JP2010087577A - 薄膜圧電共振器の製造方法 - Google Patents

薄膜圧電共振器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電極端面を所望の形状にしてスプリアスの少ない薄膜圧電共振器の製造方法を提供する。
【解決手段】基板1上に下部電極2と圧電膜3を順に積層する第1工程と、圧電膜3の上面に第1端面10aを有する第1のマスク10を形成する第2工程であって、第1端面10aは、上下方向から透視した状態で下端部が下部電極2と圧電膜3との重なる部分より内側に位置し、且つ圧電膜3の表面に対してなす角が90度以下である第1のマスク10を形成する第2工程と第1のマスク10上に第2端面11aを有する第2のマスク11を形成する第3工程であって、第2端面11aは、上面視した状態で上端部が第1端面10aの上端部よりも外側に位置し、且つ第1のマスク10の表面に対して内角が鈍角をなす第2のマスク11を形成する第3工程と、圧電膜3上に導電性材料を第1端面と接するように積層する第4工程と、第1のマスク10と第2のマスク11とを除去して上部電極4を形成する第5工程とを有する。
【選択図】 図3−1

Description

本発明は、移動体通信機器、無線通信等に使用される、圧電体の共振性を利用した薄膜圧電共振器の製造方法に関するものである。
世界的に普及している携帯電話等に代表される移動体通信機器で、数多くの周波数が存在する中から所望の周波数だけを取り出すことのできるフィルタ装置が重要である。
現在、通信用のフィルタ装置として、圧電体に電圧を印加することによって発生する音響波を用いた素子を利用したものが知られている。例えば、圧電体の表面に櫛歯電極を用いて電圧を印加する弾性表面波(Surface Acoustic Wave:SAW)フィルタや圧電体を電極で挟む薄膜圧電共振器(Film Bulk Acoustic Resonator:FBAR)フィルタなどがある。
近年、無線通信に使用する帯域が高周波数化していることから、弾性表面波を利用している弾性表面波フィルタにおいて、櫛歯電極の電極指を細くする必要がある。しかしながら、周波数の帯域をさらに高くしていくためには、サブミクロンレベルの微細加工が必要となり、安価に作製することが難しい。また、電極指を細くすることは電極指の抵抗や耐電力性などの点において難しい。
これに対して、薄膜圧電共振器フィルタは、圧電膜の厚み方向の縦振動を利用するので、圧電膜の膜厚を薄くすれば動作帯域の高周波数化を容易に実現出来る。例えば、共振周波数が2GHzであれば1μm〜2μmの圧電膜の膜厚に対応し、共振周波数が5GHzであれば0.4μm〜0.8μmの圧電膜の膜厚に対応する。また、この薄膜圧電共振器フィルタは、平面の方向の加工寸法が1μmレベルあれば十分であることから、高周波数化に伴う製造コストの上昇を招くことがない。
さらに、薄膜圧電共振器フィルタは弾性表面波フィルタと比べると急峻な周波数特性、小型化、コストといった面で優れている。
ここで、薄膜圧電共振器フィルタは、複数の薄膜圧電共振器によって構成され、その薄膜圧電共振器は、下部電極と上部電極に挟まれた圧電膜から形成される。その薄膜圧電共振器に電圧が印加されると圧電膜は電気エネルギーの一部を音響波に変換し、圧電膜内で音響波は空気/共振器界面において反射を繰り返し共振が起こる。その音響波の共振周波数で動作可能な場合、薄膜圧電共振器は共鳴器として機能するため、周波数フィルタとして利用することができる。
このような薄膜圧電共振器の製造方法は、次のようにして作製される。まず、基板上に犠牲層を形成し、下部電極、圧電膜、上部電極を基板及び犠牲層上に順次積層する。その後、犠牲層に通じる貫通穴を開けて、エッチングをすることによって犠牲層を除去する。
ここで、上部電極を形成する際に、スパッタや蒸着等によって導電層を成膜した後、その上にフォトレジストをスピンコートで塗布し、露光することによってマスクパターンを作製する。その後、ウエットエッチングやドライエッチングなどにより電極層をパターニングして上部電極を形成する(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2008−66792号公報 特開2006−345170号公報
