JP2004322243A - キャリアプレートおよびその製造方法ならびに該方法に使用する研削盤 - Google Patents

キャリアプレートおよびその製造方法ならびに該方法に使用する研削盤 Download PDF

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Hiroshi Kawasaki
弘志 川崎
Hideki Naoi
秀樹 直井
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Abstract

【課題】段差が小さく、高性能のキャリアプレート、およびこのキャリアプレートを低コストで効率よく製造することのできるキャリアプレートの製造方法、ならびに該方法に使用する研削盤を提供する。
【解決手段】プレート本体22に電子部品支持体29を設けた後、プレート本体22および電子部品支持体29のそれぞれの表面に、研磨布紙44による仕上げ加工を施して、プレート本体22と電子部品支持体29との境界部分におけるそれぞれの表面の段差を35μm以下に形成する。研磨布紙44は、研削盤41のゴムロールにより形成されたコンタクトホイール42と、アイドラホイール43とに展張状態で装着し、コンタクトホイール42を介してプレート本体22および電子部品支持体29のそれぞれの表面に接触させて仕上げ加工に供する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数の小型電子部品の端部にコーティングを施すのに好適なキャリアプレートおよびその製造方法ならびに該方法に使用する研削盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型電子部品として、例えば、抵抗器、コンデンサ、LEDチップなどのチップ化された電子部品が知られている。このような小型電子部品、例えばチップ化されたコンデンサである積層セラミックコンデンサは、ほぼ長方体状に形成されており、その長手方向の両端には、電気的な接続に用いるための端子がそれぞれ形成されている。この端子は、長手方向の両端に、導電性のコーティングを施すことにより形成されている。そして、小型電子部品の両端にコーティングを施す際には、多数の小型電子部品の端部にコーティングを効率的に行うために、多数の小型電子部品を支持可能なキャリアプレートが用いられている。
【0003】
このようなキャリアプレートとしては、金属製の矩形のプレート本体の厚さ方向に貫通する多数の貫通通路を、プレート本体の平面に並列させて貫通形成し、これらの各通路の内壁面に弾性部材をもって電子部品支持体となる弾性壁を形成する構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この種のキャリアプレートのプレート本体にはアルミニウム、弾性壁を形成する柔軟部材にはシリコーンゴムがそれぞれ多用されている。
【0005】
また、小型電子部品に対するコーティングは、各通路の弾性壁の内径寸法よりも大きい外形寸法を有するチップ部品である小型電子部品を先端が突出するまでキャリアプレートの貫通通路に押し込んで弾性的に把持させ、突出端を銀やパラジウムなどでつくられた導電性ペーストによりコーティングした後、加熱硬化させることにより行われている(例えば、特許文献2、3参照)。
【0006】
従来のキャリアプレートの製造方法としては、低粘度の室温硬化型液状シリコーンゴムをプレート本体の外側フレーム内に流延して室温にて硬化させるか、比較的低粘度の付加型シリコーンゴムをプレート本体の外側フレーム内に流延し、150℃で30分程度加熱して硬化したるのち研磨(研削)による表面仕上げを施すものが知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0007】
図7は、従来のキャリアプレートの一例を示す部分拡大断面図である。図7に示すように、従来のキャリアプレート1は、アルミニウムなどの剛性を有する素材により形成されたプレート本体2を有している。このプレート本体2は、平板状の基板部3の外周縁を四角枠状の外側フレーム4によって囲うことにより、全体として厚さの薄いほぼ直方体状に形成されている。そして、外側フレーム4の図7の上下方向に示す厚さは、基板部3の厚さより厚く形成されており、基板部3の上下両側には、外側フレーム4の内周面によって囲われた有底凹部5,6がそれぞれ形成されている。また、基板部3には、厚さ方向に貫通する多数の小孔7が整列配置されており、これらの小孔7の形成部位において上下の有底凹部5,6が連通されている。また、外側フレーム4の所定位置には、厚さ方向に貫通する位置決め孔8が形成されている。
