JP2003211947A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

Info

Publication number
JP2003211947A
JP2003211947A JP2002010212A JP2002010212A JP2003211947A JP 2003211947 A JP2003211947 A JP 2003211947A JP 2002010212 A JP2002010212 A JP 2002010212A JP 2002010212 A JP2002010212 A JP 2002010212A JP 2003211947 A JP2003211947 A JP 2003211947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat exchanger
air
cold storage
pressure side
indoor heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002010212A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuya Makizono
一哉 牧薗
Masafumi Nakajima
雅文 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2002010212A priority Critical patent/JP2003211947A/ja
Publication of JP2003211947A publication Critical patent/JP2003211947A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒートポンプ装置の暖房運転起動直後におけ
る窓ガラスの曇りを防止すると共に、暖房能力を充分に
発揮できる車両用空調装置を提供する。 【解決手段】 車室内へ向かって空気が流れる空調ケー
ス111と、空調ケース111内に設けられ、ヒートポ
ンプ装置120の冷房運転時に低圧側熱交換器として作
用し、ヒートポンプ装置120の暖房運転時には高圧側
熱交換器として作用する室内熱交換器112と、空調ケ
ース111内に設けられ、温水を熱源として空気を加熱
するヒータコア113とを有する車両用空調装置におい
て、室内熱交換器112が低圧側熱交換器として作用す
る時に冷却される空気によって蓄冷される蓄冷熱交換器
114を、室内熱交換器112の空気流れ下流側に設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両エンジンから
の温水を熱源とする温水式暖房装置とヒートポンプ装置
とを併用して車室内の暖房を行う車両用空調装置におい
て、暖房能力の向上を図るようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用空調装置では、冬季暖房時
に温水(エンジン冷却水)を暖房用ヒータコアに循環さ
せ、このヒータコアにて温水を熱源として空調空気を加
熱する温水式暖房装置を備えている。この場合、温水温
度が低い時には車室内への吹出し空気温度が低下して必
要な暖房能力が得られない。
【0003】そこで、特公平5−39807号公報にお
いては、上記の温水式暖房装置に更にヒートポンプ装置
を組合せ、温水式ヒータコアの吹出し空気温度あるいは
温水温度が所定温度以下の時には、ヒートポンプ装置を
暖房運転させ、温水式ヒータコアを通過した空気をヒー
トポンプ装置の室内熱交換器で加熱することにより、暖
房能力の向上を図ることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
ヒートポンプ装置の暖房運転時において室外熱交換器表
面に発生する霜を除去するために、一旦、ヒートポンプ
装置を冷房運転に切換えて室内熱交換器を蒸発器として
作動させる(室外熱交換器を放熱器として作動させる)
場合が生ずる。そして、上記の霜を除去した後には、暖
房能力を確保するために再びヒートポンプ装置を暖房運
転で起動させることになる。
【0005】上記のような場合には、ヒートポンプ装置
の冷房運転時に室内熱交換器の表面に凝縮水が生成され
て残存するので、ヒートポンプ装置を暖房運転で起動す
ると、その直後は室内熱交換器の放熱作用によって、室
内熱交換器の温度が急上昇し凝縮水が蒸発して車室内へ
吹出し、車両窓ガラスを曇らせるという不具合が発生す
る。
【0006】この窓ガラスの曇りを防止するためには、
一旦室内熱交換器の暖房能力を下げて、凝縮水の急激な
蒸発を抑えることが必要になると考えられるが、これで
は本来の暖房能力が満足できなくなる。
【0007】本発明の目的は、上記問題に鑑み、ヒート
