JP2004327394A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部分円筒状の凹面を有する第1電極と円筒状の第2電極を備えたプラズマ処理装置において部分円筒凹面への誘電体層の被装およびメンテナンスを容易化する。
【解決手段】プラズマ処理装置M2の第1電極11には、板部材30Xが添えられている。板部材は、第1電極の部分円筒凹面11aに接する金属部と、金属部を覆う誘電体部とを一体に積層してなり、弾性変形可能なコ字状板である。板部材の折曲部35より先の延出部34が、斜めの挿入孔12aに挿入され、第1保持部材14,15と第2保持部材41X,42Xに挟まれて保持されている。これにより、主部33が、湾曲され部分円筒凹面に弾接されている。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、部分円筒状の凹面を有する電極と、この凹面と対をなす円筒状の電極とを有するプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に記載のプラズマ処理装置は、上下一対の電極を備えている。下部電極は、円筒状(ロール状)をなしている。上部電極は、下部電極の周面と対向する部分円筒状の凹面を有している。これら電極の間に形成された狭小な隙間が略常圧のプラズマ空間となっている。上部電極の円筒凹面には、酸化アルミニウムなどを主成分とする誘電体層が例えば溶射にて被膜されている。これによって、プラズマ化空間内にアーク放電が起きるのを防止することができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−244689(第6頁、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電極に被膜された誘電体層は、汚れたり痛んだりしやすく、頻繁にメンテナンスを行なう必要がある。その際、誘電体が電極と溶射等で一体になっていると、不便である。一方、特許文献1には、誘電体をシート状ないしはフィルム状に形成してもよい旨が記載されているが、かかるシート状ないしはフィルム状誘電体を上部電極の円筒凹面に隙間無く貼り付けるのは容易でなく、隙間が出来るとそこでアークが立つおそれがある。特に、常圧下ではそのおそれが高い。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明は、部分円筒状の凹面を有する第1電極のユニットと、上記部分円筒凹面と対をなす円筒状(中空円筒状、中実円筒状の何れをも含む)の第2電極のユニットとを備えたプラズマ処理装置であって、上記第1、第2電極ユニットから分離可能かつ弾性変形可能な板部材と、この板部材の保持手段とを設け、上記板部材が、上記第1電極の部分円筒凹面に面する金属部と、この金属部ひいては上記部分円筒凹面を覆う誘電体部とを積層一体化してなり、上記保持手段が、板部材を部分円筒凹面に添接するように弾性変形させた状態で保持可能かつ保持解除可能であることを特徴とする。
【0006】
これによって、板部材ひいては誘電体部を第1電極の部分円筒面に容易に添接できるとともに、この板部材と部分円筒面との間でアークが立つのを確実に防止できる。これによって、減圧下では勿論、略常圧下においても良好なプラズマ処理を行なうことができる。そして、メンテナンスの際は、板部材ひいては誘電体部を電極とは別途に簡単に取り外すことができ、交換などを容易に行なうことができる。
【0007】
なお、本発明における略常圧とは、1.333×10〜10.664×10Paの範囲を言う。中でも、9.331×10〜10.397×10Paの範囲は、圧力調整が容易で装置構成が簡便になり、好ましい。
【0008】
ここで、上記板部材が、上記保持手段によって部分円筒凹面に弾性を持って押し当てられる(弾接させる)ことが望ましい。これによって、第1電極と金属部とを確実に導通させることができる。
保持手段は、板部材の湾曲(弾性変形)方向と直交する方向(部分円筒凹面の軸方向と同方向)の両端部を保持してもよく、湾曲方向(部分円筒凹面の周方向と同方向)の両端部を保持してもよい。
【0009】