【0008】
前記上下の有底凹部5,6には、シリコーンゴムなどのゴム様弾性体からなる電子部品支持体9が設けられている。この電子部品支持体9には、コーティングに供する小型電子部品(図示せず)を支持し、かつ支持した小型電子部品を強制的に通過させるため、電子部品支持体9を厚さ方向に貫通する通孔10が前記各小孔7の内部を通過するようにして形成されている。すなわち、プレート本体2に形成されている各小孔7の内壁を、電子部品支持体9によって覆うように構成されている。
【0009】
【特許文献1】
特公昭62−11488号公報
【特許文献2】
特公昭62−20685号公報
【特許文献3】
特公昭62−29888号公報
【特許文献4】
特公平03−76778号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のキャリアプレート1は、近年の高性能化の要求に容易に応えることができないという問題点があった。
【0011】
すなわち、従来のキャリアプレート1は、プレート本体2および電子部品支持体9の両者の表面がともに研磨による仕上げ加工を施すことにより形成されているが、この仕上げ加工時において、電子部品支持体9の表面が、砥石の接触によって厚さが収縮するように弾性変形し、その後砥石の離間により復元するという挙動を示すため、図7に拡大誇張して示すように、電子部品支持体9とプレート本体2との境界部分において、電子部品支持体9の表面が、研磨後のプレート本体2の表面より凸となる段差11が生じる。この段差11は、図7の上下方向に示す高さが85μm程度のものであるとともに、電子部品支持体9の表面の形状を、周囲が高く中央部分が低い湾曲状とするので、平面度が悪く、各通孔10の長さ寸法のバラツキを大きくするので、寸法精度が劣るものである。その結果、キャリアプレート1を用いて多数の小型電子部品の両端部に導電性ペーストをコーティングする際に、プレート本体2の表面を基準として通孔10に支持させる小型電子部品の端部の電子部品支持体9の表面からの突出量が、電子部品支持体9の外周部分に配置された小型電子部品と、中央部分に配置された小型電子部品とで異ならせることになる(外周側で小さく、中央部側で大きくなる)。このように、段差11が大きいと、各小型電子部品に対する塗布面積のバラツキを増加させてしまい、例えば積層セラミックコンデンサにおける非導電部の体積のバラツキを増加させ、これによりチップ抵抗のバラツキを増加させてしまうことになる。したがって、従来のキャリアプレート1では、近年の小型化がより一層図られている小型電子部品を安定して得ることができないという問題点があった。このような問題点は、0603のようなサイズの小さなチップ部品ほど顕著である。
【0012】
そこで、高品質の小型電子部品を安定して得るため、段差が小く、高性能のキャリアプレート、およびこのキャリアプレートを低コストで効率よく生産することのできるキャリアプレートの製造方法、ならびに該方法に使用する研削盤が求められている。
【0013】
なお、単に、段差を小さくするためには、超精密研削盤、例えばNAS−CNC(長島精工株式会社製商品)の如き最小設定単位が1μmの超精密CNC成型平面研削盤と、研削幅が50mm以下の砥石とにより、プレート本体2および電子部品支持体9の両者の表面を、時間をかけて徐々に研削して仕上げ加工を施すことにより対処することができるものの、このような方法では、構造が複雑で価格が高くしかも設置スペースを要する超精密研削盤を得るための設備投資に要する経済的負担が大きいとともに、キャリアプレートの仕上げ加工に要する時間が長く、最終仕上げに要する研削時間が30分を越えてしまい生産性に劣るという問題点があった。
【0014】