しかしながら、上部電極をエッチングによりパターニングする際、上部電極を所望の形状に形成することが難しいという問題があった。
例えば、導電性材料を積層した導電層上に、レジスト膜を積層してドライエッチングにより導電層をパターニングする場合、レジスト膜から露出する導電層部だけでなく、レジスト膜自体も多少エッチングされる。そのため、レジスト膜が薄い部分では、導電層が露出してしまうことがある。その結果、上部電極のうち、本来はエッチングされるべきでない部分がエッチングされてしまうことがあり、共振部を構成する上部電極の膜厚が不均一になってしまうことがあった。
その場合、共振部を構成する上部電極の膜厚が一定でなくなるため、共振部全体の膜厚が不均一となり、スプリアス振動が生じてリップルが信号に混ざってしまうことによって、高周波特性が劣化するという問題があった。
また、ウエットエッチングを用いる際にも、エッチング液の回り込みによるサイドエッチがあるために、共振部を構成する上部電極の端部の断面形状が順メサ形状になることが多く、所望の電極形状を作ることが難しいという問題がある。上部電極の端部の断面形状が順メサ形状になると、共振部を構成する端部の膜厚が不均一になる。それにより、スプリアス振動が生じるため、リップルが信号に混じってしまい、インピーダンス特性で反共振周波数が低くなったり、反共振抵抗が小さくなったりするという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、これらを解決した薄膜圧電共振器の製造方法を提供することである。
本発明の薄膜圧電共振器の製造方法は、基板上に下部電極と圧電膜を順に積層する第1工程と、前記圧電膜の上面に第1端面を有する第1のマスクを形成する第2工程であって、前記第1端面は、上下方向から透視した状態で下端部が前記下部電極と前記圧電膜との重なる部分の内側に位置し、且つ前記圧電膜の表面となす角が90度以下である第1のマスクを形成する第2工程と、前記第1のマスク上に第2端面を有する第2のマスクを形成する第3工程であって、前記第2端面は、上面視した状態で上端部が前記第1端面の上端部よりも外側に位置し、且つ前記第1のマスクの表面に対して内角が鈍角をなす第2のマスクを形成する第3工程と、前記圧電膜上に導電性材料を前記第1端面と接するように積層する第4工程と、前記第2のマスクを除去して前記導電性材料からなる上部電極を形成する第5工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の薄膜圧電共振器の製造方法は、基板上に下部電極と圧電膜を順に積層する第1´工程と、前記圧電膜の上面に端面を有するマスクを形成する第2´工程であって、前記端面は、上下方向から透視した状態で下端部が前記下部電極と前記圧電膜との重なる部分より内側に位置し、且つ前記圧電膜の表面となす角が90度以下であるマスクを形成する第2´工程と前記圧電膜上に導電性材料を前記端面と接するように積層することにより前記導電性材料からなる上部電極を形成する第3´工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、共振部を構成する部分の上部電極の膜厚を均一化することができるので、スプリアスを軽減し、リップルを小さくすることができる薄膜圧電共振器を提供することができる。
さらに本発明によれば、スプリアスを軽減することができる薄膜圧電共振器の製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係る薄膜圧電共振器の製造方法について、実施形態の一例を図面に基づいて詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は実施形態1に係る薄膜圧電共振器の製造方法により製造された薄膜圧電共振器を示す断面図であり、図2は薄膜圧電共振器の平面図である。図1の断面図は、図2のP−P´線で切断した時の断面に相当する。なお、図2において、斜線を引いた部分は下部電極2と圧電膜3が重なっている範囲7であり、点線は圧電膜3の下にある下部電極2の外縁である。
