JP2004320127A - 薄膜圧電共振子の製造方法、薄膜圧電共振子の製造装置、薄膜圧電共振子および電子部品 - Google Patents

薄膜圧電共振子の製造方法、薄膜圧電共振子の製造装置、薄膜圧電共振子および電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の電気的特性を有する薄膜圧電共振子を確実に製造する。
【解決手段】基体の上に形成した下部電極3を覆うようにして基体の上に圧電膜4を形成した後に圧電膜4を覆うようにしてレジスト層R3を形成し、圧電膜4における上部電極の形成部位P6を露出させる露出用孔H6をレジスト層R3に形成することによって圧電膜4の上にレジスト層R3からなるマスクM3を形成した後に、露出用孔H6から露出している圧電膜4およびマスクM3の上に上部電極を形成するための電極材料層6bを形成し、その後にマスクM3を除去することによってマスクM3上の電極材料層6bを除去して上部電極を形成する。
【選択図】 図15

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基体の上に、下部電極、圧電膜および上部電極をこの順で形成する薄膜圧電共振子の製造方法および製造装置、その製造方法に従って製造された薄膜圧電共振子、並びにその薄膜圧電共振子を含めて構成された電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の製造方法に従って製造された薄膜圧電共振子として、携帯電話等の電子機器に搭載するフィルタなどに用いられる薄膜圧電素子が特開2001−251159号公報に開示されている。この薄膜圧電素子は、シリコン基板(11)の上に下部電極(13)、圧電膜(14)および上部電極(15)がこの順で形成されて構成されている。この場合、シリコン基板は、薄膜圧電素子の基体であって、その上面にはシリコン酸化膜(12)が形成され、その下面には、マスク材(19)の層が形成されている。また、シリコン基板には、共振用空洞(20)が形成されて、駆動時における下部電極、圧電膜および上部電極の共振が可能に構成されている。
【0003】
この薄膜圧電素子の製造に際しては、まず、シリコン基板におけるシリコン酸化膜の上に、下部電極を形成するための金属膜を形成した後に、エッチングによって金属膜の下部電極に相当する部位を残してかつ不要部位を取り除いて下部電極を形成する。この際に、一例として、金属膜の上にフォトレジスト層を形成して露光および現像することでマスクを形成し、このマスクを用いてエッチングを行う。次に、シリコン基板11上に例えばスパッタ法によって下部電極を覆うようにして圧電膜を形成する。次いで、上部電極を形成するための金属膜を圧電膜の上に形成した後に、エッチングによって金属膜の上部電極に相当する部位を残してかつ不要部位を取り除いて上部電極を形成する。この際には、下部電極の形成時と同様にして、例えばフォトレジスト層を露光および現像して形成したマスクを用いてエッチングを行う。続いて、シリコン基板の下面に形成されたマスク材をマスクとしてシリコン基板をエッチングすることによって共振用空洞を形成する。この後、圧電膜および上部電極を覆うようにして有機樹脂材料を塗布して有機樹脂膜(21)を形成することにより、薄膜圧電素子が完成する。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−251159号公報(第3−4頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の薄膜圧電素子の製造方法には、以下の問題点がある。すなわち、従来の製造方法では、圧電膜の上に形成した金属膜をエッチングすることによって上部電極を形成している。したがって、ウェットエッチング法によって上部電極を形成する場合、圧電膜を形成している材料と、上部電極を形成している金属との組み合わせによっては、金属膜の不要部位が除去されてエッチング液が圧電膜の表面に触れた際に、金属膜をエッチングするためのエッチング液によって圧電膜までもがエッチングされる。また、エッチング液によって圧電膜がエッチングされ始める直前にエッチングを完了する場合、除去すべき金属膜が圧電膜の上に部分的に必ず残留する。この場合、圧電膜に対するエッチングや、金属膜の部分的な残留が生じた状態では、薄膜圧電素子の電気的特性がその設計目標としての所望の特性を満たさないこととなる。したがって、圧電膜をエッチングすることなく不要な金属膜を完全に除去するようにエッチングを行う必要がある。しかし、金属膜のエッチングを完了するまでの時間は、金属膜の厚みの僅かなばらつきや、エッチング液の温度変化などに起因して、エッチングを行う都度変化する。したがって、従来の薄膜圧電素子の製造方法には、圧電膜をエッチングすることなく不要な金属膜を完全に除去して上部電極を形成するのが困難であるという問題点が存在する。また、従来の製造方法では、下部電極の形成時においてその下部電極の下方に存在する基体材料がエッチングされるという不都合、または、除去すべき金属膜が基体材料上に残留するという不都合が生じる。したがって、この点を改善するのが好ましい。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、所望の電気的特性を有する薄膜圧電共振子を確実に製造し得る薄膜圧電共振子の製造方法および製造装置、その製造方法に従って製造された薄膜圧電共振子、並びにその薄膜圧電共振子を含めて構成された電子部品とを提供することを主目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る薄膜圧電共振子の製造方法は、基体の上に形成した下部電極を覆うようにして当該基体の上に圧電膜を形成した後に当該圧電膜を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記圧電膜における上部電極の形成部位を露出させる露出用孔を前記レジスト層に形成することによって当該圧電膜の上に前記レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記圧電膜および前記マスクの上に前記上部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記上部電極を形成する。
【0008】
また、本発明に係る薄膜圧電共振子の製造方法は、基体を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記基体における下部電極の形成部位を露出させる露出用孔を前記レジスト層に形成することによって当該基体の上に前記レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記基体および前記マスクの上に前記下部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記下部電極を形成し、当該下部電極を覆うようにして前記基体の上に圧電膜を形成した後に当該圧電膜の上に上部電極を形成する。
【0009】
