JP2004329064A - 培土製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】割れたり崩れることがなく取扱いが容易な育苗用培土を、安価でかつ少ない作業工数で量産することができ、しかも、製造した育苗用培土の密度が全体的に均一で高品質となる培土製造装置を得る。
【解決手段】培土製造装置20は、ベルトコンベヤ22上に落下供給された原料材Gを加熱しながら圧縮成形し、更に冷却しながら圧縮成形する。ベルトコンベヤ22の直上には、集合スクリュー70、拡散スクリュー72、及び集合スクリュー73が互いに隣接して設けられており、落下供給された原料材Gをベルトコンベヤ22の表面上に均一かつ平坦に均すことができ、しかも、原料材Gの綿状塊を吸引ダクト77によって吸引除去できる。これにより、その後に圧縮成形されて成る育苗用培土は、部分的に異常に固くなったりすることが無く、全体的に均一な密度(圧縮度)のマットになる。このため、育苗のバラツキや根上がり現象が生じることが防止される。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水稲等の作物の苗を育苗するために用いられる育苗用の培土を製造するための培土製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水稲等の作物の苗を苗床によって育苗することが行われており、さらに、この苗床の床土としては一般的に土壌培土が用いられていた。ところが、このような土壌培土は、良質(均質)の床土が比較的高価で入手が困難であったり、重く運搬性等が悪かった。そこで、このような土壌培土に代わる床土(培土)が提案されている(一例として、特許文献1参照)。
【0003】
前記公報に示される培土は、植物質培土材(樹皮、パルプチップ、オガクズなどを堆肥化したバーク堆肥等)を、親水性ウレタンプレポリマーを結合剤として用いて固結させ乾燥した構成となっている。なお、結合剤としては、ポリビニルアルコールやデンプン類も用いられる場合がある。この種の培土は、樹皮やパルプチップ等の所謂産業廃棄物を培土材として有効利用することができ、またこの植物質培土材も比較的安価である。
【0004】
しかしながら、前述の如き従来の培土は、依然として以下の欠点があった。すなわち、培土材の結合(結合剤を用いた固結乾燥)に長い時間(例えば、1〜3時間程度)が掛かり、量産が困難で結果的にコスト高であった。また、完成した培土(すなわち,結合剤により固結され乾燥された培土材)は、硬質であるものの割れたり欠け易く、このため運搬中に形が崩れたりし、その取扱いが面倒で煩雑であった。また一方、実際の使用に際しては、前記従来の培土を育苗のために灌水すると、灌水前にも増して形が崩れ易くなる。このため、例えば自動田植機の苗台にセットして田植えを実施しようとしても、装置のフィンガー部分がうまく苗を掴み取ることができず、スムースな作業が困難となる場合もあった。また何より、前述の如き従来の培土では、培土材自体は比較的安価であるものの、親水性ウレタンプレポリマー等の結合剤が高価であり、結果的に全体としては依然として高価であった。
【0005】
そこで、割れたり崩れることがなく取扱いが容易な育苗用培土を、安価でかつ量産することができる培土製造装置を既に本出願人が提案している(特願平10−184893号)。
【0006】
前記提案した培土製造装置によって製造される育苗用培土は、籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合し、この攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊維を圧縮成形して得られる。この育苗用培土は、屈曲性及び保水性に富んでおり、割れたり欠け難く、運搬中に形が崩れることがなく、その取扱いも容易になる。このような育苗用培土を製造するために、前記提案した培土製造装置では、上下一対のベルトコンベヤを備えている。この培土製造装置によれば、籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合した原料材が層状となり上下一対のベルトコンベヤによって挟持されながら搬送され、この搬送の途中において圧縮成形されて所謂マット状の育苗用培土が得られる。
【0007】
このように前記培土製造装置では、上下一対のベルトコンベヤによって原材料を挟持搬送しながら圧縮成形するため、一連の作業を順次連続して自動的に実施することができ、大幅に作業効率が向上する。したがって、前述の如き育苗用培土を安価でかつ量産することができる。
【0008】
ところで、前記培土製造装置では、上下一対のベルトコンベヤの対向部位(原料材の挟持搬送部分)よりも上流側であって下側に位置するベルトコンベヤ上に、籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合した原料材を落下供給するように構成されているが、落下供給された原料材が山のように盛り上がってしまい均一かつ平坦に均すことがなかなかでき難かった。このように落下供給された原料材が均一かつ平坦にならないままで圧縮成形されると、完成した育苗用培土が全体的に均一な密度(圧縮度)のマットにならず、育苗のバラツキ(苗の根の付き具合による成長度合いの不均一)が生じてしまうため、これを防止する対策が必要であった。
【0009】
【特許文献1】
