JP2006181242A - 画像加工方法および画像加工装置ならびに画像加工プログラム - Google Patents

画像加工方法および画像加工装置ならびに画像加工プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 画像観察者による調整に応じて、画像処理条件を自動的に最適化する。
【解決手段】 撮影部位又は撮影方向のいずれか及び特徴量を参照し、予め準備された中から画像データの加工に使用するプリセット画像加工条件を選択するプリセット画像加工条件選択部20と、選択されたプリセット画像加工条件に基づいて加工された画像データに更に修正の加工を加え、該修正の加工の状態を示す修正情報を生成する画像修正部40と、修正情報を記憶する修正情報記憶部50と、複数回の画像データの加工における複数の記憶された修正情報に基づいて、プリセット画像加工条件の追加を行うかを判定するプリセット画像加工条件追加判定部60と、プリセット画像加工条件を追加する判定を得た場合にプリセット画像加工条件を追加するプリセット画像加工条件追加部70と、追加あるいは予め準備されたプリセット画像加工条件を記憶する画像加工情報記憶部30とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は医用画像などの各種画像を加工(処理)する際の画像加工方法および画像加工装置ならびに画像加工プログラムに関し、さらに詳しくは、画像観察者が加えた画像濃度やコントラスト等の画像処理の調整量に基づいて自動的に画像観察者の好みに合わせた画像加工条件を設定できる画像加工方法および画像加工装置ならびに画像加工プログラムに関する。
近年、放射線画像などの医用画像を直接デジタル画像として撮影できる装置が開発されている。
たとえば、被写体に照射された放射線量を検出し、その検出量に対応して形成される放射線画像を電気信号として得る装置としては、輝尽性蛍光体を用いたディテクタを用いる方法が特開昭55-12429号公報、特開昭63-189853号公報など、多数開示されている。
このような装置では、シート状の基板に輝尽性蛍光体を塗布、あるいは蒸着等によって固着したディテクタに、いったん被写体を透過した放射線を照射して輝尽性蛍光体に放射線を吸収させる。
その後、この輝尽性蛍光体を光または熱エネルギーで励起することにより、この輝尽性蛍光体が上記吸収によって蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射させ、この蛍光を光電変換して画像データを得るようにしている。
一方、照射された放射線の強度に応じた電荷を光導電層に生成し、生成された電荷を二次元的に配列された複数のコンデンサに蓄積し、それら蓄積された電荷を取り出すことにより得られる放射線画像検出装置が提案されている。
このような放射線画像検出装置では、フラットパネルディテクタ(FPD)と呼ばれるものを使用している。この種のFPDは、特開平9-90048号公報に記載されているように、照射された放射線強度に応じた蛍光を発する蛍光体と、蛍光体から発する蛍光を直接または縮小光学系を介して受光して光電変換を行うフォトダイオードやCCDのような光電変換素子の組み合わせによって実現されるものが知られている。
また特開平6-342098号公報に記載されているように、照射された放射を直接電荷に変換するものも知られている。
これらの放射線画像検出装置においては、取得した画像に対して、診断に適した画像となるよう、階調変換処理や周波数強調処理などの画像処理を行うことが一般的に行われている。
一方、これらの画像処理では、頭部や、胸部、腹部など撮影部位や撮影方向に応じて、最適と思われる画像処理条件が異なるため、画像取得後に手動で行うことは煩雑である。特に撮影数の多い病院などでは、このように画像取得後に毎回手動で画像処理条件を調整した場合、放射線技師の負担があまりにも大きくなりすぎる。
そこで、これらの装置では、診断に適した画像が得られるように毎回画像処理条件を調整するかわりに、撮影部位や撮影方向に応じて、最適と思われる画像処理条件を予めプリセットとして設定しておき、撮影部位や撮影方向を選択することで、所望の画像処理条件を取得し、取得した画像処理条件を用いて、自動的に画像処理を行う構成となっている。
一方、実際にこれら装置で取得された画像を用いて診断を行う医師の好みなどにより、最適な画像処理条件はに異なる。そのため、これらの装置を各施設に導入する際に、医師等の希望に沿って画像処理条件を調節する必要がある。
このような画像処理条件の調整は、撮影部位及び撮影方向毎に手動で行わなければならず、煩雑で時間を要する作業を必要とする。画像処理条件の調整を行うものとしては、特開平11-88678号公報(特許文献1)や特開2000-175035号公報(特許文献2)などが存在しており、その他、本件出願人によって先に出願された提案も存在している。
さらに、運用を行っていくうちに、特定の撮影部位について、より詳細な部位毎や撮影方向毎に細かく画像処理条件を分類したい場合もある。例として、『大腿骨』や『膝関節』や『踵骨』や『足趾骨』といった撮影部位全てを『下肢』という撮影部位ととらえて同じ画像処理条件を用いて画像処理を行っていたところ、実際には『大腿骨』や『膝関節』に対する条件と『踵骨』や『足趾骨』とでは、別の条件で画像処理を行った方が最適な処理画像を得ることができるといった場合がある。この場合、従来は手作業によって、『大腿骨』や『膝関節』等の『脚部』用の画像処理条件と、『踵骨』や『足趾骨』等の『足部』用の画像処理条件に分離・作成するという煩雑な作業を必要とした。
また、これらの装置では、画像データに対し、撮影方向等を示す、所謂デジタルマーカを電子的に付加することもよく行われる。このようなデジタルマーカについても、装置を使用する施設の運用によって差違のあるところである。
例えば、腰椎の撮影を行う場合、ある施設では、人体の左側からX線を入射させて撮影する場合、『L→R』というデジタルマーカを付加し、逆に人体の右側からX線を入射させた場合には『R→L』と異なるデジタルマーカを使用することがある。
一方、施設によっては、従来から使用される鉛マーカを用いて、デジタルマーカを使用しない場合もある。そのため、予め全ての運用に対応できるようにデジタルマーカを設定することは現実的に不可能であり、施設の運用に合わせた設定に変更する作業が必要となる。
特開平11-88678号公報(第1頁、図1) 特開2000-175035号公報(第1頁、図1)
これまで述べてきたように、実際にこれら装置で取得された画像を用いて画像の観察を行う医師や放射線技師などの観察者の好みにより、最適な画像加工条件(前述の画像処理条件やマーカの設定を意味する)は異なる。そのため、これらの装置を使用する際に、医師等の希望に沿って画像加工条件(画像処理条件やマーカの設定)を調整しつつ使用することが望ましい。
また、予め準備(プリセット)された複数の画像加工条件を用意しておき、いずれかの画像加工条件を選択して使用するとしても、準備できる数には限度があるため、やはり、観察者の好みに応じた調整が必要となる。
従来、このようなプリセット画像加工条件(画像処理条件やマーカの設定)の調整は、撮影部位や撮影方向毎に手動で行わなければならず、煩雑で時間を要する作業を必要とした。そのため、このようなカスタマイズ作業を自動的に行える装置が望まれている。
なお、装置に学習機能を持たせて画像加工条件を徐々に変化させていくことも考えられるが、それでは既存の画像加工条件が変化するだけであって、特定の条件下における最適な画像加工条件を新たに追加する作業は手動で行う必要がある。
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであって、画像観察者による調整に応じて、画像に対する画像加工条件(画像処理条件やマーカの設定)を自動的に最適化することが可能な画像加工方法および画像加工装置ならびに画像加工プログラムを実現することを目的とする。
すなわち、前記した課題は、以下に列記する各発明のそれぞれによって解決される。
(1)本願発明は、予め準備されたプリセット画像加工条件を用いて画像データを加工する画像加工方法であって、入力された画像データの撮影部位もしくは撮影方向の少なくとも一方、および画像データの特徴量を参照し、予め準備されたプリセット画像加工条件の中から画像データの加工に使用するプリセット画像加工条件を選択し、前記選択されたプリセット画像加工条件に基づいて加工された画像データに更に修正の加工を加えると共に、該修正の加工の状態を示す修正情報を生成し、複数回の画像データの加工における複数の前記修正情報に基づいて、前記プリセット画像加工条件の追加を行うか否かを判定し、前記プリセット画像加工条件を追加すると判定された場合には、既存のプリセット画像加工条件を利用して新たなプリセット画像加工条件を生成して記憶する、ことを特徴とする画像加工方法である。
また、本願発明は、予め準備されたプリセット画像加工条件を用いて画像データを加工する画像加工装置であって、入力された画像データの撮影部位もしくは撮影方向の少なくとも一方、および、画像データの特徴量を参照し、予め準備されたプリセット画像加工条件の中から画像データの加工に使用するプリセット画像加工条件を選択するプリセット画像加工条件選択部と、前記選択されたプリセット画像加工条件に基づいて加工された画像データに更に修正の加工を加えると共に、該修正の加工の状態を示す修正情報を生成する画像修正部と、前記画像修正部で生成された修正情報を記憶する修正情報記憶部と、複数回の画像データの加工における複数の前記記憶された修正情報に基づいて、前記プリセット画像加工条件の追加を行うか否かを判定するプリセット画像加工条件追加判定部と、前記プリセット画像加工条件追加判定部により、プリセット画像加工条件を追加するという判定結果を得た場合にプリセット画像加工条件を追加するプリセット画像加工条件追加部と、予め準備されたプリセット画像加工条件もしくは前記追加されたプリセット画像加工条件を記憶する画像加工情報記憶部と、を有することを特徴とする画像加工装置である。
さらに、本願発明は、予め準備されたプリセット画像加工条件を用いて画像データを加工する画像加工プログラムであって、入力された画像データの撮影部位もしくは撮影方向の少なくとも一方、および画像データの特徴量を参照し、予め準備されたプリセット画像加工条件の中から画像データの加工に使用するプリセット画像加工条件を選択するプリセット画像加工条件選択ルーチンと、前記選択されたプリセット画像加工条件に基づいて加工された画像データに更に修正の加工を加えると共に、該修正の加工の状態を示す修正情報を生成する画像修正ルーチンと、複数回の画像データの加工における複数の前記修正情報に基づいて、前記プリセット画像加工条件の追加を行うか否かを判定すプリセット画像加工条件追加判定ルーチンと、前記プリセット画像加工条件を追加すると判定された場合には、既存のプリセット画像加工条件を利用して新たなプリセット画像加工条件を生成して記憶するプリセット画像加工条件追加ルーチンと、を有することを特徴とする画像加工プログラムである。
