JP2004331234A - 紙送りローラ用支持体、及び、紙送り装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紙送りローラ用支持体は、支持基体20、凸部24を含む。支持基体20は、軸方向の両端に、間隔を隔てて対向する凹溝22、23を有する。凸部24は、凹溝22−23の間において、支持基体20の外周面に沿って、径方向に突出して設けられている。
上述紙送りローラ用支持体は、紙送りローラと組み合わされ、紙送り装置を構成する。紙送りローラ1は、空洞16を有する筒状連続体であって、紙接触部11、支持片12、13を含む。支持片12、13は、紙接触部11の軸方向の両側に設けられている。紙送りローラ用支持体2は、凹溝22又は23に支持片12又は13が嵌め込まれ、且、凸部24が間隔D53を隔てて空洞16の内周面と相対向して、紙送りローラ1と組み合わされている。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙送りローラ用支持体、及び、紙送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙送り装置は、プリンタ、ファックス等のOA機器に使用され、用紙を送り出す機能を有している。従来の紙送り装置は、一般的には、紙送りローラと、紙送りローラ用支持体とを備えている。紙送りローラは、支持体の周囲を覆っていて、紙接触面と用紙との間の摩擦力により紙送りを行う。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている紙送り装置において、支持体は、第1の凹部と、第2の凹部とを有している。第1及び第2の凹部は、支持体の外周に沿ってリング状に形成され、支持体の軸方向に互いに間隔を隔てて備えられている。紙送りロ−ラは、外筒部と、第1の内筒部と、第2の内筒部とを有する。第1及び第2の内筒部は、軸方向に貫通する貫通孔を有し、外筒部の軸方向の両端側において、互いに間隔を隔てて同軸状に配置され、軸方向の端部が外筒部の軸方向の端部に連続している。支持体と、紙送りローラとは、第1の内筒部が第1の凹部に嵌り、第2の内筒部が第2の凹部に嵌り合う関係で組み合わされている。
【0004】
特許文献2に開示されている紙送り装置は、紙送りローラが、紙送りローラ用支持体に装着されている。紙送りローラは、弾性基体と、複数のアーチ状空洞部とを含む。アーチ状空洞部は、弾性基体の第1の面に備えられ、第1の方向に延び、第1の方向に垂直に交わる第2の方向に配列されている。弾性基体は、第1の面と対向する第2の面を有している。第2の面は複数の湾曲部を有しており、湾曲部のそれぞれはアーチ状空洞部とは反対側に位置し、第1の方向に延び第2の方向に横並びに配置され、第2の面の外郭を形成する。
【0005】
ところで、この種の紙送り装置では、紙送り不良を防止するため、用紙の紙送り姿勢を一定に保つことが要求される。用紙の紙送り姿勢を一定に保つために必要な要件の1つは、紙送りローラの紙接触部が、軸方向の全長にわたって安定して用紙に接触し得ることである。
【0006】
しかし、特許文献1及び2に示す紙送り装置のように、紙送りローラ用支持体が、その両端に備えられた2つの支持構造により紙送りローラを支持する構造によると、支持構造を有しない紙接触部の中央に押し圧力が集中し、凹状に湾曲する不都合が生じていた。上述した不都合を解消しない限り、紙送り装置は、紙送りローラの紙接触部を、その軸方向の全長にわたって用紙に接触させることができない。
【0007】
【特許文献1】
特許第3238121号公報
【特許文献2】
特開2002−234652号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、用紙の紙送り姿勢を一定に保つことができる紙送りローラ用支持体、及び、紙送り装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係る紙送りローラ用支持体は、支持基体と、凸部とを含む。前記支持基体は、少なくとも軸方向の両端に、間隔を隔てて対向するリング状の凹溝を有している。前記凸部は、前記凹溝間において、前記支持基体の外周面に沿い、径方向に突出して設けられている。