以下、実施形態1の薄膜圧電共振器の製造方法で作製された薄膜圧電共振器について説明する。
実施形態1に係る薄膜圧電共振器は、図1に示すように基板1の上に下部電極2と圧電膜3と上部電極4とを積層してなる。さらに、熱酸化膜8と下部電極2との間には空洞6が設けられている。この薄膜圧電共振器は、下部電極2と上部電極4で挟持された圧電膜3に電圧が付与されて、電気エネルギーが音響波に変換される。発生した音響波は、空洞6と保護層17の外部との間で反射され、反射を繰り返すことにより共振器として機能する。
共振部5は、圧電膜3を下部電極2と上部電極4で挟持した部分であり、この部分に電圧が付与されることにより音響波が発生し、空気との界面で反射を繰り返す。
上部電極4の端面4aは、図1に示すように圧電膜3の表面となす角θが90度以上で、且つ180度より小さく、図2の斜線で表した範囲7内に形成される。そのような端面4aは、図1の非共振部31に示すように、圧電膜3と接しないため、不要な共振は起こりにくい。それにより、不要なスプリアス振動がリップルとして信号に混じりにくいという効果を奏する。
これを、図8に示す従来の薄膜圧電共振器の断面図と比較しながら説明する。
図8は、圧電膜22上に積層した導電性材料からなる電極層をウエットエッチングによりパターニングして上部電極24を形成した場合の薄膜圧電共振器の断面図である。ウエットエッチングを用いると、レジストの下までエッチング液が回り込んでエッチングすることから、上部電極24の端部が順メサ形状となりやすい。そのような形状からなる上部電極24の端部が下部電極25と圧電膜22を挟持することによって、この部分も共振に寄与することとなる。それにより、不要な共振部20が形成される。この不要な共振部20における、上部電極24の端部の膜厚は、共振部19における上部電極24の膜厚とは異なる。そのため、スプリアス振動がリップルとして信号に混じってしまう。これに対し、図1に示す薄膜圧電共振器は上部電極4の端面4aが圧電膜3と接していないため、共振部5以外の部分で不要な共振は起こりにくく、不要なスプリアス振動がリップルとして信号に混じりにくい。
端面4aと圧電膜3の表面とのなす角θのより好ましい角度は、90度以上135度以下である。角度をこの範囲にすることで、端面4aと、下部電極2との間で寄生容量がほとんど発生することがなく、電気特性に優れた薄膜圧電共振器となすことができる。
また、上部電極4を被覆するように形成した保護層17は、上部電極17の酸化を防止したり、絶縁したりすることができる。
次に、上述した薄膜圧電共振器の製造方法について図3を用いて説明する。
まず、第1工程として、図3−1(a)に示すように、Siなどからなる基板1を、800℃〜1200℃で熱することで表面に膜厚が0.1μm〜1μmのSiOからなる熱酸化膜8を絶縁膜として形成する。それにより、基板1の表面を絶縁させることができるので、基板1表面に上部電極4や下部電極2からの不要な電流が漏電することを防止することができる。ここで、基板1は、ガリウムヒ素(GaAs)基板、ガラスなどでもよい。
次にその熱酸化膜8上に、リン酸シリケートガラス(PSG:PhospoSilicate Glass)などの材料をCVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより0.1μm〜3μm程度の膜厚になるように成膜する。その後、これをCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により平坦化することにより犠牲層9を形成する。その後、フォトリソグラフィ法によりパターニングして犠牲層9を所望の形状に作製する。なお、この犠牲層9は、上部電極4を形成した後、空洞6を形成するためにエッチングで取り除かれるものである。
続いて、基板1上に、スパッタ法や真空蒸着法などを用いて膜厚が0.1μm〜0.6μmの導電性材料を積層して電極層を形成し、その電極層をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることで下部電極2を形成する。下部電極2は、例えば、銀(Ag)、金(Au)、クロム(Cr)、酸化亜鉛(ZnO)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、タングステン(W)、ポリシリコンのような導電性材料またはそれらの組み合わせによって構成される。