この発明では、予め準備されたプリセット画像加工条件を用いて画像データを加工する際に、入力された画像データの撮影部位もしくは撮影方向の少なくとも一方、および画像データの特徴量を参照し、予め準備されたプリセット画像加工条件の中から画像データの加工に使用するプリセット画像加工条件を選択し、選択されたプリセット画像加工条件に基づいて画像データを加工する際の修正を行うと共に、ここでの修正の状態を示す修正情報を生成し、この修正情報を記憶しておく。そして、複数回の画像データの加工における複数の修正情報に基づいて、プリセット画像加工条件の追加を行うか否かを判定し、プリセット画像加工条件を追加すると判定された場合には、既存のプリセット画像加工条件を利用して新たなプリセット画像加工条件を生成して記憶する。
すなわち、画像データに対して、観察者が加えた修正結果を利用することにより、必要に応じて自動的に画像データを加工する条件(プリセット画像加工条件)を追加することにより、簡便に観察者の運用に合わせた画像加工条件の設定を行えるようになる。
(2)以上の(1)の発明において、修正の加工の状態を示すように生成された修正情報とともに、該修正情報が生成された画像データから求められた1乃至複数の特徴量を記憶する、ことを特徴とする。
すなわち、この発明では、複数の修正情報を記憶しておいて、これら複数の修正情報からプリセット画像加工条件を追加する場合に、該修正情報が生成された画像データから求められた1乃至複数の特徴量を修正情報と併せて記憶しておく。
(3)上記(1)または(2)の発明において、プリセット画像加工条件追加判定によってプリセット画像加工条件を追加するという判定結果を得た場合には、新規に追加されたプリセット画像加工条件と、予め準備されているプリセット画像加工条件のいずれを使用するかを決定する、ことを特徴とする。
すなわち、この発明では、新たなプリセット画像加工条件が追加された際に、新規に追加されたプリセット画像加工条件と、予め準備されているプリセット画像加工条件のいずれを使用するかを決定して定めるようにしている。
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかの発明において、前記プリセット画像加工条件と前記修正情報とには、画像データに対する画像処理の方法もしくは調整量を記述するパラメータを含む、ことを特徴とする。
すなわち、この発明では、選択されたプリセット画像加工条件に基づいて加工された画像データに更に修正の加工を加えると共に、該修正の加工の状態を示す修正情報を生成しているが、これらプリセット画像加工条件と修正情報とに、画像データに対する画像処理の方法もしくは調整量を記述するパラメータを含めるようにしておく。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかの発明において、前記プリセット画像加工条件と前記修正情報とには、画像データに付加的に追加するマーカ情報を含む、ことを特徴とする。
すなわち、この発明では、選択されたプリセット画像加工条件に基づいて加工された画像データに更に修正の加工を加えると共に、該修正の加工の状態を示す修正情報を生成しているが、これらプリセット画像加工条件と修正情報とに、画像データに付加するマーカ情報を含めるようにしておく。
以上、説明したように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)この発明では、予め準備されたプリセット画像加工条件を用いて画像データを加工する際に、入力された画像データの撮影部位もしくは撮影方向の少なくとも一方、および画像データの特徴量を参照し、予め準備されたプリセット画像加工条件の中から画像データの加工に使用するプリセット画像加工条件を選択し、選択されたプリセット画像加工条件に基づいて画像データを加工する際の修正を行うと共に、ここでの修正の状態を示す修正情報を生成し、この修正情報を記憶しておく。そして、複数回の画像データの加工における複数の修正情報に基づいて、プリセット画像加工条件の追加を行うか否かを判定し、プリセット画像加工条件を追加すると判定された場合には、既存のプリセット画像加工条件を利用して新たなプリセット画像加工条件を生成して記憶する。
すなわち、画像データに対して、観察者が加えた修正結果を利用することにより、必要に応じて自動的に画像データを加工する条件(プリセット画像加工条件)を追加することにより、簡便に観察者の運用に合わせた画像加工情報の設定を行えるようになる。
この結果、必要に応じて自動的にプリセット画像加工条件が追加されるようになり、初期設定されているプリセット画像加工条件よりも詳細な設定が必要な場合でも、簡便に画像加工情報の最適化を行うことができるようになる。
(2)この発明では、複数の修正情報を記憶しておいて、これら複数の修正情報からプリセット画像加工条件を追加する場合に、該修正情報が生成された画像データから求められた1乃至複数の特徴量を修正情報と併せて記憶しておく。この結果、プリセット画像加工条件の追加を行うか否かの判定を実行する際に、修正情報が生成された画像の特徴量をも参照して判定できるようになるため、高速に判定を実行することができる。
(3)この発明では、新たなプリセット画像加工条件が追加された際に、新規に追加されたプリセット画像加工条件と、予め準備されているプリセット画像加工条件のいずれを使用するかを決定して定めるようにしている。この結果、画像の修正に伴って新規なプリセット画像加工条件が追加された場合にも、煩雑さの増大による操作性の劣化を生じることなく、プリセット画像加工条件の追加や使用を行うことができる。
(4)この発明では、選択されたプリセット画像加工条件に基づいて加工された画像データに更に修正の加工を加えると共に、該修正の加工の状態を示す修正情報を生成しているが、このプリセット画像加工条件とこの修正情報に、画像データに対する画像処理の方法もしくは調整量を記述するパラメータを含めるようにしておく。この結果、撮影部位や撮影方向毎に最適な画像処理が異なっているとしても、自動的に最適な画像処理条件を追加することができるようになる。
(5)この発明では、選択されたプリセット画像加工条件に基づいて加工された画像データに更に修正の加工を加えると共に、該修正の加工の状態を示す修正情報を生成し、このプリセット画像加工条件とこの修正情報に、画像データに付加するマーカ情報を含めるようにしておく。この結果、撮影部位や撮影方向毎に画像データに付加する情報が異なる場合でも、自動的にそれぞれの撮影部位や撮影方向毎に最適なマーカ情報を与えることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施をするための最良の形態を詳細に説明する。
本発明の実施をするための最良の形態の画像加工方法および画像加工装置ならびに画像加工プログラムの好適な実施の形態について説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
なお、本実施形態の各手段は、ハードウェアやファームウェア、またはソフトウェアで構成することが可能である。このため、各ステップ,各手段,各ルーチンの処理手順に沿った機能ブロック図としての図1を示す。
また、この機能ブロック図である図1は、画像加工方法および画像加工装置ならびに画像加工プログラムの各実施形態を理解するためのフローチャートとしても用いることができる。
〈全体構成および処理の流れ〉
全体構成:
画像データ取得部10、プリセット画像加工条件選択部20、画像加工情報記憶部30、画像修正部40、修正情報記憶部50、プリセット画像加工条件追加判定部60、プリセット画像加工条件追加部70、および、制御部80が、図1に示すように構成される。
なお、以上の図1における各部(各手段)は、画像加工装置を構成する構成要素であるが、画像加工方法の各ステップ、画像加工プログラムの各ルーチンを構成するものでもある。また、以上の画像加工装置は、CPUやメモリなどと処理プログラムを組み合わせて構成することも可能であるが、プログラマブルなゲートアレイなどを用いて構成することも可能である。
なお、この実施形態で画像処理に使用される「画像加工情報」と「プリセット画像加工条件」との関係は、図6のようになっている。すなわち、図6(a)に示すように、「(ある特定の)撮影部位」に対し、「画像加工情報」が1対1の対応関係を有して定まる。そして、この「画像加工情報」には、プリセットされた複数の画像加工条件としての「プリセット画像加工条件」が含まれる。
ここでは、「画像加工情報」に、「プリセット画像加工条件#1」〜「プリセット画像加工条件#n」が含まれた状態を一例として示している。そして、「プリセット画像加工条件」(プリセット画像加工条件#1〜プリセット画像加工条件#n)は、さきほどの撮影部位に含まれる、「詳細撮影部位・撮影方向」(詳細撮影部位・撮影方向#1〜詳細撮影部位・撮影方向#n)に、1対1の対応関係を有している。
さらに、図6(b)に示すように、各「プリセット画像加工条件」は、それぞれ、画像処理パラメータを含む「画像処理条件」と、マーカパラメータを含む「マーカ情報」とを有して構成されている。
処理の流れ:
(a)画像データ取得部10では、放射線撮影などによって得られた各種医用画像についての画像データを取得する。取得された画像データは、制御部80へ送信される。
(b)画像加工情報記憶部30では、撮影部位または撮影方向等の情報から一意に特定される複数の画像加工情報を保存している。
なお、図6に示したように、各画像加工情報には、1乃至複数の予め用意されたプリセット画像加工条件が対応付けられている。
当該プリセット画像加工条件には、画像データに対する階調処理や周波数強調処理のような画像処理の方法を特定するパラメータ等の画像処理条件(図6(b)参照)や、撮影方向等を表すデジタルマーカの種類や画像上の配置に関するマーカパラメータなどのマーカ情報が含まれている。
