JP2004319939A - 発光素子収納用パッケージおよび発光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発光素子収納用パッケージは、絶縁基体1の上面に発光素子3を収容するための凹部4が設けられ、凹部4の底面に発光素子3が搭載される搭載部2および発光素子3の電極が電気的に接続される配線層5が形成されており、配線層5は、その表面に金めっき層9が露出するように被着され,凹部4の内周面は、その表面に銀めっき層10が露出するように被着されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光ダイオード等の発光素子を用いた表示装置等に用いられる、発光素子を収納するための発光素子収納用パッケージおよび発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発光ダイオード等の発光素子を収納するための発光素子収納用パッケージ(以下、パッケージともいう)として、セラミック製のパッケージが用いられており、その一例を図10に示す(例えば、下記の特許文献1参照)。同図に示すように、従来のパッケージは、複数のセラミック層が積層されているとともに上面に凹部24が形成されている直方体状の絶縁基体の凹部24の底面の発光素子23搭載される部位に導体層から成る搭載部導体層(以下、搭載部ともいう)22が設けられた基体21と、基体21の搭載部22およびその周辺から基体21の下面に形成され、搭載部22に一方が電気的に接続された一対の配線層25とから主に構成されている。
【0003】
そして、搭載部22上に発光素子23を導電性接着剤、半田等を介して載置固定するとともに、発光素子23の電極と一対の配線層25の他方とをボンディングワイヤ26を介して電気的に接続し、しかる後、基体21の凹部24内に樹脂(透明樹脂)を充填して発光素子23を封止することによって、発光装置が作製される。
【0004】
また、凹部24の内周面で発光素子23の光を反射させてパッケージの上方に光を放射させるために、凹部24の内周面にニッケル(Ni)めっき層や金(Au)めっき層を表面に有するメタライズ金属層からなる金属層27を被着させていることもある。
【0005】
また、上記のパッケージはセラミックグリーンシート積層法により以下のようにして製作される。まず、基体21の搭載部22(搭載部22から下側)を形成するためのセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)と、基体21の凹部24を形成するためのグリーンシートとを準備し、これらのグリーンシートに配線層25を導出させるための貫通孔や凹部24となる貫通穴を打ち抜き法で形成する。
【0006】
次に、搭載部22を形成するためのグリーンシートの積層体Aの貫通孔および所定の部位にメタライズ層から成る配線層を形成するための導体ペーストをスクリーン印刷法等で印刷塗布し、また凹部24の内周面にメタライズ金属層を被着する場合、凹部24を形成するためのグリーンシートの積層体Bの貫通穴内周面にメタライズ金属層形成用の導体ペーストをスクリーン印刷法等で印刷塗布する。
【0007】
次に、積層体A,Bを重ねて接着して基体21を形成するための積層体とし、これを所定寸法に切断して成形体となし、高温(1600℃程度)で焼成して焼結体となす。その後、搭載部22および配線層25、メタライズ金属層の露出表面にニッケル,金,パラジウム,白金等の金属から成るめっき金属層を無電解めっき法や電解めっき法により被着させることによって、パッケージが製作される。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−232017号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のパッケージにおいては、凹部24の内周面に被着されるニッケル,金等のめっき層を表面に有する金属層27は、光の波長に対する反射率の変動が大きく、発光素子23が発光する光を効率よく反射しにくいという問題点を有していた。
【0010】
また、発光素子23の光の反射率を高くするために、搭載部22および配線層25の露出する表面、凹部24の内周面に銀めっき層を被着すると、マイグレーションや酸化腐食等の不具合が発生しやすく、搭載部22および配線層25と、発光素子23やボンディングワイヤ26との接続性が劣化して、結果的に発光素子23と外部電気回路との電気的な接続性が劣化するという問題点を有していた。
【0011】
