JP2004319896A - 固体撮像装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】集光効率の高い固体撮像装置の製造における工程数を低減する。
【解決手段】固体撮像装置は、半導体基板上に形成された複数個の光電変換素子と、光電変換素子の上方に形成された保護層と、個々の光電変換素子に対応して、保護層の上方に設けられた複数個の凸型マイクロレンズとを有する。個々の光電変換素子に対応して保護層の表面上に複数個の凹部が形成され、凹部のそれぞれは、対応する凸型マイクロレンズと、対応する光電変換素子との間に位置している。
【選択図】 図1
【解決手段】固体撮像装置は、半導体基板上に形成された複数個の光電変換素子と、光電変換素子の上方に形成された保護層と、個々の光電変換素子に対応して、保護層の上方に設けられた複数個の凸型マイクロレンズとを有する。個々の光電変換素子に対応して保護層の表面上に複数個の凹部が形成され、凹部のそれぞれは、対応する凸型マイクロレンズと、対応する光電変換素子との間に位置している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、固体撮像装置の小型化等に伴う光電変換素子の感度の低下等を防止するために、固体撮像装置の構造の改良に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
その特許文献1に開示された固体撮像装置は、その文献に示すように、光電変換素子上の表面保護層上に平坦化層を設け、その平坦化層上に凹型マイクロレンズ層が形成されている。さらに、凹型マイクロレンズ層上に、凸型マイクロレンズ層が設けられている。凹型マイクロレンズ層は、凸型マイクロレンズ層で集光した光を光電変換素子の表面に垂直近く入射するようにして集光効率を上げることによって、光電変換素子の感度を向上させ、さらにスミアノイズの発生を抑えるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−199874号公報(第4欄、第1図、第2図、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した固体撮像装置では、光電変換素子上に設けた表面保護層上に平坦化層を設け、その平坦化層上に凹型マイクロレンズを設けるようにしているため、固体撮像装置の製造の工程数が多かった。
【0005】
具体的には、光電変換素子を形成して、固体撮像装置のチップの保護層を形成する工程の後に、凸型マイクロレンズに対応する凹型マイクロレンズを設けるための平坦化層を表面保護層上に形成する工程と、その平坦化層上に凹型マイクロレンズを有する層を設けるという工程とが必要であり、工程数が多かった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、集光効率の高い固体撮像装置の製造の工程数を低減することができる固体撮像装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の固体撮像装置は、半導体基板上に形成された複数個の光電変換素子と、該複数個の光電変換素子の上方に形成された保護層と、個々の前記光電変換素子に対応して、前記保護層の上方に設けられた複数個の凸型マイクロレンズとを有し、個々の前記光電変換素子に対応して前記保護層の表面上に複数個の凹部が形成され、前記凹部のそれぞれは、対応する前記凸型マイクロレンズと、対応する前記光電変換素子との間に位置している。
【0008】
本発明の固体撮像装置は、半導体基板上に形成された複数個の光電変換素子と、該複数個の光電変換素子の上方に形成された層間絶縁層上に形成され、前記光電変換素子に対応して設けられた複数の開口部を有する遮光膜と、前記遮光膜上に設けられ、前記開口部に凹部を形成する保護層と、個々の前記光電変換素子に対応して、前記保護層の上方に設けられた複数個の凸型マイクロレンズとを有し、前記凹部のそれぞれは、前記光電変換素子のそれぞれに対応して形成され、前記凹部のそれぞれは、対応する前記凸型マイクロレンズと対応する前記光電変換素子との間に位置している。
【0009】