また、本発明に係る薄膜圧電共振子の製造方法は、基体を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記基体における下部電極の形成部位を露出させる露出用孔を前記レジスト層に形成することによって当該基体の上に前記レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記基体および前記マスクの上に前記下部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記下部電極を形成し、当該下部電極を覆うようにして前記基体の上に圧電膜を形成した後に当該圧電膜を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記圧電膜における上部電極の形成部位を露出させる露出用孔を当該圧電膜上の前記レジスト層に形成することによって当該圧電膜の上に当該レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記圧電膜および前記マスクの上に前記上部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記上部電極を形成する。
【0010】
この場合、前記マスクの形成に際して、前記レジスト層の厚み方向における上面側が前記露出用孔の口縁において当該厚み方向における下面側よりも前記形成部位の上方に向けて突出するように当該露出用孔を形成するのが好ましい。
【0011】
また、前記レジスト層を形成した後にベンゼン系の溶剤に浸して当該レジスト層を表面処理し、その後に前記形成部位を露出させるようして前記レジスト層に前記露出用孔を形成するのが好ましい。
【0012】
さらに、現像液によって溶融可能な第1のレジスト層を形成した後に当該第1のレジスト層を覆うようにして第2のレジスト層を形成し、当該第2のレジスト層を露光処理した後に前記現像液に浸して前記両レジスト層を貫通させることによって前記露出用孔を形成するのが好ましい。
【0013】
また、前記圧電膜をZnOによって形成するのが好ましい。
【0014】
さらに、前記電極材料層をAlまたはAuによって形成するのが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る薄膜圧電共振子の製造装置は、基体の上に形成した下部電極を覆うようにして当該基体の上に圧電膜を形成した後に当該圧電膜を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記圧電膜における上部電極の形成部位を露出させる露出用孔を前記レジスト層に形成することによって当該圧電膜の上に前記レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記圧電膜および前記マスクの上に前記上部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記上部電極を形成可能に構成されている。
【0016】
また、本発明に係る薄膜圧電共振子の製造装置は、基体を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記基体における下部電極の形成部位を露出させる露出用孔を前記レジスト層に形成することによって当該基体の上に前記レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記基体および前記マスクの上に前記下部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記下部電極を形成し、当該下部電極を覆うようにして前記基体の上に圧電膜を形成した後に当該圧電膜の上に上部電極を形成可能に構成されている。
【0017】
また、本発明に係る薄膜圧電共振子の製造装置は、基体を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記基体における下部電極の形成部位を露出させる露出用孔を前記レジスト層に形成することによって当該基体の上に前記レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記基体および前記マスクの上に前記下部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記下部電極を形成し、当該下部電極を覆うようにして前記基体の上に圧電膜を形成した後に当該圧電膜を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記圧電膜における上部電極の形成部位を露出させる露出用孔を当該圧電膜上の前記レジスト層に形成することによって当該圧電膜の上に当該レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記圧電膜および前記マスクの上に前記上部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記上部電極を形成可能に構成されている。
【0018】
この場合、前記マスクの形成に際して、前記レジスト層の厚み方向における上面側が前記露出用孔の口縁において当該厚み方向における下面側よりも前記形成部位の上方に向けて突出するように当該露出用孔を形成可能に構成されているのが好ましい。
【0019】
また、本発明に係る薄膜圧電共振子は、上記の薄膜圧電共振子の製造方法に従って製造されている。
【0020】
また、本発明に係る電子部品は、上記の薄膜圧電共振子を含めて構成されている電子部品。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る薄膜圧電共振子の製造方法および製造装置、その製造方法に従って製造した薄膜圧電共振子、並びにその薄膜圧電共振子を含めて構成された電子部品の好適な実施の形態について説明する。
【0022】
最初に、薄膜圧電共振子1の構成について、図面を参照して説明する。
【0023】
図1,2に示す薄膜圧電共振子1は、本発明に係る薄膜圧電共振子に相当し、基体2、下部電極3,3,3、圧電膜4および上部電極6を備えて構成されている。この場合、薄膜圧電共振子1は、3つの単位薄膜圧電共振子U1〜U3(以下、区別しないときには「単位薄膜圧電共振子U」ともいう)を備えて構成されている。ここで、単位薄膜圧電共振子Uとは、下部電極3と上部電極6におけるその下部電極3に対向する部位とで挟まれる部分を含んで駆動時に共振子として機能する構成要素をいい、具体的には、下部電極3、上部電極6、および両電極3,6で挟まれた部位を含む圧電膜4で構成され、この各単位薄膜圧電共振子Uもそれぞれ本発明に係る薄膜圧電共振子を構成する。つまり、本発明に係る薄膜圧電共振子は、1つの単位薄膜圧電共振子Uを最小単位として構成され、複数の単位薄膜圧電共振子Uを備えても構成することもできる。また、薄膜圧電共振子1は、本発明に係る電子部品としてのフィルタとしても機能し、3つの単位薄膜圧電共振子U1〜U3が接続されることで、図3に示すように、直列−並列−直列タイプのフィルタとして機能する。なお、図2,5〜31では、本発明についての理解を容易とするために、各層の厚みを誇張して厚く図示すると共に、各層同士の厚みの比率を実際とは異なる比率で図示している。
【0024】