特公昭56−18165号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解消するために成されたものであり、割れたり崩れることがなく取扱いが容易な育苗用培土を、安価でかつ少ない作業工数で量産することができ、しかも、製造した育苗用培土の密度が全体的に均一で高品質となる培土製造装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の培土製造装置は、対向して配置された上下一対のベルトコンベヤを備え、前記上下一対のベルトコンベヤの対向部位よりも上流側であって下側に位置するベルトコンベヤ上に、籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合した原料材を落下供給し、前記落下供給された原料材を前記上下一対のベルトコンベヤによって挟持しながら順次搬送して圧縮成形することで育苗用の培土を製造する培土製造装置であって、前記下側に位置するベルトコンベヤに落下供給される前記原料材に対応して前記下側に位置するベルトコンベヤの幅方向に沿って配置され、前記落下供給された原料材を前記下側に位置するベルトコンベヤの幅方向に沿って強制的に移動させて均一かつ平坦に均す第1の均平スクリューコンベヤ乃至第3の均平スクリューコンベヤと、前記原料材の芯鞘型繊維が絡み合って生じる綿状塊を吸引可能な集塵手段と、を備え、前記下側に位置するベルトコンベヤによる前記原料材搬送方向に沿って、前記第1の均平スクリューコンベヤ乃至第3の均平スクリューコンベヤの順に隣接して配置すると共に、前記第3の均平スクリューコンベヤを、前記第1の均平スクリューコンベヤ及び第2の均平スクリューコンベヤに対し、所定距離上方位置に設け、かつ、前記第3の均平スクリューコンベヤの前記原料材搬送方向下流側近傍に前記集塵手段を設けた、ことを特徴としている。
【0012】
なお、第3の均平スクリューコンベヤの前記上方位置(所定距離)としては、例えば、第1の均平スクリューコンベヤ及び第2の均平スクリューコンベヤによって均平された原料材の表面から約5mm程度離間した位置に設定すると好ましい。
【0013】
ここで、請求項1記載の培土製造装置によって製造される育苗用培土は、籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合し、この攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊維を圧縮成形して得られる。この育苗用培土は、スポンジのように腰が強くて屈曲性及び保水性に富んでおり、割れたり欠け難く、運搬中に形が崩れることがない。また、育苗のために灌水しても形が崩れることがなく、その取扱いも容易になる。
【0014】
そこで、このような育苗用培土を製造するために、請求項1記載の培土製造装置では、上下一対のベルトコンベヤを備えている。この培土製造装置によれば、籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合した原料材が、上下一対のベルトコンベヤの対向部位よりも上流側であって下側に位置するベルトコンベヤ上に落下供給され、さらに、上下一対のベルトコンベヤによって挟持されながら順次搬送されて圧縮成形される。これにより、所謂マット状の育苗用培土が得られる。
【0015】
ここで、請求項1記載の培土製造装置では、原料材の落下供給部位にはこの落下供給される原料材に対応して下側に位置するベルトコンベヤの幅方向に沿って、第1の均平スクリューコンベヤ乃至第3の均平スクリューコンベヤが隣接して配置されている。下側に位置するベルトコンベヤ上に落下供給された原料材は、これら第1の均平スクリューコンベヤ乃至第3の均平スクリューコンベヤによって、下側に位置するベルトコンベヤの幅方向に沿って強制的に移動されて均一かつ平坦に均される。
【0016】
またここで、このようにベルトコンベヤに落下供給される原料材は、籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合したものであるが、前述の如く第1の均平スクリューコンベヤ及び第2の均平スクリューコンベヤによって均平されているうちに、この原料材のうち芯鞘型繊維が表面に浮上し、しかも、第2の均平スクリューコンベヤによってその送り方向終端部分(例えば、ベルトコンベヤの幅方向両端部分)の表面に片寄って集められ易くなり、この芯鞘型繊維が絡み合って綿状塊となる場合がある。
【0017】
この点、請求項1記載の培土製造装置では、第2の均平スクリューコンベヤの原料材搬送方向下流側に隣接して第3の均平スクリューコンベヤが設けられており、しかもこの第3の均平スクリューコンベヤは、第1の均平スクリューコンベヤ及び第2の均平スクリューコンベヤに対し、所定距離上方位置に設けられているため、前述の如く原料材の芯鞘型繊維が第2の均平スクリューコンベヤの原料材搬送方向下流側において表面に浮上して片寄って集められて綿状塊となっても、第3の均平スクリューコンベヤが当該綿状塊に混入している籾殻を篩い落としながらこの芯鞘型繊維の綿状塊を再びベルトコンベヤの幅方向に沿って効果的に散らすことができる。
【0018】
またさらに、第3の均平スクリューコンベヤの前記原料材搬送方向下流側近傍には、原料材の芯鞘型繊維が絡み合って生じる綿状塊を吸引可能な集塵手段が設けられているため、第3の均平スクリューコンベヤによって前記芯鞘型繊維の綿状塊を散らすことができるに止まらず、不要に集散する当該綿状塊を吸引して除去することができる。
【0019】
これにより、その後に圧縮成形されて成る育苗用培土は、例えば幅方向両端部だけが異常に固くなったりすることが無く、全体的に均一な密度(圧縮度)のマットになる。このため、育苗のバラツキ(苗の根の付き具合による成長度合いの不均一)や根上がり現象(種子の根が当該マットの中に入れず立ち上がってしまい、苗が育たない現象)が生じることが防止される。
【0020】
またここで、前述の如く第2の均平スクリューコンベヤの原料材搬送方向下流側において芯鞘型繊維の綿状塊が生じ易くなるが、この第2の均平スクリューコンベヤの原料材搬送方向下流側で当該綿状塊を吸引除去することも考えられる。しかしながら、当該綿状塊には、原料材の籾殻も絡まって混入しており、前記部位で当該綿状塊を吸引除去すると、その後に圧縮成形して成るマット状の育苗用培土の密度に悪影響を与えることになる。また、吸引除去した籾殻の廃棄物処理の上でも好ましくない。
【0021】
この点、請求項1記載の培土製造装置では、第3の均平スクリューコンベヤが、第1の均平スクリューコンベヤ及び第2の均平スクリューコンベヤに対し、所定距離上方位置に設けられているため、前述の如く原料材の芯鞘型繊維が第2の均平スクリューコンベヤの原料材搬送方向下流側において表面に浮上して片寄って集められて綿状塊となっても、第3の均平スクリューコンベヤが当該綿状塊に混入している籾殻を篩い落としながらこの綿状塊を再びベルトコンベヤの幅方向中央部分へ向けて効果的に散らすことができ、更にこれに伴って集塵手段が不要な綿状塊を(芯鞘型繊維)を吸引除去するため、原料材の籾殻を不要に吸引除去することがなく、その後に圧縮成形して成るマット状の育苗用培土の密度に悪影響を与えることがなく、一層効果的である。
