JP2010194086A - 医用画像表示装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract


【課題】ユーザによる検像作業の利便性を向上させる。
【解決手段】検像装置1は、モダリティ3から医用画像データを取得する。そして、検像装置1は、取得した医用画像データに対して画像認識処理を行い、心臓の位置情報を画像特徴量として算出する。そして、検像装置1は、この画像特徴量に基づいてモダリティ3から取得した医用画像データの正確性を判定し、判定結果に基づいて医用画像データの中から不整合医用画像データを検出する。そして、検像装置1は、この不整合医用画像データに関連付けられた過去の医用画像データをPACS4から取得する。そして、検像装置1は、不整合医用画像データと、PACS4から取得した医用画像データとを検像画面に表示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、医用画像表示装置及びプログラムに関する。
病院や診療所等の医療施設では、X線撮影装置等の医用画像撮影装置(モダリティ)を用いた検査が行われる。通常、このような検査では、撮影業務を専門に行う撮影技師による操作に基づき、モダリティが医用画像(医用画像データ)を生成する。そして、撮影技師は、モダリティにより生成された医用画像を画面に表示させ、検像を行う。ここで、検像とは、医用画像に不整合が無いことの確認や不整合があった場合に、それを修正する行為である。
そして、撮影技師による検像が完了した医用画像は、PACS(Picture Archiving and Communication System)等の医用画像管理システム内のデータベースシステムへと転送されて保管される。そして、PACSに保管された医用画像は、医師によって参照(読影)される。また、この参照において、PACSに保管された過去の医用画像と診断対象の医用画像とを比較する比較読影が行われる場合がある。
比読読影を行うための技術として、診断用放射線画像信号に対応するID情報に基づいて、記憶手段に記憶された過去の放射線画像信号の中から、診断用放射線画像の被写体と同一被写体の1個又は複数個の比較用放射線画像信号を求める検索手段と、診断用放射線画像と比較用放射線画像とを同時に観察できるように並べて再生表示する表示手段と、を有する放射線画像診断装置が開示されている(特許文献1参照)。
ところで、モダリティにおいて生成された医用画像に対して検像を行い、PACSに保管させる前述のようなシステムでは、撮影技師による検像が適切かつ迅速に行われることが求められる。近年では、特許文献1等の技術を用い、過去の医用画像データと比較しながら撮影技師による検像が行われる場合がある。
特開平1−107739号公報
しかし、特許文献1の技術を用いて検像を行うと、全ての医用画像データに対して、関連する過去の医用画像データをそれぞれ表示させて検像作業を行う必要があった。そのため、撮影技師(ユーザ)にとって負担が大きく、問題の見落とし等のミスが発生する可能性が高かった。
本発明は、上述したような課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、ユーザによる検像作業の利便性を向上させることである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の医用画像表示装置は、
医用画像データを取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段により取得された医用画像データにおける画像特徴量に基づいて前記医用画像データの正確性を判定し、当該判定結果に基づいて前記医用画像データの中から不整合医用画像データを検出する検出手段と、
前記検出された不整合医用画像データに関連付けられた医用画像データを取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段により取得された医用画像データと前記不整合医用画像データとを画面に表示する表示制御手段と、
を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記第1取得手段は、医用画像データを生成する医用画像撮影装置から当該医用画像データを取得する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記第2取得手段は、医用画像データを記憶管理する医用画像管理装置から当該医用画像データを取得する。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記検出手段は、前記第1取得手段により取得された医用画像データに対して画像認識処理を行い、心臓の位置情報を画像特徴量として算出する。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、
