JP2004321457A - 画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被写体の撮影部位ごと、あるいは、撮影部位および撮影方向ごとに最適化されてあらかじめ記憶された画像処理条件に基づいて、画像処理条件を決定する際、撮影部位に関する複数の選択条件を表示する第1表示手段と、第1表示手段で表示された選択条件の選択が行われる第1選択手段と、撮影方向に関する複数の選択条件を表示する第2表示手段と、第2表示手段で表示された選択条件の選択が行われる第2選択手段と、第1選択手段により選択された選択条件により画像処理条件が定まるか否かを判断し、定まる場合には該画像処理条件に決定し、定まらない場合には第2表示手段に表示させ、第1選択手段の選択と第2選択手段の選択とにより定まる画像処理条件に決定する制御手段とを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は放射線画像を処理する際の画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置に関し、さらに詳しくは、被写体の撮影部位ごとあるいは撮影部位および撮影方向ごとに最適化されてあらかじめ記憶された画像処理条件に基づいて被写体を透過する放射線に応じた放射線画像を画像処理する際の画像処理条件を決定する画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、放射線画像を直接デジタル画像として撮影できる装置が開発されている。たとえば、被写体に照射された放射線量を検出し、その検出量に対応して形成される放射線画像を電気信号として得る装置としては、輝尽性蛍光体を用いたディテクタを用いる方法が特開昭55−12429号公報、特開昭63−189853号公報など、多数開示されている。
【0003】
このような装置では、シート状の基板に輝尽性蛍光体を塗布、あるいは蒸着等によって固着したディテクタに、いったん被写体を透過した放射線を照射して輝尽性蛍光体に放射線を吸収させる。
【0004】
その後、この輝尽性蛍光体を光または熱エネルギ−で励起することにより、この輝尽性蛍光体が上記吸収によって蓄積している放射線エネルギ−を蛍光として放射させ、この蛍光を光電変換して画像信号を得るようにしている。
【0005】
一方、照射された放射線の強度に応じた電荷を光導電層に生成し、生成された電荷を二次元的に配列された複数のコンデンサに蓄積し、それら蓄積された電荷を取り出すことにより得られる放射線画像検出装置が提案されている。
【0006】
このような放射線画像検出装置では、フラットパネルディテクタ(FPD)と呼ばれるものを使用している。この種のFPDは、特開平9−90048号公報に記載されているように、照射された放射線強度に応じた蛍光を発する蛍光体と、蛍光体から発する蛍光を直接または縮小光学系を介して受光して光電変換を行うフォトダイオードやCCDのような光電変換素子の組み合わせによって実現されるものが知られている。
【0007】
また特開平6−342098号公報に記載されているように、照射された放射を直接電荷に変換するものも知られている。
【0008】
これらの装置では、放射線画像を診断に適した階調で表現するために、医師が注目する部分(関心領域)について見やすくなるよう、前記のような装置で得られた画像を自動的に階調変換することが望ましい。
【0009】
このような自動階調変換を行うために、画像デ−タの統計的特徴(デ−タの最大値・最小値・ヒストグラム等)から、入力信号値に対する出力信号値を規定したルックアップテーブル(LUT)等、処理条件を決定し、画像全体に対して階調変換処理を施すことが行われる。
【0010】
また、細部の構造を見やすくするため、エッジ強調処理を行ったり、被写体の信号領域を狭めて、濃度の高い部分と低い部分を同時に観察しやすくするためのダイナミックレンジ圧縮処理等も行われる。
【0011】
しかし、診断に利用する放射線撮影では、撮影対象となる部位が頭部から四肢まで多岐に渡り、それぞれによって医師が注目する領域も異なるため、診断に最適な画像を得るための画像処理条件は、撮影部位毎に異なるものとなる。また、同様に、撮影方向によっても、処理条件は異なるものとなる。
【0012】
そのため、従来これらの装置では、画像処理を行う前に、最適な処理条件を選択するため、被写体の撮影部位、方向等を入力する必要がある。
【0013】
一部の病院では、病院情報システム(HIS)や放射線科情報システム(RIS)を備えているところもあり、放射線撮影のオーダー情報から、直接撮影部位情報を取得できるため、特に放射線技師等の操作無く、最適な処理条件を選択可能であるが、多数の病院ではこのようなシステムを備えていないため、技師等が手入力にてこれらの情報を入力する必要がある。
【0014】
また緊急時の撮影においては、迅速に撮影を実行するために、上記のHISやRISを備えた病院であっても、技師等が被写体の部位情報等を手入力する場合もある。
【0015】
しかし、一般に撮影される部位は非常に多く、この中から毎回撮影を行う度に上記入力作業を行うことは煩雑であり、放射線撮影を行う放射線技師の負担となっていた。
【0016】
そこで、このような装置において、最適な処理条件を簡単に選択できるユーザーインターフェースが、技師の負担を軽くするために求められている。
【0017】
たとえば、以下の特許文献1には、患者自身の三次元画像を用いて、その画像上で部位を選択することによって、撮影部位のオーダを設定する手法が記載されている。
【0018】
また、以下の特許文献2には、被写体部位の撮影体位を自動判別し、その自動判別された結果に基づいて、画像処理のパラメータを変更する手法が記載されている。
【0019】
さらに、以下の特許文献3には、撮影部位・撮影方向などを画像データから自動的に判別して、複数の画像処理条件を提示し、それらの中から画像処理条件を設定する手法が記載されている。
【0020】
【特許文献1】
特開2001−60239号公報(第1頁〜第6頁、図1)
【0021】
【特許文献2】
特開2001−157199号公報(第1頁〜第5頁、図1)
【0022】
【特許文献3】
特開2001−351092号公報(第1頁〜第2頁、図1)
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1記載の三次元画像上で部位を選択する手法を画像処理条件決定に応用すると、ユーザは視覚的に撮影部位などを選択できるようになって、画像処理条件の選択は容易に行えるようになると思われる。
【0024】
しかし、三次元画像上で部位を選択する操作に必要とされる手順が多いため、撮影頻度の高い病院などでは、操作が繁雑になってメリットが少ない状態になる可能性がある。
【0025】
また、上記特許文献2に記載されているように撮影部位の体位(姿勢)を自動判別することで画像処理のパラメータを自動設定することは、ユーザの操作手順を軽減できるため望ましい。
【0026】
しかしながら、放射線撮影は細分化された多くの部位に対して行われるため、まず被写体の部位を簡便に選択できることが望ましい。また、全ての部位に対して姿勢の判別が必要なわけではないので、姿勢判別不要な部位に対しては判別処理を省略して処理を簡単化することが望ましい。
【0027】
さらに、上記特許文献3記載のように撮影部位・撮影方向などを画像データから自動的に判別して複数の画像処理条件を提示する場合、判別される結果が多岐にわたるため、判別精度の向上に困難が伴う。
【0028】
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであって、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
すなわち、前記した課題を解決は、以下に列記する発明により解決される。
【0030】
(1)請求項1記載の発明は、被写体の撮影部位ごと、あるいは、撮影部位および撮影方向ごとに最適化されてあらかじめ記憶された画像処理条件に基づいて、被写体を透過する放射線に応じた放射線画像を画像処理する際の画像処理条件を決定する画像処理条件決定方法であって、撮影部位に関する複数の選択条件を表示する第1表示工程と、前記第1表示工程で表示された選択条件の選択が行われる第1選択工程と、撮影方向に関する複数の選択条件を表示する第2表示工程と、前記第2表示工程で表示された選択条件の選択が行われる第2選択工程と、前記第1選択工程により選択された選択条件により画像処理条件が定まるか否かを判断し、前記選択された選択条件により画像処理条件が定まる場合には該画像処理条件に決定し、前記第1選択工程の段階では画像処理条件が定まらない場合には第2表示工程に移行させ、前記第1選択工程と前記第2選択工程とにより定まる画像処理条件に決定する判断工程と、を備えることを特徴とする画像処理条件決定方法である。
