JP2007152471A - 研磨装置及びこの研磨装置を用いた電子機器基板研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 研磨すべき対象物の表面を全て研磨可能な、全面研磨装置を提供する。
【解決手段】 研磨ベルト5と、この研磨ベルト5を押圧する押出手段とを備え、上記押出手段が、平面を有する第1の押出部材20と、この第1の押出部材平面と同一平面をなし、表面硬度が第1の押出部材とは異なる第2の押出部材19と、第1及び第2の押出部材により形成される面を覆う滑面シート12とを有する研磨装置である。
【選択図】 図5
【解決手段】 研磨ベルト5と、この研磨ベルト5を押圧する押出手段とを備え、上記押出手段が、平面を有する第1の押出部材20と、この第1の押出部材平面と同一平面をなし、表面硬度が第1の押出部材とは異なる第2の押出部材19と、第1及び第2の押出部材により形成される面を覆う滑面シート12とを有する研磨装置である。
【選択図】 図5
Description
本発明は、研磨装置、特に電子機器基板の表面研磨に使用される研磨装置に関する。
図1は、従来使用されている研磨装置の概略図である。研磨すべき配線板1は、台座2に対して真空吸着により固定されており、研磨すべき面を上にしてある。研磨は、2つのホイール6、7にかけられた研磨ベルト5により行われ、この研磨ベルト5が、エアーシリンダ4により押しつけられるパッド3にて押され、配線板1の表面を研磨する。
図2は、図1に示すパッド3の詳細図である。パッド3は、エアーシリンダ4の稼働軸に固定された金属製のベースプレート8に対し、コルク9、ゴム10、塩化ビニル製の樹脂成形板11、フッ素コートシート12をこの順番にて積層したものであり、コルク9及びゴム10により衝撃を吸収し、樹脂成形板11により研磨ベルトを強く押すようにしている。
フッ素コートカバー12は、その表面にフッ素コートを行っており、回転する研磨ベルトの裏面にて、パッド3が滑るように配置されている。これにより、直接樹脂成形板11が研磨ベルトに接触して押下するよりも、引っかかりが少なくなり、効率よく研磨することができる。
フッ素コートカバー12は、その表面にフッ素コートを行っており、回転する研磨ベルトの裏面にて、パッド3が滑るように配置されている。これにより、直接樹脂成形板11が研磨ベルトに接触して押下するよりも、引っかかりが少なくなり、効率よく研磨することができる。
図3は、研磨する配線板の概略断面図を示すものであり、(a)が研磨前を示し、(b)が研磨後を示す。配線板1は、図3(a)に示すように、基材13の上に銅製の回路14が配置され、更に回路14を覆うように平坦化樹脂15が積層されている。研磨は、この配線板1の表面から、回路14をむき出しにするように行われ、むき出しにされた回路14の上には、更に他の回路を積層して多層回路板を成形することとなる。
特開平9−298352号公報
しかしながら、図1及び図2に示す研磨装置は、基本的に平面を有する樹脂成形板11が、研磨ベルト5を押下するので、研磨される面も平面となる。この際、配線板1が、その積層されるものを含み全て平面となっていれば良いが、現実には配線板1が薄くなればなるほど、歪みが大きくなり、研磨工程にて障害が発生する。
図4は、歪みのある配線板の概略断面図を示すものであり、(a)は研磨前を示し、(b)は研磨後を示している。
図4(a)に示すように、歪みの発生している配線板1は、その表面にある平坦化樹脂15の表面だけに歪みがあるのではなく、基材13、回路14にも歪みが発生している。このような配線板1を研磨すると、図4(b)に示すように、研磨される領域と、研磨されずに凹部として残る領域とに別れてしまう。
非研磨領域では、その上に新たな回路を積層する際に、接着強度が弱くなり、結果として不良品の発生率を高めることとなる。
図4(a)に示すように、歪みの発生している配線板1は、その表面にある平坦化樹脂15の表面だけに歪みがあるのではなく、基材13、回路14にも歪みが発生している。このような配線板1を研磨すると、図4(b)に示すように、研磨される領域と、研磨されずに凹部として残る領域とに別れてしまう。
非研磨領域では、その上に新たな回路を積層する際に、接着強度が弱くなり、結果として不良品の発生率を高めることとなる。
本発明は、研磨すべき対象物の表面を全て研磨可能な、全面研磨装置を提供することを目的とする。