そして、画像データの加工の際には、後述するように、プリセット画像加工条件選択部20により、画像加工情報記憶部30に記憶された画像加工情報の中から特定の一つが選択され、さらに、選択された画像加工情報に対応付けられた複数のプリセット画像加工条件の特定の一つが選択され、当該選択されたプリセット画像加工条件が有する画像処理条件やマーカ情報を用いて画像加工が施される。但し、ここで、画像加工情報に対応づけられたプリセット画像加工条件が一つしか存在しない場合は、自動的にその唯一のプリセット画像加工条件に決定され、当該選択されたプリセット画像加工条件が有する画像処理条件やマーカ情報を用いて画像加工が施される。
かかる構成とすることにより、同じ撮影部位であるが、撮影方向毎に画像処理条件を個別に設定した方が良い場合でも、撮影部位に1対1に対応した1つの画像加工情報に、撮影方向に1対1に対応した異なる画像処理条件をもつプリセット画像加工条件が1乃至複数対応づけられているため、観察者は撮影部位を指定するだけで、プリセット画像加工条件選択部20によって、撮影部位に対応する画像加工情報が特定され、さらにこの画像加工情報に対応づけられたプリセット画像加工条件の中から最適なプリセット画像加工条件を選択されるるので、観察者にとっては選択肢が少なくなり、操作を簡便化することができる。
また、後述する当該プリセット画像加工条件の選択に利用する、画像データから得た特徴量を評価・判定するためのデータである撮影部位・撮影方向判定ベクトルについても、画像加工情報記憶部30が記憶する。
(c)制御部80では、取得された画像データから画像処理用の縮小画像、表示用の縮小画像を作成する。そして画像処理用の縮小画像をプリセット画像加工条件選択部20へ、表示用の縮小画像を画像修正部40へ送る。また、撮影部位または撮影方向等の情報をユーザインターフェースなど(図示せず)から取得し、プリセット画像加工条件選択部20へ送信する。また、制御部80は最終的な画像加工(画像処理)を実行する画像加工手段を構成しており、プリセット画像加工条件選択部20で設定された画像加工情報や画像修正部40で生成された修正情報を用いて、画像データに対する画像処理やデジタルマーカの追加・修正といった画像加工を行う。画像加工が施された処理済みの画像データは、ネットワーク等を介して出力され、フィルム出力されたり、診断用モニタ表示される。
一方、制御部80は、画像修正部40で決定された画像修正情報、プリセット画像加工条件選択部20で設定された画像加工情報、及び当該画像データに関する複数の特徴量を、修正情報記憶部50 へ送信する。
(d)プリセット画像加工条件選択部20では、制御部80より得た撮影部位または撮影方向等の情報より、必要な画像加工情報を特定して、プリセット画像加工条件取得要求により画像加工情報記憶部30から呼び出す。一方、同様に制御部80から受信した画像処理用縮小画像に基づいて複数の特徴量を検出する。それら特徴量に基づいて、当該画像加工情報に含まれる1乃至複数のプリセット画像加工条件から最適なものを選択する。選択されたプリセット画像加工条件は、制御部80に送られる。
(e)画像修正部40では、前記表示用の縮小画像に対し、制御部80で画像加工が施された、その処理済み画像を得て表示する。その処理済み画像を確認しながら、観察者は画像の濃度やコントラスト、周波数強調度など、画像処理に関するパラメータを調整できる。観察者がパラメータ調整を行うと、当該プリセット画像加工条件に含まれる画像処理条件と、調整後の画像に対応する画像処理条件との比較を行い、画像処理パラメータの調整量、または調整後の処理済み画像を取得するための画像処理パラメータ値を画像修正部40が算出する。
算出された画像処理パラメータは、「修正情報」として画像修正部40から制御部80へ送られる。また、同様に観察者は当該処理済み画像を参照しつつ、当該処理済み画像に付加するデジタルマーカの種類や位置を編集することができる。そして、編集されたデジタルマーカの種類や位置といったマーカ情報も制御部80へ送られる。なお、ここでの修正のために算出された画像処理パラメータやマーカ情報が、以上の「修正情報」を構成している。
(f)修正情報記憶部50では、前記で求めた修正情報、および、画像データから取得した複数の特徴量を、各プリセット画像加工条件毎に保存する。
(g)プリセット画像加工条件追加判定部60では、各画像加工情報、または各プリセット画像加工条件毎に、所定回数の画像データの加工が行われる度、当該画像加工情報に含まれるプリセット画像加工条件の追加が必要か否かを判定する。
(h)プリセット画像加工条件追加部70では、上記プリセット画像加工条件追加判定部60による判定の結果、プリセット画像加工条件の追加が必要と判断した場合、新規なプリセット画像加工条件を追加するための手続きを行い、画像加工情報記憶部30に記憶されている当該画像加工情報に、新たに追加したプリセット画像加工条件を対応づける。
〈各手段、各ステップ、各ルーチンの詳細内容〉
以下、本実施形態の構成および動作(処理)について、(1)〜(8)に分類しつつ詳細に説明する。なお、ここでは、図2に示すフローチャートをも参照して詳細な説明を行う。
(1)画像データ取得:
画像データ取得ステップに用いられる画像データ取得部10では、例えば、被写体を透過した放射線を検知して、画像データとして取得する(図2S1)。具体的な構成例としては、輝尽性蛍光体プレートを用いたものとして、特開平11-142998号公報や特開2002-156716号公報に記載されたものがある。また、フラットパネルディテクタ(FPD)を入力装置として用いるものには、特開平6-342098号公報に記載された、検出したX線を直接電荷に変換し、画像データとして取得するものや、特開平9-90048号公報に記載された、検出したX線を一旦光に変換した後、その光を受光して電荷に変換する、間接方式のものがある。
なお、取得される画像データは、1画素当たりの大きさが実寸で0.04mm〜0.2mm程度である。また本実施形態では階調数を12bit、即ち0〜4095の値をとるものとして扱う。さらに、外部に存在するこれらの装置から取得した画像データを、ネットワークを介して取得(入力)するものであってもよい。そして、この画像データ取得部10で取得された画像データは、制御部80へ送信される。
(2)制御:
各種制御を行う制御部80では、まず取得された画像データから画像処理用の縮小画像、表示用の縮小画像を作成する。これは、後の処理を高速に行い、かつ演算に必要なハードウェアのリソースを減らすためである。
なお縮小画像では、1画素当たり被写体の実寸で0.5mm〜5mm程度に相当することが望ましい。0.5mmより小さいと、縮小画像に含まれる画素数が多くなりすぎ、高速化等の目的を達成することができない。また表示画素数の多いモニタを使用しなければ、画面上に画像全体を一度に表示することが困難となる。また5mmより大きくなると、被写体の構造がよく分からなくなり、最適な画像加工情報(画像処理条件)を求めることが困難になる。本実施形態では、画像処理用、表示用とも1画素当たり実寸で1mmの大きさとする。
次に、撮影部位または撮影方向等の情報を、ユーザインターフェース(図示せず)などから取得する。これらの情報は、観察者あるいは撮影実行者が撮影部位等を特定することで行われる。
例えば、図3に示すように、当該画像加工装置の画像修正部40に設けられ、表示部とタッチパネルとを兼ね備えたユーザインターフェース401で、『腰椎』と表示されたボタン(ハッチング部分)を押すことや、『胸部』というボタンを押すことなどで、各ボタンに1対1に対応付けられた撮影部位識別番号bnが、制御部80において取得される。そして、この撮影部位識別番号bnと画像処理用縮小画像とが、制御部80からプリセット画像加工条件選択部20へ送られる。
次に、プリセット画像加工条件選択部20により、制御部80から送られた撮影部位識別番号bnに基づき、撮影部位識別番号bnに1対1に対応づけられた画像加工情報が特定される(図6(a)参照)。
さらに、特定された画像加工情報に対応づけられたプリセット画像加工条件の中から、受信した縮小画像データを解析して得られた特徴量を元にしてプリセット画像加工条件を特定する。
そして、制御部80は、当該プリセット画像加工条件選択部20から、特定されたプリセット画像加工条件に含まれる画像処理条件やマーカ情報、及び当該縮小画像データを解析して得られた特徴量を取得し、制御部80内に準備されたキャッシュメモリのような一時保持部に保持する。
その後、画像修正部40において、画像処理条件に含まれる画像処理パラメータに修正が加えられる度、画像修正部40より修正後の画像処理条件に相当する画像処理パラメータを修正情報として受け取って、再度表示用縮小画像に対し、当該修正後の画像処理条件に相当する画像処理パラメータを適用して画像加工(画像処理)を実行する。
ここで、制御部80で保持するプリセット画像加工条件については、後述する。ここで、プリセット画像加工条件の調整が終了し、画像修正部40より終了通知を受け取ると、画像修正部40より送られた最終的な修正情報(修正された画像処理条件やマーカ情報)を用いて、原画像データに対する画像処理、また画像修正部40より送られたデジタルマーカの付加等の画像加工が行われた後、外部に出力される。また、制御部80は、修正情報を修正情報記憶部50へ送信する。
(3)画像加工情報設定:
プリセット画像加工条件選択部20には、特定の画像加工情報を画像加工情報記憶部30から読み出し、一時的に読み出した当該画像加工情報を保存する加工情報一時記憶部21(図示せず)、制御部80より受信した画像処理用縮小画像に基づいて、複数の特徴量を算出する特徴量算出部22(図示せず)、当該特徴量算出部22で得た特徴量を用いて、前記読み出された画像加工情報に含まれるプリセット画像加工条件から、特定のプリセット画像加工条件を決定するプリセット画像加工条件決定部23(図示せず)を含む。
(3-1)まず、プリセット画像加工条件選択部20では、制御部80から得た撮影部位識別番号bnに基づき、特定の画像加工情報を画像加工情報記憶部30から読み出す(図2S2)。
ここで、画像過剰条件設定部20における当該画像加工情報の呼び出しは、次のように行われる。
プリセット画像加工条件選択部20では、撮影部位識別番号bnと、対応する画像加工情報が記憶されている画像加工情報記憶部30上のメモリアドレスとを対応付けるテーブルを有する。そして、撮影部位識別番号bnが取得されると、前記テーブルを参照して画像加工情報記憶部30から画像加工情報が読み出され、加工情報一時記憶部21に保持される。
読み出された画像加工情報には、1乃至複数のプリセット画像加工条件が含まれる。各プリセット画像加工条件には、画像処理に関するパラメータや、デジタルマーカに関する、以下に示すような情報やデータが含まれる。
(3-1-a)画像中から照射野領域を検出するためのアルゴリズムで使用するパラメータ。