基体2は、図2に示すように、下部電極3,3,3、圧電膜4および上部電極6からなる積層体を支持するための支持基体であって、その厚みが100μm以上3000μm以下の範囲内となるように形成されたシリコン基板(ベアシリコンウエハ)11と、シリコン基板11の表裏両面にそれぞれ形成された下部バリア層12および上部バリア層13とを備えて構成されている。この場合、この薄膜圧電共振子1では、一例として厚みが200μm以上500μm以下の範囲内となるように形成されたシリコン基板11が使用されて、下部バリア層12および上部バリア層13が窒化ケイ素(SiN)または酸化ケイ素(SiO)によって0.03μm以上0.5μm以下の範囲内となるように形成されている。また、基体2には、薄膜圧電共振子1の駆動時における下部電極3、圧電膜4および上部電極6の振動が基体2によって吸収されるのを回避するために振動空間2aが形成されている。
【0025】
下部電極3は、Al、Pt、Au、Ag、Cr、CuまたはTiなどの金属材料によってその厚みが0.03μm以上1μm以下の範囲内となるように形成されている。この場合、この薄膜圧電共振子1では、後述するように、一例として、図11に示すように、その上面にマスクM2が形成された基体2の上にクロム(Cr)の薄膜を接着層3aとして形成した後に、金(Au)からなる電極材料層3bを形成した後にマスクM2を除去することで(リフトオフ法)下部電極3が形成される。なお、下部電極3および後述する上部電極6の形成に使用する金属材料としては、駆動時におけるリップルを小さくさせる場合には、そのポアソン比および密度が小さい金属材料(例えばAl)を採用するのが好ましい。また、通過信号の挿入損失を小さくさせる場合には、低抵抗の金属材料(例えばAu)を採用するのが好ましい。圧電膜4は、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O:PZT)または窒化アルミニウム(AlN)などで形成された圧電性を有する薄膜であり、その厚みが5μm以下となるように形成されている。この場合、この薄膜圧電共振子1では、一例として、その結合係数が比較的大きいことで知られている酸化亜鉛(ZnO)によって圧電膜4が厚み0.8μm程度に形成されている。また、薄膜圧電共振子1には、圧電膜4を貫通するようにして4つの貫通孔7,7,7,7が形成されて、図3に示すように、下部電極3の表面に対するボンディングワイヤW1〜W4等の接続(ボンディング)が可能に構成されている。
【0026】
上部電極6は、下部電極3と同様にして、Al、Pt、Au、Ag、Cr、CuまたはTiなどの金属によってその厚みが0.03μm以上1μm以下程度の薄膜状に形成されている。この場合、この薄膜圧電共振子1では、後述するように、一例として、図15に示すように、その上面にマスクM3が形成された圧電膜4の上にクロム(Cr)の薄膜を接着層6aとして形成した後に、金(Au)からなる電極材料層6bを形成して、その後にマスクM3を除去することで(リフトオフ法)上部電極6が形成される。
【0027】
次に、薄膜圧電共振子1を製造する薄膜圧電共振子製造装置51の構成について、図面を参照して説明する。
【0028】
図4に示す薄膜圧電共振子製造装置(以下、「製造装置」ともいう)51は、薄膜圧電共振子1を製造するための製造装置であって、成膜装置61、マスク形成装置62,64,67,69、エッチング装置63,70,71およびスパッタ装置65,66,68を備えて構成されている。成膜装置61は、シリコン基板11の表裏両面に化学的気相成長法(CVD)によって例えば窒化ケイ素(SiN)を付着させることにより、下部バリア層12および上部バリア層13を形成する。マスク形成装置62は、塗布装置62a、露光装置62bおよび現像装置62cを備えて、下部バリア層12の下面にマスクM1(図8参照)を形成する。エッチング装置63は、例えば反応性イオンエッチングによって下部バリア層12をエッチングする。マスク形成装置64は、塗布装置64a、露光装置64bおよび現像装置64cを備えて、基体2における上部バリア層13の上にマスクM2(図10参照)を形成する。スパッタ装置65は、図11に示すように、マスクM2が形成された上部バリア層13の上面にクロム(Cr)および金(Au)を順に積層して接着層3aおよび電極材料層3bを形成する。
【0029】
スパッタ装置66は、スパッタ装置65による接着層3aおよび電極材料層3bの形成後にマスクM2が除去されることによって基体2の上に形成された下部電極3(図12参照)を覆うようにして上部バリア層13の上に例えば酸化亜鉛(ZnO)を積層することによって圧電膜4を形成する。マスク形成装置67は、塗布装置67a、露光装置67bおよび現像装置67cを備えて、圧電膜4の上にマスクM3(図14参照)を形成する。スパッタ装置68は、マスクM3が形成された圧電膜4の上にクロム(Cr)および金(Au)を順に積層して接着層6aおよび電極材料層6bを形成する。マスク形成装置69は、塗布装置69a、露光装置69bおよび現像装置69cを備えて、スパッタ装置68による接着層6aおよび電極材料層6bの形成後にマスクM3が除去されることによって圧電膜4の上に形成された上部電極6(図16参照)を覆うようにして圧電膜4の上にマスクM4(図17参照)を形成する。エッチング装置70は、例えば酢酸を用いたウェットエッチング法によって圧電膜4をエッチングすることによって貫通孔7,7,7,7を形成し、エッチング装置71は、例えば水酸化カリウム(KOH)を用いたウェットエッチング法によってシリコン基板11をエッチングすることによって振動空間2aを形成する。
【0030】
次いで、薄膜圧電共振子1の製造方法について、図面を参照して説明する。
【0031】
まず、図5に示すように、成膜装置61が、シリコン基板11の表裏両面に窒化ケイ素(SiN)を付着させることにより、下部バリア層12および上部バリア層13を形成する。次に、図6に示すように、マスク形成装置62の塗布装置62aが、例えばポジ型のフォトレジストを塗布することにより、下部バリア層12の下面にレジスト層R1を形成する。次いで、図7に示すように、その表面に例えばクロム(Cr)によってマスクパターン21aが描かれたガラスマスク21をレジスト層R1に密着させた状態で、露光装置62bが、同図に示す矢印の向きで紫外線を照射してレジスト層R1に潜像を形成する(露光する)。次に、現像装置62cが、この状態のレジスト層R1を現像することにより、図8に示すように、下部バリア層12の下面にマスクM1を形成する。続いて、エッチング装置63が、下部バリア層12をエッチングする。これにより、図9に示すように、下部バリア層12の中央部(後に振動空間2aが形成される部位)が除去される。
【0032】