ポンプ装置の暖房運転起動直後における窓ガラスの曇り
を防止すると共に、暖房能力を充分に発揮できる車両用
空調装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、以下の技術的手段を採用する。
【0009】請求項1に記載の発明では、車室内へ向か
って空気が流れる空調ケース(111)と、空調ケース
(111)内に設けられ、ヒートポンプ装置(120)
の冷房運転時に低圧側熱交換器として作用し、ヒートポ
ンプ装置(120)の暖房運転時には高圧側熱交換器と
して作用する室内熱交換器(112)と、空調ケース
(111)内に設けられ、温水を熱源として空気を加熱
するヒータコア(113)とを有する車両用空調装置に
おいて、室内熱交換器(112)が低圧側熱交換器とし
て作用する時に冷却される空気によって蓄冷される蓄冷
熱交換器(114)を、室内熱交換器(112)の空気
流れ下流側に設けたことを特徴としている。
【0010】これにより、蓄冷熱交換器(114)は、
室内熱交換器(112)が低圧側熱交換器として作用す
る時に、そこで冷却される空気によって蓄冷される。そ
の後、室内熱交換器(112)が高圧側熱交換器として
作用する時に、先にこの室内熱交換器(112)に生成
された凝縮水が蒸発することになるが、その直後におい
ては蓄冷された蓄冷熱交換器(114)によって再び凝
縮されるので、即ち、空調空気は蓄冷熱交換器(11
4)によって除湿されるので、車室内に吹出して窓ガラ
スを曇らせることが無い。そして、室内熱交換器(11
2)の暖房能力を下げること無く、ヒータコア(11
3)との両者によって充分な暖房能力を発揮できる。
【0011】請求項2に記載の発明では、空調ケース
(111)内で蓄冷熱交換器(114)をバイパスする
バイパス流路(115)と、蓄冷熱交換器(114)お
よびバイパス流路(115)を流通する空気流量を調整
する流量調整手段(116a、116b)と、流量調整
手段(116a、116b)の作動を制御する制御手段
(130)とが設けられ、室内熱交換器(112)が低
圧側熱交換器から高圧側熱交換器に切換えられて作用し
ている時に、制御手段(130)は、低圧側熱交換器と
して作用していた時の室内熱交換器(112)に生成さ
れた凝縮水が蒸発された後に、バイパス流路(115)
側を流通する空気流量が最大側に、蓄冷熱交換器(11
4)側を流通する空気流量が所定量となるように、流量
調整手段(116a、116b)の作動を制御すること
を特徴としている。
【0012】これにより、蓄冷熱交換器(114)を流
通する空気流量を所定量に抑えることができるので、蓄
冷熱交換器(114)で再凝縮した凝縮水が一気に蒸発
するのを抑え、蓄冷熱交換器(114)に再凝縮した凝
縮水による窓ガラスの曇りを防止できる。尚、室内熱交
換器(112)で加熱された大半の空気をバイパス流路
(115)から流すことができるので、ヒータコア(1
13)の加熱と合せて暖房能力を充分に発揮させること
ができる。
【0013】請求項3に記載の発明では、室内熱交換器
(112)が高圧側熱交換器から低圧側熱交換器として
作用するように切換えられた直後、あるいは低圧側熱交
換器から高圧側熱交換器として作用するように切換えら
れた直後には、制御手段(130)は、蓄冷熱交換器
(114)側を流通する空気流量が最大側に、バイパス
流路(115)側を流通する空気流量が最少側になるよ
うに、流量調整手段(116a、116b)の作動を制
御することを特徴としている。
【0014】これにより、室内熱交換機(112)を通
過した空気をすべて蓄冷熱交換器(114)に流通させ
ることができるので、室内熱交換器(112)が低圧側
熱交換器として作用している場合は、効率良く蓄冷熱交
換器(114)を蓄冷することができる。また、室内熱
交換器(112)が高圧側熱交換器として作用している
場合は、蒸発した凝縮水を効率良く除湿することができ
る。
【0015】尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述す
る実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもので
ある。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本発明の第1実
施形態を図1〜図5に示す。図1は車両用空調装置10
0の全体構成を示すものであり、冷凍サイクルは冷房運
転と暖房運転を切換え可能なヒートポンプ装置120と
して構成されている。尚、本実施形態のヒートポンプ装
置120は、冷媒としてCO2を用いた超臨界冷凍サイ
クルにて構成してある。この超臨界冷凍サイクルは、周
知のものであり、高圧側冷媒が臨界圧力よりも高い圧力
状態で使用される場合があり、その場合は高圧側冷媒が
凝縮せずガス状態のまま放熱する。
