JP2004321168A - 食用抗腫瘍性組成物およびこれを加工してなる機能性食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アガリクス・ブラゼイを原料として用いた優れた抗腫瘍活性を有する食品を提供すること。
【解決手段】 本発明は、アガリクス・ブラゼイに、乳酸菌を加えて乳酸発酵することで得られる乳酸発酵物と、ヘミセルラーゼを加えて酵素処理することで得られる酵素分解物を、主成分としてなることを特徴とする食用抗腫瘍性組成物である。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明は、アガリクス・ブラゼイに、乳酸菌を加えて乳酸発酵することで得られる乳酸発酵物と、ヘミセルラーゼを加えて酵素処理することで得られる酵素分解物を、主成分としてなることを特徴とする食用抗腫瘍性組成物である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、アガリクス・ブラゼイを原料として用いた優れた特性を有する食用抗腫瘍性組成物およびこれを加工してなる機能性食品に関する。
アガリクス・ブラゼイ(Agaricus blazei)は、ブラジル原産の担子菌類キノコであり、多糖の一種であるβ−グルカンを多く含むことで知られている。このβ−グルカンは、免疫賦活能力が高く、NK(ナチュラルキラー)細胞などの免疫細胞を活性化させることにより、ガン細胞を攻撃して殺滅させる効果を有することから、アガリクス・ブラゼイは、ガンやその他の成人病などに対して優れた効果を有し、健康食品などとして重宝されている。
近年、アガリクス・ブラゼイを原料として用いた新たな商品形態の食品が種々提案され、その中には既に市場に送り出されているものもある。例えば、下記の特許文献1に記載の、アガリクス・ブラゼイが有する優れた食効と機能を保持し、品質面、安全面、風味、食感などの点においても優れた食品として開発された、アガリクス・ブラゼイに乳酸菌を加えて乳酸発酵することで得られる乳酸発酵物や、下記の特許文献2や特許文献3に記載の、アガリクス・ブラゼイに含まれるβ−グルカンを多量に含有する生理活性物質を主材とする食品として開発された、アガリクス・ブラゼイに糖質分解酵素であるヘミセルラーゼを加えて酵素処理することで得られる酵素分解物などもそのうちの1つとして挙げられる。
特開2001−128641号公報
特開平10−287584号公報
特開平11−32723号公報
本発明者らは、アガリクス・ブラゼイを原料として用いた新規な機能を有する食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の点に鑑みて種々の検討を行った結果、アガリクス・ブラゼイに、乳酸菌を加えて乳酸発酵することで得られる乳酸発酵物と、ヘミセルラーゼを加えて酵素処理することで得られる酵素分解物を、主成分としてなる組成物が、抗腫瘍活性に優れることを知見した。
上記の知見に基づいてなされた本発明の食用抗腫瘍性組成物は、請求項1記載の通り、アガリクス・ブラゼイに、乳酸菌を加えて乳酸発酵することで得られる乳酸発酵物と、ヘミセルラーゼを加えて酵素処理することで得られる酵素分解物を、主成分としてなることを特徴とする。
また、請求項2記載の食用抗腫瘍性組成物は、請求項1記載の食用抗腫瘍性組成物において、乳酸発酵物と酵素分解物の配合重量比(乳酸発酵物は乾燥物として換算)が60:40〜80:20であることを特徴とする。
また、請求項3記載の食用抗腫瘍性組成物は、請求項1記載の食用抗腫瘍性組成物において、乳酸発酵物と酵素分解物の配合重量比(乳酸発酵物は乾燥物として換算)が72:28〜76:24であることを特徴とする。
また、本発明の機能性食品は、請求項4記載の通り、請求項1乃至3のいずれかに記載の食用抗腫瘍性組成物を加工してなることを特徴とする。