本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、段差が小さく、高性能のキャリアプレート、およびこのキャリアプレートを低コストで効率よく製造することのできるキャリアプレートの製造方法、ならびに該方法に使用する研削盤を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため本発明らは、鋭意研究した結果、研磨布紙による仕上げ加工を用いることで、段差の小さな高性能のキャリアプレートを低コストで効率よく得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明に係るキャリアプレートの特徴は、小型電子部品の端部に端子となるコーティングを施す際に用いられ、プレート本体に多数の小型電子部品を支持するためのゴム様弾性体からなる電子部品支持体を設けたキャリアプレートにおいて、前記プレート本体および前記電子部品支持体のそれぞれの表面に、研磨布紙(研磨ベルト)による仕上げ加工を施して、前記プレート本体と前記電子部品支持体との境界部分におけるそれぞれの表面の段差を35μm以下に形成した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、段差が小さく高性能のものとなる。
【0017】
本発明に係るキャリアプレートの製造方法の特徴は、小型電子部品の端部に端子となるコーティングを施す際に用いられ、プレート本体に多数の小型電子部品を支持するためのゴム様弾性体からなる電子部品支持体を設けたキャリアプレートの製造方法において、前記プレート本体に電子部品支持体を設けた後、前記プレート本体および前記電子部品支持体のそれぞれの表面に、研磨布紙による仕上げ加工を施す点にある。そして、このような構成を採用したことにより、段差が小さく、高性能のキャリアプレートを容易に得ることができる。
【0018】
本発明に係るキャリアプレートの製造方法において、前記研磨布紙による仕上げ加工が、前記プレート本体および前記電子部品支持体のそれぞれの表面に、ゴムロールにより形成されたコンタクトホイールを介して前記研磨布紙を接触させることであることが好ましい。そして、このような構成を採用したことにより、段差を確実かつ容易に小さくできる。
【0019】
本発明に係るキャリアプレートの製造方法において、研磨布紙による仕上げ加工は、湿式を用いることが好ましい。そして、このような構成を採用したことにより、仕上げ面の表面粗さを細かくすることができるとともに、プレート本体の素材としてアルミニウムを用いた際に生じる研磨粉の火災の危険を確実に防止することができる。
【0020】
本発明に係るキャリアプレートの製造方法に使用する研削盤の特徴は、ゴムロールにより形成されたコンタクトホイールと、アイドラホイールとを具備し、これらのホイールにエンドレスの研磨布紙が装着可能に形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、装置の低コスト化を容易に図ることができるとともに、キャリアプレートの製造に必要な研磨布紙による表面仕上げ加工を容易に実施することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0022】
まず、本発明に係るキャリアプレートの実施形態について図1および図2により説明する。
【0023】
図1および図2は本発明に係るキャリアプレートの実施形態を示すものであり、図1は要部の一部切断斜視図、図2は図1のA部の拡大断面図である。
【0024】
図1および図2に示すように、本実施形態のキャリアプレート21は、従来と同様に、平面ほぼ矩形状に形成されたプレート本体22を有している。このプレート本体22は、平板状の基板部23の外周縁を四角枠状の外側フレーム24によって囲うことにより形成されている。そして、外側フレーム24の図1の上下方向に示す厚さは、基板部23の厚さより厚く形成されており、基板部23の上下両側には、外側フレーム24の内周面によって囲われた有底凹部25,26がそれぞれ形成されている。また、基板部23には、厚さ方向に貫通する多数の小孔27が整列配置されており、これらの小孔27の形成部位において上下の有底凹部25,26が連通されている。また、外側フレーム24の所定位置には、厚さ方向に貫通する位置決め孔28が形成されている。
【0025】
前記上下の有底凹部25,26には、シリコーンゴムなどのゴム様弾性体からなる電子部品支持体29が設けられている。この電子部品支持体29には、コーティングに供する小型電子部品(図示せず)を支持し、かつ支持した小型電子部品を強制的に通過させるため、電子部品支持体29を厚さ方向に貫通する通孔30が前記各小孔27の内部を通過するように形成されている。すなわち、プレート本体22に形成されている各小孔27の内壁を、電子部品支持体29によって覆うように構成されている。
【0026】