次に、図10に示すように、マスク形成装置64の塗布装置64aが、上部バリア層13の上にフォトレジストを塗布してレジスト層R2を形成した後に、露光装置64bがレジスト層R2を露光し、現像装置64cが現像を行うことにより、下部電極3の形成部位P3を露出させる露出用孔H3をレジスト層R2に形成して上部バリア層13の上にマスクM2を形成する。次いで、図11に示すように、スパッタ装置65が、マスクM2およびマスクM2から露出している上部バリア層13の上にクロム(Cr)および金(Au)を順に積層することにより、厚み10nm程度の接着層3aと、厚み100nm程度の電極材料層3bとを形成する。続いて、この状態の積層体をレジスト剥離用薬品に浸すことによって上部バリア層13からマスクM2を除去する。この際に、マスクM2の上に形成されていた接着層3aおよび電極材料層3bがマスクM2と共に上部バリア層13の上から除去されて、図12に示すように、上部バリア層13の上に下部電極3が形成される。この際に、マスクM2を除去するためのレジスト剥離用薬品によっては、基体2(上部バリア層13)が殆ど浸食されないため、除去すべき電極材料層3bおよび接着層3aがマスクM2と共に残留しないように十分にレジスト剥離用薬品に浸すことが可能となる。この結果、不要な電極材料層3bなどの残留を招くことなく必要な下部電極3のみが基体2の上に形成される。なお、マスクM2の剥離時や、後述するマスクM3の剥離時には、例えば超音波洗浄器を使用することによってレジスト(マスク)の剥離を促進することができる。次に、図13に示すように、スパッタ装置66が、上部バリア層13の上に下部電極3を覆うようにして例えば酸化亜鉛(ZnO)を積層することにより、厚みが0.8μm程度の圧電膜4を形成する。
【0033】
次いで、図14に示すように、マスク形成装置67が、圧電膜4の上にフォトレジストを塗布してレジスト層R3を形成した後に露光および現像を行うことにより、上部電極6の形成部位P6を露出させる露出用孔H6をレジスト層R3に形成して圧電膜4の上にマスクM3を形成する。続いて、図15に示すように、スパッタ装置68が、マスクM3およびマスクM3から露出している圧電膜4の上に例えばクロム(Cr)および金(Au)を順に積層することにより、厚み10nm程度の接着層6aと、厚み100nm程度の電極材料層6bとを形成する。次に、この状態の積層体をレジスト剥離用薬品に浸すことによって圧電膜4からマスクM3を除去する。この際に、マスクM3の上に形成されていた接着層6aおよび電極材料層6bがマスクM3と共に圧電膜4の上から除去されて、図16に示すように、圧電膜4の上に上部電極6が形成される。この際に、マスクM3を除去するためのレジスト剥離用薬品によっては、圧電膜4が大きく浸食されないため、除去すべき電極材料層6bおよび接着層6aがマスクM3と共に残留しないように十分にレジスト剥離用薬品に浸すことが可能となる。この結果、不要な電極材料層6bなどの残留を招くことなく必要な上部電極6のみが圧電膜4の上に形成される。
【0034】
次いで、図17に示すように、マスク形成装置69が、上部電極6を覆うようにして圧電膜4の上にフォトレジストを塗布してレジスト層R4を形成した後に、露光および現像を行うことによって圧電膜4の上にマスクM4を形成する。続いて、図18に示すように、エッチング装置70が、圧電膜4をエッチングして貫通孔7,7,7,7を形成する。次に、エッチング装置71が、シリコン基板11の下面に形成した下部バリア層12をマスクとしてシリコン基板11をエッチングする。これにより、同図に破線で示す部位が除去されて振動空間2aが形成され、この結果、図2に示すように、薄膜圧電共振子1が完成する。
【0035】
このように、この製造装置51による薄膜圧電共振子1の製造方法によれば、圧電膜4の上に形成したマスクM3と露出用孔H6から露出している圧電膜4との上に接着層6aおよび電極材料層6bを形成した後にレジスト剥離用薬品に浸してマスクM3を除去して上部電極6を形成する(リフトオフによって上部電極6を形成する)ことにより、上部電極6の形成に際して圧電膜4を浸食するエッチングの工程を不要とすることができる。したがって、圧電膜4の厚みにばらつきが生じたり圧電膜4上に接着層6aおよび電極材料層6bなどが残留したりする事態を回避することができるため、所望の電気的特性を有する薄膜圧電共振子1を確実かつ容易に製造することができる。また、この薄膜圧電共振子1でフィルタなどの電子部品を構成することにより、所望の電気的特性を満たす電子部品を提供することができる。
【0036】
また、この製造装置51による薄膜圧電共振子1の製造方法によれば、基体2の上に形成したマスクM2と露出用孔H3から露出している基体2(上部バリア層13)との上に接着層3aおよび電極材料層3bを形成した後にレジスト剥離用薬品に浸してマスクM2を除去して下部電極3を形成する(リフトオフによって下部電極3を形成する)ことにより、下部電極3の形成に際して基体2を浸食するエッチングの工程を不要とすることができる。したがって、基体2の厚みにばらつきが生じたり基体2上に接着層3aおよび電極材料層3bなどが残留したりする事態を回避することができるため、所望の電気的特性を有する薄膜圧電共振子1を確実かつ容易に製造することができる。この場合、下部電極3および上部電極6の双方をリフトオフによって形成することで、所望の電気的特性を有する薄膜圧電共振子1をより確実に製造することができる。
【0037】
さらに、この製造装置51による薄膜圧電共振子1の製造方法によれば、結合係数が比較的大きいZnOによって圧電膜4を形成することにより、フィルタ特性における通過帯域幅が広い薄膜圧電共振子1を製造することができる。この場合、この製造方法によれば、エッチング液を使用しないため、エッチング液に含まれる酢酸、リン酸および硝酸等の酸によって浸食され易いZnOを用いて圧電膜4を形成した場合であっても、所望の電気的特性を有する薄膜圧電共振子1を確実かつ容易に製造することができる。
【0038】
また、この製造装置51による薄膜圧電共振子1の製造方法によれば、導電性に優れたAuを用いて電極材料層6bを形成することにより、通過信号の挿入損失が小さい薄膜圧電共振子1を製造することができる。
【0039】
続いて、薄膜圧電共振子1の他の製造方法について、図面を参照して説明する。
【0040】
上記した製造装置51による薄膜圧電共振子1の製造方法では、マスク形成装置67によって圧電膜4の上にマスクM3を形成した後にスパッタ装置68によって接着層6aおよび電極材料層6bを形成し、その後にレジスト剥離用薬品に浸すことによってマスクM3を除去して上部電極6を形成している。この場合、塗布装置67aによるレジスト層R3の形成時に、マスクの形成材料として一般的なポジ型のレジスト材料を使用したときには、露光装置67bによって紫外線を照射した際に(露光した際に)ポジティブスロープの潜像がレジスト層R3に形成されることがある。この結果、図19に示すように、現像装置67cによって現像した際に、その側壁部分がポジティブスロープの露出用孔H6(以下、この状態の露出用孔H6を「露出用孔Hx」ともいう)が形成される。この状態のマスクM3および露出用孔Hxから露出している圧電膜4に対してスパッタ装置68によって接着層6aおよび電極材料層6bを形成した際には、図20に示すように、露出用孔Hxの側壁部分にもクロム(Cr)および金(Au)が積層されて、マスクM3上の接着層6aおよび電極材料層6bと、露出用孔Hx内(圧電膜4上)の接着層6aおよび電極材料層6bとが繋がることがある。かかる状態では、レジスト剥離用薬品に浸してマスクM3を除去する際にマスクM3にレジスト剥離用薬品が十分に浸透できないことに起因してマスクM3の剥離(除去)が妨げられたり、図21に示すように、上部電極6の端部にバリ6x(露出用孔H6の側壁部分に積層された接着層6aおよび電極材料層6bの残留物)が形成されたりするおそれがある。このため、かかる事態の発生を回避するのが好ましい。