その後、基板1上と下部電極2上に膜厚が0.5μm〜2.5μmの圧電材料をスパッタ法で積層することにより圧電膜3を形成する。この圧電膜3を構成する圧電材料としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、チタン酸鉛(PbTiO)、酸化チタンバリウム(BaTiO)、酸化亜鉛(ZnO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、硫化カドミウム(CdS)などを用いることが出来る。なお、積層方法は、スパッタ法以外にもCVD法、昇華法、プラズマ放電、MBE法などでもよい。
次に、第2工程として、図3−1(b)に示すように、圧電膜3の上面に第1端面10aを有する第1のマスク10を形成する。圧電膜3の表面となす角θaは0度より大きく90度以下となるように設定されている。なお、第1のマスク10は、図2の斜線で表した範囲7内に上部電極4を形成する部分が露出するように圧電膜3上に形成される。
そのような第1端面10aを有する第1のマスク10を作製する方法としては、まずポジ型感光性ポリイミドのレジスト液を圧電膜3上の膜厚が0.01μm〜2.5μmになるように塗布する。その後、塗布したレジスト膜に、第1のマスク10が形成される部分だけ露光するマスクパターンを用いて紫外線照射することによりマスクパターンを転写する。次に、マスクパターンが転写されたレジスト膜を、現像液に15秒〜50秒間浸漬した後、窒素雰囲気中において250℃〜450℃で熱処理する。そうすることにより、レジスト膜を順メサ形状に形成することができるので、角θaを0度〜90度に達成することができる。この方法により、圧電膜3の表面に対して角θaとなる第1端面10aを有する第1のマスク10を0.01μm〜2.0μmの膜厚で形成することができる。
なお、第1のマスク10は、前述したポリイミドなどの感光性レジスト材料だけでなく、SiOやSiNなどの酸化膜を積層してパターニングしてもよい。また、銀、金、クロム、酸化亜鉛、モリブデン、アルミニウム、アルミニウム合金、タングステンなどの金属は、上部電極4を傷付けずに除去できるため、これらの金属を第1のマスク10の材料として用いることも可能である。
次に、第3工程として、図3−1(c)に示すように、第1のマスク10の上に、第2端面11aをもつ第2のマスク11を形成する。また、第2端面11aは、第1のマスク10の表面となす角θbが鈍角となっている。ここで、鈍角は90度より大きく180度より小さい角度を示す。
そのような第2端面11aを有する第2のマスク11を製造する方法としては、例えばAZ5214E(ヘキスト社製)などのポジ型反転露光用フォトレジストを第1のマスク10上に膜厚が0.01μm〜2.0μmとなるように塗布する。次に、第2のマスク11が形成される部分以外を露光するマスクパターンを用いて、紫外線を照射することにより順メサ形状のレジスト膜を形成することができる。その後、露光された順メサ形状のレジスト膜を70度〜150度で熱処理して反転ベークする。さらに、反転ベークしたレジスト膜以外を露光して、現像することによって、第1のマスク10の表面となす角θbが鈍角となる第2端面11aを有する第2のマスク11を0.01μm〜2.0μmの膜厚で形成することができる。
また、第2のマスク11は、第2端面11aの上端部が第1端面10aの上端部よりも外側に位置している。それにより、導電性材料を積層して上部電極4の端面4aを形成する際、第1のマスク10の上面に不要な導電性材料を積層させにくくすることができる。
次に第4工程として、図3−2(d)に示すように、圧電膜3上と第2のマスク11上に、上方から導電性材料を積層する。このとき、導電性材料を第1のマスク10の第1端面10aと接するようにしておく。また、上部電極4を所望の形状に形成するためには、積層する導電性材料の膜厚は、第1のマスク10よりも薄いことが好ましい。