【0017】圧縮機121は、車両エンジン10により
駆動される可変容量型圧縮機であって、内部のシリンダ
ーストロークを可変することで吐出能力(吐出冷媒流
量)を調整できる。尚、圧縮機121は、可変容量型に
限らず固定容量型であって電磁クラッチによってON−
OFFされて、稼働率を変えることで吐出能力を可変す
るものでも良い。あるいは、車両エンジン10の駆動力
に代えて、電動モータによって駆動される電動圧縮機で
も良い。
【0018】四方弁122は、図示しない弁体の位置を
電気アクチュエータ機構により制御して圧縮機121の
吐出側および吸入側の冷媒流れ方向を切換えるものであ
り、図1中、白矢印は冷房時の冷媒流れを示し、黒矢印
は暖房時の冷媒流れ方向を示す。
【0019】室外熱交換器123は、圧縮機121等と
共に車両エンジンルームに配置され、図示しない電動式
の冷却ファンにより送風される外気(冷却空気)と熱交
換するもので、冷房運転時は高圧側熱交換器(放熱器)
となり、暖房運転時は低圧側熱交換器(蒸発器)とな
る。そして、室外熱交換器123には、作動時の異常
(ここでは暖房運転時の着霜)を判定するために、内部
の冷媒圧力を検出する圧力センサ146を設けている。
【0020】固定絞り弁124aは、絞り開度が固定さ
れたものであって、暖房運転時に室外熱交換器123に
流入する冷媒を低圧圧力に減圧、膨張させる。尚、固定
絞り弁124aには、暖房運転時の冷媒流れを阻止する
逆止弁124bが並列となるように設けられている。
【0021】内部熱交換器125は、主に、冷房運転時
において室外熱交換器123からの冷媒を過冷却し、ま
た室内熱交換器112からの冷媒を過熱して、室内熱交
換器112におけるエンタルピを増大させて冷房能力を
高めるものである。
【0022】減圧装置としての膨張弁126aは、内部
熱交換器125と室内熱交換器112との間に配置さ
れ、ヒートポンプ装置120の高圧側冷媒を低圧圧力に
減圧、膨張させる。この膨張弁126aは、可変絞り弁
から構成されるもので、ここでは室外熱交換器123に
おける冷媒温度に応じて機械的に絞り開度が調整される
機械式膨張弁から構成される。尚、膨張弁126aに
は、冷房運転時の冷媒流れを阻止する逆止弁126bが
並列となるように設けられている。
【0023】アキュムレータ127は、四方弁122と
内部熱交換器125との間に配置され、蒸発器(室内熱
交換器112または室外熱交換器123)の出口からの
冷媒を受け入れ、そして、冷媒の気液を分離して液冷媒
を溜め、ガス冷媒および底部付近の少量の液冷媒(オイ
ルが溶け込んでいる)を内部熱交換器125を介して圧
縮機121側へ吸入させる。
【0024】車両用空調装置100の室内ユニット11
0は、空調ケース111を有し、この空調ケース111
は車室内に向かって空気が流れる空気通路111aを形
成するもので、この空調ケース111内に電動式の送風
機119によって空気が送風される。送風機119の吸
入側には内外気切換え箱119aが設置され、内気(車
室内空気)または外気(車室外空気)が切換え導入され
る。冬季暖房時には窓ガラスの曇り止めのために通常、
外気を内外気切換え箱119aに導入する。
【0025】室内熱交換器112は、送風機119の下
流側に配設され、冷房運転時にはヒートポンプ装置12
0の低圧冷媒が流入する低圧側熱交換器(蒸発器)とな
り、低圧冷媒が室内熱交換器112で空気から吸熱して
蒸発することにより送風機119の送風空気を冷却す
る。また、暖房運転時には、室内熱交換器112は圧縮
機121の吐出側の高圧冷媒ガスが直接流入する高圧側
熱交換器(放熱器)となり、高圧冷媒ガスが送風空気に
放熱することにより送風空気を加熱する。
【0026】空調ケース111内において、室内熱交換
器112の空気下流側にはヒータコア113が設置され
ている。このヒータコア113は、車両エンジン(水冷
式エンジン)10から循環する温水(エンジン冷却水)
を熱源として送風空気を加熱する温水式暖房用熱交換器
である。
【0027】ヒータコア113には、エアミックスドア
118が設けられており、車室内への吹出し空気の温度
調整手段を成している。ここでは、エアミックスドア1
18は、ヒータバイパスドア118aとヒータドア11
8bとから成るようにしており、ヒータコア113をバ
イパスするように設けられるヒータバイパス流路117
を流通する冷風とヒータコア113を流通する温風との
風量割合を調整して吹出し空気の温度を調整する。ヒー
タバイパスドア118aとヒータドア118bはサーボ
モータから成る駆動装置により開閉される。
【0028】そして、上記した室内熱交換器112の空
気流れの下流側には、更に具体的には室内熱交換器11
2とヒータコア113との間には、本発明の特徴部とし
て蓄冷熱交換器を成す蓄冷ユニット114が設けられて
いる。この蓄冷ユニット114は、複数のチューブが積
