JP2004324983A - 空調装置 - Google Patents

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Shinichi Hara
慎一 原
Seiji Inoue
誠二 井上
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Valeo Thermal Systems Japan Corp
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Zexel Valeo Climate Control Corp
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Abstract

【課題】本発明の目的は、冷房・除湿運転を終了した後、冷房・除湿運転に伴って生成したエバポレータへの結露水を乾燥除去することでエバポレータ及びその周辺部に付着した排ガス、微生物等の臭気物質を除去することが可能な空調装置を提供することである。
【解決手段】本発明に係る空調装置は、冷房・除湿運転終了後にコンプレッサから吐出された冷媒をコンデンサに送らずに第2膨張弁へ送るための分岐切替手段を設け、第2膨張弁を通過した冷媒をエバポレータへ送るバイパス経路を設けたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調装置の冷房・除湿運転時に生成するエバポレータの結露水を運転終了時に乾燥させることができる機能を有した空調装置、特に車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
空調装置、特に自動車用空調装置から悪臭が発生する原因として、空調装置内への排気ガス等の臭気物質の付着、空調装置内に繁殖した細菌等の微生物の活動が挙げられる。空調装置内は、エバポレータコアから発生する結露水によって臭気物質が付着しやすくなっていると共に、細菌類の繁殖しやすい環境となっている。
【0003】
細菌類の繁殖に対しては、空調装置内の樹脂に抗菌剤を配合する方法やエバポレータフィン表面に抗菌剤を分散させる方法(例えば特許文献1を参照。)等の対策が多く試みられているが、抗菌剤の上にダストが堆積すると効果がなくなるという問題があった。そこでその対策として揮発性の抗菌剤を使用する方法が提案されている(例えば特許文献2、3を参照。)。これらの技術は揮発性抗菌剤を空調装置内に置くということであるが、風がながれる流路に配置するため、空調装置の運転時にも抗菌剤が揮発して寿命が短くなるという欠点があった。
【0004】
また、エバポレータファンを逆回転させてヒータコイルで加熱した空気をエバポレータに吹きかけてその表面を乾燥させる技術が開示されている(例えば特許文献4を参照。)。しかし、冷房運転時にヒータコイルを作動しなければならず、乾燥時間もかかるという問題がある。
【特許文献1】特開平10−185357号公報、図2
【特許文献2】特開平11−211126号公報、特許請求の範囲
【特許文献3】特開2000−88270号公報、特許請求の範囲
【特許文献4】特開平8−132864号公報、請求項1
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、冷房・除湿運転を終了した後、空調装置内部、特に車両用空調装置のエバポレータにガス状の冷媒を流すことでエバポレータを加熱し、冷房・除湿運転に伴って生成したエバポレータへの結露水を乾燥除去させることが可能な空調装置、すなわちエバポレータへの結露水を乾燥する際にエバポレータ及びその周辺部に付着した臭気物質を結露水と共に散失させ、同時に細菌等の微生物が繁殖しにくい環境を作ることで微生物由来の臭気発生をさせない装置を提供することである。
【0006】