前記検出手段は、前記正確性の度合いを示す確信度を前記画像特徴量に基づいて算出し、当該確信度に基づいて前記医用画像データの中から不整合医用画像データを検出する。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
確信度の閾値を設定する設定手段を更に備え、
前記検出手段は、当該閾値と前記確信度とに基づいて前記医用画像データの中から不整合医用画像データを検出する。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記正確性とは、医用画像の撮影方向の正しさである。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の発明において、
前記第2取得手段は、前記検出された不整合医用画像データに関連付けられた過去の医用画像データを取得する。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、
前記第2取得手段は、前記検出された不整合医用画像データに関連付けられた直近の過去の医用画像データを取得する。
請求項10に記載のプログラムは、
コンピュータを、
医用画像データを取得する第1取得手段、
前記第1取得手段により取得された医用画像データにおける画像特徴量に基づいて前記医用画像データの正確性を判定し、当該判定結果に基づいて前記医用画像データの中から不整合医用画像データを検出する検出手段、
前記検出された不整合医用画像データに関連付けられた医用画像データを取得する第2取得手段、
前記第2取得手段により取得された医用画像データと前記不整合医用画像データとを画面に表示する表示制御手段、
として機能させる。
請求項1、10に記載の発明によれば、医用画像表示装置は、医用画像データを取得し、この医用画像データにおける画像特徴量に基づいて医用画像データの正確性を判定し、判定結果に基づいて医用画像データの中から不整合医用画像データを検出する。そして、医用画像表示装置は、検出した不整合医用画像データに関連付けられた医用画像データを取得し、この医用画像データと不整合医用画像データとを画面に表示する。
そのため、ユーザは、全ての医用画像データに対して、関連する医用画像データをそれぞれ表示させて検像作業を行う必要がない。よって、ユーザによる検像作業の利便性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、医用画像撮影装置から取得した医用画像データに対して正確性を判定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、不整合医用画像データに関連付けられた医用画像データを医用画像管理装置から取得することができる。
請求項4に記載の発明によれば、適切に医用画像データから画像特徴量を算出することができる。
請求項5に記載の発明によれば、適切に医用画像データの中から不整合医用画像データを検出することができる。
請求項6に記載の発明によれば、柔軟に医用画像データの中から不整合医用画像データを検出することができる。
請求項7に記載の発明によれば、ユーザによる、撮影方向の正しさについての検像作業の利便性を向上させることができる。
請求項8に記載の発明によれば、不整合医用画像データとこの不整合医用画像データに関連付けられた過去の医用画像データとを画面に表示する。そのため、ユーザによる検像作業の利便性を更に向上させることができる。
請求項9に記載の発明によれば、不整合医用画像データとこの不整合医用画像データに関連付けられた直近の過去の医用画像データとを画面に表示する。そのため、ユーザによる検像作業の利便性を更に向上させることができる。
放射線科システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 A−P撮影、P−A撮影の概要を示す図である。 検像装置のブロック図である。 制御部の機能を示す機能図である。 過去画像比較処理を示すフローチャートである。 フィルター処理を示すフローチャートである。 画像特徴量の算出方法を説明する図である。 画像特徴量の算出方法を説明する図である。 検像画面の画面例である。
以下、本発明の医用画像表示装置を図1の検像装置1に適用した場合の実施形態について図1〜図9を参照して説明する。
[放射線科システムのシステム構成]
先ず、検像装置1を有する放射線科システムSの概要について図1を用いて説明する。
図1は、放射線科システムSのシステム構成の一例を示すブロック図である。図1によれば、放射線科システムSは、検像装置1と、RIS2と、モダリティ3と、PACS4と、から構成されている。上記の各装置及びシステムはLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークN2を介してデータ通信可能に接続されている。更に、RIS2は、院内ネットワークN1を介してHIS5とデータ通信可能に接続されている。
