JP2004329095A - 水中油型乳化物の製造方法 - Google Patents

水中油型乳化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】端切りをしなくてもシェア不足品が発生し難く、乳化物の転相や解乳化が生じ難い水中油型乳化物の製造方法を提供すること。
【解決手段】予備乳化槽に貯留された予備乳化物を移送ポンプによりコロイドミルへ移送し、移送された該予備乳化物を該コロイドミルで精乳化して水中油型乳化物とし、該水中油型乳化物を該コロイドミルにより中継槽に移送する水中油型乳化物の製造方法において、前記移送ポンプ及び前記コロイドミルを同時に起動し、それらの起動開始(t=0)から定常状態(t=T)に到達する迄の全時間に亘って、前記移送ポンプによる前記予備乳化物の単位時間あたりの移送量〔y(t)〕と、前記コロイドミルによる前記水中油型乳化物の単位時間あたりの移送量〔y(t)〕とを一致させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マヨネーズ等の水中油型乳化物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
マヨネーズの製造方法については、例えば、「ジャパンフードサイエンス」1982年5月号75〜82頁(非特許文献1)に記載されている。
マヨネーズの一製造方法を工程順に説明する。先ず、卵、酢、油等のマヨネーズの原料を予備乳化槽で予備乳化して予備乳化物を得る。次に、油滴を微細化・均一化して、粘度を高め乳化状態を安定化させるために、予備乳化物をコロイドミルで精乳化し、マヨネーズ中間品(包装前のマヨネーズ)を得る。そして、得られたマヨネーズ中間品を、一旦中継槽に貯留する。更に、中継槽に貯留されたマヨネーズ中間品を、包装工程等の後工程に送る。
【0003】
前記製造方法で用いられる従来のマヨネーズの製造装置の一形態について更に説明する。
従来のマヨネーズの製造装置は、図3に示すように、卵、酢、油等のマヨネーズの原料を予備乳化する予備乳化槽1a・1bと、該予備乳化槽1a・1bで予備乳化された予備乳化物Aを精乳化するコロイドミル2と、予備乳化槽1とコロイドミル2とを導通する第1移送管5と、予備乳化槽1a・1bに貯留されている予備乳化物Aを第1移送管5を介してコロイドミル2に向けて移送する移送力を発生する移送ポンプ3と、コロイドミル2で精乳化されて得られたマヨネーズ中間品Bを後工程(包装工程等)に投入する前に一旦貯留する中継槽4と、コロイドミル2と中継槽4とを導通する第2移送管6とを具備している。
【0004】
コロイドミル2は、精乳化して得られたマヨネーズ中間品Bを第2移送管6を介して中継槽4に向けて移送する移送力を発生するようにもなっている。また、コロイドミル2は、最大処理能力の範囲内であれば、単位時間あたりの流量と単位時間あたりの精乳化量とが一致している。また、最大処理能力の範囲を超える速さで予備乳化物Aが導入された場合は、精乳化が不充分な状態のマヨネーズ中間品が排出される。
【0005】
予備乳化槽1aと1bとは、弁7a・7bにより切り換え可能となっている。予備乳化槽が2槽(1a、1b)設けられているのは、一方の槽を使用中に、他方の槽で予備乳化作業を行い、製造工程の時間を短縮するためである。ただし、それらの切り換えの際には、製造ラインを一旦停止する必要がある。
【0006】
従来のマヨネーズの製造装置における移送ポンプ3及びコロイドミル2の処理能力及び制御方法について説明する。図4に示すグラフにおいては、横軸は、移送ポンプ3及びコロイドミル2の起動開始からの時刻t(秒)を示し、縦軸は、移送ポンプ3及びコロイドミル2の単位時間あたりの流量(移送量)(l/min)を示す。y(t)’は、移送ポンプ3の単位時間あたりの流量(移送量)の変化を示し、y(t)’は、コロイドミル2の単位時間あたりの流量(移送量)の変化を示す。時刻Tは、定常状態(移送ポンプの単位時間あたりの流量とコロイドミルの単位時間あたりの流量とが等しくなった状態)になった時刻を示す。これらの説明は、後述の図1及び図5に示すグラフにも適用される。