【0010】
上述した紙送りローラ用支持体は、紙送りローラと組み合わされ、紙送り装置を構成する。前記紙送りローラは、内部に空洞を有する筒状連続体であって、紙接触部と、支持片とを含む。前記紙接触部は、紙接触面となる円筒状の外周面を構成する。前記支持片は、前記紙接触部の軸方向の両側に設けられている。前記紙送りローラ用支持体は、前記凹溝のそれぞれに、前記支持片のそれぞれが嵌め込まれ、且、前記凸部が間隔を隔てて前記ローラ基体の内周面と相対向して、前記紙送りローラと組み合わされている。
【0011】
上述したように、本発明に係る紙送りローラ用支持体は、支持基体を含む。支持基体は、少なくとも軸方向の両端に、間隔を隔てて対向するリング状の凹溝を有している。紙送りローラは、内部に空洞を有する筒状連続体であって、紙接触部と、支持片とを含む。紙接触部は、紙接触面となる円筒状の外周面を構成する。支持片は、紙接触部の軸方向の両側に設けられている。従って、紙送り装置は、紙送りローラ用支持体の凹溝のそれぞれに、紙送りローラの支持片のそれぞれを嵌め込み、これを保持することができる。
【0012】
凸部は、前記凹溝間において、支持基体の外周面に沿い、径方向に突出している。凸部は、紙送り装置において、間隔を隔ててローラ基体の内周面と相対向する。紙送りローラの支持片は、紙接触部の軸方向の両側に設けられている。従って、紙送りローラは、紙接触部の中央が用紙からの押し圧力により凹状に湾曲しようとした場合に、凸部がローラ基体の内周面に接触し、紙接触部を内周面側から支持する。従って、紙送りローラ用支持体は、紙送りローラの紙接触部が、その軸方向の全長に渡って安定して用紙に圧接するように支持するから、用紙の紙送り姿勢を一定に保つことができる。
【0013】
また、凸部は、支持基体の外周面に沿って設けられている。従って、紙送り装置が回転駆動した場合に、紙送りローラ用支持体は、紙送りローラの湾曲を全周に渡って防止し、用紙の紙送り姿勢を一定に保つことができる。
【0014】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
【0015】
【発明の実施の形態】
1.紙送りローラ用支持体
図1は本発明に係る紙送りローラ用支持体の斜視図、図2は図1に示した紙送りローラ用支持体の平面図、図3は図2の3−3線に沿った断面図、図4は図1乃至図3に示した紙送りローラ用支持体の左側面図である。なお、右側面図は、左側面図と同様の構造となるから、ここでは省略する。
【0016】
図1乃至図4を参照すると、紙送りローラ用支持体は、支持基体20と、凸部24とを含む。支持基体20は、一般にプラスチック等の合成樹脂材料を成形してなる。
【0017】
支持基体20は、第1乃び第2の凹溝22、23を有する。第1乃び第2の凹溝22、23それぞれは、断面円弧状である。第1の凹溝22は、断面円弧状の最大内径寸法D22を有する。第2の凹溝23は、断面円弧状の最大内径寸法D23を有する。なお、本明細書において、断面円弧状の「円弧状」とは、必ずしも一定点を有する真円の円周の一部に限定されない。具体的には、楕円形形状の一部や、複数の直線が連続して形成される多角形形状の一部、及び、それらの組み合わせ形状も、上述した円弧状に含める。
【0018】
図示する第1の凹溝22と、第2の凹溝23とは、支持基体20において、支持基体20の軸方向の両端に、間隔D24を隔てて互いに対向するリング形状に設けられており、且、一対の構造となっている。但し、紙送りローラ用支持体は、支持基体20において、図示する第1乃び第2の凹溝22、23以外にも、複数の凹溝を備えることができる。
【0019】
図示する凸部24は、複数であって、凹溝22−23の間において、支持基体20の外周面に沿い、径方向に突出して形成されている。より詳細に説明すると、凸部24は端縁241を有し、端縁241は支持基体20の径方向に突出するとともに、周方向に連続するリング状に形成されている。図示する凸部24の端縁241は平面状に形成されているが、好ましい例示に過ぎない。端縁241は、曲面形状、凹凸形状に形成することもできる。