導電性材料を上方から積層して上部電極4を形成する際、第2のマスク11の第2端面11aには導電性材料が回り込みにくい。それにより、第2のマスク11の上端部で導電性材料の膜を段切れさせることができる。
導電性材料の積層方法としては、スパッタ法、蒸着法などが例示できるが、中でもスパッタ法が好ましい。スパッタ法を用いるとスパッタ法の原理からターゲットが多方から飛ぶので、ターゲットが1点から飛散する蒸着法と比べて第2のマスク11の第2端面11aの下にも導電性材料が回り込む量が多くなり、第1端面10aにより多く導電性材料を積層させることができる。
なお、蒸着法により導電性材料を積層する場合は、図3−1(c)で示したように、上方から見た時、第1のマスク10の第1端面10aが第2のマスク11から露出する部分を有するようにしておくことが好ましい。このようにしておけば、蒸着法により導電性材料を第1端面10aに積層する際、露出する部分の大きさによって上部電極4の端面4aの長さを調節することができる。
なお、上部電極4で用いる導電性材料は、下部電極2と同様に音響的に減衰が小さく、電気的に抵抗が小さい材料が適しており、例えば、銀(Ag)、金(Au)、クロム(Cr)、酸化亜鉛(ZnO)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、タングステン(W)、ポリシリコン、あるいはそれらの組み合わせたものを用いることができる。
その後、第5工程として、図3−2(e)に示すように、第2のマスク11を除去する。その後、第1のマスク10を除去することによって、図3−3(f)に示すような上部電極4を形成することができる。第2のマスク11と第1のマスク10を除去する方法としては、例えば有機酸系の剥離液などを用いる化学的手法とドライエッチングやウエットエッチングなどの物理的手法がある。ここで、第1のマスク10と第2のマスク11とを同一の材料で形成しておけば、第5工程において同じ剥離液や同じエッチング方法で同時に除去するができるので、生産効率が良い。また、同じ剥離液や同じエッチング方法を用いることからコストを低減することができるという利点がある。したがって、第1のマスク10と第2のマスク11とは同一の材料で形成することが好ましい。
第1のマスク10を除去した後、図3−3(g)に示すように、上部電極4や圧電膜3にRIE(Reactive Ion Etching)等により犠牲層9まで到達する貫通穴35を開ける。その後、フッ酸を用いたドライエッチングやウエットエッチングなどにより犠牲層9を除去して空洞6を設ける。
その後、図3−4(h)に示すように、上部電極4及び上部電極4から被覆するように保護層17を形成する。保護層17は、例えばSiOなどの酸化膜をCVD法で積層することにより形成される。
以上説明したように、薄膜圧電共振器の共振部5を構成する上部電極4の端部を第1のマスク10と第2のマスク11を使うことによって、所望の端部形状にすることが出来る。それによって、信号に混ざっていたスプリアス振動によるリップルを軽減することができるため、インピーダンス特性を向上させることができる。よって、薄膜圧電共振器フィルタとして、高周波数特性を得ることができる。
<実施形態2>
次に、実施形態2に係る薄膜圧電共振器の製造方法について図3と図5を用いて説明する。
実施形態1の製造方法と重複する部分については同一符号を付し、その説明を省略する。実施形態1では、第1のマスク10を除去したのに対し、実施形態2に係る製造方法では、第1のマスク10を残しておき、上部電極4を被覆するように保護層17を設ける点が異なっており、その他の工程は同じである。図3−2(e)に示すように、第1のマスク10を除去せずに残しておくことが好ましい。第1のマスク10を残して保護層17を形成する方が、第1のマスク10を除去した後、保護層17を形成するよりも端面10aを隙間なく確実に保護することができる。
このとき第1のマスク10の材料の誘電率が圧電膜3の材料の誘電率より小さい程、非共振部31において上部電極4の端部と下部電極2で構成される電極間の誘電率を下げることができるので寄生容量を軽減することが出来る。