本発明の固体撮像装置は、半導体基板と、前記半導体基板内に設けられた撮像素子領域と、前記半導体基板内に設けられた周辺回路領域と、前記撮像素子領域内に形成された複数個の光電変換素子と、前記周辺回路領域内に形成された少なくとも一つのトランジスタと、前記光電変換素子と前記トランジスタとの上方に形成された酸化シリコン層であって、前記光電変換素子の各々に対応する凹部を有する酸化シリコン層と、前記酸化シリコン層上に形成された窒化シリコン層であって、表面が平坦化された窒化シリコン層と、前記窒化シリコン層の上方に形成されたカラーフィルタと、前記カラーフィルタの上方に形成された凸型マイクロレンズと、を含み、前記記窒化シリコン層は前記周辺回路領域の保護層である。
【0010】
このような構成によれば、集光効率の高い固体撮像装置の製造の工程数を低減することができる固体撮像装置を実現することができる。
【0011】
本発明の固体撮像装置の製造方法は、複数個の光電変換素子が表面に形成された半導体基板の上方に保護層を形成し、前記保護層の表面上に、個々の前記光電変換素子に対応して凹部を複数個形成し、前記凹部のそれぞれに対応して、複数個の凸型マイクロレンズを設ける。
【0012】
このような構成によれば、集光効率の高い固体撮像装置の製造の工程数を低減することができる固体撮像装置の製造方法を実現することができる。
【0013】
また、本発明の固体撮像装置の製造方法において、前記凹部の形成は、前記保護層の表面上のフォトレジストされていない表面領域に対して、等方性のウエットエッチング又は等方性のドライエッチングによって行われることが望ましい。
【0014】
このような構成によれば、容易に凹部を有する保護層を形成することができる。
【0015】
本発明の固体撮像装置の製造方法は、複数個の光電変換素子が表面に形成された半導体基板の上方に層間絶縁層を形成し、前記複数個の光電変換素子に対応して設けられた複数の開口部を有する遮光膜を、前記層間絶縁層上に形成し、前記開口部のそれぞれに凹部を形成するように、前記遮光膜上に保護層を形成し、前記凹部のそれぞれに対応して、複数個の凸型マイクロレンズを設ける。
【0016】
このような構成によれば、集光効率の高い固体撮像装置の製造の工程数を低減することができる固体撮像装置の製造方法を実現することができる。
【0017】
また、本発明の固体撮像装置の製造方法において、前記凹部の形成は、前記遮光膜上に前記保護層を堆積した後に、SOG膜を形成することが望ましい。
【0018】
このような構成によれば、容易に凹部を有する保護層を形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
まず、図1に基づき、本実施の形態に係わる固体撮像装置の構成を説明する。図1は、本実施の形態に係わる固体撮像装置の構造を示す部分断面図である。
固体撮像装置1は、1つの半導体基板(半導体チップ)上に2次元で複数個の撮像素子すなわち光電変換素子がマトリックス状に形成された撮像素子領域1aと、撮像素子の電荷を読み出す読出回路等を含む周辺回路領域1bを有する。10は、固体撮像装置の半導体基板である。半導体基板10上には、周辺回路のトランジスタ群と、撮像素子群が設けられている。よって、図1において、11は、周辺回路の1つのトランジスタであり、21は、1つの画素に対応する撮像素子であるが、1つの固体撮像装置1の半導体基板10の表面上には、複数個のトランジスタと複数個の撮像素子が設けられている。
【0021】
トランジスタ11は、P型の半導体基板10上のP−領域12内に設けられている。撮像素子21は、P型の半導体基板10上のN−領域22内に設けられている。トランジスタ11間及びトランジスタ11と撮像素子21間を電気的に分離するために、複数の素子分離膜13が半導体基板10上に設けられている。素子分離膜13は、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)である。
【0022】
図1は、配線層が3層である固体撮像装置の例を示す。ここでは、3層構造の配線層の例で説明するが、配線層は3層でなくてもよい。半導体基板10上のトランジスタ11、撮像素子21及び素子分離膜13上には、第1の層間絶縁層30が形成されている。第1の層間絶縁層30上には、第1の配線層31、32、33、34が設けられている。なお、配線層33、34は遮光膜としての機能も有しているので、受光領域26上に開口部を形成するように配線層33は形成されている。
【0023】