【0020】
図1乃至図4に示す紙送りローラ用支持体は、第1乃び第2の凹溝22、23の内部にスリット26を3つ含む。3つのスリット26は、空気逃げ孔となるものであって、好ましくは、円周上に等間隔に配置される。スリット26は、支持基体20の外周に開口し、且、第1乃び第2の凹溝22、23の内部を軸方向に横切って伸びている。
【0021】
さらに、紙送りローラ用支持体は、貫通孔25を含む。貫通孔25は、支持基体20の軸心上を貫通している。貫通孔25は、当該技術分野において周知の構成部分であって、紙送りローラ用支持体が紙送り装置に用いられる場合に、外部の駆動装置と結合するための好ましい構造に過ぎない。
【0022】
2.紙送り装置
上述した紙送りローラ用支持体は、紙送りローラと組み合わされて、紙送り装置を構成する。図5は本発明に係る紙送り装置の正面図、図6は図5の6−6線に沿った断面図である。
【0023】
図5及び図6に示す紙送り装置は、紙送りローラ1と、紙送りローラ用支持体2とを含む。紙送りローラ用支持体2は、図1乃至図4に記載されたものでなる。従って、図1乃至図4に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付し、重複説明を省略する。
【0024】
紙送りローラ1について、図7は図5乃び図6に示した紙送り装置に含まれる紙送りローラの平面図である。図8は図7の8−8線に沿った断面図である。紙送りローラは、周知のものを用いることができる。
【0025】
図7及び図8を参照すると、紙送りローラは、貫通孔15と、ローラ基体10とを含む。貫通孔15は、ローラ基体10の軸心上を貫通し、空洞16に連なる。貫通孔15は、内径寸法D15を有する。D11は、紙送りローラの外径寸法を示す。貫通孔15の内径寸法D15は、一般に、紙送りローラの外径寸法D11の1/2程度である。
【0026】
ローラ基体10は、内部に空洞16を有する筒状連続体であって、好ましくは弾力性を有する部材により構成されている。弾力性を有する部材には、天然ゴム、合成ゴム、低硬度ゴムや、軟質プラスチック等の樹脂材料が用いられる。
【0027】
図示するローラ基体10は、紙接触部11と、第1の支持片12と、第2の支持片13と、凸部24とを含む。紙接触部11は、紙接触面となる円筒状の外周面を構成し、紙送りに適当な摩擦力を得るためのトレッドパターンが形成されている。
【0028】
第1及び第2の支持片12、13は、紙接触部11の軸方向の両側に設けられている。図8を参照すると、第1及び第2の支持片12、13は、紙接触部11の両端において、間隔D14を隔てて、互いに対向するように設けられる。
【0029】
第1及び第2の支持片12、13は、貫通孔15を取り囲む端縁を有している。図示する第1及び第2の支持片12、13の端縁は、断面円弧状の膨張部であって、紙接触部11の軸方向の両側に開口する貫通孔15において、その内周に渡って、径方向に連続するリング状に設けられている。第1の支持片12の端縁は、断面円弧状の最大肉厚径寸法D12を有する。第2の支持片13の端縁は、断面円弧状の最大肉厚径寸法D13を有する。最大肉厚径寸法D12、13は、図1乃至図4に示した第1及び第2の凹溝22、23とそれぞれ嵌合し、これに保持されることが可能な範囲で設定される。
【0030】
第1及び第2の支持片12、13は、第1乃び第2の凹溝22、23に嵌合される対応関係にある。従って、第1及び第2の支持片12、13の断面円弧状にも、楕円形形状の一部や、複数の直線が連続して形成される多角形形状の一部、及び、それらの組み合わせ形状が含まれる。
【0031】
第1及び第2の支持片12、13の間隔D14は、嵌合される凹溝の間隔D24対応して決定される設計的事項である。また、紙送りローラの貫通孔15の内径寸法D15は、凹溝の径寸法D21との対応関係により決定される設計的事項である。
【0032】