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、発光素子の光を効率よく反射し、均一かつ良好に外部に放射することができるとともに、各部材との接合を強固にすることができる発光素子収納用パッケージおよび発光装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の発光素子収納用パッケージは、絶縁基体の上面に発光素子を収容するための凹部が設けられ、該凹部の底面に前記発光素子が搭載される搭載部および前記発光素子の電極が電気的に接続される配線層が形成されており、前記配線層は、その表面に金めっき層が露出するように被着され、前記凹部の内周面は、その表面に銀めっき層が露出するように被着されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の発光素子収納用パッケージによれば、配線層は、その表面に金めっき層が露出するように被着され、凹部の内周面は、その表面に銀めっき層が露出するように被着されていることから、配線層の表面に露出するように被着された金めっき層は、発光素子の電極および配線層を接続するためのボンディングワイヤとその配線層とを、強固に接合することができる。また、凹部の内周面に露出するように被着された銀めっき層は、発光素子の発光する光を効率良く反射することができる。
【0014】
本発明の発光素子収納用パッケージは、好ましくは、前記搭載部は、導体層から成るとともに表面に金めっき層が露出するように被着されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の発光素子収納用パッケージは、好ましくは搭載部は導体層から成るとともに表面に金めっき層が露出するように被着されていることから、導体層から成る搭載部と発光素子3とを強固に接合することができるとともに、導体層から成る搭載部の表面の金めっき層は、発光素子が発光する光を反射し、搭載部より発光素子が発光する光が絶縁基体下面側に漏れるのを防止することができる。
【0016】
本発明の発光装置は、本発明の発光素子収納用パッケージと、前記搭載部に搭載されるとともに前記配線層に電極が電気的に接続された発光素子と、該発光素子を覆う透明樹脂とを具備していることを特徴とする。
【0017】
本発明の発光装置は、上記の構成により、発光素子収納用パッケージと各部材とが強固に接合されるものであるとともに発光効率の高い、高信頼性および高性能のものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の発光素子収納用パッケージを以下に詳細に説明する。図1は、本発明のパッケージの実施の形態の一例を示す断面図、図2は図1のパッケージの平面図である。これらの図において、1は絶縁基体、2は発光素子3が搭載される搭載部、3は発光素子、4は発光素子3を収容するための凹部である。
【0019】
本発明のパッケージは、絶縁基体1の上面に発光素子3を収容するための凹部4が設けられ、凹部4の底面に発光素子3が搭載される搭載部2および発光素子の電極が電気的に接続される配線層5が形成されており、搭載部2および配線層5は、その表面に金めっき層9が露出するように被着され,凹部4の内周面は、その表面に銀めっき層10が露出するように被着されている。
【0020】
本発明における絶縁基体1はセラミックスや樹脂から成り、セラミックスからなる場合、例えば酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス),窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス質焼結体等のセラミックスから成る絶縁層を複数層積層してなる直方体状の箱状であり、この上面の中央部に発光素子3を収容するための凹部4が形成されている。
【0021】
絶縁基体1が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウム,酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダー,溶剤等を添加混合して泥漿状となし、これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等によりシート状に成形してセラミックグリーンシート(セラミック生シートで、以下、グリーンシートともいう)を得、しかる後、グリーンシートに凹部4形成用の貫通孔を打ち抜き加工で形成し、発光素子3を搭載するためのグリーンシートと凹部4形成用のグリーンシートとを複数枚積層し、高温(約1600℃)で焼成し一体化することで形成される。