また、請求項2記載の食用抗腫瘍性組成物は、請求項1記載の食用抗腫瘍性組成物において、乳酸発酵物と酵素分解物の配合重量比(乳酸発酵物は乾燥物として換算)が60:40〜80:20であることを特徴とする。
また、請求項3記載の食用抗腫瘍性組成物は、請求項1記載の食用抗腫瘍性組成物において、乳酸発酵物と酵素分解物の配合重量比(乳酸発酵物は乾燥物として換算)が72:28〜76:24であることを特徴とする。
また、本発明の機能性食品は、請求項4記載の通り、請求項1乃至3のいずれかに記載の食用抗腫瘍性組成物を加工してなることを特徴とする。
本発明によれば、アガリクス・ブラゼイを原料として用いた優れた抗腫瘍活性を有する食品が提供される。
本発明の食用抗腫瘍性組成物は、アガリクス・ブラゼイに、乳酸菌を加えて乳酸発酵することで得られる乳酸発酵物と、ヘミセルラーゼを加えて酵素処理することで得られる酵素分解物を、主成分としてなることを特徴とするものである。原料として用いるアガリクス・ブラゼイは、子実体であっても菌糸体であってもよく、これらは天然物であっても栽培物または培養物であってもよい。
本発明の食用抗腫瘍性組成物の主成分の1つである、アガリクス・ブラゼイに乳酸菌を加えて乳酸発酵することで得られる乳酸発酵物は、例えば、上記の特許文献1に記載された方法で得ることができる。乳酸菌としてはケフィア菌が好適に用いられる。乳酸発酵は、例えば、アガリクス・ブラゼイと乳酸菌液を5:95〜60:40(重量比)の割合で混合し、30℃〜45℃で、12時間〜36時間培養して行えばよい。このような条件を採用することにより、アガリクス・ブラゼイの自己消化酵素の作用促進を図り、乳酸発酵を促進させることができる。その後、冷蔵庫内などで、5℃〜15℃で、36時間〜60時間熟成させれば、ほどよい酸味を有する乳酸発酵食品を得ることができる。
本発明の食用抗腫瘍性組成物の主成分の1つである、アガリクス・ブラゼイにヘミセルラーゼを加えて酵素処理することで得られる酵素分解物は、例えば、上記の特許文献2や特許文献3に記載された方法で得ることができる。酵素処理は、例えば、アガリクス・ブラゼイに対してヘミセルラーゼを0.01重量%〜0.5重量%の割合で添加し、pH3.0〜8.5の条件下、25℃〜60℃で、20分〜120分間行えばよい。酵素反応がある程度まで進行したら、反応液を70℃〜100℃で約10分間加熱してヘミセルラーゼを失活させて反応を止め、反応液を濃縮や乾燥することで酵素分解物が得られる。
本発明の食用抗腫瘍性組成物における乳酸発酵物と酵素分解物の配合重量比(乳酸発酵物は乾燥物として換算)は、60:40〜80:20であることが望ましく、72:28〜76:24であることがより望ましい。このような配合重量比とすることにより、アガリクス・ブラゼイの、乳酸発酵物と酵素分解物の各々に基づく活性酸素除去活性やインターロイキン12(以下、IL−12と称する)産生促進活性などに基づいて、優れた抗腫瘍活性を有する組成物となる。
本発明の食用抗腫瘍性組成物は、所定の方法で加工することで、粉末形態や錠剤形態などの機能性食品とされ、腫瘍の治療と予防に有効な食品として食することができる。製剤化に際しては、必要に応じて、多糖類や酵母類やきのこ類などを結合剤として添加したり、所定の食品添加剤を添加したりしてもよいことはいうまでもない。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定して解釈されるものではない。
実施例1:本発明の食用抗腫瘍性組成物の製造
(1)アガリクス・ブラゼイに乳酸菌を加えて乳酸発酵することで得られる乳酸発酵物の調製
