特許文献2を参照。)と同様な構造である。
【0004】
すなわち、特許文献2(図2)のめっき装置に相当しかつ簡潔記載した図5に示すめっき装置10Pにおいて、めっき槽11内には銅系(例えば、含リン銅製)のアノード20L,20Rが対向配設され、このアノード20L,20R間において基板100Pをめっき液Qp内に浸漬する。そして、アノード20L,20Rとカソード(100P)に給電することにより、スルーホール内に所定厚さの皮膜を形成するめっき処理を施すことができる。
【0005】
めっき処理中のめっき液Qpは、空気吐出手段80の起動により間接的かつ全体的に液撹拌され、組成均一化が図られる。空気吐出手段80は、空気吐出管81に設けられた複数の空気吐出孔82から空気を吐出して上向きの空気流Facを発生させて液撹拌可能に形成されている。
【0006】
めっき処理中におけるめっき液Qpは、空気吐出手段80の代わりに図6に示した液撹拌手段70の起動により直接に液撹拌される場合もある。液撹拌手段70は、液噴出管71に設けられた複数の液噴出口72からめっき液Qpを噴出させて上向きの液流Fqcを発生させて液撹拌可能に形成されている。
【0007】
なお、空気吐出管81(複数の空気吐出孔82)または液噴出管71(複数の液噴出口72)は、基板100Pの表面およびスルーホール内の活性化を期待するものであるから、めっき液内に浸漬される基板100Pの下方に位置するように配設される。この意味において、空気吐出手段80も液撹拌手段70も、カソードに関して液撹拌を促すカソード液撹拌手段と称される訳である。
【0008】
かくして、いわゆる部分的ヤケの発生を防止でき、高品質スルーホールめっき処理を安定して行えるわけである。しかも、スルーホールおよびパターンめっきに対応した添加剤の開発も相俟って、量産稼働がなされている。
【0009】
ところで、一段の高密度化の要求が高まり、ブラインドビアホール(非貫通ホール)を金属銅で充填(埋込)させるビアフィリングめっき方法(技術)の開発が強く望まれている。
【0010】
本出願人においても、めっき液的にはビアフィリングめっき向けに専用的に開発した添加剤を利用し、装置的には上記(特許文献2に相当する図5)の場合と同様な構造のめっき装置を用いて、ビアフィリングめっき方法を試行している。
【0011】
具体的には、めっき液(めっき浴組成)を硫酸銅(例えば、200g/L)と硫酸(例えば、50g/L)と塩素イオン(例えば、50mg/L)の混合液としかつ適量の添加剤を加える。添加剤としては、ポリエーテル化合物(ポリマー)、有機硫黄化合物(ブライトナー)および4級化アミン化合物(レベラー)の各適量である。また、装置的には、スルーホールとブラインドビアホールとの相違から、空気流(液噴流)の方向、強弱等々を一段と慎重に調整している。
【0012】
そして、埋込み性(フィリング性)は、断面観察により図7に示す厚みA,Bを測定し、算出したフィリング率[(B/A)×100%]で評価とした。かくして、初期状態(例えば、めっき槽11内にめっき液を液建てした直後)には、87〜97%の良好な結果を得ることができた。
【0013】
【特許文献1】
特開平5−308189号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開平6−17297号公報(第2〜4頁、図2)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、安定性に欠け、経時的にフィリング性が低下するという問題が認められる。しかも、この問題をスルーホールめっき処理における装置的(乃至プロセス的)な問題解消策つまり基板100の表面に対する空気流(液噴流)の方向、強弱等々をより一段と慎重に設定変更・調整したとしても、有効な改善を見ることができない。
【0015】
このような事情から、現在、フィリング性が低下した場合には、空電解、活性炭処理、液更新等を行う(いわば、めっき液の初期化をする。)ことで対応せざるを得ないから、生産性並びにコスト面の点で不利が残る。すなわち、ビアフィリングめっき処理上の最大の障害は経時的変化(フィリング性の不安定化)であって、この解決が無くしてスルーホールを有する基板100Pの場合と同様なコスト面の要求をも満たした量産稼働の実現は至難である。
【0016】
本発明の第1の目的は、フィリング性を安定化できるビアフィリングめっき方法を提供することにある。また、第2の目的は、フィリング性を安定化できるビアフィリングめっき方法を実行するのに好適なビアフィリングめっき装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、次のような発生原因の追求を含む試験研究のもとに創生されたものである。
【0018】
すなわち、幾多の試行(試験・研究)を通して、初期状態では高いフィリング性をもつにも拘わらず経時的変化によってフィリング性が大幅に低下するという事実およびビアフィリングめっき処理においてはスルーホールめっき処理のように基板(の表面)に着目した対策(液撹拌による活性化等)では有効な改善ができないという事実を再認識するに至り、出願人はその問題点が他の要因(アノード側や添加剤との関係等)に起因するものと仮定し、その解明に挑戦した。
【0019】
まず、硫酸銅めっき液に浸漬する前と24時間浸漬した後の各アノード表面をX線光電子分光法(XPS)により解析した。浸漬前[図8(A)を参照。]のアノード表面は金属銅(Cu)である335eVにピークが検出されたが、浸漬後[図8(B)を参照。]では金属銅以外に1価の銅(Cu+)である337eVのピークが顕著に現れた。つまり、Cu+の生成が確認された。
【0020】
そこで、Cu+がフィリング性に与える影響を確認するために、硫酸銅めっき液に亜酸化銅(試薬)を混入してみた。亜酸化銅の混入にともないフィリング性は低下し、亜酸化銅(0.5g/L)の混入でビアホールに金属銅を充填(埋込み)することが出来なくなった。結果、アノード表面に生成したCu+がフィリング性を低下させる要因の一つであることが明白になった。
【0021】
すなわち、硫酸銅めっき液の添加剤として使用しているブライトナーは、還元反応により図9に示す分子構造をとる。そして、還元反応により変質したブライトナーは、電析促進効果が著しく強まり、上記した亜酸化銅(試薬)の過剰添加時と同様の現象を引起す。このブライトナーの変質は、還元力を有するCu+の還元作用による経時変化で発生されると推測される。
