JP2004324824A - 液封防振装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】液封エンジンマウントの液室を区画する仕切部材7に、主液室と副液室9を連絡するアイドルオリフィス38を設け、その液体流量を流量制御手段40で制御する。流量制御手段40は、アイドルオリフィス38の出口に設けられ、コイル42、弾性膜43、第3ダイアフラム44、調整室45を備える。調整室45内に磁性粘性流体46を封入し、コイル42の磁力を制御すると、磁性粘性流体46の粘度が変化し、弾性膜43の弾性変形量を変化させるため、アイドルオリフィス38の液体流量を制御する。
【選択図】図3
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両のエンジンマウント等に用いる液封防振装置に係り、特に磁性粘性流体を用いて共振オリフィスの液体流量を自在に制御できるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
振動源側へ取付けられる第1の取付部材と、振動受側へ取付けられる第2の取付部材と、これらの間に介在して振動を吸収するインシュレータと、このインシュレータが壁の一部をなす液室とを備え、この液室を主液室及び副液室に区画してオリフィス通路を介して連絡するとともに、この共振オリフィスにて液柱共振を発生させることにより低動バネ化等を実現する液封エンジンマウントは公知である。また、主液室と副液室の隔壁に貫通形成した共振オリフィスの出口を弾性膜で囲み、この弾性膜をアクチュエータにより変位させて共振オリフィスの開閉や共振点の変化をおこなうようにしたものもある(特許文献1参照)。さらに、主液室と副液室の間に設けた弾性膜の周囲を支持部材で支持するとともに、この支持部材の支持力を磁性流体の粘度変化により変化させるようにしたものもある(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−325443号公報 図6
【特許文献2】特開2002−213517号公報
【特許文献3】特開2003−4090号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1のように、アクチュエータなどの機械的手段で弾性膜を変位するものは、装置全体が比較的複雑かつ重量が増加する。また無段階かつ連続的に制御しようとすれば、高精度で作動する高価な装置が必要となる。さらに特許文献2は磁力により膜張力を変化させるものであるが、共振オリフィスの流量制御をするものではない。
そこで、本願発明は比較的簡単かつ軽量な構造で、共振オリフィスの流量制御ができるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の液封防振装置に係る請求項1は、振動源側へ取付けられる第1の取付部材と、振動受側へ取付けられる第2の取付部材と、これらの間に介在して振動を吸収するインシュレータと、このインシュレータが壁の一部をなす液室とを備え、この液室を共振オリフィスで連絡される2室に区画し、この液室に作動液を封入した液封防振装置において、
前記共振オリフィス内に流動する作動液の流量を制御するための流量制御手段を備えるとともに、
この流量制御手段は、前記作動液の液圧を受けて変形又は変位する第1可動部と、この第1可動部によって少なくとも璧部の一部が形成された調整室と、この調整室内へ封入された磁性粘性流体と、調整室の容積変化を抑制するべく変形又は変位する第2可動部と、前記磁性粘性流体の粘度を変化させるために磁力を発生するコイルとを備え、
前記磁性粘性流体の粘度を変化させることにより前記第1可動部の変形又は変位量を変化させることを特徴とする。
【0006】
請求項2は上記請求項1において、前記第1可動部が弾性膜であることを特徴とする。
【0007】
請求項3は上記請求項1において、前記第2可動部がダイアフラムであり大気開放されていることを特徴とする。
【0008】
請求項4は上記請求項1において、前記流量制御手段が前記共振オリフィスの端部に配置されることを特徴とする。
【0009】
請求項5は上記請求項1において、前記流量制御手段が前記共振オリフィスの内部に配置されることを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】
