JP3929398B2 - エンジン・キャブレタ用プライミング・システム - Google Patents

エンジン・キャブレタ用プライミング・システム Download PDF

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Description

【0001】
(発明の属する技術分野)
本発明は、概して、内燃機関用キャブレタの分野に係り、特に、エンジンの始動を補助するプライミング(priming)・システムを用いるキャブレタに関する。
【0002】
(発明の背景)
内燃機関は、様々な用途に用いられている。例えば、芝刈り機、他の芝及び庭用の機器、除雪車、発電機、ポンプなどのアウトドア電力機器などである。このようなエンジンは、一般的に、キャブレタを有する。キャブレタは、燃料タンク(fuel source)から受け入れた燃料を空気と混合させ、点火のために燃焼室へ供給する。このようなエンジンを始動させるのを補助するために、エンジン始動前にキャブレタ・スロート内へ燃料を直接供給することが一般的には望ましい。これは、多くの異なる既知のプライミング・システムを用いることによって実現できる。
【0003】
このようなタイプのプライミング・システムの1つは、押し下げられたときに、燃料貯め(fuel well)の燃料レベルより上の空気量を排出するプライマ・バルブを含む。燃料貯めからの燃料は、この加圧された空気によって、燃料が空気と混合されるキャブレタのインテーク路内又はスロート内へ燃料ノズルを通じて送り込まれ、その後、エンジンのインテーク・マニホールド内へ引き込まれ、エンジンの始動を補助する。
【0004】
燃料貯めを用いるプライミング・システムに関する共通した問題は、通常、燃料貯めの燃料は、プライミング・オペレーションの後、ゆっくりとしか交換されないという点である。よって、オペレータが矢継ぎ早に複数回エンジンの点火を試みると、最初のプライミング・オペレーションの後は燃料貯めに全く燃料が存在しないか或いは十分な燃料が存在せず、有効なプライミング・オペレーションは最初の1回だけとなる。
【0005】
燃料貯めを用いるプライミング・システムに関する別の共通した問題は、各プライミング・チャージが、燃料貯めの容積(通常、作動燃料が位置する燃料室(fuel bowl)の容積に比べて非常に少ない)に制限され、エンジンの始動を効果的に補助するには十分でないことがしばしばある点である。
【0006】
燃料貯めを用いるプライミング・システムに関する別の共通した問題は、燃料貯めからの燃料を燃料ノズルを通じてキャブレタのインテーク路内又はスロート内へ送り込むのに用いられる加圧空気の一部が内部通気路を通じて逃げ、プライミング・システムの有効性を低下させ得る点である。したがって、加圧空気の損失を低減するために、通気路の開口部の直径を小さくすることが知られている。このタイプの構成の欠点は、小さい直径の通気路によって作られた真空によってキャブレタを校正するのが難しい点である。
【0007】
燃料貯めを用いるプライミング・システムに関する別の共通した問題は、燃料室から燃料貯めへの燃料の流れを規制するための絞りオリフィスを用いるこれらのキャブレタにとって、許容し得る校正結果を実現するためには、燃料貯め用の内部通気路を燃料絞りオリフィスに比例したサイズにしなければならないという広く受け入れられた原則に関する。始動時、高負荷時、及び加速時に十分な量の燃料をキャブレタのインテーク通路へ送り、エンジンを効率良く始動させ、エンジンを継続的に滑らかに運転させるために、できるだけ多くの燃料をキャブレタへ送ることによってプライミング・オペレーションを向上させるには、燃料絞りオリフィスはできるだけ大きい方が望ましい。しかし、燃料絞りオリフィスを大きくすると、一般的には、上述のように燃料貯め通気路も大きくなる。そして、燃料貯め通気路が大きくなると、一般的に、排出される加圧空気の大部分がプライミング中に燃料貯めを通じて逃げることになる。燃料噴射を制限すれば、この大きい燃料貯め通気路を持っているという問題は解決されるが、制限された燃料噴射は、エンジン始動及びエンジン運転性能についてエンジン効率に悪い影響を与える。
【0008】
(発明の開示)