上記保持手段が、第1電極ユニットまたは第2電極ユニットに一体に組み込まれていることが望ましい。これによって、部材構成の簡素化を図ることができる。この場合、上記保持手段は、第1、第2電極ユニットの何れか1つに組み込まれていてもよく、第1電極ユニットに組み込まれたものと第2電極ユニットに組み込まれたものとに分かれていてもよい。
【0010】
上記保持手段が、第1電極側の第1保持部材と、第2電極側の第2保持部材とを有し、これら第1、第2保持部材によって板部材の端部を挟み付けることにしてもよい。これによって、板部材を確実に保持できる。また、金属部と第1電極を一層確実に接触・導通させることができる。
【0011】
上記第1保持部材が、第1電極ユニットに設けられ、第2保持部材が、第2電極ユニットに設けられていてもよい。これによって、第1、第2電極ユニットにより板部材を挟持できる。
上記第1電極が、第2保持部材と協働して板部材を挟むことにより第1保持部材として提供されていてもよい。これによって、部材構成の簡素化を図ることができる。
【0012】
上記第2保持部材が、上記部分円筒凹面と相対する円筒面を有していることが望ましい。これによって、板部材を部分円筒凹面に確実に添うように弾性変形させることができる。
【0013】
上記第2保持部材の円筒面が、上記第2電極より第1電極に向けて径方向に所定量だけ突出されていることが望ましい。
これによって、板部材を第2電極から所定量だけ離して正確に位置決めでき、ひいてはこれら部材間に形成されるプラズマ空間の厚さを正確に定めることができる。
【0014】
上記板部材は、非変形時(変形荷重がかかっていない時)において全体的に略平らであることが望ましい。これによって、保管や持ち運びが容易になる。また、金属部と誘電体部の積層を容易化できる。
板部材は、非変形時において湾曲していてもよい。
【0015】
上記板部材が、上記部分円筒凹面の周方向の両端部において第2電極から離れる方向へ延出するように折曲され、この折曲部より部分円筒凹面側の主部が上記添接状態になるようにして、折曲部から先の延出部が、上記保持手段に保持されるようにしてもよい。
これによって、保持手段を第2電極から離して設置でき、保持手段の配置レイアウトを容易化できる。
【0016】
この場合、上記保持手段が、上記延出部を折曲部の展開方向に変位させ、これにより、上記主部が、折曲部の展開を阻止すべく湾曲されることが望ましい。
これによって、板部材(の主部)を部分円筒凹面に確実に添うように湾曲させ当接(弾接)させることができる。
【0017】
上記保持手段が、上記延出部を上記変位状態で挿入配置する挿入孔を有していることが望ましい。この挿入孔の幅は、延出部の厚さと略同じであることが望ましい。これによって、延出部を安定して保持できる。または、挿入孔の幅を拡縮可能に構成し、延出部の出し入れ時には、幅広にする一方、挿入セット時には、狭くして、延出部を両面側から挟持できるようにしてもよい。
【0018】
更に、上記保持手段が、上記折曲部に突き当たることにより板部材の第1電極からの脱落を阻止するストッパを有していることが望ましい。これによって、板部材の変形状態を確実に維持でき、ひいては主部を部分円筒凹面に確実に当接(弾接)させることができる。
【0019】
上記保持手段と板部材とには、互いに嵌合される位置決め用の凹凸嵌合部が設けられていることが望ましい。
これによって、板部材の位置決めを容易に行なうことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る常圧プラズマ処理装置M1を示したものである。装置M1は、上下一対の電極ユニット10,20を備えている。これらユニット10,20の電極11,22間に略常圧のグロー放電プラズマ空間1a(図3、図4)が形成される。このプラズマ空間1aに、処理ガスが導入されるとともに連続シート状のワークWが通され、例えばプラズマ洗浄などの表面処理が実行される。以下、詳述する。
【0021】
図1および図2に示すように、下部のロール電極ユニット20は、軸線を水平に向けた円筒状をなすロール電極22(第2電極)と、このロール電極22を軸線まわりに回転可能に支持する一対の架台25(第2電極支持部材)とを備えている。ロール電極22は、ステンレスなどの導電金属からなり、接地線29を介して接地されている。これによって、ロール電極22は、接地電極(アース電極)となっている。図3および図4に示すように、ロール電極22の外周面には、例えばアルミナなどからなる固定誘電体層23が溶射などによって被膜されている。詳細な図示は省略するが、ロール電極22の内部には、温調用の冷媒通路が螺旋状に形成されている。