具体的には、図3−2(e)に示すように、実施形態1で第2のマスク11を除去した後、図5に示すように、上部電極4を被覆するように保護層17を形成する。その際、第1のマスク10の材料と保護層17で覆う材料は異なっていてもよい。保護層17で上部電極4を被覆することによって、上部電極4を外的要因から保護すると共に、外部から絶縁させることができる。
<実施形態3>
実施形態3に係る薄膜圧電共振器の製造方法について図4と図5を用いて説明する。
実施形態1の製造方法と重複する部分については同一符号を付し、その説明を省略する。実施形態1では、2つマスクを使っていたのに対し、実施形態3に係る製造方法では、マスクを1つ使い、導電性材料を積層した後、マスク上面を露出させる点が異なっている。
まず、第1´工程として図4−1(a)に示すように基板1上に下部電極2と圧電膜3を形成する。その後、第2´工程として、上下方向から透視した状態で重なる範囲7内に、圧電膜3上の表面となす角θaが0度より大きく90度以内の端面10´aを有する絶縁体からなるマスク10´を、図4―1(b)に示すように圧電膜3上に形成する。
第3´工程において、図4−2(c)に示すように導電性材料をマスク10´の端面10´aと接するように圧電膜3上に積層して、導電性材料からなる上部電極4を形成する。その後、図4−3(d)に示すように、上方からCMP法で導電性材料とマスク10´の上面が面一になるように平坦化し、その面が基板の上面と平行になるようにする工程を行う。なお、導電性材料とマスク10´が面一になった後も平坦化し続けることにより、上部電極4を所望の膜厚に形成してもよい。さらに、その上から保護層17で上部電極4及びマスク10´上を被覆してもよい。上部電極4とマスク10´を面一にした後、保護層17を積層することによって上部電極4とマスク10´上に均一な膜を形成することができる。なお、実施形態3はこのマスク10´だけを使えば良いので工程数が削減でき、上部電極4の上面を平坦化することができるので不要なスプリアス振動を軽減することができる。
第3´工程の後、図4−3(e)が示すように、上部電極4や圧電膜3にRIE等により犠牲層9まで到達する貫通穴35を開ける。その後、ドライエッチングやウエットエッチングなどにより犠牲層9を除去して空洞6を設ける。
その後、図4−3(f)に示すように、保護層17をフォトリソグラフィ法により上部電極4だけを被覆するように形成する。保護層17は耐エッチング性の絶縁材料で被覆することが好ましい。不要な導電性材料をエッチングする際、エッチングから上部電極4を保護するためである。図5に示す如くマスク10´上に積層された導電性材料をエッチングすることにより上部電極4以外の不要な導電性材料を除去することができる。それによって、保護層17を形成した後、不要な導電性材料を除去することができるので、下部電極2と容量を形成することなどを防ぐことができる。
実施形態3は、実施形態1と同様に薄膜圧電共振器のスプリアス抑制効果を向上しつつ、実施形態1と比べてマスクを2つ使う必要がないので薄膜圧電共振器の生産効率を向上できるのでコスト低減ができる。
<実施形態4>
実施形態4に係る薄膜圧電共振器の製造方法について図6を用いて説明する。
実施形態3の製造方法と重複する部分については同一符号を付し、その説明を省略する。この実施形態4に係る製造方法は、前述した実施形態3の第3´工程の後に、マスク10´を除去する点が異なっている。マスク10´を除去することによって、図6(a)に示すような端面4aを有する上部電極4を作製する。さらに、図6(b)に示すように、貫通穴35を開けた後、犠牲層9を除去して空洞6を形成する。最後に、上部電極4を保護層17で被覆する。この実施形態4も実施形態3と同様にマスクを1つしか使わないので、薄膜圧電共振器の生産効率を向上させることができる。
<その他の実施形態>
また、今回は犠牲層を有する構造の薄膜圧電共振器について説明をしたが、図7に示すような、RIEなどで空洞を設けた基板12上に下部電極13と圧電膜14と上部電極15を積層したダイヤフラム構造の薄膜圧電共振器などに実施形態を上部電極15に形成する際に用いてもよい。