本発明は、上記及び他の従来技術の問題を克服するものであり、プライマ・バルブの可変容積チャンバと燃料貯めとが通路(passageway)でつながれた内燃機関と共に用いられるキャブレタを提供することによって上記特徴及び他の特徴を含む。この通路は、その燃料貯め内への排出口が少なくとも部分的に該通路内へ延びるプライミング燃料レベルより下にある。ある量の空気がプライマ・バルブから該通路を通って燃料貯め内へ排出されると、キャブレタの燃料ノズル内へある量の燃料が噴射され、キャブレタ・インテーク路へプライミング・チャージが提供される。燃料貯め内への通路の排出口がプライミング燃料レベルよりも下方にあるため、排出される加圧空気の大部分が通気口を通じて失われることはない。したがって、燃料室から燃料貯めへの燃料の流れを規制するのに用いられる燃料絞りオリフィスのサイズは、既知の従来のプライミング・システムの場合のように通気口又は通気路に許容されるサイズによって制限されない。よって、有益的なことに、燃料絞りオリフィスのサイズを大きくし、プライミングの反応性を改善することができる。さらに、結果として得られる比例して大きくされた燃料貯め通気路にかかわらず、高負荷及び加速をより良く扱うことができる。
【0009】
したがって、本発明は、エンジンの始動効率を高め、校正の一貫性を向上させ、更に運転中のエンジンの性能特性を改善するエンジン・キャブレタ用プライミング・システムを提供することである。
【0010】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、請求項、及び図面を精査することによって、当業者に明らかとなる。図中、同じ番号は同じ特徴を示す。
【0011】
本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明の用途は、以下に説明する又は図面に示される詳細な構造及び部品の配置に制限されるものではないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実現又は実行することができる。さらに、ここで用いられる表現及び用語は、説明のためであり、限定するものと考えられるべきではない。ここでは、「含む(include)」、「有する(comprise)」、及びこれらの派生語の使用は、その後ろに列挙されたアイテム及びその等価物を、追加的アイテム及びその等価物と共に含むことを意味する。ここでは、「consisting of」の使用は、その後ろに列挙されたアイテム及びその等価物のみを含むことを意味する。
【0012】
(発明の詳細な説明)
図1〜9は、本発明を具現化する複数の代替的キャブレタ・アッセンブリを示す。図示したキャブレタのそれぞれは、概して、アウトドア電力機器などにおいて一般的に用いられている従来通りに吸引する内燃機関へ可燃性空気/燃料混合気を供給するタイプである。このようなキャブレタ及びエンジンの全体の構造及び作動は、図示せず、詳細な説明もしない。なぜなら、内燃機関及びそのためのキャブレタは本分野では良く知られているからである。しかし、本発明は、類似の又は他の内燃機関と共に用いられる他のキャブレタにおいて用いられることも可能であり、図1〜9に示すキャブレタは単に本発明を用いることができるも模範的モデルとして図示され説明されているにすぎないことは明らかである。
【0013】
図1は、キャブレタ・アッセンブリ10を示す。キャブレタ本体14は、フランジ18を通じて、図示しないエンジン上にマウントされる。燃料又はフロート室(fuel or float bowl)34は、ナット36によってキャブレタ本体14の底に固定される。ベンチュリを含むキャブレタ・インテーク路又はスロート22は、キャブレタ吸気口26(例えば図7参照)からキャブレタ混合気排出口30(例えば図7参照)へ延びる。燃料は、燃料供給タンク(図示せず)からの燃料ライン38によってキャブレタへ供給され、ブロート・バルブ42及びバルブ・シート46を経由して燃料室34の燃料供給室50内へ入る。燃料供給室50内に配置されたフロート機構54は、フロート・バルブ42を制御するため、燃料室34又は燃料供給室50内の燃料レベルが制御される。燃料供給室50内の燃料レベルが妥当であれば、フロート54は旋回ヒンジピン58周りに下方へ旋回し、バルブ42とバルブ・シート46との間にギャップを作るため、燃料は、重力により、燃料ライン38から燃料供給室50内へ流れることができる。適正な量の燃料が一旦燃料供給室50へ送られると、フロート54は、旋回ヒンジピン58周りに上方へ旋回し、それ以上の燃料供給室50への燃料の流れを遮断する。