図5及び図6に示す紙送り装置は、図1乃至図4に示す紙送りローラ用支持体と、図7乃び図8に示す紙送りローラとを含み、それらが相互に組み合わされている。
【0033】
図5及び図6を参照すると、紙送りローラ用支持体2は、第1の凹溝22に、第1の支持片12の端縁が密着して嵌め込まれるように組み合わされ、第2の凹溝23に、第2の支持片13の端縁が密着して嵌め込まれている。
【0034】
ここで、第1乃び第2の凹溝22、23の内径寸法D22、23(図2参照)は、好ましくは、第1及び第2の支持片12、13の最大肉厚径寸法D12、D13(図8参照)以下に設定されている。即ち、両者の好ましい嵌合関係として、雌型となる第1乃び第2の凹溝22、23の内径寸法D22、23は、雄型となる第1及び第2の支持片12、13の最大肉厚径寸法D12、13以下に設定されている。
【0035】
また、第1乃び第2の凹溝22、23それぞれの径寸法D21(図4参照)は、貫通孔15の内径寸法D15(図8参照)との対比で決定される。径寸法D21は、好ましくは、貫通孔15それぞれの内径寸法D15以上に設定されている。
【0036】
さらに、紙送りローラ1と、紙送りローラ用支持体2とは、凸部24の端縁241が、ローラ基体10の内周面と、間隔D53を隔てて相対向するように組み合わされている(図6参照)。間隔D53は、第1及び第2の支持片12、13の長さ寸法と、凸部24の長さ寸法との設定により決定される設計的事項である。
【0037】
上述した組み合わせにより形成される紙送り装置は、紙送りローラ1と、紙送りローラ用支持体2との間に、内部空間となる空洞16を有する。紙送りローラ用支持体2のスリット26は、空洞16の内部から外部に連通する通気路である。
【0038】
図9は図5及び図6に示した紙送り装置の動作を説明する図、図10は図9の10−10線に沿った断面図である。図9及び図10に示す紙送り装置は、作業台4に載置された状態の用紙3を紙送り対象としている。これらは説明の便宜上簡略化した例示に過ぎないうえ、当該技術分野において、周知の構成部分であるから、詳細は省略する。
【0039】
図9及び図10を参照すると、紙送り装置は、回転軸6を有する。紙送りローラ用支持体2は、予め貫通孔15を通して紙送りローラ1の内部に案内されており、且、貫通孔25には回転軸6が挿入されている。回転軸6は、駆動装置(図示しない)に接続されており、軸aを中心に矢印Rで示す方向に回転する。矢印Mは、用紙3の紙送り方向を示す。
【0040】
D51は、紙送り装置の空洞16の内部空間距離の最大値を示す。空間距離D51の部分においては、紙接触面11、第1及び第2の支持片12、13には何らの押し圧力も加えられていないから、紙送りローラ1は、ローラ基体10が有する弾力性により、安定した姿勢で紙送りローラ用支持体2に配置されている。そして、空間距離D51は、第1及び第2の支持片12、13と、凸部24の長さ寸法の相違により、凸部24の端縁241と、ローラ基体10との間に間隔D53を含む。
【0041】
これに対し、D52は、空洞16の内部空間距離の最小値を示す。空間距離D52の部分において、紙送りローラ1には、紙接触部11が用紙3に接触し、かつ、回転による摩擦が加えられている。その結果、紙送りローラ1は、用紙3及び作業台4から押し圧力を受けて変形し、空洞16の内部にある空気が圧縮され、スリット26を通して外部に放出される。空洞16の内部の空気が外部に放出されることにより、空洞16の空気圧が低下し、さらに紙送りローラ1の弾力性に従って変形を続け、用紙3に対する紙接触部11の接触面積がより広くなる一方、間隔D53が消失し、凸部24の端縁241が、ローラ基体10の内周面に接触し、これを支持する。
【0042】
そして、紙送り装置は、矢印Rで示す回転方向に回転し続けることにより、用紙3は、矢印Mで示す方向に送られる。紙送りローラ1の紙接触面11が用紙3との接触面から離れると、紙送りローラ1には、その弾力性から復元力が加わる。紙送りローラ1が空間距離D51を有する形状に復元する場合、スリット26から空気が吸い込まれるから、容易に元の形状に復元する。
【0043】