請求項1によれば、流量制御手段が、作動液の液圧を受ける第1可動部と、この第1可動部によって少なくとも璧部の一部が形成された調整室と、この調整室内へ封入された磁性粘性流体と、調整室の容積変化を抑制するべく変形又は変位する第2可動部と、磁性粘性流体の粘度を変化させるために磁力を発生するコイルとを備えるので、コイルによる磁力を変化させると磁性粘性流体の粘度が変化し、これにより第1可動部が変形又は変位できる量が変化する。また、第1可動部は共振オリフィスを流動する作動液の液圧を受けているから、第1可動部が変形又は変位量が変化すると共振オリフィスにおける作動液の流量が変化して共振効率が変化する。したがって、磁力の制御により共振オリフィスにおける作動液の流量制御を容易におこなうことができる。しかも、磁力の調整だけで制御できるから、迅速かつ容易に制御できる。そのうえ構造が簡単になって軽量・コンパクト化できる。
【0011】
請求項2によれば、第1可動部が弾性膜であるため、作動液の液圧を受けると弾性変形する。しかも弾性膜にすることによって第1可動部を容易に形成できる。
【0012】
請求項3によれば、第2可動部がダイアフラムであり大気開放されているため、第1可動部の変形又は変位によって調整室の容積が変化すると、この変化を抑制するように変形する。しかもダイアフラムにすることによって第2可動部を容易に形成できる。
【0013】
請求項4によれば、流量制御手段を共振オリフィスの端部に配置したので、構造及び組立が簡単になる。
【0014】
請求項5によれば、流量制御手段を共振オリフィスの内部に配置したので、流量制御手段のシール部分を液室内に配置でき、シールが破れた場合の外部に対する磁性粘性流体の液漏れを防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。図1は液封防振装置の全体断面図、図2は内圧調整手段の拡大断面図、図3は流量制御手段における略流動阻止状態を示す断面図、図4はその最大流動状態を示す断面図である。
【0016】
図1において、エンジンマウント小組体1は、第1の取付部材2,第2の取付部材3及びインシュレータ4を備える。第1の取付部材2は図示しないエンジン等の振動源側へ連結され、第2の取付部材3はブラケット5に嵌合され、ブラケット5は同じく図示しない車体等の振動受側へ連結される。インシュレータ4は、ゴムからなる略円錐状をなす公知の防振ゴムである。但し、ゴム及び他のエラストマー等の適宜弾性材料からなる略円錐状をなす公知の弾性防振部材とすることができ、第1の取付部材2と第2の取付部材3の間を連結一体化する。
【0017】
第1の取付部材2,第2の取付部材3及びインシュレータ4に囲まれた内部に主液室6が形成され、ここに公知の非圧縮性の作動液が封入されている。主液室6は仕切部材7の外周部に形成されたダンピングオリフィス8を介して副液室9と連通されている。ダンピングオリフィス8は約10Hz前後の低周波数小振幅の乗り心地に影響する通常走行時の振動に対して高減衰になる。副液室9は第1ダイアフラム10によって覆われている。
【0018】
ダンピングオリフィス8は、仕切部材7の外周部に径方向外方へ開放されて形成され、その一部に形成された入り口(図では見えない)で主液室6と連通し、出口14bで副液室9と連通する。また、仕切部材7の外周部に径方向外方へ開放されるダンピングオリフィス8の開口部は第1ダイアフラム10の外周部と連続する筒状弾性壁15に密接してシールされる。筒状弾性壁15はインシュレータ4と同様のゴム等からなる適宜弾性部材からなり、第2の取付部材3の内周面を覆っている。
【0019】
第2の取付部材3は、金属等からなる筒状の部材であり、ダンピングオリフィス8の外周側を囲む小径部16と主液室6を囲む大径部17を備え、図の上端部にはフランジ18が形成され、ブラケット5の上端部に重なる。さらにこのフランジ18にはインシュレータ4の下部に一体化されているリング金具19が重なり、ここでインシュレータ4、第2の取付部材3及びブラケット5が結合一体化される。
【0020】
主液室6の側面には、対向配置された内圧調整手段37が一対で設けられる。内圧調整手段37は主液室6の内圧上昇を吸収する等自在に調整する手段であり、その内圧吸収能は磁力によって自由に制御できる。このように複数設けるとそれぞれを小型化しても全体として大きな内圧調整能力を発揮できるので、装置全体の小型・軽量化並びに強度などの点で有利である。