(3-1-b)照射野内に撮影されている被写体から、特定の構造を見つけるための複数種類のアルゴリズムを選択するためのパラメータ。
(3-1-c)当該特定構造を見つけるアルゴリズムで使用するパラメータ。
(3-1-d)当該特定構造部について、画像処理後に所定の濃度となるよう設定する基準信号値パラメータ、であり、具体的には、以下の通りである。
(3-1-d-1)関心領域内の信号値の累積ヒストグラムにおける累積度数の比率h1,h2。
(3-1-d-2)h1に対応する信号値が出力画像でとる信号値D1。
(3-1-d-3)h2に対応する信号値が出力画像でとる信号値D2。
(3-1-d-4)コントラスト調整係数k。
(3-1-e)基準となる階調変換曲線stdLUT。
具体的には、入力信号値をs{s=0,1,…,4095}としたときの出力信号値を要素値とする1次元配列stdLUT[s]、である。
(3-1-f)周波数強調タイプパラメータ。
当該画像に対するエッジの強調度を決めるパラメータであり、具体的には、周波数強調タイプtypの組になっており、βt_0,βt_1,…,βt_nとなっている。
(3-1-g)デジタルマーカの種類を表すマーカ種別パラメータMk。
(3-1-h)デジタルマーカを画像上のどこに配置するかを示す、マーカ位置パラメータMp。
(3-2)一方、特徴量算出部22では、制御部80から送られてきた画像処理用縮小画像を解析し、当該画像に関する特徴量を抽出する(図2S3)。ここで抽出される特徴量については、以下のようなものが挙げられる。
(3-2-a)当該画像中に占める、被写体領域の大きさ。但し、被写体領域に相当する画素数で決定する。
(3-2-b)被写体領域の外形形状について、予め準備した分類中のいずれに該当するかの情報。
(3-2-c)被写体領域中に存在する、エッジ画素(近傍画素間での信号変化が大きい画素)の分布状況について、予め準備した分類中のいずれに該当するかの情報。
(3-2-d)被写体領域中の濃度分布のパターン(例えば、肺野の有無を示す)。
(3-2-e)被写体領域の対称性。
これらの特徴量を抽出する手段としては、本出願人より既に出願されて出願公開されている特開2001−331800号公報、特開2002−15321号公報、特開2003−190129号公報、特開2003−220055号公報等に記載されている手段を用いることが可能である。
また、検出された特徴量は、特徴量ベクトルF(f0,f1,f2,f3,....,fn)の各要素に保持し、検出された特徴量に該当する要素fi(i = 0,1,…,n)の値を‘1’とし、それ以外の値を‘0’とする。
例えば、被写体領域の大きさを、検出された被写体領域の画素数に基づいて、‘大’(=f0)、‘中’(=f1)、‘小’(=f2)の3段階に分類する。そして画像データを解析した結果に基づき、f0〜f2のいずれかの値を‘1’とし、他を‘0’とすることで、特徴量を保持できる。
同様に、被写体領域の外形形状を、特開2003−220055号公報に記載されているように、輪郭の凹凸形状及び被写体領域の幅の変化に基づき決定し、主要部が略矩形である場合‘矩形’(=f3)、途中がくびれたような形状になっている場合‘砂時計型’(=f4)、逆に途中が膨らんでいる場合‘樽型’(=f5)、‘その他’(=f6)のいずれかに分類する。そして、画像データを解析した結果に基づき、f3〜f6のいずれかの値を‘1’とし、他を‘0’とすることで、特徴量を保持できる。
さらにまた、エッジ画素の分布状況に基づき、特徴量を抽出できる。特開2003−220055号公報に記載されているように、同方向の傾きを有するエッジ画素が、狭い範囲で2本平行に検出できる場合‘長い骨’(=f7)、方向性のないエッジの集中領域の存在から‘脊椎’(=f8)、及び‘脊椎’が被写体領域中の何処に存在するかを特徴量にできる。また、‘脊椎’の被写体領域中の位置について、被写体領域の左端からの平均距離が右端からの平均距離の2/3未満なら‘左’(=f9)、逆に被写体領域の右端からの平均距離が、左端からの平均距離の2/3未満なら‘右’(=f10)、それ以外なら‘中央’(=f11)といった分類が可能である。
(3-3)プリセット画像加工条件決定部23では、これら算出された特徴量を用いて、1乃至複数のプリセット画像加工条件から、特定のプリセット画像加工条件を選択する(図2S4)。
ここでは、画像加工情報がある撮影部位と1対1で対応しており、この画像加工情報に対応づけられたプリセット画像加工条件は、撮影部位に対応付けられた詳細撮影部位・撮影方向に各々対応している(図6(a)参照)。
そして、前記特徴量算出部22で得られた特徴量ベクトルFを用い、候補となり得る詳細な撮影部位、撮影方向のどれに該当するかを判定する。
係る判定を行う手段としては、特開2001−70290号公報、特開2001−76141号公報、特開2001−351092号公報等に記載された手段を用いることが可能である。
この方法では、予め判定する被写体の撮影部位、方向毎、すなわち、各プリセット画像加工条件に1対1に対応して、撮影部位・撮影方向判定ベクトルSi(i=0,1,…,m)が準備されている。各プリセット画像加工条件には、固有の識別番号(プリセット画像加工条件識別番号)が付与されており、各プリセット画像加工条件中の所定データ領域に、当該プリセット画像加工条件識別番号pnumが保持されている。各撮影部位・撮影方向判定ベクトルSiには、対応するプリセット画像加工条件と同じ識別番号が付与されており、各撮影部位・撮影方向判定ベクトル中の所定データ領域に、当該プリセット画像加工条件識別番号pnumが保持されている。
各撮影部位・撮影方向判定ベクトルSiは、上記特徴量ベクトルFと同じ要素数のベクトルであり、各要素si0,si1,si2,…,sinは、それぞれ特徴量f0,f1,…,fnに対する評価値となっている。そして、各撮影部位・撮影方向判定ベクトルSiに関連付けられた被写体の撮影部位等で、取り得る特徴量と同じ番号の要素に対しては大きな評価値を与え、取り得る可能性が低い特徴量に対して小さな評価値を与える。
特徴量ベクトルFが得られると、各撮影部位・撮影方向判定ベクトルSiとの相関値Ti(Ti=F・tSi)を計算する。
そして、相関値Tiが最も大きな値をとる撮影部位・撮影方向判定ベクトルSpnumに関連付けられた撮影部位・方向として被写体を特定することができる。このとき、Spnumに相当する撮影部位番号pnumを取得する。
そして、上記pnumと各プリセット画像加工条件に保持されているプリセット画像加工条件識別番号を順次比較し、一致した場合、そのプリセット画像加工条件が所望のプリセット画像加工条件であるとして、当該プリセット画像加工条件を取得する。
なお、当該画像加工情報に、一つのプリセット画像加工条件しか含まれていない場合は、自動的にそのプリセット画像加工条件を取得することになるが、後述するように、プリセット画像加工条件の追加の有無を判定するために、特徴量ベクトルFを利用するため、必ず特徴量の抽出を実施する。
取得されたプリセット画像加工条件は、プリセット画像加工条件選択部20から、抽出された特徴量と共に制御部80に送られる。
なお、制御部80では、撮影部位識別番号bn、プリセット画像加工条件識別番号pnum、プリセット画像加工条件選択部20から取得したプリセット画像加工条件、及び特徴量ベクトルFを一時保持部により保持する。
(4)画像加工情報記憶:
画像加工情報記憶部30は、前記各撮影部位識別番号bn毎に、1対1対応する画像加工情報を記憶しており、各画像加工情報には1乃至複数のプリセット画像加工条件が対応づけられて記憶されている。なお、各プリセット画像加工条件には、画像処理に関するパラメータや、デジタルマーカに関する、前述した(3-1-a)〜(3-1-h)の各種パラメータが含まれる。
そして、各画像加工情報に対し、プリセット画像加工条件追加部70からの要求に基づいて、適宜、新たなプリセット画像加工条件の対応付け(追加)が行われる。
本実施形態では、各画像加工情報は、"頭部"、"胸部"、"腰椎"といった、被写体をその部位で大きく区分した単位に対応した状態で準備されるものとする。特に、以下で説明に用いる"腰椎"について、詳述する。
"腰椎"では、撮影部位識別番号bn=1とし、撮影方向毎に、プリセット画像加工条件を準備し、"正面"方向に対しては、プリセット画像加工条件識別番号pnum=11、"側面"方向については、プリセット画像加工条件識別番号pnum=12とする。また、特にマーカは設定されていないものとする。なお、マーカとしては『A→P』(Mk=1)、『P→A』(Mk=2)、『L→R』(Mk=3)、『R→L』(Mk=4)、マーカ無し(Mk=0)が準備されているものとする。
また、プリセット画像加工条件選択部20での最適なプリセット画像加工条件の判別時に使用される、各プリセット画像加工条件1対1に対応して用意された、撮影部位・撮影方向判定ベクトルSi(i=0,1,…,m)も画像加工情報記憶部30にて記憶されている。
(5)画像加工および画像修正:
(5-1)制御部80では、プリセット画像加工条件選択部20から送られたプリセット画像加工条件に基づいて、縮小画像データに対して画像加工を施す。このような画像加工での具体的な処理の手順は以下に説明する通りである。
(5-1-i)縮小画像に対して、分割パターン認識処理を実行し、特定の照射野領域を含む領域が抽出される。次に当該領域に対して照射野認識処理等が実行され、照射野領域だけを示す情報が得られる。なお、分割パターン認識処理としては、特開2000−83938号公報等に記載された方法があり、照射野認識処理としては、特開2000−23952号公報に記載された方法等がある。
(5-1-ii)前記照射野認識処理で得られた、照射野領域情報に基づき、画像診断上注目すべき領域に関心領域(ROI)を設定する。ROIの設定は、被写体の解剖学的構造に基づき、縮小画像を解析することで設定する。ROIの設定方法としては、特開昭63−262141号公報、特開平4−341246号公報、特開平8−62751号公報に記載された方法や、特開2001−29335号公報に記載された方法などがある。
(5-1-iii)ROIが設定されると、ROI内部の信号値に関する統計的情報に基づいて、基準信号値が決定される。統計的情報とは、ROIに含まれる画素の平均値や最頻値、信号値の累積ヒストグラムの所定割合に相当する信号値などがある。基準信号値が決定すると、予め準備された階調変換曲線を当該信号値に基づいてカスタマイズし、当該入力画像に適した階調変換曲線を得る。このような階調変換方法としては、特開平7−178076号公報、特開平8−62751号公報に記載された方法等を利用することができる。