【0022】
また、凹部4の底面には発光素子3を搭載するための導体層から成る搭載部2および、その周囲の部位に配線層5が形成されており、搭載部2および配線層5はタングステン(W),モリブデン(Mo),銅(Cu),銀(Ag)等の金属粉末のメタライズ層から成っている。
【0023】
そして、搭載部2には発光ダイオード(LED),半導体レーザ(LD)等の発光素子3が金(Au)−シリコン(Si)合金やAg−エポキシ樹脂等の導電性接合材により固着されるとともに、配線層5には発光素子3の電極がボンディングワイヤ6を介して電気的に接続されている。また、発光素子3は搭載部2および配線層5にフリップチップ実装により接続されても構わない。
【0024】
また、搭載部2を、発光素子3が絶縁基体1上に直接搭載される、絶縁基体1上の搭載領域とし、凹部4の底面の搭載部2の周囲の部位に配線層5を形成しても良い。例えば、図11のパッケージの断面図に示すように、搭載部2には発光素子3が樹脂接着剤により固着されるとともに、搭載部2の周囲の部位に形成された配線層5a,5bには発光素子3の電極がボンディングワイヤ6a,6bを介して電気的に接続される。
【0025】
搭載部2および配線層5は、例えばWやMo等の金属粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合して得た導体ペーストを絶縁基体1となるグリーンシートに予めスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって、絶縁基体1の所定位置に被着形成される。
【0026】
また、配線層5の露出する表面には、金めっき層9が露出するように被着されている。これにより、配線層5が酸化腐蝕するのを有効に防止できるとともに、配線層5とボンディングワイヤ6との接続を強固にすることができる。よって、配線層5の露出する表面に、厚さ1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚さ0.1〜3μm程度の金めっき層9とが、電解めっき法や無電解めっき法により順次被着されていることがより好ましい。
【0027】
また、搭載部2は導体層から成るとともに表面に金めっき層が露出するように被着されているのが好ましく、この場合、搭載部2が酸化腐食するのを有効に防止できるとともに、搭載部2と発光素子3との接合を強固にすることができる。
また、金めっき層は発光素子3が発光する光を反射するので、搭載部2より発光素子3が発光する光が絶縁基体1下面側に漏れるのを防止できる。よって、導体層から成る搭載部2の露出する表面に、厚さ1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚さ0.1〜3μm程度の金めっき層9とが、電解めっき法や無電解めっき法により順次被着されていることがより好ましい。
【0028】
また、絶縁基体1には、搭載部2および配線層5に電気的に接続され、絶縁基体1の下面または側面にかけて導出された配線導体8a,8bが形成されている。配線導体8a,8bはWやMo等の金属粉末のメタライズ層から成り、凹部4に収容する発光素子3を、搭載部2および配線層5を介して外部に電気的に接続するための導電路である。
【0029】
配線導体8a,8bは、例えばWやMo等の金属粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合して得た導体ペーストを絶縁基体1となるグリーンシートに予めスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって、絶縁基体1の所定位置に被着される。
【0030】
また、配線導体8a,8bの露出する表面に、ニッケル、金、銀等の耐食性に優れる金属を1〜20μm程度の厚みで被着させて、配線導体8a,8bが酸化防止するのを有効に防止できるとともに、外部電気回路基板の配線導体との接合を強固にすることができる。配線導体8a,8bの露出する表面には、特に、搭載部2および配線層5と同様に金めっき層9が露出するように被着されているのがより好ましい。これにより、配線導体8a,8bが酸化腐食するのをより有効に防止できるとともに、外部電気回路基板の配線導体との接合をより強固にできる。よって、配線導体8a,8bの露出する表面には、厚さ1〜10μm程度のNiめっき層と厚さ0.1〜3μm程度のAuめっき層が、電解めっき法や無電解めっき法により順次被着されていることがより好ましい。