【0031】
また、請求項6記載の発明は、被写体の撮影部位ごと、あるいは、撮影部位および撮影方向ごとに最適化されてあらかじめ記憶された画像処理条件に基づいて、被写体を透過する放射線に応じた放射線画像を画像処理する際の画像処理条件を決定する画像処理条件決定装置であって、撮影部位に関する複数の選択条件を表示する第1表示手段と、前記第1表示手段で表示された選択条件の選択が行われる第1選択手段と、撮影方向に関する複数の選択条件を表示する第2表示手段と、前記第2表示手段で表示された選択条件の選択が行われる第2選択手段と、前記第1選択手段により選択された選択条件により画像処理条件が定まるか否かを判断し、前記選択された選択条件により画像処理条件が定まる場合には該画像処理条件に決定し、前記第1選択手段の段階では画像処理条件が定まらない場合には第2表示手段に表示させ、前記第1選択手段の選択と前記第2選択手段の選択とにより定まる画像処理条件に決定する制御手段と、を備えることを特徴とする画像処理条件決定装置である。
【0032】
これらの発明では、まず、第1の表示で表示された選択条件の選択が第1の選択として行われる。そして、この第1の選択により選択された選択条件により画像処理条件が定まるか否かを判断する。ここで、画像処理条件が定まる場合には該画像処理条件に決定する。また、第1の選択の段階では画像処理条件が定まらない場合には、第2の表示で表示された選択条件の選択が第2の選択として行われ、第1の選択と第2の選択とにより定まる画像処理条件に決定する。
【0033】
以上のようにすることで、第1の選択で画像処理条件が定まらない場合にのみ第2の選択を行えばよいので、少ない手順で済むようになり、操作が簡単になる。また、第1の表示、第2の表示のそれぞれで表示する選択条件の数を減らすことができ、この点でも操作が簡単になる。
【0034】
この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0035】
(2)請求項2記載の発明は、被写体の撮影部位ごと、あるいは、撮影部位および撮影方向ごとに最適化されてあらかじめ記憶された画像処理条件に基づいて、被写体を透過する放射線に応じた放射線画像を画像処理する際の画像処理条件を決定する画像処理条件決定方法であって、撮影部位に関する複数の選択条件を表示する第1表示工程と、前記第1表示工程で表示された選択条件の選択が行われる第1選択工程と、前記放射線画像から特徴量を抽出し、該特徴量に基づいて少なくとも被写体の撮影方向について認識する認識工程と、前記第1選択工程により選択された選択条件により画像処理条件が定まるか否かを判断し、前記選択された選択条件により画像処理条件が定まる場合には該画像処理条件に決定し、前記第1選択工程の段階では画像処理条件が定まらない場合には認識工程に移行させ、前記第1選択工程と前記認識工程とにより定まる画像処理条件に決定する判断工程と、を備えることを特徴とする画像処理条件決定方法である。
【0036】
また、請求項7記載の発明は、被写体の撮影部位ごと、あるいは、撮影部位および撮影方向ごとに最適化されてあらかじめ記憶された画像処理条件に基づいて、被写体を透過する放射線に応じた放射線画像を画像処理する際の画像処理条件を決定する画像処理条件決定装置であって、撮影部位に関する複数の選択条件を表示する第1表示手段と、前記第1表示手段で表示された選択条件の選択が行われる第1選択手段と、前記放射線画像から特徴量を抽出し、該特徴量に基づいて少なくとも被写体の撮影方向について認識する認識手段と、前記第1選択手段により選択された選択条件により画像処理条件が定まるか否かを判断し、前記選択された選択条件により画像処理条件が定まる場合には該画像処理条件に決定し、前記第1選択手段の段階では画像処理条件が定まらない場合には認識手段に認識させ、前記第1選択手段の選択と前記認識手段の認識とにより定まる画像処理条件に決定する制御手段と、を備えることを特徴とする画像処理条件決定装置である。
【0037】
これらの発明では、まず、第1の表示で表示された選択条件の選択が第1の選択として行われる。そして、この第1の選択により選択された選択条件により画像処理条件が定まるか否かを判断する。ここで、画像処理条件が定まる場合には該画像処理条件に決定する。また、第1の選択の段階では画像処理条件が定まらない場合には、特徴量を抽出することによる認識が実行され、第1の選択と認識とにより定まる画像処理条件に決定する。
【0038】
以上のようにすることで、ユーザによる選択は1段階のみであるため、少ない手順で済むようになり、操作が簡単になる。また、第1の選択で画像処理条件が定まらない場合にのみ、認識の処理を行えばよいので、処理が簡素化される。
【0039】
また、第2段階に特徴量による認識を行うため、第1の表示で表示する選択条件の数を減らすことができ、この点でも操作が簡単になる。さらに、第1段階で撮影部位について選択がなされているので、第2段階の判別対象が限定され、撮影方向の認識精度を向上させることが可能になる。
【0040】
この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0041】
(3)請求項3記載の発明は、前記認識工程では、撮影方向以外に撮影部位についても放射線画像から抽出した特徴量に基づいた認識を行う、ことを特徴とする請求項2記載の画像処理条件決定方法である。
【0042】
また、請求項8記載の発明は、前記認識手段では、撮影方向以外に撮影部位についても放射線画像から抽出した特徴量に基づいた認識を行う、ことを特徴とする請求項7記載の画像処理条件決定装置である。
【0043】
これらの発明では、撮影方向以外に撮影部位についても放射線画像から抽出した特徴量に基づいた認識を行うようにしている。このようにすることで、ユーザの選択により入力された撮影部位と、認識によって得られた撮影部位とを比較することが可能になる。
【0044】
(4)請求項4記載の発明は、前記判断工程では、前記認識工程で認識された撮影部位と、前記第1選択工程で選択された撮影部位とが一致しない場合に警告を発する、ことを特徴とする請求項3記載の画像処理条件決定方法である。
【0045】
また、請求項9記載の発明は、前記制御手段では、前記認識手段で認識された撮影部位と、前記第1選択手段で選択された撮影部位とが一致しない場合に警告を発する、ことを特徴とする請求項8記載の画像処理条件決定装置である。
【0046】
これらの発明では、認識された撮影部位と、選択された撮影部位とを比較し、比較した結果が一致しない場合には、エラーであるとして警告を発するようにしている。ここで、警告を発するとは、警告画面表示、警告音の発生、の少なくとも一方を意味している。
【0047】
この結果、少ない手順で簡単に最適な画像処理条件を決定する際に、撮影部位に対して適した正確な画像処理条件を決定することが可能になる。ユーザによる選択に間違いがあった場合でも、画像処理条件がそのまま決定されてしまう事態を防止できる。
【0048】
(5)請求項5記載の発明は、決定された画像処理条件に基づいて画像処理された結果を表示する際に、決定された画像処理条件と、画像回転あるいは画像反転の有無も併せて表示する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理条件決定方法である。
【0049】
また、請求項10記載の発明は、決定された画像処理条件に基づいて画像処理された結果を表示する表示手段と、前記表示手段への制御を行う表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、決定された画像処理条件と、画像回転あるいは画像反転の有無も併せて前記表示手段に表示する、ことを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の画像処理条件決定装置である。
【0050】
これらの発明では、(1)〜(4)において、決定された画像処理条件に基づいて画像処理された結果を表示する際に、決定された画像処理条件と、画像回転あるいは画像反転の有無も併せて表示するようにしている。
【0051】