本発明の目的は、冷房・除湿運転終了時においてもコンプレッサを作動させる手段を設けてエバポレータの結露水を除去することを目的とする。ここで、冷房・除湿運転終了には、エンジン(車両用動力装置)の稼動中に空調装置をオフにすることによって終了する場合の他、エンジンをイグニションキーで終了した場合を含む。特にエンジン停止後は空調装置も同時に停止するため、エバポレータの結露水がそのまま放置されることとなるが、このような使われ方は非常に頻繁である。本発明は、このようなときにおいても結露水を乾燥除去しうる空調装置を提供することである。
【0007】
また本発明の目的は、エンジン停止後においてコンプレッサを作動させるために、その動力源をエンジンではなく電気モーターとし、ハイブリットカーや電気自動車に搭載可能な空調装置を提供することである。
【0008】
本発明では、エバポレータへの結露は、冷房・除湿運転の際に常に生じることから、エバポレータの乾燥を冷房・除湿運転の終了のたびに行なう空調装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の目的を達成するために、鋭意開発した結果、コンプレッサから吐出される高温高圧のガス状冷媒をバイパス経路を設けてエバポレータに流すことでエバポレータの結露水が早期に乾燥除去でき、この乾燥により排気ガスや微生物由来の臭気物質を除去できることを見出して本発明を完成させた。バイパス経路は単純な切替手段を設けるのみで安価に設置することが可能である。すなわち本発明に係る空調装置は、気化状態の冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサと、該コンプレッサから吐出された前記冷媒を冷却し該冷媒を凝縮するコンデンサと、該コンデンサで凝縮した前記冷媒を絞り作用により気液混合体にする膨張弁と、該膨張弁で気液混合体となった前記冷媒の蒸発熱により空気を冷却除湿するエバポレータとを少なくとも備えた冷凍サイクルを行なう空調装置において、冷房・除湿運転終了後に前記コンプレッサから吐出された前記冷媒を前記コンデンサに送らずに第2膨張弁へ送るための分岐切替手段を設け、前記第2膨張弁を通過した前記冷媒を前記エバポレータへ送るバイパス経路を設けたことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る空調装置では、冷房・除湿運転終了後において前記コンプレッサをオンオフさせるコンプレッサ作動手段を設けることが好ましい。
【0011】
ここで本発明に係る空調装置では、前記コンプレッサは電気モーター駆動型コンプレッサであることが好ましい。
【0012】
また本発明に係る空調装置では、冷房・除湿運転終了後において前記分岐切替手段の設定を制御する分岐切替制御手段を設けることが好ましい。
【0013】
さらに本発明に係る空調装置では、前記分岐切替制御手段は、冷房・除湿運転終了ごとに、前記コンプレッサから吐出された前記冷媒を前記バイパス経路に送るように前記分岐切替手段を設定することが好ましい。
【0014】
本発明に係る空調装置では、前記分岐切替制御手段は、冷房・除湿運転終了後所定時間経過時から冷房・除湿運転再開始時までのいずれかの時に、前記冷凍サイクルを行なう経路に前記冷媒を送るように前記分岐切替手段を設定することが好ましい。
【0015】
さらに本発明に係る空調装置では、前記分岐切替制御手段は、冷房・除湿運転終了後に前記コンプレッサから吐出された前記冷媒を前記バイパス経路に送るように前記分岐切替手段を設定し、前記冷媒によって前記エバポレータに付着した結露水を乾燥させた後、前記コンプレッサ作動手段は前記コンプレッサを停止させることが好ましい。
【0016】
また本発明に係る空調装置では、冷房・除湿運転終了は、車両用動力装置の稼動中に空調装置制御パネルを操作することによりなされるか、或いは前記車両用動力装置のイグニションキーをオフにすることによりなされることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照しながら発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。
【0018】