【0031】
また、凹部4の内周面には、WやMo等から成るメタライズ金属層7が被着されており、メタライズ金属層7上に銀めっき層10が露出するように被着されている。これにより、発光素子3の光を銀めっき層10により効率よく反射することができる。なお、凹部4の内周面に被着されているメタライズ金属層7上には、厚さ1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚さ0.1〜4μm程度の銀めっき層10が、電解めっき法や無電解めっき法により順次被着されているのがより好ましい。
【0032】
また、凹部4の内周面は、凹部4の底面から絶縁基体1の上面にかけて35〜70°の角度θで外側に広がるように傾斜面になっているのが好ましい。角度θが70°を超えると、凹部4内に収容された発光素子3の光を外部に対して良好に反射するのが困難となる傾向にある。一方、角度θが35°未満であると、凹部4の内周面をそのような角度で安定かつ効率良く形成することが困難になる傾向にあるとともに、パッケージが大型化してしまう。
【0033】
また、凹部4の内周面の銀めっき層10の表面の算術平均粗さはRaは1〜3μmが好ましい。1μm未満であると、凹部4内に収容された発光素子3の光を均一に反射させることが難しくなり、反射する光の強さに偏りが発生し易くなる。
3μmを超えると、凹部4内に収容された発光素子3の光が散乱し、反射光を高い反射率で外部に均一に放射することが困難になる。
【0034】
本発明において、金めっき層9は搭載部2の発光素子3が直接搭載される部位に形成され、搭載部2のその部位の周囲に銀めっき層10を形成してもよい。この場合、金よりも広い光波長帯域で反射率が高い銀を凹部4内の広い範囲に形成することで、より高い効率で光を反射させることができる。たとえば、銀の分光反射率は光波長が約350〜400nm以上で80%以上であるのに対して、金は約550〜600nm以上で80%以上であり、銀の方がより広い光波長帯域で反射率が高いものである。また、金よりも銀の方が低コストであるため、パッケージのコストを下げることができるという利点がある。
【0035】
さらに、絶縁基体1の上面の凹部4の周囲に、銀めっき層10を延出させてもよいが、その代わりにアルミニウムめっき層や銅めっき層を形成してもよい。アルミニウムは、銀と同程度の反射率を有するとともに銀よりも酸化されにくく、さらには低コストに形成できるという利点を有する。また、銅は金と同程度の反射率を有するとともに低コストに形成できるという利点を有する。
【0036】
また、このようなアルミニウムめっき層や銅めっき層を、銀めっき層10の発光素子3の上面よりも低い部位に形成してもよい。この場合、発光素子3の光が直接照射されにくい部位に、低コストに形成できるアルミニウムめっき層や銅めっき層を被着することで、パッケージ全体を低コストに作製できる。
【0037】
また凹部4は、その横断面形状は円形状、楕円形状、長円形状、四角形状等の種々の形状とし得るが、円形状が好ましい。この場合、凹部4に収容された発光素子3の光を、凹部4の内周面に被着された銀めっき層10表面でパッケージの上方に満遍なく反射させて外部に極めて均一に放射することができる。
【0038】
このようなパッケージは、金めっき層9を被着する際は、凹部4の内周面にマスクとしての粘着フィルム等を貼付し、銀めっき層10を被着する際は、搭載部2、配線層5、配線導体8a,8bの露出する表面にマスクとしての粘着フィルム等を貼付して、無電解めっき法により、搭載部2および配線層5、配線導体8a,8bに金めっき層9が露出するように被着するとともに、凹部4の内周面に銀めっき層10が露出するように被着することができる。
【0039】
また、絶縁基体1に、搭載部2、配線層5、配線導体8a,8bに電気的に接続された金めっき層用導体11を形成するとともに、凹部4の内周面のメタライズ金属層7に電気的に接続された銀めっき層用導体12を形成することによって、電解めっき法で搭載部2、配線層5および配線導体8a,8bに金めっき層9が被着されるとともに凹部4の内周面に銀めっき層10が被着されるようにしてもよい。
【0040】
この場合、例えば図3のパッケージの断面図に示すように、金めっき層用導体11および銀めっき層用導体12を絶縁基体1の内部に形成したり、図4のパッケージの断面図に示すように、金めっき層用導体層11を絶縁基体1の内部に形成し、銀めっき層用導体12を絶縁基体1の上面に形成してもよい。
【0041】
