JP2004324556A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料タンク内の液体燃料を内燃機関の所定部へ圧送する燃料ポンプを有するものにおいて、その燃料ポンプ内で発生したベーパを、その燃料ポンプが吸入する液体燃料に混入しないようにして、ベーパ混入による燃料ポンプの吐出性能の低下を防止する。
【解決手段】燃料タンク1の底板2の下側に燃料ポンプ16を配置し、該燃料ポンプ16への燃料吸入通路10における燃料タンク側の燃料吸入口10aを、燃料タンク1内の底部に開口する。燃料ポンプ1には、該燃料ポンプ1内に発生したベーパを排出するベーパ逃し穴25を設け、該ベーパ逃し穴25から排出されたベーパを燃料タンク1内の底部に開口したベーパ排出口13aへ導く通路を設ける。前記燃料吸入口10aとベーパ排出口13aとの間の間隔Lを、ベーパ排出口13aから燃料タンク1内へ排出されたベーパが、燃料吸入口10aから吸い込まれる液体燃料に引き込まれない距離に設定する。
【選択図】 図2
【解決手段】燃料タンク1の底板2の下側に燃料ポンプ16を配置し、該燃料ポンプ16への燃料吸入通路10における燃料タンク側の燃料吸入口10aを、燃料タンク1内の底部に開口する。燃料ポンプ1には、該燃料ポンプ1内に発生したベーパを排出するベーパ逃し穴25を設け、該ベーパ逃し穴25から排出されたベーパを燃料タンク1内の底部に開口したベーパ排出口13aへ導く通路を設ける。前記燃料吸入口10aとベーパ排出口13aとの間の間隔Lを、ベーパ排出口13aから燃料タンク1内へ排出されたベーパが、燃料吸入口10aから吸い込まれる液体燃料に引き込まれない距離に設定する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に搭載される燃料タンク内の液体燃料を燃料ポンプによりデリバリパイプへ圧送し、インジェクタから内燃機関の吸気通路へ噴出させる燃料供給装置として、例えば図3に示すように、燃料タンク101内の液体燃料を吸い上げる燃料通路102を、燃料タンク101の外部に設けたポンプケース103の収納室104に連通し、該収納室内に1個の燃料ポンプ105を収納し、該燃料ポンプ105の駆動により、燃料タンク101内の液体燃料を収納室104内に吸入するとともに、該収納室104内に溜まった液体燃料を該燃料ポンプ105から燃料圧送管106に圧送し、該圧送された液体燃料をデリバリパイプ107を通じてインジェクタ108から内燃機関の吸気通路へ噴出するようにし、更に、デリバリパイプ107から余剰燃料をリリーフ弁109を介して回収通路110から燃料タンク101へ回収するようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−227726号公報(第4頁[0027]図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術においては、燃料ポンプ105のインペラの回転によるキャビテーションによって発生したベーパが前記収納室104内に排出されるため、この排出されたベーパが燃料ポンプ105へ吸入される液体燃料に混入し、燃料ポンプ105の吐出性能が低下したり、ベーパロックが発生する問題がある。
【0005】
そこで本発明は、前記の問題を解決する内燃機関の燃料供給装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、燃料タンクの底部の下側に燃料ポンプを配置し、燃料タンクの底部に、燃料ポンプへ燃料を供給する燃料吸入口と、燃料ポンプ内で発生したベーパを燃料タンク内へ排出するベーパ排出口を設け、これら燃料吸入口とベーパ排出口との間の間隔を、ベーパ排出口から燃料タンク内へ排出されたベーパが、燃料吸入口から吸い込まれる液体燃料に引き込まれない距離に設定したことを特徴とするものである。
【0007】