【0022】
したがって、フィリング性の安定化には、生成されたCu+を除去(乃至Cu+の生成を抑制)する必要がある。ここに、Cu+は酸素に触れることで容易にCu++に酸化されることに着目し、非めっき処理中(めっき処理の停止中…放置時)にアノード(その近傍)に酸素(空気)を強制的かつ積極的に導入して酸化除去作用を促進することが有効と考えた。
【0023】
そして、放置時におけるめっき液撹拌方法とフィリング性の関係を調べた。放置条件としては、浴温23℃で24時間放置し、硫酸銅めっき液中の溶存酸素濃度の変化も同時に測定した。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
表1を参照し、静止状態の硫酸銅めっき液中に銅系(含リン銅製)のアノードが存在することで溶存酸素濃度は減少し、アノード表面にて生成したCu+が酸素を消費(例えば、5.1mg/L=7.2mg/L−2.1mg/L)していることがわかる。溶存酸素濃度(例えば、6.7〜6.9mg/L)を維持するには、空気撹拌(空気を供給して液撹拌を行う。)が有効であった。
【0026】
しかし、カソード側での空気撹拌は、溶存酸素濃度(6.9mg/L)を維持できるにも拘わらずフィリング性の低下(例えば、95%→78%)が認められ、充分な効果(例えば、97%以上)が得られないことが判明した。かくして、フィリング性を安定化するには、アノード側での液撹拌が好ましとの確信を得た。
【0027】
しかも、空気撹拌および機械撹拌のいずれでも充分な効果が得られた。つまり、空気撹拌により酸素を直接供給しなくとも、機械撹拌を行うこと(つまり、空気に触れることで酸素を採り込むこと)で、めっき液中の溶存酸素量(例えば、5.8mg/L)を維持することができる。すなわち、めっき液が静止している場合には、大気と接触している箇所の酸素濃度が飽和に達するため、それ以上溶け込めなくなるが、液流動を激しくすることで大気との接触面積が増大し、酸素の溶け込みがスムーズになるためである。
【0028】
このことから、フィリング性の安定化には、めっき液中の全体的な溶存酸素濃度を高く維持することが重要ではなく、アノード(あるいは、アノード近傍)における液撹拌効率を高めること、究極的には僅かな酸素濃度(例えば、5.8〜6.9mg/L)であってもアノード表面に向けて酸素を供給し続けることが重要である。
【0029】
以上から、結論的に、ビアフィリングめっきの量産稼働に向けて最大の障害であった経時変化つまりアノード表面にて生成されるCu+の還元作用によりブライトナーが変質してブライトナー過剰時の現象を引き起す現象をアノード側に酸素を供給することで一掃化することができるとともに、生産性およびコスト面からも有効であるとの確信を得た。
【0030】
かくして、本発明は、従来のカソード側に着目しためっき処理中の液撹拌による基板表面の活性強化という考え方とは逆の考え方(発想の逆転)つまり“アノードに向けて酸素を供給してCu+を酸化除去することで、経時変化を改善して安定したフィリング性を得る。”に基づき創生した新規・ユニークでかつ有用な方法・装置を提供するものである。
【0031】
具体的に、請求項1の発明は、硫酸銅めっき液内において基板からなるカソードと銅系のアノードとの間に給電しつつめっき処理を行い該基板に設けられたブラインドビアホール内に金属銅を充填させるビアフィリングめっき方法であって、非給電状態である非めっき処理中に前記アノードに向けて酸素を強制供給しアノード表面に生成される1価の銅を積極的に酸化除去させ、かつ該酸化除去の実行状態または該酸化除去の停止状態で前記めっき処理を実行させることを特徴とする、ビアフィリングめっき方法である。
【0032】
この請求項1の発明に係るビアフィリングめっき方法では、停止中(非めっき処理中)、アノード(または、アノード近傍)に向けて酸素を直接または間接的に強制的に供給する。酸素供給は連続または間歇的でもよい。すると、銅系アノード等との関係でアノード表面に生成される1価の銅(Cu+)を積極的に2価の銅(Cu++)に酸化して除去することができるから、添加剤であるブライトナーの変質を防止することできる。したがって、還元反応により変質したブライトナーによる著しく強い電析促進効果を抑制することができるので、めっき処理中のフィリング性を大幅に安定化できる。
【0033】
なお、めっき処理中には、酸化除去停止状態としてよいが、処理時間が長時間連続される場合等にあっては酸化除去を実行状態に選択してもよい。一時的にでも酸化除去実行状態に選択すれば、全めっき処理時間に渡るフィリング性を均一化および一層の安定化を期待し得る。
【0034】
また、請求項2の発明は、硫酸銅めっき液内において基板からなるカソードと銅系のアノードとの間に給電しつつ該基板に設けられたブラインドビアホール内に金属銅を充填させるビアフィリングめっきを行えるように形成されたビアフィリングめっき装置において、前記アノードに向けて酸素を強制供給してアノード表面に生成される1価の銅を2価の銅に酸化促進可能に形成された酸化促進手段を設け、非給電状態である非めっき処理中に酸化促進手段を働かせてアノード表面に生成される1価の銅を積極的に2価の銅に酸化促進しつつ除去可能に形成されたビアフィリングめっき装置である。
【0035】
この請求項2の発明に係るビアフィリングめっき装置では、停止中(非めっき処理中)に、酸化促進手段を連続または間歇的に働かせて、アノード(または、アノード近傍)に酸素を直接または間接的に強制供給し、アノード表面に生成される1価の銅(Cu+)を積極的に2価の銅(Cu++)に酸化促進して除去する。これにより、添加剤であるブライトナーの変質を防止することできる。したがって、還元反応により変質したブライトナーによる著しく強い電析促進効果を抑制することができるので、その後に給電して再開するめっき処理でのフィリング性を大幅に安定化できる。しかも、酸化促進手段を簡単な構造[例えば、空気吐出管(酸素供給管)を設ける。]で構築することができるから、コスト面からも具現化が容易である。
【0036】