自体公知の方法で栽培して得られたアガリクス・ブラゼイ子実体200gと乳酸菌液(乳酸菌としてケフィア菌を用い、基質として乳糖とホエーパウダーを、乳酸菌液100重量部に対し、乳糖を5重量部、ホエーパウダーを7重量部混合し、40℃で、12時間培養して、スターターとして約1億個/リットルまで増殖させたもの)800gを混合し(重量比20:80)、40℃で1日間培養した後、冷蔵庫内で10℃で2日間熟成させて、ヨーグルト状の乳酸発酵物(以下、発酵アガリクスと称する)を1000g得た。
(2)アガリクス・ブラゼイにヘミセルラーゼを加えて酵素処理することで得られる酵素分解物の調製
自体公知の方法で液体培養して得られたアガリクス・ブラゼイ菌糸体を培地と分離した後、粗粉砕した。得られた粉砕物と酵素液(ヘミセルラーゼとペクチナーゼを2:1(重量比)の割合で含む混合酵素を0.1w/v%で含む溶液)を1:2(体積比)の割合で混合し、pH4.5の条件下、45℃で、60分酵素処理を行った。その後、反応液を70℃で10分加熱して酵素を失活させて反応を止め、反応液を凍結乾燥することで酵素分解物(以下、ABPC純末と称する。なお、ABPCは株式会社応微研の登録商標である)を得た。
(3)食用抗腫瘍性組成物の製造
(1)で得た発酵アガリクスと(2)で得たABPC純末を混合し、凍結乾燥することで、発酵アガリクスとABPC純末の配合重量比(発酵アガリクスは乾燥物として換算)が1:4,2:3,3:2,4:1の4種類の食用抗腫瘍性組成物を得た(発酵アガリクスの乾燥物重量は発酵アガリクス重量の約15%)。
(1)アガリクス・ブラゼイに乳酸菌を加えて乳酸発酵することで得られる乳酸発酵物の調製
自体公知の方法で栽培して得られたアガリクス・ブラゼイ子実体200gと乳酸菌液(乳酸菌としてケフィア菌を用い、基質として乳糖とホエーパウダーを、乳酸菌液100重量部に対し、乳糖を5重量部、ホエーパウダーを7重量部混合し、40℃で、12時間培養して、スターターとして約1億個/リットルまで増殖させたもの)800gを混合し(重量比20:80)、40℃で1日間培養した後、冷蔵庫内で10℃で2日間熟成させて、ヨーグルト状の乳酸発酵物(以下、発酵アガリクスと称する)を1000g得た。
(2)アガリクス・ブラゼイにヘミセルラーゼを加えて酵素処理することで得られる酵素分解物の調製
自体公知の方法で液体培養して得られたアガリクス・ブラゼイ菌糸体を培地と分離した後、粗粉砕した。得られた粉砕物と酵素液(ヘミセルラーゼとペクチナーゼを2:1(重量比)の割合で含む混合酵素を0.1w/v%で含む溶液)を1:2(体積比)の割合で混合し、pH4.5の条件下、45℃で、60分酵素処理を行った。その後、反応液を70℃で10分加熱して酵素を失活させて反応を止め、反応液を凍結乾燥することで酵素分解物(以下、ABPC純末と称する。なお、ABPCは株式会社応微研の登録商標である)を得た。
(3)食用抗腫瘍性組成物の製造
(1)で得た発酵アガリクスと(2)で得たABPC純末を混合し、凍結乾燥することで、発酵アガリクスとABPC純末の配合重量比(発酵アガリクスは乾燥物として換算)が1:4,2:3,3:2,4:1の4種類の食用抗腫瘍性組成物を得た(発酵アガリクスの乾燥物重量は発酵アガリクス重量の約15%)。
参考例1:本発明の食用抗腫瘍性組成物の活性酸素除去活性
以下の検体について、活性酸素除去活性を2種類の評価方法により評価した。
以下の検体について、活性酸素除去活性を2種類の評価方法により評価した。
1.比較区:実施例1に記載のABPC純末(以下、検体Xと称する)
2.試験区:実施例1で製造した発酵アガリクスとABPC純末の配合重量比が1:4の組成物(以下、検体Aと称する)
3.試験区:同、2:3の組成物(以下、検体Bと称する)
4.試験区:同、3:2の組成物(以下、検体Cと称する)
5.試験区:同、4:1の組成物(以下、検体Dと称する)
6.比較区:実施例1に記載の発酵アガリクスの乾燥物(以下、検体Yと称する)