本発明において、燃料ポンプ内で発生したベーパは、ベーパ排出口から燃料タンク内に排出される。このとき、排出されたベーパは、燃料吸入口から吸い込まれる燃料に引き込まれないため、燃料ポンプは燃料のみを吸入し、ベーパの混入による燃料ポンプの吐出流量及び吐出圧力などの吐出能力の低下やベーパロックの発生が防止される。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の発明において、前記燃料タンクに貯溜される液体燃料をLPG液体燃料としたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を図1及び図2に示す実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1は内燃機関の燃料系統図で、車両に搭載された燃料タンク1内には液体状の燃料が貯溜される。実施例においては、LPG液体燃料を貯溜する燃料タンクとしている。
【0011】
前記燃料タンク1の底板2にはポンプケース3が、燃料タンク1の底板2よりも下側へ突出して固設されている。すなわち、ポンプケース3は燃料タンク1の最低部よりも下側に設けられている。該ポンプケース3部について図2により詳述する。
【0012】
図2において、ポンプケース3は、上壁4と周壁5とからなる下側が開口した本体部6と、該本体部6の下側開口部7を密閉状に閉塞する下蓋8とからなり、該下蓋8は本体部6にボルト8aなどの取付手段により取り外し可能に固着されている。そして、本体部6は前記燃料タンク1の底板2に固設されている。
【0013】
前記ポンプケース3内には収納室9が形成されており、該収納室9の容積は、後述する燃料ポンプ16やこれに関連するフィルタ27等の部品を配置した状態において、これら燃料ポンプ等以外の部分に若干の空間が生じるような、すなわち燃料ポンプ等が略収まるような空間が生じるような容積に形成され、この空間部に液体状の燃料が溜まるようになっている。したがって、この収納室9が燃料溜め部ともなっている。
【0014】
ポンプケース3の周壁5の一方の周壁5aには燃料吸入通路10が形成され、その燃料吸入口10aが前記燃料タンク1内の底部に開口し、導入口10bが前記収納室9内に開口している。前記燃料吸入通路10には、該通路10を開閉する手動式の開閉弁11が設けられている。
【0015】
ポンプケース3の周壁5における前記一方の周壁5aと対向する側の他方の周壁5bには燃料圧送通路12が形成されている。更に、該他方の周壁5bにはベーパ排出通路13が形成され、そのベーパ排出口13aが前記燃料タンク1内の底部に開口し、ベーパ導出口13bが前記収納室9側の上部に設けられている。
【0016】
前記燃料吸入通路10の燃料吸入口10aと前記ベーパ排出通路13のベーパ排出口13aとは所定の間隔(距離)L分離れている。この間隔Lは、ベーパ排出口13aから燃料タンク1内にベーパが排出された場合に、このベーパが、燃料吸入口10aから吸入される液体燃料に引きこまれて燃料吸入通路10内へ吸い込まれないような距離に設定されている。
【0017】
前記燃料圧送通路12には、該通路12を開閉する手動式の開閉弁14が設けられ、また、前記ベーパ排出通路13には、該通路13を開閉する手動式の開閉弁15が設けられている。
【0018】
前記収納室9内には燃料ポンプ16が横向きに配置されており、該燃料ポンプ16は、ポンプハウジング17とターミナルハウジング18と、これらを連結する円筒ハウジング19を有し、これらにより形成される内部に直流マグネットモータなどのモータ本体20が収納されている。21は界磁用のマグネットである。
【0019】
前記ポンプハウジング17には、前記モータ本体20の出力軸22により回転駆動されるインペラ23が配置されている。更に、ポンプハウジング17には、その下側に位置してインペラ23部に連通する吸込口24が設けられ、上側に位置してインペラ23部に連通するベーパ逃し穴25が設けられている。
【0020】