また、請求項3の発明は、前記酸化促進手段が、めっき液内の前記アノード表面に向けた液噴流によりめっき液を撹拌させることで当該撹拌めっき液を介して酸素を強制供給可能に形成されている。
【0037】
この請求項3の発明に係るビアフィリングめっき装置では、酸化促進手段は、めっき液内のアノード表面(または、その近傍)に向けためっき液の噴流によりアノード近傍のめっき液を撹拌させる構造であり、この撹拌めっき液を介して間接的にアノード(または、アノード近傍)に酸素を強制的に供給することができる。つまり、撹拌されためっき液に溶存した酸素を利用して酸化促進させることができる。
【0038】
さらに、請求項4の発明は、前記酸化促進手段が、めっき液内での前記アノード表面に向けた空気流によりめっき液を撹拌させることで当該撹拌めっき液を介して酸素を強制供給可能に形成されている。
【0039】
この請求項4の発明に係るビアフィリングめっき装置では、酸化促進手段は、めっき液内のアノード(または、アノード近傍)に向けて空気(気泡等)を供給してめっき液を撹拌させる構造であり、この撹拌めっき液を介してアノード近傍に酸素を間接的かつ強制的に供給することができる。つまり、撹拌されためっき液に空気中の酸素の溶解を高めつつ、その溶存酸素を利用して酸化促進させることができる。
【0040】
さらに請求項5の発明は、前記アノードが前記カソード側と布製仕切膜で隔離されたアノード室内に設けられ、前記酸化促進手段が該アノード室内のめっき液を吸引しつつ該布製仕切膜を通してめっき槽内からアノード室内のアノードに向うめっき液の流れ込みを生成してめっき液を補給しつつ当該補給めっき液を介して酸素を強制供給可能に形成されている。
【0041】
この請求項5の発明に係るビアフィリングめっき装置では、酸化促進手段は、アノード室内のめっき液を吸引しつつ布製仕切膜を通してめっき槽内からアノード室内にめっき液を吸引することで発生されるアノードに向う流れ込みを利用してめっき液を補給する構造であり、補給めっき液を介して間接的にアノード(または、アノード近傍)に酸素を強制的に供給することができる。つまり、補給されためっき液に溶存する酸素を利用して酸化促進させることができる。
【0042】
さらにまた、請求項6の発明は、前記酸化促進手段がめっき処理中においても酸化促進可能に形成されている。
【0043】
かかる請求項6の発明に係るビアフィリングめっき装置では、めっき処理中においても、酸化促進手段を働かせた酸化除去実行状態を選択することで連続または間歇的に酸化促進できるから、継続めっき処理中におけるフィリング性の安定化を一段と向上できる。
【0044】
例えば、めっき処理時間の長短によって酸化除去を実行状態または酸化除去の停止状態を選択することができる。長時間に渡る連続めっき処理中に一時的にでも酸化除去実行状態に選択すれば、全処理時間に渡るフィリング性の均一的な安定化を期待できる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0046】
(第1の実施の形態)
本フィリング性を安定化できるビアフィリングめっき方法を実行するに好適な本ビアフィリングめっき装置は、図1に示す如く、アノード20(左側20L,右側20R)に向けて酸素を強制供給してアノード表面に生成される1価の銅(Cu+)を2価の銅(Cu++)に酸化促進可能に形成された酸化促進手段(液噴流手段30)を設け、かつ非めっき処理中(非給電状態中)に酸化促進手段(30)を働かせてアノード表面に生成される1価の銅を積極的に2価の銅に酸化促進しつつ除去可能に形成されている。
【0047】
めっき装置10の基本的構成・機能は、硫酸銅めっき液Q内において基板100からなるカソードと銅系のアノード20(20L,20R)との間に給電しつつ基板100に設けられたブラインドビアホール105(図7を参照。)内に金属銅120(図7を参照。)を充填させるビアフィリングめっき処理を施すことができるものである。
【0048】
すなわち、非給電状態である非めっき処理中にアノード20L,20R(または、その近傍)に向けて酸素を強制供給しアノード表面に生成される1価の銅(Cu+)を積極的に酸化除去させ、かつ酸化除去の実行状態または酸化除去の停止状態でめっき処理を実行させることを特徴とする請求項1に係るビアフィリングめっき方法を確実に行える。
【0049】
図1において、めっき槽11内には、めっき液Qが浴建てされている。槽(11)内の左右両側には、アノード20L,20Rが取り付けられている。このアノード20L,20R間に基板100が槽外上方から下降されて浸漬される。
【0050】
アノード20L,20Rは、銅系であり、この実施の形態では、チタン製ラス網上のケース内に多数の含リン銅ボールを収容させた構造である。各ケースは、めっき槽11の前後方向(図1の紙面に垂直方向)に伸び、浸漬された基板100側から見た形状は平板状の四角形状でありかつ当該基板100の上下方向寸法と幅寸法(図1の紙面に垂直方向の寸法)で決まる平面形状と比較してそれよりも大きい。
【0051】
基板100の板厚方向(図1の紙面で左右方向)の両面には、図7(但し、この図7では、図示簡便化の点から、片面側に開口するブラインドビアホール105のみを示した。実際には、反対面側に開口するブラインドビアホール105もある。)に示すようなブラインドビアホール(非貫通穴)105が多数設けられている。この実施の形態では、板厚tが30μmで、穴径φが70μmを想定している。
【0052】
ここに、酸化促進手段を形成する液噴流手段30は、めっき液内のアノード表面に向けためっき液Qの噴流によりめっき液Qを撹拌させることで、撹拌めっき液を介して酸素をアノード(その近傍)20L,20Rに強制供給可能に形成されている。請求項3の発明に係る。
【0053】
フィリングめっき処理用に開発しためっき液Qの組成は、銅イオンの供給源である硫酸銅と、液の電導度を上げる硫酸と、添加剤の働きを助ける塩素の基本成分と、添加剤成分(塩素との相互作用により陰極界面に単分子膜を形成し銅の析出を幅広く抑制するポリマー、電析作用を促進するブライトナーおよび凸部の電析反応を抑制するレベラー)とから形成されている。詳しくは、各実施例において説明するが、これら各成分の濃度、電析促進作用、電析抑制作用を適切に調整することにより、ビアフィリングめっき処理を安定して行え、高品質な基板100を生産(量産稼働)することができる。