【0007】
図4のグラフに示されているように、従来の製造装置においては、コロイドミル2〔y(t)’〕の方が移送ポンプ3〔y(t)’〕よりも、単位時間あたりの流量が一定になる迄の時間(立ち上がり時間)が大幅に長い。
【0008】
従来の製造方法においては、予備乳化槽1a・1bの切り換え後から定常状態になる迄の間において、移送ポンプ3による移送量がコロイドミル2による移送量よりも大きくなるため、仮に特段の手段を講じないとすると、予備乳化物Aがコロイドミル2にその処理能力以上で導入される。その場合、予備乳化物Aが充分に精乳化されない状態でコロイドミル2から排出されることになる。充分に精乳化されていないマヨネーズ中間品は、粘度(シェア)が低く乳化状態が安定していないもので、剪断力が十分与えられないことから、シェア不足品と呼ばれる。
【0009】
シェア不足品が中継層4に混入すると、中継槽4に貯留してあるマヨネーズ中間品B全体の廃棄が必要となるため、これを防止すべく従来の製造方法においては、立ち上がり時間においてコロイドミル2から排出されるシェア不足品を、中継槽4に移送される前に第2移送管6から製造ライン外に排出している(この作業を「端切り」いう)。尚、端切りされたマヨネーズ中間品は、再び予備乳化槽1a・1bに戻され、再使用されている。
【0010】
しかし、端切りを人手で行うと手間が掛かる上に衛生上も好ましくない。また、端切り工程を自動化した場合は、製造ラインが複雑となりコストアップの要因となる。
【0011】
一方、本発明者は、端切りを省略するための技術として、図5のグラフに示すように、先にコロイドミル2を起動し(t=0)、遅れて移送ポンプ3を起動させる(t=T)製造方法を想到した。移送ポンプ3の処理能力の方がコロイドミル2の処理能力を上回っているとシェア不足品が発生し、図5における右下がりのハッチング線が付された領域が大きいほどシェア不足品の発生量が多いことを示すが、図5に示す製造方法によれば、シェア不足品の発生量が、図4に示す製造方法に比して大幅に少なく(図4における右下がりのハッチング線が付された領域参照)、実生産上問題のない程度まで少なくなっているため、端切り工程を不要とすることができる。
【0012】
しかし、図5に示す製造方法では、端切り工程をなくすことができるが、図4に示す従来の製造方法では発生しない別の問題が発生する。
即ち、図5において、コロイドミル2の処理能力の方が移送ポンプ3の処理能力を上回っているとき(時刻0秒〜T秒の間)は、コロイドミル2による移送力の方が移送ポンプ3による移送力により大きいため、コロイドミル2・移送ポンプ3間の第1移送管5において負圧(移送方向とは反対方向に向かう圧力)が生じ、予備乳化物Aがコロイドミル2からスムーズに排出されなくなる。その結果、予備乳化物Aがコロイドミル2において過剰に剪断されることとなり、コロイドミル2から排出されるマヨネーズ中間品に、転相や解乳化が発生し易くなる。
【0013】
転相や解乳化が発生したマヨネーズ中間品が生じると、生産を止め、移送管のの清掃が必要となり、中継槽に貯留されているマヨネーズ中間品をすべて廃棄する必要があるため、種々の面で損失が発生する、万が一、転相や解乳化に気が付かない場合には、不良品が市場に出るため、更に損害が甚大なものとなる。
【0014】
従って、本発明の目的は、端切りをしなくてもシェア不足品が発生し難く、乳化物の転相や解乳化が生じ難い水中油型乳化物の製造方法を提供することにある。
【0015】
【非特許文献1】
野田治郎,「連載 加工食品の包装資材と包装技術 20」,「ジャパンフードサイエンス」1982年5月号,日本食品出版株式会社,p.75−82
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく種々検討を重ねた結果、移送ポンプ及びコロイドミルの起動開始から定常状態に到達する迄の全時間に亘って、移送ポンプによる予備乳化物の単位時間あたりの移送量と、コロイドミルによる水中油型乳化物の単位時間あたりの移送量とを一致させることにより、精乳化が充分に行われると同時に、転相や解乳化が発生し難くなり、効率的に水中油型乳化物を得られることを知見した。