前記吸込口24の外端には吸込管26が連通して設けられており、該吸込管26の他端は、収納室9の最底部に配置したフィルタ27に連通しており、収納室9内の液体燃料がフィルタ27から吸い込まれ、吸込管26を通じて吸込口24からインペラ23部に吸い込まれるようになっている。
【0021】
前記ベーパ逃し穴25の外端口にはベーパ排出管28が連通して設けられ、該ベーパ排出管28の他端は、前記ベーパ排出通路13の導出口13bに連通しており、インペラ23部で発生したベーパが、ベーパ逃し穴25、ベーパ逃し管28、ベーパ排出通路13を通じてベーパ排出口13aより燃料タンク1内に排出するようになっている。
【0022】
前記ターミナルハウジング18には、前記インペラ23の回転により圧送された液体燃料が入る部屋29が形成されているとともに、該部屋29に連通する吐出口30が設けられており、該吐出口30が前記燃料圧送通路12に連通している。31は接続ターミナルを示す。
【0023】
前記燃料圧送通路12は、開閉弁14を介してケース外の燃料圧送通路32に連通されており、該燃料圧送通路32の他端は、図1に示すように内燃機関のデリバリパイプ33に連通している。デリバリパイプ33には燃料噴射用のインジェクタ34が設けられており、前記燃料ポンプ16より圧送された液体燃料をインジェクタ34から内燃機関の吸気通路内へ噴出するようになっている。
【0024】
前記デリバリパイプ33には、リリーフ弁35を介して回収通路36が設けられており、余剰燃料を回収通路36を通じて燃料タンク1内に回収するとともに、リリーフ弁35によってデリバリパイプ33内の燃料圧力を所定値に保持するようになっている。
【0025】
前記の構造において、燃料タンク1内にLPGなどの液体燃料が貯溜された状態では、燃料タンク1内の液体燃料(液相燃料)が、燃料吸入通路10の燃料吸入口10aから吸入され、開弁している開閉弁11部を通り、導入口10bからポンプケース3の収納室9内に導入されて、収納室9内における燃料ポンプ16およびこれらの関連部品、すなわち、フィルタ27、吸込管26、ベーパ排出管28以外の部分(空間)に液体燃料が充満される。
【0026】
この状態で燃料ポンプ16のモータ本体20を駆動すると、インペラ23が回転し、収納室9内の液体燃料が、フィルタ27、吸込管26、吸込口24を通じて燃料ポンプ16内に吸い込まれ、部屋29内で加圧される。加圧された液体燃料は、圧送口30、燃料圧送通路12、開弁された開閉弁14を通じて外部の燃料圧送通路32へ圧送され、デリバリパイプ33から各インジェクタ34を通じて内燃機関の吸気通路内へ噴出される。また、圧送された余剰燃料はリリーフ弁35を介して回収通路36から燃料タンク1に戻されて回収される。
【0027】
また、前記インペラ23の回転によって、該部においてキャビテーションによりベーパが発生すると、そのベーパはベーパ逃し穴25からベーパ排出管28に排出され、そのベーパはベーパ排出管28を通じて、開弁された開閉弁15を通り、ベーパ排出通路13のベーパ排出口13aから浮力によって燃料タンク1内に排出される。このとき、ベーパ排出口13aと前記燃料吸入口10aとは、相互に独立して設けられているとともに、ベーパ排出口13aから燃料タンク1内の液体燃料中に排出されたベーパが、燃料吸入口10aから吸入される液体燃料によって燃料吸入口10a内に引き込まれない所定の距離L分離れて設けられているため、ベーパが液体燃料に混入して燃料ポンプ16内に吸入されることを防止し、燃料ポンプ16には液体燃料のみが吸入される。そのため、燃料ポンプ16がベーパを吸入して燃料ポンプの吐出流量及び吐出圧力が低下することを防止できる。
特に、LPG燃料はガソリン燃料に比べてベーパが発生しやすいため、前記のように、ベーパが引き込まれないようにすることは、LPG燃料においては特に有効である。
【0028】