【0014】
燃料は、規制された燃料室34の燃料供給室50から、キャブレタ本体14の多孔円柱部分66で発見される1以上の開口部62を通じて、ナット36内に配置された1以上の充填オリフィス又はキャビティ70内へ入る。同じくナット36内に配置された燃料絞りオリフィス又はメイン燃料ジェット78は、燃料供給室50から燃料貯め82への燃料の流れを規制する。ここで用いられるように、「燃料貯め(fuel well)」という語は、燃料ノズルとキャブレタ本体の間のスペース、及び/又は、燃料ジェットの排出口と燃料ノズルの吸入口との間のスペースを含み、プライミング燃料を保持するチャンバを指す。
【0015】
燃料ノズル86は、作動可能なように、燃料貯め82と燃料供給室50とをキャブレタ・インテーク路22で連結し、燃料をキャブレタ・インテーク路22へ供給する。スロットル・バルブ90(例えば図7参照)は、キャブレタ・インテーク路22内に位置し、キャブレタ・インテーク路22を通る空気/燃料混合気の流速を制御する。空気フィルタ(例えば図7参照)は、キャブレタ吸気口26と連結され、キャブレタ・インテーク路22に入る空気を濾過する。
【0016】
正常なエンジン運転中、空気は燃料ノズル86の上部を通過して流れる。一般的に知られているように、適正な燃料流速は、燃料が、燃料ノズル86を通って上方へ流れ、インテーク路22内でそこを通る空気と混合されることを可能にし、始動及び運転のために空気/燃料混合気をエンジンへ供給するキャブレタ内の圧力差によって促進される。一般的に理解されているように、エンジンの最初の始動中、空気流、引いてはキャブレタ内の圧力差、は低減される。結果として、始動に十分な燃料の充填が存在しない。さらに、エンジンが冷たいとき又はエンジンが長い期間使用されていなかったとき、より多くのプライミング燃料が必要となることが一般的に知られている。本発明の一態様によれば、プライミング・システムは、エンジン始動を補助するプライミング・チャージを提供することによって、これらの問題を修正することが意図されている。
【0017】
再び図1を参照する。可変容量チャンバ102を有するプライマ・バルブ98は、作動可能なように、燃料貯め82と連結され、キャブレタ10がエンジン始動前にプライミングされ得るようにしている。プライマ・バルブ98は、可撓性、不通気性、及び耐ガソリン性を有するゴムのような材料から作られる。以下に更に説明するように、プライマ・バルブ98が押し下げられると、ある量の燃料が燃料ノズル86を通じてキャブレタ・インテーク路22内へ噴射されるため、キャブレタ10がプライミングされ、エンジン始動が補助される。
【0018】
図1に示すように、プライマ・バルブ98は、プライマ・バルブ・リテーナ機構110によって、ハウジング部106に密閉して固定される。ハウジング部106は、図示するように、キャブレタ本体14内へ圧入される。少なくとも部分的にキャブレタ本体14を通る通路114は、可変容量チャンバ102と流体が流れるように連通された第一端118と、燃料貯め82内へ開口し、燃料貯め82と流体が流れるように連通された第二端122と、を有する。
【0019】
本発明の重要な特徴は、通路114の排出口又は第二端122が破線126で図示する静止又は非作動プライミング燃料レベルより下方で、燃料貯め82内へ開口していることである。通路114は、プライマ・バルブ98が押し下げられたときに可変容量チャンバ102から空気を移動させ、通路114の第二端122から燃料貯め82内へ送り、よってキャブレタ・インテーク路22へ適切なプライミング・チャージを提供することを可能にする。
【0020】
本発明のプライミング・システムの重要な利点は、通路114の端部122が、従来の既知のプライミング・システムのように燃料貯めのスタート時のプライミング燃料レベル126より上の空気スペース内ではなく、スタート時のプライミング燃料レベルよりも下方で燃料貯め82内へ開口しているため、排出された加圧空気の大部分が図7に示す通気口94などの燃料貯め通気口を通じて逃げてしまうことがない。排出された空気は、通路114を通って移動し、排出口端122から燃料貯め82内及びプライミング燃料内へ排出され、結果として排出された空気は逃げ出す方法がない。加圧空気の大部分が通気口から逃げないため、図7に示す通気口94などの通気口のサイズを最適なエンジン設計のために増やしても、プライミング・オペレーション中に燃料貯め82からの望まれない圧力漏れが生じない。このように、本発明に係る原理によれば、燃料絞りオリフィス78を最適な校正及び性能特性のためのサイズとすることができる。