この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能であるだけではなく、画像反転・回転の有無を容易に知ることができて、不用意な画像処理による誤診などの問題を回避することができる。
【0052】
(6)請求項11記載の発明は、前記認識工程は、放射線画像に対して特徴量を抽出する特徴量抽出ステップを複数有するとともに、前記特徴量抽出ステップによって抽出された特徴量を評価する特徴量評価ステップとを有し、前記特徴量評価ステップでは、前記特徴量抽出ステップで得られた複数の特徴量の組み合わせによって特徴量の評価を行い、前記特徴量評価ステップにより評価された結果に基づいて、前記特徴量抽出ステップに含まれる一部または全部について、抽出条件を変更して特徴量抽出を再度実行する、ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の画像処理条件決定方法である。
【0053】
また、請求項16記載の発明は、前記認識手段は、放射線画像に対して特徴量を抽出する特徴量抽出手段を複数有するとともに、前記特徴量抽出手段によって抽出された特徴量を評価する特徴量評価手段とを有し、前記特徴量評価手段は、前記特徴量抽出手段で得られた複数の特徴量の組み合わせによって特徴量の評価を行い、前記特徴量評価手段により評価された結果に基づいて、前記特徴量抽出手段に含まれる一部または全部について、抽出条件を変更して特徴量抽出を再度実行する、ことを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の画像処理条件決定装置である。
【0054】
これらの発明では、上記(2)〜(5)において、特徴量評価により評価された評価結果に基づいて、特徴量の抽出条件を変更したうえで、特徴量抽出の中の一部または全部の特徴量抽出について、再度特徴量の抽出を実行するようにしているので、認識するために有効かつ決定的な特徴量を抽出することができる。
【0055】
この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0056】
(7)請求項12記載の発明は、放射線画像に対して、被写体が撮影されている被写体領域を抽出する被写体領域抽出ステップを有し、前記被写体領域抽出ステップによって抽出された被写体領域から、一乃至複数の特徴量を抽出する、ことを特徴とする請求項11記載の画像処理条件決定方法である。
【0057】
また、請求項17記載の発明は、放射線画像に対して、被写体が撮影されている被写体領域を抽出する被写体領域抽出手段を有し、前記被写体領域抽出手段によって抽出された被写体領域から、一乃至複数の特徴量を抽出する、ことを特徴とする請求項16記載の画像処理条件決定装置である。
【0058】
これらの発明では、(6)における特徴量抽出の際に、被写体領域を抽出するようにしており、この抽出された被写体領域から、一乃至複数の特徴量を抽出するようにしているので、より有効かつ決定的な特徴量を抽出することができる。すなわち、画像から被写体の撮影されている被写体領域を抽出し、その被写体領域から特徴量を抽出することにより、撮影部位の特徴を有効に反映した特徴量を抽出することができる。
【0059】
この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0060】
(8)請求項13記載の発明は、前記特徴量抽出ステップは外形形状認識ステップを有し、前記外形形状認識ステップでは、前記被写体領域の外形形状を調べることにより得られる外形形状情報に基づいて、特徴量を抽出する、ことを特徴とする請求項11記載の画像処理条件決定方法である。
【0061】
また、請求項18記載の発明は、前記特徴量抽出手段は外形形状認識手段を有し、前記外形形状認識手段は、前記被写体領域の外形形状を調べることにより得られる外形形状情報に基づいて、特徴量を抽出する、ことを特徴とする請求項16記載の画像処理条件決定装置である。
【0062】
これらの発明では、(6)において、被写体領域の外形形状を調べることにより得られる被写体領域の外形形状情報に基づいて特徴量を抽出しているので、より有効かつ決定的な特徴量を抽出することができる。すなわち、特徴量の一つとして、被写体領域の外形形状情報に基づく特徴量を抽出することにより、被写体の撮影部位、または撮影方向の認識に有用な情報を得ることができる。
【0063】
この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0064】
(9)請求項14記載の発明は、前記特徴量抽出ステップはエッジパターン認識ステップを有し、前記エッジパターン認識ステップは、画像上の任意の画素における近傍画素間の信号変化を調べ、その信号変化の大きなエッジ画素の分布に基づく特徴量を抽出する、ことを特徴とする請求項12または請求項13のいずれかに記載の画像処理条件決定方法である。
【0065】
また、請求項19記載の発明は、前記特徴量抽出手段はエッジパターン認識手段を有し、前記エッジパターン認識手段は、画像上の任意の画素における近傍画素間の信号変化を調べ、その信号変化の大きなエッジ画素の分布に基づく特徴量を抽出する、ことを特徴とする請求項17または請求項18のいずれかに記載の画像処理条件決定装置である。
【0066】
これらの発明では、(7)または(8)において、画像上の任意の画素における近傍画素間の信号変化を調べ、さらに、その信号変化の大きなエッジ画素の分布に基づく特徴量を抽出するようにしているので、より有効かつ決定的な特徴量を抽出することができる。すなわち、特徴量の一つとして、画像上の任意の画素における、近傍画素間の信号変化を調べ、その信号変化の大きなエッジ画素の分布に基づく特徴量を抽出することにより、被写体の撮影部位、または撮影方向の認識に有用な情報を得ることができる。
【0067】
この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0068】
(10)請求項15記載の発明は、前記特徴量抽出ステップは肺野領域検出ステップを有し、前記肺野領域検出ステップでは、肺野領域の有無を調べ、その結果を特徴量として抽出する、ことを特徴とする請求項12または請求項13のいずれかに記載の画像処理条件決定方法である。
【0069】
また、請求項20記載の発明は、前記特徴量抽出手段は肺野領域検出手段を有し、前記肺野領域検出手段は、肺野領域の有無を調べ、その結果を特徴量として抽出する、ことを特徴とする請求項17または請求項18のいずれかに記載の画像処理条件決定装置である。
【0070】
これらの発明では、(7)または(8)において、肺野領域の有無を調べ、さらに、その結果を特徴量として抽出するようにしているので、肺野領域について、より有効かつ決定的な特徴量を抽出することができる。すなわち、特徴量の一つとして、肺野領域の有無を調べ、その結果を特徴量として抽出することにより、被写体の撮影部位、または撮影方向の認識に有用な情報を得ることができる。
【0071】
この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0072】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置の好適な実施の形態について説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0073】
まず、本実施の形態にかかる画像処理条件決定装置を含むX線撮影装置の全体構成について説明する。
【0074】
図1は、本実施の形態であるX線撮影装置の全体構成を示す図である。ここで、画像処理条件決定装置100は、各部を制御する制御手段101、X線を発生するX線発生部102、被写体1を載置する天板105、輝尽性蛍光体プレート(以下プレートと称する)を備えるカセッテ110、プレートを搬送する搬送路120、X線発生部102で発生されるX線を被写体1を挟んでカセッテ110に内蔵されるプレートで露光し、このプレートに蓄積された放射線画像を読み取る読み取り部130と、前記放射線画像を消去する消去部140、放射線画像を読み取った放射線画像信号に画像処理を施す画像処理手段150、撮影部位あるいは撮影方向に関する複数の選択条件を表示する表示手段160、撮影部位あるいは撮影方向に関する選択条件を選択して入力する入力手段170、画像処理前後の放射線画像信号を記憶する記憶手段180、を備えて構成されている。
【0075】
なお、ここでは、X線撮影をする装置として、上述した輝尽性蛍光体プレートを用いる装置を具体例として示したが、この他、FPDを用いた装置を採用することも可能である。