HIS(病院情報システム)5は、制御部や記憶部、入力部、表示部、通信部等を有するコンピュータにより構成され、医療事務会計や診療予約、電子カルテの管理、検査及び薬剤等の各部門へのオーダリング等、病院内の情報を統括的に管理するシステムである。HIS5は、医師から放射線科システムSでの撮影依頼を受け付けて、その撮影依頼の内容を含むオーダ情報を生成する。そして、HIS5は、そのオーダ情報を院内ネットワークN1を介してRIS2に送信する。オーダ情報は、撮影を行う患者の氏名やID、性別等の患者情報と、医師がオーダした検査を識別する検査ID、検査部位、撮影方向及び体位といった検査条件を示す検査情報とを含むデータである。
RIS(放射線情報システム)2は、制御部や記憶部、入力部、表示部、通信部等を有するコンピュータにより構成され、放射線科部門内における診療予約、診断結果のレポート、実績管理、材料在庫管理等の情報管理を行い、放射線科システムS内の情報を統括的に管理するシステムである。RIS2は、HIS5から送信されたオーダ情報を受信する。RIS2は、このオーダ情報をモダリティ3と検像装置1とに送信する。
モダリティ3は、患者を撮影し、撮影画像(医用画像)の画像データ(実画像データ)を生成する医用撮影装置である。モダリティ3としては、CTやCR、MRI、乳房撮影装置、超音波診断装置等、様々な種類の医用画像を撮影するモダリティが適用可能である。
モダリティ3は、RIS2から受信したオーダ情報に基づいて、生成した医用画像の実画像データに関する各種情報(患者情報、検査情報及びシリーズ情報等)を有する付帯情報を生成する。そして、モダリティ3は、実画像データに付帯情報を付帯させ、DICOM規格に則った医用画像データを生成する。モダリティ3は、生成した医用画像データを検像装置1に送信する。そして、検像装置1は、医用画像データをPACS4に転送する。
ところで、モダリティ3により行われる撮影には、放射線を患者の正面側から入射させて背面側から出射させるA−P撮影、放射線を患者の背面側から入射させて正面側から出射させるP−A撮影等がある。そのため、同じ被写体(患者)でも、撮影の種類が異なると撮影画像(医用画像)が異なる。例えば、図2に示すように、A−P撮影により生成された医用画像(A−P撮影画像)と、P−A撮影により生成された医用画像(P−A撮影画像)とでは、画像に写る心臓の位置が異なる。そのため、A−P撮影をすべき撮影を誤ってP−A撮影をしてしまった場合、モダリティ3は、撮影技師等の操作に基づいて、生成された医用画像データの実画像データに左右反転処理を施してPACS4に転送する必要がある。
図1に戻り、検像装置1は、RIS2から送信されるオーダ情報と、モダリティ3から送信される医用画像データとを受信して、撮影技師の検像を待機する。「検像」とは、オーダ情報通りの撮影を行ったか、医用画像データの実画像データが診断に適した画質であるか、オーダ情報と付帯情報との整合性が取れているか等を医用画像データのPACS4への転送前に確認及び修正する行為である。このとき、検像装置1は、過去画像比較処理を行う。過去画像比較処理については後述する。撮影技師が各医用画像データの検像を行うと、検像装置1は、当撮影技師の操作(承認操作)に従って医用画像データをPACS4に転送(送信)する。
PACS4は、モダリティ3において生成された医用画像データを保存管理し、検索やデータ解析を行うデータベースシステムである。PACS4は、制御部や記憶部、通信部等を備えて構成され、検像装置1から受信した医用画像データに含まれる付帯情報に基づいて当該医用画像データを、例えば、リレーショナルデータベースに蓄積記憶していく。そして、PACS4は、読影医等の操作指示に応じて指定された患者IDや検査ID等を検索キーとして医用画像データを検索し、図示しないビューアやイメージャに出力する。また、PACS4は、患者IDや検査ID等の検索キーを含む医用画像データ検索要求を外部機器から受信すると、この検索要求に応じた医用画像データを検索し、外部機器に検索結果を提供する。また、PACS4は、患者IDや検査ID等の検索キーを含む医用画像データ取得要求を外部機器から受信すると、この取得要求に応じた医用画像データを提供(送信)する。尚、これらの医用画像データの検索/提供には、例えば、DICOMのクエリーリトリーブ(Query/Retrieve:Q/R)プロトコルが採用される。
[検像装置の機能的構成]
図3に、検像装置1の機能的構成を示す。