層されて、その外周が枠体により保持されたもので、チ
ューブ内には蓄冷材が封入されている。蓄冷材は、融点
が10℃程度のパラフィンあるいは無機水和塩等より成
り、冷房運転時において室内熱交換器112からの冷却
空気によって凍り、蓄冷される。
【0029】尚、室内熱交換器112および蓄冷ユニッ
ト114の空気流れ下流側にはそれぞれ湿度検出手段と
しての湿度センサ144、温度センサ145が設けられ
ており、相対湿度信号および温度信号を検出する。そし
て、後述する電子制御装置130によって、両信号から
室内熱交換器112および蓄冷ユニット114流通後の
空気の絶対湿度を把握する(相対湿度を温度で補正す
る)ようにしている。
【0030】更に、空調ケース111内には、蓄冷ユニ
ット114をバイパスする蓄冷バイパス流路115が設
けられている。そして、蓄冷バイパス流路115および
蓄冷ユニット114のそれぞれを流通する空気流量(風
量)を調整する流量調整手段としての蓄冷部切換えドア
116が設けられている。尚、ここでは、蓄冷部切換え
ドア116は、蓄冷バイパスドア116aと蓄冷ドア1
16bから成るように構成している。蓄冷バイパスドア
116aと蓄冷ドア116bはサーボモータから成る駆
動装置により開閉される。
【0031】空調ユニット110においてヒータコア1
13の下流側には車室内へ空調空気を吹出す吹出し口
(図示せず)が設けられている。この吹出し口としては
周知のごとく乗員の足元へ空気を吹出すフット吹出し
口、乗員の顔部側へ空気を吹出すフェイス吹出し口、お
よび車両窓ガラス内面へ空気を吹出すデフロスタ吹出し
口が設けられ、これらの吹出し口を図示しない吹出しモ
ード切換えドアにより開閉して吹出しモードを切換える
ようにしている。
【0032】制御手段としての電子制御装置(以下、E
CU)130は、マイクロコンピュータとその周辺回路
から構成され、予め設定されたプログラムにしたがって
入力信号に対する演算処理を行って、圧縮機121の吐
出量制御、四方弁122の切換え、送風機119の送風
量制御およびその他の電気機器(各ドア116a、11
6b、118a、118bを開閉させる駆動装置や等)
の作動を制御する。特に本発明では、ヒートポンプ装置
120の冷房運転時および暖房運転時における蓄冷バイ
パスドア116aおよび蓄冷ドア116bの作動制御に
も特徴を持たせており、その制御プログラムを予め記憶
させている(詳細後述)。
【0033】ECU130には、車両エンジン10の温
水温度Twを検出する水温センサ、外気温センサ14
1、内気温センサ142、日射センサ143および上記
した湿度センサ144、温度センサ145、圧力センサ
146等のセンサ群140から検出信号が入力される。
【0034】また、車室内計器盤付近に設置される空調
操作パネル150の操作スイッチからの操作信号がEC
U130に入力される。この操作スイッチとしては、冷
凍サイクルの圧縮機121を起動すると共に四方弁12
2をヒートポンプ装置120の冷房運転の状態に切換え
るエアコンスイッチ151、冷凍サイクルの圧縮機12
1を起動すると共に四方弁122をヒートポンプ装置1
20の暖房運転の状態に切換える暖房スイッチ152、
車室内の希望温度を設定する温度設定スイッチ153、
風量切換えスイッチ154、吹出しモード切換えスイッ
チ155、内外気切換えスイッチ156等が備えられて
いる。
【0035】次に、上記構成における作動について説明
する。まず、最初に、ヒートポンプ装置120を構成す
る冷凍サイクル部分の作動を説明すると、冷房運転時に
は、ECU130により四方弁122が図1の白矢印状
態に操作され、圧縮機121の吐出ガス冷媒は、まず、
四方弁122を通過して室外熱交換器123に流入す
る。
【0036】室外熱交換器123では、図示しない冷却
ファンにより送風される外気にてガス冷媒が冷却されて
放熱する。サイクル熱負荷が大きい時には室外熱交換器
123を通過する高圧冷媒の圧力は臨界圧力より高い超
臨界状態となり、ガス状態のまま放熱する。一方、サイ
クル熱負荷が小さい時には、高圧冷媒は臨界圧力より低
い圧力状態となり、室外熱交換器123で凝縮する。そ
して、室外熱交換器123通過後の冷媒は、逆止弁12
4bを通り、内部熱交換器125で更に過冷却された後
に、膨張弁126aにて減圧されて、低温低圧の気液2
相状態となる。
【0037】次に、この低圧冷媒は、室内熱交換器11
2に流入して送風機119の送風する空調空気から吸熱
して蒸発し、空調空気を冷却する。室内熱交換器112
で蒸発したガス冷媒は、四方弁122を通過しアキュム
レータ127で気液分離され、ガス冷媒のみが更に内部
熱交換器125で過熱されて、圧縮機121に吸入され
圧縮される。
【0038】一方、冬季の暖房運転時には、ECU13
0により四方弁122が図1の黒矢印状態に操作され、