【0022】
このように、請求項1記載の培土製造装置では、割れたり崩れることがなく取扱いが容易な育苗用培土を、安価でかつ少ない作業工数で量産することができ、しかも、製造した育苗用培土の密度が全体的に均一で高品質となる。
【0023】
一方、請求項2に係る発明の培土製造装置は、請求項1記載の培土製造装置において、前記第1の均平スクリューコンベヤは、その螺旋羽根の螺旋方向が軸中央部分を境に反対向きとされ螺旋羽根による前記原料材の送り方向が軸両端部から軸中央部分へ向くように設定されており、前記第2の均平スクリューコンベヤは、その螺旋羽根の螺旋方向が軸中央部分を境に反対向きとされ螺旋羽根による前記原料材の送り方向が軸中央部分から軸両端部へ向くように設定されており、前記第3の均平スクリューコンベヤは、その螺旋羽根の螺旋方向が軸中央部分を境に反対向きとされ螺旋羽根による前記原料材の送り方向が軸両端部から軸中央部分へ向くように設定されている、ことを特徴としている。
【0024】
請求項2記載の培土製造装置では、第1の均平スクリューコンベヤはその螺旋羽根の螺旋方向が軸中央部分を境に反対向きとされており、螺旋羽根による原料材の送り方向が軸両端部から軸中央部分へ向くように設定されているため(所謂、集合スクリューコンベヤとされているため)、また、第2の均平スクリューコンベヤはその螺旋羽根の螺旋方向が軸中央部分を境に反対向きとされており、螺旋羽根による原料材の送り方向が軸中央部分から軸両端部へ向くように設定されているため(所謂、拡散スクリューコンベヤとされているため)、さらに、第3の均平スクリューコンベヤは、第1の均平スクリューコンベヤと同様に、その螺旋羽根の螺旋方向が軸中央部分を境に反対向きとされ螺旋羽根による原料材の送り方向が軸両端部から軸中央部分へ向くように設定されているため(所謂、集合スクリューコンベヤとされているため)、落下供給された原料材を一層均一かつ平坦に均すことができ、更に一層効果的である。
【0025】
なお、前述した請求項1または請求項2における芯鞘型繊維としては、例えば、芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)を用いることができる。この場合には、鞘部は110℃で軟化し、芯部は250℃で軟化する。このため、籾殻と前記芯鞘型ポリエステルを攪拌混合した後に130℃〜200℃(好ましくは、140℃前後)で加熱圧縮成形すれば、前記育苗用培土を得ることができる。またさらに、芯鞘型繊維としては、例えば、ビオノーレ(昭和高分子(株)製)を用いることができる。この場合には、鞘部は90℃で軟化し、芯部は115℃で軟化する。このため、籾殻と前記ビオノーレを攪拌混合した後に100℃で加熱圧縮成形すれば、前記育苗用培土を得ることができる。
【0026】
また、籾殻は、圧縮粉砕した籾殻を用いることが好ましい。
【0027】
さらに、籾殻と芯鞘型繊維の混合割合としては、例えば、籾殻が600gの場合に芯鞘型繊維を15gとすると良いが、この混合割合は、適宜変更可能である。
【0028】
またさらに、攪拌混合した籾殻と芯鞘型繊維を加熱圧縮成形する際の加圧の程度としては、攪拌混合した原料(籾殻と芯鞘型繊維)の厚さを4cmとした場合に加圧後の厚さが2cmになる程度が好ましい。
【0029】
また、前述した請求項1及び請求項2記載の培土製造装置において、上下一対のベルトコンベヤ及び左右一対の側ベルトコンベヤによって搬送される原料材(籾殻及び芯鞘型繊維)に、育苗用肥料を併せて攪拌混合して供給し、これらを圧縮成形するようにしてもよい。
【0030】
この場合には、芯鞘型繊維によって絡み合い結合された籾殻によって、育苗用肥料が共に包み込まれて一体に内包されて成形される。
【0031】
このため、育苗に際しては、別の新たな肥料をこの育苗用培土に加える必要がない。また、育苗する作物の種類や天候(気候)等に応じてこの育苗用肥料の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類の異なる育苗用培土を準備しておけば、大幅に適用の範囲が拡大する。
【0032】
なお、育苗用肥料としては、中期育成用肥料(例えば、商標:ロングM100)、良質土壌菌繁殖用剤(例えば、ゼオライト)、初期育成用肥料(例えば、硫加燐安)、健苗育成剤(例えば、商標:FTE)、発芽抑制物質除去剤(例えば、クエン酸)、等が含まれる。
【0033】
さらに、籾殻と芯鞘型繊維、及び各育苗用肥料の混合割合としては、例えば、籾殻が600gの場合に、芯鞘型繊維を15g、中期育成用肥料を60g、良質土壌菌繁殖用剤を6g、初期育成用肥料を7g、健苗育成剤を0.36g、発芽抑制物質除去剤を1.2gとすると良いが、この混合割合は適宜変更可能である。
【0034】
【発明の実施の形態】
図8には本発明の実施の形態に係る培土製造装置20によって製造された育苗用培土10の外観斜視図が示されている。
【0035】
この育苗用培土10は、培土基材としての籾殻12と、結合剤としての芯鞘型繊維14、及び複数の育苗用肥料16を含んで構成されており、本実施の形態においては例えば、育苗箱60(図10参照)に入るように、縦寸法28cm、横寸法58cm、厚さ寸法2cmのマット形状に成形されている。ここで、以下に育苗用培土10の各構成材の種類及び含有量の一例を示す。
【0036】
籾殻 :600g
芯鞘型繊維(芯鞘型ポリエステル:ユニチカ製) : 15g
中期育成用肥料(商標:ロングM100) : 60g
良質土壌菌繁殖用剤(ゼオライト) : 6g
初期育成用肥料(硫加燐安) : 7g
健苗育成剤(商標:FTE) : 0.36g
発芽抑制物質除去剤(クエン酸) : 1.2g
前記の芯鞘型繊維14として用いた芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)は、芯部14A及び鞘部14B(図9に概略的に図示)によって構成されており、鞘部14Bは110℃で軟化し、芯部14Aは250℃で軟化する。また、芯鞘型繊維14としては、例えば、ビオノーレ(昭和高分子(株)製)を用いることができる。この場合には、鞘部14Bは90℃で軟化し、芯部14Aは115℃で軟化する。