【0076】
本発明の実施の形態例の画像処理条件決定装置100の表示手段160では、画像処理条件の表示が行われ、入力手段170では、画像処理条件の入力あるいは選択等が行われる。なお、この表示手段160は、第1の表示を行う第1表示手段と、第2の表示を行う第2表示手段とを兼ねて構成されている。また、この入力手段170は、第1の選択を行う第1選択手段と、第2の選択を行う第2選択手段とを兼ねて構成されている。
【0077】
また、入力手段170としては、キーボード、図示されないマウス等のポインティングデバイス、あるいは表示手段160上のタッチパネル等を用いることができる。
【0078】
なお、記憶手段180には、被写体1を透過したX線の放射線画像が記憶され、画像処理手段150は、この放射線画像を用いて、階調変換処理、エッジ強調処理、ダイナミックレンジ圧縮処理等の画像処理を行う。
【0079】
これら画像処理の際の各種定数は、被写体1の撮影部位および撮影方向、または撮影部位若しくは撮影方向ごとの画像処理条件として複数個、記憶手段180に記憶され、撮影部位および撮影方向、または撮影部位若しくは撮影方向ごとの名称が付与される。
【0080】
なお、以上の構成の場合、放射線画像から特徴量を抽出し、該特徴量に基づいて少なくとも被写体の撮影方向について認識する認識手段について、制御手段101が兼ねているが、専用の認識手段を設けてもよい。あるいは、専用の特徴量抽出手段と専用の認識手段とを別個に設けてもよい。
【0081】
また、以上の構成の場合、決定された画像処理条件と、画像回転あるいは画像反転の有無も併せて表示手段160に表示する表示制御手段を、制御手段101が兼ねているが、専用の表示制御手段を設けてもよい。
【0082】
〈第1の実施の形態例の動作説明〉
ここで、画像処理条件決定装置100の画像処理条件決定動作について、図2のフローチャート、および、図3以降の説明図(選択条件の表示画面)を用いて第1の実施の形態例の動作を詳細に説明する。
【0083】
まず、オペレータにより天板105の上に載置された被写体1の登録、設定(患者情報の入力)が行われる(図2S1)。新規の場合には、オペレータの手入力にて、被写体1の氏名,性別,年齢,ID,撮影条件等の情報が打ち込まれる。また、登録済みの場合には、過去の登録データから被写体1の患者情報の検索,抽出,修正などが行われる。なお、病院情報システムあるいは放射線科情報システム等の集中管理システムを有する病院では、これら集中管理システムと画像処理条件決定装置100をネットワーク接続し、被写体1の患者情報を入手してもよい。
【0084】
そして、制御手段101は、撮影部位に関する複数の選択条件を表示する第1段階の表示として、表示手段160に選択条件表示画面1600(第1選択条件表示画面、図3参照)として表示する(図2S2)。
【0085】
図3は表示手段160に表示される選択条件表示画面1600の表示(第1の表示)の一例を示した説明図である。この選択条件表示画面1600は、撮影部位大分類表示キー1611、撮影条件キー1612、選択済み条件表示領域1613、決定キー1614、から構成されている。
【0086】
ここで、撮影部位大分類表示キー1611は、被写体の撮影部位を大まかに分類した大分類のキー(頭部、頚部、胸部、腹部、四肢、…)によって構成されている。また、撮影条件キー1612は、被写体の撮影部位を具体的に分類したキー(頚椎、胸部、腹部、腕部/脚部、肩関節、胸椎、腰椎、…)がマトリクス状に配列されて構成されている。
【0087】
なお、撮影部位大分類表示キー1611と撮影条件キー1612の各キーには、撮影部位の名称のテキスト表示のほかに、当該部位をモデル化したマークあるいは当該部位のレントゲン像をモデル化したマークを表示することも可能である。このようなマークを各キーに表示することで、ユーザの条件選択をさらに容易にすることができる。
【0088】
また、決定キー1614は、撮影条件キー1612で選択されたキーの条件を用いて、撮影および画像処理を行うことを決定るためのキーである。この決定キー1614が押下されると、後述する第2の選択画面に移行する。
【0089】
なお、これら撮影部位大分類表示キー1611、撮影条件キー1612、決定キー1614は、例えば、マウス等のポインティングデバイスによりカーソル位置を変化させクリックすることにより選択される。また、これら撮影部位大分類表示キー1611、撮影条件キー1612、決定キー1614は、例えば、表示手段160に設けられたタッチパネルに触れることによっても選択される。
【0090】
また、選択済み条件表示領域1613は、この選択条件表示画面1600で選択された撮影部位大分類名称、画像処理条件の各種キーの名称が選択順に表記され、履歴として表記される。
【0091】
ここで、オペレータは、以上の第1段階目の選択条件の各キーのいずれかについて、被写体1について撮影しようとする撮影部位に適したキーを選択する(図2S3)。
【0092】
なお、撮影部位大分類表示キー1611と撮影条件キー1612の各キーの選択条件には、それぞれ、1乃至複数の画像処理条件が関連づけされて記憶手段180に格納されている。ここで、各キーと対応する画像処理条件とについては、テーブル形式で関連づけて記憶手段180に記憶しておくことが望ましい。
【0093】
たとえば、複数の画像処理条件が関連づけられているキーの選択条件については、そのキーの選択条件のアドレスに対応するデータとして、画像処理条件の番号あるいは画像処理条件が格納されているアドレスなどを記憶しておく。また、各キーの選択条件について、そのキーの選択条件に関連づけて記憶された画像処理条件の数や画像処理条件の名称なども記憶しておくことが好ましい。
【0094】
したがって、制御手段101は、この第1段階目の選択で選択された選択条件のデータを記憶手段180から読み出し、さらに、その選択された選択条件のデータにより画像処理条件が一義的に定まるか否かを判断する(図2S4)。
【0095】
そして、第1の選択条件の選択の段階では画像処理条件が一義的に定まらない場合、すなわち、複数の画像処理条件が関連付けられている場合には、制御手段101は、撮影方向に関する複数の選択条件を表示する第2段階の表示として、表示手段160に第2選択条件表示画面1600′(図4参照)を表示する(図2S5)。
【0096】
図4は表示手段160に表示される第2選択条件表示画面1600′の表示(第2の表示)の一例を示した説明図である。
【0097】
この第2選択条件表示画面1600′には、上述した第1の表示(撮影部位大分類表示キー1611、撮影条件キー1612、選択済み条件表示領域1613など)に加えて、第2の表示(第2選択条件の表示)として、撮影方向に関する複数の選択条件を表示する第2撮影条件キー1620が表示されている。
【0098】
なお、この第2撮影条件キー1620は、第1選択条件表示画面1600上に、ダイアログ形式やポップアップ形式で表示されるようにしてもよいし、または、第1選択条件表示画面1600の変わりに表示されるようにしてもよい。
【0099】
ここでは、第1選択条件表示画面1600で撮影部位として「胸部」を選択した場合の例を示しており、第2選択条件表示画面1600′として撮影方向に関して「正面」と「側面」という第2撮影条件キーがポップアップ形式で表示された場合を示している。
【0100】
なお、これら第2撮影条件キー1620は、例えば、マウス等のポインティングデバイスによりカーソル位置を変化させクリックすることにより選択される。また、第2撮影条件キー1620は、例えば、表示手段160に設けられたタッチパネルに触れることによっても選択される。
【0101】
ここで、オペレータは、以上の第2段階目の選択条件の各キーのいずれかについて、被写体1について撮影しようとする撮影部位と撮影方向に適したキーを選択する(図2S6)。
【0102】
なお、この第2選択条件表示画面1600′においても、選択がなされると、選択済み条件表示領域1613には各種キーの名称が選択順に表記され、履歴として表記される。
【0103】
そして、第1の選択条件の選択の段階で画像処理条件が一義的に定まった場合はその後、あるいは、第1の選択条件の選択の段階では画像処理条件が一義的に定まらないため、第2の選択がなされた場合は第2の選択の後、制御手段101は被写体1の撮影を実行する(図2S7)。
【0104】