【0017】
本発明は、前記知見に基づいてなされたもので、予備乳化槽に貯留された予備乳化物を移送ポンプによりコロイドミルへ移送し、移送された該予備乳化物を該コロイドミルで精乳化して水中油型乳化物とし、該水中油型乳化物を該コロイドミルにより中継槽に移送する水中油型乳化物の製造方法において、前記移送ポンプ及び前記コロイドミルを同時に起動し、それらの起動開始から定常状態に到達する迄の全時間に亘って、前記移送ポンプによる前記予備乳化物の単位時間あたりの移送量と、前記コロイドミルによる前記水中油型乳化物の単位時間あたりの移送量とを一致させる水中油型乳化物の製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の水中油型乳化物の製造方法の好ましい一実施態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、本発明の水中油型乳化物の製造方法の一実施態様に好ましく用いられる水中油型乳化物の製造装置について説明する。
【0019】
本製造装置は、図1に示すように、卵、酢、油等のマヨネーズの原料を予備乳化する予備乳化槽1a・1bと、該予備乳化槽1a・1bで予備乳化された予備乳化物Aを精乳化するコロイドミル2と、予備乳化槽1とコロイドミル2とを導通する第1移送管5と、予備乳化槽1a・1bに貯留されている予備乳化物Aを第1移送管5を介してコロイドミル2に向けて移送する移送力を発生する移送ポンプ3と、コロイドミル2で精乳化されて得られたマヨネーズ中間品Bを後工程(包装工程等)に投入する前に一旦貯留する中継槽4と、コロイドミル2と中継槽4とを導通する第2移送管6と、を具備している。
【0020】
コロイドミル2は、精乳化して得られたマヨネーズ中間品Bを第2移送管6を介して中継槽4に向けて移送する移送力を発生するようにもなっている。また、予備乳化槽1aと1bとは、弁7a・7bにより切り換え可能となっている。
本製造装置は、図3に示す従来の製造装置とは全体構成が同様であるが、主として、移送ポンプ及びコロイドミルの処理能力及びそれらの制御方法の点で異なっている。
【0021】
本実施態様の水中油型乳化物の製造方法は、例えば前記製造装置を用いて実施されるもので、図1に示すように、予備乳化槽1a、1bに貯留された予備乳化物Aを移送ポンプ3によりコロイドミル2へ移送し、移送された該予備乳化物Aを該コロイドミル2で精乳化して水中油型乳化物(マヨネーズ中間物B)とし、該水中油型乳化物を該コロイドミル2により中継槽4に移送するものである。かかる構成は、前述した従来の製造方法と同様である。
【0022】
而して、本実施態様の水中油型乳化物の製造方法においては、図2のグラフに示すように、前記移送ポンプ3及び前記コロイドミル2を同時に起動し、それらの起動開始(t=0)から定常状態(t=T)に到達する迄の全時間に亘って、前記移送ポンプ3による前記予備乳化物Aの単位時間あたりの移送量と、前記コロイドミル2による前記水中油型乳化物Bの単位時間あたりの移送量とを一致させている。斯る移送量の一致は、移送ポンプやコロイドミルを駆動するインダクションモータを制御するインバータやサーボモータのコントローラのパラメータを変更し、モータの立ち上がり時間を調整するなど、制御系の設計により行われる。
【0023】
本発明の水中油型乳化物の製造方法において、「移送ポンプ及びコロイドミルを同時に起動し」とは、両者を実質的に同時に起動することをいい、具体的には、両者の起動時刻の差を1秒以内とすることをいう。
【0024】
本発明の水中油型乳化物の製造方法において、「移送ポンプによる予備乳化物の単位時間あたりの移送量と、コロイドミルによる水中油型乳化物の単位時間あたりの移送量とを一致させる」とは、両「単位時間あたりの移送量」を実質的に一致させることいい、具体的には、両「単位時間あたりの移送量」の差を10%以内とすることをいう。
【0025】