さらに、仕切部材7の中央に設けられたアイドルオリフィス38にも流量制御手段40が設けられている。これらの詳細は後述する。
【0021】
仕切部材7は上部材7a及び下部材7bの上下合わせ構造になっており、これらの内部にアイドルオリフィス38が設けられている。アイドルオリフィス38は主液室6と副液室9を連通してアイドル時のエンジン振動周波数(例えば、4気筒エンジンにおける2次振動では約20Hz前後)で液柱共振を発生して低動バネ化することにより、第1の取付部材2側から第2の取付部材3側への振動伝達を低減する。このアイドルオリフィス38における作動液の流量は流量制御手段40によって制御される。
【0022】
図2に示すように、小径部16の下端部は底部20をなし、ブラケット5の内面に形成された段部21上へ置かれて位置決めされる。筒状弾性壁15の内部には仕切部材7が挿入され、その外周下部22が底部20の上へ置かれて位置決めされる。この状態で第2の取付部材3の上端部におけるフランジ18とインシュレータ4のリング金具19とをリベット止めやカシメ等で一体化することによりエンジンマウント小組体1が構成される。
【0023】
このエンジンマウント小組体1をブラケット5へ挿入してフランジ18をブラケット5の上端部とリベット等の適宜手段で一体化することにより、エンジンマウントが組み立てられる。
【0024】
さらに、大径部17には開口26が形成され、筒状弾性壁15のうち開口26部分が内圧吸収膜27となっている。内圧吸収膜27は本願発明における第1可動部の具体例であり、膜構造にすることにより第1可動部を容易に形成でき、そのうえ筒状弾性壁15と連続一体であってゴム等の適宜弾性材料からなる弾性膜であり、主液室6の内圧変動を弾性変形により吸収する。このようにすると内圧吸収膜27をさらに容易に形成できる。なお、筒状弾性壁15と別体に形成することもできる。
【0025】
内圧吸収膜27の主液室6と反対側には調整室28が第2ダイアフラム29で囲まれて形成されている。この調整室28の内部には公知の磁性粘性流体30が封入されている。第2ダイアフラム29は本願発明における第2可動部の具体例であり、膜構造にすることにより第2可動部を容易に形成でき、調整室28と反対側となる外側が大気開放され、内圧吸収膜27の弾性変形を可能にしている。第2ダイアフラム29の外周部は固定リング31と焼き付け等で一体化され、この固定リング31にコイル32が取り付けられている。固定リング31の外周部はブラケット5の外側面へ重ねられてリベット等の適宜手段で一体に取り付けられる。
【0026】
コイル32は調整室28の周囲を囲み、磁力を発生して磁性粘性流体30の粘度を、例えば、水様の状態からシャーベット状態まで瞬時に変化させることができるようになっている。コイル32の発生する磁力は、エンジンの回転数等の適宜センサー量に基づいて図示しない制御装置により連続的又は多段階に変化して発生するようになっており、この磁力の大きさに応じて磁性粘性流体30の粘度も連続的又は多段階に変化するようになっている。
【0027】
磁性粘性流体30の粘度が高くなると、内圧吸収膜27は弾性変形しにくくなるので内圧吸収能が低くなり、防振装置としての内部圧力の変化により発生するバネである拡張バネを大きくする。逆に、粘度を下げると、内圧吸収膜27は弾性変形容易になって内圧吸収能が上がるので、拡張バネが小さくなる。
【0028】
調整室28内には抵抗板33が設けられ、その外周部34はコイル32の外周側を囲んで一体化される。中央部には絞り通路35が形成され、磁性粘性流体30がこの絞り通路35を通過するとき、粘性流動抵抗によって減衰力を生じるようになっている。絞り通路35の開口径は、磁性粘性流体30が減衰力を生じることができる範囲で任意に設定できる。
【0029】
抵抗板33を設けることにより、磁性粘性流体30が絞り通路35を通過するとき発生する減衰力は、粘度変化を増幅したものになる。その結果、内圧吸収能の変化を大きくでき、かつこの内圧吸収能変化を磁性粘性流体の粘度変化だけで形成する場合よりもより高くすることができる。
【0030】