【0021】
プライマ・バルブ98がその非プライミング位置若しくは初期位置に戻ったときに少量の燃料が可変容量チャンバ102内へ吸い込まれ得ることは明らかであるが、これは、本発明に係るプライミング・システムのオペレーション全体に悪い影響を与えない、或いは、プライマ・バルブ98が作られた材料のタイプのために、燃料がプライマ・バルブ98を損傷しない。事実、本発明によれば、通路114に燃料を持つことで、エンジンの始動効率を実際に向上させる。通路114の燃料は、燃料プライミング・チャージの量を増やすため、プライマ・バルブ98が押し下げられるたびに噴射されるプライミング燃料の量を増やすことができ、エンジンの始動効率を潜在的に増加させる。
【0022】
プライマ・バルブ98が押し下げられたときに所望量の燃料が燃料ノズル86内に噴射され、本発明のプライミング・システムが向上するように、通路114の端部122は燃料ノズル86の下端近くに位置することが好ましい。しかし、通路114の端部122が静止プライミング燃料レベル126より下で燃料貯め82内に開口している限り、通路114の端部122は様々な他の場所に配置され、本発明の原理に従って機能することができる。
【0023】
既述のように、図2〜9は、本発明が採用され得る様々な他の代替的キャブレタ・アッセンブリを示す。図1について図示し説明したキャブレタ・アッセンブリ10の構造及び作動特性の多くは、図2〜9のキャブレタ・アッセンブリにも見受けられる。したがって、明瞭化のため、特定の構造及び作動特性の説明は繰り返さない。
【0024】
図2は、キャブレタ・アッセンブリ10に類似した第二のキャブレタ・アッセンブリ200を示す。但し、プライマ・バルブ98はキャブレタ本体204に直接的に密閉された固定され、通路114の通り道も若干替えられている。
【0025】
図3は、キャブレタ・アッセンブリ300に類似した第三のキャブレタ・アッセンブリ300を示す。但し、キャブレタ本体304の多孔円柱部分302は、開口部62(図1)を含まず、ナット308は燃料絞りオリフィス78(図1)、充填オリフィス及びキャビティ70(図1)を含まない。代わりに、燃料絞りオリフィス312は、円柱部分302を通って燃料供給室50と燃料貯め316との間に延びるように配置される。前の図では、燃料絞りオリフィス78(図1)は燃料ノズル86(図1)に対して平行でナット36(図1)と同軸上であるように図示されたのとは対象的に、図示するように、燃料絞りオリフィス312は燃料ノズル86に対してほぼ垂直に配置される。
【0026】
図4は、キャブレタ・アッセンブリ10に類似した第四のキャブレタ・アッセンブリ400を示す。但し、このアッセンブリでは、若干異なる校正要件を提供するため、燃料貯め408は、図1に示す閉じた構造とは対象的に、開口構造となっている。燃料ノズル404の底は、キャブレタ本体406に対してシーリングされていない。本発明に係るプライミング・システムは、当業者には一般的に知られている開いたキャブレタでも閉じたキャブレタでもいずれでも用いることができることに注意。「閉じた」燃料貯めは、キャブレタ本体に対してノズルの底でシーリングされる。「開いた」燃料貯めは、ノズルの底でキャブレタ本体に対してシーリングされない。図示したキャブレタは、閉じたキャブレタでも開いたキャブレタでも所望の構造とし得る。
【0027】
図5は、キャブレタ・アッセンブリ10に類似した第五のキャブレタ・アッセンブリ500を示す。但し、プライマ・バルブ98は燃料室504に対して密閉して固定され、通路114の通り道が、少なくとも部分的に燃料室504を通ると共に少なくとも部分的にキャブレタ本体508を通るように若干変えられている。
【0028】
図6は、キャブレタ・アッセンブリ10に類似した第六のキャブレタ・アッセンブリ600を示す。但し、プライマ・バルブ98は、ハウジング部604に密閉して固定され、ハウジング部604は可撓管608に密閉して固定され、可撓管608はキャブレタ本体612に密閉して固定され、通路114は、可撓管608を通るように延長されている。可撓管608をキャブレタ本体612へ固定するのに、図示するように、取り付け部616が用いられる。
