JP4335391B2 - 気化器の始動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は汎用エンジンに燃料を供給する気化器に設けられ、エンジンの始動を容易にするための始動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
草刈機や枝払機のような携帯作業機械、プレジャボートのような小形船舶、雪上車のような小形車両などの動力源に用いられている汎用2サイクルまたは4サイクルエンジンに燃料を供給する気化器において、冷寒時におけるエンジンの始動を良好とするために、チョーク弁に代えて手動の始動ポンプを有する始動装置を具えることが一般に行なわれている。
【0003】
始動ポンプを有する始動装置として、例えば特開昭55−69748号公報に記載されているように、燃料タンクから気化器の定燃料室に至る燃料通路に始動ポンプを設置して燃料を定燃料室に強制送入し吸気通路に溢流させるものと、例えば実公昭47−29153号公報に記載されているように、定燃料室の燃料上方の空間に始動ポンプを設けた空気通路を接続し加圧空気を送入して燃料を吸気通路へ押し出すものとがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記の始動ポンプが燃料を送る方式のものは、燃料が吸気通路に過剰に送られることのないように過剰燃料を気化器外部へ逃すとともにこれを確認する手段を併用するのが普通であり、そのために通路構成が複雑となるのを避けられない。
【0005】
一方、始動ポンプが加圧空気を送る方式のものは、大気または吸気通路から燃料上方に至る空気通路をエアベントまたは別途に設けた通路によって形成するとともに、この空気通路に始動ポンプの吐出行程で吸入側を閉止する逆止弁を設けているが、過剰燃料放出通路を設けないだけ通路構成が簡単である。しかし、燃料上方の空間は始動ポンプ操作時に密閉状態とされるため、始動ポンプの操作を繰り返すに伴って燃料に作用する空気圧力が上昇を続け、かなり高い圧力が燃料に作用すると吸気通路へ連続状態で押し出すようになり、その結果過剰に押し出されて混合気過濃による始動不良を招きやすい。更に、吸気通路に燃料が送出されたことを確認する手段がないので、このことも始動ポンプを必要以上に操作して燃料を過剰に押し出す原因となる。
【0006】
本発明は通路構成が比較的簡単であるとされている、加圧空気を定燃料室の燃料に作用させて吸気通路へ押し出すことによりエンジン始動に必要な燃料を供給するようにした始動装置によると、燃料を過剰に押し出しがちで始動不良を招きやすい、という前記課題を解決するためになされたものであって、始動ポンプの操作回数が多くても過剰に押し出すことが殆どなく、容易に適正量の燃料を吸気通路へ押し出してエンジンを良好に始動できるものとすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は定燃料室に開口した主ジェットから吸気通路に開口した主ノズル口に至る燃料通路に形成される燃料溜りの底部と吸気通路とを手動の始動ポンプを具えた空気通路で接続した。そして、この空気通路の吸気通路から始動ポンプのポンプ室に至る吸込通路部とポンプ室から燃料溜りに至る吐出通路部とを始動ポンプの作動、不作動にかかわらず常時連通しているものとし、且つ吸込通路部に絞りを設けた。
【0008】
始動ポンプを操作すると、吐出行程でポンプ室の空気が加圧されて燃料溜りに底部から送入され、燃料通路内の燃料を吸気通路へ押し出す。燃料溜りの底部は吸気通路と常時連通しており、吐出行程から吸込行程に移ると同時に圧力を低下するようになるので、始動ポンプの操作を繰返しても燃料は連続状態で押し出されることがなく、過剰に押し出すことが殆どない。また、吐出行程で加圧空気の一部が絞りを通って吸気通路へ放出されるが、燃料溜りは定燃料室上方の空間に比べて著しく小容積であるのでポンプ効率の低下を無視でき、少ない操作回数でも適正量の燃料を吸気通路へ押し出してエンジンを良好に始動させるという目的を達成することができる。
【0009】
尚、エンジンの高速運転時に吸気通路を流れる空気が空気通路から燃料通路を通って主ノズル口に流れ、燃料流量を狂わせることがないように、吸込通路部をベンチュリと絞り弁との間の部分に開口させるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明すると、胴体1は横向きの吸気通路2を前後に貫通させて有しているとともに中央部下方へ突出した柱状体6を一体に有しており、また下面に腕形の燃料容器7を気・液密に結合している。
【0011】
吸気通路2には入口から出口に向かって順にチョーク弁3,ベンチュリ4,絞り弁5が配置されている。また、柱状体6は後述する燃料通路12を形成する下端開放の取付孔8を有しており、この取付孔8の下端部は燃料容器7の底に固結したプラグ9によって液密に塞がれている。更に、燃料容器7には浮子10が収納されており、この浮子10は回動可能に片持ち支持されているとともに燃料弁を具えており、燃料タンクから燃料ポンプを経て送られてくる燃料を燃料弁の開閉動作に応じて燃料容器7に導入する。即ち、燃料容器7の内部は浮子10によって燃料を一定油面に保って保有する周知の定燃料室11を形成している。
【0012】
燃料通路12は取付孔8に挿入したエマルジョン管13と、その上方部分に一体形成された主ノズル14とを有しており、主ノズル14の先端部はベンチュリ4の最狭部分に突出しその先端開口は主ノズル口15を形成している。定燃料室11の燃料は柱状体6の下端部に設けた主ジェット16で計量されて取付孔8のエマルジョン管13とプラグ9との間の入口室17に入り、これよりエマルジョン管13,主ノズル14を通って主ノズル口15から吸気通路2に送出される。
【0013】