上述した紙送り装置において、紙送りローラ1は、ローラ基体10が弾力性を有する部材で構成されており、且、紙送りローラ用支持体2はスリット26を含むから、紙接触部11に用紙3からの押し圧力が加えられると、空洞16の内部の空気がスリット26から排出され、紙接触部11が深くつぶれて変形する。
【0044】
上述した紙接触部11の変形において、紙送りローラ1の両端部付近は、第1及び第2の支持片12、13と、第1及び第2の凹溝22、23との嵌合により支持されているから、紙接触部11が用紙3に圧接する。これに対し、紙送りローラ1の中央部は、第1及び第2の支持片12、13と、第1及び第2の凹溝22、23との嵌合により支持されていないから、隣接する第1及び第2の支持片12、13からの押し圧力が中央部に集中し、紙接触部11が用紙3に対して凹状に湾曲する力が働く。凸部24は、支持基体20の外周面に沿って、径方向に突出し、周方向に連続するリング状に設けられており、端縁241が間隔D53を隔てて空洞16の内周面と相対向して、紙送りローラ1と組み合わされている。上述した構造によると、紙接触部11の変形は、間隔D53の範囲内で行われ、間隔D53を超えて湾曲変形が生じた場合に、凸部24の端縁241が空洞16の内周面に接触し、紙接触部11の紙接触姿勢を内周面側から支持する。従って、紙接触部11は、軸方向の全長に渡って用紙3に接触し、紙送り姿勢を一定に保つことができる。
【0045】
また、凸部24は、支持基体20の外周面において、径方向に突出し、且、周方向に連続するリング状に設けられているから、回転駆動する紙送りローラ1において、随時紙接触面の変形を制御し、紙接触部11の紙接触面全周に渡って均一な接触姿勢を確保する。従って、紙送りローラ1の全周部分において紙送りを正確に行うことができる。
【0046】
間隔D53は、第1及び第2の支持片12、13と、凸部24の長さ寸法の相違により形成されるから、適宜距離を設定することで、紙送りローラ1が、用紙3の厚みに対応してつぶれる距離を調整することができる。このため、用紙3の厚さを問わずに紙送りを行うことができる。
【0047】
第1及び第2の支持片12、13の端縁は雄型の断面円弧形状を有し、第1乃び第2の凹溝22、23は雌型の断面円弧形状を有する。さらに、第1乃び第2の凹溝22、23の内径寸法D22、23は、好ましくは、第1及び第2の支持片12、13の最大肉厚径寸法D12、D13以下に設定されている。上述した構造によると、第1乃び第2の凹溝22、23のそれぞれに、第1及び第2の支持片12、13の端縁のそれぞれを嵌め込んだ場合、両者間に面積が拡大された接触面が形成される。また、第1及び第2の支持片12、13の端縁は、第1乃び第2の凹溝22、23の内部接触面に対し、圧縮された状態で弾性的に密着する。従って、紙送りローラ1と、紙送りローラ用支持体2とが、良好に結合され、紙送りローラ1の回転軸方向への位置ずれ防止とともに、回転方向への滑りを阻止し得ることにより、紙送りを正確に行うことができる。
【0048】
さらに、貫通孔15の内径寸法D15は、好ましくは、第1乃び第2の凹溝22、23の径寸法D21以上に設定されている。その結果、紙送りローラ1と、紙送りローラ用支持体2とが組み合わされた場合、第1乃び第2の凹溝22、23それぞれには、貫通孔15が、その弾力性により径方向に圧接する。従って、紙送りローラ1と、紙送りローラ用支持体2とが、良好に結合され、紙送りローラの回転軸方向への位置ずれ防止とともに、回転方向への滑りを阻止し得る。
【0049】
貫通孔25は、紙送りローラ用支持体2の軸心上に設けられる。従って、紙送り装置に用いられた場合に、駆動する回転軸6等を紙送りローラ用支持体2の内部に案内することができる。
【0050】
また、紙送りローラ1の空洞16の内部の空気をスリット26から換気できるから、空洞16は密閉されていない。従って、用紙3との接触時、または、非接触時を問わず、空洞16から紙送りローラ1のそれぞれにかかる空気圧は適当に保たれ、長時間使用による紙送りローラの劣化を最小限に抑えることができる。
【0051】
3.その他の実施例