(1)本発明は、研磨ベルトと、この研磨ベルトを押圧する押出手段とを備え、上記押出手段が、平面を有する第1の押出部材と、この第1の押出部材平面と同一平面をなし、表面硬度が第1の押出部材とは異なる第2の押出部材と、第1及び第2の押出部材により形成される面を覆う滑面シートとを有する研磨装置である。
(2)項(1)において、第1の押出部材が、合成樹脂成形品又は金属板である研磨装置。
(3)項(1)において、第2の押出部材が、気体又は液体を充填した押圧変形可能な充填容器である研磨装置。
(4)項(3)において、充填容器が、第1の押出部材を覆い、第1の押出部材平面部よりも広範囲な面を形成する研磨装置。
(5)項(1)乃至(4)の何れかにおいて、第1の押出部材の形成する平面が、第2の押出部材の形成する平面の中央に形成される研磨装置。
(6)項(1)乃至(5)の何れかにおいて、滑面シートが、研磨ベルトとの接触面にフッ素コート被膜を有する研磨装置。
(7)項(1)乃至(6)の何れかにおいて、第1及び第2の押出部材が、電動加圧シリンダ、又は、油圧若しくは空気圧シリンダにより押し引きされる研磨装置。
(8)項(1)乃至(7)の何れかに記載される研磨装置を用いた電子機器基板研磨方法。
(2)項(1)において、第1の押出部材が、合成樹脂成形品又は金属板である研磨装置。
(3)項(1)において、第2の押出部材が、気体又は液体を充填した押圧変形可能な充填容器である研磨装置。
(4)項(3)において、充填容器が、第1の押出部材を覆い、第1の押出部材平面部よりも広範囲な面を形成する研磨装置。
(5)項(1)乃至(4)の何れかにおいて、第1の押出部材の形成する平面が、第2の押出部材の形成する平面の中央に形成される研磨装置。
(6)項(1)乃至(5)の何れかにおいて、滑面シートが、研磨ベルトとの接触面にフッ素コート被膜を有する研磨装置。
(7)項(1)乃至(6)の何れかにおいて、第1及び第2の押出部材が、電動加圧シリンダ、又は、油圧若しくは空気圧シリンダにより押し引きされる研磨装置。
(8)項(1)乃至(7)の何れかに記載される研磨装置を用いた電子機器基板研磨方法。
本発明によれば、平面を有する第1の押出部材と、この第1の押出部材平面と同一平面をなし、表面硬度が第1の押出部材とは異なる第2の押出部材とを有するので、第2の押出部材が、研磨対象物の表面凹凸に追従することで、全面研磨を行うことができる。
第1の押出部材が、合成樹脂成形品又は金属板の場合、均一な表面を形成しやすく、特に歪みのない研磨対象物に対して、良好な全面研磨を行うことができる。
第2の押出部材が、気体又は液体を充填した押圧変形可能な充填容器である場合、第2の押出部材は、容易に研磨対象物の表面形状に変形し、全面研磨を行えると共に、押圧が均一となり、特定部分のみの極端な研磨をおこなうことがない。
充填容器が、第1の押出部材を覆い、第1の押出部材平面部よりも広範囲な面を形成する場合、第1の押出部材と、第2の押出部材との使い分けが容易に行え、特に第1の押出部材の形成する平面が、第2の押出部材の形成する平面の中央に形成される場合、単純に研磨対象物を研磨ベルトに通過させるだけでも、変形可能な第2の押出部材、硬質な第1の押出部材、変形可能な第2の押出部材、の順番にて通過し、より確実な全面研磨を行うことができる。
滑面シートが、研磨ベルトとの接触面にフッ素コート被膜を有する場合、研磨ベルト裏面と、滑面シートとの摩擦係数が低くなり、発熱を抑えることで基板の変形を防止し、更には、消耗品である滑面シートの交換を少ない頻度とすることができる。
第1及び第2の押出部材が、電動加圧シリンダ、又は、油圧若しくは空気圧シリンダにより押し引きされる場合、その押圧強さを調整することが容易であり、特に電動加圧シリンダを用いた場合には、微調整を行うことができる。
本発明の研磨装置を用いて、電子機器基板研磨を研磨した場合、全面研磨を行えることから、研磨後に他の回路を積層形成することが可能であり、不良率を大幅に下げることができる。また、変形し易い100μm以下の厚みを有する基板であっても、容易に研磨を行うことができる。
本発明に用いる研磨ベルトは、その表面に研磨材を付着させたものであれば特に制限がなく、その回転速度、幅等を研磨対象物に合わせて適宜選択することができる。
研磨材としては、ダイヤモンド粒、炭化珪素、アルミナ粒等を用いることができ、特に炭化珪素を用いることが、粒径を変化させることで切削から仕上げ研磨まで幅広く適用でき、コストが低いことから好ましい。