【0041】
したがって、まず、図22に示すように、マスク形成装置67が、例えば、クラリアントジャパン株式会社製のフォトレジスト(AZ5200Eシリーズ)を使用して圧電膜4の上にレジスト層R3aを形成した後に露光および現像を行うことにより、レジスト層R3aに露出用孔Haを形成して圧電膜4の上にマスクM3aを形成する。この場合、レジスト層R3aの形成に使用したフォトレジストは、紫外線を照射した際に(露光した際に)ネガティブスロープの潜像が形成される。したがって、このレジスト層R3aを現像した際には、同図に示すように、レジスト層R3aの厚み方向における上面側(すなわち、後に接着層6aおよび電極材料層6bを形成する形成面側)が露出用孔Haの口縁においてその内側(すなわち、上部電極6の形成部位P6の上方)に向けて突出するネガティブスロープの露出用孔Haが形成される。
【0042】
次に、図23に示すように、スパッタ装置68が、マスクM3aおよびマスクM3aから露出している圧電膜4の上に例えばクロム(Cr)および金(Au)を順に積層することにより、接着層6aおよび電極材料層6bを順に形成する。この際に、マスクM3aに形成されている露出用孔Haの側壁部分がネガティブスロープのため、この側壁部分にクロム(Cr)および金(Au)が積層される事態が回避されて、マスクM3a上の接着層6aおよび電極材料層6bと、露出用孔Ha内における圧電膜4上の接着層6aおよび電極材料層6bとが別個独立して形成される。この後、レジスト剥離用薬品に浸してマスクM3aを除去することによって圧電膜4の上に上部電極6を形成した後に、貫通孔7,7,7,7の形成と、振動空間2aの形成とを順に実行することにより、図2に示すように、薄膜圧電共振子1が完成する。この製造方法によれば、その側壁部分がネガティブスロープの露出用孔Haをレジスト層R3aに形成してマスクM3aを形成したことにより、スパッタ装置68によって接着層6aおよび電極材料層6bを形成する際に露出用孔Haの側壁部分に接着層6aおよび電極材料層6bが形成される事態を回避することができる。したがって、レジスト剥離用薬品に浸してマスクM3aを除去する際にマスクM3aにレジスト剥離用薬品を十分に浸透させることができる結果、マスクM3aを確実に剥離(除去)することができると共に、上部電極6の端部にバリ6xが形成される事態を確実に回避することができる。
【0043】
この場合、マスクM3aを使用した上部電極6の形成方法と同様にして、紫外線を照射した際にネガティブスロープの潜像が形成されるレジスト材料を用いて形成したレジスト層からなるマスクを使用して下部電極3を形成することもできる。この製造方法によれば、接着層3aおよび電極材料層3bを形成する際に下部電極形成用の露出用孔における側壁部分に接着層3aおよび電極材料層3bが形成される事態を回避することができる。したがって、レジスト剥離用薬品に浸して下部電極形成用のマスクを除去する際にマスクにレジスト剥離用薬品を十分に浸透させることができる結果、マスクを確実に剥離(除去)することができると共に、下部電極3の端部にバリが形成される事態を確実に回避することができる。
【0044】
一方、上記の製造方法において形成したマスクM3aとは異なり、一般的なポジ型のレジスト材料を使用して上記の製造方法と同様の効果を得ることができる。具体的には、まず、マスク形成装置67の塗布装置67aが、ポジ型のレジスト材料によって圧電膜4の上にレジスト層R3を形成する。次に、この状態のレジスト層R3をクロロベンゼン(本発明における「ベンゼン系の溶剤」の一例)に浸して表面処理する。この場合、クロロベンゼンに代えてブロモベンゼン等の各種のベンゼン系溶剤を使用することもできる。次いで、表面処理したレジスト層R3に対してマスク形成装置67の露光装置67bが露光を行い、現像装置67cが現像を行う。この際に、図24に示すように、クロロベンゼンによって表面処理されたレジスト層R3の厚み方向における上面側(すなわち、後に接着層6aおよび電極材料層6bを形成する形成面側)が露出用孔Hbの口縁においてその内側(すなわち、上部電極6の形成部位P6の上方)に向けて突出するように変形して、これにより、露出用孔Hbが形成されて圧電膜4の上にマスクM3bが形成される。
【0045】
次に、図25に示すように、スパッタ装置68が、マスクM3bおよびマスクM3bから露出している圧電膜4の上に例えばクロム(Cr)および金(Au)を順に積層することにより、接着層6aおよび電極材料層6bを順に形成する。この際に、マスクM3bに形成されている露出用孔Hbの口縁部分が圧電膜4における上部電極6の形成部位P6の上方に突出しているため、露出用孔Hbの側壁部分にクロム(Cr)および金(Au)が積層される事態が回避されて、マスクM3b上の接着層6aおよび電極材料層6bと、露出用孔Hb内における圧電膜4上の接着層6aおよび電極材料層6bとが別個独立して形成される。この後、レジスト剥離用薬品に浸してマスクM3bを除去することによって、圧電膜4の上に上部電極6を形成した後に、貫通孔7,7,7,7の形成と、振動空間2aの形成とを順に実行することにより、図2に示すように、上記のマスクM3aを形成する製造方法と同様にして、薄膜圧電共振子1が完成する。この製造方法によれば、形成したレジスト層R3をベンゼン系の溶剤(この場合、クロロベンゼン)に浸して表面処理した後に露出用孔Hbを形成してマスクM3bを形成することにより、特殊なレジスト材料を使用することなく、上部電極6の形成時にマスクM3bを確実に剥離(除去)することができると共に、上部電極6の端部にバリ6xが形成される事態を確実に回避することができる。
【0046】
また、上記の製造方法において形成したマスクM3,M3a,M3bに代えて、レジスト層R3b,R3cの2層からなるマスクM3c(図27参照)を形成する製造方法を採用することもできる。具体的には、この製造方法では、まず、予め露光処理したポジ型レジスト材料を圧電膜4の上に塗布することによってレジスト層R3b(本発明における第1のレジスト層:図26参照)を形成する。この際に、通常のポジ型レジスト材料を塗布した後に、その全体を露光することによってレジスト層R3bを形成することもできる。これにより、現像液によって溶融可能なレジスト層R3bが圧電膜4の上に形成される。次に、この状態のレジスト層R3bをプレべークした後に、図26に示すように、レジスト層R3bを覆うようにしてポジ型のレジスト材料を塗布することによってレジスト層R3c(本発明における第2のレジスト層)を形成する。次いで、この状態のレジスト層R3cをプレべークした後に露光することにより、レジスト層R3cにおける形成部位P6の上方に潜像を形成する。続いて、この状態のレジスト層R3b,R3cを現像液に浸す。この際には、図27に示すように、まず、レジスト層R3cにおける潜像の形成部位(露光した部位)が現像液によって溶融し、次いで、レジスト層R3cにおける溶融した部位によって覆われていた部位のレジスト層R3bが現像液によって溶融する。これにより、両レジスト層R3b,R3cを貫通して圧電膜4における上部電極6の形成部位P6を露出可能な露出用孔Hcを有するマスクM3cが圧電膜4の上に形成される。この場合、このマスクM3cは、その厚み方向における上面側(すなわち、後に接着層6aおよび電極材料層6bを形成する形成面側)が露出用孔Hcの口縁(レジスト層R3cに形成された開口部)においてその内側(すなわち、上部電極6の形成部位P6の上方)に向けて突出するように形成される。