図11は本発明に係る送りローラ用支持体について、別の実施例を示す平面図、図12は図11とはさらに別の実施例を示す平面図、図13は図12とはさらに別の実施例を示す平面図、図14は図13とはさらに別の実施例を示す平面図である。
【0052】
上述したように、本発明は、紙送りローラ用支持体2の凸部24が、紙接触面11の湾曲変形を内周面側から支持し、紙接触部11が、その軸方向の全長に渡って安定して用紙3に圧接する構造により、用紙の紙送り姿勢を一定に保つ点に特徴がある。従って、上述した効果が得られれば、凸部24の形状は、図1乃至図4に示すように、第1及び第2の凹溝22、23と平行するように形成されている必要はない。
【0053】
例えば、凸部24は、図11で示すような斜線状、図12で示すような波線状、又は、図13で示すような螺旋状に設けることもできる。
【0054】
さらに、図14で示すように、凸部24は、端縁241が、支持基体20の外周面において、径方向に突出するとともに、周方向に断続して延びるように設けてもよい。
【0055】
凸部24の数量及び寸法は、図示するところに限定されない。例えば、用紙の紙送り姿勢を確実に保つため、紙送りローラ1に対する内周面からの支持面積を広く設定する場合には、凸部24を増設することも可能であるし、軸方向に広い接触面積を有する凸部24を一つだけ設けることも可能である。
【0056】
図15は図1乃至図14とは別の紙送りローラ用支持体の実施例を示す平面図、図16は図15の16−16線に沿った断面図である。
【0057】
上述したように、紙送り装置において、紙送りローラ用支持体2の凸部24が、紙接触面11の湾曲変形を内周面側から支持し、紙接触部11が、その軸方向の全長に渡って安定して用紙3に圧接する構造により、用紙の紙送り姿勢を一定に保つことが可能であれば、凸部24は、図1乃至図14に示すように、支持基体20に一体的に構成されている必要はない。
【0058】
図15乃至図16に示す紙送りローラ用支持体において、凸部24は支持基体20とは、別個の部材からなる平面O−リング状の環状パッキンである。図示する支持基体20は、その外周面に脚部溝240を有し、凸部24は、脚部溝240に嵌合され、設置される。凸部24が無端状の環状パッキンである場合、好ましくは弾性部材で構成され、支持基体20を圧縮して設置される。上述した構造によると、紙送りローラ用支持体は、必要に応じて凸部24の設置数及び設置場所を変更することができる。
【0059】
さらに、凸部24は、図示とは異なり、結合端部と可動部とを有するような開閉機構を有する環状部材でも良い。この構造によると、紙送りローラ用支持体が、既に紙送り装置に使用されているとしても、容易に凸部24を着脱することができる。
【0060】
図17は、本発明に係る紙送り装置の別の実施例を示す断面図である。図1乃至図16に示した紙送り装置の作用効果は、図17に示すような紙送りローラ1を用いた場合に顕著になる。
【0061】
一般に、紙送り装置において、紙送りローラ1は、同一回転軸6上で複数用いられるか、紙接触部11が軸方向に長く設置されたものが用いられる。紙接触部11が軸方向に長く設置されている紙送りローラ1を用いる場合、紙送りローラ用支持体2が凸部24を有しない従来の紙送り装置によると、紙接触部11の中央部分が用紙3からの押し圧力により容易に凹状変形してしまう結果、紙接触部11の用紙3に対する接触姿勢にばらつきが生じていた。
【0062】
これに対し、図17に示した紙送り装置によると、紙送りローラ1の中央部分においても凸部24が紙接触部11を内周面側から支持しているから、紙接触部11は、用紙3に対して均一に接触することができる。従って、紙接触部11が軸方向に長く設置された紙送り装置においても、用紙の紙送り姿勢を一定に保つことができる。
【0063】
この点、図15乃至図16に示したように、紙送りローラ用支持体2が、別部材からなる凸部24を有する構造によると、様々な長さ寸法、又は、径寸法を有する紙送りローラ用支持体2に、容易に凸部24を設けることができる。
【0064】