また、凹部4を形成するためのグリーンシートの凹部4となる貫通穴の内周面にメタライズ金属層7形成用の導体ペーストを印刷塗布するとともに、搭載部2(搭載部2より下側)を形成するためのグリーンシートに搭載部2、配線層5、配線導体8a,8b形成用の導体ペーストを印刷塗布した後、これらのグリーンシートを個別に焼成する。その焼成により、凹部4が形成された絶縁層1bと、メタライズ金属層7、搭載部2が形成された絶縁層1aと、搭載部2、配線層5、配線導体8a,8bとが構成される。そして、電解めっき法や無電解めっき法により、絶縁層1aの搭載部2、配線層5、配線導体8a,8bに金めっき層9を被着するとともに、絶縁層1bのメタライズ金属層7に銀めっき層10を被着した後、これらの絶縁層1a,1bを樹脂接着剤やろう材等の接合材で接合することにより、パッケージを作製することができる。
【0042】
図5のパッケージの断面図は、接合材13により接合されて作製されたものを示しており、接合材13としてのろう材により接合する場合、凹部4用の絶縁層1aおよび搭載部2用の絶縁層1bのそれらの接合面に接合用のメタライズ層を形成しておく必要がある。
【0043】
また、パッケージが非常に小型な場合に、取り扱いを容易とし、多数のパッケージを同時に効率よく製造するために、複数のパッケージが縦横に配列した多数個取り用の基板を用いて作製することができる。この場合を、例えば図1のパッケージを製作する場合について図6に示す。
【0044】
図6(a)は、搭載部2、配線層5、メタライズ金属層7、配線導体8a,8bが形成された多数個取り用の基板の平面図である。図6(b)は、搭載部2、配線層5および配線導体8a,8bに電気的に接続された金めっき用導体層11が形成された下層側の絶縁層1aの平面図である。図6(c)は、凹部4の内周面のメタライズ金属層7に電気的に接続された銀めっき用導体層11が形成された上層側の絶縁層1bの平面図である。図6(d)は、多数個取り用の基板の搭載部2、配線層5、メタライズ金属層7、配線導体8a,8bに、金めっき層9および銀めっき層10を露出するように被着させたものの平面図である。
【0045】
まず、パッケージの搭載部2および配線層5の金めっき層9、凹部4の内周面の銀めっき層10において、それらの下層側にニッケルめっき層が露出せずに被着される場合、まず、絶縁基体1の金めっき用導体層11および銀めっき用導体層12を介して、搭載部2、配線層5、凹部4の内周面のメタライズ金属層7、配線導体8a,8b上に、電解めっき法によりニッケルめっき層を被着する。
【0046】
次に、絶縁基体1の金めっき用導体層11を介して、搭載部2、配線層5および配線導体8a,8bのニッケルめっき層上に、電解めっき法により金めっき層9を被着する。
【0047】
次に、絶縁基体1の銀めっき用導体層12を介して、凹部4の内周面のメタライズ金属層7に被着したニッケルめっき層上に、電解めっき法により銀めっき層10を被着する。
【0048】
これにより、搭載部2および配線層5は、その表面に金めっき層9が露出するように被着され、凹部4の内周面は、その表面に銀めっき層10が露出するように被着されているパッケージを縦横に複数配列させた多数個取り用の基板を得ることができる。そして、多数個取り用の基板に縦横に配列されたパッケージを分割線14に沿って分割することで、図1のパッケージを得ることができる。分割する方法としては、多数個取り用の基板の生成形体に分割線14となる分割溝を形成しておき、これに沿って分割したり、スライシング法等により分割線14に沿って切断することにより、個々のパッケージを得ることができる。
【0049】
例えば、図7の多数個取り用の基板の要部拡大断面図に示すように、縦横に配列されたパッケージを分割線14に沿って分割することで、図3のパッケージを得ることができる。また、図8の多数個取り用の基板の要部拡大断面図に示すように、縦横に配列されたパッケージを分割線14に沿って分割することで、図4のパッケージを得ることができる。
【0050】
また、銀めっき層10を被着した後に金めっき層9を被着しても構わない。
【0051】
また、金めっき層用導体11と銀めっき用導体12は、図6のような一方向だけでなく、形成面においてその一方向と直交する方向にも延びるように形成しても良い。
【0052】
また、図9に示すように、金めっき層用導体11と銀めっき層用導体12を、多数個取り用の基板の異なる側面に延出させて形成してもよい。この場合、電解めっき法により、めっき層を被着する際に、配線長を短くし、めっき層の厚みばらつきを小さくすることができるという利点がある。
【0053】