本実施例に係る空調装置の構成の一形態を図1に示した。図1の空調装置は、気化状態の冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサ1と、コンプレッサ1から吐出された冷媒を冷却し冷媒を凝縮するコンデンサ5と、コンデンサ5で凝縮した冷媒を絞り作用により気液混合体にする膨張弁8と、膨張弁8で気液混合体となった冷媒の蒸発熱により空気を冷却除湿するエバポレータ11とを少なくとも備えた冷凍サイクルを行なう。エバポレータ11を通過する空気流れを形成するためにブロア12が設けられている。
【0019】
図1に示すように冷凍サイクルを行なう基本構成に加えてコンデンサ5と膨張弁8の間にレシーバドライヤ7を設けることが好ましい。コンデンサ5の空冷用にファン6を設け、冷媒を冷却し液化させる。また、エバポレータ11とコンプレッサ1との間にアキュムレータ13を設けることが好ましい。
【0020】
コンプレッサ1は、低温低圧ガスの冷媒を高温高圧ガスの冷媒にするものである。
【0021】
コンデンサ5は、高温高圧の冷媒を空冷して凝縮させることによってエバポレータ11で吸収した熱を外気へ捨てるものである。
【0022】
レシーバドライヤ7は、気体冷媒と液体冷媒を分離して液体冷媒のみを膨張弁8に送るためのものである。
【0023】
膨張弁8は、レシーバドライヤ7で気液分離された液体冷媒を蒸発しやすい低温の液体と気体の冷媒にすると同時に流量の調整を行なうものである。
【0024】
エバポレータ11は気液混合体となった冷媒を気化させ、そのときの蒸発熱によりエバポレータ11を通過する空気を冷却除湿する。空気流れはブロア12によって形成する。冷却除湿した空気を車室内へ送るための手段とは、車室内へ空気を送るためのダクト(不図示)、このダクト内で空気を送風させるブロア(不図示)、これらの制御手段(不図示)等により構成されるものである。エバポレータ11は、このダクト内に設置される。
【0025】
アキュムレータ13は、エバポレータ11を通過した気液混合状態の冷媒を気液分離して、気体冷媒のみをコンプレッサ1に送るためのものである。
【0026】
図1の装置では、冷凍サイクルを行なう上記基本構成に加えて、エバポレータ11に生じた結露水を乾燥除去するために高温高圧の冷媒をエバポレータ11に送るためのバイパス経路15を設ける。バイパス経路15の起点は、コンプレッサ1とコンデンサ5との間とする。バイパス経路15の終点は、膨張弁8とエバポレータ11の間とする。
【0027】
バイパス経路15には、冷媒の圧力を低圧化させるための第2膨張弁(減圧弁)16を設けることが好ましい。第2膨張弁16を設けることによりエバポレータ11の破裂を防止できる。
【0028】
第2膨張弁16は、エバポレータ11を破裂させない程度の圧力まで高温高圧の気体冷媒を低圧化すると共に流量を調整するために設ける。
【0029】
さらに、冷房・除湿運転終了後にコンプレッサ1から吐出された冷媒をコンデンサ5に送らずに第2膨張弁16へ送るための分岐切替手段を設ける。分岐切替手段は、冷凍サイクル経路4とバイパス経路15との分岐点の近くに設け、例えば図1に示すようにバイパス経路15のバルブ14,17と、冷凍サイクル経路4のバルブ3,9から構成される。これらのバルブは、冷凍サイクル経路4又はバイパス経路15のいずれか一方にのみ冷媒を流すために設けるものである。分岐切替手段は、バルブ3,14を用いずに3方切替弁(不図示)を用いても良い。また、バルブ9,17を用いずに3方切替弁(不図示)を用いても良い。
【0030】
分岐切替手段は、分岐切替制御手段により切り替えの設定を切り替える。分岐切替制御手段は分岐切替手段の設定を冷房・除湿運転終了後に制御を行なう。図1では、バイパス経路15の起点にはバルブ3,14を設け、一方バイパス経路15終点にはバルブ9,17を設け、これらのバルブにより分岐の切り替えを行なう構成を示している。例えば冷凍サイクル経路4に冷媒を流す場合、分岐切替制御手段A18はバルブ3を開、バルブ14を閉、分岐切替制御手段B19はバルブ9を開、バルブ17を閉にそれぞれ設定する。一方バイパス経路15に冷媒を流す場合、分岐切替制御手段A18はバルブ3を閉、バルブ14を開、分岐切替制御手段B19はバルブ9を閉、バルブ17を開にそれぞれ設定する。図1では分岐切替制御手段として、分岐切替制御手段A,Bを設けたが、1つの分岐切替制御手段でバルブ3,9,14,17の開閉の制御を行なっても良い。また、それぞれのバルブにつき分岐切替制御手段を設けても良い。