【0037】
なお、前記籾殻12や芯鞘型繊維14及び複数の育苗用肥料16の混合割合は、適宜変更可能である。
【0038】
次に、この育苗用培土10を製造するための本実施の形態に係る培土製造装置20について説明する。
【0039】
図1には、培土製造装置20の全体構成が平面図にて示されている。なお、図1においては、説明の都合上、一部の部品を省略して示してある。また、図2にはこの培土製造装置20の全体構成が正面図にて示されており、図3にはこの培土製造装置20の主要部分の構成が正面図にて示されている。さらに、図4には培土製造装置20の全体構成が側面図にて示されている。
【0040】
この培土製造装置20は、上下一対のベルトコンベヤ22、23を備えている。下側に位置するベルトコンベヤ22は、一対のロール24、26及びベルト28によって構成されている。ベルト28は、例えば、スチールベルトとされており、あるいは、テフロン(R)とグラスファイバーを併用した合成樹脂繊維ベルトとされている。このベルト28が図2矢印方向に移動することにより、原料材Gを搬送することができる。
【0041】
一方、ベルトコンベヤ22の搬送方向上流側端部(ロール24)上方には、原料供給口32が設けられており、前記籾殻12や芯鞘型繊維14及び複数の育苗用肥料16を攪拌混合した原料材Gを下方(すなわち、ベルトコンベヤ22)へ落下供給することができる。これにより、ベルトコンベヤ22の作動に伴って、ベルトコンベヤ22上に前記原料材Gが順次落下して積層されながら図2矢印方向に搬送される構成である。
【0042】
また、ベルトコンベヤ22の直上であって原料供給口32の側方には、第1の均平スクリューコンベヤとしての集合スクリュー70、第2の均平スクリューコンベヤとしての拡散スクリュー72、及び、第3の均平スクリューコンベヤとしての集合スクリュー73が互いに隣接してベルトコンベヤ22の幅方向に沿って設けられている。
【0043】
本実施の形態においては、集合スクリュー70は、その螺旋羽根の螺旋方向(巻き付け方向)が軸中央部分を境に反対向きとされており、螺旋羽根による送り方向が軸両端部から軸中央部分に向くように設定されている。したがって、ベルトコンベヤ22上に落下供給された原料材Gは、この集合スクリュー70によって、図7に矢印で示す如くベルトコンベヤ22の幅方向両端部から幅方向中央部分へと移動される。一方、拡散スクリュー72は、その螺旋羽根の螺旋方向(巻き付け方向)が軸中央部分を境に反対向きとされており、螺旋羽根による送り方向が軸中央部分から軸両端部へ向くように設定されている。したがって、ベルトコンベヤ22上に落下供給された原料材Gは、この拡散スクリュー72によって、図7に矢印で示す如くベルトコンベヤ22の幅方向中央部分から幅方向両端部へと移動される。
【0044】
さらに、集合スクリュー73は、集合スクリュー70と同様に、その螺旋羽根の螺旋方向(巻き付け方向)が軸中央部分を境に反対向きとされており、螺旋羽根による送り方向が軸両端部から軸中央部分に向くように設定されている。しかも、この集合スクリュー73は、図3に示す如く、集合スクリュー70及び拡散スクリュー72に対し、所定距離上方位置に設けられている。したがって、ベルトコンベヤ22上に落下供給された原料材Gは、この集合スクリュー73によって、図7に矢印で示す如くベルトコンベヤ22の幅方向両端部から幅方向中央部分へと移動される。
【0045】
すなわち、これらの集合スクリュー70、拡散スクリュー72、及び集合スクリュー73の共働によって、原料供給口32からベルトコンベヤ22上に落下供給された原料材Gをこのベルトコンベヤ22の表面上に均一かつ平坦に均すことができる構成である。
【0046】
なお、集合スクリュー73の前記上方位置(所定距離)としては、例えば、集合スクリュー70及び拡散スクリュー72によって均平された原料材Gの表面から約5mm程度離間した位置に設定すると好ましい。
【0047】
これらの集合スクリュー70、拡散スクリュー72、及び集合スクリュー73は、共に図示を省略したチェーンを介して駆動モータに接続されており、この単一の駆動モータによって同一方向に回転されるようになっている。
【0048】
また、集合スクリュー70、拡散スクリュー72、及び集合スクリュー73の上方には、カバー75が設けられており、原料材Gが各スクリューによって均平される際の粉塵の飛散を防止している。
【0049】
さらに、集合スクリュー73の原料材G搬送方向下流側近傍には、集塵手段としての吸引ダクト77が設けられている。この吸引ダクト77は、原料材Gが各スクリューによって均平される際にこの原料材Gの芯鞘型繊維14が絡み合って生じる綿状塊を吸引して除去することができる。
【0050】
一方、集合スクリュー73の側方(搬送方向下流側)であってベルトコンベヤ22の直上には、上側に位置するベルトコンベヤ23が配置されている。ベルトコンベヤ23は、一対のロール25、27及びベルト29によって構成されている。ベルト29も、ベルト28と同様に、スチールベルトあるいは合成樹脂繊維ベルトとされている。このベルト29がベルトコンベヤ22のベルト28と共に図2矢印方向に移動することにより、原料材Gをベルトコンベヤ22のベルト28と共に挟持しながら搬送する構成である。
【0051】
ベルトコンベヤ22のベルト28とベルトコンベヤ23のベルト29の対向部分(原料材Gの挟持搬送部分)には、上下一対の加熱圧縮盤38、40が配置されている。下側に位置する加熱圧縮盤38は、ベルトコンベヤ22のベルト28の無端状内側に設けられており、上側に位置する加熱圧縮盤40は、ベルトコンベヤ23のベルト29の無端状内側に設けられており、互いに対向し合っている。
【0052】