圧縮機121の吐出ガス冷媒は、まず四方弁122を通
過して室内熱交換器112に流入する。このため、圧縮
機121の高温吐出ガス冷媒(過熱ガス冷媒)が室内熱
交換器112にて送風空気に放熱して送風空気を加熱す
る。
【0039】そして、室内熱交換器112通過後の冷媒
は、逆止弁126bを通り、内部熱交換器125で過冷
却され、固定絞り弁124aにて減圧されて低温低圧の
気液2相状態となる。この低圧冷媒は、次に室外熱交換
器123で図示しない冷却ファンにより送風される外気
から吸熱して蒸発する。室外熱交換器123で蒸発した
ガス冷媒は、四方弁122を図1の黒矢印の方向に流
れ、アキュムレータ127を通過し、内部熱交換器12
5で過熱され、圧縮機121に吸入され圧縮される。
【0040】そして、車両エンジン10の温水温度があ
る程度上昇しておれば、ヒータコア113に温水を循環
させることにより、室内熱交換器112にて加熱された
送風空気をヒータコア113において更に加熱し、車室
内へ温風を吹出すことができる。
【0041】ところで、冬季のヒートポンプ装置120
の暖房運転時においては、室外熱交換器123の吸熱作
用により表面に霜が発生する場合があり、除霜するため
に一時的にヒートポンプ装置120を冷房運転にして、
室外熱交換器123を放熱器として作動させる。この時
室内熱交換器112は、蒸発器として作動することにな
り、送風空気中の水分が凝縮水となって、この室外熱交
換器112表面に付着する。
【0042】室外熱交換器123の除霜を行った後、再
びヒートポンプ装置120を暖房運転させると、室内熱
交換器112に付着した凝縮水が一気に蒸発して空調空
気が湿気をおびて、窓ガラスを曇らせてしまうことにな
るので、従来では室内熱交換器112の暖房能力を下げ
て作動させることが必要になると考えられたが、ここで
は、蓄冷ユニット114自身の作動および蓄冷切換えド
ア116の作動制御によって、その問題を解消するよう
にしている。
【0043】その作動および作動制御について、図2に
示すフローチャートおよび図3〜図5に示す蓄冷バイパ
スドア116a、蓄冷ドア116b等の作動状態図を用
いて説明する。
【0044】まず、ステップS100で、センサ群14
0、操作パネル150からの各種信号を読み込み、ステ
ップS110で、ヒートポンプ装置120が冷房運転の
設定か否かが判定され、冷房運転の設定であればステッ
プS120で、ヒートポンプ装置120は図1中の白矢
印方向に冷媒が循環するように作動される。そして、ス
テップS130で、蓄冷ドア116bおよび蓄冷バイパ
スドア116a共に全開にされ、室内熱交換器112で
冷却された空気が充分に送風されるようにしている。
【0045】一方、ステップS110で否と判定されれ
ば、ステップS140で暖房運転の設定か否かが判定さ
れ、暖房運転の設定であればステップS150で、室外
熱交換器123の表面に着霜しているか否かが判定され
る。これは、例えば吹出し温度、即ち車室内温度(内気
温センサ142の検出信号)の低下や室外熱交換器12
3の冷媒圧力(圧力センサ146の検出信号)の低下に
より判定がなされる。
【0046】着霜していると判定されるとステップS1
60で、ヒートポンプ装置120は冷房運転に切換えら
れ、室外熱交換器123を放熱器として作動させること
で除霜を行う。この時ステップS170で、蓄冷ドア1
16bは全開にされ、蓄冷バイパスドア116aは全閉
とされる。
【0047】ここでは室内熱交換器112は逆に蒸発器
として作動する訳であり、ここで冷却された空気により
蓄冷ユニット114は蓄冷されることになる。また、空
気中の水分は室内熱交換器112によって凝縮され凝縮
水として付着する。尚、上記ステップS160、S17
0における空調ユニット110内の状態は、図3に示す
ようになっている。
【0048】次に、ステップS150で否、即ち着霜が
無いと判定されれば、ステップS180でヒートポンプ
装置120は暖房運転とされる。そして、上記ステップ
S170と同様に蓄冷ドア116bは全開、蓄冷バイパ
スドア116aは全閉に維持される。
【0049】この時、室内熱交換器112は放熱器とし
て作用しており、図3で示した凝縮水は蒸発する。しか
しすでに蓄冷された蓄冷ユニット114によって冷却、
即ち除湿されることになり、再び蓄冷ユニット114で
空気中の水分は凝縮するので、暖房運転への切換え直後
において下流側のヒータコア113以降には湿気を含ん
だ空気が流れていくことが無い。尚、上記ステップS1
80、S190における空調ユニット110内の状態
は、図4に示すようになっている。
【0050】更に、ステップS200で、室内熱交換器
112に生成された凝縮水が蒸発されたか否かが、室内
熱交換器112に設けられた湿度センサ144、温度セ
ンサ145からの検出信号に基づいて決定される絶対湿
度によって判定される。蒸発したと判定されればステッ