【0031】
分岐切替制御手段は、冷房・除湿運転終了ごとに、コンプレッサ1から吐出された冷媒をバイパス経路15に送るように分岐切替手段を設定することが好ましい。すなわち、冷房・除湿運転が終了と判断される度に、分岐切替制御手段A18はバルブ3を閉、バルブ14を開、分岐切替制御手段B19はバルブ9を閉、バルブ17を開に設定する。冷房・除湿運転終了ごとに結露水の乾燥除去を行なうことで、エバポレータ11及びHVAC内のエバポレータ周囲に付着した排気ガス等の臭気物質の除去効率を高めることが出来る。また微生物の繁殖の抑制効果を高めることが出来る。
【0032】
冷房・除湿運転を再開する際には、冷凍サイクルを行なう必要があるため、分岐切替制御手段は、分岐切替手段の設定を、冷凍サイクルを行なう設定に切り替えておくことが好ましい。すなわち、分岐切替制御手段は、冷房・除湿運転終了後所定時間経過時から冷房・除湿運転再開始時までのいずれかの時に、冷凍サイクル経路4に冷媒を送るように分岐切替手段を設定する。例えば図1では、分岐切替制御手段A18はバルブ3を開、バルブ14を閉、分岐切替制御手段B19はバルブ9を開、バルブ17を閉に設定する。冷房・除湿運転終了後所定時間経過時とは、具体的には、冷房・除湿運転終了後、冷媒をエバポレータ11に送ってエバポレータ11の結露水が完全に乾燥除去される時である。実際に乾燥するまでの時間については後述する実施例にて述べる。エバポレータ11が乾燥された後、冷房・除湿運転再開始時までのいずれかの時に、冷凍サイクル経路4に冷媒を送るように分岐切替手段を設定しておけば、冷凍サイクルは冷房・除湿運転開始後遅滞なく開始することが出来る。
【0033】
本実施形態では冷房・除湿運転終了は、車両用動力装置の稼動中に空調装置制御パネルを操作することによりなされるか、或いは車両用動力装置のイグニションキーをオフにすることによりなされる。車両用動力装置の稼動中に空調装置制御パネルを操作することにより冷房・除湿運転終了を行った場合、エンジンは稼動しているのでコンプレッサ1はエンジンを動力として作動させることが出来る。したがって、冷房・除湿運転終了を行った後にコンプレッサ1から吐出された冷媒をエバポレータ11に送ることが出来る。一方、車両用動力装置のイグニションキーをオフにすると空調装置は終了してしまう。するとコンプレッサ1は動力を失うので冷媒をエバポレータ11に送ることが出来ず、エバポレータ11に結露水がそのまま残ってしまう。よって排気ガス等の臭気物質はエバポレータ11のフィンやHVAC内に付着したままの状態となり、微生物が繁殖しやすい環境となる。そこで、エンジン停止した後でもコンプレッサ1を動かすことが出来るように、コンプレッサ1は電気モーター駆動型コンプレッサであることが好ましい。図1にエンジン停止時にもコンプレッサ1を作動させることが出来る構成の一形態を示した。すなわちコンプレッサ1は電気モーター2を動力源として動かされる。電気モーター2は制御部20によってオン−オフを制御する。コンプレッサ作動手段は、電気モーター2と制御部20によって構成され、冷房・除湿運転終了後においてコンプレッサ1をオンオフさせることが出来る。
【0034】
このようにコンプレッサ1はモーターにより駆動し空調装置を作動させる機能を持たせ、快適性を追求することが好ましい。モーターと発電機の機能を持たせた「モーター/ジェネレーター」を搭載し、運転状況に応じてモーター、発電機を切り替えて使用しても良い。
【0035】
電気自動車又はハイブリットカーの空調装置において、電気モーター駆動型コンプレッサは追加費用なしに電動制御し得るので、本実施形態の空調装置は電気自動車又はハイブリットカーの空調装置として特に適している。
【0036】
コンプレッサ作動手段は、冷媒によってエバポレータ11に付着した結露水を乾燥させた後、コンプレッサ1を停止させる。
【0037】