図2に示すように、前記プレート本体22および電子部品支持体29の両者の表面は、後述する研磨布紙による仕上げ加工を施すことにより、電子部品支持体29の仕上げ面である表面と、プレート本体22の仕上げ面である表面との図2の上下方向に示す高さである段差31が35μm以下に形成されている。
【0027】
前記プレート本体22の素材としては、特に限定されるものではないが、耐熱、価格、重量、強度などの観点からアルミニウムが一般的である。このアルミニウムとしては、2000系合金、5000系合金、6000系合金、7000系合金などの展伸材が例示されるが、強度が高い7075や7055、7050、7N01などの7000系合金が望ましい。また、アルミニウム合金は熱処理などの調質により、機械的性質が変化するので、より強度が強くなる処理を施すのが望ましく、7000系合金では質別としてT6、T651、T6511、T7651などが好ましく、焼きなまし処理は強度が低くなるので好ましくない。
【0028】
前記電子部品支持体29の素材としては、ビニル基含有のポリオルガノシロキサンとハイドロジエンポリシロキサンからなる付加型シリコーンゴム(硬さ:JIS A 40度)もしくは過酸化物加硫型シリコーンゴムが主として使用されている。なお、電子部品支持体29のゴムの硬さは、機能面から設定されるもので通常30〜70度(JIS A)の間で任意に決定されている。
【0029】
なお、本実施形態のキャリアプレート21のその他の構成は、従来公知のキャリアプレートと同様とされており、その詳しい説明は省略する。
【0030】
つぎに、本実施形態のキャリアプレート21の製造方法について図3により説明する。
【0031】
図3は本発明に係るキャリアプレートの製造方法の実施形態の要部を示すフローチャートである。
【0032】
図3に示すように、本実施形態のキャリアプレート21の製造は、従来と同様に、プレート本体22を形成するプレート本体形成工程35と、プレート本体22に電子部品支持体29を形成して被研磨物である仕上げ加工前のキャリアプレート21としての中間品(図4参照)45を得る電子部品支持体形成工程36と、中間品45の表裏両面に研磨布紙による仕上げ加工を施すための表面仕上げ工程37とをこの順に行うことにより完成品(キャリアプレート21)を得るようになっている。
【0033】
本実施形態におけるプレート本体形成工程35および電子部品支持体形成工程36は、従来公知の方法が用いられているのでその詳しい説明は省略し、本発明の要旨である表面仕上げ工程37およびその作用について研削盤とともに以下に詳しく説明する。
【0034】
図4は本発明に係るキャリアプレートの製造方法の実施形態における仕上げ加工状態を研削盤とともに誇張して示す模式図である。
【0035】
図4に示すように、本実施形態のキャリアプレート21の製造方法における表面仕上げ工程37は、研削盤としてのベルト研削盤41によって実施されるようになっている。このベルト研削盤41は、コンタクトホイール42と、アイドラホイール43とを具備しており、こられのホイール42,43によってエンドレスの研磨布紙44が径方向外側に向かう張力を付与された展張状態で装着可能に形成されている。そして、被研磨物である仕上げ加工前のキャリアプレート21、すなわち中間品45は、それを保持する所定の支持台46に固定されて、搬送ベルト47にて移動され、研磨布紙44と中間品45の表面とが接触することにより仕上げ加工が実行されるようになっている。そして、一方の面の仕上げ加工を完了すると、支持台46から中間品45を取り外し、その後中間品45の表裏を反転させて支持台46に固定し、他方の面の仕上げ加工を行うようになっている。勿論、中間品45を直接搬送ベルト47に載置して移動させてもよいし、搬送ベルト47のかわりに移動テーブルを用いてもよい。
【0036】
また、両ホイール42,43は、研磨布紙44を装着した状態で上下動可能に形成されており、両ホイール42,43を所定量下げることで仕上げ加工に供する中間品45の表面と研磨布紙44が接触して所定の仕上げ代をもって表面仕上げができるようになっている。
【0037】
本実施形態における仕上げ加工を具体的に説明すると、仕上げ代0.1〜0.3mm程度での粗仕上げを10回程度、仕上げ代0.05mm以下での最終仕上げを行うようになっている。
【0038】
この時、中間品45と研磨布紙44が接触して研磨される際に火花が発生するので、爆発防止、冷却、中間品45から発生する研磨粉の除去などを目的として、研磨面に水を主成分とした研磨液を供給する湿式が用いられている。
【0039】