図2に示すように、検像装置1は、制御部10、操作部20、表示部30、通信部40、記憶部50を備えて構成され、各部はバス60により接続されている。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、検像装置1の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部20から入力される操作信号又は通信部40により受信される指示信号に応じて、記憶部50に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
操作部20は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部10に出力する。
表示部30は、1又は複数台のLCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部10から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
通信部40は、LAN(Local Area Network)アダプタ、ルータ、TA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークN2を介して接続されたRIS2、モダリティ3、PACS4等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
記憶部50は、ハードディスク等から構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。また、記憶部50は、モダリティ3から送信された検像待ちの医用画像データを一時的に記憶する。
制御部10は、通信部40を介して、モダリティ3から医用画像データを受信すると、この医用画像データを記憶部50に記憶させる。また、制御部10は、通信部40を介して、RIS2からオーダ情報を受信すると、このオーダ情報を記憶部50に記憶させる。そして、制御部10は、撮影技師等による操作部20からの操作信号に基づき、表示部30に医用画像と付帯情報、オーダ情報等を表示させる。撮影技師は、表示されたこれらの情報を参照し、検像を行う。
制御部10は、過去画像比較処理を行う。過去画像比較処理とは、モダリティ3から取得した医用画像データの正確性を判定し、この判定結果に基づいて医用画像データの中から不整合医用画像データを検出し、不整合医用画像データに関連付けられた医用画像データをPACS4から取得し、不整合医用画像データと不整合医用画像データに関連付けられた医用画像データとを表示部30に表示させる処理である。撮影技師は、これらの医用画像データを参照し、検像を行う。
図4に示すように、この過去画像比較処理において、制御部10は、通信部40を介してモダリティ3から医用画像データを取得する第1取得機能部f3、この医用画像データの正確性を判定し、この判定結果に基づいていよう画像データの中から不整合医用画像データを検出する検出機能部f1、通信部40を介してPACS4から不整合医用画像データに関連付けられた医用画像データを取得する第2取得機能部f4、PACS4から取得した医用画像データと不整合医用画像データとを表示部30に表示させる表示制御機能部f2、として機能する。
不整合医用画像データとは、正確性が疑わしい医用画像データのことを指す。また、正確性とは、医用画像データの撮影方向が正しいか、撮影対象患者が正しいか等の、医用画像データに関する各種情報、各種作業の正しさを表す。本実施形態では、モダリティ3におけるA−P撮影、P−A撮影の違いによる医用画像の左右の正しさ、即ち、モダリティ3における医用画像データの撮影方向の正しさを「正確性」として説明する。
[過去画像比較処理]
次に、検像装置1の制御部10が行う過去画像比較処理の具体的な処理内容について、図5を用いて説明する。
制御部10は、通信部40を介してモダリティ3から医用画像データを受信する(ステップS1)。
次に、制御部10は、フィルター処理を行う(ステップS2)。具体的に、制御部10は、ステップS1において受信した医用画像データの正確性を判定する。即ち、制御部10は、モダリティ3での医用画像データの撮影方向が正しいか否かを判別する。
制御部10は、フィルター処理の結果、この医用画像データの正確性が疑われない場合(ステップS3;YES)、即ち、医用画像データの撮影方向が正しいと判定した場合、表示部30に通常表示を行う(ステップS4)。そして、処理が終了する。「通常表示」については後述する。
一方、制御部10は、フィルター処理の結果、この医用画像データの正確性が疑われる場合(ステップS3;NO)、即ち、医用画像データの撮影方向の正しさが疑われる場合、この医用画像データを不整合医用画像データとして、表示部30に表示される検像待機リスト上に警告情報を表示する(ステップS5)。「検像待機リスト」、「警告情報」については後述する。