【0054】
すなわち、液噴流手段30は、図1に示すめっき槽11の前後方向(紙面垂直方向)に伸びる左右一対のヘッダー39L,39Rと、前後方向に一定の間隔をもって各ヘッダー39L,39Rに立設された複数の液噴出管31L,31Rと、各ヘッダー39L,39Rに液供給ポンプ34で加圧されためっき液Qを供給する配管系(液供給管33、分岐管33L,33R)と、液供給ポンプ34の吸込側に接続された液吸込管35から形成されている。
【0055】
各液噴出管31L,31Rには、上下方向に一定の距離だけ離隔された複数の液噴出口(噴流用ノズル)32が設けられている。各液噴出口32は、当該各アノード20に向けた水平方向にめっき液Qを噴流可能に穴明けされている。図1では、簡便的に穴明け中心を細線の実線で示してある。
【0056】
なお、この簡便的表示は、図2の空気吐出管41に対する空気吐出孔42,液噴出管71に対する液噴出口72、図3の液吸引管51に対する液吸引口52,液噴出管71に対する液噴出口72、図4の空気吐出管41に対する空気吐出孔42,空気吐出管81に対する空気吐出孔82についても同様に表示してある。
【0057】
かくして、各液噴出口32は各アノード20L,20R側から見てマトリクス状に配設され、当該各アノード20L,20Rに向けた液流Fqhを生成することができるわけである。
【0058】
各液噴出口32は各アノード20L,20Rのケース表面から5〜500mmの範囲内で選択された距離だけ離れた位置に設け、液噴流手段30全体として有効アノード面積1m2当たり10〜500L/minの範囲内で選択された液量を強制供給できるように形成するのが好ましい。
【0059】
液吸込管35の一端は、めっき槽11の左右で各アノード20L,20Rの背面側に設けたオーバーフロー槽12に接続されている。この意味は、めっき槽11からオーバーフロー槽12に溢出する際に誘起されるめっき液と空気との自然な接触を巧みに利用して、めっき液Q中の溶存酸素量を増大させるための策を設けたことである。
【0060】
つまり、めっき槽11内のめっき液Qには、大気開放され液面と大気との接触・撹拌で酸素を取り込むことができ、基板100の出し入れの際は一段と取り込み助長されるが、オーバーフロー槽12を設けることで大幅な酸素取り込みを図っているのである。
【0061】
液供給ポンプ34の起動・停止等は、図1の制御盤200の設定により制御される。例えば、給電装置(図示省略)の駆動(停止)命令を利用して液供給ポンプ34を自動的に起動(停止)させる。また、液供給ポンプ34を連続起動させるか、間歇的に起動させるかを選択できる。間歇起動の場合における起動・停止インターバルも設定することができる。なお、図1に示す制御盤200は、以下の図2〜図4においては図示省略した。
【0062】
なお、制御盤200は、めっき処理中においても、同様な選択・設定等を行えるように構築してある。かくすれば、酸化促進手段(30)をめっき処理中においても酸化促進起動でき、継続めっき処理中におけるフィリング性の安定化を一段と向上させることができる。
【0063】
かかる第1の実施の形態に係るビアフィリングめっき装置10では、停止中(非めっき処理中)に、酸化促進手段(30)つまり液供給ポンプ34を連続(または、間歇的)に働かせてアノード(その近傍)20L,20Rに酸素を強制供給し、アノード表面に生成される1価の銅(Cu+)を2価の銅(Cu++)に酸化促進して除去する。これにより、添加剤であるブライトナーの変質を防止することできる。
【0064】
よって、還元反応により変質したブライトナーによる著しく強い電析促進効果を抑制することができるから、その後に給電して再開するめっき処理中のフィリング性を大幅に安定化できる。
【0065】
しかも、酸化促進手段(30)が、めっき液Q内のアノード表面に向けた液噴流Fqhによりめっき液Qを撹拌させることで溶存酸素を増大させ、この撹拌めっき液Qを介して酸素を間接的に強制供給可能に形成された液噴流手段30から構築されているので、簡単な構造で、コスト面からも具現化が容易で、装置コストの一段の低減ができる。
【0066】
また、各アノード20L,20Rの背面側にオーバーフロー槽12が設けられているので、めっき槽11からオーバーフロー槽12へめっき液Qを溢出・循環させつつ、めっき液Q中への酸素の取り込みを大幅に向上でき、溶存酸素を高めることができる。
【0067】
また、各液噴出口32がマトリクス状に配設され、各アノード20L,20Rに向けたマトリクス状の複数液噴流Fqhを生成することができるので、各アノード20L,20Rの平面的な全範囲に渡り均一で安定した酸化除去作用を実行・維持させられる。
【0068】
なお、この第1の実施の形態においては、酸化促進手段を液噴流手段30から形成した場合について説明したが、酸化促進手段を空気吐出手段40から形成しても実施することができ、この場合を第4の実施の形態として記載する。
【0069】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、図2に示す如く、基本的構成(11,12,20,)等が下記する一部の構成(25,70)等を除いて図1に示す第1の実施の形態に係る基本的構成(11,12,20)等と同様に構築されているが、酸化促進手段はめっき液内のアノード表面(または、アノード近傍)20L,20Rに向けた空気流によりめっき液Qを撹拌させることでめっき液Qを介してアノード(または、その近傍)20L,20Rに酸素を強制供給可能に形成された空気吐出手段40から構成されている。
【0070】
また、アノード室25L,25Rの導入および酸化促進手段の構造が空気吐出構造(40)である観点から、カソード液撹拌手段(液撹拌手段70)を設け、めっき槽11内の全体的な液撹拌を強化することで、従来スルーホールめっき処理の場合と同様に基板100の表面の活性化をも促す。
【0071】
この液撹拌手段70は、浸漬された基板100の下方に配設された左右一対の液噴出管71L,71Rと、供給配管系(液供給管73、分岐管73L,73R)と、液供給ポンプ74と、このポンプ74をオーバーフロー槽12に接続する液吸込管75とから形成されている。オーバーフロー槽12の導入は、第1の実施の形態に係る装置10の場合と同様な作用・効果を期待するものである。