例えば、具体的には以下の手順で階調変換曲線LUT[]を計算する。まず、関心領域内の信号値を元に、累積ヒストグラムを算出する。そして、信号値の低い方から累積度数を求め、関心領域内の全画素数NROIに対する所定割合h1となる信号値std1を求める。次に、信号値の低い方から累積度数を求め、関心領域内の全画素数NROIに対する所定割合h2となる信号値std2を求める。一方、基準となる階調変換曲線stdLUT[]から、std1がとるべき出力信号値D1、及びstd2がとるべき出力信号値D2に対応する入力信号値s'1,s'2を求める。
そして、以下の式により、変換係数a,bを求める。
a=(std2−std1)/(s'2−s'1) …(1),
b=(std1−s'1) …(2),
さらに、画像毎に階調変換曲線を最適化するために、これらa,b及びコントラスト調整係数kを用いて、s=0〜4095に対して階調変換曲線の入力信号値を規格化する。その規格化後の入力信号値s'を、以下の式により計算する。
s'=k・a・s+b …(3),
そして、上記stdLUT[]の要素番号値sをs'に置き換えた階調変換曲線LUT[s']を作成する。
ここで、s'<0 及びs'>4095(=212−1)となる場合は無視する(入力信号値s'は0〜4095の値しか取り得ないため)とともに、s'が1ずつインクリメントされるよう、補間処理を行う。
さらに、h2を指定しない場合(例えばh2<0 のときは参照しないというルールとする)は、上記と同様にstd1を求めた後、
b=(std1−s'1) …(4),
を計算する。そして、
s'=k・s+b …(5),
として、stdLUT[s]の要素番号値sをs'に置き換えた階調変換曲線LUT[s']を作ることができる。
同様に、h1を指定しない場合、std2を求めた後、
b=(std2−s'2) …(6),
を計算する。そして、
s'=k・s+b …(7),
として、stdLUT[s]の要素番号値sをs'に置き換えた階調変換曲線LUT[s']を作ることができる。
(5-1-iv)また、上記階調変換処理とは別に、エッジを強調して細部構造を見易くするような強調処理が行われる。強調処理としては、特開2002−183726号公報、特開2002−183727号公報に記載されたピラミッドアルゴリズムによる方法がある。
得られた階調変換曲線、前記信号値D1,D2,コントラスト調整係数kなどの画像処理パラメータ、マーカ種別パラメータMk、マーカ位置パラメータMp、を用いて、縮小画像データに、階調処理などの画像処理や、デジタルマーカの付加といった画像加工が行われる。
そして、以上のようにして画像加工が施された縮小画像データは、制御部80から画像修正部40へ送られる。
(5-2)画像修正部40は、表示部とタッチパネルとを兼ね備えたユーザインターフェース402を有しており、制御部80より送られてくる画像加工が施された縮小画像を表示する画像表示部41と、画像の濃度やコントラスト等を修正入力する画像加工修正部42、および、使用するマーカの種類や位置を特定または修正するマーカ設定部43、とを有する状態で構成される。なお、この実施形態においては、図4,図5に示すようなユーザインターフェース402として構成され、画像加工修正部42、及びマーカ設定部43は、それぞれの選択手段に相当するタブ44を選択することにより、表示を切り替えて使用可能なものである。
まず、画像修正部40は、制御部80より取得した縮小画像を画像表示部41に表示する。そして同時に、あるいは、並行して、制御部80より取得したプリセット画像加工条件に含まれる画像処理パラメータ値から一意に求まる表示用の値を画像加工修正部42上に表示する。
観察者は、画像表示部41上に表示された画像または画像加工修正部42上に表示された値を見ながら、自分の好みの画像が得られるよう、濃度やコントラスト、周波数強調度などを変更する(図2S5,S6)。
ここで画像加工修正部42は図4に示すようなユーザインターフェース402として構成され、観察者は濃度変更ボタン421やコントラスト変更ボタン422を押すことにより、画像の濃度やコントラストを変更することができる。なお、濃度変更ボタン421等を『押す』という動作は、マウスやタッチペンのようなポインティングデバイスを利用して、画面上の当該部分でクリック動作をすることで実行できる。また画像修正部40がタッチパネルを有する場合には、画面上の当該部分を指で触れることなどにより、当該動作を実現できる。
パラメータの変更は、例えば上記濃度変更ボタン421を一度押すことにより、基準となる入力信号値に対する出力画像の信号値が一定値|Δs|だけ増減させることで行う。上記濃度変更ボタン421のうち、『Up』が押されると、Δsは正の値となり、逆に『Dw』が押されるとΔsは負の値となる。また同様に、上記コントラスト変更ボタン422を一度押すと、階調変換曲線の傾きを一定割合|Δr|だけ傾けることで行う。この際、上記コントラスト変更ボタン422のうち、『Up』が押されると、Δrは1未満の値となり、逆に『Dw』が押されるとΔrは1より大きい値となる。
ここで、上記画像処理パラメータD1,D2,kに対し、以上のΔs、Δr、Δbによって以下の式に示されるようにして修正された画像処理パラメータが算出される。
D1'=D1+Δs …(8),
D2'=D2+Δs …(9),
k'=Δr・k …(10),
これらの式に示されるように、修正された画像処理パラメータが画像修正部40にて算出される。
そして、このように、画像処理パラメータの調整が行われる度に、パラメータの増減値Δs、Δrによって修正された画像処理パラメータD1',D2',k'は、画像処理修正情報として、画像修正部40から制御部80に対して送信され(図2S7)、制御部80では修正情報を元に縮小画像データが画像処理されて画像修正部40へ送られる。
その後、画像処理が行われた表示用縮小画像を再び画像修正部40で受信すると、当該再処理された表示用縮小画像が画像表示部41上に表示されるため、観察者は画像処理パラメータの変更結果を確認することができる。
一方、マーカ設定部43は、図5に示すように構成され、選択可能なマーカ種別の一覧を表示するマーカ種別決定部431、マーカの設定位置を決めるマーカ位置決定部432とを有する。
観察者は、マーカ種別決定部431上に表示されるマーカを選択、もしくは、マーカ位置決定部432によって配置したいマーカ位置を選択すると、選択されたマーカ種別パラメータMk'やマーカ位置パラメータMp'が修正情報として、画像修正部40から制御部80に送られる。この場合、制御部80でこの修正情報を元に縮小画像データに対してデジタルマーカの付加が画像加工として行われ、このようにして画像加工された縮小画像データが画像修正部40へ送られる。ここで、デジタルマーカの付加が行われた表示用縮小画像を再び画像修正部40で受信すると、当該再処理された表示用縮小画像が画像表示部41上に表示されるため、観察者はマーカ種別やマーカ位置の変更結果を確認することができる。
最後に、パラメータの調整が終了した時点で観察者が終了ボタン45を押すことにより、この終了ボタンの押下によって終了通知が生成され、終了通知が画像修正部40から制御部80へ通知される。
(6)修正情報記憶部50:
画像修正部40での調整が終了すると、制御部80より、撮影部位識別番号bn、該当するプリセット画像加工条件識別番号pnum、プリセット画像加工条件、より具体的にはパラメータD1,D2,k,Mk,Mp、および、その時の修正情報D1',D2',k',Mk',Mp'、及び特徴量ベクトルFが、修正情報記憶部50へ送られ、これらの情報が1つの画像データに対する修正情報として記憶される(図2S8)。
また、プリセット画像加工条件追加判定部60でプリセット画像加工条件の追加判定が実行されてから、当該撮影部位識別番号bnに対応する画像加工が行われた回数num1も、修正情報記憶部50で一緒に記憶される。
なお、ここで、修正情報記憶部50では、修正情報が、プリセット画像加工条件識別番号pnum毎で特定されるパラメータセット毎に分類されて記憶される。
例えば、記憶される修正情報はC[pnum]={Cpnum1,Cpnum2,…,Cpnumt}として表される。なお、各Cpnumi(i=1,2,…,t)は、(i-1)回前の修正情報の組を表し、例えば、以下のように表される。
Cpnumi=(D1'i,D2'i,k'i,Mk',Mp',F) …(11),
また、当該プリセット画像加工条件が呼び出された回数num1について、プリセット画像加工条件追加判定部60のカウンタなどで、num1=num1+1、のように1ずつ増加させておく(図2S10)。
ここで、あるパラメータセットについて、num1>所定回数の閾値Thdn1となる場合(本実施形態においては(図2S9でY)、当該所定回数の閾値Thdn1を30とする)、プリセット画像加工条件追加判定部60へ修正情報C[pnum]及びプリセット画像加工条件(D1,D2,k等のパラメータ)が送信され、プリセット追加の要否判定が開始される(図2S11)。
なお、各回の修正情報Cpnumiが所定数MaxNum以上記憶された場合、修正情報記憶部50では所定数MaxNumだけ各回の修正情報Cpnumiを保存し、これを超えた場合は、古い方から削除される。
(7)プリセット画像加工条件追加判定:
プリセット画像加工条件追加判定部60は、修正情報C[pnum]等を受け取ると、当該プリセット画像加工条件を分離して、新たなプリセット画像加工条件の作成、及び追加すべきか否かの判定を行う(図2S11)。
プリセット画像加工条件追加判定部60は、以下の手段を有する。
・プリセット画像加工条件の分離の必要性を判定するプリセット画像加工条件分離要否判定部61(図示せず),
・プリセット画像加工条件分離要否判定部61により、プリセット画像加工条件の分離が必要との判定結果を得た場合、分離が可能か否かを判定する分離可否判定部62,
(7-1)プリセット画像加工条件分離要否判定:
(7-1-a)まず、プリセット画像加工条件分離要否判定部61により、上記D1,D2,k,Mk,Mp等個々のパラメータについて、2つの分類に分けるべきか否かを判定する。かかる判定には、上記パラメータの値の頻度を調べる方法や、一般化レイリー商の値を調べる方法がある。
まず、パラメータ値の頻度を調べる方法については、マーカ種別パラメータMk、マーカ位置パラメータMp等、数値自体は、記号としてパラメータの意味を表し、離散的で予め限られた値だけを表すものについて調べるのに適している。ここでは、分離の対象とするパラメータについて、最も頻度が高いパラメータ値p1、及びその頻度m1、及び次に頻度が高いパラメータ値p2、及びその頻度m2を算出する。