すなわち、その後、図示されない撮影開始指示画面に従って、オペレータが撮影の実行を指示すると、制御手段101は所定の手順で被写体1の撮影を実行し、輝尽性蛍光体プレートの読み取りを実行して放射線画像を得る(図2S8)。この放射線画像は、まず記憶手段180に格納される。
【0105】
この後、制御手段101は、放射線画像について画像処理を実行するため、選択された選択条件のデータを記憶手段180から読み出し、さらに、その選択された選択条件のデータから画像処理条件を読み出す。そして、制御手段101は、読み出した画像処理条件を画像処理手段150に送る。ここで、画像処理条件としては、実行する画像処理の種類を示す番号や名称、画像処理に用いるパラメータ等一式、などが含まれているものとする。
【0106】
このようにして画像処理条件を制御手段101から受け取った画像処理手段150は、放射線画像について画像処理条件に基づいた画像処理を実行する(図2S9)。
【0107】
そして、以上の画像処理された放射線画像について、制御手段101は記憶手段180に格納し、必要に応じて、表示手段160に表示し、あるいは図示されない画像出力装置(プリンタ)によりハードコピーを出力する(図2S10)。
【0108】
以上のような処理において、たとえば、撮影部位が胸部の場合、正面方向で撮影した場合と、側面方向で撮影した場合とでは、画像処理条件を変更する必要がある。これに対し、撮影部位が腹部の場合、撮影方向によらず画像処理条件は同一でよい。
【0109】
したがって、第1選択条件表示画面1600において「腹部」の撮影条件キーがオペレータにより選択されれば(図2S3)、その撮影条件キーに関連付けられた画像処理条件が一つであり、画像処理条件が一義的に決定されるため(図2S4でY)、制御手段101はその画像処理条件に基づいて撮影(図2S7)と画像処理(図2S9)とを実行する。
【0110】
また、第1選択条件表示画面1600において「胸部」の撮影条件キーがオペレータにより選択されれば(図2S3)、その撮影条件キーに関連付けられた画像処理条件が複数であり、画像処理条件が一義的に決定されない(図2S4でN)。そこで、制御手段101は、第2選択条件表示画面1600′の表示(図2S5)として「正面」「側面」の表示を行う。その第2の選択(図2S6)がなされると、その撮影条件キー(「胸部」・「正面」あるいは「胸部」・「側面」)に関連付けられた画像処理条件が一つであり、画像処理条件が一義的に決定される。そこで、制御手段101はその画像処理条件に基づいて撮影(図2S7)と画像処理(図2S9)とを実行する。
【0111】
なお、実行される画像処理としては、階調変換処理、エッジ強調処理、ダイナミックレンジ圧縮処理、拡大/縮小処理、回転/反転処理、およびこれらの組み合わせの画像処理等などがある。
【0112】
この画像処理の際の画像処理条件は、これら画像処理のうちのどの処理を行うかを示す処理指定情報や、処理の実行に必要なパラメータ群からなっている。たとえば、実行される画像処理が階調変換の場合、原画像の画素信号値を出力画像の画素信号値に変換するために利用するルックアップテーブル(LUT)が含まれ、エッジ強調処理では強調する空間周波数を示すパラメータや強調度の度合いを示すパラメータを含む。
【0113】
また、前記画像処理条件に含まれるものには、直接的に画像処理を決定するパラメータ以外に、間接的なパラメータも含まれるものとする。この間接的なパラメータの例としては、階調変換処理を行うためのLUTを作成するための処理を指定するものや、LUT作成に必要な原画像の基準信号値などがある。このような間接的なパラメータが有用なのは、同じ撮影部位についても、被写体となる患者の体格、撮影を行ったときの放射線の線量等の条件により、最適な出力画像を作成するためのLUTが異なるからである。
【0114】
以上のようにすることで、第1の選択で画像処理条件が定まらない場合にのみ第2の選択を行えばよいので、少ない手順で済むようになり、操作が簡単になる。また、第1の表示、第2の表示のそれぞれで表示する選択条件の数を減らすことができ、この点でも操作が簡単になる。この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0115】
〈第2の実施の形態例の動作説明〉
ここで、画像処理条件決定装置100の画像処理条件決定動作について、図5のフローチャートを用いて第2の実施の形態例の動作を詳細に説明する。
【0116】
この第2の実施の形態例において、制御手段101は、認識手段を有する。そして、認識手段は、放射線画像に対して特徴量を抽出する特徴量抽出手段を複数有する。
【0117】
また、この第2の実施の形態例において、制御手段101は、特徴量評価手段を有する。そして、特徴量評価手段は、特徴量抽出手段によって抽出された特徴量を評価する。この特徴量評価手段は、特徴量抽出手段で得られた複数の特徴量の組み合わせによって特徴量の評価を行い、特徴量評価手段により評価された結果に基づいて、特徴量抽出手段に含まれる一部または全部について、抽出条件を変更して特徴量抽出を再度実行する。
【0118】
この第2の実施の形態例において、制御手段101は、被写体領域抽出手段を有する。そして、被写体領域抽出手段は、放射線画像に対して、被写体が撮影されている被写体領域を抽出する。そして、特徴量抽出手段は、被写体領域抽出手段によって抽出された被写体領域から、一乃至複数の特徴量を抽出する。
【0119】
この第2の実施の形態例において、制御手段101は、特徴量抽出手段内に、外形形状認識手段を有する。この外形形状認識手段が被写体領域の外形形状を調べることにより得られる外形形状情報に基づいて、特徴量抽出手段は特徴量を抽出する。
【0120】
この第2の実施の形態例において、制御手段101は、特徴量抽出手段内に、エッジパターン認識手段を有し、前記エッジパターン認識手段は、画像上の任意の画素における近傍画素間の信号変化を調べる。そして、特徴量抽出手段は、その信号変化の大きなエッジ画素の分布に基づく特徴量を抽出する。
【0121】
この第2の実施の形態例において、制御手段101は、特徴量抽出手段内に、肺野領域検出手段を有し、肺野領域検出手段は、肺野領域の有無を調べる。そして、特徴量抽出手段は、その結果を特徴量として抽出する。
【0122】
まず、オペレータにより天板105の上に載置された被写体1の登録、設定(患者情報の入力)が行われる(図5S1)。新規の場合には、オペレータの手入力にて、被写体1の氏名,性別,年齢,ID,撮影条件等の情報が打ち込まれる。また、登録済みの場合には、過去の登録データから被写体1の患者情報の検索,抽出,修正などが行われる。なお、病院情報システムあるいは放射線科情報システム等の集中管理システムを有する病院では、これら集中管理システムと画像処理条件決定装置100をネットワーク接続し、被写体1の患者情報を入手してもよい。
【0123】
そして、制御手段101は、撮影部位に関する複数の選択条件を表示する第1段階の表示として、表示手段160に選択条件表示画面1600(第1選択条件表示画面、図3参照)として表示する(図5S2)。
【0124】
ここで、オペレータは、以上の第1段階目の選択条件の各キーのいずれかについて、被写体1について撮影しようとする撮影部位に適したキーを選択する(図5S3)。
【0125】
そして、この後、制御手段101は被写体1の撮影を実行する(図5S4)。すなわち、その後、図示されない撮影開始指示画面に従って、オペレータが撮影の実行を指示すると、制御手段101は所定の手順で被写体1の撮影を実行し、輝尽性蛍光体プレートの読み取りを実行して放射線画像を得る(図5S5)。この放射線画像は、まず記憶手段180に格納される。
【0126】
そして、制御手段101は、さきほどの第1段階目の選択で選択された選択条件のデータを記憶手段180から読み出し、さらに、その選択された選択条件のデータにより画像処理条件が一義的に定まるか否かを判断する(図5S6)。
【0127】
第1の選択条件の選択の段階では画像処理条件が一義的に定まらない場合、すなわち、複数の画像処理条件が関連付けられている場合には、制御手段101は、記憶手段180から放射線画像を読み出して、特徴量の抽出を行う(図5S7)。
【0128】
ここで、第1選択条件表示画面1600で撮影部位として「胸部」を選択した場合、胸部の放射線画像であることを前提として、「正面」であるか「側面」であるかを、特徴量の抽出により判断する。
【0129】
この特徴量の抽出及び特徴量に基づく撮影方向の判断としては、特開2001−351092号公報に記載されている手法を採用することが可能である。
【0130】