【0072】
各液噴出管71L,71Rは、めっき槽11の前後方向(図2の紙面垂直方向)に伸び、長手方向に一定の距離だけ離隔された複数の液噴出口(噴流用ノズル)72が設けられている。したがって、基板100の両側にカソード液流Fqcを生成することができる。
【0073】
さて、各アノード20L,20R自体は、第1の実施の形態に係る構造と同じ構造とされているが、図2に示すアノード室25L,25R内に収容されている。各アノード室25L,25Rは、全体的には密閉型であるが、カソード(100)側に向かう面のみが布製仕切膜26で覆われアノード(20L,20R)側とカソード(100)側とを隔離し、アノード20L,20Rからスライムの形で溶出した不純物がめっき槽11内に侵入してしまうことを阻止可能に形成されている。
【0074】
ここにおいて、空気吐出手段40は、各アノード室25L,25R内でかつめっき槽11の前後方向(紙面垂直方向)に伸びる左右一対の空気吐出管41L,41Rと、空気供給ユニット44と、各空気吐出管41L,41Rに槽(11)外の空気供給ユニット44からの加圧空気を供給する配管系(空気供給管43、分岐管43L,43R)とから形成されている。
【0075】
各アノード室25L,25R内の下方に配置された前後方向に伸びる各空気吐出管41L,41Rには、前後方向に一定の距離だけ離隔された複数の空気吐出孔42が設けられている。つまり、斜め下向きの各空気吐出孔42は各アノード20L,20Rの左右方向両側に空気流Faを生成し、各アノード(および、その近傍)20L,20Rに酸素を強制供給することができる。空気流が気泡流になるように形成してあるので、酸素溶解作用を一段と高められる。
【0076】
空気吐出手段40全体としては有効アノード面積1m2当たり10〜500L/minの範囲内で選択された空気量を供給できるように形成するのが好ましい。
【0077】
かかる第2の実施の形態に係るビアフィリングめっき装置10では、停止中(非めっき処理中)に、酸化促進手段(40)つまり空気供給ユニット44を連続(または、間歇的)に働かせてアノード室25L,25R内でアノード20L,20Rに向かう空気(気泡)流Faを生成させて液撹拌しつつ、アノード近傍に酸素を強制的に供給し、アノード表面に生成される1価の銅(Cu+)を2価の銅(Cu++)に酸化促進して除去する。これにより、添加剤であるブライトナーの変質を防止することできる。
【0078】
よって、第2の実施の形態に係る装置10(40等)によれば、第1の実施の形態に係る装置の場合と同様に、還元反応により変質したブライトナーによる著しく強い電析促進効果を抑制することができるから、その後に給電して再開するめっき処理中のフィリング性を大幅に安定化できる。
【0079】
しかも、酸化促進手段(40)が、密閉型のアノード室25L,25R内での空気流Faによりめっき液Qを撹拌させることで、撹拌めっき液を介して酸素を間接的(部分的には空気中の酸素を直接)に強制供給可能な空気吐出手段40から構成されているので、第1の実施の形態に係る装置の場合と同様な作用・効果を奏することができることに加え、さらに第1の実施の形態に係る装置の場合と比較してめっき液Q中への酸素溶解効果を大幅に向上させることができる。
【0080】
なお、アノード室25L,25Rを設けない場合も、適応できかつ同様に実行することができる。これに関しては、第4の実施の形態として、説明する。
【0081】
(第3の実施の形態)
この第3の実施の形態では、図3に示す如く、基本的構成(11,12,20,25,70)等が図2に示す第2の実施の形態に係る基本的構成(11,12,20,25,70)等と同様であるが、酸化促進手段を、アノード室25L,25R内の古いめっき液Qを吸引しつつ布製仕切膜26を通してめっき槽(11)内からアノード室25L,25R内のアノードに向うめっき液Qの流れ込みを生成して新鮮なめっき液Qを補給しつつ、この補給めっき液Qを介してアノード20L,20R(およびアノード近傍)に酸素を強制供給可能な液吸引手段50から構成してある。
【0082】
液吸引手段50は、各アノード室25L,25R内でかつめっき槽11の前後方向(紙面垂直方向)に伸びる左右一対の液吸引管51L,51Rと、液戻しポンプ54と、各液吸引管51L,51Rで吸込んだ古いめっき液Qを液戻しポンプ54に導入する導入配管系(分岐管53L,53R、液導入管53)と、液戻しポンプ54からめっき槽11へめっき液を戻すための液戻し供給管55とから形成されている。液戻しポンプ54から液戻しは、オーバーフロー槽12に戻すように形成してもよい。
【0083】
各アノード室25L,25R内の下方に配置された各液吸引管51L,51Rには、前後方向に一定の距離だけ離隔された複数の液吸引口52が設けられている。つまり、各液吸引口52は各アノード室25L,25R内のめっき液Qを吸引みつつ下向き液流Fqdを誘起する。
【0084】
したがって、めっき槽11から布製仕切膜26を通してアノード室25L,25R内に流れ込む新鮮なめっき液Qを各アノード(その近傍、表面)20L,20Rに補給することができるから、各アノード(その近傍、表面)20L,20Rに酸素を強制供給することができるわけである。
【0085】
液吸引手段50全体としては、有効アノード面積1m2当たり10〜500L/minの範囲内で選択されためっき液量を供給できるように形成するのが好ましい。
【0086】
かかる第3の実施の形態に係るビアフィリングめっき装置10では、停止中(非めっき処理中)に、酸化促進手段(50)つまり液吸引手段50を連続(または、間歇的)に働かせてめっき槽11内から布製仕切膜26を通してアノード室25L,25R内に流れ込み方式によりめっき液Qを補給しかつアノード室25L,25R内から吸引排出しつつ、補給めっき液を介して間接的にアノード(その近傍)20L,20Rに酸素を強制供給することができる。
【0087】
つまり、補給されためっき液Qに溶存する酸素を利用して酸化促進させることができるから、アノード表面に生成される1価の銅(Cu+)を2価の銅(Cu++)に酸化促進して除去することができる。これにより、添加剤であるブライトナーの変質を防止することできる。
【0088】