ここで、図5にはこの加熱圧縮盤38、40の詳細が断面図にて示されている。加熱圧縮盤38、40の内部には、ワイヤヒータ(熱管)50が設けられている。このワイヤヒータ50は、コイル状に巻いた発熱体を金属管の中央に挿入すると共にその金属管内に高温度に耐える耐熱性電気絶縁粉末を高圧固形化した構造になっており、通電することで発熱して加熱圧縮盤38、40を所定温度(例えば、150℃)に昇温することができるようになっている。このワイヤヒータ50の長手方向両端部は、それぞれ端子51に電気的に接続されている。さらに、端子51は電源53に接続されている。これにより、端子51を介してワイヤヒータ50に通電することができる構成である。なお、ワイヤヒータ50の本数は適宜変更可能である。
【0053】
以上の構成の加熱圧縮盤38、40は、ワイヤヒータ50の発熱によって所定温度に昇温し、これにより、前記ベルトコンベヤ22のベルト28とベルトコンベヤ23のベルト29によって挟持搬送される原材料Gを挟み込むことで加熱しながら圧縮成形することができる。
【0054】
また、一対の加熱圧縮盤38、40の搬送方向下流側には、前記加熱圧縮盤38、40と同様に、ベルトコンベヤ22のベルト28とベルトコンベヤ23のベルト29の対向部分(原料材Gの挟持搬送部分)に、上下一対の冷却圧縮盤42、44が配置されている。下側に位置する冷却圧縮盤42は、ベルトコンベヤ22のベルト28の無端状内側に設けられており、上側に位置する冷却圧縮盤44は、ベルトコンベヤ23のベルト29の無端状内側に設けられており、互いに対向し合っている。
【0055】
ここで、図6にはこの冷却圧縮盤42、44の詳細が断面図にて示されている。冷却圧縮盤42、44の内部には、水管58が設けられている。この水管58は、水が供給されて循環することで冷却圧縮盤42、44を所定温度(例えば、20℃〜30℃)に冷却することができるようになっている。この水管58は、パイプ59を介してポンプ34及びタンク36に接続されて循環路を構成しており、ポンプ34の作動により水が循環する構成である。なお、水管58の本数は適宜変更可能である。
【0056】
以上の構成の冷却圧縮盤42、44は、水管58に水が循環することで所定温度に冷却され、これにより、加熱ロール38、40によって加熱圧縮成形された直後の原材料Gを、更に冷却しながら圧縮成形することができる。
【0057】
またさらに、上下一対のベルトコンベヤ22、23の幅方向両側には、左右一対の側ベルトコンベヤ74、76が配置されている。一方の側ベルトコンベヤ74は、一対のロール78、80及びベルト82によって構成されている。ベルト82も、ベルト28やベルト29と同様に、スチールベルトあるいは合成樹脂繊維ベルトとされている。また、他方の側ベルトコンベヤ76は、一対のロール84、86及びベルト88によって構成されている。このベルト88も、ベルト82と同様に、スチールベルトあるいは合成樹脂繊維ベルトとされている。これらの側ベルトコンベヤ74、76は、上下一対のベルトコンベヤ22、23によって搬送される原料材Gの幅方向端部にそれぞれ対応している。
【0058】
また、側ベルトコンベヤ74のベルト82と側ベルトコンベヤ76のベルト88の対向部分(原料材Gの挟持搬送部分)には、左右一対の側圧縮盤90、92が配置されている。一方の側圧縮盤90は、側ベルトコンベヤ74のベルト82の無端状内側に原料材Gの挟持搬送部分に対応して設けられており、また、他方の側圧縮盤92は、側ベルトコンベヤ76のベルト88の無端状内側に原料材Gの挟持搬送部分に対応して設けられており、互いに対向し合っている。これらの側圧縮盤90、92は、前記側ベルトコンベヤ74のベルト82と側ベルトコンベヤ76のベルト88によって挟持搬送される原材料Gの幅方向両端部を挟み込むことで圧縮成形することができる構成である。
【0059】
次に、この育苗用培土10の製造手順を説明する。
【0060】
先ず、籾殻12と芯鞘型繊維14及び前記各育苗用肥料16を攪拌混合する。籾殻12は、圧縮粉砕した籾殻を用いることが好ましい。芯部14Aと鞘部14Bから成る芯鞘型繊維14は、籾殻12及び各育苗用肥料16と共に攪拌混合されることにより、複雑で細かい網状になって籾殻12及び各育苗用肥料16と絡み合い、籾殻12及び各育苗用肥料16を包み込む。
【0061】
次いで、この攪拌混合した籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16(原料材G)を培土製造装置20によって所定の状態に積層する。
【0062】
すなわち、培土製造装置20では、原料供給口32から前記攪拌混合した原料材Gがベルトコンベヤ22上に落下供給される。さらに、ベルトコンベヤ22上に落下供給された原料材Gは、集合スクリュー70、拡散スクリュー72、及び集合スクリュー73の共働によって、ベルトコンベヤ22の表面上に均一かつ平坦に均されながら順次層状に積層されて搬送され、さらに、ベルトコンベヤ22のベルト28とベルトコンベヤ23のベルト29の対向部分へ挟持されながら、しかも、側ベルトコンベヤ74のベルト82と側ベルトコンベヤ76のベルト88によっても幅方向両端部を挟み込まれながら搬送される。
【0063】
次いで、以上のように挟持されながら搬送される積層された籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16(原料材G)は、加熱圧縮盤38、40によって挟み込まれて、加熱されながら圧縮成形される。
【0064】
ここで、加熱圧縮盤38、40により加熱圧縮成形するに当たっては、原料材Gに含有する芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化するが芯部14Aは軟化しない温度で加熱圧縮成形する。この場合、例えば、芯鞘型繊維14として芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)を用いた場合には、鞘部14Bは110℃で軟化し芯部14Aは250℃で軟化するため、130℃〜200℃(好ましくは、140℃前後)で加熱成形する。一方、例えば、芯鞘型繊維14としてビオノーレ(昭和高分子(株)製)を用いた場合には、鞘部14Bは90℃で軟化し芯部14Aは115℃で軟化するため、100℃で加熱成形すればよい。
【0065】
またこの場合、加圧の程度としては、前述の如く攪拌混合し所定の状態に積層した原料材G(籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16、及び不織布18、19)の厚さを4cmとした場合に、加圧後の厚さが2cmになる程度が好ましい。