【0022】
ロール電極22の軸部22aには、回転駆動手段(図示せず)が連結されている。このロール電極22上に連続シート状ワークWが被せられる。そして、回転駆動手段によってロール電極22が回転されることによって、ワークWが連続給送されるようになっている。
【0023】
図1および図2に示すように、架台25には、4つのノズルユニット41〜43が、ロール電極22を四方から囲むようにして支持されている。図1に示すように、処理ガスノズルユニット41は、ロール電極22の周方向の一端側(図1において左)に配されている。このノズルユニット41には、処理ガス供給管44を介して処理ガス源40が接続されている。処理ガス源40には、例えばプラズマ洗浄用の処理ガスとしてNやOが貯えられている。この処理ガスが、供給管44、ユニット41のチャンバー41aおよび吹出し口41bを順次経て、プラズマ空間1aに吹出される。
【0024】
吸引ノズルユニット42は、ロール電極22の周方向の他端側(図1において右)に配されている。このノズルユニット42には、吸引管45を介して吸引ポンプ46が接続されている。この吸引ポンプ46によって、空間1aの処理済みのガスや処理により生じた副生成物が、ユニット42の吸込み口42aおよびチャンバー42b、並びに吸引管45を順次経て、排気される。
【0025】
図2に示すように、一対のカーテンガスノズルユニット43は、ロール電極22の軸方向の両端側に配されている。これらノズルユニット43には、カーテンガス供給管48を介してカーテンガス源47が接続されている。カーテンガス源47には、Nなどの不活性ガスからなるカーテンガスが貯えられている。このカーテンガスが、供給管48、ユニット43のチャンバー43aおよび吹出し口43bを順次経て、プラズマ空間1aの両縁部に吹出され、ガスカーテンが形成される。
【0026】
なお、カーテンガスとして処理ガスと同一物質を用い、2つのガス源40,47に共通の単一のガス源を設け、この単一のガス源から管44,48を分岐させて各ノズルユニット41,43に連ねることにしてもよい、
【0027】
次に、上部電極ユニット10について説明する。
図1および図2に示すように、上部電極ユニット10は、凹面電極11(第1電極)と、この凹面電極11を支持する樹脂製の絶縁ホルダ12(第1電極支持部材)とを備えている。図2に示すように、ホルダ12の一端部(図2において左)は、一方の架台25に回転ブラケット24を介して回転可能に連結されている。これによって、上部電極ユニット10は、上記一対の架台25の上端部間に水平に架け渡されるセット位置と、起立する起立位置(図2の仮想線)との間で回転可能になっている。なお、起立位置を越えて裏返る位置まで回転可能になっていてもよい。ホルダ12の他端部(図2において左)と他方の架台25には、フック12fと引っ掛け金具25aが設けられており、これらが互いに係着されることによって、セット位置の上部電極ユニット10を回転不能に固定できるようになっている。
【0028】
図1に示すように、凹面電極11は、アルミニウムやステンレスなどの導電金属からなり、給電線51を介して電界印加手段50に接続されている。これによって、凹面電極11は、電界印加電極(ホット電極)となっている。
なお、上下の電極11,22の極性は、本実施形態とは逆になっていてもよい。
【0029】
図1、図2、図5に示すように、凹面電極11は、部分円筒状の凹面11aを有する厚板状をなしている。部分円筒凹面11aの曲率半径は、ロール電極22の外周面の半径より若干大きくなっている。具体的には、プラズマ空間1aの設定厚さt1a(図4)と後記板部材30の厚さとを加えた分だけ大きくなっている。上記セット状態において、部分円筒凹面11aの中心軸は、ロール電極22の中心軸と一致している。この部分円筒凹面11aが、下を向き、ロール電極22の外周面と対向している。
【0030】
本発明の主要部について説明する。