そして、制御部10は、不整合医用画像データに関する過去の医用画像データを検索する(ステップS6)。具体的に、制御部10は、不整合医用画像データの付帯情報から患者IDや検査ID等を読み出し、この値を検索キーとして医用画像データ検索要求を生成する。そして、制御部10は、通信部40を介して、医用画像データ検索要求をPACS4に送信する。PACS4は、医用画像データ検索要求を受信すると、この検索要求に応じた医用画像データを検索する。PACS4は、検索要求に応じた医用画像データを記憶管理している場合、この医用画像データの検索結果リスト(検索結果)を検像装置1に送信する。一方、PACS4は、検索要求に応じた医用画像データを記憶管理していない場合、その旨を示す信号(検索結果)を検像装置1に送信する。
制御部10は、PACS4から通信部40を介して検索要求に応じた医用画像データの検索結果リストを受信した場合、即ち、不整合医用画像データに関する過去の医用画像データがPACS4において記憶管理されていた場合(ステップS7;YES)、検索結果リストにある医用画像データのうち、直近の過去の(生成時刻が最新の)医用画像データに対応する患者ID、検査ID等を検索キーとした医用画像データ取得要求を生成し、PACS4に送信する。そして、制御部10は、PACS4から取得要求に応じた医用画像データを取得する(ステップS8)。そして、制御部10は、この医用画像データに基づいて、不整合医用画像データに関する直近の過去の医用画像データを不整合医用画像データと共に表示部30に表示させる(ステップS9)。そして、撮影技師は、不整合医用画像データと、この不整合医用画像データに関する直近の過去の医用画像データとを比較し、モダリティ3における医用画像の撮影方向が逆になっていたことを確認した上で、医用画像データに対する左右反転処理をモダリティ3(または、検像装置1)に施させ、左右反転処理が施された医用画像データをPACS4に送信させる。以上で処理が終了する。
一方、制御部10は、PACS4から通信部40を介して取得要求に応じた医用画像データを記憶管理していない旨の信号を受信した場合、即ち、不整合医用画像データに関する過去の医用画像データがPACS4において記憶管理されていなかった場合(ステップS7;NO)、「過去画像無し」との警告表示を不整合医用画像データと共に表示部30に表示させる(ステップS10)。以上で処理が終了する。
制御部10は、上述したフローチャートに示す過去画像比較処理を医用画像データ毎に(医用画像の枚数分)行う。即ち、制御部10は、医用画像の枚数分、ステップS2のフィルター処理を行うことにより、モダリティ3から受信した医用画像データの中から不整合医用画像データを検出することになる。
[フィルター処理]
次に、フィルター処理(図5のステップS2)の具体的な処理内容について、図6を用いて説明する。
まず、検像装置1の制御部10は、医用画像(医用画像データに含まれる実画像データ)から画像認識処理により肺野領域や心臓領域を抽出する(ステップS101)。
肺野領域や心臓領域の抽出は、例えば、特開2002−109550号公報に記載の手法を用いることができる。この抽出方法では、まず、異なる6方向(0°、30°、60°、90°、120°、150°の6方向)の延在方向別輪郭検出マスク及び延在方向別エッジ検出マスクを用いて、医用画像から各輪郭検出マスクに対応した方向に延在する輪郭が強調された6つの画像及び各エッジ検出マスクに対応した方向に延在するエッジが強調された3つの画像が作成される。次いで、これら9つの画像の画素を対応させて最低濃度となる画素を選択することにより概略輪郭画像が作成される。延在方向別輪郭検出マスクとは、特定角度方向に延びる直線を検出するマスクである。延在方向別エッジ検出マスクとは、特定角度方向に延び、かつ特定の濃度傾斜方向性を有するエッジを検出するマスクである。次いで、医用画像に平滑化処理を施すことにより肋骨や鎖骨が目立たない平滑化画像が作成され、概略輪郭画像と平滑化画像の画素値を対応する画素毎に乗じ合わせることにより胸郭内部平滑化画像が作成される。次いで、胸部内部平滑化画像が基準点(肺野上端の輪郭部分から略等距離にある点)を中心に極座標変換され、得られた極座標変換画像に胸郭の輪郭を検出するためのテンプレート(臨床的に得られている多数の心胸郭の輪郭の平均的なもの)を用いたテンプレートマッチングを行うことにより、胸郭の輪郭が検出される。そして、検出結果を医用画像に戻してスプライン補間し閉曲線で接続することによって、肺野領域や心臓領域が抽出される。なお、肺野領域や心臓領域の抽出は、上記の例に限定されない。
次に、制御部10は、ステップS101において抽出した肺野領域や心臓領域に基づき、画像特徴量を算出する(ステップS102)。例えば、図7に示すように、制御部10は、胸椎中心からの心臓左右端の差分(A−B)を求め、この値、即ち心臓の位置情報を画像特徴量とする。または、制御部10は、灰野上部・下部での相対的な形状差((A−C)−(B−D))を求め、この値、即ち心臓の位置情報を画像特徴量とする。または、図8に示すように、制御部10は、心臓部の左右の傾きの差(傾きE−傾きF)を求め、この値、即ち心臓の位置情報を画像特徴量とする。