次に本実施形態にかかる空調装置の運転方法について図1、図2及び図3を参照しながら説明する。図1に、冷房・除湿運転時の冷媒の流れを矢印で示した。バルブ3,9は開、バルブ14,17は閉と設定している。図3に空調装置の運転のフロー図を示した。空調装置をオンとすることで(図3の50)、冷媒は、コンプレッサ1で高温高圧の気体冷媒として吐出され、コンデンサ5によって冷却されて液化する。次にレシーバドライヤ7で気液分離されて液体冷媒のみが膨張弁8により低温の液体・気体混合冷媒とされる。さらに経路10を通った冷媒はエバポレータ11で空気から熱を冷媒に吸収させる。吸熱した冷媒をアキュムレータ13で気液分離して気体のみをコンプレッサ1に送る。このような冷凍サイクルを通常運転(図3の51)にて行なうことにより、エバポレータ11では冷却された空気より水分がフィンに結露する。結露水はエバポレータ11のフィンのみならず、HVAC内の壁面にも付着する場合もある。
【0038】
冷房・除湿運転を終了させた場合(図3の52)、図2の矢印で示すように、バイパス経路15に冷媒を流す。冷房・除湿運転を終了させるケースとしてはエンジンを停止したか否かの判定(図3の54)を行なう。(1)エンジンを動かしているときに空調装置をオフにした場合(図3の59)と、(2)エンジンを停止した場合(図3の55)、がある。これらいずれの場合においても、バイパス経路15に冷媒を流す。
【0039】
(1)の場合はエンジンの駆動を利用して空調装置をオフにした後もそのままコンプレッサ1を作動させる(図3の59)。
【0040】
(2)の場合はエンジンを停止した後も、制御部20は電気モーター2を作動させて(図3の55)コンプレッサ1を作動させる。
【0041】
分岐切替制御手段A18により、バルブ3を閉、バルブ14を開に設定する。また、分岐切替制御手段B19により、バルブ17を開、バルブ9を閉に設定する。
【0042】
冷媒は、コンプレッサ1で高温高圧の気体冷媒として吐出され、バイパス経路15を通って、第2膨張弁16によって高温低圧の気体冷媒とされる。そして経路10を通った冷媒はエバポレータ11に送られて、結露水を加熱乾燥させる。結露水を加熱乾燥させることにより放熱した冷媒は、アキュムレータ13で気液分離して気体のみをコンプレッサ1に送る(以上をホットガス運転という。図3の56)。
【0043】
ホットガス運転を行なった後、所要時間t0経過したか否かの判定を行なう(図3の57)。所要時間t0はエバポレータ11を乾燥させるために要する時間である。
【0044】
図4に外温度とホットガス必要作動時間の関係の一例を示した。外温度が20℃の場合はエバポレータに結露水が付着しないが、外温度が30度の場合、約15分間のホットガス運転が必要である。また、外温度が40度の場合、約30分間のホットガス運転が必要である。
【0045】
所要時間t0経過した後、運転再開時までに初期状態に戻す(図3の60)。すなわち、分岐切替制御手段A18により、バルブ3を開、バルブ14を閉に設定する。また、分岐切替制御手段B19により、バルブ17を閉、バルブ9を開に設定する。この切り替えにより、冷凍サイクルを再開させることが出来る。
【0046】
所要時間t0を経過しない場合としては、結露水の乾燥除去終了前に冷房・除湿運転を再開した場合が考えられる(図3の58)。
【0047】
【実施例】
図1、図2に示した空調装置を作動させたときのエバポレータ中の水分量の時間経過による変化を図5に示した。時間0分は冷房運転を開始したときである。冷房運転10分後には、エバポレータ中に150gもの水分が結露することがわかる。10分後、冷房運転を終了してそのまま何もしない場合を図中の従来例として示した。冷房運転の終了により、エバポレータ中の結露水の増加はなく、4分間程度(時間11分〜14分)でエバポレータ中の水分量は100gに減少した。その後、時間25分まで水分量は100gのまま一定であった。これはエバポレータのフィン間に結露水が付着したままの状態となることを示していて、排気ガスの付着がし易く、また微生物の繁殖が行われやすい。一方、冷房運転を終了すると同時に、バイパス経路15に高温の冷媒を送った場合を図中の本発明として示した。高温の冷媒がバイパス経路15を通過してエバポレータ11に導かれ、エバポレータ11を昇温させる。この時のエバポレータの温度は約62℃であった。これによってエバポレータ11に付着した結露水は5分間程度(時間11分〜15分)で完全に乾燥除去される。図5によると、冷房運転終了後、5〜10分間程度、バイパス経路に冷媒を送った後、冷媒輸送の停止、すなわちコンプレッサ1を停止して良いことが読み取れる。