なお、研磨液は研磨面(仕上げ面)から排出され、遠心分離機やフィルターなど適当なろ過装置を経て研磨粉などを除去した後、循環して使用されるようになっている。
【0040】
前記ベルト研削盤41としては、アブレイシブベルトグラインダーSS−201、フラットベルトグラインダーSSB−07(ともに、アミテック株式会社製商品名)などが例示される。
【0041】
前記ベルト研削盤41のコンタクトホイール42としては、ゴムロールが好適であり、その硬さ(JIS A)としては、外径にもよるが30〜70度、好ましくは40〜60度の範囲とするとよい。この範囲を下回ると、表面が軟らかいのでコンタクトホイール42が摩耗しやすくなり、コンタクトホイール42の交換頻度が高いうえに寸法精度が得難い傾向がある。また、この範囲を超えると、表面が硬くなりすぎるために、研磨に充分な接触面積が確保できず、このために段差31が大きくなる傾向がある。また、コンタクトホイール42の外形寸法としては、任意に設計できるが、通常は20〜305mm程度とすることが好ましい。外径寸法が小さいと研磨に充分な接触面積が確保できず、外径寸法が大きいと装置が必要以上に大型化してしまう傾向がある。
【0042】
前記研磨布紙44に用いる砥粒の種類としては、A、WAなどのアルミナ質研削材、あるいはC、GCなどの炭化けい素質研削材などが例示される。本実施形態の被研磨物としての仕上げ前のキャリアプレート21である中間品45の表面は、金属とゴム、詳しくはアルミニウムとシリコーンゴムにより形成されており、表面仕上げ工程37において、アルミニウムとシリコーンゴムとを同時に研磨することになるので、砥粒の種類としては炭化けい素質研削材が好ましい。勿論、ゴムだけの研磨に用いてもよい。
【0043】
前記研磨布紙44に用いる砥粒の粒度としては、80〜400番程度が好ましい。この砥粒の粒度の番数が小さいと粒径が大きくなり、1回の研磨代(仕上げ代)を大きくすることはできるものの、表面粗さは粗くなる傾向がある。この砥粒の粒度の番数が大きいと粒径が小さくなり、表面粗さは細かくなるものの1回の研磨代を大きくすることはできない傾向がある。したがって、粗仕上げには80番のような砥粒の粒径が粗く、研磨代を大きくできるものがよく、段差31を少なくする最終仕上げには、240番のような砥粒の粒径が細かいものを研磨代を少なくして用いるとよい。
【0044】
なお、ベルト研削盤を用いた被研磨物の研磨方法としては、図5に示すように、駆動ホイール51および従動ホイール52により研磨布紙44を展張状態で装着するとともに、両ホイール51,52間にプラテン板53を配設し、研磨布紙44を介してプラテン板53を被研磨物である中間品45の表面に接触させる方法や、図6に示すように、プラテン板53のかわりに一対のプラテンロール54,54を両ホイール51,52間に配設し、一対のプラテンロール54,54の間に位置する研磨布紙44を被研磨物である中間品45の表面に接触させる方法などもあるが、中間品45の研磨には、プラテン板53を用いる方法では、寸法精度がよくない上に段差31がとれ難く、プラテンロール54,54を使用する方法では、研磨による仕上げ面が大きな凸面となるために寸法精度が悪くなるので好ましくない。
【0045】
すなわち、本実施形態の如く、コンタクトホイール42を介して研磨布紙44を中間品45の表面に接触させて研磨を行う仕上げ方法によって、段差31が35μm以下と従来より小さく、寸法精度に優れた高性能のキャリアプレート21を容易かつ確実に得ることができる。
【0046】
ここで、本実施形態における研磨布紙44の種類(砥粒の種別および番手)と、コンタクトホイール42としてのゴムロールのゴムの硬さを変化させたときのキャリアプレート21の段差31について実験を行った結果を以下の表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 2004322243
【0048】
なお、実験は、アルミニウムからなるプレート本体22に、ゴムの硬さが40度の付加型シリコーンゴムからなる電子部品支持体29を設けることにより、被研磨物となる表面仕上げ前のキャリアプレート21である中間品45を形成した後、ベルト研削盤41としてアブレイシブベルトグラインダーSS−201を用いて中間品45の表面仕上げ加工を行うことにより実施した。
【0049】