図1および図2に示すように、常圧プラズマ処理装置M1の上部電極ユニット10には、板部材30が付設されている。板部材30は、凹面電極11と略等面積をなしている。また、図5に示すように、非変形時の板部材30は、平らになっている。板部材30は、上下の電極ユニット10,20の間に挟装される一方、ユニット10,20から単独で分離可能になっている。
【0031】
板部材30について更に説明する。図3および図4に示すように、板部材30は、金属部31と誘電体部32を上下に積層一体化することによって構成されている。上側の金属部31は、例えばばね鋼やステンレスなどの薄い金属板で構成され、導電性は勿論、優れた弾性を有している。金属部31は、その上方の凹面電極11と接することによって上部電極ユニット10の電極の一部分として提供されている。
【0032】
下側の誘電体部32は、例えばポリテトラフルオロエチレンなどの誘電体からなる柔軟な粘着テープ(薄膜)で構成されている。この粘着テープの粘着面が、金属部31の下面に隙間無くぴったりと貼り付けられている。誘電体部32は、凹面電極11の固体誘電体層としての役目を担っている。
板部材30は、全体としても弾性に富んでいる。
【0033】
板部材30のユニット10,20への取付構造について説明する。
図2に示すように、凹面電極11の軸方向の両端部は、ロール電極22より延出されている。この凹面電極11の軸方向延出部に、符号「11b」を付す。
【0034】
一方、図2および図5に示すように、一対の架台25の上端部には、それぞれ保持台26(第2保持部材)が設置されている。図1、図3〜図5に示すように、保持台26の上面は、部分円筒面26aになっている。部分円筒面26aの中心は、ロール電極22の軸心と一致している。部分円筒面26aの曲率半径は、ロール電極22の半径にプラズマ空間1aの設定厚さt1aを加えた大きさになっている。これによって、保持台26は、ロール電極22よりプラズマ空間1aの設定厚さだけ上に突出されている。
【0035】
図2に示すように、上記上部電極ユニット10のセット状態において、一対の保持台26は、凹面電極11の軸方向延出部11b(第1保持部材)のちょうど下方に配置されている。そして、凹面電極11の軸方向延出部11bの部分円筒凹面11aと保持台26の部分円筒面26aとの間に、板部材30の両端部が挟まれている。これにより、板部材30が、部分円筒凹面11aに添うように湾曲(弾性変形)され、部分円筒凹面11aに弾性を持って押し当てられている。
凹面電極11の軸方向延出部11bと保持台26とによって、特許請求の範囲の「保持手段」が構成されている。
【0036】
図2および図5に示すように、各保持台26には、位置決めピン27(凸部)が上に突出するように設けられている。一方、板部材30の両端部には、それぞれ切欠き30c(凹部)が形成されている。この切欠き30cに、ピン27が嵌め込まれている。
位置決めピン27と切欠き30cとによって、特許請求の範囲の「凹凸嵌合部」が構成されている。
【0037】
図4に示すように、板部材30とロール電極22との間には、上記保持台26の突出量t1aに対応する厚さの隙間が形成されている。この隙間が、上記プラズマ空間1aとなっている。この空間1aに連続シート状ワークWが通されてプラズマ洗浄されることは、上述した通りである。
【0038】
作用を説明する。
プラズマ処理装置M1に板部材30を設置する際は、上部電極ユニット10を起立位置に位置させる。これによって、板部材30を、容易に一対の保持台26間に架け渡すことができ、ロール電極22上に容易に被せることができる。この時、板部材30の切欠き30cに位置決めピン27を嵌め込む。これによって、板部材30を容易に位置決めすることができる。勿論、金属部31は上に向け、誘電体部32は下に向ける。この段階では、板部材30は、略平らな状態を維持している。
【0039】
次に、上部電極ユニット10をセット位置まで回転させる。これによって、板部材30の軸方向の両端部が、凹面電極11と保持台26との間に挟まれ、板部材30全体が上に凸に湾曲される。そして、凹面電極11の部分円筒凹面11aの略全面に弾接される。これによって、板部材30の金属部31と凹面電極11とを良好かつ確実に電気的に導通させることができる。一方、板部材30の金属部31と凹面電極11との間に部分的に隙間があっても、そこでアークが立つことはない。また、金属部31と誘電体部32とは、それらの間に隙間が出来ないように積層しておくことができる。これによって、アークの発生を確実に防止することができる。