プS210で、蓄冷ドア116bは所定の開度で半開状
態にされる。そして、蓄冷バイパスドア116aは全開
とされる。尚、ステップS200で否と判定されれば、
ステップS190が繰り返される。
【0051】ここでは、蓄冷ユニット114の蓄冷分
は、図4における除湿によって使い果たされており、こ
こで再凝縮した凝縮水は、室内熱交換器112からの加
熱空気により再び蒸発していくことになるが、蓄冷ドア
116bを所定開度状態にとどめているので、この蒸気
が下流側のヒータコア113以降に多量に流れていくの
を防止する。そして、室内熱交換器112で加熱された
大半の空気は蓄冷バイパス流路115からヒータコア1
13に流れていく。尚、上記ステップS210における
空調ユニット110内の状態は、図5に示すようになっ
ている。
【0052】そして、ステップS220で、蓄冷ユニッ
ト114の凝縮水の蒸発状態が上記ステップS200と
同様に蓄冷ユニット114に設けられた湿度センサ14
4、温度センサ145からの検出信号に基づいて決定さ
れる絶対湿度によって判定され、蒸発したと判定されれ
ばスタートに戻り、否と判定されれば、ステップS21
0を繰り返す。
【0053】尚、上記ステップS140で否、即ち冷房
運転の設定、暖房運転の設定が共に無い場合は、ステッ
プS230でヒートポンプ装置120は、運転が停止さ
れる。
【0054】以上の構成および作動説明より、本発明に
よれば、室内熱交換器112の下流側であって、この室
内熱交換器112とヒータコア113との間に蓄冷ユニ
ット114を設けるようにしたので、蓄冷ユニット11
4は、冷房運転時において室内熱交換器112が蒸発器
として作用する時に、そこで冷却される空気によって蓄
冷される。その後、暖房運転に切換えられ室内熱交換器
112が放熱器として作用する時に、先にこの室内熱交
換器112に生成された凝縮水が蒸発することになる
が、その直後においては蓄冷された蓄冷ユニット114
によって再び凝縮されるので、即ち、空調空気は蓄冷ユ
ニット114によって除湿されるので、車室内に吹出し
て窓ガラスを曇らせることが無い。そして、室内熱交換
器112の暖房能力を下げること無く、ヒータコア11
3との両者によって充分な暖房能力を発揮できる。
【0055】そして、室内熱交換器112が冷房運転か
ら暖房運転に切換えられて作動している時に、室内熱交
換器112に生成された凝縮水が蒸発した時点で蓄冷ド
ア116bを半開状態、蓄冷バイパスドア116aを全
開状態としているので、蓄冷ユニット114を流通する
空気流量を所定量に抑えることができ、蓄冷ユニット1
14で再凝縮した凝縮水が一気に蒸発するのを抑え、蓄
冷ユニット114に再凝縮した凝縮水による窓ガラスの
曇りを防止できる。尚、室内熱交換器112で加熱され
た大半の空気をバイパス流路115から流すことができ
るので、ヒータコア113の加熱と合せて暖房能力を充
分に発揮させることができる。
【0056】更に、室内熱交換器112が放熱器から蒸
発器として作用するように切換えられた直後、あるいは
蒸発器から放熱器として作用するように切換えられた直
後には、蓄冷ドア116bを全開に、蓄冷バイパスドア
116aを全閉になるようにしているので、室内熱交換
機112を通過した空気をすべて蓄冷熱交換器114に
流通させることができ、室内熱交換器112が蒸発器と
して作用している場合は、効率良く蓄冷ユニット114
を蓄冷することができる。また、室内熱交換器112が
放熱器として作用している場合は、蒸発した凝縮水を効
率良く除湿することができる。
【0057】(その他の実施形態)上記実施形態におい
て流量調整手段としての蓄冷部切換えドア116は、蓄
冷バイパスドア116a、蓄冷ドア116bの二つから
構成されるものとして説明したが、これに限らず蓄冷ユ
ニット114と蓄冷バイパス流路115の境界部に回動
軸を有する1つのドアとして構成しても良い。また、回
動するドアに代えてロータリ式のドアやスライド式のド
アとしても良い。
【0058】室内熱交換器112における凝縮水の蒸発
状態を検出する湿度検出手段としては、湿度センサのみ
の検出による相対湿度にて代用することも可能である。
また、予め凝縮量や室内熱交換器112の設定温度等の
各種条件において凝縮水が蒸発する平均的な時間を求
め、その平均時間を基に蒸発状態を判定するようにして
も良い。
【0059】また、ヒートポンプ装置120に用いる冷
媒はCO2に限らず、通常のフロン系の冷媒を用いるも
のとしても良い。
【0060】更に、ヒータコア113は、車両エンジン
(水冷式エンジン)10から循環する温水を熱源とする
ものとして説明したが、燃料電池車における燃料電池か
らの温水を熱源とするものとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の作動制御を示すフローチャートであ