【0029】
図7は、第七のキャブレタ・アッセンブリ700を示す。プライマ・バルブ98は、エアクリーナ・ハウジング92へ密閉して固定される。燃料絞りオリフィス728は、円柱部分712を通って燃料供給室716と燃料貯め720との間に延びるように配置される。燃料オリフィス728は、燃料ノズル732に対してほぼ垂直である。通路114は、少なくとも部分的にキャブレタ本体704を通るように延び、プライミング燃料レベル126より下で燃料貯め720内に開口している。
【0030】
図8は、キャブレタ・アッセンブリ200に類似した第八のキャブレタ・アッセンブリ800を示す。但し、プライマ・バルブ98は、キャブレタ本体808に密閉して固定された空気フィルタ・ハウジング若しくは燃料タンク804に密閉して固定され、通路114の通り道は延長され、プライマ・バルブ98の遠隔場所を収容する。通路114の少なくとも一部は空気フィルタ・ハウジング若しくは燃料タンク804と一体化されることが好ましい。
【0031】
図9は、キャブレタ・アッセンブリ10に類似した第九のキャブレタ・アッセンブリ900を示す。但し、プライマ・バルブ98は、若干異なる方法でキャブレタ本体904に固定され、燃料室ナットは設けられず、多孔円柱部分908は、燃料ノズル916、燃料ジェット920、及び通路114の一部を含む燃料ノズル・アッセンブリ912を受け入れるように異なる構造を有する。図9は、更に、図7に示す燃料貯め通気口94とは異なる通気口924を示す。燃料ノズル916が燃料貯め924と連通できることを示すために、燃料ノズル924に開口部928が示される。図1〜8には示していないが、そこに図示される燃料ノズルも類似した開口部を同様に有してもよい。燃料ノズル・アッセンブリ912は、射出成型された単体のプラスティックから作られることが好ましい。通路114の燃料ノズル・アッセンブリ912の一部として一体に形成された部分を除いて、燃料ノズル・アッセンブリ912は従来通りであり、当業者には既知である。図1と同様に、通路114は、プライマ・バルブ98が押し下げられたときに、空気が可変容量チャンバ102から移動し、通路114の第二端932から燃料貯め936内へ排出され、よって燃料ノズル916の端部を通じてある量の燃料が噴射され、適切なプライミング・チャージがキャブレタ・インテーク路22へ提供されることを可能にする。通路114の端部932がスタート時のプライミング燃料レベル126より下方で燃料貯め936内へ開口しているため、排出された加圧空気の大部分は燃料貯め通気口924と通じて逃げることができない。燃料ノズル・アッセンブリ912の利点は、このアッセンブリを、例えば図1に示すキャブレタの場合などでは通常キャブレタ本体へと機械加工される通路114の一部を含むように、射出成型したプラスティック材料から作ることができることである。このタイプの構造は、製造コスト及び組立コストを低減する。
【0032】
以上の本発明の説明は、図示及び説明のために提示されたものである。さらに、この説明は、本発明をここに開示された形に制限することを意図したものではない。その結果、関連する分野の技術若しくは知識の上記教えに相応する変形例及び修正は、本発明の範囲内である。例えば、本発明が採用され得る9つのわずかに異なるキャブレタ・アッセンブリを説明してきたが、更に修正され、本発明の原理を依然として組み込み、そこから利益を受ける他のキャブレタ・アッセンブリも可能である。ここに説明した実施形態は、更に、本発明を実現する既知のモードの中で最良のものを説明すること、及び、他の当業者が、本発明をそういうものとして、或いは特定の用途又は本発明の使用によって要求された他の実施形態及び様々な変形例として、用いることを可能にすることも意図されている。付属の請求項は、従来技術によって可能な程度で代替的な実施形態を含むように解釈されるべきである。
【0033】
本発明の様々な特徴は以下の請求項に説明される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を含むキャブレタ・アッセンブリの一例の断面図である。
【図2】 本発明を含むキャブレタ・アッセンブリの別の一例の断面図である。
【図3】 本発明を含むキャブレタ・アッセンブリの別の一例の断面図である。