次に、上記m1,m2の総計が試行回数の大半を占め、かつm1,m2それぞれについても一定数以上の数がある場合、プリセット画像加工条件分離要否判定部61は、分離可能と判断する(図2S12でY)。そして、プリセット画像加工条件分離要否判定部61は、プリセット画像加工条件分離可否判定部62へ、分離するパラメータの種別Pk (Mk,Mp等を表す指標)、上記パラメータ値p1、p2、及び頻度m1、m2を出力する。
本実施形態では、マーカ種別パラメータMkについてパラメータの頻度を調べる方法を適用する。例えば、上記修正情報C[pnum]から直近の修正情報Cpnum1,Cpnum2,…,Cpnumthdn1を参照してMk’の値について集計し、上記m1,m2,p1,p2を求める。
そして、以下の条件を満たす場合、マーカ種別パラメータMkについて分離可能と判断する。
m1+m2 ≧ thdn1*0.8=24 …(12),
m1 ≧ m2 ≧ thdn1*0.3=9 …(13),
なお、マーカ位置パラメータMpについても、このマーカ種別パラメータMkの場合と同様にして分離可能かを判断する。
一方、パラメータの数値自体が意味を有し、連続的に変化するパラメータD1,D2,k等に対しては、一般化レイリー商の値を調べる方法が適している。ここで、一般化レイリー商は、次式で表される(Richard O. Duda, Peter E. Hart, David G. Stork『パターン識別』P.116-119, 新技術コミュニケーションズ(2001)参照)。
J=(av1−av2)2/(s12+s22) …(14),
ただし、av1 はあるパラメータ値について、二つのグループg1,g2に分けた場合のグループg1の標本平均、av2 はグループg2の標本平均である。また、s12、s22 はそれぞれグループg1、g2の散布であり、
s12=Σ(y−av1)2 ただし、(y∈g1) …(15),
s22=Σ(y−av2)2 ただし、(y∈g2) …(16),
と表される。
上記、Jの値が所定の閾値thdjに対し、
J>thdj …(17),
となる条件を満たせば、分離可能と判断する。
(7-1-b)本実施形態においては、連続的に変化するパラメータD1,D2,k等に対し、上記修正情報C[pnum]を参照して、D1’, D2’, k’に基づいて上記Jを算出する。なお、ここではパラメータD1を例として説明する。
(7-1-b-1)直近の過去thdn1回分のデータCpnum1,Cpnum2,…,Cpnumthdn1から、D1’の値について集計を行い、その値が小さい方から大きい方へ順に並べた。そして、ベクトルvについて、以下のように定義する。
ベクトルv ≡ (D1’1, D1’2,…, D1’thdn1),
(ただし、D1’k ≦ D1’k+1),を作成する。
(7-1-b-2)このベクトルvについて、任意の要素番号n以下の要素番号に相当するD1’j(j≦n)をグループg1、nより大きな要素番号に相当するD1’j(n<j)をグループg2と二つのグループに分け、それぞれのグループで平均値av1、av2、散布s12、s22 を計算することにより、上記レイリー商Jnを算出する。
(7-1-b-3)thdn1*0.3 ≦ n ≦ thdn1*0.7の範囲で、nを変化させ、それぞれのnについて上記レイリー商Jnを求め、そのうち最も大きな値Jmaxを算出する。上記Jmaxが、上記所定の閾値thdjより大きい値となる場合、パラメータD1に基づいてプリセット画像加工条件を分離可能と判定し、n=maxの時の各グループの平均値av1、av2、及びグループg1に含まれる数m1(=max)、グループg2に含まれる数m2(=thdn1-max)、そして分離するパラメータの種別Pk (この場合、D1を示す指標)を出力する。
本実施形態(thdn1=30)においては、上記閾値thdjは以下の条件を満たすことが望ましい。
0.8<thdj<2.0 …(18),
また、余り近い値となるにも関わらず、プリセット画像加工条件を分離してしまい、複雑化することのないよう、av2とav1との差がある程度以上あることが望ましい。本実施形態のD1についていえば、D1がフィルム出力した場合の濃度で表される場合、
av2−av1 ≧ 0.1 …(19),
となることが望ましい。
各パラメータについて分類の必要性を判定し、いずれかのパラメータにおいて、分類する必要が認められ(図2S11でY)、プリセット画像加工条件分離可否判定部62への出力が生じた場合(図2S12)、プリセット画像加工条件分離要否判定部61の処理は終了する。一方、どのパラメータについても、分類する必要無しと判定された場合(図2S11でN)、プリセット画像加工条件の追加は行わず、制御部80へ終了通知を返す。
(7-2)プリセット画像加工条件分離可否判定:
プリセット画像加工条件分離可否判定部62では、 上記修正情報C[pnum]、特に各回の特徴量を参照して、実際にプリセット画像加工条件を分離可能か否か決定する。
マーカの種別Mk、位置Mpといったパラメータ値の頻度を調べる方法で分離可能と判断されたパラメータについては、以下のように分離可能か否かを判定する。
(7-2-1)上記修正情報C[pnum]から、分離の対象となるパラメータにおいて、出現頻度の最も高いパラメータ値p1となるものm1個を検出し、検出されたパラメータ特徴量ベクトルFj(j=1,2,…,m1)から、各特徴量の出現頻度を調べ、frg1 =(frg1_0,frg1_1,frg1_2,frg1_3,....,frg1_n)、(ただしfrg1_k(k=1,2,…,n)は、m1個の特徴量ベクトルFj中に含まれる、特徴量fk>0となる数)に記録する。
(7-2-2)同様に、出現頻度が2番目に高いパラメータ値p2となるものm2個を、上記修正情報C[pnum]から検出し、各特徴量の出現頻度frg2を以下のようにして求める。
各特徴量の出現頻度frg2=(frg2_0,frg2_1,frg2_2,frg2_3,....,frg2_n),
(ただしfrg2_k(k=1,2,…,n)は、m2個の特徴量ベクトルFj中に含まれる、特徴量fk>0となる数)に記録する。
(7-2-3)各特徴量毎の出現頻度の差違frg1−frg2を以下のようにして求める。
frg1−frg2
=(frg1_0-frg2_0,frg1_1-frg2_1,…,frg1_n-frg2_n)
= (Δfrg_0,Δfrg_1,Δfrg_2,…,Δfrg_n) …(20),
を計算する。
(7-2-4)上記出現頻度の差違Δfrg_k(k=1,2,…,n)から、正の値を有しており、最大値であるΔfrg_max、及び負の値を有するものの中で、絶対値が最大となるΔfrg_minを算出する。
(7-2-5)上記で算出したΔfrg_max、Δfrg_minのいずれもが、以下の条件を満たす場合、プリセット画像加工条件を分離可能と判断する。
|Δfrg_max| ≧ m1*0.8 …(21),
|Δfrg_min| ≧ m2*0.8 …(22),
ここで、m1,m2はプリセット画像加工条件分離要否判定部61より受信した、最も頻度が高いパラメータ値p1、及びその頻度m1、及び次に頻度が高いパラメータ値p2、及びその頻度m2である。
(7-2-6)Δfrg_max、Δfrg_minのいずれかが上記条件を満たさない場合は、分離不能と判断し(図2S12でN)、プリセット画像加工条件の追加は行わず、制御部80へ終了通知を返す。
(7-2-7)逆に、上記を条件を満たす場合は、 プリセット画像加工条件識別番号pnum、書き換えるパラメータの種別Pk、及びそのパラメータ値p1、p2、上記Δfrg_maxに該当する特徴量ベクトル中の要素番号max、Δfrg_minに該当する特徴量ベクトル中の要素番号minをプリセット画像加工条件追加部70へ送信する。
同様にして、連続的に変化するパラメータD1,D2,k等のパラメータについて、レイリー商を用いてプリセット画像加工条件分離要否が判定された場合には、以下のように分離可能か否かを判定する。
(7-2-7-1)上記修正情報C[pnum]から、分離の対象となるm1個のパラメータからなるグループy1に属し、かつ、その値yが以下の条件を満たすものを検出し(ここでは、そのパラメータの数をn1とする)、その際の特徴量ベクトルFj(j=1,2,…,n1)から、各特徴量の出現頻度を調べ、frg1 =(frg1_0,frg1_1,frg1_2,frg1_3,....,frg1_n)、(ただしfrg1_k(k=1,2,…,n)は、n1個の特徴量ベクトルFj中に含まれる、特徴量fk>0となる数)に記録する。
y<(av1+av2)*0.45 …(23),
(7-2-7-2)同様に、m2個のパラメータからなるグループy2に属し、かつ、その値yが以下の条件を満たすものを検出し(ここでは、そのパラメータの数をn2とする)、その際の特徴量ベクトルFj(j=1,2,…,n2)から、各特徴量の出現頻度を調べ、frg2 =(frg2_0,frg2_1,frg2_2,frg2_3,....,frg2_n)、(ただしfrg2_k(k=1,2,…,n)は、n2個の特徴量ベクトルFj中に含まれる、特徴量fk>0となる数)に記録する。
y>(av1+av2)*0.55 …(24),
上式から明らかなように、av1 と av2 の中点付近の値を参照しないのは、分離すべきことができるだけ明確なものだけを利用するよう限定したものである。
(7-2-7-3) 各特徴量毎の出現頻度の差違frg1−frg2を、既に説明した(20)式を用いて、以下のように計算する。
frg1−frg2
=(frg1_0-frg2_0,frg1_1-frg2_1,…,frg1_n-frg2_n),
= (Δfrg_0,Δfrg_1,Δfrg_2,…,Δfrg_n) …(20),
として求める。
(7-2-7-4)上記出現頻度の差違Δfrg_k(k=1,2,…,n)から、正の値を有しており、最大値であるΔfrg_max、及び、負の値を有するものの中で、絶対値が最大となるΔfrg_minを算出する。
(7-2-7-5)上記で算出したΔfrg_max、Δfrg_min、のいずれもが以下の条件を満たす場合、プリセット画像加工条件を分離可能と判断する(図2S12でY)。
|Δfrg_max| ≧ n1*0.8 …(26),
|Δfrg_min| ≧ n2*0.8 …(27),
(7-2-7-6)Δfrg_max、Δfrg_minのいずれかが上記条件を満たさない場合は、プリセット画像加工条件を分離不能と判断し(図2S12でN)、プリセット画像加工条件の追加は行わず、制御部80へ終了通知を返す。