また、仕上げ加工の条件としては、仕上げ代を0.2mm程度に設定し、仕上げ面に水を主成分とした研磨液を供給する湿式を用い、中間品45の移動速度を1m/分、研磨布紙44の周速を500m/分、研磨布紙44の回転方向をUP方向(被研磨物の移動方向と研磨面における研磨布紙44の移動方向が逆方向)とし、外形寸法が200mmのコンタクトホイール42を用いた。さらに、研磨布紙44としては、その幅寸法が中間品41の仕上げ面の幅より広いものを用いた。また、実験の評価は、段差31をCCDレーザ変位センサLK−035(株式会社キーエンス製商品名)で測定することにより行った。この実験による研磨布紙44の種類、ゴムロールのゴムの硬さおよび評価結果を表1中に実施例1〜10として示す。
【0050】
なお、比較のため、研磨布紙44を用いずに、セグメント砥石を用いた縦軸ロータリー平面研削盤(ICB−603:市川製作所製商品名)による仕上げ加工を行った実験結果を砥石の種類とともに表1中に比較例1〜3として併せて示す。このセグメント砥石を用いた全比較例における仕上げ加工の条件は、仕上げ代を0.02mm程度に設定し、テーブル回転速度を15r.p.m.とし、砥石軸回転速度を970r.p.m.とした。また、砥石は、幅が50mm、厚さが25mm、長さが125mmのものを12枚取り付けて用いた。
【0051】
表1に示すように、本発明の研磨布紙44を用いた仕上げ加工による全実施例は、段差が35μm以下であり、研磨布紙44をゴムロールにより形成されたコンタクトホイール42を介して被研磨物としての中間品45に接触させて研磨を行うという仕上げ加工方法によって、段差31が35μm以下のキャリアプレート21を容易に得られることが判明した。
【0052】
また、全実施例における表面仕上げに要する時間は、一面あたり10分程度であり、仕上げ加工を短時間で効率よく行うことができることが判明した。
【0053】
これに対し、セグメント砥石を用いた仕上げ加工方法による比較例では、段差が80μm以上であり、段差を35μm以下とすることが困難であるとともに、表面仕上げに要する時間が一面あたり90分程度であり、生産性に劣ることが判明した。
【0054】
このように、本実施形態のベルト研削盤41によれば、研磨布紙44を装着可能なコンタクトホイール42およびアイドラホイール43と、両ホイール42,43を上下動させて仕上げ代を制御する機構、搬送ベルト47などの被研磨物を搬送する機構などを主として構成されているので、砥石を高速で回転させる超精密研削盤に比較して、構造が簡単で軽量であり、装置の低コスト化と、仕上げ加工に要する時間の短縮による生産効率の向上とを容易に図ることができるとともに、段差31を35μm以下とするキャリアプレート21の製造に必要な研磨布紙44による仕上げ加工を容易かつ確実にに実施することができる。
【0055】
また、本実施形態のキャリアプレート21の製造方法によれば、プレート本体22に電子部品支持体29を設けた後、プレート本体22および電子部品支持体29のそれぞれの表面に、研磨布紙44による仕上げ加工を施すから、段差31が小さく高性能のキャリアプレート21を容易に得ることができる。すなわち、本実施形態のキャリアプレート21の製造方法によれば、段差31が35μm以下のキャリアプレート21を低コストで効率よく得ることができる。
【0056】
また、本実施形態のキャリアプレート21の製造方法によれば、研磨布紙44による仕上げ加工を、研磨布紙44をゴムロールにより形成されたコンタクトホイール42を介して中間品45の表面に接触させて実施しているから、段差31を確実かつ容易に小さくすることができる。
【0057】
また、本実施形態のキャリアプレート21の製造方法によれば、研磨布紙44による仕上げ加工が湿式であるから、研磨面の表面粗さを細かくすることができるとともに、プレート本体22の素材としてアルミニウムを用いた際に生じる研磨粉の火災の危険を確実に防止することができる。
【0058】
また、本実施形態のキャリアプレート21の製造方法により得られるキャリアプレート21によれば、段差31が35μm以下と小さいので、各通孔30の長さ寸法のバラツキがすくなく、寸法精度に優れた高性能のものとなる。その結果、キャリアプレート21を用いて多数の小型電子部品の両端部に導電性ペーストをコーティングする際に、各通孔30に支持させる小型電子部品の電子部品支持体29からの突出量のバラツキを従来より確実に小さくできるので、各小型電子部品に対する塗布面積のバラツキを小さくすることができる。よって、高品質の小型電子部品を安定して得ることができる。
【0059】
なお、本発明のベルト研削盤は、キャリアプレート以外の各種の研削に用いることができる。