【0040】
板部材30のメンテナンスの際は、上部電極ユニット10を起立位置まで回転させる。これによって、保持手段11b,26による板部材30の保持状態を簡単に解除でき、板部材30を間単に取り出すことができる。そして、誘電体部32を貼り替えたり新しい板部材30に交換したりするなどのメンテナンスを容易に行なうことができる。
【0041】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、第2実施形態に係る常圧プラズマ処理装置M2では、板部材の形状が第1実施形態と異なっている。また、第1実施形態では、保持手段の第1、第2保持部材が、上下の電極ユニット10,20に分かれて設けられていたが、この第2実施形態では、両方とも上部電極ユニット10に設けられている。下部電極ユニット20には、上記第1実施形態の保持台26が設けられていない。
【0042】
詳述すると、図6および図7に示すように、第2実施形態の板部材30Xは、幅方向(部分円筒凹面11aの周方向に沿う湾曲方向)の両側でロール電極22から離れるように上方へ折曲されている。これにより、板部材30Xは、凹面電極11と対面する主部33と、この主部33の両端部から角度をなして延びる一対の延出部34とを有している。主部33と延出部34との折曲部を符号「35」で示す。
【0043】
なお、板部材30Xが、金属部31と誘電体部32の積層構造になっている点は、上記第1実施形態と同様である。勿論、金属部31は、主部33においては上側に位置し、延出部34においては内側(凹面電極11の側)に位置する。誘電体部32は、主部33においては下側に位置し、延出部34においては外側に位置している。なお、図7において、金属部31および誘電体部32の厚さは、誇張して示してある。
【0044】
図7の実線に示すように、非変形時の板部材30Xの主部33と延出部34は、略直角をなしている。これにより、板部材30Xは、断面「コ」字状をなしている。これに対し、図6および図7の仮想線に示すように、装置M2に装着した状態では、一対の延出部34が、互いに逆さ「ハ」字状をなすように変位され、これに伴い、主部33が湾曲(弾性変形)されて凹面電極11の部分円筒凹面11aに弾接されている。
【0045】
板部材30Xを上記変形状態で保持するための保持手段について説明する。
上述したように、装置M2の保持手段は、上部電極ユニット10に組み込まれている。図6に示すように、上部電極ユニット10の絶縁ホルダ12Xは、凹面電極11上に被せられたアッパープレート13と、このアッパープレート13と一体をなすとともに凹面電極11の周方向の両側面に宛がわれた一対のサイドプレート14と、このサイドプレート14とアッパープレート13の端部との間に挟まれた一対のサブプレート15とを備えている。これらプレート13〜15は、絶縁樹脂にて構成されている。サイドプレート14に凹面電極11が、絶縁樹脂製のボルト16によって固定されている。
サイドプレート14とサブプレート15の下端面は、互いに面一をなし、しかも外側へ向かって上へ傾く斜面になっている。
【0046】
また、装置M2においては、処理ガスノズルユニット41Xと吸引ノズルユニット42Xが、下部電極ユニット20にではなく上部電極ユニット10のアッパープレート13の両端部に垂設されている。(なお、図示は省略するが、カーテンガスノズルユニット43についても同様になっている。)各ノズルユニット41X,42Xは、プレート14,15の下端斜面と対向する側面を有しており、この側面が、外側へ向かって上に傾く斜面となっている。これにより、プレート14,15と各ノズルユニット41X,42Xとの間に、外側へ向かって上に傾く挿入孔12aが形成されている。この挿入孔12aの幅は、板部材30の厚さと略同じになっている。
【0047】
なお、図示は省略するが、挿入孔12aは、上部電極ユニット10の軸方向の両端面に開口されている。
挿入孔12aの上側の斜面を画成するプレート14,15は、「第1保持部材」を構成し、下側の斜面を画成するノズルユニット41X,42Xは、「第2保持部材」を構成している。
【0048】