本発明の発光装置は、本発明のパッケージと、搭載部2に搭載されるとともに配線層5に電極が電気的に接続された発光素子3と、発光素子3を覆うシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の透明樹脂とを具備している。発光素子3を覆う透明樹脂は、発光素子3およびその周囲のみを覆っていてもよいし、凹部4に充填されて発光素子3を覆っていてもよい。
【0054】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何ら差し支えない。
【0055】
【発明の効果】
本発明の発光素子収納用パッケージは、配線層はその表面に金めっき層が露出するように被着され、凹部の内周面はその表面に銀めっき層が露出するように被着されていることから、配線層の表面に露出するように被着された金めっき層は、発光素子の電極および配線層を接続するためのボンディングワイヤとその配線層とを、強固に接続することができる。また、凹部の内周面に露出するように被着された銀めっき層は、発光素子の発光する光を効率良く反射することができる。
【0056】
本発明の発光素子収納用パッケージは、好ましくは搭載部は導体層から成るとともに表面に金めっき層が露出するように被着されていることから、導体層から成る搭載部と発光素子とを強固に接合することができるとともに、導体層から成る搭載部の表面の金めっき層は発光素子が発光する光を反射し、搭載部より発光素子が発光する光が絶縁基体下面側に漏れるのを防止できる。
【0057】
本発明の発光装置は、本発明の発光素子収納用パッケージと、搭載部に搭載されるとともに配線層に電極が電気的に接続された発光素子と、発光素子を覆う透明樹脂とを具備していることにより、発光素子収納用パッケージと各部材とが強固に接合されるとともに発光効率の高い、高信頼性および高性能のものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光素子収納用パッケージについて実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1の発光素子収納用パッケージの平面図である。
【図3】本発明の発光素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の発光素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図5】本発明の発光素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図6】図1の発光素子収納用パッケージを作製するための多数個取り用の基板を示し、(a)は基板の平面図、(b)は金めっき用導体層が形成された基板の下層側の絶縁層の平面図、(c)は銀めっき用導体層が形成された基板の上層側の絶縁層の平面図、(d)は金めっき層および銀めっき層を被着した後の基板の平面図である。
【図7】本発明の発光素子収納用パッケージを作製するための多数個取り用の基板の一例の要部拡大断面図である。
【図8】本発明の発光素子収納用パッケージを作製するための多数個取り用の基板の他の例の要部拡大断面図である。
【図9】本発明の発光素子収納用パッケージを作製するための多数個取り用の基板の他の例の平面図である。
【図10】従来の発光素子収納用パッケージの断面図である。
【図11】本発明の発光素子収納用パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:絶縁基体
2:搭載部
3:発光素子
4:凹部
5a,5b:配線層
9:金めっき層
10:銀めっき層
Claims (3)
- 絶縁基体の上面に発光素子を収容するための凹部が設けられ、該凹部の底面に前記発光素子が搭載される搭載部および前記発光素子の電極が電気的に接続される配線層が形成されており、前記配線層は、その表面に金めっき層が露出するように被着され、前記凹部の内周面は、その表面に銀めっき層が露出するように被着されていることを特徴とする発光素子収納用パッケージ。
- 前記搭載部は、導体層から成るとともに表面に金めっき層が露出するように被着されていることを特徴とする請求項1記載の発光素子収納用パッケージ。
- 請求項1または請求項2記載の発光素子収納用パッケージと、前記搭載部に搭載されるとともに前記配線層に電極が電気的に接続された発光素子と、該発光素子を覆う透明樹脂とを具備していることを特徴とする発光装置。
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