【0066】
このようにして加熱圧縮盤38、40により加熱圧縮成形することで、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化して溶着し合い、網状になって籾殻12と絡み合う。
【0067】
さらに、加熱圧縮盤38、40により加熱圧縮成形された原料材G(籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16)は、直ちに冷却圧縮盤42、44によって冷却圧縮成形される。
【0068】
またさらに、前述の如く原料材Gが上下一対のベルトコンベヤ22、23によって挟持されながら加熱圧縮盤38、40及び冷却圧縮盤42、44によって圧縮成形される際には、これと同時に、原料材Gの幅方向両端部が側圧縮盤90、92によって幅方向にも圧縮成形される。
【0069】
これにより、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが網状になって籾殻12と絡み合った状態のままで固化され、所謂マット状の育苗用培土10が完成する。
【0070】
このようにして完成した育苗用培土10は、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化して溶着し合い、網状になって籾殻12と絡み合い結合された状態に成形される。ここで、図9には、前述の如き圧縮成形された後の芯鞘型繊維14の状態が、一部簡略化して模式的に示されている。この図9で示す如く、鞘部14Bが軟化し溶着し合うことによって、軟化していない芯部14Aが互いに網目状に絡み合って結合されており、籾殻12及び育苗用肥料16を包み込んでいる。これにより、所謂スポンジのような屈曲性及び保水性のある育苗用培土10が得られる。
【0071】
以上により得られた育苗用培土10を使用する際には、図10に示す如く、この育苗用培土10を育苗箱60に敷き、灌水し、水稲等の作物の苗62を播種し、さらに覆土64を施した上で、日々灌水及び温度管理をして育苗する。
【0072】
この育苗用培土10を使用した育苗に際して、例えば芯鞘型繊維14として芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)を用いた場合には、この芯鞘型ポリエステルは加水分解して長期の間には圃場で分解し、一方、例えば芯鞘型繊維14としてビオノーレ(昭和高分子(株)製)を用いた場合には、このビオノーレは生分解して長期の間には圃場で分解する。このため、他に悪影響を与えることはない。
【0073】
ここで、前述の如く培土製造装置20によって製造された育苗用培土10は、籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16を攪拌混合して積層されこれらを圧縮成形して得られる。この育苗用培土10は、芯鞘型繊維14が細かい網状になって籾殻12と絡み合って結合されスポンジのように腰が強くて屈曲性及び保水性のある培土として構成される。このため、屈曲性及び保水性に富んでおり、割れたり欠け難く、運搬中に形が崩れることがない。また、育苗のために灌水しても形が崩れることがなく、その取扱いも容易になる。したがって、実際の使用に際して例えば自動田植機の苗台にセットして田植えを実施する場合にも、装置のフィンガー部分がうまく苗を掴み取ることができ、スムースな作業を行うことができる。
【0074】
さらに、この育苗用培土10では、培土基材としての籾殻12自体が極めて安価であり(更に言えば、所謂産業廃棄物としての籾殻12を培土基材として有効利用することができ)、かつ、結合剤としての芯鞘型繊維14も安価なものを適用することができるため、全体としても大幅に安価になる。
【0075】
またさらに、この育苗用培土10は、育苗用肥料16を含んで構成されているため、育苗に際して別の新たな肥料を加える必要がない。また、育苗する作物の種類や天候(気候)等に応じて前述した各育苗用肥料16の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類の異なる育苗用培土10を準備しておけば、大幅に適用の範囲が拡大する。
【0076】
そこで、このような育苗用培土10を製造するために、本実施の形態に係る培土製造装置20では、ベルトコンベヤ22、23、集合スクリュー70、拡散スクリュー72、及び集合スクリュー73、吸引ダクト77、上下一対の加熱圧縮盤38、40、上下一対の冷却圧縮盤42、44、及び、側ベルトコンベヤ74、76、側圧縮盤90、92を備えている。
【0077】
この培土製造装置20によれば、原料供給口32から供給される原料材Gを、集合スクリュー70、拡散スクリュー72、及び集合スクリュー73の共働によってベルトコンベヤ22の表面上に均一かつ平坦に均しながら順次層状に積層し、ベルトコンベヤ22のベルト28とベルトコンベヤ23のベルト29の対向部分で挟持しながら搬送し、これらを搬送しながら加熱圧縮盤38、40によって連続して加熱圧縮成形し、かつその直後に冷却圧縮盤42、44によって連続して冷却圧縮成形するため、一連の作業を順次連続して自動的に実施することができ、大幅に作業効率が向上する。したがって、前述の如き育苗用培土10を安価でかつ量産することができる。
【0078】
また、加熱圧縮盤38、40によって、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化して溶着し網状になって籾殻12と絡み合った状態とした直後に、冷却圧縮盤42、44によって冷却して固化するため、軟化して溶着し籾殻12と絡み合った芯鞘型繊維14の鞘部14Bが、例えば籾殻12の弾力によって不要に膨らんで前記溶着絡み合い状態が不要に解除されることがなく、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが籾殻12と絡み合った状態のままで確実に固化して育苗用培土10を成形することができる。
【0079】