る。
【図3】除霜時における空調ユニットの作動状態を示す
断面図である。
【図4】暖房運転への切換え直後における空調ユニット
の作動状態を示す断面図である。
【図5】室内熱交換器での凝縮水蒸発後における空調ユ
ニットの作動状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 車両エンジン 100 車両用空調装置 111 空調ケース 112 室内熱交換器 113 ヒータコア 114 蓄冷ユニット(蓄冷熱交換器) 115 蓄冷バイパス流路(バイパス流路) 116a 蓄冷バイパスドア(流量調整手段) 116b 蓄冷ドア(流量調整手段) 120 ヒートポンプ装置 130 電子制御装置(制御手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内へ向かって空気が流れる空調ケー
    ス(111)と、 前記空調ケース(111)内に設けられ、ヒートポンプ
    装置(120)の冷房運転時に低圧側熱交換器として作
    用し、前記ヒートポンプ装置(120)の暖房運転時に
    は高圧側熱交換器として作用する室内熱交換器(11
    2)と、 前記空調ケース(111)内に設けられ、温水を熱源と
    して前記空気を加熱するヒータコア(113)とを有す
    る車両用空調装置において、 前記室内熱交換器(112)が前記低圧側熱交換器とし
    て作用する時に冷却される空気によって蓄冷される蓄冷
    熱交換器(114)を、前記室内熱交換器(112)の
    空気流れ下流側に設けたことを特徴とする車両用空調装
    置。
  2. 【請求項2】 前記空調ケース(111)内で前記蓄冷
    熱交換器(114)をバイパスするバイパス流路(11
    5)と、 前記蓄冷熱交換器(114)および前記バイパス流路
    (115)を流通する空気流量を調整する流量調整手段
    (116a、116b)と、 前記流量調整手段(116a、116b)の作動を制御
    する制御手段(130)とが設けられ、 前記室内熱交換器(112)が前記低圧側熱交換器から
    前記高圧側熱交換器に切換えられて作用している時に、 前記制御手段(130)は、前記低圧側熱交換器として
    作用していた時の前記室内熱交換器(112)に生成さ
    れた凝縮水が蒸発された後に、前記バイパス流路(11
    5)側を流通する空気流量が最大側に、前記蓄冷熱交換
    器(114)側を流通する空気流量が所定量となるよう
    に、前記流量調整手段(116a、116b)の作動を
    制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調
    装置。
  3. 【請求項3】 前記室内熱交換器(112)が前記高圧
    側熱交換器から前記低圧側熱交換器として作用するよう
    に切換えられた直後、あるいは前記低圧側熱交換器から
    前記高圧側熱交換器として作用するように切換えられた
    直後には、 前記制御手段(130)は、前記蓄冷熱交換器(11
    4)側を流通する空気流量が最大側に、前記バイパス流
    路(115)側を流通する空気流量が最少側になるよう
    に、前記流量調整手段(116a、116b)の作動を
    制御することを特徴とする請求項2に記載の車両用空調
    装置。
JP2002010212A 2002-01-18 2002-01-18 車両用空調装置 Withdrawn JP2003211947A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002010212A JP2003211947A (ja) 2002-01-18 2002-01-18 車両用空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002010212A JP2003211947A (ja) 2002-01-18 2002-01-18 車両用空調装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003211947A true JP2003211947A (ja) 2003-07-30

Family

ID=27648012

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002010212A Withdrawn JP2003211947A (ja) 2002-01-18 2002-01-18 車両用空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003211947A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006073404A (ja) * 2004-09-03 2006-03-16 Toyota Motor Corp 動力源冷却装置及びそれを搭載した車両