同様に、第1の層間絶縁層30と第1の配線層31、32、33、34との上には、第2の層間絶縁層40が形成されている。第2の層間絶縁層40上には、第2の配線層41、42、43、44が設けられている。さらに同様に、第2の層間絶縁層40と第2の配線層41、42、43、44との上には、第3の層間絶縁層50が形成されている。第3の層間絶縁層50上には、第3の配線層51、52、53、54が設けられている。なお、配線層43、44、53、54は、配線層33、34と同様に遮光膜を兼ねている。
【0024】
また、半導体基板10上のソース領域14とドレイン領域15の上で、層間絶縁層30中には開孔が形成され、その開孔に、タングステン等の金属材料を埋め込むことによって、半導体基板10上のソース領域14及びドレイン領域15と、第1の配線層31、32とをそれぞれ電気的に接続するためのコンタクト31a、32aが形成される。
【0025】
第1の配線層31、32と、第2の配線層41、42も、同様に、層間絶縁層40中に形成された開孔に金属材料が埋め込まれることによって、第1の配線層31、32と、第2の配線層41、42とをそれぞれ電気的に接続するためのコンタクト41a、42aが形成される。さらに、第2の配線層41、42と、第3の配線層51、52も、同様に、層間絶縁層50中に形成された開孔に金属材料が埋め込まれることによって、第2の配線層41、42と、第3の配線層51、52とをそれぞれ電気的に接続するためのコンタクト51a、52aが形成される。
【0026】
また、半導体基板10上のソース領域23とドレイン領域24の上で、層間絶縁層30中には開孔が形成され、その開孔にタングステン等の金属材料が埋め込まれることによって、半導体基板10上のソース領域23及びドレイン領域24と、第1の配線層33、34との間に、それぞれ遮光壁33a、34aが形成される。遮光壁33a、34aは、各受光領域26を囲むように、すなわち各受光領域26の面に対して垂直方向に延び、かつ各受光領域26の周囲を取り囲むように形成されている。
【0027】
同様に、第1の配線層33、34と、第2の配線層43、44も、同様に、層間絶縁層40中に形成された開孔に金属材料が埋め込まれることによって、第1の配線層33、34と、第2の配線層43、44との間に、それぞれ遮光壁43a、44aが形成される。なお、遮光壁43a、44aも、遮光壁33a、34aと同様に、受光領域26を上から見たときに各受光領域26を囲むように形成されている。
【0028】
さらに、第2の配線層43、44と、第3の配線層53、54も、同様に、層間絶縁層50中に形成された開孔に金属材料が埋め込まれることによって、第2の配線層43、44と、第3の配線層53、54との間に、それぞれ遮光壁53a、54aが形成される。なお、遮光壁53a、54aも、遮光壁33a、34aと同様に、受光領域26を上から見たときに各受光領域26を囲むように形成されている。
【0029】
表面保護層として酸化シリコン(SiO2)層60が、第3の層間絶縁層50と第3の配線層51、52、53、54との上に設けられている。酸化シリコン層60の上部表面に凹部61が設けられることによって、層内レンズとして、酸化シリコン層60の一部が凹型マイクロレンズを構成する。すなわち、酸化シリコン層60は、複数個の凹部61を有する凹型マイクロレンズ層を構成する。
【0030】
酸化シリコン層60上には、さらにもう一つの表面保護層として窒化シリコン層(Si3N4)71が設けられている。すなわち、半導体基板(半導体チップ)の表面保護層は、酸化シリコン層60と窒化シリコン層71の積層構造で構成されている。また、窒化シリコン層71は、表面が平坦化されることにより、カラーフィルタ73や凸型マイクロレンズ76を形成する上で、平坦化層としても機能する。
【0031】
窒化シリコン層71上には、透明高分子樹脂等の平坦化層72は設けられている。
【0032】
平坦化層72上であって、凹部61の上方には、カラーフィルタ73が設けられている。平坦化層72とカラーフィルタ73上には、透明高分子樹脂等の中間層74が設けられる。透明高分子樹脂等のレンズ・カラーフィルタ間層75が、中間層74上に設けられている。レンズ・カラーフィルタ間層75上であって、凹部61の上方に凸型マイクロレンズ76が設けられる。凸型マイクロレンズ76の表面上には、透明高分子樹脂等の保護層77が設けられる。