図6に戻り、次に、制御部10は、ステップS102において算出した画像特徴量の確信度を算出する(ステップS103)。確信度とは、正確性の度合いを示す情報である。本実施の形態において、確信度とは、画像に写る心臓の位置が正しくない確率、即ち、画像に写る心臓の位置が右側寄りではない確率である。確信度の値の範囲は0パーセントから100パーセントであり、値が高くなる程、正確性の度合いが低くなる。
確信度の算出方法は、画像特徴量の算出用法によって異なる。例えば、心臓左右端の差分(A−B)を画像特徴量とする場合における確信度は、以下の式aにより算出される。
確信度 = abs(A−P)×abs(Q−B)/(P×Q)
・・・・・(a)
ここで、「P」は、正確性有りとされる医用画像における胸椎中心からの心臓左端の距離の平均値である。「Q」は、正確性有りとされる医用画像における胸椎中心からの心臓右端の距離の平均値である。平均値P、Qは正確性有りとされる多数の医用画像の統計を取り算出される。
次に、制御部10は、ステップS103において算出した確信度が閾値より大きいか否かを判定する(ステップS104)。閾値は、ユーザ操作による操作部20からの操作信号に基づいて制御部10により予め設定される。または、閾値は、ステップS104における判定時に、ユーザ操作による操作部20からの操作信号に基づいて制御部10により設定される。
ステップS104における判定の結果、確信度の値が閾値より大きい場合(ステップS104;YES)、制御部10は、フィルター処理の対象となっている医用画像データは正確性が疑われると判定する(ステップS105)。一方、ステップS104における判定の結果、確信度の値が閾値以下の場合(ステップS104;NO)、制御部10は、フィルター処理の対象となっている医用画像データは正確性有りと判定する(ステップS106)。以上で処理が終了する。
[画面例]
次に、検像装置1の制御部10が表示部30に表示させる検像画面の画面例を、図9を用いて説明する。この検像画面において、図5のステップS5における「警告情報」、「検像待機リスト」、図5のステップS9における「不整合医用画像データに関する直近の過去の医用画像データ」等が表示される。
検査画面には、検像待機リストd1と、検像対象医用画像表示領域e1と、過去画像表示領域e2と、OKボタンb1とから構成される。検像待機リストd1は、記憶部50に記憶された検像待ちの医用画像データのリストである。検像リストd1は、「受信日時」「受付番号」「患者ID」「氏名」「状態」「整合性」等の項目から成る。項目「整合性」は、該当するレコードに対応する医用画像データの正確性が疑われるか否かを示す情報を表示する項目である。正確性が疑われる場合、項目「整合性」の値は「×」、正確性が疑われない場合、項目「整合性」の値は「○」となる。項目「整合性」の値「×」が警告情報である。
検像対象医用画像表示領域e1には、検像待機リストd1において選択された医用画像データに基づいて、付帯情報、医用画像が表示される。警告情報が表示されているレコード、即ち、項目「整合性」の値が「×」となっているレコードの医用画像データが選択されると、選択された医用画像データ(不整合医用画像データ)に関する直近の過去の医用画像データがPACS4から取得される。そして、過去画像表示領域e2には、選択された医用画像データ(不整合医用画像データ)に関する直近の過去の医用画像データが表示される。また、PACS4に選択された医用画像データに関する過去の医用画像データが無い場合、過去画像表示領域e2には、「過去画像無し」との警告表示が表示される。
OKボタンb1が押下される(承認操作が行われる)と、検像待機リストd1で選択されている医用画像データが、PACS4に転送される。
以上、本実施形態によれば、検像装置1の制御部10は、通信部40を介してモダリティ3から医用画像データを取得する。そして、制御部10は、取得した医用画像データに対して画像認識処理を行い、心臓の位置情報を画像特徴量として算出する。そして、制御部10は、この画像特徴量に基づいて、モダリティ3から取得した医用画像データの正確性を判定し、判定結果に基づいて医用画像データの中から不整合医用画像データを検出する。そして、制御部10は、この不整合医用画像データに関連付けられた過去の医用画像データをPACS4から通信部40を介して取得する。そして、制御部10は、不整合医用画像データと、PACS4から取得した医用画像データとを表示部30の検像画面に表示する。