【0060】
また、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る本発明のキャリアプレートによれば、段差が小さく、高性能のものとなるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0062】
また、請求項2に係る本発明のキャリアプレートの製造方法によれば、段差が小さく、高性能のキャリアプレートを容易に得ることができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0063】
また、請求項3に係る本発明のキャリアプレートの製造方法によれば、段差を確実かつ容易に小さできるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0064】
また、請求項4に係る本発明のキャリアプレートの製造方法によれば、仕上げ面の表面粗さを細かくすることができるとともに、プレート本体の素材としてアルミニウムを用いた際に生じる研磨粉の火災の危険を確実に防止することができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0065】
また、請求項5に係る本発明のキャリアプレートの製造方法に使用する研削盤によれば、段差が小さく、高性能のキャリアプレートの製造に必要な研磨布紙による仕上げ加工を容易に実施することができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャリアプレートの実施形態の要部の一部切断斜視図
【図2】図1のA部の拡大断面図
【図3】本発明に係るキャリアプレートの製造方法の実施形態の要部を示すフローチャート
【図4】本発明に係るキャリアプレートの製造方法の実施形態における仕上げ加工状態を研削盤とともに誇張して示す模式図
【図5】研磨布紙を用いた本発明とは異なる一般的な研磨方法における研磨状態を研削盤とともに誇張して示す模式図
【図6】研磨布紙を用いた本発明とは異なる一般的な研磨方法の他例における研磨状態を研削盤とともに誇張して示す模式図
【図7】従来のキャリアプレートの一例を示す要部の拡大断面図
【符号の説明】
21 キャリアプレート
22 プレート本体
23 基板部
24 外側フレーム
25、26 有底凹部
27 小孔
29 電子部品支持体
30 通孔
31 段差
37 表面仕上げ工程
41 ベルト研削盤
42 コンタクトホイール
43 アイドラホイール
44 研磨布紙
45 中間品

Claims (5)

  1. 小型電子部品の端部に端子となるコーティングを施す際に用いられ、プレート本体に多数の小型電子部品を支持するためのゴム様弾性体からなる電子部品支持体を設けたキャリアプレートにおいて、
    前記プレート本体および前記電子部品支持体のそれぞれの表面に、研磨布紙による仕上げ加工を施して、前記プレート本体と前記電子部品支持体との境界部分におけるそれぞれの表面の段差を35μm以下に形成したことを特徴とするキャリアプレート。
  2. 小型電子部品の端部に端子となるコーティングを施す際に用いられ、プレート本体に多数の小型電子部品を支持するためのゴム様弾性体からなる電子部品支持体を設けたキャリアプレートの製造方法において、
    前記プレート本体に電子部品支持体を設けた後、前記プレート本体および前記電子部品支持体のそれぞれの表面に、研磨布紙による仕上げ加工を施すことを特徴とするキャリアプレートの製造方法。
  3. 前記研磨布紙による仕上げ加工が、前記プレート本体および前記電子部品支持体のそれぞれの表面に、ゴムロールにより形成されたコンタクトホイールを介して前記研磨布紙を接触させることであることを特徴とする請求項2に記載のキャリアプレートの製造方法。
  4. 前記研磨布紙による仕上げ加工が、湿式であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のキャリアプレートの製造方法。
  5. ゴムロールにより形成されたコンタクトホイールと、アイドラホイールとを具備し、これらのホイールによってエンドレスの研磨布紙が装着可能に形成されていることを特徴とするキャリアプレートの製造方法に使用する研削盤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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