(7-2-7-7)逆に、上記を条件を満たす場合は、プリセット画像加工条件識別番号pnum、書き換えるパラメータの種別Pk、及びそのパラメータ値av1、av2、上記Δfrg_maxに該当する特徴量ベクトル中の要素番号max、Δfrg_minに該当する特徴量ベクトル中の要素番号minをプリセット画像加工条件追加部70へ送信する。
(8)プリセット画像加工条件追加:
プリセット画像加工条件追加部70では、プリセット画像加工条件、撮影部位・撮影方向判定ベクトルの複製を作成し、パラメータ値に差違がある部分、及び特徴量に差違がある部分の評価値を書き換えることにより、プリセット画像加工条件の追加を行う。
(8-1)プリセット画像加工条件追加判定部60から情報を受け取ると、プリセット画像加工条件識別番号pnumのプリセット画像加工条件が対応づけられた撮影部位識別番号bnの画像加工情報を画像加工情報記憶部30から読み出す。
(8-2)当該画像加工情報に含まれる、プリセット画像加工条件識別番号pnumのプリセット画像加工条件を複製し、当該画像加工情報に追加する。またその複製したプリセット画像加工条件に対し、新規なプリセット画像加工条件識別番号pnewを付与する。この新しいプリセット画像加工条件識別番号pnewは、他のプリセット画像加工条件で使用されていない、正の番号とする。
(8-3)複製元のプリセット画像加工条件に対して、分離する対象となったパラメータの値をp1(またはav1)に書き換える。
(8-4)また、複製したプリセット画像加工条件に対して、分離する対象となったパラメータの値をp2(またはav2)に書き換える。
(8-5)上記(8-1)と同様に、プリセット画像加工条件識別番号pnumに1対1対応する撮影部位・撮影方向判定ベクトルSpnumを画像加工情報記憶部30から読み出す。
(8-6)上記撮影部位・撮影方向判定ベクトルの複製を作成し(図2S13)、新規に作成した撮影部位・撮影方向判定ベクトルに、新しい撮影部位番号pnewを付与する。
(8-7)複製元の撮影部位・撮影方向判定ベクトルについて、上記プリセット画像加工条件追加判定部60から受信した特徴ベクトル中の要素番号maxに相当する評価値を増加し、要素番号minに相当する評価値を減ずる。
一方、複製し、新規作成した撮影部位・撮影方向判定ベクトルについて、プリセット画像加工条件追加判定部60から受信した特徴ベクトル中の要素番号minに相当する評価値を増加し、要素番号maxに相当する評価値を減ずる。評価値の増減量は、分離・追加の対象以外の撮影部位・方向との識別に悪影響を及ぼさないよう、評価値として取り得る最大値の5%〜20%程度が望ましい。
(8-8)新しく追加した撮影部位・撮影方向判定ベクトルを画像加工情報記憶部30に送信する。同様に新しくプリセット画像加工条件を対応付けて追加した画像加工情報を画像加工情報記憶部30に送信し、記憶されている情報を更新する。
(8-9)プリセット画像加工条件追加部70から制御部80に対して、プリセット画像加工条件の追加に関しての「追加通知」を送信する。
そして、以上の追加通知を受けた制御部80は、修正情報記憶部50にて記憶されている、前回のパラメータ調整からの当該プリセット画像加工条件の呼び出し回数num1について、num1=0、とリセットしておく(図2S15)。
〈本発明の実施形態の処理例とそれによる効果〉
(1)この画像加工方法、画像加工装置、画像加工プログラムの実施形態では、予め準備されたプリセット画像加工条件を用いて画像データを加工する際に、入力された画像データの撮影部位もしくは撮影方向の少なくとも一方、および画像データの特徴量を参照し、予め準備されたプリセット画像加工条件の中から画像データの加工に使用するプリセット画像加工条件を選択し、選択されたプリセット画像加工条件に基づいて画像データを加工する際の修正を行うと共に、ここでの修正の状態を示す修正情報を生成し、この修正情報を記憶しておく。そして、複数回の画像データの加工における複数の修正情報に基づいて、プリセット画像加工条件の追加を行うか否かを判定し、プリセット画像加工条件を追加すると判定された場合には、既存のプリセット画像加工条件を利用して新たなプリセット画像加工条件を生成して記憶する。
すなわち、画像データに対して、観察者が加えた修正結果を利用することにより、必要に応じて自動的に画像データを加工する条件(プリセット画像加工条件)を追加することにより、簡便に観察者の運用に合わせた画像加工情報の設定を行えるようになる。
この結果、必要に応じて自動的にプリセット画像加工条件が追加されるようになり、初期設定されているプリセット画像加工条件よりも詳細な設定が必要な場合でも、簡便に画像加工情報の最適化を行うことができるようになる。
また、予め準備されたプリセット画像加工条件を参照(複写)して、新たなプリセット画像加工条件を生成するようにしているため、画像観察者による調整に応じて、画像に対する画像加工情報(画像処理条件)を自動的に最適化することが可能になる。
(2)この画像加工方法、画像加工装置、画像加工プログラムの実施形態では、複数の修正情報を記憶しておいて、これら複数の修正情報からプリセット画像加工条件を追加する場合に、該修正情報が生成された画像データから求められた1乃至複数の特徴量を修正情報と併せて記憶しておく。この結果、プリセット画像加工条件の追加を行うか否かの判定を実行する際に、修正情報が生成された画像の特徴量をも参照して判定できるようになるため、高速に判定を実行することができる。
(3)この画像加工方法、画像加工装置、画像加工プログラムの実施形態では、新たなプリセット画像加工条件が追加された際に、新規に追加されたプリセット画像加工条件と、予め準備されているプリセット画像加工条件のいずれを使用するかを決定して定めるようにしている。この結果、画像の修正に伴って新規なプリセット画像加工条件が追加された場合にも、煩雑さの増大による操作性の劣化を生じることなく、画像加工情報の追加や使用を行うことができる。
(4)この画像加工方法、画像加工装置、画像加工プログラムの実施形態では、選択されたプリセット画像加工条件に基づいて画像データを加工する際の修正を行う際に修正状態を示す修正情報を生成しているが、選択されたプリセット画像加工条件に基づいて加工された画像データに更に修正の加工を加えると共に、該修正の加工の状態を示す修正情報を生成し、このプリセット画像加工条件とこの修正情報に、画像データに対する画像処理の方法もしくは調整量を記述するパラメータを含めるようにしておく。この結果、撮影部位や撮影方向毎に最適な画像処理が異なっているとしても、自動的に最適な画像処理条件を追加することができるようになる。
(5)この画像加工方法、画像加工装置、画像加工プログラムの実施形態では、選択されたプリセット画像加工条件に基づいて画像データを加工する際の修正を行う際に修正状態を示す修正情報を生成しているが、選択されたプリセット画像加工条件に基づいて加工された画像データに更に修正の加工を加えると共に、該修正の加工の状態を示す修正情報を生成し、このプリセット画像加工条件とこの修正情報に、画像データに付加するマーカ情報を含めるようにしておく。この結果、撮影部位や撮影方向毎に画像データに付加する情報が異なる場合でも、自動的にそれぞれの撮影部位や撮影方向毎に最適なマーカ情報を与えることができる。
以上説明した画像加工方法、画像加工装置、画像加工プログラムの実施形態について、以下、『腰椎』の撮影を具体例にとって、実施例として動作をより具体的に説明する。
特に、腰椎側面方向については、上述したように、もともとマーカを使用しない設定(Mk=0)となっていたところ、実際の使用では、人体に対し、左から右側へ抜けるようにX線を照射(左→右と表記)した場合、『L→R』(Mk=3)、人体に対し、右から左側へ抜けるようにX線を照射(右→左と表記)した場合、『R→L』(Mk=4)というマーカが設定されたものとする。
腰椎側面方向について、左から右へ抜けるようにX線を照射した撮影と、逆に右から左へ抜けるよう照射した撮影とがほぼ均等に実施され、"腰椎"(撮影部位識別番号1)に関する画像加工情報に含まれる、"側面"方向のプリセット(プリセット画像加工条件識別番号12)を用いて所定回数(thdn1)の処理が行われ、プリセット画像加工条件追加判定部60がその修正情報C[12]を受け取った場合、について説明する。また、左→右となる撮影が(thdn1/2+1(=16))回、右→左となる撮影が(thdn1/2−1(=14))回含まれているとする。
(A)プリセット画像加工条件分離要否判定部61では、対象となるパラメータPk(Mkに相当)のため、パラメータの頻度を調べる方法が適用される。上記例の条件では、最も頻度が高いパラメータ値p1=3、その頻度m1=16、次に頻度が高いパラメータ値p2=4、その頻度値m2=15となる。
従って、分離可能である場合の条件(17)(18)を調べると、
m1+m2 = 30 ≧ thdn1*0.8=24,
m1=16 ≧ m2=14 ≧ thdn1*0.3=9,
となって条件を満たすため、プリセット画像加工条件が分離可能であるとプリセット画像加工条件追加判定部60にて判断される。
(B)次に、プリセット画像加工条件分離可否判定部62において、腰椎側面方向の撮影について、"左→右"と"右→左"を、画像を解析して得られた特徴量ベクトルFから、区別可能か否かを調べる。
ここで、腰椎側面方向の画像について、被写体中の脊椎の位置を考慮すると、脊椎は腹部側より、背中側に存在しているはずである。従って、"左→右"の場合、脊椎の位置は被写体領域中の右側に存在することとなり、前述した特徴量f10(脊椎が被写体領域中の右側に存在)を得ることになる(図5参照)。
逆に、"右→左"の場合、脊椎の位置は被写体領域中の左側に存在することとなり、前述した特徴量f9(脊椎が被写体領域中の左側に存在)を得ることになる。従って、修正情報C[12]を参照し、マーカ種別パラメータMk=3となる場合の特徴量ベクトルから特徴量の出現頻度frg1を求めると、理想的にはfrg1=(frg1_0,frg1_1,…,frg1_8,0,16,0,frg1_11,..)となる。同様に、マーカ種別パラメータMk=4となる場合の特徴量ベクトルから特徴量の出現頻度frg2を求めると、理想的にはfrg2=(frg2_0,frg2_1,…,frg2_8,16,0,0,frg2_11,..)となる。
したがって、その出現頻度の差frg1−frg2 を求めると、
frg1−frg2
=(frg1_0-frg2_0,frg1_1-frg2_1,…,frg1_8-frg2_8,0-14,16-0,0-0,frg1_11-frg2_11,..)