【図4】 本発明を含むキャブレタ・アッセンブリの別の一例の断面図である。
【図5】 本発明を含むキャブレタ・アッセンブリの別の一例の断面図である。
【図6】 本発明を含むキャブレタ・アッセンブリの別の一例の断面図である。
【図7】 本発明を含むキャブレタ・アッセンブリの別の一例の断面図である。
【図8】 本発明を含むキャブレタ・アッセンブリの別の一例の断面図である。
【図9】 本発明を含むキャブレタ・アッセンブリの別の一例の断面図である。

Claims (9)

  1. 内燃機関と共に用いられるキャブレタであって、
    燃料室と、
    前記燃料室の下流に設けられ、該燃料室からの燃料の流れを制限する主燃料ジェットと、
    前記主燃料ジェットの下流に設けられた燃料チャンバと、
    可変容量チャンバを備えたプライマ・バルブと、
    前記可変容量チャンバと流体が流れるように連通した第一端と前記燃料チャンバと流体が流れるように連通した第二端とを持つ通路とを有し、
    前記通路の第二端は、前記燃料チャンバの最初の燃料レベルより下方に位置するように、前記主燃料ジェットの下流に設けられる、ことを特徴とするキャブレタ。
  2. 請求項1記載のキャブレタであって、
    前記燃料チャンバを前記キャブレタのエアインテークへ作動可能に相互接続する内部通気口を更に有する、ことを特徴とするキャブレタ。
  3. 請求項1記載のキャブレタであって、
    インテーク路を備えたキャブレタ本体と、
    前記燃料チャンバを前記インテーク路へ作動可能に相互接続する燃料ノズルと、を更に有することを特徴とするキャブレタ。
  4. 請求項1記載のキャブレタであって、
    キャブレタ本体を更に有し、
    前記燃料室は、前記キャブレタ本体と相互接続され、
    前記プライマ・バルブは、前記キャブレタ本体と相互接続される、ことを特徴とするキャブレタ。
  5. 請求項4記載のキャブレタであって、
    前記通路は、少なくとも部分的に、前記キャブレタ本体内を通る、ことを特徴とするキャブレタ。
  6. 請求項1記載のキャブレタであって、
    キャブレタ本体と、
    前記キャブレタ本体内に配置された燃料ノズルと、
    前記キャブレタ本体と前記燃料ノズルとの間に配置された燃料貯めチャンバとを有し、
    前記燃料ノズルは、前記燃料チャンバを前記キャブレタのインテーク路へ作動可能に相互接続し、
    前記燃料ノズルの一端は前記インテーク路内に開口し、
    前記燃料ノズルの他端は前記燃料チャンバ内へ開口し、
    前記燃料貯めチャンバの下端は閉じられている、ことを特徴とするキャブレタ。
  7. 請求項6記載のキャブレタであって、
    前記燃料ノズルは、前記燃料チャンバ内へ開口した少なくとも1つの開口部を有する、ことを特徴とするキャブレタ。
  8. 内燃機関と共に用いられるキャブレタであって、
    インテーク路を備えたキャブレタ本体と、
    前記キャブレタ本体と相互接続された燃料室と、
    前記燃料室内に設けられ、燃料レベルを備えた燃料供給チャンバと、
    前記燃料室内に設けられ、前記燃料供給チャンバの燃料レベルを調節するフロート機構と、
    前記燃料供給チャンバの下流に設けられた主燃料ジェットと、
    前記主燃料ジェットの下流に設けられた燃料加圧チャンバと、
    前記燃料加圧チャンバを前記インテーク路へ作動可能に相互接続する燃料ノズルと、
    可変容量チャンバを備えたプライマ・バルブと、
    前記可変容量チャンバと流体が流れるように連通した第一端と前記燃料加圧チャンバと流体が流れるように連通した第二端とを持つ通路とを有し、
    前記通路の第二端は、前記燃料加圧チャンバの最初の燃料レベルより下方に位置するように、前記主燃料ジェットの下流に設けられる、ことを特徴とするキャブレタ。
  9. 請求項8記載のキャブレタであって、
    前記燃料加圧チャンバを前記インテーク路へ作動可能に相互接続する内部通気口を更に有する、ことを特徴とするキャブレタ。
JP2002538033A 2000-10-20 2001-10-11 エンジン・キャブレタ用プライミング・システム Expired - Fee Related JP3929398B2 (ja)

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