本発明の実施の形態に係る薄膜圧電共振器の断面図(図2に示すP−P´切断線において切断した断面図)である。 図1に示す薄膜圧電共振器を上面から見た平面図である。 本発明の実施形態1と2に係る薄膜圧電共振器の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施形態1と2に係る薄膜圧電共振器の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施形態1と2に係る薄膜圧電共振器の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施形態1と2に係る薄膜圧電共振器の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施形態3と4に係る薄膜圧電共振器の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施形態3と4に係る薄膜圧電共振器の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施形態3と4に係る薄膜圧電共振器の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施形態3に係る薄膜圧電共振器の断面図である。 本発明の実施形態4に係る薄膜圧電共振器の断面図である。 本発明のその他の実施形態に係る薄膜圧電共振器の断面図である。 従来の製造方法により製造した薄膜圧電共振器の断面図である。
符号の説明
1 基板
2 下部電極
3 圧電膜
4 上部電極
4´ 導電層
4a 上部電極の端面
5 共振部
6 空洞
7 下部電極と上部電極との重なった部分
8 熱酸化膜
9 犠牲層
10 第1のマスク
10a 第1端面
11 第2のマスク
11b 第2端面
18 レジストパターン
31 非共振部

Claims (7)

  1. 基板上に下部電極と圧電膜を順に積層する第1工程と、
    前記圧電膜の上面に第1端面を有する第1のマスクを形成する第2工程であって、
    前記第1端面は、
    上下方向から透視した状態で下端部が前記下部電極と前記圧電膜との重なる部分の内側に位置し、
    且つ前記圧電膜の表面となす角が90度以下である
    第1のマスクを形成する第2工程と、
    前記第1のマスク上に第2端面を有する第2のマスクを形成する第3工程であって、
    前記第2端面は、
    上面視した状態で上端部が前記第1端面の上端部よりも外側に位置し、
    且つ前記第1のマスクの表面に対して内角が鈍角をなす
    第2のマスクを形成する第3工程と、
    前記圧電膜上に導電性材料を前記第1端面と接するように積層する第4工程と、
    前記第2のマスクを除去して前記導電性材料からなる上部電極を形成する第5工程と、
    を有する薄膜圧電共振器の製造方法。
  2. 前記第1のマスクを絶縁体で形成する前記第5工程は、前記上部電極及び前記第1のマスクを被覆するように保護膜を形成する工程を含む請求項1記載の薄膜圧電共振器の製造方法。
  3. 前記第5工程は、前記第1のマスクを除去する工程を含む請求項1記載の薄膜圧電共振器の製造方法。
  4. 前記第1のマスクと前記第2のマスクは同一の材料からなる請求項1記載の薄膜圧電共振器の製造方法。
  5. 基板上に下部電極と圧電膜を順に積層する第1´工程と、
    前記圧電膜の上面に端面を有するマスクを形成する第2´工程であって、
    前記端面は、
    上下方向から透視した状態で下端部が前記下部電極と前記圧電膜との重なる部分より内側に位置し、
    且つ前記圧電膜の表面となす角が90度以下である
    マスクを形成する第2´工程と
    前記圧電膜上に導電性材料を前記端面と接するように積層することにより前記導電性材料からなる上部電極を形成する第3´工程と、
    を有する薄膜圧電共振器の製造方法。
  6. 前記マスクを絶縁体で形成する請求項5記載の薄膜圧電共振器の製造方法。
  7. 前記第3´工程は、前記マスクを除去する工程を含む請求項5または6記載の薄膜圧電共振器の製造方法。
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