2.試験区:実施例1で製造した発酵アガリクスとABPC純末の配合重量比が1:4の組成物(以下、検体Aと称する)
3.試験区:同、2:3の組成物(以下、検体Bと称する)
4.試験区:同、3:2の組成物(以下、検体Cと称する)
5.試験区:同、4:1の組成物(以下、検体Dと称する)
6.比較区:実施例1に記載の発酵アガリクスの乾燥物(以下、検体Yと称する)
評価方法1:SOD様活性の測定
A.方法(Nitrite法)
1.試薬
(a)基質
ヒポキサンチン(Hypoxanthine)13.6mgと、ヒドロキシルアミン−O−スルフォン酸100mgを、100mMのKH2PO4・ほう酸ナトリウム緩衝液(pH8.2:以下、単に緩衝液と略称する)100mLに溶解したものを用いた。
(b)酵素液
キサンチンオキシダーゼ(Xanthine Oxidase:和光純薬工業株式会社)10μLと、EDTA・2Na372mgを緩衝液100mLに溶解した溶液0.5mLと、緩衝液9.5mLを混合したものを用いた。
(c)発色液
スルファニル酸225mgと、N−1−ナフチルエチレンジアミン・2HCl5mLと、酢酸125mLを混合し、蒸留水で全量を500mLにしたものを用いた。
A.方法(Nitrite法)
1.試薬
(a)基質
ヒポキサンチン(Hypoxanthine)13.6mgと、ヒドロキシルアミン−O−スルフォン酸100mgを、100mMのKH2PO4・ほう酸ナトリウム緩衝液(pH8.2:以下、単に緩衝液と略称する)100mLに溶解したものを用いた。
(b)酵素液
キサンチンオキシダーゼ(Xanthine Oxidase:和光純薬工業株式会社)10μLと、EDTA・2Na372mgを緩衝液100mLに溶解した溶液0.5mLと、緩衝液9.5mLを混合したものを用いた。
(c)発色液
スルファニル酸225mgと、N−1−ナフチルエチレンジアミン・2HCl5mLと、酢酸125mLを混合し、蒸留水で全量を500mLにしたものを用いた。
2.サンプル液
検体150mgを蒸留水3mLに懸濁し、ボルテックスミキサーにて30秒間混和した後、3000rpmで10分間遠沈し、上清を回収した。回収した上清を孔径0.45μmのフィルターにて濾過し、濾液をサンプル原液とした。このサンプル原液より希釈系列を調製し、サンプル液とした。
検体150mgを蒸留水3mLに懸濁し、ボルテックスミキサーにて30秒間混和した後、3000rpmで10分間遠沈し、上清を回収した。回収した上清を孔径0.45μmのフィルターにて濾過し、濾液をサンプル原液とした。このサンプル原液より希釈系列を調製し、サンプル液とした。
3.測定方法
試験管にサンプル液0.1mLと蒸留水0.5mLと基質0.2mLを入れ、37℃の温浴で5分間加熱した。その後、酵素液0.2mLを加え、37℃の温浴でさらに30分間加熱した後、発色液2mLを加え、室温で2時間放置してから550nmにおける吸光度を測定した。コントロールとして蒸留水を用い、各サンプル液の希釈倍率における発色阻害率(%)を{(コントロール吸光度−サンプル液吸光度)/コントロール吸光度}×100から求めた。
発色阻害率が50%であるサンプルの希釈倍率を求めて、その値を1ユニット(1 Nitrite unit)とした。これに希釈倍率をかけてサンプル原液のユニット数を求めた。サンプル原液は検体50mg/mLで調製してあるので、サンプル原液のユニット数を20倍して検体1gあたりのユニット数を求め、これをSOD様活性値とした。すなわち、例えば、原液を2倍希釈してなるサンプル液の阻害率が50%であった場合、サンプル原液のユニット数は1(ユニット)×2(希釈率)=2ユニットとなり、サンプル原液は検体50mg/mLで調製してあるので、サンプル原液のユニット数を20倍して検体1gあたりのユニット数を求めると40ユニットとなり、これをSOD様活性値とした。