そのため、撮影技師(ユーザ)は、モダリティ3から送信された医用画像データのうち、正確性が疑われる医用画像データのみ、関連する過去の医用画像データとの比較(検像における比較)を行えばよい。そのため、撮影技師は、全ての医用画像データに対して、この比較(検像における比較)を行う必要がなく、負担を軽減することができ、問題の見落とし等のミスが発生する可能性を抑えることができる。よって、ユーザによる検像作業の利便性を向上させることができる。
また、制御部10は、画像特徴量に基づいて確信度を算出し、この確信度に基づいて医用画像データの中から不整合医用画像データを検出する。ここで、制御部10は、ユーザ操作による操作部20からの操作信号に基づいて予め設定される確信度の閾値と、算出された確信度の値とを比較して、不整合医用画像データを検出する。そのため、柔軟に且つ適切に医用画像データの中から不整合医用画像データを検出することができる。
尚、本実施形態における記述は、本発明に係る医用画像表示装置の一例であり、これに限定されるものではない。システム及び各装置の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
また、本実施形態では、プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記憶媒体、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等を適用することが可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も適用可能である。
1 検像装置
2 RIS
3 モダリティ
4 PACS
5 HIS
10 制御部
20 操作部
30 表示部
40 通信部
50 記憶部
60 バス
N1 院内ネットワーク
N2 通信ネットワーク
S 放射線科システム

Claims (10)

  1. 医用画像データを取得する第1取得手段と、
    前記第1取得手段により取得された医用画像データにおける画像特徴量に基づいて前記医用画像データの正確性を判定し、当該判定結果に基づいて前記医用画像データの中から不整合医用画像データを検出する検出手段と、
    前記検出された不整合医用画像データに関連付けられた医用画像データを取得する第2取得手段と、
    前記第2取得手段により取得された医用画像データと前記不整合医用画像データとを画面に表示する表示制御手段と、
    を備える医用画像表示装置。
  2. 前記第1取得手段は、医用画像データを生成する医用画像撮影装置から当該医用画像データを取得する、
    請求項1に記載の医用画像表示装置。
  3. 前記第2取得手段は、医用画像データを記憶管理する医用画像管理装置から当該医用画像データを取得する、
    請求項1又は2に記載の医用画像表示装置。
  4. 前記検出手段は、前記第1取得手段により取得された医用画像データに対して画像認識処理を行い、心臓の位置情報を画像特徴量として算出する、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像表示装置。
  5. 前記検出手段は、前記正確性の度合いを示す確信度を前記画像特徴量に基づいて算出し、当該確信度に基づいて前記医用画像データの中から不整合医用画像データを検出する、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の医用画像表示装置。
  6. 確信度の閾値を設定する設定手段を更に備え、
    前記検出手段は、当該閾値と前記確信度とに基づいて前記医用画像データの中から不整合医用画像データを検出する、
    請求項5に記載の医用画像表示装置。
  7. 前記正確性とは、医用画像の撮影方向の正しさである、
    請求項1〜6の何れか一項に記載の医用画像表示装置。
  8. 前記第2取得手段は、前記検出された不整合医用画像データに関連付けられた過去の医用画像データを取得する、
    請求項1〜7の何れか一項に記載の医用画像表示装置。
  9. 前記第2取得手段は、前記検出された不整合医用画像データに関連付けられた直近の過去の医用画像データを取得する、
    請求項8に記載の医用画像表示装置。
  10. コンピュータを、
    医用画像データを取得する第1取得手段、
    前記第1取得手段により取得された医用画像データにおける画像特徴量に基づいて前記医用画像データの正確性を判定し、当該判定結果に基づいて前記医用画像データの中から不整合医用画像データを検出する検出手段、
    前記検出された不整合医用画像データに関連付けられた医用画像データを取得する第2取得手段、
    前記第2取得手段により取得された医用画像データと前記不整合医用画像データとを画面に表示する表示制御手段、
    として機能させるためのプログラム。
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