【0048】
次に、図1、図2に示した空調装置を作動させたときのHVAC内の温湿度の時間経過による変化を図6に示した。なお、HVAC内の温湿度はエバポレータ周囲で測定した。時間0分〜9分は冷房運転を行っており、HVAC内が一定の温湿度を保っている様子を示している。すなわち、温度は約17℃で湿度は100%RHである。時間9分後に冷房運転を終了してそのまま何もしない場合を図中の従来例温度、従来例湿度として示した。冷房運転を終了しても、HVAC内の温度はほとんど変化なく、時間10分〜24分の間18〜19℃であった。また、HVAC内の湿度は、時間10分〜14分の間にわずかに低下してその後(時間15分〜24分)は90%RHで一定であった。これはHVAC内にも結露水が付着したままの状態となることを示していて、排気ガスの付着がし易く、また微生物の繁殖が行われやすい。一方、冷房運転を終了すると同時に、バイパス経路15に高温の冷媒を送った場合を図中の本発明温度、本発明湿度として示した。高温の冷媒がバイパス経路15を通過してエバポレータ11に導かれ、エバポレータを昇温させる。これによって、HVAC内の温度は8分間程度(時間10分〜17分)で55℃程度まで上昇する。HVAC内の温度上昇に伴って、時間10分〜14分の5分間でHVAC内の湿度は45%RH程度まで低下する。すなわち、HVAC内は5分間で同時に完全に乾燥除去される。図6によると、冷房運転終了後、5〜10分間程度、バイパス経路に冷媒を送ってHVAC内を55℃程度まで昇温させた後、冷媒輸送の停止、すなわちコンプレッサ1を停止して良いことが読み取れる。
【0049】
図6から、HVAC内の温度が40℃以上となったときに、HVAC内の湿度が45%RHまで低下していることから、バイパス経路に冷媒を送りエバポレータを加熱することで、HVAC内を40℃以上、好ましくは50〜60℃程度に昇温させることがよい。バイパス経路に冷媒を送ることによるエバポレータの加熱は、45℃以上、好ましくは60〜80℃程度まで行なうことが良い。温度が高いほど、乾燥が早期に終了し、コンプレッサを早期に停止できる。
【0050】
次にドレン水を下記の通り調査した。ドレン水を採取し、寒天培地上にドレン水の一部、0.05ccを滴下し、コンラージ棒で平滑化した後、35℃で72時間培養し、菌数をカウントした。表1に示すように、本実施例に係る空調装置では細菌、カビの繁殖を防止し、微生物由来の臭気を抑制できる。表中、実施例とは本実施例に係る空調装置の場合、比較例とは従来の空調装置(バイパス経路を設置しない空調装置)の場合における結果である。
【表1】
Figure 2004324983
【0051】
【発明の効果】
本発明の空調装置では、冷房・除湿運転を終了した後、空調装置内部、特に車両用空調装置のエバポレータにガス状の冷媒を流すことでエバポレータを加熱し、冷房・除湿運転に伴って生成したエバポレータへの結露水を乾燥除去させることができるので、エバポレータ及びその周辺部に付着した臭気物質を結露水と共に散失させることが出来る。さらに結露水を除去することで細菌等の微生物の繁殖を抑制させることが出来る。
【0052】
本発明の空調装置では、エンジン(車両用動力装置)の稼動中に空調装置をオフにする場合、或いはエンジンをイグニションキーで停止した場合のいずれにおいても、エバポレータの結露水をそのまま放置せず、乾燥除去させることが可能な空調装置を提供し、臭気物質の除去と微生物の繁殖抑止を効果的に行なうことが出来る。さらにエバポレータの乾燥を冷房・除湿運転の終了のたびに行なうことで一層効果が上がる。
【0053】
本発明の空調装置は、特にハイブリットカーや電気自動車に最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る空調装置の構成の一形態の概略図であって、冷凍サイクルを行っている場合の冷媒の流れを示す図である。