=(Δfrg_0,Δfrg_1,…,Δfrg_8,-14,16,0,Δfrg_11,..),
となる。
ここでは、説明のため脊椎に位置に関する特徴量以外の特徴量のことを無視して考えると、
|Δfrg_max|=16 ただし、max=10,
|Δfrg_min|=14 ただし、min=9,
となる。
この値は、分離可能と判断する条件式(26)(27)を満たし、プリセット画像加工条件追加部70へ、プリセット画像加工条件識別番号pnum=12、書き換えるパラメータの種別Pk(Mkに相当)、書き換えるパラメータの値p1=3、p2=4、Mk=p1となるときの出現頻度が多く、Mk=p2となるときの出現頻度が低い特徴量を示す特徴量番号max(=10)、逆に Mk=p2となるときの出現頻度が多く、Mk=p1となるときの出現頻度が低い特徴量を示す特徴量番号min(=9)を送信する。
(C)プリセット画像加工条件追加部70では、プリセット画像加工条件識別番号pnum=12に相当する撮影部位・撮影方向判定ベクトルS12を画像加工情報記憶部30から読み出す。読み出された撮影部位・撮影方向判定ベクトルS12を複製し、新たな撮影部位・撮影方向判定ベクトルS120とする(ただし、‘120’は他のどの撮影部位・撮影方向判定ベクトルとも異なる番号である)。
(D)撮影部位・撮影方向判定ベクトルS12に対し、要素番号max(=10)の評価値を増加し、min(=9)の評価値を減ずる。同様に、撮影部位・撮影方向判定ベクトルS120に対し、要素番号min(=9)の評価値を増加し、max(=10)の評価値を減ずる。例えば、評価値の修正を行う前では、それぞれの評価値が‘10’であるとすると、増加する評価値については2を加えて‘12’、減ずる評価値については‘2’を減じて‘8’とする。
(E)同様に、画像加工情報記憶部30からプリセット画像加工条件識別番号12のプリセット画像加工条件を含む、撮影部位識別番号1の画像加工情報を読み出す。そして、プリセット画像加工条件識別番号12のプリセット画像加工条件を複製し、プリセット画像加工条件識別番号120として、当該画像加工情報に対応付けを追加する。当該新規に対応付けられて追加されたプリセット画像加工条件自体が保持するプリセット画像加工条件識別番号も、‘12’から‘120’に変更する。
(F)プリセット画像加工条件識別番号12のプリセット画像加工条件では、マーカ種別パラメータMkの値を‘0’(マーカ無し)から‘3’(『L→R』)へ変更する。同様に、プリセット画像加工条件識別番号120のプリセット画像加工条件では、マーカ種別パラメータMkの値を‘0’(マーカ無し)から‘4’(『R→L』)へ変更する。プリセット画像加工条件の修正が終了すると、当該画像加工情報を画像加工情報記憶部30へ送信し、当該画像加工情報を更新する。
以上の(A)〜(F)により、次に腰椎側面方向の撮影がなされた場合には、"左→右"の撮影がなされると特徴量f10(脊椎が被写体領域中の右側に存在)が‘1’となり、他の特徴量に対する評価値は撮影部位・撮影方向判定ベクトルS12、撮影部位・撮影方向判定ベクトルS120とで同じであるため、必ず撮影部位・撮影方向判定ベクトルS12との相関値の方が撮影部位・撮影方向判定ベクトルS120との相関値より大きくなって"左→右"用のプリセット画像加工条件が選択され、マーカ『L→R』が自動的に設定されるようになる。
逆に"右→左"の撮影がなされると特徴量f9(脊椎が被写体領域中の左側に存在)が‘1’となり、"右→左"用のプリセットが選択され、マーカ『R→L』が自動的に設定されるようになる。
しかも、観察者からすれば、『腰椎』という条件の選択をすることに変わりなく、類似の選択条件が従来よりも増えるわけでもないため、選択条件の増加による操作性の劣化という事態も避けることができる。
本発明の一実施形態の全体構成あるいは全体処理の流れを示すブロック図である。 本発明の実施形態における処理例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における被写体情報選択の様子を示す概要図である。 本発明の実施形態における画像修正部におけるユーザインタフェースの様子を示す説明図である。 本発明の実施形態における画像修正部におけるユーザインタフェースの様子を示す説明図である。 本発明の実施形態で使用される用語を説明するための説明図である。
符号の説明
10 画像データ取得部
20 プリセット画像加工条件選択部
30 画像加工情報記憶部
40 画像修正部
50 修正情報記憶部
60 プリセット画像加工条件追加判定部
70 プリセット画像加工条件追加部
80 制御部(画像加工手段を含む)

Claims (7)

  1. 予め準備されたプリセット画像加工条件を用いて画像データを加工する画像加工方法であって、
    入力された画像データの撮影部位もしくは撮影方向の少なくとも一方、および画像データの特徴量を参照し、予め準備されたプリセット画像加工条件の中から画像データの加工に使用するプリセット画像加工条件を選択し、
    前記選択されたプリセット画像加工条件に基づいて加工された画像データに更に修正の加工を加えると共に、該修正の加工の状態を示す修正情報を生成し、
    複数回の画像データの加工における複数の前記修正情報に基づいて、前記プリセット画像加工条件の追加を行うか否かを判定し、
    前記プリセット画像加工条件を追加すると判定された場合には、既存のプリセット画像加工条件を利用して新たなプリセット画像加工条件を生成して記憶する、
    ことを特徴とする画像加工方法。
  2. 予め準備されたプリセット画像加工条件を用いて画像データを加工する画像加工装置であって、
    入力された画像データの撮影部位もしくは撮影方向の少なくとも一方、および、画像データの特徴量を参照し、予め準備されたプリセット画像加工条件の中から画像データの加工に使用するプリセット画像加工条件を選択するプリセット画像加工条件選択部と、
    前記選択されたプリセット画像加工条件に基づいて加工された画像データに更に修正の加工を加えると共に、該修正の加工の状態を示す修正情報を生成する画像修正部と、
    前記画像修正部で生成された修正情報を記憶する修正情報記憶部と、
    複数回の画像データの加工における複数の前記記憶された修正情報に基づいて、前記プリセット画像加工条件の追加を行うか否かを判定するプリセット画像加工条件追加判定部と、
    前記プリセット画像加工条件追加判定部により、プリセット画像加工条件を追加するという判定結果を得た場合にプリセット画像加工条件を追加するプリセット画像加工条件追加部と、
    予め準備されたプリセット画像加工条件もしくは前記追加されたプリセット画像加工条件を記憶する画像加工情報記憶部と、
    を有することを特徴とする画像加工装置。
  3. 前記修正情報記憶部は、生成された修正情報とともに、該修正情報が生成された画像データから求められた1乃至複数の特徴量を記憶する、
    ことを特徴とする請求項2記載の画像加工装置。
  4. 前記プリセット画像加工条件追加判定部で、プリセット画像加工条件を追加するという判定結果を得た場合には、新規に追加されたプリセット画像加工条件と、予め準備されているプリセット画像加工条件のいずれを使用するかを決定する使用プリセット画像加工条件決定部を有する、
    ことを特徴とする、請求項2乃至請求項3に記載の画像加工装置。
  5. 前記プリセット画像加工条件と前記修正情報とには、画像データに対する画像処理の方法もしくは調整量を記述するパラメータを含む、
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の画像加工装置。
  6. 前記プリセット画像加工条件と前記修正情報とには、画像データに付加的に追加するマーカ情報を含む、
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の画像加工装置。
  7. 予め準備されたプリセット画像加工条件を用いて画像データを加工する画像加工プログラムであって、
    入力された画像データの撮影部位もしくは撮影方向の少なくとも一方、および画像データの特徴量を参照し、予め準備されたプリセット画像加工条件の中から画像データの加工に使用するプリセット画像加工条件を選択するプリセット画像加工条件選択ルーチンと、
    前記選択されたプリセット画像加工条件に基づいて加工された画像データに更に修正の加工を加えると共に、該修正の加工の状態を示す修正情報を生成する画像修正ルーチンと、
    複数回の画像データの加工における複数の前記修正情報に基づいて、前記プリセット画像加工条件の追加を行うか否かを判定すプリセット画像加工条件追加判定ルーチンと、
    前記プリセット画像加工条件を追加すると判定された場合には、既存のプリセット画像加工条件を利用して新たなプリセット画像加工条件を生成して記憶するプリセット画像加工条件追加ルーチンと、
    を有することを特徴とする画像加工プログラム。
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