この後、制御手段101は、放射線画像について画像処理を実行するため、第1段階の選択のみによって一義的に画像処理条件が定まる場合には、選択された選択条件のデータを記憶手段180から読み出し、さらに、その選択された選択条件のデータから画像処理条件を決定して読み出す(図5S8)。
【0131】
また、制御手段101は、放射線画像について画像処理を実行するため、選択と特徴量の抽出とによって画像処理条件が定まる場合には、該当する択条件のデータを記憶手段180から読み出し、さらに、その選択された選択条件のデータから画像処理条件を読み出す。
【0132】
そして、制御手段101は、読み出した画像処理条件を画像処理手段150に送る。ここで、画像処理条件としては、実行する画像処理の種類を示す番号や名称、画像処理に用いるパラメータ等一式、などが含まれているものとする。
【0133】
このようにして画像処理条件を制御手段101から受け取った画像処理手段150は、放射線画像について画像処理条件に基づいた画像処理を実行する(図5S9)。
【0134】
そして、以上の画像処理された放射線画像について、制御手段101は記憶手段180に格納し、必要に応じて、表示手段160に表示し、あるいは図示されない画像出力装置(プリンタ)によりハードコピーを出力する(図5S10)。
【0135】
以上のような処理において、たとえば、撮影部位が胸部の場合、正面方向で撮影した場合と、側面方向で撮影した場合とでは、画像処理条件を変更する必要がある。これに対し、撮影部位が腹部の場合、撮影方向によらず画像処理条件は同一でよい。
【0136】
したがって、第1選択条件表示画面1600において「腹部」の撮影条件キーがオペレータにより選択されれば(図5S3)、その撮影条件キーに関連付けられた画像処理条件が一つであり、画像処理条件が一義的に決定されるため(図5S6でY)、制御手段101はその画像処理条件(図5S8)に基づいて画像処理(図5S9)とを実行する。
【0137】
また、第1選択条件表示画面1600において「胸部」の撮影条件キーがオペレータにより選択されれば(図5S3)、その撮影条件キーに関連付けられた画像処理条件が複数であり、画像処理条件が一義的に決定されない(図5S6でN)。
【0138】
そこで、制御手段101は、胸部を前提にして特徴量の抽出を行う。特徴量の抽出がなされると、抽出結果から撮影方向が正面又は側面と判断され、事前に選択された胸部という部位情報と共に関連付けられた画像処理条件が一つとなり、画像処理条件が一義的に決定される(図5S8)。そこで、制御手段101はその画像処理条件に基づいて撮影画像処理(図5S9)とを実行する。
【0139】
この実施の形態例では、まず、第1の表示で表示された選択条件の選択が第1の選択として行われる。そして、この第1の選択により選択された選択条件により画像処理条件が定まるか否かを判断する。ここで、画像処理条件が定まる場合には該画像処理条件に決定する。また、第1の選択の段階では画像処理条件が定まらない場合には、特徴量を抽出することによる認識が実行され、第1の選択と認識とにより定まる画像処理条件に決定する
以上のようにすることで、ユーザによる選択は1段階のみであるため、少ない手順で済むようになり、操作が簡単になる。また、第1の選択で画像処理条件が定まらない場合にのみ、認識の処理を行えばよいので、処理が簡素化される。
【0140】
また、第2段階に特徴量による認識を行うため、第1の表示で表示する選択条件の数を減らすことができ、この点でも操作が簡単になる。さらに、第1段階で撮影部位について選択がなされているので、第2段階の判別対象が限定され、撮影方向の認識精度を向上させることが可能になる。
【0141】
この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0142】
また、この実施の形態例は、前記特徴量認識ステップ(図5S7)では、撮影方向以外に撮影部位についても放射線画像から抽出した特徴量に基づいた認識を行う、ことが望ましい。このようにすると、撮影方向以外に撮影部位についても放射線画像から抽出した特徴量に基づいた認識を行うようにしている。このようにすることで、ユーザの選択により入力された撮影部位と、認識によって得られた撮影部位とを比較することが可能になる。
【0143】
また、この実施の形態例は、前記特徴量認識ステップ(図5S7)で認識された撮影部位と、前記第1選択ステップ(図5S3)で選択された撮影部位とが一致するかを比較・判断し、一致しない場合に警告を発する、ことが望ましい。なお、警告を発するとは、警告画面表示、警告音の発生、の少なくとも一方を意味している。
【0144】
ここで、認識された撮影部位と、選択された撮影部位とを比較し、比較した結果が一致しない場合には、ユーザが選択した部位情報に基づいて一応画像処理条件の決定を行う。しかし、この場合、当該画像処理条件を用いた画像処理を行うと共に、警告を表示・発報することでユーザに対して確認を促すことができる。
【0145】
この結果、少ない手順で簡単に最適な画像処理条件を決定する際に、ユーザによる選択に間違いがあった場合でも、画像処理条件がそのまま決定されてしまう事態を防止できる。
【0146】
また、この実施の形態例は、前記特徴量認識ステップ(図5S6)は、放射線画像に対して特徴量を抽出する特徴量抽出ステップを複数有するとともに、前記特徴量抽出ステップによって抽出された特徴量を評価する特徴量評価ステップとを有し、前記特徴量評価ステップでは、前記特徴量抽出ステップで得られた複数の特徴量の組み合わせによって特徴量の評価を行い、前記特徴量評価ステップにより評価された結果に基づいて、前記特徴量抽出ステップに含まれる一部または全部について、抽出条件を変更して特徴量抽出を再度実行する、ことが望ましい。このようにすると、特徴量評価により評価された評価結果に基づいて、特徴量の抽出条件を変更したうえで、特徴量抽出の中の一部または全部の特徴量抽出について、再度特徴量の抽出を実行するようにしているので、認識するために有効かつ決定的な特徴量を抽出することができる。この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0147】
また、この実施の形態例は、放射線画像に対して、被写体が撮影されている被写体領域を抽出する被写体領域抽出ステップを有し、前記被写体領域抽出ステップによって抽出された被写体領域から、一乃至複数の特徴量を抽出する、ことが望ましい。このようにすると、特徴量抽出の際に、被写体領域を抽出するようにしており、この抽出された被写体領域から、一乃至複数の特徴量を抽出するようにしているので、より有効かつ決定的な特徴量を抽出することができる。すなわち、画像から被写体の撮影されている被写体領域を抽出し、その被写体領域から特徴量を抽出することにより、撮影部位の特徴を有効に反映した特徴量を抽出することができる。この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0148】
また、この実施の形態例は、前記特徴量抽出ステップ(図5S7)は外形形状認識ステップを有し、前記外形形状認識ステップでは、前記被写体領域の外形形状を調べることにより得られる外形形状情報に基づいて、特徴量を抽出する、ことが望ましい。このようにすると、被写体領域の外形形状を調べることにより得られる被写体領域の外形形状情報に基づいて特徴量を抽出しているので、より有効かつ決定的な特徴量を抽出することができる。すなわち、特徴量の一つとして、被写体領域の外形形状情報に基づく特徴量を抽出することにより、被写体の撮影部位、または撮影方向の認識に有用な情報を得ることができる。この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0149】
また、この実施の形態例は、前記特徴量抽出ステップ(図5S7)はエッジパターン認識ステップを有し、前記エッジパターン認識ステップは、画像上の任意の画素における近傍画素間の信号変化を調べ、その信号変化の大きなエッジ画素の分布に基づく特徴量を抽出する、ことが望ましい。このようにすると、画像上の任意の画素における近傍画素間の信号変化を調べ、さらに、その信号変化の大きなエッジ画素の分布に基づく特徴量を抽出するようにしているので、より有効かつ決定的な特徴量を抽出することができる。すなわち、特徴量の一つとして、画像上の任意の画素における、近傍画素間の信号変化を調べ、その信号変化の大きなエッジ画素の分布に基づく特徴量を抽出することにより、被写体の撮影部位、または撮影方向の認識に有用な情報を得ることができる。この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0150】