【図2】本実施形態に係る空調装置の構成の一形態の概略図であって、バイパス経路に冷媒を流してエバポレータを乾燥させている場合の冷媒の流れを示す図である。
【図3】本実施形態にかかる空調装置の運転の一形態を示すフロー図である。
【図4】外温度とホットガス必要作動時間の関係の一例を示す図である。
【図5】図1、図2に示した空調装置を作動させたときのエバポレータ中の水分量の時間経過による変化を示す図である。
【図6】図1、図2に示した空調装置を作動させたときのHVAC内の温湿度の時間経過による変化を示す図である。
【符号の説明】
1,コンプレッサ
2,電気モーター
3,バルブ
4,冷凍サイクル経路
5,コンデンサ
6,ファン
7,レシーバドライヤ
8,膨張弁
9,バルブ
10,経路
11,エバポレータ
12,ブロア
13,アキュムレータ
14,バルブ
15,バイパス経路
16,第2膨張弁(減圧弁)
17,バルブ
18,分岐切替制御手段A
19,分岐切替制御手段B
20,制御部20

Claims (8)

  1. 気化状態の冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサと、該コンプレッサから吐出された前記冷媒を冷却し該冷媒を凝縮するコンデンサと、該コンデンサで凝縮した前記冷媒を絞り作用により気液混合体にする膨張弁と、該膨張弁で気液混合体となった前記冷媒の蒸発熱により空気を冷却除湿するエバポレータとを少なくとも備えた冷凍サイクルを行なう空調装置において、
    冷房・除湿運転終了後に前記コンプレッサから吐出された前記冷媒を前記コンデンサに送らずに第2膨張弁へ送るための分岐切替手段を設け、前記第2膨張弁を通過した前記冷媒を前記エバポレータへ送るバイパス経路を設けたことを特徴とする空調装置。
  2. 前記コンプレッサを冷房・除湿運転終了後においてオンオフさせるコンプレッサ作動手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の空調装置。
  3. 前記コンプレッサは電気モーター駆動型コンプレッサであることを特徴とする請求項1又は2記載の空調装置。
  4. 冷房・除湿運転終了後において前記分岐切替手段の設定を制御する分岐切替制御手段を設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の空調装置。
  5. 前記分岐切替制御手段は、冷房・除湿運転終了ごとに、前記コンプレッサから吐出された前記冷媒を前記バイパス経路に送るように前記分岐切替手段を設定することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の空調装置。
  6. 前記分岐切替制御手段は、冷房・除湿運転終了後所定時間経過時から冷房・除湿運転再開始時までのいずれかの時に、前記冷凍サイクルを行なう経路に前記冷媒を送るように前記分岐切替手段を設定することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の空調装置。
  7. 前記分岐切替制御手段は、冷房・除湿運転終了後に前記コンプレッサから吐出された前記冷媒を前記バイパス経路に送るように前記分岐切替手段を設定し、前記冷媒によって前記エバポレータに付着した結露水を乾燥させた後、前記コンプレッサ作動手段は前記コンプレッサを停止させることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の空調装置。
  8. 冷房・除湿運転終了は、車両用動力装置の稼動中に空調装置制御パネルを操作することによりなされるか、或いは前記車両用動力装置のイグニションキーをオフにすることによりなされることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の空調装置。
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