試験管にサンプル液0.1mLと蒸留水0.5mLと基質0.2mLを入れ、37℃の温浴で5分間加熱した。その後、酵素液0.2mLを加え、37℃の温浴でさらに30分間加熱した後、発色液2mLを加え、室温で2時間放置してから550nmにおける吸光度を測定した。コントロールとして蒸留水を用い、各サンプル液の希釈倍率における発色阻害率(%)を{(コントロール吸光度−サンプル液吸光度)/コントロール吸光度}×100から求めた。
発色阻害率が50%であるサンプルの希釈倍率を求めて、その値を1ユニット(1 Nitrite unit)とした。これに希釈倍率をかけてサンプル原液のユニット数を求めた。サンプル原液は検体50mg/mLで調製してあるので、サンプル原液のユニット数を20倍して検体1gあたりのユニット数を求め、これをSOD様活性値とした。すなわち、例えば、原液を2倍希釈してなるサンプル液の阻害率が50%であった場合、サンプル原液のユニット数は1(ユニット)×2(希釈率)=2ユニットとなり、サンプル原液は検体50mg/mLで調製してあるので、サンプル原液のユニット数を20倍して検体1gあたりのユニット数を求めると40ユニットとなり、これをSOD様活性値とした。
評価方法2:XYZ微弱発光法に基づくY活性の測定
大久保一良らのXYZ微弱発光法(ジャパンフードサイエンス、第38巻、8号、18−21(1999))に従って測定した。本方法は、天然ラジカル消去物質が活性酸素及びアセトアルデヒド存在下で微弱発光する現象を利用して、活性酸素消去能の測定に用いられている。この微弱発光は、X(活性酸素種)、Y(プロトン、エレクトロン供与体)、Z(触媒種)の三つ巴反応で生じ、Y(活性酸素消去電子供与体)としての作用、及びZ(活性酸素消去反応触媒)としての能力、つまり活性酸素消去能力の強弱が発光輝度としてビットマップイメージ上に現れ、数値化することができるので、活性酸素消去物質の分析に有用である。
具体的な測定方法は次の通りである。X試薬として2%過酸化水素水溶液、Y試薬として10%アセトアルデヒド没食子酸飽和溶液、Z試薬として10%アセトアルデヒド炭酸水素ナトリウム飽和溶液を用い、24穴マイクロプレートのウェル中にて、検体50mgに、X活性を測定するためにはY試薬とZ試薬を、Y活性を測定するためにはX試薬とZ試薬を、Z活性を測定するためにはX試薬とY試薬を、それぞれ500μL添加し、さらに1−ブタノールを添加して重層後、反応させることによって発せられた光の輝度を、高感度CCDカメラを備えた東洋紡績社のLumino Imaging Analyzer FAS−1000を用いて30分間測定し、Media Cybernetic社のGel−Pro Analyzerを用いて定量した。
大久保一良らのXYZ微弱発光法(ジャパンフードサイエンス、第38巻、8号、18−21(1999))に従って測定した。本方法は、天然ラジカル消去物質が活性酸素及びアセトアルデヒド存在下で微弱発光する現象を利用して、活性酸素消去能の測定に用いられている。この微弱発光は、X(活性酸素種)、Y(プロトン、エレクトロン供与体)、Z(触媒種)の三つ巴反応で生じ、Y(活性酸素消去電子供与体)としての作用、及びZ(活性酸素消去反応触媒)としての能力、つまり活性酸素消去能力の強弱が発光輝度としてビットマップイメージ上に現れ、数値化することができるので、活性酸素消去物質の分析に有用である。
具体的な測定方法は次の通りである。X試薬として2%過酸化水素水溶液、Y試薬として10%アセトアルデヒド没食子酸飽和溶液、Z試薬として10%アセトアルデヒド炭酸水素ナトリウム飽和溶液を用い、24穴マイクロプレートのウェル中にて、検体50mgに、X活性を測定するためにはY試薬とZ試薬を、Y活性を測定するためにはX試薬とZ試薬を、Z活性を測定するためにはX試薬とY試薬を、それぞれ500μL添加し、さらに1−ブタノールを添加して重層後、反応させることによって発せられた光の輝度を、高感度CCDカメラを備えた東洋紡績社のLumino Imaging Analyzer FAS−1000を用いて30分間測定し、Media Cybernetic社のGel−Pro Analyzerを用いて定量した。