また、車両の旋回時などにおいて燃料タンク1内の油面が傾斜した場合においても、ポンプケース3の収納室9内の液体燃料は、収納室9内の全体に充満されているため、該収納室9内における液体燃料の油面の傾斜は発生しない。特に、燃料タンク1内の液体燃料の油面が燃料タンク1の底部に近づいた状態で車両が旋回しても収納室9内の液体燃料の油面の傾斜はない。したがって、車両の旋回時に燃料タンク1内の油面が傾斜しても燃料ポンプ16に空気が吸入されず、すぐには燃料ポンプ16が空回転せず、所定の容積の収納室に貯溜された液体燃料を用いてこれをデリバリパイプ33へ圧送することができる。
【0029】
また、収納室9は燃料タンク1よりも下部に設けられ、かつ、収納室9における液体燃料を貯溜できる容積を燃料タンク1の容積よりも極めて小さくしたので、残り少ない液体燃料を集めて燃料ポンプ16により有効に圧送できる。
【0030】
また、前記ポンプケース3内の液体ポンプ16やフィルタ27などの部品の修理、交換に際しては、先ず、開閉弁11及び15を手動で閉弁して燃料タンク1内の液体燃料のポンプケース3内への流入を遮断し、開閉弁14を手動で閉弁してデリバリパイプ33及び燃料圧送通路32内の液体燃料のポンプケース3内への流入を遮断する。
【0031】
次に、下蓋8を外し、前記の部品をポンプケース3より取り外して、その部品の修理、交換を行う。このとき、前記のように各開閉弁11,14,15が閉弁されているため、燃料タンク1内の液体燃料は燃料タンク1外へ流出しない。そのため、燃料タンク1を開くことにより気化するLPGの液体燃料が貯溜される燃料タンクにおいても、そのLPGの液体燃料を燃料タンク1から取り出すことなく前記の部品の修理、交換作業が行え、その作業が容易になる。
【0032】
【発明の効果】
以上のようであるから本発明によれば、燃料ポンプにて発生したベーパを燃料ポンプが吸入する燃料中に混入させないため、ベーパ混入による燃料ポンプの吐出流量および吐出圧力などの吐出能力の低下を防止することができ、また、燃料ポンプのベーパロックも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す内燃機関の燃料系統図。
【図2】図1における燃料ポンプ部を示す側断面図。
【図3】従来の内燃機関の燃料系統を示す図。
【符号の説明】
1 燃料タンク
2 底板
3 ポンプケース
9 収納室
10 燃料吸入通路
10a 燃料吸入口
13 ベーパ排出通路
13a ベーパ排出口
16 燃料ポンプ
25 ベーパ逃し穴
28 ベーパの通路
L 燃料吸入口とベーパ排出口間の間隔
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に搭載される燃料タンク内の液体燃料を燃料ポンプによりデリバリパイプへ圧送し、インジェクタから内燃機関の吸気通路へ噴出させる燃料供給装置として、例えば図3に示すように、燃料タンク101内の液体燃料を吸い上げる燃料通路102を、燃料タンク101の外部に設けたポンプケース103の収納室104に連通し、該収納室内に1個の燃料ポンプ105を収納し、該燃料ポンプ105の駆動により、燃料タンク101内の液体燃料を収納室104内に吸入するとともに、該収納室104内に溜まった液体燃料を該燃料ポンプ105から燃料圧送管106に圧送し、該圧送された液体燃料をデリバリパイプ107を通じてインジェクタ108から内燃機関の吸気通路へ噴出するようにし、更に、デリバリパイプ107から余剰燃料をリリーフ弁109を介して回収通路110から燃料タンク101へ回収するようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−227726号公報(第4頁[0027]図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術においては、燃料ポンプ105のインペラの回転によるキャビテーションによって発生したベーパが前記収納室104内に排出されるため、この排出されたベーパが燃料ポンプ105へ吸入される液体燃料に混入し、燃料ポンプ105の吐出性能が低下したり、ベーパロックが発生する問題がある。