【0047】
次に、図28に示すように、スパッタ装置68が、マスクM3cおよびマスクM3cから露出している圧電膜4の上に例えばクロム(Cr)および金(Au)を順に積層することにより、接着層6aおよび電極材料層6bを順に形成する。この際に、マスクM3cに形成されている露出用孔Hcの口縁部分(レジスト層R3cに形成された開口部)が圧電膜4における上部電極6の形成部位P6の上方に突出しているため、マスクM3c上の接着層6aおよび電極材料層6bと、露出用孔Hc内における圧電膜4上の接着層6aおよび電極材料層6bとが別個独立して形成される。この後、レジスト剥離用薬品に浸してマスクM3cを除去することによって圧電膜4の上に上部電極6を形成した後に、貫通孔7,7,7,7の形成と、振動空間2aの形成とを順に実行することにより、図2に示すように、上記のマスクM3aを形成する製造方法と同様にして、薄膜圧電共振子1が完成する。この製造方法によれば、レジスト層R3bの上にレジスト層R3cを形成して、その口縁部分が上部電極6の形成部位P6の上方に向けて突出する露出用孔Hcを形成することにより、上部電極6の形成時にマスクM3cを確実に剥離(除去)することができると共に、上部電極6の端部にバリ6xが形成される事態を確実に回避することができる。
【0048】
この場合、マスクM3b,M3cを使用した上部電極6の形成方法と同様にして、その厚み方向における上面側が下部電極形成用の露出用孔における口縁においてその内側(すなわち、下部電極3の形成部位P3の上方)に向けて突出するよう形成したマスクを使用して下部電極3を形成することもできる。この製造方法によれば、マスク上の接着層3aおよび電極材料層3bと、露出用孔内における基体2上の接着層3aおよび電極材料層3bとが別個独立して形成されるため、レジスト剥離用薬品に浸して下部電極形成用のマスクを除去する際にマスクにレジスト剥離用薬品を十分に浸透させることができる結果、マスクを確実に剥離(除去)することができると共に、下部電極3の端部にバリが形成される事態を確実に回避することができる。
【0049】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、シリコン基板11、下部バリア層12および上部バリア層13からなる基体2の上に下部電極3、圧電膜4および上部電極6を形成する製造方法について説明したが、本発明に係る製造方法において使用する基体の構成はこれに限定されない。例えば、図29に示す薄膜圧電共振子1Aのように、例えば窒化アルミニウム(AlN)の薄膜32aと、酸化ケイ素(SiO)の薄膜32bとを交互に積層して構成した基体32(音響多層膜)の上に下部電極3、圧電膜4および上部電極6を形成する製造方法を採用することができる。この製造方法によれば、前述した薄膜圧電共振子1の製造方法において使用した基体2と比較して、単位薄膜圧電共振子Uの部分が厚手となっている分だけ基体32の強度を高めることができるため、衝撃等による破損を回避し得る薄膜圧電共振子1Aを製造することができる。
【0050】
また、本発明の実施の形態では、スパッタ装置65がクロム(Cr)を積層して接着層3aを形成した後に金(Au)を積層して電極材料層3bを形成することによって下部電極3を形成し、スパッタ装置68がクロム(Cr)を積層して接着層6aを形成した後に金(Au)を積層して電極材料層6bを形成することによって上部電極6を形成する製造方法について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図30に示すように、スパッタ装置65がアルミニウム(Al)を積層して電極材料層3bを形成した後にリフトオフすることで上部バリア層13の上に電極材料層3bを形成し、スパッタ装置68がアルミニウム(Al)を積層して電極材料層6bを形成した後にリフトオフすることで圧電膜4の上に上部電極6を形成して薄膜圧電共振子1Bを製造する製造方法を採用することができる。また、図31に示すように、スパッタ装置65がアルミニウム(Al)を積層して電極材料層3bを形成した後にリフトオフすることで薄膜32bの上に電極材料層3bを形成し、スパッタ装置68がアルミニウム(Al)を積層して電極材料層6bを形成した後にリフトオフすることで圧電膜4の上に上部電極6を形成して薄膜圧電共振子1Cを製造する製造方法を採用することができる。この製造方法によれば、下部電極3および上部電極6を形成しているアルミニウムが軽量のため、例えば共振周波数が十分に高い薄膜圧電共振子を確実かつ容易に製造することができる。
【0051】
さらに、本発明の実施の形態では、レジスト層における厚み方向の上面側が露出用孔の口縁において厚み方向の下面側よりもその形成部位の上方に向けて突出するように露出用孔を形成したマスクについて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、レジスト層における厚み方向のいずれか一部の部位(例えば、厚み方向の中央部)が厚み方向の下面側よりもその形成部位の上方に向けて突出するように露出用孔を形成してマスクを構成することもできる。また、本発明の実施の形態に係る製造方法において使用した各種の材料についてはあくまでも例示であって、本発明はこれらの材料を使用した製造方法に限定されるものではない。さらに、本発明の実施の形態では、3つの単位薄膜圧電共振子U1〜U3を使用して直列−並列−直列タイプのラダーフィルタとして機能する電子部品について説明したが、本発明に係る電子部品の構成はフィルタに限定されず、デュプレクサとしても構成することができる。この場合、単位薄膜圧電共振子Uの使用個数、および接続形態については、本発明の実施の形態に例示したものに限定されず、任意に規定することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る薄膜圧電共振子の製造方法および製造装置によれば、圧電膜の上に形成したマスクと露出用孔から露出している圧電膜との上に電極材料層を形成した後にマスクを除去して上部電極を形成することにより、上部電極の形成に際して圧電膜を浸食するエッチングの工程を不要とすることができる。したがって、圧電膜の厚みにばらつきが生じたり圧電膜上に電極材料層などが残留したりする事態を回避することができるため、所望の電気的特性を有する薄膜圧電共振子を確実かつ容易に製造することができる。また、この薄膜圧電共振子でフィルタなどの電子部品を構成することにより、所望の電気的特性を満たす電子部品を提供することができる。
【0053】