よって、この第3の実施の形態に係る装置によれば、第1(第2)の実施の形態に係る装置の場合と同様に還元反応により変質したブライトナーによる著しく強い電析促進効果を抑制することができるから、その後に給電して行う再開めっき処理中のフィリング性を大幅に安定化できる。
【0089】
しかも、酸化促進手段(50)が、密閉型のアノード室25L,25R内での下向き流れ込みによる吸引液流Fqdでめっき液Qを撹拌させて酸素供給する液吸引手段50から構成されているので、第2の実施の形態に係る装置の場合と同様な作用・効果を奏することができることに加え、さらに第2の実施の形態に係る装置の場合と比較してアノード20L,20Rからスライムの形で溶出した不純物のめっき槽11内への侵入をより確実に阻止することができる。
【0090】
(第4の実施の形態)
この第4の実施の形態は、図4に示す如く、基本的構成(11,12,20)等が図1に示す第1の実施の形態に係る基本的構成(11,12,20)等と同様(アノード室無)とされかつ酸化促進手段が図2に示す第2の実施の形態に係る構造(40)と同様な構造(40)とされている。
【0091】
つまり、めっき液Q内のアノード(その近傍)20L,20Rに空気流を発生してめっき液Qを撹拌させ、この撹拌めっき液を介して酸素をアノード(その近傍)20L,20Rに強制供給可能に形成されている。
【0092】
なお、付加的構成としてのカソード液撹拌手段は、空気吐出手段80から構成してある。図2(図3)に示された第2(第3)の実施の形態の装置に係る液撹拌手段70とは異なる。
【0093】
すなわち、空気吐出手段80は、図4に示すように、浸漬される基板100の下方に配設されかつめっき槽11の前後方向(紙面に垂直方向)に伸びる左右一対の空気吐出管81L,81Rと、槽外に配置された空気供給ユニット84と、空気供給ユニット84からの加圧空気を各空気吐出管81L,81Rに供給する配管系(空気供給管83、分岐管83L,83R)とから形成されている。
【0094】
各空気吐出管81L,81Rには、前後方向に一定の距離だけ離隔された複数の空気吐出孔82が設けられている。つまり、各空気吐出孔82は基板100の左右方向両側に空気(気泡)流Facを生成し、その表面のめっき液Qを撹拌することができる。
【0095】
かくして、この第4の実施の形態に係る装置10では、第2の実施の形態に係る装置の場合と同様に、還元反応により変質したブライトナーによる著しく強い電析促進効果を抑制することができるから、その後に給電して再開するめっき処理中のフィリング性を大幅に安定化できるとともに、各アノード室25L,25R内でレイアウトされる第2の実施の形態の装置の場合に比較して各アノード20L,20Rに対する各空気吐出管41L,41Rの取付位置、噴気方向等々の選択範囲が広いから、めっき液Q中への酸素溶解効果を一段と大幅に向上できるように構築し易い。
【0096】
なお、以上の各実施の形態では、酸化促進手段[31(32)、41(42)、51(52)等]はアノード20L,20Rに対して離隔配置した場合を例示したが、酸化促進手段[30…31(32)、40…41(42)、50…51(52)等]はアノード(ケース内)20L,20Rに組込んでおく構造としてもよい。
【0097】
また、酸化促進手段[31(32)、41(42)、51(52)等]とアノード(ケース内)20L,20Rとの一方または双方をめっき液Q中で相対移動(例えば、相対上下動や相対揺動)させるように構築してもよい。
【0098】
さらに、酸化促進手段がめっき液Qの噴出・吸引または空気吐出による構造とされていたが、酸化促進手段はアノード(近傍)における液撹拌効率を高めればよいこと、究極的には僅かな酸素濃度(例えば、5.8〜6.9mg/L)であってもアノード表面に酸素を強制供給することができればよいことからすれば、上記場合に限らず機械的撹拌構造(例えば、プロペラ回転構造等)で酸化促進手段を構成してもよい。なお、酸素を直接強制供給する方式を排除するものでもよい。
【0099】
以下に、各実施の形態に係る装置10を用いての実施例を対応する比較例とともに説明する。
【0100】
(実施例1)
この実施例1の実行条件1〜6は、表2に示す通りである。表2には比較例1の条件も記載してある。
【表2】
【0101】
装置としては、図1に示す第1の実施の形態に係る装置10と同じ構造[条件5に係る含リン銅ボールからなる銅系アノード20は直接設置され、アノード室25は設けられていない。条件4に係るカソード液撹拌手段(70)は無しで、オーバーフロー槽12および条件6に係る液噴流手段30が設けられている。]の装置10を採用した。
【0102】
条件1に係るめっき槽11内には、1400Lのめっき液Qを浴建てした。また、条件2に係るめっき液Qの組成は、硫酸銅200g/L、硫酸50g/L、塩素イオン50mg/Lで、これに添加剤[ポリマー:PTH−ルチナα−M(奥野製薬工業株式会社製)4.5mL/L、ブライトナー:PTH−ルチナα−2(奥野製薬工業株式会社製)1mL/L、レべラー:PTH−ルチナα−3(奥野製薬工業株式会社製)3mL/L]を加えたものである。
【0103】
そして、浴(めっき液)温度を23℃で24時間放置した。この放置中に、アノード20L,20Rから50mm離れた各液噴出口32からアノード20L,20Rに向けて液噴射し続けた。全体的に100L/minの液噴射による液撹拌を行った。
【0104】
24時間放置後に条件3に係るブラインドビアホール(樹脂厚30μm、穴径70μm)を有する基板(カソード)100をめっき槽11内に浸漬し、条件7の処理条件(浴温:23℃、電流密度:1.0A/dm2、処理時間:90min)でめっき処理を施した。この実施例1によれば、24時間放置後にめっき処理された基板100のフィリング率(測定値)は、放置前に測定した値(97%)と同じ97%であった。
【0105】
比較例1は、条件1〜5、7までを実施例1の場合の条件(1〜5、7)と同じとしたが、条件6に係るアノード側の酸化促進手段(液噴流手段30)は当然に設けず(具体的には、図4の液噴流手段30を停止させる。)、めっき液Qを静止させたままの状態で24時間放置とした。この比較例1におけるフィリング率(測定値)は、放置前に測定した値(97%)に対して大幅に低下した32%であった。