さらにこの場合、加熱圧縮盤38、40、冷却圧縮盤42、44あるいは側圧縮盤90、92の如く平盤状の部材によって圧縮を行うため、圧縮の時間やその面積が大きい。したがって、育苗用培土10の成形程度(仕上がり具合)が良好(均一)になる。またさらに、加熱圧縮盤38、40、冷却圧縮盤42、44あるいは側圧縮盤90、92は、それぞれベルト28、ベルト29あるいはベルト82、ベルト88の内側に位置して原料材Gを圧縮する構成であるため、これらの加熱圧縮盤38、40、冷却圧縮盤42、44あるいは側圧縮盤90、92が圧縮成形の際の保持型の役目を成し、ベルト28、ベルト29あるいはベルト82、ベルト88が撓み曲がることが防止され、これによっても育苗用培土10の成形程度(仕上がり具合)が良好になる。
【0080】
また、上下一対のベルトコンベヤ22、23によって層状の原料材Gを挟持搬送しながら加熱圧縮盤38、40あるいは冷却圧縮盤42、44によってこの原料材Gを上下方向に圧縮成形するのみならず、左右一対の側ベルトコンベヤ74、76によっても前記原料材Gの幅方向両端部を規制し側圧縮盤90、92によって原料材Gの幅方向両端部を幅方向にも圧縮成形するため、育苗用培土10の幅方向両端部(所謂、耳部)も十分に圧縮され、育苗用培土10の幅寸法を均一に揃えることができる。したがって、従来の如く成形後にこの成形培土の幅方向両端部(耳部)を切断する作業が不要となり、作業工数やコストが低減する。また、このように成形培土の幅方向両端部(耳部)を切断する必要がないため、原料材Gが無駄になることもない。
【0081】
また特に、この培土製造装置20では、均平スクリューコンベヤとしての集合スクリュー70、拡散スクリュー72、及び集合スクリュー73を備えており、これらの集合スクリュー70、拡散スクリュー72、及び集合スクリュー73の共働によって、原料供給口32からベルトコンベヤ22上に落下供給された原料材Gをこのベルトコンベヤ22の表面上に均一かつ平坦に均すことができるため、その後に圧縮成形されて成る育苗用培土10は、全体的に均一な密度(圧縮度)のマットになる。このため、育苗のバラツキ(水稲等の作物の苗62の根の付き具合による成長度合いの不均一)や根上がり現象(種子の根が当該マットの中に入れず立ち上がってしまい、苗が育たない現象)が生じることが防止される。
【0082】
さらにここで、前述の如く下側に位置するベルトコンベヤ22上に落下供給された原料材Gは、籾殻12と芯鞘型繊維14とを攪拌混合したものであるが、集合スクリュー70及び拡散スクリュー72によって均平されているうちに、この原料材Gのうち芯鞘型繊維14が表面に浮上し、しかも、拡散スクリュー72によってベルトコンベヤ22の幅方向両端部分の表面に片寄って集められ易くなり、芯鞘型繊維14が綿状塊となる場合がある。
【0083】
この点、本実施の形態に係る培土製造装置20では、拡散スクリュー72の原料材G搬送方向下流側に隣接して集合スクリュー73が設けられており、しかもこの集合スクリュー73は前述の如く集合スクリューコンベヤとされると共に、集合スクリュー70及び拡散スクリュー72に対し所定距離上方位置に設けられているため、この集合スクリュー73によって当該綿状塊に混入している籾殻12を篩い落としながら芯鞘型繊維14の綿状塊が再びベルトコンベヤ22の幅方向中央部分へ向けて全体として散らされることになる。
【0084】
またしかも、集合スクリュー73の原料材G搬送方向下流側近傍には吸引ダクト77が設けられているため、集合スクリュー73によって当該綿状塊を散らすことができるに止まらず、不要に集散する当該綿状塊を吸引して除去することができる。
【0085】
これにより、その後に圧縮成形されて成る育苗用培土10は、例えば幅方向両端部だけが異常に固くなったりすることが無く、全体的に均一な密度(圧縮度)のマットになる。このため、前述の如き育苗のバラツキや根上がり現象が生じることが防止され、更に一層効果的である。
【0086】
またここで、前述の如く拡散スクリュー72によってベルトコンベヤ22の幅方向両端部分に芯鞘型繊維14の綿状塊が生じ易くなるが、この拡散スクリュー72の原料材G搬送方向下流側において、ベルトコンベヤ22の幅方向両端部分に集まった当該綿状塊を吸引除去することも考えられる。しかしながら、当該綿状塊には、原料材Gの籾殻12も絡まって混入しており、前記部位で当該綿状塊を吸引除去すると、その後に圧縮成形して成るマット状の育苗用培土10の密度に悪影響を与えることになる。また、吸引除去した籾殻12の廃棄物処理の上でも好ましくない。
【0087】
この点、本実施の形態に係る培土製造装置20では、集合スクリュー73が、集合スクリュー70及び拡散スクリュー72に対し所定距離上方位置に設けられており、しかも集合スクリュー73の原料材G搬送方向下流側近傍に吸引ダクト77が設けられているため、前述の如く原料材Gの芯鞘型繊維14が拡散スクリュー72の原料材G搬送方向下流側において表面に浮上してベルトコンベヤ22の幅方向両端部分の表面に片寄って集められて綿状塊となっても、集合スクリュー73が当該綿状塊に混入している籾殻12を篩い落としながらこの綿状塊を再びベルトコンベヤ22の幅方向中央部分へ向けて効果的に散らすことができ、更にこれに伴って吸引ダクト77が不要な綿状塊を(芯鞘型繊維14)を吸引除去するため、原料材Gの籾殻12を不要に吸引除去することがない。したがって、その後に圧縮成形して成るマット状の育苗用培土10の密度に悪影響を与えることがなく、更に一層効果的である。
【0088】
このように、本実施の形態に係る培土製造装置20は、割れたり崩れることがなく取扱いが容易な育苗用培土10を、安価でかつ少ない作業工数で量産することができ、しかも、製造した育苗用培土10の密度が全体的に均一で高品質となる。
【0089】
なお、前記実施の形態においては、集合スクリュー73の設置位置として、集合スクリュー70及び拡散スクリュー72によって均平された原料材Gの表面から約5mm程度離間した位置に設定すると好ましい例を示したが、集合スクリュー73の設置位置としてはこれに限らず、成形する育苗用培土10の大きさ(厚さ)や原料材Gの種類や特性等に応じて適宜設定することができる。
【0090】