両側の挿入孔12aに、板部材30の一対の延出部34がそれぞれ挿入固定されている。これによって、延出部34は、挿入孔12aの傾きに合わせて外側に倒されている。すなわち、折曲部35の展開方向(角度の増大方向)に変位されている。これに伴い、主部33が、折曲部35の展開を阻止すべく上に凸になるように湾曲されている。この結果、主部33が、凹面電極11の部分円筒凹面11aに弾接されることになる。
【0049】
更に、ノズルユニット41X,42Xには、上記挿入孔12a形成用の斜面の下端部から内側へ突出する突起41c,42c(ストッパ)が設けられている。これら突起41c,42cの水平をなす上面に、板部材30の折曲部35が突き当たっている。これによって、折曲部35が、ユニット10から脱落するのが阻止されている。ひいては、延出部34を挿入孔12a内に確実に留めておくことができ、主部33を部分円筒凹面11aに確実に弾接させておくことができる。
【0050】
メンテナンスの際は、板部材30Xを挿入孔12aの軸方向両端開口から引き抜いたり、ノズルユニット41X,42Xをアッパープレート13に固定しているボルト17を緩めて挿入孔12aを拡げたりすることにより、板部材30Xの保持状態を簡単に解除でき、板部材30Xを簡単に取り外すことができる。これによって、第2実施形態の装置M2においても、メンテナンスを容易に行なうことができる。
【0051】
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の形態を採用可能である。
例えば、実施形態では、金属部が金属板で構成されて保形性を有していたが、誘電体部を保形性と弾性を有する樹脂板で構成し、この樹脂板の片面に、金属部としてアルミ箔などの金属膜を貼り付けることにより、板部材を構成してもよい。
第1電極を下にし、第2電極を上にしてもよく、あるいは上下に限らず、水平や斜めに対向配置させてもよい。
第1実施形態において、「凹凸嵌合部」として、板部材30に凸部を設け、保持台26に凹部を設けてもよい。また、保持台26に代えて、凹面電極11の軸方向延出部11bに、板部材30との凹凸嵌合部を設けてもよい。第2実施形態においても、板部材30Xと保持部材14,15,41X,42Xに「凹凸嵌合部」を設けてもよい。
第2実施形態の板部材30Xに対する保持手段は、一対の延出部34を逆「ハ」字状に傾けるのに代えて、互いに接近方向に押し、これにより主部33を湾曲させるようなっていてもよい。
本発明は、常圧下だけでなく、減圧下でのプラズマ処理にも適用でき、グロー放電だけでなく、コロナ放電や沿面放電によるプラズマ処理にも適用でき、洗浄だけでなく、成膜、表面改質、アッシング、エッチング等の種々のプラズマ処理に遍く適用できる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、板部材ひいては誘電体部を第1電極の部分円筒面に容易に被せることができるとともに、この板部材と部分円筒面との間でアークが立つのを確実に防止できる。これによって、減圧下では勿論、略常圧下においても良好なプラズマ処理を行なうことができる。そして、メンテナンスの際は、板部材ひいては誘電体部を電極とは別途に簡単に取り外すことができ、交換などを容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る常圧プラズマ処理装置の正面断面図である。
【図2】上記常圧プラズマ処理装置の側面断面図である。
【図3】図1のIII部の詳細図である。
【図4】図2のIV部の詳細図である。
【図5】上記常圧プラズマ処理装置の上下の電極ユニットの分解斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る常圧プラズマ処理装置の正面断面図である。
【図7】上記第2実施形態に係る常圧プラズマ処理装置の板部材の斜視図である。
【符号の説明】
M1,M2 プラズマ処理装置
10 上部電極ユニット(第1電極ユニット)
11 凹面電極(第1電極)
11a 第1電極の部分円筒凹面
11b 凹面電極の軸方向延出部(第1電極側の保持部材、保持手段の構成要素)
12a 挿入孔
14 サイドプレート(第1保持部材、保持手段の構成要素)
15 サブプレート(第1保持部材、保持手段の構成要素)
20 下部電極ユニット(第2電極ユニット)