また、本発明に係る薄膜圧電共振子の製造方法および製造装置によれば、基体を覆うようにして形成したマスクと露出用孔から露出している基体との上に電極材料層を形成した後にマスクを除去して下部電極を形成することにより、下部電極の形成に際して基体を浸食するエッチングの工程を不要とすることができる。したがって、基体の厚みにばらつきが生じたり基体上に電極材料層などが残留したりする事態を回避することができるため、所望の電気的特性を有する薄膜圧電共振子を確実かつ容易に製造することができる。また、この薄膜圧電共振子でフィルタなどの電子部品を構成することにより、所望の電気的特性を満たす電子部品を提供することができる。この場合、下部電極および上部電極の双方をリフトオフによって形成することにより、所望の電気的特性を有する薄膜圧電共振子をより確実に製造することができる。
【0054】
また、本発明に係る薄膜圧電共振子の製造方法および製造装置によれば、レジスト層の厚み方向における電極材料層の形成面側が露出用孔の口縁において上部電極の形成部位の上方に向けて突出するように露出用孔を形成することにより、電極材料層を形成する際に露出用孔の側壁部分に電極材料層が形成される事態を回避することができる。したがって、レジスト剥離用薬品に浸してマスクを除去する際にマスクにレジスト剥離用薬品を十分に浸透させることができる結果、マスクを確実に剥離(除去)することができると共に、上部電極の端部にバリが形成される事態を確実に回避することができる。
【0055】
さらに、本発明に係る薄膜圧電共振子の製造方法および製造装置によれば、形成したレジスト層をベンゼン系の溶剤に浸して表面処理した後に露出用孔を形成してマスクを形成することにより、特殊なレジスト材料を使用することなく、電極(上部電極および下部電極の少なくとも一方、以下、単に「電極」という)の形成時にマスクを確実に剥離(除去)することができると共に、電極の端部にバリが形成される事態を確実に回避することができる。
【0056】
また、本発明に係る薄膜圧電共振子の製造方法および製造装置によれば、第1のレジスト層の上に第2のレジスト層を形成して、両レジスト層を貫通し、かつその口縁部分が形成部位の上方に向けて突出する露出用孔を形成することにより、特殊なレジスト材料を使用することなく、電極の形成時にマスクを確実に剥離(除去)することができると共に、電極の端部にバリが形成される事態を確実に回避することができる。
【0057】
さらに、本発明に係る薄膜圧電共振子の製造方法および製造装置によれば、圧電膜をZnOによって形成することにより、フィルタ特性における通過帯域幅が広い薄膜圧電共振子を製造することができる。この場合、この製造方法によれば、エッチング液を使用しないため、エッチング液に含まれる酢酸、リン酸および硝酸等の酸によって浸食され易いZnOを用いて圧電膜を形成した場合であっても、所望の電気的特性を有する薄膜圧電共振子を確実かつ容易に製造することができる。
【0058】
また、本発明に係る薄膜圧電共振子の製造方法および製造装置によれば、電極材料層をAlによって形成することにより、共振周波数が十分に高い薄膜圧電共振子を製造することができる。また、電極材料層をAuによって形成することにより、通過信号の挿入損失が小さい薄膜圧電共振子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る製造方法に従って製造した薄膜圧電共振子1の平面図である。
【図2】薄膜圧電共振子1の層構造を示す図1におけるA−A線の断面図である。
【図3】薄膜圧電共振子1の等価回路図である。
【図4】薄膜圧電共振子1を製造する薄膜圧電共振子製造装置51の構成を示すブロック図である。
【図5】シリコン基板11の下面および上面に下部バリア層12および上部バリア層13を形成した状態の断面図である。
【図6】下部バリア層12の下面にレジスト層R1を形成した状態の断面図である。
【図7】レジスト層R1の下面にガラスマスク21を当接させて露光している状態の断面図である。
【図8】レジスト層R1を現像してマスクM1を形成した状態の断面図である。
【図9】マスクM1を使用して下部バリア層12をエッチングした状態の断面図である。
【図10】上部バリア層13の上面にマスクM2を形成した状態の断面図である。
【図11】マスクM2および上部バリア層13の上に接着層3aおよび電極材料層3bを形成した状態の断面図である。
【図12】レジスト剥離用薬品によってマスクM2を除去して上部バリア層13の上に下部電極3を形成した状態の断面図である。
【図13】下部電極3を覆うようにして圧電膜4を形成した状態の断面図である。
【図14】圧電膜4の上面にマスクM3を形成した状態の断面図である。
【図15】マスクM3および圧電膜4の上に接着層6aおよび電極材料層6bを形成した状態の断面図である。
【図16】レジスト剥離用薬品によってマスクM3を除去して圧電膜4の上に上部電極6を形成した状態の断面図である。
【図17】上部電極6を覆うようにしてマスクM4を形成した状態の断面図である。
【図18】マスクM4を使用して圧電膜4をエッチングして貫通孔7,7,7,7を形成した状態の断面図である。
【図19】圧電膜4の上面にマスクM3を形成した状態の他の断面図である。
【図20】図19に示す状態のマスクM3および圧電膜4の上に接着層6aおよび電極材料層6bを形成した状態の断面図である。
【図21】図20に示す状態のマスクM3をレジスト剥離用薬品によって除去して圧電膜4の上に上部電極6を形成した状態の断面図である。
【図22】本発明の他の実施の形態に係る製造方法において圧電膜4の上面にマスクM3aを形成した状態の断面図である。
【図23】本発明の他の実施の形態に係る製造方法においてマスクM3aおよび圧電膜4の上に接着層6aおよび電極材料層6bを形成した状態の断面図である。
【図24】本発明の他の実施の形態に係る製造方法においてレジスト層R3の表面をベンゼン系の溶剤によって軟化させてマスクM3bを形成した状態の断面図である。
【図25】本発明の他の実施の形態に係る製造方法においてマスクM3bおよび圧電膜4の上に接着層6aおよび電極材料層6bを形成した状態の断面図である。
【図26】本発明の他の実施の形態に係る製造方法において圧電膜4の上面にレジスト層R3b,R3cを形成した状態の断面図である。
【図27】本発明の他の実施の形態に係る製造方法においてレジスト層R3b,R3cを現像してマスクM3cを形成した状態の断面図である。
【図28】本発明の他の実施の形態に係る製造方法においてマスクM3cおよび圧電膜4の上に接着層6aおよび電極材料層6bを形成した状態の断面図である。
【図29】本発明の他の実施の形態に係る製造方法に従って製造した薄膜圧電共振子1Aの層構造を示す断面図である。
【図30】本発明の他の実施の形態に係る製造方法に従って製造した薄膜圧電共振子1Bの層構造を示す断面図である。
【図31】本発明の他の実施の形態に係る製造方法に従って製造した薄膜圧電共振子1Cの層構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1A〜1C 薄膜圧電共振子
2,32 基体
3 下部電極
3a,6a 接着層
3b,6b 電極材料層
4 圧電膜
6 上部電極
51 薄膜圧電共振子製造装置
66 スパッタ装置
64,67 マスク形成装置
65,68 スパッタ装置
H3,H6,Ha〜Hc 露出用孔