また、研磨材の粒径は、特に制限されるものではないが、厚み100μm以下の電子機器基板を研磨するのであれば、粒径30μm前後のものを使用することが好ましく、この粒径のものを使用することで、研磨対象物の表面粗さ(Ra)を0.2μm以下とすることができる。
研磨ベルトへの研磨材の付着は、接着材を用いて行うことができる。また、研磨ベルトと研磨材との間に、クッション性能有する中間部材を配置することも可能であり、具体的には、粒径250μmのコルク粒子を配置することが多い。
研磨ベルトの移動速度は、研磨対象物に、研磨量により適宜選択することができるが、具体的には、200〜500m/分の移動速度とすることができる。
研磨材としては、ダイヤモンド粒、炭化珪素、アルミナ粒等を用いることができ、特に炭化珪素を用いることが、粒径を変化させることで切削から仕上げ研磨まで幅広く適用でき、コストが低いことから好ましい。
また、研磨材の粒径は、特に制限されるものではないが、厚み100μm以下の電子機器基板を研磨するのであれば、粒径30μm前後のものを使用することが好ましく、この粒径のものを使用することで、研磨対象物の表面粗さ(Ra)を0.2μm以下とすることができる。
研磨ベルトへの研磨材の付着は、接着材を用いて行うことができる。また、研磨ベルトと研磨材との間に、クッション性能有する中間部材を配置することも可能であり、具体的には、粒径250μmのコルク粒子を配置することが多い。
研磨ベルトの移動速度は、研磨対象物に、研磨量により適宜選択することができるが、具体的には、200〜500m/分の移動速度とすることができる。
本発明に用いる第1の押出部材は、平面を有するものであれば特に制限されるものでなく、金属板、合成樹脂成形板等を適宜用いることができる。
本発明に用いる第2の押出部材は、表面硬度が、第1の押出部材と異なるものであれば特に制限されるものではなく、研磨対象物の表面追随性のより大きなものを用いることが好ましい。より具体的には、気体又は液体を充填した押圧変形可能な充填容器を用いることが好ましく、気体としては、空気を用いることができ、万一充填容器が破れ気体が漏れても、研磨対象物に影響を与えないものであれば窒素、酸素等、自由に選択して用いることができる。また、液体としては、水を用いることができ、気体同様に、万一充填容器が破れ液体が漏れても、研磨対象物に影響を与えないものであればその他の液体も用いることができる。
充填容器は、充填された気体又は液体により押圧変形可能なものであれば特に制限がなく、多層構造を有する軟質の合成樹脂製の袋等を用いることができる。
充填容器は、充填された気体又は液体により押圧変形可能なものであれば特に制限がなく、多層構造を有する軟質の合成樹脂製の袋等を用いることができる。
本発明に用いる滑面シートは、研磨ベルト裏面との摩擦係数を低くするものであれば特に制限されるものでなく、具体的には、その表面にフッ素コートしたものを使用することができる。また、滑面シートは、研磨ベルトと、押出部材との間で自在に変形するものを使用する。
図5は、本発明の研磨装置の1実施例を示す概略断面図である。研磨装置は、研磨ベルト5に押し当てられるパッド部16と、このパッド部16を上下させるシリンダ部17とを有しており、研磨ベルト5の下面に設置された研磨対象物を、パッド部16により押しつけられる研磨ベルト5により研磨する。
パッド部16は、金属製のベースプレート18に対し、内部に空間を設けるようにフッ素コートカバー12を固定しており、この内部空間に、水充填容器19と、エポキシ樹脂成形板20とを配置している。
水充填容器19は、厚さ0.3mmの軟質塩化ビニル製であり、幅50mm、長さ600mm、厚み(全面加重時)8mmとなる大きで、中に水を入れた後に気泡が混入しないように1辺を加熱シーラーにて封入している。
エポキシ樹脂成形板20は、幅20mm、長さ600mm、厚み2mmであり、前述した水充填容器19と、フッ素コートカバー12との間に配置してある。エポキシ樹脂成形板20は、水充填容器19の下面中央となるようにしてあり、研磨ベルト5の進行方向から順に、水充填容器19にて押下される部分、エポキシ樹脂成形板20にて押下される部分、水充填容器19にて押下される部分となる。
図6は、図5に示す研磨装置にて研磨する前と、後との電子機器基板を示す概略断面図であり、(a)がけ研磨前、(b)が研磨後を示している。
図6(a)に示すように、研磨前に歪みの発生している基板21は、基材13、この基材13の上に成形された回路14、この回路を覆う平坦化樹脂15を備えており、回路14の上に別な回路を多層形成するために、表面を研磨し、回路14を露出させる。