【0005】
そこで本発明は、前記の問題を解決する内燃機関の燃料供給装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、燃料タンクの底部の下側に燃料ポンプを配置し、燃料タンクの底部に、燃料ポンプへ燃料を供給する燃料吸入口と、燃料ポンプ内で発生したベーパを燃料タンク内へ排出するベーパ排出口を設け、これら燃料吸入口とベーパ排出口との間の間隔を、ベーパ排出口から燃料タンク内へ排出されたベーパが、燃料吸入口から吸い込まれる液体燃料に引き込まれない距離に設定したことを特徴とするものである。
【0007】
本発明において、燃料ポンプ内で発生したベーパは、ベーパ排出口から燃料タンク内に排出される。このとき、排出されたベーパは、燃料吸入口から吸い込まれる燃料に引き込まれないため、燃料ポンプは燃料のみを吸入し、ベーパの混入による燃料ポンプの吐出流量及び吐出圧力などの吐出能力の低下やベーパロックの発生が防止される。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の発明において、前記燃料タンクに貯溜される液体燃料をLPG液体燃料としたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を図1及び図2に示す実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1は内燃機関の燃料系統図で、車両に搭載された燃料タンク1内には液体状の燃料が貯溜される。実施例においては、LPG液体燃料を貯溜する燃料タンクとしている。
【0011】
前記燃料タンク1の底板2にはポンプケース3が、燃料タンク1の底板2よりも下側へ突出して固設されている。すなわち、ポンプケース3は燃料タンク1の最低部よりも下側に設けられている。該ポンプケース3部について図2により詳述する。
【0012】
図2において、ポンプケース3は、上壁4と周壁5とからなる下側が開口した本体部6と、該本体部6の下側開口部7を密閉状に閉塞する下蓋8とからなり、該下蓋8は本体部6にボルト8aなどの取付手段により取り外し可能に固着されている。そして、本体部6は前記燃料タンク1の底板2に固設されている。
【0013】
前記ポンプケース3内には収納室9が形成されており、該収納室9の容積は、後述する燃料ポンプ16やこれに関連するフィルタ27等の部品を配置した状態において、これら燃料ポンプ等以外の部分に若干の空間が生じるような、すなわち燃料ポンプ等が略収まるような空間が生じるような容積に形成され、この空間部に液体状の燃料が溜まるようになっている。したがって、この収納室9が燃料溜め部ともなっている。
【0014】
ポンプケース3の周壁5の一方の周壁5aには燃料吸入通路10が形成され、その燃料吸入口10aが前記燃料タンク1内の底部に開口し、導入口10bが前記収納室9内に開口している。前記燃料吸入通路10には、該通路10を開閉する手動式の開閉弁11が設けられている。
【0015】
ポンプケース3の周壁5における前記一方の周壁5aと対向する側の他方の周壁5bには燃料圧送通路12が形成されている。更に、該他方の周壁5bにはベーパ排出通路13が形成され、そのベーパ排出口13aが前記燃料タンク1内の底部に開口し、ベーパ導出口13bが前記収納室9側の上部に設けられている。
【0016】
前記燃料吸入通路10の燃料吸入口10aと前記ベーパ排出通路13のベーパ排出口13aとは所定の間隔(距離)L分離れている。この間隔Lは、ベーパ排出口13aから燃料タンク1内にベーパが排出された場合に、このベーパが、燃料吸入口10aから吸入される液体燃料に引きこまれて燃料吸入通路10内へ吸い込まれないような距離に設定されている。
【0017】
前記燃料圧送通路12には、該通路12を開閉する手動式の開閉弁14が設けられ、また、前記ベーパ排出通路13には、該通路13を開閉する手動式の開閉弁15が設けられている。