【0033】
以上のように、半導体基板10上には複数個の撮像素子21が形成され、その撮像素子21の上方に保護層としての酸化シリコン層60が形成されている。酸化シリコン層60の上方には、個々の撮像素子21に対応して、複数個の凸型マイクロレンズ76が設けられている。そして、個々の撮像素子21に対応して、酸化シリコン層60の表面上に複数個の凹部61が形成され、その凹部61のそれぞれは、対応する凸型マイクロレンズ76と、対応する撮像素子21との間に位置する。すなわち、凸型マイクロレンズ76で集光された入射光が、凹部61によって、撮像素子21に垂直に入射するように、凹部61はその入射光の光路上に位置する。
【0034】
なお、表面保護層としての酸化シリコン層61と窒化シリコン層71は、撮像素子の領域1aだけでなく、周辺回路領域1b上にも形成されているが、平坦化層72も、周辺回路領域1bの上方に形成されていてもよい。
【0035】
撮像素子21は、ソース領域23と、ドレイン領域24と、ゲート電極25からなり、フォトダイオード部である受光領域26を有する。受光領域26の径すなわち開口径R1は、円形の凹部61の直径R2に略等しい。なお、受光領域26が矩形形状であれば、開口径R1は、対角線の長さとして、その対角線の長さ(R1)は、凹部61の直径R2に略等しい。
【0036】
なお、図1では、撮像素子21は、P−のフローティングPウエル27を有する、N−P−N構造のフォトダイオードを含む構造であるが、本実施の形態に係る撮像素子の構造は図1に示す構造に限定されず、CCD(Charge Coupled Device)等の構造であってもよい。
【0037】
以上のような構成にしたので、凸型マイクロレンズ76に入射した光は、図1において一点鎖線で示すように、凸型マイクロレンズ76によって集光した光線は、凹部61によって、受光領域26の撮像素子21に垂直に入射されることになる。なお、各層及び各膜の屈折率は、凸型マイクロレンズ76によって集光した光線を、撮像素子21に垂直に入射されるように、適宜選択される。
【0038】
上述した構造において、保護層としての酸化シリコン層60に凹部61が形成されているので、上述した先行技術に開示されているような保護層とは別に凹型マイクロレンズを設ける必要はない。
【0039】
次に、上述した図1に示す固体撮像装置1の製造方法について説明する。
【0040】
半導体基板10上にトランジスタ11、撮像素子21及び素子分離膜13を形成した後、酸化シリコン層をCVD(化学気相成長法:Chemical Vapor Deposition)によって堆積し、さらに化学的機械研磨法(CMP : Chemical Mechanical Polishing)により平坦化することによって、第1の層間絶縁層30を形成する。
【0041】
第1の層間絶縁層30に対して、フォトレジストとエッチングにより開孔を形成し、その開孔に金属材料をCVDにより形成することによって、コンタクト31a、32a、遮光壁33a、34aが形成される。
【0042】
さらに、第1の層間絶縁層30と、コンタクト31a、32aと、遮光壁33a、34aとの上に、金属材料をCVDによって堆積し、さらにフォトレジストとエッチングにより、第1の配線層31、32、33、34を形成する。
【0043】
第1の配線層31、32、33、34が表面に形成された第1の層間絶縁層30上には、第2の層間絶縁層40が形成され、さらにフォトレジストとエッチングにより開孔を形成する。その開孔に、金属材料をCVDにより形成することによって、コンタクト41a、42a、遮光壁43a、44aが形成される。
【0044】
さらに、第2の層間絶縁層40と、コンタクト41a、42aと、遮光壁43a、44aとの上に、金属材料をCVDによって堆積し、さらにフォトレジストとエッチングにより、第2の配線層41、42、43、44を形成する。
【0045】
第3の層間絶縁層50と、コンタクト51a、52aと、遮光壁53a、54aと、第3の配線層51、52、53、54は、第2の層間絶縁層40等を形成するのと同じ方法で形成される。
【0046】