次に、シェア(粘度)が不足しているマヨネーズ中間品(シェア不足品)の見積り方法について説明する。
移送ポンプ3及びコロイドミル2の処理能力(移送力)がこれらの駆動源となるモーターの回転数に比例するので、前記コロイドミル2の起動開始(t=0)から定常状態(t=T)に到達する迄の時間(立ち上がり時間)におけるシェア不足品の量V(l:リットル)は、下記〔数1〕式で表すことができる。
【0026】
【数1】
Figure 2004329095
【0027】
前記〔数1〕式において、y(t)は、移送ポンプ3の単位時間あたりの移送量(l/min)の変化を示し、y(t)は、コロイドミル2の単位時間あたりの移送量(l/min)の変化を示す。時刻Tは、定常状態に到達する時刻を示し、y(∞)は、定常状態におけるコロイドミル2の単位時間あたりの移送量(l/min)を示す。
【0028】
また、前記〔数1〕式において、第1項〔αy(t)〕は、端切りに関する項であり、この値が大きいと、シェア不足品ができていることになる。また、第2項〔β(y(t)−y(t))〕は、その正負により、影響する項目が異なる。第2項が正となるときは、シェアが不足していることを表し、シェア不足のマヨネーズ中間品ができる。また、第2項が負となるときは移送管内で負圧が発生し、そのためマヨネーズ中間品に転相が起こり易いことを表す。
【0029】
前記コロイドミル2の起動開始から定常状態に到達する迄の時間(立ち上がり時間)は、好ましくは1〜5秒、更に好ましくは2〜3秒である。前記立ち上がり時間が5秒超であると、シェア不足品が多量に発生するため、好ましくない。また、該立ち上がり時間が1秒未満であると、出力の大きなモーターを必要とし、設備が大掛かりとなるため、好ましくない。本実施態様においては、立ち上がり時間を2〜3秒としている。斯る立ち上がり時間の調整は、モータの種類やモータの容量など製造装置の各構成要素を適宜選定することによって行われる他、移送ポンプやコロイドミルを駆動するインダクションモータを制御するインバータやサーボモータのコントローラのパラメータ変更など制御系の設計によっても行われる。
【0030】
また、一般に、マヨネーズ類の水中油型乳化物においては、予備乳化物の粘度は90〜130Pa・sであり、予備乳化物を精乳化して得られる水中油型乳化物の粘度は160〜230Pa・sで、水中油型乳化物の粘度が、精乳化前の該予備乳化物の粘度より50〜100Pa・s大きくなるように、該予備乳化物に剪断力を与えて精乳化しており、特に起動立ち上げ時においてシェア不足品が発生しやすいため、これを防止すべく、水中油型乳化物の製造に、本発明の水中油型乳化物の製造方法を適用することが特に好ましい。
本実施態様においては、水中油型乳化物Bの粘度が、精乳化前の予備乳化物Aの粘度より50Pa・s以上大きくなるように、該予備乳化物Aに剪断力を与えて精乳化している。
尚、前記粘度の測定方法は、B型粘度計〔東京計器(株)〕を用い、ローター:No.6、回転数:2rpmの条件で、試料を採取後直ぐに測定するものである。ここでは、ローター2回転目の数値を測定する。
【0031】
特に、肥満防止効果、体重抑制効果などの効果を得るために、水中油型乳化物の油としてジグリセリドを20重量%以上含有する油脂類を使用するのが好ましい。しかし、一般にジグリセリドは油中水型乳化物を形成しやすいため、ジグリセリド含有の水中油型乳化物を製造する際には、水中油型乳化物から油中水型乳化物への転相に留意して製造する必要があり、斯る観点から、ジグリセリド含有の水中油型乳化物の製造に、本発明の水中油型乳化物の製造方法を適用することが特に好ましい。
【0032】
本実施態様の水中油型乳化物の製造方法においては、図2のグラフに示すように、移送ポンプ3とコロイドミル2を同時に起動し、移送ポンプ3による予備乳化物Aの単位時間あたりの移送量と、コロイドミル2による水中油型乳化物Bの単位時間あたりの移送量とを一致させているため、立ち上がり時間において、移送ポンプ3からコロイドミル2に向けて予備乳化品Aが過剰に導入されることがなく、コロイドミル2において予備乳化品Aが充分に精乳化される。そのため、端切りをしなくてもシェア不足品が発生し難い。また、コロイドミル2の処理能力が移送ポンプ3の処理能力を実質的に上回ることがないため、コロイドミル2・移送ポンプ3間の第1移送管5において負圧が発生せず、コロイドミル2で予備乳化品Aが過剰に剪断されることがない。そのため、転相や解乳化が発生し難い。