取付孔8の上端部には吸気通路2のベンチュリ4上流側から延びるブリード空気通路18が接続されており、空気ジェット19で計量されたブリード空気が取付孔8に入り、エマルジョン管13を流れる燃料と混合する。
【0014】
定燃料室11に一定量保有される燃料の油面Aの下方部分に対応する燃料通路12の下部領域は、燃料が常時充満して燃料溜り(メインウエル)20を形成している。
【0015】
次に、本発明である始動装置は吸気通路2のベンチュリ4と絞り弁5との間の部分と燃料溜り20の下端である入口室17とを接続した空気通路21と、この空気通路21の途中に設けた手動の始動ポンプ26とを具えている。
【0016】
図示実施の形態では、空気通路21はこれより分岐させた一つの連通路22によって始動ポンプ26のポンプ室28と連通しており、吸気通路2から連通路22を経てポンプ室28に至る部分が吸込通路部23を形成し、ポンプ室28から連通路22を経て燃料溜り20に至る部分が吐出通路部24を形成している。また、吸込通路部23には絞り(ジェット)25が設けられており、吐出通路部24は吸込通路部23に連続して下方へ延びる部分と側方へ延びる部分と燃料溜り20に向かって上方へ延びる部分とからなるU字状を呈している。
【0017】
始動ポンプ26はゴムなどの弾性材料で作られたドーム形のポンプ部材27を胴体1に気・液密に取り付けたものであって、指先で押圧し次に釈放することによってポンプ室28を縮小し次に拡張復元させ、縮小即ち吐出行程でポンプ室28の空気を加圧して主に吐出通路部24より燃料溜り20へ送り、拡張復元即ち吸込行程で吸込み通路部23および吐出通路部24の両方からポンプ室28に空気が吸込まれる。
【0018】
定燃料室11の燃料は燃料溜り20および吐出通路部24に定燃料室11と同じ油面Aまで入っている。この状態でエンジン始動のために始動ポンプ26を操作すると、吐出行程で加圧空気の一部が吸込通路部23の絞り25を通って吸気通路2へ放出されるが、大半が吐出通路部24に入って燃料を押す。入口室17の容積は小さく、ノズル管13,主ノズル14の内径は小さいので、これらの内部の燃料は一回の操作で高く押し上げられて主ノズル口15から吸気通路2へ送出されることとなる。
【0019】
吸込行程で吐出通路部24の空気が逆流するとともに、吸気通路2の空気が絞り25で制限されながら吸込通路部23を通ってポンプ室28に吸込まれる。この間に定燃料室11の燃料が押し出しによる減少分だけ主ジェット16から燃料溜り20に入り、次の吐出行程で吸気通路2へ送出される。
【0020】
始動ポンプ26の作動、不作動にかかわらず吸込通路部23は閉止することなく吐出通路部24と常時連通しているので、始動のポンプ26を繰返し操作しても燃料に作用する空気圧力が過度に上昇することがない。このため、燃料が連続的に押し出されることがなくなり、始動ポンプ26の一回の操作毎に少量ずつ不連続に押し出されることとなる。加えて、燃料溜り20は小容積であり且つエマルジョン管13,主ノズル14は小径であるので、加圧空気の一部が吸気通路2へ逃げることによるポンプ効率の低下を無視することができ、少ない操作回数でも適正量の燃料を吸気通路2へ押し出してエンジンを良好に始動させることができる。
【0021】
燃料の押し出し量は絞り25の径によって決定されるものであり、本発明の発明者が図示実施の形態の気化器について絞り25をつけ替えて実験したところ、一回の操作で押し出される燃料は絞り25の径0.6mmで0.6cc,0.8mmで0.35cc,1.0mmで0.2cc,1.2mmで0.05ccという結果が得られた。このことから、エンジンの排気量に応じて絞り25の径を選定することにより、少ない操作回数で所定量の燃料を的確にエンジンに供給することができ、或いは操作を繰り返し続けても過剰に押し出す量を少量にとどめられることが判る。
【0022】
また、空気通路21はベンチュリ4と絞り弁5との間の部分で吸気通路2に開口させてあるので、エンジンの高速運転時に主ノズル口15と吸込通路部23の開口との間に生じる圧力差で吸込通路部23から主ノズル口15へと空気が流れ燃料流量を狂わせる、という不都合が回避される。
【0023】
尚、空気通路21は図示実施の形態では胴体1およびプラグ9に設けた孔と気化器外部に配置したパイプとによって形成したが、気化器の形状によってさまざまに形成され、また始動ポンプ26も胴体1に取り付けることなく専用の基台または燃料容器7に取り付ける場合がある。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると簡単な通路構造でしかも燃料を過剰に吸気通路へ押し出すことなく容易に適正量を供給してエンジンを良好に始動させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す縦断面図。
【符号の説明】
2 吸気通路,4 ベンチュリ,5 絞り弁,12 燃料通路,15 主ノズル口,16 主ジェット,20 燃料溜り,21 空気通路,23 吸入通路部,24 吐出通路部,25 絞り,26 始動ポンプ,28 ポンプ室,
Claims (2)
- 定燃料室に開口した主ジェットから吸気通路に開口した主ノズル口に至る燃料通路に形成される燃料溜りの底部と前記吸気通路とが手動の始動ポンプを具えた空気通路によって接続されており、前記空気通路は前記吸気通路から前記始動ポンプのポンプ室に至る吸込通路部と前記ポンプ室から前記燃料溜りに至る吐出通路部とからなり、前記吸込通路部と吐出通路部とは前記始動ポンプの作動、不作動にかかわらず常時連通しているとともに、前記吸込通路部に絞りが設けられていることを特徴とする気化器の始動装置。
- 前記吸込通路部はベンチュリと絞り弁との間で前記吸気通路に開口している請求項1に記載した気化器の始動装置。
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