抵抗板33の外周部34とコイル32はブラケット5の側壁に形成された取付穴36に嵌合して固定される。なお、内圧吸収膜27、調整室28、第2ダイアフラム29、磁性粘性流体30及びコイル32をまとめて内圧調節手段37とする。また、外周部34と固定リング31の間は適宜手段でシールされる。
【0031】
次に、内圧調節手段37の制御を説明する。まず、非制御時にはコイル32には通電されず、磁力は当初段階では0(ゼロ)に設定され、内圧吸収膜27はほぼ自由に弾性変形できる。その後、コイル32に通電して電流を増大させることにより、磁性粘性流体30の粘度を上げて内圧吸収膜27の弾性変形をさせにくくし、拡張バネを高くする。
【0032】
次に、アイドルオリフィスの流量制御手段について説明する。図3及び図4はその拡大断面図であり、図3は液体流動をほぼ阻止した状態、図4は液体流量を最大にした状態を示す。この流量制御手段40は内圧調整手段37と同様構造であり、第1ダイアフラム10の中央部に一体化してアイドルオリフィス38の出口39部分に設けられる。
【0033】
この流量制御手段40は、アイドルオリフィス38の出口39の周囲を囲む剛性がある外周部材41、この外周部材41に取り付けられたコイル42、外周部材41に周囲を固定されて出口39を覆う弾性膜43、この弾性膜43と第3ダイアフラム44の間に形成された調整室45を備える。調整室45内には封入された磁性粘性流体46及び抵抗板47を備える。抵抗板47は中央に絞り通路48を開口し、外周部49にコイル42を圧入等の適宜手段で一体化している。
【0034】
第3ダイアフラム44はコイル42の内周側へ入り込んでおり、その外周部は取付金具50と一体化し、この取付金具50は抵抗板47の外周部49へ圧入等で一体化されている。なお、外周部材41の外周側には第1ダイアフラム10の中央側端部が焼き付け等で一体化され、その先端は取付金具50に密着シールされている。
【0035】
第3ダイアフラム44及び第1ダイアフラム10は、それぞれゴムバネとしての機能を無視できる程度の小さなバネ定数を有する可撓性部材であり、図の下方側が大気開放され、自由な変形を可能にしている。なお、磁性粘性流体46の粘度制御及び抵抗板47の機能は内圧調整手段37の場合と同様である。
【0036】
外周部材41は仕切部材7の下部材7bにおける出口39の周囲へ固定され、第3ダイアフラム44は第1ダイアフラム10と別体に設けられる。磁性粘性流体46の粘度を変化させると、アイドル時にアイドルオリフィス38における液体流動を最大にする状態と、液体流動をほぼ阻止する状態との切替え、及びこれらの中間状態においてある程度の液体流動を可能にする流量調整状態とに制御できる。
【0037】
次に、本実施例の作用を説明する。アイドル時において、流量制御手段40ではコイル42に通電停止する。これにより磁性粘性流体の粘度は最低となるから、弾性膜43が最も弾性変形し易い状態にあり、図4に示すように、アイドルオリフィス38の作動液による液圧を受けて容易に弾性変形する。その結果、流量最大状態となり、アイドルオリフィス38に比較的大きな液体流動が生じて液柱共振を発生する。
【0038】
同時に、内圧調整手段37においては、各コイル32に通電してコイル32の磁力を最大とし、各内圧吸収膜27を最も動きにくくすることにより内圧吸収能を最小とし、拡張バネを高める。このためアイドルオリフィス38へ主液室6側から送り込まれる作動液の流量が大きくなり、共振効率が上がる。したがって、十分な低動バネ化を実現する。
【0039】
逆に、アイドル時以外の場合、流量制御手段40ではコイル42に通電して磁性粘性流体46の粘度を最も高くすると、弾性膜43がほとんど弾性変形しなくなり、あたかもアイドルオリフィス38の出口39を塞いだような図3の状態となる。この状態ではアイドルオリフィス38内における液体流動がほとんど生じない。一方、内圧調整手段37においては、各コイル32の通電を停止して各内圧吸収膜27を最も動き易くすることにより内圧吸収能を最大とする。これにより内圧吸収膜27が自由に弾性変形して内圧変動を吸収して低動バネ化する。
【0040】
なお、この非アイドル時においては、流量制御手段40における磁力を調整して、図3と図4の中間状態になるように磁性粘性流体の粘度を調整すると、流量調整状態となり、アイドルオリフィス38において粘度に応じた液体流動が生じて、液柱共振を発生する。このとき、磁性粘性流体の粘度上昇に伴って弾性膜43は弾性変形しにくくなるから、アイドルオリフィス38の液体流動が減少して共振が小さくなる。