JP2007010288A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Jfe Engineering Kk 既設ヒートポンプ式空調装置の冷暖房能力増強方法、蓄熱ユニット装置および該装置を用いたヒートポンプ式空調装置
WO2011142224A1 (ja) * 2010-05-14 2011-11-17 株式会社ヴァレオジャパン 車両用空調装置
JP2012506820A (ja) * 2008-10-29 2012-03-22 ヴァレオ システム テルミク 電気推進車両に装備される暖房、換気、および/または空調設備に内蔵される熱力学的な空調ループ
JP2014019179A (ja) * 2012-07-12 2014-02-03 Japan Climate Systems Corp 車両用空調装置
JP2014069639A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Denso Corp 冷凍サイクル装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006073404A (ja) * 2004-09-03 2006-03-16 Toyota Motor Corp 動力源冷却装置及びそれを搭載した車両
JP2007010288A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Jfe Engineering Kk 既設ヒートポンプ式空調装置の冷暖房能力増強方法、蓄熱ユニット装置および該装置を用いたヒートポンプ式空調装置
JP2012506820A (ja) * 2008-10-29 2012-03-22 ヴァレオ システム テルミク 電気推進車両に装備される暖房、換気、および/または空調設備に内蔵される熱力学的な空調ループ
WO2011142224A1 (ja) * 2010-05-14 2011-11-17 株式会社ヴァレオジャパン 車両用空調装置
JP2014019179A (ja) * 2012-07-12 2014-02-03 Japan Climate Systems Corp 車両用空調装置
JP2014069639A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Denso Corp 冷凍サイクル装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10889163B2 (en) Heat pump system
JP4465903B2 (ja) 車両用空調装置
US5904052A (en) Brine type air conditioning apparatus
JP6332560B2 (ja) 車両用空調装置
US10166838B2 (en) Air conditioner for vehicle
JP2004142646A (ja) 車両用空調装置
JP2006199247A (ja) 車両用空調装置
CN113423596B (zh) 制冷循环装置
JP4032978B2 (ja) 車両用空調装置
JP4160415B2 (ja) 超臨界冷媒を用いた冷凍サイクルの着霜検出方法およびその方法を利用した除霜方法
US20230219398A1 (en) Refrigeration cycle device
JP3704814B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP6708170B2 (ja) 車両用空調装置
JP2003080928A (ja) 車両用空調装置
US20030079873A1 (en) Vehicle air conditioning system
JP2004017684A (ja) 車両用空調装置
JP2001050572A (ja) 自動車用空気調和装置
JP2003042604A (ja) 蒸気圧縮式ヒートポンプサイクル及び空調装置
JP4400533B2 (ja) エジェクタ式冷凍サイクル
JP5935714B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2003211947A (ja) 車両用空調装置
JPH11159911A (ja) 冷凍サイクル装置
JP6167891B2 (ja) ヒートポンプサイクル装置。
JP6544287B2 (ja) 空調装置
JP3482782B2 (ja) ブライン式空調装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050405