【0018】
前記収納室9内には燃料ポンプ16が横向きに配置されており、該燃料ポンプ16は、ポンプハウジング17とターミナルハウジング18と、これらを連結する円筒ハウジング19を有し、これらにより形成される内部に直流マグネットモータなどのモータ本体20が収納されている。21は界磁用のマグネットである。
【0019】
前記ポンプハウジング17には、前記モータ本体20の出力軸22により回転駆動されるインペラ23が配置されている。更に、ポンプハウジング17には、その下側に位置してインペラ23部に連通する吸込口24が設けられ、上側に位置してインペラ23部に連通するベーパ逃し穴25が設けられている。
【0020】
前記吸込口24の外端には吸込管26が連通して設けられており、該吸込管26の他端は、収納室9の最底部に配置したフィルタ27に連通しており、収納室9内の液体燃料がフィルタ27から吸い込まれ、吸込管26を通じて吸込口24からインペラ23部に吸い込まれるようになっている。
【0021】
前記ベーパ逃し穴25の外端口にはベーパ排出管28が連通して設けられ、該ベーパ排出管28の他端は、前記ベーパ排出通路13の導出口13bに連通しており、インペラ23部で発生したベーパが、ベーパ逃し穴25、ベーパ逃し管28、ベーパ排出通路13を通じてベーパ排出口13aより燃料タンク1内に排出するようになっている。
【0022】
前記ターミナルハウジング18には、前記インペラ23の回転により圧送された液体燃料が入る部屋29が形成されているとともに、該部屋29に連通する吐出口30が設けられており、該吐出口30が前記燃料圧送通路12に連通している。31は接続ターミナルを示す。
【0023】
前記燃料圧送通路12は、開閉弁14を介してケース外の燃料圧送通路32に連通されており、該燃料圧送通路32の他端は、図1に示すように内燃機関のデリバリパイプ33に連通している。デリバリパイプ33には燃料噴射用のインジェクタ34が設けられており、前記燃料ポンプ16より圧送された液体燃料をインジェクタ34から内燃機関の吸気通路内へ噴出するようになっている。
【0024】
前記デリバリパイプ33には、リリーフ弁35を介して回収通路36が設けられており、余剰燃料を回収通路36を通じて燃料タンク1内に回収するとともに、リリーフ弁35によってデリバリパイプ33内の燃料圧力を所定値に保持するようになっている。
【0025】
前記の構造において、燃料タンク1内にLPGなどの液体燃料が貯溜された状態では、燃料タンク1内の液体燃料(液相燃料)が、燃料吸入通路10の燃料吸入口10aから吸入され、開弁している開閉弁11部を通り、導入口10bからポンプケース3の収納室9内に導入されて、収納室9内における燃料ポンプ16およびこれらの関連部品、すなわち、フィルタ27、吸込管26、ベーパ排出管28以外の部分(空間)に液体燃料が充満される。
【0026】
この状態で燃料ポンプ16のモータ本体20を駆動すると、インペラ23が回転し、収納室9内の液体燃料が、フィルタ27、吸込管26、吸込口24を通じて燃料ポンプ16内に吸い込まれ、部屋29内で加圧される。加圧された液体燃料は、圧送口30、燃料圧送通路12、開弁された開閉弁14を通じて外部の燃料圧送通路32へ圧送され、デリバリパイプ33から各インジェクタ34を通じて内燃機関の吸気通路内へ噴出される。また、圧送された余剰燃料はリリーフ弁35を介して回収通路36から燃料タンク1に戻されて回収される。
【0027】
また、前記インペラ23の回転によって、該部においてキャビテーションによりベーパが発生すると、そのベーパはベーパ逃し穴25からベーパ排出管28に排出され、そのベーパはベーパ排出管28を通じて、開弁された開閉弁15を通り、ベーパ排出通路13のベーパ排出口13aから浮力によって燃料タンク1内に排出される。このとき、ベーパ排出口13aと前記燃料吸入口10aとは、相互に独立して設けられているとともに、ベーパ排出口13aから燃料タンク1内の液体燃料中に排出されたベーパが、燃料吸入口10aから吸入される液体燃料によって燃料吸入口10a内に引き込まれない所定の距離L分離れて設けられているため、ベーパが液体燃料に混入して燃料ポンプ16内に吸入されることを防止し、燃料ポンプ16には液体燃料のみが吸入される。そのため、燃料ポンプ16がベーパを吸入して燃料ポンプの吐出流量及び吐出圧力が低下することを防止できる。