【0041】
このように、流量制御手段40において、図3と図4の状態のいずれかにすればアイドルオリフィス38を開閉操作することと同様になるから、アイドルオリフィス38の開閉バルブと同様に機能する。また、磁力を変化させて磁性粘性流体の粘度を制御することにより、アイドルオリフィス38の液体流量を調整して自由に共振を制御できる。
【0042】
しかも、この流量制御は迅速・正確であり、かつ容易である。そのうえ無段階かつ連続的な制御も容易に実現できる。さらにこの流量制御手段40は簡単な構造で構成することができ、軽量かつコンパクトになる。また内圧調整手段37と同様な構造をなすので、可変調整部との共通化もできる。
【0043】
そのうえ、内圧調節手段37の内圧吸収能を、内圧吸収膜27が壁の一部をなす調整室28内における磁性粘性流体30の粘度変化で直接制御でき、かつコイル32に対する通電量だけで磁性粘性流体30の粘度を迅速かつ容易に制御できるから、内圧吸収能の制御が迅速・容易になり、かつ正確になる。また、ソレノイドやモーターなどの機械的手段を必要としないので、構造が簡単かつ軽量・コンパクトになる。
【0044】
なお、本願発明は上記各実施例に限定されず、種々に変更可能である。例えば、流量制御手段40をアイドルオリフィス38の内部に設けることもできる。
流量制御手段40をアイドルオリフィス38の端部に配置すれば、流量制御手段40のシール部分を主液室6内に配置できるため、シールが破れた場合の外部に対する磁性粘性流体の液漏れを防止できる。
【0045】
内圧吸収膜27及び第2ダイアフラム29は必ずしも膜状部材である必要はなく、これに代えて調整室内を摺動変位する可動板のような部材でもよい。また、いずれか一方を膜状部材とし、他方を可動板のような非膜状部材の組合せでもよい。
【0046】
さらに、アイドルオリフィス以外の用途に供される共振オリフィス、例えば、発進オリフィスなどに適用することも自由である。さらにエンジンマウント以外の他の各種防振装置に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る液封防振装置の全体断面図
【図2】作動原理を示す要部の拡大断面図
【図3】流量制御手段における流動阻止状態の断面図
【図4】同上の最大流動状態の断面図
【符号の説明】
1:エンジンマウント小組体、2:第1の取付部材、3:第2の取付部材、4:インシュレータ、5:ブラケット、6:主液室、7:仕切部材、8:ダンピングオリフィス、9:副液室、10:第1ダイアフラム、13:ホールオリフィス、27:内圧吸収膜、28:調整室、29:第2ダイアフラム、30:磁性粘性流体、32:コイル、33:抵抗板、37:内圧調整手段、38:アイドルオリフィス、40:流量制御手段、43:弾性膜、45:調整室
Claims (5)
- 振動源側へ取付けられる第1の取付部材と、振動受側へ取付けられる第2の取付部材と、これらの間に介在して振動を吸収するインシュレータと、このインシュレータが壁の一部をなす液室とを備え、この液室を共振オリフィスで連絡される2室に区画し、この液室に作動液を封入した液封防振装置において、
前記共振オリフィス内に流動する作動液の流量を制御するための流量制御手段を備えるとともに、
この流量制御手段は、前記作動液の液圧を受けて変形又は変位する第1可動部と、この第1可動部によって少なくとも璧部の一部が形成された調整室と、この調整室内へ封入された磁性粘性流体と、調整室の容積変化を抑制するべく変形又は変位する第2可動部と、前記磁性粘性流体の粘度を変化させるために磁力を発生するコイルとを備え、
前記磁性粘性流体の粘度を変化させることにより前記第1可動部の変形又は変位量を変化させることを特徴とする液封防振装置。 - 前記第1可動部が弾性膜であることを特徴とする請求項1記載の液封防振装置。
- 前記第2可動部がダイアフラムであり大気開放されていることを特徴とする請求項1記載の液封防振装置。
- 前記流量制御手段が前記共振オリフィスの端部に配置されることを特徴とする請求項1記載の液封防振装置。
- 前記流量制御手段が前記共振オリフィスの内部に配置されることを特徴とする請求項1記載の液封防振装置。
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