22 ロール電極(第2電極)
26 保持台(第2保持部材、保持手段の構成要素)
26a 保持台の円筒面
27 位置決めピン(凹凸嵌合部の構成要素)
30 板部材
30X 板部材
30c 切欠き(凹凸嵌合部の構成要素)
31 金属部
32 誘電体部
33 主部
34 延出部
35 折曲部
41X,42X ノズルユニット(第2保持部材)
41c 突起(ストッパ)

Claims (14)

  1. 部分円筒状の凹面を有する第1電極のユニットと、上記部分円筒凹面と対をなす円筒状の第2電極のユニットとを備えたプラズマ処理装置であって、上記第1、第2電極ユニットから分離可能かつ弾性変形可能な板部材と、この板部材の保持手段とを設け、上記板部材が、上記第1電極の部分円筒凹面に面する金属部と、この金属部ひいては上記部分円筒凹面を覆う誘電体部とを積層一体化してなり、上記保持手段が、板部材を部分円筒凹面に添接するように弾性変形させた状態で保持可能かつ保持解除可能であることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 上記板部材が、上記保持手段によって部分円筒凹面に弾性を持って押し当てられることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 上記保持手段が、第1電極ユニットまたは第2電極ユニットに一体に組み込まれていることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 上記保持手段が、第1電極側の第1保持部材と、第2電極側の第2保持部材とを有し、これら第1、第2保持部材によって板部材の端部を挟み付けることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のプラズマ処理装置。
  5. 上記第1保持部材が、第1電極ユニットに設けられ、第2保持部材が、第2電極ユニットに設けられていることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理装置。
  6. 上記第1電極が、第2保持部材と協働して板部材を挟むことにより第1保持部材として提供されていることを特徴とする請求項4または5に記載のプラズマ処理装置。
  7. 上記第2保持部材が、上記部分円筒凹面と相対する円筒面を有していることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載のプラズマ処理装置。
  8. 上記第2保持部材の円筒面が、上記第2電極より第1電極に向けて径方向に所定量だけ突出されていることを特徴とする請求項7に記載のプラズマ処理装置。
  9. 上記板部材が、非変形時において全体的に略平らであることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のプラズマ処理装置。
  10. 上記板部材が、上記部分円筒凹面の周方向の両端部において第2電極から離れる方向へ延出するように折曲され、この折曲部より部分円筒凹面側の主部が上記添接状態になるようにして、折曲部から先の延出部が、上記保持手段に保持されることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のプラズマ処理装置。
  11. 上記保持手段が、上記延出部を折曲部の展開方向に変位させ、これにより、上記主部が、折曲部の展開を阻止すべく湾曲されることを特徴とする請求項10に記載のプラズマ処理装置。
  12. 上記保持手段が、上記延出部を上記変位状態で挿入配置する挿入孔を有していることを特徴とする請求項11に記載のプラズマ処理装置。
  13. 更に、上記保持手段が、上記折曲部に突き当たることにより板部材の第1電極からの脱落を阻止するストッパを有していることを特徴とする請求項12に記載のプラズマ処理装置。
  14. 上記保持手段と板部材とには、互いに嵌合される位置決め用の凹凸嵌合部が設けられていることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載のプラズマ処理装置。
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