図示する紙送りローラ用支持体2は、脚部溝240を複数有しているから、紙送りローラ1の弾力性や、使用態様等に合わせて適宜凸部24を、適当数量及び適当な配置で追加することができる。従って、紙送りローラ用支持体、及び、紙送り装置は、設備が大規模化した場合にも、容易に、且、迅速に用紙の紙送り姿勢を一定に保つことができる。
【0065】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。
【0066】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、用紙の紙送り姿勢を一定に保つことができる紙送りローラ用支持体、及び、紙送り装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紙送りローラ用支持体の斜視図である。
【図2】図1に示した紙送りローラ用支持体の平面図である。
【図3】図2の3−3線に沿った断面図である。
【図4】図1乃至図3に示した紙送りローラの左側面図である。
【図5】本発明に係る紙送り装置の正面図である。
【図6】図5の6−6線に沿った断面図である。
【図7】図5乃び図6に示した紙送り装置に含まれる紙送りローラの平面図である。
【図8】図7の8−8線に沿った断面図である。
【図9】図5及び図6に示した紙送り装置の動作を説明する図である。
【図10】図9の10−10線に沿った断面図である。
【図11】本発明にかかる送りローラ用支持体について、別の実施例を示す平面図である。
【図12】図11とはさらに別の実施例を示す平面図である。
【図13】図12とはさらに別の実施例を示す平面図である。
【図14】図13とはさらに別の実施例を示す平面図である。
【図15】図1乃至図14とは別の紙送りローラ用支持体の実施例を示す平面図である。
【図16】図15の16−16線に沿った断面図である。
【図17】本発明に係る紙送り装置の別の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 紙送りローラ
10 ローラ基体
11 紙接触部
12 第1の支持片
13 第2の支持片
16 空洞
2 紙送りローラ用支持体
20 支持基体
22 第1の凹溝
23 第2の凹溝
24 脚部
D53 凸部と内周面との間隔
Claims (5)
- 支持基体と、凸部とを含む紙送りローラ用支持体であって、
前記支持基体は、少なくとも軸方向の両端に、間隔を隔てて対向するリング状の凹溝を有しており、
前記凸部は、前記凹溝間において、前記支持基体の外周面に沿って、径方向に突出して設けられている
紙送りローラ用支持体。 - 請求項1に記載された紙送りローラ用支持体であって、
前記凸部は、周方向に連続している紙送りローラ用支持体。 - 請求項1に記載された紙送りローラ用支持体であって、
前記凸部は、周方向に断続している紙送りローラ用支持体。 - 請求項1乃至3の何れかに記載された紙送りローラ用支持体であって、
前記凸部は、環状部材を、前記支持基体の外周面に嵌合して形成されている
紙送りローラ用支持体。 - 紙送りローラ用支持体と、紙送りローラとを含む紙送り装置であって、
前記紙送りローラ用支持体は、請求項1乃至4の何れかに記載されたものでなり、
前記紙送りローラは、内部に空洞を有する筒状連続体であって、紙接触部と、支持片とを含み、
前記紙接触部は、紙接触面となる円筒状の外周面を構成し、
前記支持片は、前記紙接触部の軸方向の両側に設けられており、
前記紙送りローラ用支持体は、前記凹溝のそれぞれに、前記支持片のそれぞれが嵌め込まれ、且、前記凸部が間隔を隔てて前記ローラ基体の内周面と相対向して、前記紙送りローラと組み合わされている
紙送り装置。
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- 2003-04-30 JP JP2003125113A patent/JP2004331234A/ja active Pending
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