【0106】
(実施例2および実施例3)
この実施例2および実施例3の各実行条件1〜6は、表3に示す通りである。表3には比較例2の条件も記載してある。
【0107】
【表3】
【0108】
実施例2に係る装置としては、図2に示す第2の実施の形態に係る装置10と同じ構造[条件5に係る含リン銅ボールからなるアノード20はアノード室25内に設置される。条件4に係るカソード液撹拌手段(70)が設けられている。オーバーフロー槽12および条件6に係る空気吐出手段40を設けた。]の装置10を採用した。
【0109】
また、実施例3に係る装置としては、図3に示す第3の実施の形態に係る装置10と同じ構造とした。換言すれば、実施例2の装置の場合(40)とは、酸化促進手段の構造が異なる。この実施例3では、酸化促進手段を液吸引手段50から構成してある。
【0110】
比較例2は、条件4に係るカソード液撹拌手段(70)を設けている点を除き、比較例1の場合と同じである。
【0111】
ここに、条件1,2,3,7に関しては、実施例2,実施例3および比較例2ともに実施例1(比較例1)の場合と同じとした。なお、条件4に関しては、実施例2,実施例3および比較例2ともに200L/minでのカソード液撹拌を続けた。
【0112】
そして、浴(めっき液)温度を23℃でかつめっき液Qを静止させたままの状態で24時間放置した。この放置中に、実施例2の場合はアノード20L,20Rに向けて空気吐出し続けた。全体的に80L/minの空気吐出による液撹拌を行った。実施例3の場合はアノード室25L,25R内からめっき液を吸引・補給し続けた。全体的に50L/minの液吸引による液撹拌を行った。
【0113】
比較例2の場合はアノード室25L,25R内での酸化促進は行わない。酸化促進手段(40および50)を設けていないからである[具体的には、酸化促進手段(40または50)を停止させた]。
【0114】
かくして、実施例2による24時間放置後のめっき処理後のフィリング率(測定値)は放置前に測定した値(97%)と同じ97%であった。また、実施例3の場合は放置前に測定した値(96%)よりも高い97%であった。つまり、酸化促進手段(空気吐出撹拌方式でも液吸引撹拌方式でも)を24時間連続運転すると、放置前に存在していた若干の差(1%)を解消した最高的な97%となる。
【0115】
しかし、比較例2におけるフィリング率(測定値)は、放置前に測定した値(96%)に対して大幅に低下した35%であった。したがって、フィリング性を安定化に関しては、大量(200L/min)による液撹拌でも、従来例(スルーホールめっき処理)の場合と同じカソード側の液撹拌である限りにおいて、その改善性が認められないことが明白である。
【0116】
(実施例4)
この実施例4の各実行条件1〜6は、表4に示す通りである。表4には比較例3および比較例4の条件も記載してある。
【表4】
【0117】
実施例4に係る装置としては、図4に示す第4の実施の形態に係る装置10と同様な構造[条件5に係るアノード室25は無で、条件4に係るカソード液撹拌手段(80)は有で、オーバーフロー槽12は設けられている。]の装置10を採用した。なお、この実施例4および比較例4の実行に際しては、カソード液撹拌手段(空気吐出手段80)は停止した。
【0118】
実施例4に係る酸化促進手段は、第1の実施の形態に係る液噴流手段30とは異なる。つまり、図2に示す第2の実施の形態に係る装置(40)の場合と同様な図4に示す空気吐出手段40からなる。なお、条件1に係るめっき槽11は小型で浴建て量(めっき液量)は、1.5Lである。
【0119】
そして、比較例3に係る装置としては、図5に示す従来例に係る装置10Pと同じ構造とした。具体的には、図4に示す装置10のカソード液撹拌手段(空気吐出手段80)を運転して条件4を満たし、酸化促進手段(空気吐出手段40)を停止させて条件6を満たした。
【0120】
また、比較例4に係る装置としては、図4に示す装置10のカソード液撹拌手段(空気吐出手段80)および酸化促進手段(空気吐出手段40)を双方とも停止させて条件4,6を満たした。
【0121】
条件2,3,5,7に関しては、実施例4,比較例3および比較例4ともに実施例2(比較例2)の場合と同じとした。
【0122】
浴(めっき液)温度を23℃で24時間放置した。この放置中に、実施例4の場合はアノード20L,20Rに向けて空気を吐出供給し続けた。全体的に0.3L/minの空気吐出による液撹拌を行った。比較例3の場合はカソード(100)に空気を吐出供給し続け、全体的に0.3L/minの空気吐出による液撹拌を行った。
【0123】
かくして、実施例4によれば、24時間放置後にめっき処理された基板100についてのフィリング率(測定値)は97%であった。また、比較例3でのフィリング率(測定値)は78%であった。さらに、比較例4でのフィリング率(測定値)は30%であった。
【0124】
すなわち、幅狭で小型の装置10では、カソード液撹拌をする(比較例3)と、静止状態で放置した場合(比較例4)の大幅な低下(30%)は防止できる。つまり、若干のアノード20L,20Rへの液撹拌作用が認め得る。しかしながら、専用の酸化促進手段(30または40)を設け酸素を強制供給しない限りにおいて、めっき槽11(浴建て量)が小型(少量)であったとしても、製品合格と認定される値(例えば、97%以上)を安定維持することはできない。
【0125】
(実施例5)
実施例5の装置を含む各実行条件1〜7は、表5に示す通り、実施例2の場合と同様とした。そして、5日間に渡り、連続的な12時間めっき処理と12時間放置状態とを繰り返した。なお、放置状態中は、基板100をめっき液Qから引き抜いておいた。5日経過後のフィリング率(測定値)は、繰り返し前の測定値97%であった。
【0126】
【表5】
【0127】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、非めっき処理中に酸素を強制供給してアノード表面に生成される1価の銅を酸化除去させてからめっき処理を行わせることを特徴とするビアフィリングめっき方法であるから、還元反応により変質したブライトナーによる著しく強い電析促進効果を抑制することができ、めっき処理中のフィリング性を大幅に安定化できる。
【0128】