研磨後は、図6(b)に示すように、凹部22の表面も研磨され、基板21の上面全ての研磨を行うことができた。
図6(a)に示すように、研磨前に歪みの発生している基板21は、基材13、この基材13の上に成形された回路14、この回路を覆う平坦化樹脂15を備えており、回路14の上に別な回路を多層形成するために、表面を研磨し、回路14を露出させる。
研磨後は、図6(b)に示すように、凹部22の表面も研磨され、基板21の上面全ての研磨を行うことができた。
1…配線板、2…台座、3…パッド、4…エアーシリンダ、5…研磨ベルト、6…ホイール、7…ホイール、8…ベースプレート、9…コルク、10…ゴム、11…樹脂成形板、12…フッ素コートカバー、13…基材、14…回路、15…平坦化樹脂、16…パッド部、17…シリンダー部、18…ベースプレート、19…水充填容器、20…エポキシ樹脂成形板、21…基板、22…凹部。
Claims (8)
- 研磨ベルトと、この研磨ベルトを押圧する押出手段とを備え、上記押出手段が、平面を有する第1の押出部材と、この第1の押出部材平面と同一平面をなし、表面硬度が第1の押出部材とは異なる第2の押出部材と、第1及び第2の押出部材により形成される面を覆う滑面シートとを有する研磨装置。
- 請求項1において、第1の押出部材が、合成樹脂成形品又は金属板である研磨装置。
- 請求項1において、第2の押出部材が、気体又は液体を充填した押圧変形可能な充填容器である研磨装置。
- 請求項3において、充填容器が、第1の押出部材を覆い、第1の押出部材平面部よりも広範囲な面を形成する研磨装置。
- 請求項1乃至4の何れかにおいて、第1の押出部材の形成する平面が、第2の押出部材の形成する平面の中央に形成される研磨装置。
- 請求項1乃至5の何れかにおいて、滑面シートが、研磨ベルトとの接触面にフッ素コート被膜を有する研磨装置。
- 請求項1乃至6の何れかにおいて、第1及び第2の押出部材が、電動加圧シリンダ、又は、油圧若しくは空気圧シリンダにより押し引きされる研磨装置。
- 請求項1乃至7の何れかに記載される研磨装置を用いた電子機器基板研磨方法。
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JP2005349140A JP2007152471A (ja) | 2005-12-02 | 2005-12-02 | 研磨装置及びこの研磨装置を用いた電子機器基板研磨方法 |
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
WO2009008532A1 (ja) * | 2007-07-11 | 2009-01-15 | Kabushiki Kaisha Toshiba | 研磨装置および研磨方法 |
WO2009008531A1 (ja) * | 2007-07-11 | 2009-01-15 | Ebara Corporation | 研磨装置 |
JP2017189835A (ja) * | 2016-04-12 | 2017-10-19 | 株式会社ファミリー | 超仕上げ装置 |
-
2005
- 2005-12-02 JP JP2005349140A patent/JP2007152471A/ja active Pending
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WO2009008532A1 (ja) * | 2007-07-11 | 2009-01-15 | Kabushiki Kaisha Toshiba | 研磨装置および研磨方法 |
WO2009008531A1 (ja) * | 2007-07-11 | 2009-01-15 | Ebara Corporation | 研磨装置 |
JP2009018364A (ja) * | 2007-07-11 | 2009-01-29 | Toshiba Corp | 研磨装置および研磨方法 |
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JP2017189835A (ja) * | 2016-04-12 | 2017-10-19 | 株式会社ファミリー | 超仕上げ装置 |
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