また、この実施の形態例は、前記特徴量抽出ステップ(図5S7)は肺野領域検出ステップを有し、前記肺野領域検出ステップでは、肺野領域の有無を調べ、その結果を特徴量として抽出する、ことが望ましい。このようにすると、肺野領域の有無を調べ、さらに、その結果を特徴量として抽出するようにしているので、肺野領域について、より有効かつ決定的な特徴量を抽出することができる。すなわち、特徴量の一つとして、肺野領域の有無を調べ、その結果を特徴量として抽出することにより、被写体の撮影部位、または撮影方向の認識に有用な情報を得ることができる。この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0151】
また、以上の第2の実施の形態例において、特徴量の抽出が困難であると処理中に判断された場合には、特徴量の抽出を続行せずに、上述した第1の実施の形態例のように第2段階の表示・選択を行うように、処理を切り替えるようにしてもよい。
【0152】
〈第3の実施の形態例〉
第3の実施の形態例では、以上の第1または第2の実施の形態例において、決定された画像処理条件に基づいて画像処理された結果を表示(図2S10、図5S10)する際に、決定された画像処理条件と、画像回転あるいは画像反転の有無も併せて表示する、ことが望ましい。
【0153】
このようにすると、以上の各実施の形態例において、決定された画像処理条件に基づいて画像処理された結果を表示する際に、決定された画像処理条件と、画像回転あるいは画像反転の有無も併せて表示するようにしている。この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能であるだけではなく、画像反転・回転の有無を容易に知ることができて、不用意な画像処理による誤診などの問題を回避することができる。
【0154】
〈その他の実施の形態例〉
以上の各実施の形態例では、第1段階では撮影部位を選択し、第2段階では撮影方向を選択あるいは特徴量により認識するようにしていた。しかし、第1段階と第2段階とはこれに限定されるものではない。
【0155】
たとえば、第1段階では撮影部位と撮影方向とを選択しておき、第2段階では撮影対象が骨部であるか軟部であるかを選択することも可能である。
【0156】
この手法を採用する場合、たとえば、第1段階で、「胸部正面」,「胸部側面」という撮影条件キーを用意しておき、第2段階では「肺野」,「脊椎」,「肋骨」などのキーを用意すればよい。
【0157】
また、診療科によっては、撮影する部位が限定される場合もある。たとえば、内科では、四肢骨を撮影する頻度は非常に少ないと考えられる。そこで、本発明の実施の形態例を適用するにあたり、選択条件表示画面で表示される撮影条件キーを限定したり変更したり、使用環境に応じてカスタマイズできることが望ましい。
【0158】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明によれば、以下のような効果が得られる。
【0159】
(1)第1の発明では、まず、第1の表示で表示された選択条件の選択が第1の選択として行われる。そして、この第1の選択により選択された選択条件により画像処理条件が定まるか否かを判断する。ここで、画像処理条件が定まる場合には該画像処理条件に決定する。また、第1の選択の段階では画像処理条件が定まらない場合には、第2の表示で表示された選択条件の選択が第2の選択として行われ、第1の選択と第2の選択とにより定まる画像処理条件に決定する。
【0160】
以上のようにすることで、第1の選択で画像処理条件が定まらない場合にのみ第2の選択を行えばよいので、少ない手順で済むようになり、操作が簡単になる。また、第1の表示、第2の表示のそれぞれで表示する選択条件の数を減らすことができ、この点でも操作が簡単になる。この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0161】
(2)第2の発明では、まず、第1の表示で表示された選択条件の選択が第1の選択として行われる。そして、この第1の選択により選択された選択条件により画像処理条件が定まるか否かを判断する。ここで、画像処理条件が定まる場合には該画像処理条件に決定する。また、第1の選択の段階では画像処理条件が定まらない場合には、特徴量を抽出することによる認識が実行され、第1の選択と認識とにより定まる画像処理条件に決定する。
【0162】
以上のようにすることで、ユーザによる選択は1段階のみであるため、少ない手順で済むようになり、操作が簡単になる。また、第1の選択で画像処理条件が定まらない場合にのみ、認識の処理を行えばよいので、処理が簡素化される。また、第2段階に特徴量による認識を行うため、第1の表示で表示する選択条件の数を減らすことができ、この点でも操作が簡単になる。さらに、第1段階で撮影部位について選択がなされているので、第2段階の判別対象が限定され、撮影方向の認識精度を向上させることが可能になる。この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能な画像処理条件決定方法および画像処理条件決定装置を実現できる。
【0163】
(3)第3の発明では、上記(2)において、撮影方向以外に撮影部位についても放射線画像から抽出した特徴量に基づいた認識を行うようにしている。このようにすることで、ユーザの選択により入力された撮影部位と、認識によって得られた撮影部位とを比較することが可能になる。
【0164】
(4)第4の発明では、上記(2)において、認識された撮影部位と、選択された撮影部位とを比較し、比較した結果が一致しない場合には、エラーであるとして警告を発するようにしている。
【0165】
この結果、少ない手順で簡単に最適な画像処理条件を決定する際に、撮影部位に対して適した正確な画像処理条件を決定することが可能になる。ユーザによる選択に間違いがあった場合でも、画像処理条件がそのまま決定されてしまう事態を防止できる。
【0166】
(5)第5の発明では、上記(1)〜(4)において、決定された画像処理条件に基づいて画像処理された結果を表示する際に、決定された画像処理条件と、画像回転あるいは画像反転の有無も併せて表示するようにしている。
【0167】
この結果、広範囲な様々な撮影部位の放射線画像に対して、少ない手順と簡素化された処理手順で簡単に最適な画像処理条件を決定することが可能であるだけではなく、画像反転・回転の有無を容易に知ることができて、不用意な画像処理による誤診などの問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例の全体構成を示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態例の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態例の動作における表示画面例を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態例の動作における表示画面例を示す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態例の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 被写体
100 画像処理条件決定装置
101 制御手段
102 X線発生部
105 天板
110 カセッテ
120 搬送路
130 読み取り部
140 消去部
150 画像処理手段
160 表示手段
170 入力手段
180 記憶手段
Claims (20)
- 被写体の撮影部位ごと、あるいは、撮影部位および撮影方向ごとに最適化されてあらかじめ記憶された画像処理条件に基づいて、被写体を透過する放射線に応じた放射線画像を画像処理する際の画像処理条件を決定する画像処理条件決定方法であって、
撮影部位に関する複数の選択条件を表示する第1表示工程と、
前記第1表示工程で表示された選択条件の選択が行われる第1選択工程と、
撮影方向に関する複数の選択条件を表示する第2表示工程と、
前記第2表示工程で表示された選択条件の選択が行われる第2選択工程と、
前記第1選択工程により選択された選択条件により画像処理条件が定まるか否かを判断し、前記選択された選択条件により画像処理条件が定まる場合には該画像処理条件に決定し、前記第1選択工程の段階では画像処理条件が定まらない場合には第2表示工程に移行させ、前記第1選択工程と前記第2選択工程とにより定まる画像処理条件に決定する判断工程と、