評価結果:
試験区と比較区の、各検体の1gあたりのSOD様活性値と各検体のY活性を図2に示す。図2から明らかなように、発酵アガリクスはSOD様活性に優れてY活性に劣る一方、ABPC純末はY活性に優れてSOD様活性に劣り、発酵アガリクスとABPC純末を組み合わせることで、SOD様活性とY活性をともに有する組成物となることがわかった。また、SOD様活性とY活性をともに適度に有する組成物を得るためには、発酵アガリクスとABPC純末の配合重量比(発酵アガリクスは乾燥物として換算)を74:26とすればよいことがわかった。
試験区と比較区の、各検体の1gあたりのSOD様活性値と各検体のY活性を図2に示す。図2から明らかなように、発酵アガリクスはSOD様活性に優れてY活性に劣る一方、ABPC純末はY活性に優れてSOD様活性に劣り、発酵アガリクスとABPC純末を組み合わせることで、SOD様活性とY活性をともに有する組成物となることがわかった。また、SOD様活性とY活性をともに適度に有する組成物を得るためには、発酵アガリクスとABPC純末の配合重量比(発酵アガリクスは乾燥物として換算)を74:26とすればよいことがわかった。
参考例2:本発明の食用抗腫瘍性組成物のIL−12産生促進活性
実施例1と同様にして製造した、発酵アガリクスとABPC純末の配合重量比(発酵アガリクスは乾燥物として換算)が74:26の食用抗腫瘍性組成物のIL−12産生促進活性を以下のようにして測定した。
実施例1と同様にして製造した、発酵アガリクスとABPC純末の配合重量比(発酵アガリクスは乾燥物として換算)が74:26の食用抗腫瘍性組成物のIL−12産生促進活性を以下のようにして測定した。
A.試薬
・ IL−12アッセイキット(和光純薬工業株式会社)
・ Hank’s液(ペニシリン、ストレプトマイシン含有)
・ 10%FCS含有RPMI1640溶液(RPMI1640(和光純薬工業株式会社)溶液と牛胎児血清(FCS)とを容量比9:1で混合したもの)
・ リポポリサッカライド(LPS:和光純薬工業株式会社)溶液(10%FCS含有RPMI1640溶液を用いて100ng/mLに調製したもの)
・ IL−12アッセイキット(和光純薬工業株式会社)
・ Hank’s液(ペニシリン、ストレプトマイシン含有)
・ 10%FCS含有RPMI1640溶液(RPMI1640(和光純薬工業株式会社)溶液と牛胎児血清(FCS)とを容量比9:1で混合したもの)
・ リポポリサッカライド(LPS:和光純薬工業株式会社)溶液(10%FCS含有RPMI1640溶液を用いて100ng/mLに調製したもの)
B.サンプル液
食用抗腫瘍性組成物200mgを乳鉢で粉砕した後、Hank’s液1.8mLに溶解した。これを15mLチューブに移し、室温にて1時間静置した。その後、1000rpmで10分間遠沈し、上清0.5mLを回収した。回収した0.5mLを原液とし、Hank’s液4mLを加えサンプル液とした。
食用抗腫瘍性組成物200mgを乳鉢で粉砕した後、Hank’s液1.8mLに溶解した。これを15mLチューブに移し、室温にて1時間静置した。その後、1000rpmで10分間遠沈し、上清0.5mLを回収した。回収した0.5mLを原液とし、Hank’s液4mLを加えサンプル液とした。
C.IL−12産生促進活性の測定方法