【0033】
また、移送ポンプ3とコロイドミル2を同時に起動し、移送ポンプ3による予備乳化物Aの単位時間あたりの移送量と、コロイドミル2による水中油型乳化物Bの単位時間あたりの移送量とを一致させると、商業上問題のない程度までシェア不足品の発生を抑止できるが、定常状態に達する迄は若干のシェア不足品が発生する。而して、本実施態様においては、コロイドミル2の起動開始から定常状態に到達する迄の時間(立ち上がり時間)を2〜3秒としており、該立ち上がり時間を極めて短くしているため、中継槽に貯留されるマヨネーズ中間品全体に対するシェア不足品の割合を極めて少なくできる。
【0034】
以上、本発明の好ましい一実施態様について説明したが、本発明の水中油型乳化物の製造方法は、前述した実施態様に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更が可能である。
本発明の製造方法により製造される水中油型乳化物としては、例えば日本農林規格(JAS)で定義されるドレッシング、半固体状ドレッシング、乳化液状ドレッシング、サラダドレッシング、フレンチドレッシング等が挙げられるが、本発明の製造方法は、特にこれらに限定されるものではなく、広くマヨネーズ類、ドレッシング類と言われる水中油型乳化物の製造に用いることができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の水中油型乳化物の製造方法によれば、端切りをしなくてもシェア不足品が発生し難く、乳化物の転相や解乳化が生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の水中油型乳化物の製造方法の一実施態様に用いられる製造装置の概略を示す図である。
【図2】図2は、本発明の水中油型乳化物の製造方法における、移送ポンプ及びコロイドミルの処理能力及び制御方法を示すグラフである。
【図3】図3は、従来の水中油型乳化物の製造方法に用いられる製造装置の概略を示す図である。
【図4】図4は、従来の水中油型乳化物の製造方法における、移送ポンプ及びコロイドミルの処理能力及び制御方法を示すグラフである。
【図5】図5は、従来の別の水中油型乳化物の製造方法における、移送ポンプ及びコロイドミルの処理能力及び制御方法を示すグラフである。
【符号の説明】
1a、1b 予備乳化槽
2 コロイドミル
3 移送ポンプ
4 中継槽
5 第1移送管
6 第2移送管
A 予備乳化物
B 水中油型乳化物(マヨネーズ中間品)

Claims (4)

  1. 予備乳化槽に貯留された予備乳化物を移送ポンプによりコロイドミルへ移送し、移送された該予備乳化物を該コロイドミルで精乳化して水中油型乳化物とし、該水中油型乳化物を該コロイドミルにより中継槽に移送する水中油型乳化物の製造方法において、
    前記移送ポンプ及び前記コロイドミルを同時に起動し、それらの起動開始から定常状態に到達する迄の全時間に亘って、前記移送ポンプによる前記予備乳化物の単位時間あたりの移送量と、前記コロイドミルによる前記水中油型乳化物の単位時間あたりの移送量とを一致させる水中油型乳化物の製造方法。
  2. 前記コロイドミルの起動開始から定常状態に到達する迄の時間が1〜5秒である請求項1記載の水中油型乳化物の製造方法。
  3. 前記水中油型乳化物の粘度が、精乳化前の前記予備乳化物の粘度より50Pa・s以上大きくなるように、該予備乳化物に剪断力を与えて精乳化する請求項1又は2記載の水中油型乳化物の製造法。
  4. 前記水中油型乳化物に含まれる油がジグリセリドである請求項1〜3記載の水中油型乳化物の製造方法。
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