を備えることを特徴とする画像処理条件決定方法。 - 被写体の撮影部位ごと、あるいは、撮影部位および撮影方向ごとに最適化されてあらかじめ記憶された画像処理条件に基づいて、被写体を透過する放射線に応じた放射線画像を画像処理する際の画像処理条件を決定する画像処理条件決定方法であって、
撮影部位に関する複数の選択条件を表示する第1表示工程と、
前記第1表示工程で表示された選択条件の選択が行われる第1選択工程と、
前記放射線画像から特徴量を抽出し、該特徴量に基づいて少なくとも被写体の撮影方向について認識する認識工程と、
前記第1選択工程により選択された選択条件により画像処理条件が定まるか否かを判断し、前記選択された選択条件により画像処理条件が定まる場合には該画像処理条件に決定し、前記第1選択工程の段階では画像処理条件が定まらない場合には認識工程に移行させ、前記第1選択工程と前記認識工程とにより定まる画像処理条件に決定する判断工程と、
を備えることを特徴とする画像処理条件決定方法。 - 前記認識工程では、撮影方向以外に撮影部位についても放射線画像から抽出した特徴量に基づいた認識を行う、
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理条件決定方法。 - 前記判断工程では、前記認識工程で認識された撮影部位と、前記第1選択工程で選択された撮影部位とが一致しない場合に警告を発する、ことを特徴とする請求項3記載の画像処理条件決定方法。
- 決定された画像処理条件に基づいて画像処理された結果を表示する際に、決定された画像処理条件と、画像回転あるいは画像反転の有無も併せて表示する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理条件決定方法。 - 被写体の撮影部位ごと、あるいは、撮影部位および撮影方向ごとに最適化されてあらかじめ記憶された画像処理条件に基づいて、被写体を透過する放射線に応じた放射線画像を画像処理する際の画像処理条件を決定する画像処理条件決定装置であって、
撮影部位に関する複数の選択条件を表示する第1表示手段と、
前記第1表示手段で表示された選択条件の選択が行われる第1選択手段と、
撮影方向に関する複数の選択条件を表示する第2表示手段と、
前記第2表示手段で表示された選択条件の選択が行われる第2選択手段と、
前記第1選択手段により選択された選択条件により画像処理条件が定まるか否かを判断し、前記選択された選択条件により画像処理条件が定まる場合には該画像処理条件に決定し、前記第1選択手段の段階では画像処理条件が定まらない場合には第2表示手段に表示させ、前記第1選択手段の選択と前記第2選択手段の選択とにより定まる画像処理条件に決定する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理条件決定装置。 - 被写体の撮影部位ごと、あるいは、撮影部位および撮影方向ごとに最適化されてあらかじめ記憶された画像処理条件に基づいて、被写体を透過する放射線に応じた放射線画像を画像処理する際の画像処理条件を決定する画像処理条件決定装置であって、
撮影部位に関する複数の選択条件を表示する第1表示手段と、
前記第1表示手段で表示された選択条件の選択が行われる第1選択手段と、
前記放射線画像から特徴量を抽出し、該特徴量に基づいて少なくとも被写体の撮影方向について認識する認識手段と、
前記第1選択手段により選択された選択条件により画像処理条件が定まるか否かを判断し、前記選択された選択条件により画像処理条件が定まる場合には該画像処理条件に決定し、前記第1選択手段の段階では画像処理条件が定まらない場合には認識手段に認識させ、前記第1選択手段の選択と前記認識手段の認識とにより定まる画像処理条件に決定する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理条件決定装置。 - 前記認識手段では、撮影方向以外に撮影部位についても放射線画像から抽出した特徴量に基づいた認識を行う、
ことを特徴とする請求項7記載の画像処理条件決定装置。 - 前記制御手段では、前記認識手段で認識された撮影部位と、前記第1選択手段で選択された撮影部位とが一致しない場合に警告を発する、ことを特徴とする請求項8記載の画像処理条件決定装置。
- 決定された画像処理条件に基づいて画像処理された結果を表示する表示手段と、
前記表示手段への制御を行う表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、決定された画像処理条件と、画像回転あるいは画像反転の有無も併せて前記表示手段に表示する、
ことを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の画像処理条件決定装置。 - 前記認識工程は、放射線画像に対して特徴量を抽出する特徴量抽出ステップを複数有するとともに、前記特徴量抽出ステップによって抽出された特徴量を評価する特徴量評価ステップとを有し、
前記特徴量評価ステップでは、前記特徴量抽出ステップで得られた複数の特徴量の組み合わせによって特徴量の評価を行い、前記特徴量評価ステップにより評価された結果に基づいて、前記特徴量抽出ステップに含まれる一部または全部について、抽出条件を変更して特徴量抽出を再度実行する、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理条件決定方法。 - 放射線画像に対して、被写体が撮影されている被写体領域を抽出する被写体領域抽出ステップを有し、前記被写体領域抽出ステップによって抽出された被写体領域から、一乃至複数の特徴量を抽出する、
ことを特徴とする請求項11記載の画像処理条件決定方法。 - 前記特徴量抽出ステップは外形形状認識ステップを有し、
前記外形形状認識ステップでは、前記被写体領域の外形形状を調べることにより得られる外形形状情報に基づいて、特徴量を抽出する、
ことを特徴とする請求項11記載の画像処理条件決定方法。 - 前記特徴量抽出ステップはエッジパターン認識ステップを有し、
前記エッジパターン認識ステップは、画像上の任意の画素における近傍画素間の信号変化を調べ、その信号変化の大きなエッジ画素の分布に基づく特徴量を抽出する、
ことを特徴とする請求項12または請求項13のいずれかに記載の画像処理条件決定方法。 - 前記特徴量抽出ステップは肺野領域検出ステップを有し、
前記肺野領域検出ステップでは、肺野領域の有無を調べ、その結果を特徴量として抽出する、
ことを特徴とする請求項12または請求項13のいずれかに記載の画像処理条件決定方法。 - 前記認識手段は、放射線画像に対して特徴量を抽出する特徴量抽出手段を複数有するとともに、前記特徴量抽出手段によって抽出された特徴量を評価する特徴量評価手段とを有し、
前記特徴量評価手段は、前記特徴量抽出手段で得られた複数の特徴量の組み合わせによって特徴量の評価を行い、前記特徴量評価手段により評価された結果に基づいて、前記特徴量抽出手段に含まれる一部または全部について、抽出条件を変更して特徴量抽出を再度実行する、
ことを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の画像処理条件決定装置。 - 放射線画像に対して、被写体が撮影されている被写体領域を抽出する被写体領域抽出手段を有し、
前記被写体領域抽出手段によって抽出された被写体領域から、一乃至複数の特徴量を抽出する、
ことを特徴とする請求項16記載の画像処理条件決定装置。 - 前記特徴量抽出手段は外形形状認識手段を有し、
前記外形形状認識手段は、前記被写体領域の外形形状を調べることにより得られる外形形状情報に基づいて、特徴量を抽出する、
ことを特徴とする請求項16記載の画像処理条件決定装置。 - 前記特徴量抽出手段はエッジパターン認識手段を有し、
前記エッジパターン認識手段は、画像上の任意の画素における近傍画素間の信号変化を調べ、その信号変化の大きなエッジ画素の分布に基づく特徴量を抽出する、
ことを特徴とする請求項17または請求項18のいずれかに記載の画像処理条件決定装置。 - 前記特徴量抽出手段は肺野領域検出手段を有し、
前記肺野領域検出手段は、肺野領域の有無を調べ、その結果を特徴量として抽出する、
ことを特徴とする請求項17または請求項18のいずれかに記載の画像処理条件決定装置。
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