また、請求項2の発明によれば、非めっき処理中に酸化促進手段を働かせてアノード表面に生成される1価の銅を2価の銅に酸化促進して除去可能に形成されたビアフィリングめっき装置であるから、請求項1の発明の場合と同様にめっき処理中のフィリング性を大幅に安定化できるとともに、酸化促進手段を簡単な構造(例えば、空気吐出)で構築することができるからコスト面からも具現化が容易である。また、ブラインドビアホールを金属銅で充填(埋込)させるビアフィリングめっき処理を継続的に行えるので、一段の高密度化の要求に応えることができる。
【0129】
また、請求項3の発明によれば、酸化促進手段がアノード表面に向けた液噴流によりめっき液を撹拌させて酸素を強制供給する構造であるから、請求項2の発明の場合と同様な効果を奏することができることに加え、さらに装置コストの一段の低減ができる。
【0130】
さらに、請求項4の発明によれば、酸化促進手段がアノード表面に向けた空気流によりめっき液を撹拌させて酸素を強制供給する構造であるから、請求項2の発明の場合と同様な効果を奏することができることに加え、さらに請求項3の発明と比較して酸素溶解効果を大幅に向上できる。
【0131】
さらに、請求項5の発明によれば、酸化促進手段がアノード室内のめっき液を吸引しつつ布製仕切膜を通してめっき槽内からアノード室内にめっき液を補給しつつ酸素を強制供給する構造であるから、請求項2の発明の場合と同様な効果を奏することができることに加え、さらに請求項3の発明に係る液噴射等に比較して、アノードからスライムの形で溶出した不純物のめっき槽内への侵入阻止効果を一段と確実に担保することができる。
【0132】
さらにまた、請求項6の発明によれば、酸化促進手段がめっき処理中においても酸化促進可能に形成されているので、継続めっき処理中におけるフィリング性の安定化を一段と向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るビアフィリングめっき装置を説明するための図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るビアフィリングめっき装置を説明するための図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係るビアフィリングめっき装置を説明するための図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係るビアフィリングめっき装置を説明するための図である。
【図5】従来例1(空気吐出手段を設けたビアフィリングめっき装置)を説明するための図である。
【図6】従来例2(液撹拌手段を設けたビアフィリングめっき装置)を説明するための図である。
【図7】ブラインドビアホールとフィリング率の算定根拠とを説明するための図である。
【図8】X線光電子分光法(XPS)により解析結果を説明するための図である。
【図9】還元反応による分子構造を説明するための図である。
【符号の説明】
10 めっき装置
11 めっき槽
12 オーバーフロー槽
20 アノード
25 アノード室
26 布製仕切膜
30 液噴流手段(酸化促進手段)
31 液噴出管
32 液噴出口
40 空気吐出手段(酸化促進手段)
41 空気吐出管
42 空気吐出孔
50 液吸引手段(酸化促進手段)
51 液吸引管
52 液吸引口
70 液撹拌手段(カソード液撹拌手段)
71 液噴出管
72 液噴出口
80 空気吐出手段(カソード液撹拌手段)
81 空気吐出管
82 空気吐出孔
100 基板(カソード)
105 ブラインドビアホール
110 銅皮膜
120 充填金属銅
200 制御盤
Q めっき液
Claims (6)
- 硫酸銅めっき液内において基板からなるカソードと銅系のアノードとの間に給電しつつめっき処理を行い該基板に設けられたブラインドビアホール内に金属銅を充填させるビアフィリングめっき方法であって、
非給電状態である非めっき処理中に前記アノードに向けて酸素を強制供給しアノード表面に生成される1価の銅を積極的に酸化除去させ、かつ該酸化除去の実行状態または該酸化除去の停止状態で前記めっき処理を実行させることを特徴とするビアフィリングめっき方法。 - 硫酸銅めっき液内において基板からなるカソードと銅系のアノードとの間に給電しつつ該基板に設けられたブラインドビアホール内に金属銅を充填させるビアフィリングめっきを行えるように形成されたビアフィリングめっき装置において、
前記アノードに向けて酸素を強制供給してアノード表面に生成される1価の銅を2価の銅に酸化促進可能に形成された酸化促進手段を設け、
非給電状態である非めっき処理中に酸化促進手段を働かせてアノード表面に生成される1価の銅を積極的に2価の銅に酸化促進しつつ除去可能に形成された、ビアフィリングめっき装置。 - 前記酸化促進手段が、めっき液内の前記アノード表面に向けた液噴流によりめっき液を撹拌させることで当該撹拌めっき液を介して酸素を強制供給可能に形成されている、請求項2記載のビアフィリングめっき装置。
- 前記酸化促進手段が、めっき液内での前記アノード表面に向けた空気流によりめっき液を撹拌させることで当該撹拌めっき液を介して酸素を強制供給可能に形成されている、請求項2記載のビアフィリングめっき装置。
- 前記アノードが前記カソード側と布製仕切膜で隔離されたアノード室内に設けられ、前記酸化促進手段が該アノード室内のめっき液を吸引しつつ該布製仕切膜を通してめっき槽内からアノード室内のアノードに向うめっき液の流れ込みを生成してめっき液を補給しつつ当該補給めっき液を介して酸素を強制供給可能に形成されている、請求項2記載のビアフィリングめっき装置。
- 前記酸化促進手段がめっき処理中においても酸化促進可能に形成されている、請求項2から請求項5までのいずれかに1項に記載されたビアフィリングめっき装置。
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JP2011046973A (ja) * | 2009-08-25 | 2011-03-10 | Mitsubishi Materials Corp | 電気銅めっき方法および電気銅めっき製品 |
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