C57BL/6マウス(♀6週齢、n=8)を1週間予備飼育した7週齢の実験マウスの腹腔内に、調製した各サンプル液をそれぞれ0.5mL投与した(コントロール群にはHank’s液のみを投与)。サンプル液の投与から18時間後に腹腔内細胞を回収した。回収した細胞を10%FCS含有RPMI1640溶液にて洗浄し、溶血バッファーにて赤血球を除去した後、細胞数を算定し、10%FCS含有RPMI1640溶液を用いて1×106cells/mLに調製し、24穴カルチャープレートにて培養した。その際に、100ng/mLのLPSを10μL加えた場合と加えなかった場合との2通りで培養した。LPS添加から18時間後に培養上清を回収し、IL−12アッセイキットを用い、その製品プロトコールに準じてIL−12産生量を測定した。
C57BL/6マウス(♀6週齢、n=8)を1週間予備飼育した7週齢の実験マウスの腹腔内に、調製した各サンプル液をそれぞれ0.5mL投与した(コントロール群にはHank’s液のみを投与)。サンプル液の投与から18時間後に腹腔内細胞を回収した。回収した細胞を10%FCS含有RPMI1640溶液にて洗浄し、溶血バッファーにて赤血球を除去した後、細胞数を算定し、10%FCS含有RPMI1640溶液を用いて1×106cells/mLに調製し、24穴カルチャープレートにて培養した。その際に、100ng/mLのLPSを10μL加えた場合と加えなかった場合との2通りで培養した。LPS添加から18時間後に培養上清を回収し、IL−12アッセイキットを用い、その製品プロトコールに準じてIL−12産生量を測定した。
D.測定結果
サンプル液を投与したマウスの細胞毎に、LPSを加えて培養した細胞におけるIL−12産生量と、LPSを加えずに培養した細胞におけるIL−12産生量の差を求め、その平均値を検体とした食用抗腫瘍性組成物のIL−12産生量として、ABPC純末と発酵アガリクス(いずれも実施例1に記載のもの)のIL−12産生量とともに図3に示す。図3から明らかなように、この食用抗腫瘍性組成物は、ABPC純末と発酵アガリクスに比べて優れたIL−12産生促進活性を有していた。
サンプル液を投与したマウスの細胞毎に、LPSを加えて培養した細胞におけるIL−12産生量と、LPSを加えずに培養した細胞におけるIL−12産生量の差を求め、その平均値を検体とした食用抗腫瘍性組成物のIL−12産生量として、ABPC純末と発酵アガリクス(いずれも実施例1に記載のもの)のIL−12産生量とともに図3に示す。図3から明らかなように、この食用抗腫瘍性組成物は、ABPC純末と発酵アガリクスに比べて優れたIL−12産生促進活性を有していた。
実施例1:本発明の食用抗腫瘍性組成物の抗腫瘍活性
A.測定方法
実施例1と同様にして製造した、発酵アガリクスとABPC純末の配合重量比(発酵アガリクスは乾燥物として換算)が74:26の食用抗腫瘍性組成物(400mg/kgおよび800mg/kg)とポジティブコントロールとしてのKrestin(1000mg/kg)をC57BL/6マウスにそれぞれ経口投与した(n=10)。被検物質は経口ゾンデを用いて1日1回連日投与した。投与開始8日後(day0)に被検動物腰背部にEL-4(1.5×104cells/0.2ml/head s.c)を接種した。さらに被検物質を20日間経口投与を継続するとともに、ノギスにて腫瘍の径を測定した。21日目に各群マウスを頚椎脱臼にて屠殺し、脾臓、胸腺及び腫瘍を摘出し、腫瘍重量を測定した。
B.結果
図1に示す。図1から明らかなように、本発明の食用抗腫瘍性組成物は、優れた抗腫瘍活性を示し、腫瘍の退縮効果は、ポジティブコントロールとしてのKrestinよりも遥かに優れたものであった。
A.測定方法
実施例1と同様にして製造した、発酵アガリクスとABPC純末の配合重量比(発酵アガリクスは乾燥物として換算)が74:26の食用抗腫瘍性組成物(400mg/kgおよび800mg/kg)とポジティブコントロールとしてのKrestin(1000mg/kg)をC57BL/6マウスにそれぞれ経口投与した(n=10)。被検物質は経口ゾンデを用いて1日1回連日投与した。投与開始8日後(day0)に被検動物腰背部にEL-4(1.5×104cells/0.2ml/head s.c)を接種した。さらに被検物質を20日間経口投与を継続するとともに、ノギスにて腫瘍の径を測定した。21日目に各群マウスを頚椎脱臼にて屠殺し、脾臓、胸腺及び腫瘍を摘出し、腫瘍重量を測定した。