また、前記実施の形態においては、第1の均平スクリューコンベヤとして集合スクリュー70を、第2の均平スクリューコンベヤとして拡散スクリュー72を、さらに、第3の均平スクリューコンベヤとして集合スクリュー73を適用して構成したが、これに限らず、各均平スクリューコンベヤの原料材Gの送り方向を前記実施の形態とは逆向きに構成することも可能である。
【0091】
すなわち、第1の均平スクリューコンベヤとして拡散スクリューコンベヤを設けて、原料材Gをベルトコンベヤ22の幅方向中央部分から幅方向両端部へと移動させ、また、第2の均平スクリューコンベヤとして集合スクリューコンベヤを設けて、原料材Gをベルトコンベヤ22の幅方向両端部から幅方向中央部分へと移動させ、さらに、第3の均平スクリューコンベヤとして拡散スクリューコンベヤを設けて、原料材Gをベルトコンベヤ22の幅方向中央部分から幅方向両端部へと移動させるように構成することもできる。
【0092】
この場合であっても、ベルトコンベヤ22上に落下供給された原料材Gをこのベルトコンベヤ22の表面上に均一かつ平坦に均すことができ、その後に圧縮成形されて成る育苗用培土10は密度が全体的に均一で高品質となる。
【0093】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明に係る培土製造装置は、割れたり崩れることがなく取扱いが容易な育苗用培土を、安価でかつ少ない作業工数で量産することができ、しかも、製造した育苗用培土の密度が全体的に均一で高品質にすることができるという優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る培土製造装置の全体構成を一部の部品を省略して示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る培土製造装置の全体構成を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る培土製造装置の主要部分の構成を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る培土製造装置の全体構成を示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る培土製造装置の加熱圧縮盤の詳細を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る培土製造装置の冷却圧縮盤の詳細を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る培土製造装置のスクリューコンベヤによる原料材の送り方向を示す概略図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る培土製造装置によって製造された育苗用培土の外観斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る培土製造装置によって製造された育苗用培土における圧縮成形された後の芯鞘型繊維の状態を示す一部簡略化した模式図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る培土製造装置によって製造された育苗用培土の使用状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 育苗用培土
12 籾殻
14 芯鞘型繊維
14A 芯部
14B 鞘部
16 育苗用肥料
20 培土製造装置
22 ベルトコンベヤ
23 ベルトコンベヤ
32 原料供給口
38 加熱圧縮盤
40 加熱圧縮盤
42 冷却圧縮盤
44 冷却圧縮盤
70 集合スクリュー(第1の均平スクリューコンベヤ)
72 拡散スクリュー(第2の均平スクリューコンベヤ)
73 集合スクリュー(第3の均平スクリューコンベヤ)
74 側ベルトコンベヤ
76 側ベルトコンベヤ
77 吸引ダクト(集塵手段)
90 側圧縮盤
92 側圧縮盤

Claims (2)

  1. 対向して配置された上下一対のベルトコンベヤを備え、前記上下一対のベルトコンベヤの対向部位よりも上流側であって下側に位置するベルトコンベヤ上に、籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合した原料材を落下供給し、前記落下供給された原料材を前記上下一対のベルトコンベヤによって挟持しながら順次搬送して圧縮成形することで育苗用の培土を製造する培土製造装置であって、
    前記下側に位置するベルトコンベヤに落下供給される前記原料材に対応して前記下側に位置するベルトコンベヤの幅方向に沿って配置され、前記落下供給された原料材を前記下側に位置するベルトコンベヤの幅方向に沿って強制的に移動させて均一かつ平坦に均す第1の均平スクリューコンベヤ乃至第3の均平スクリューコンベヤと、
    前記原料材の芯鞘型繊維が絡み合って生じる綿状塊を吸引可能な集塵手段と、
    を備え、
    前記下側に位置するベルトコンベヤによる前記原料材搬送方向に沿って、前記第1の均平スクリューコンベヤ乃至第3の均平スクリューコンベヤの順に隣接して配置すると共に、
    前記第3の均平スクリューコンベヤを、前記第1の均平スクリューコンベヤ及び第2の均平スクリューコンベヤに対し、所定距離上方位置に設け、
    かつ、前記第3の均平スクリューコンベヤの前記原料材搬送方向下流側近傍に前記集塵手段を設けた、
    ことを特徴とする培土製造装置。
  2. 前記第1の均平スクリューコンベヤは、その螺旋羽根の螺旋方向が軸中央部分を境に反対向きとされ螺旋羽根による前記原料材の送り方向が軸両端部から軸中央部分へ向くように設定されており、
    前記第2の均平スクリューコンベヤは、その螺旋羽根の螺旋方向が軸中央部分を境に反対向きとされ螺旋羽根による前記原料材の送り方向が軸中央部分から軸両端部へ向くように設定されており、
    前記第3の均平スクリューコンベヤは、その螺旋羽根の螺旋方向が軸中央部分を境に反対向きとされ螺旋羽根による前記原料材の送り方向が軸両端部から軸中央部分へ向くように設定されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の培土製造装置。
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