M2,M3,M3a〜M3c マスク
P3,P6 形成部位
R2,R3,R3a〜R3c レジスト層
U1〜U3 単位薄膜圧電共振子

Claims (14)

  1. 基体の上に形成した下部電極を覆うようにして当該基体の上に圧電膜を形成した後に当該圧電膜を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記圧電膜における上部電極の形成部位を露出させる露出用孔を前記レジスト層に形成することによって当該圧電膜の上に前記レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記圧電膜および前記マスクの上に前記上部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記上部電極を形成する薄膜圧電共振子の製造方法。
  2. 基体を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記基体における下部電極の形成部位を露出させる露出用孔を前記レジスト層に形成することによって当該基体の上に前記レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記基体および前記マスクの上に前記下部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記下部電極を形成し、当該下部電極を覆うようにして前記基体の上に圧電膜を形成した後に当該圧電膜の上に上部電極を形成する薄膜圧電共振子の製造方法。
  3. 基体を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記基体における下部電極の形成部位を露出させる露出用孔を前記レジスト層に形成することによって当該基体の上に前記レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記基体および前記マスクの上に前記下部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記下部電極を形成し、当該下部電極を覆うようにして前記基体の上に圧電膜を形成した後に当該圧電膜を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記圧電膜における上部電極の形成部位を露出させる露出用孔を当該圧電膜上の前記レジスト層に形成することによって当該圧電膜の上に当該レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記圧電膜および前記マスクの上に前記上部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記上部電極を形成する薄膜圧電共振子の製造方法。
  4. 前記マスクの形成に際して、前記レジスト層の厚み方向における上面側が前記露出用孔の口縁において当該厚み方向における下面側よりも前記形成部位の上方に向けて突出するように当該露出用孔を形成する請求項1から3のいずれかに記載の薄膜圧電共振子の製造方法。
  5. 前記レジスト層を形成した後にベンゼン系の溶剤に浸して当該レジスト層を表面処理し、その後に前記形成部位を露出させるようして前記レジスト層に前記露出用孔を形成する請求項4記載の薄膜圧電共振子の製造方法。
  6. 現像液によって溶融可能な第1のレジスト層を形成した後に当該第1のレジスト層を覆うようにして第2のレジスト層を形成し、当該第2のレジスト層を露光処理した後に前記現像液に浸して前記両レジスト層を貫通させることによって前記露出用孔を形成する請求項4記載の薄膜圧電共振子の製造方法。
  7. 前記圧電膜をZnOによって形成する請求項1から6のいずれかに記載の薄膜圧電共振子の製造方法。
  8. 前記電極材料層をAlまたはAuによって形成する請求項1から7のいずれかに記載の薄膜圧電共振子の製造方法。
  9. 基体の上に形成した下部電極を覆うようにして当該基体の上に圧電膜を形成した後に当該圧電膜を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記圧電膜における上部電極の形成部位を露出させる露出用孔を前記レジスト層に形成することによって当該圧電膜の上に前記レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記圧電膜および前記マスクの上に前記上部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記上部電極を形成可能に構成されている薄膜圧電共振子の製造装置。
  10. 基体を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記基体における下部電極の形成部位を露出させる露出用孔を前記レジスト層に形成することによって当該基体の上に前記レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記基体および前記マスクの上に前記下部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記下部電極を形成し、当該下部電極を覆うようにして前記基体の上に圧電膜を形成した後に当該圧電膜の上に上部電極を形成可能に構成されている薄膜圧電共振子の製造装置。
  11. 基体を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記基体における下部電極の形成部位を露出させる露出用孔を前記レジスト層に形成することによって当該基体の上に前記レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記基体および前記マスクの上に前記下部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記下部電極を形成し、当該下部電極を覆うようにして前記基体の上に圧電膜を形成した後に当該圧電膜を覆うようにしてレジスト層を形成し、前記圧電膜における上部電極の形成部位を露出させる露出用孔を当該圧電膜上の前記レジスト層に形成することによって当該圧電膜の上に当該レジスト層からなるマスクを形成した後に、前記露出用孔から露出している前記圧電膜および前記マスクの上に前記上部電極を形成するための電極材料層を形成し、その後に前記マスクを除去することによって当該マスク上の前記電極材料層を除去して前記上部電極を形成可能に構成されている薄膜圧電共振子の製造装置。
  12. 前記マスクの形成に際して、前記レジスト層の厚み方向における上面側が前記露出用孔の口縁において当該厚み方向における下面側よりも前記形成部位の上方に向けて突出するように当該露出用孔を形成可能に構成されている請求項9から11のいずれかに記載の薄膜圧電共振子の製造装置。
  13. 請求項1から8のいずれかに記載の薄膜圧電共振子の製造方法に従って製造されている薄膜圧電共振子。
  14. 請求項13記載の薄膜圧電共振子を含めて構成されている電子部品。
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