特に、LPG燃料はガソリン燃料に比べてベーパが発生しやすいため、前記のように、ベーパが引き込まれないようにすることは、LPG燃料においては特に有効である。
【0028】
また、車両の旋回時などにおいて燃料タンク1内の油面が傾斜した場合においても、ポンプケース3の収納室9内の液体燃料は、収納室9内の全体に充満されているため、該収納室9内における液体燃料の油面の傾斜は発生しない。特に、燃料タンク1内の液体燃料の油面が燃料タンク1の底部に近づいた状態で車両が旋回しても収納室9内の液体燃料の油面の傾斜はない。したがって、車両の旋回時に燃料タンク1内の油面が傾斜しても燃料ポンプ16に空気が吸入されず、すぐには燃料ポンプ16が空回転せず、所定の容積の収納室に貯溜された液体燃料を用いてこれをデリバリパイプ33へ圧送することができる。
【0029】
また、収納室9は燃料タンク1よりも下部に設けられ、かつ、収納室9における液体燃料を貯溜できる容積を燃料タンク1の容積よりも極めて小さくしたので、残り少ない液体燃料を集めて燃料ポンプ16により有効に圧送できる。
【0030】
また、前記ポンプケース3内の液体ポンプ16やフィルタ27などの部品の修理、交換に際しては、先ず、開閉弁11及び15を手動で閉弁して燃料タンク1内の液体燃料のポンプケース3内への流入を遮断し、開閉弁14を手動で閉弁してデリバリパイプ33及び燃料圧送通路32内の液体燃料のポンプケース3内への流入を遮断する。
【0031】
次に、下蓋8を外し、前記の部品をポンプケース3より取り外して、その部品の修理、交換を行う。このとき、前記のように各開閉弁11,14,15が閉弁されているため、燃料タンク1内の液体燃料は燃料タンク1外へ流出しない。そのため、燃料タンク1を開くことにより気化するLPGの液体燃料が貯溜される燃料タンクにおいても、そのLPGの液体燃料を燃料タンク1から取り出すことなく前記の部品の修理、交換作業が行え、その作業が容易になる。
【0032】
【発明の効果】
以上のようであるから本発明によれば、燃料ポンプにて発生したベーパを燃料ポンプが吸入する燃料中に混入させないため、ベーパ混入による燃料ポンプの吐出流量および吐出圧力などの吐出能力の低下を防止することができ、また、燃料ポンプのベーパロックも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す内燃機関の燃料系統図。
【図2】図1における燃料ポンプ部を示す側断面図。
【図3】従来の内燃機関の燃料系統を示す図。
【符号の説明】
1 燃料タンク
2 底板
3 ポンプケース
9 収納室
10 燃料吸入通路
10a 燃料吸入口
13 ベーパ排出通路
13a ベーパ排出口
16 燃料ポンプ
25 ベーパ逃し穴
28 ベーパの通路
L 燃料吸入口とベーパ排出口間の間隔
Claims (2)
- 燃料タンクの底部の下側に燃料ポンプを配置し、燃料タンクの底部に、燃料ポンプへ燃料を供給する燃料吸入口と、燃料ポンプ内で発生したベーパを燃料タンク内へ排出するベーパ排出口を設け、これら燃料吸入口とベーパ排出口との間の間隔を、ベーパ排出口から燃料タンク内へ排出されたベーパが、燃料吸入口から吸い込まれる液体燃料に引き込まれない距離に設定したことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
- 前記燃料タンクに貯溜される液体燃料がLPG液体燃料である請求項1記載の内燃機関の燃料供給装置。
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