B.結果
図1に示す。図1から明らかなように、本発明の食用抗腫瘍性組成物は、優れた抗腫瘍活性を示し、腫瘍の退縮効果は、ポジティブコントロールとしてのKrestinよりも遥かに優れたものであった。
製造例1:錠剤品の製造
発酵アガリクスとABPC純末の配合重量比(発酵アガリクスは乾燥物として換算)が74:26の食用抗腫瘍性組成物を打錠機にて打錠し、機能性食品としての錠剤品を製造した。
発酵アガリクスとABPC純末の配合重量比(発酵アガリクスは乾燥物として換算)が74:26の食用抗腫瘍性組成物を打錠機にて打錠し、機能性食品としての錠剤品を製造した。
本発明は、アガリクス・ブラゼイを原料として用いた優れた抗腫瘍活性を有する食品を提供することができる点において、産業上の利用可能性を有する。
Claims (4)
- アガリクス・ブラゼイに、乳酸菌を加えて乳酸発酵することで得られる乳酸発酵物と、ヘミセルラーゼを加えて酵素処理することで得られる酵素分解物を、主成分としてなることを特徴とする食用抗腫瘍性組成物。
- 乳酸発酵物と酵素分解物の配合重量比(乳酸発酵物は乾燥物として換算)が60:40〜80:20であることを特徴とする請求項1記載の食用抗腫瘍性組成物。
- 乳酸発酵物と酵素分解物の配合重量比(乳酸発酵物は乾燥物として換算)が72:28〜76:24であることを特徴とする請求項1記載の食用抗腫瘍性組成物。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の食用抗腫瘍性組成物を加工してなることを特徴とする機能性食品。
Priority Applications (3)
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---|---|---|---|
JP2003362858A JP2004321168A (ja) | 2002-10-25 | 2003-10-23 | 食用抗腫瘍性組成物およびこれを加工してなる機能性食品 |
PCT/JP2004/002624 WO2005039321A1 (ja) | 2003-10-23 | 2004-03-03 | Il−12産生促進組成物 |
TW093127012A TW200514566A (en) | 2003-10-23 | 2004-09-07 | Composition for promoting production of the interleukin-12 (IL-12) |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004321168A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010252726A (ja) * | 2009-04-27 | 2010-11-11 | Kyushu Univ | 柿の抗酸化活性機能増強法および健康食品素材 |
JP2017508450A (ja) * | 2014-08-07 | 2017-03-30 | ▲ル▼明福 | 総合栄養粉およびその調製方法 |
-
2003
- 2003-10-23 JP JP2003362858A patent/JP2004321168A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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