図2に示すように、第3の配線層51、52、53、54が表面に形成された第3の層間絶縁層50上に、酸化シリコン層を、プラズマCVD(plasma−enhanced Chemical Vapor Deposition)あるいは高密度プラズマCVD(HDP CVD : High Density Plasma Chemical Vapor Deposition)によって堆積させ、さらに表面をCMPにより平坦化し、酸化シリコン層60を形成する。なお、高密度プラズマCVDを利用するのは、第3の配線層51、52、53、54が表面に形成された第3の層間絶縁層50上に、酸化シリコン層を半導体基板全面に亘って隙間を生じさせないように堆積させるためである。
【0047】
平坦化された酸化シリコン層60上に、半導体基板10を上から見たときに、受光領域26の開口径R1よりも小さな直径R3の円形上の領域を残してレジストパターンを形成し、直径R3の領域に対して等方性のウエットエッチングを行うことによって、酸化シリコン層60の表面に凹部61を形成する。ウエットエッチングでは、例えば、薬液として弗酸(HF)が用いられる。その結果、図3に示すように、受光領域26の開口径R1と同じ直径あるいはそれよりやや大きな直径R2を有する凹部61が形成される。なお、等方性のウエットエッチングの代わりに、等方性のドライエッチングを用いてもよい。
【0048】
さらに、図4に示すように、凹部61が表面に形成された酸化シリコン層60上に、プラズマCVDにより、表面保護層として窒化シリコン層71を堆積させる。このとき、堆積された酸化シリコン層の表面には凹部71aが形成されている。
【0049】
そして、CMPによって1点鎖線71bで示すところまで平坦化することによって、表面に形成されている凹部71aを除去して、平坦な窒化シリコン層71を形成する。
【0050】
さらに、窒化シリコン層71上に、図1に示すように、平坦化層72を設け、その後、平坦化層72上に、カラーフィルタ73、中間層74、レンズ・カラーフィルタ間層75が設けられている。レンズ・カラーフィルタ間層75上であって、凹部61の上方に凸型マイクロレンズ76が設けられる。凸型マイクロレンズ76の表面上には保護層77が設けられる。なお、レンズ・カラーフィルタ間層75上にマイクロレンズになるべき樹脂を塗布し、画素のパターンを行い、高温ベークによるリフローを行うことによって、凸型マイクロレンズ76が形成される。
【0051】
従って、上述した製造方法によれば、先行技術に開示されたように、保護層の上方に、別途凹型マイクロレンズ層を設けることなく、簡単な方法で、保護層に凹型マイクロレンズを形成することができる。
【0052】
次に、凸型マイクロレンズに対応する凹部を形成する別な方法について図5を用いて詳述する。まず、その凹部の構造について説明する。
図5は、その別な方法によって形成された凹部の構造を示す部分断面図である。図5は、凹部に係わるところのみを示している。従って、図1において説明した凹部61の下に設けられた、トランジスタ、光電変換素子、第1及び第2の層間絶縁層等、及び、凹部61の上に設けられた平坦化層72、カラーフィルタ73、中間層74、レンズ・カラーフィルタ間層75、凸型マイクロレンズ76等は、省略してある。
【0053】
第3の層間絶縁層50上には、第3の配線層153、154が形成されている。第3の配線層153と154の断面は、図5において、矩形形状をしているが、半導体基板10の上方からの見ると略円形の開口部を有する遮光膜である。遮光膜である第3の配線層153と154に設けられた開口部は、撮像素子21の受光領域26の上方に対応して形成されている。第3の配線層153、154上には、表面保護層としての酸化シリコン層155が設けられている。さらに酸化シリコン層155上にはSOG(Spin On Glass)膜156が形成され、さらにSOG膜156上に表面保護層としての窒化シリコン層171が設けられている。
【0054】
酸化シリコン層155と、SOG膜156と、窒化シリコン層171とによって、遮光膜である第3の配線層153と154の開口部に凹部161が形成される。凹部161の直径R4は、受光領域26の開口径R1と同じ直径あるいはそれよりやや大きな直径である。
【0055】
以上のように、半導体基板10上に形成された複数個の撮像素子21の上方に形成された層間絶縁層50上に、撮像素子に対応して設けられた複数の開口部を有する遮光膜153、154を設ける。遮光膜153、154上に、開口部に凹部161を形成する保護層155、171を設ける。個々の撮像素子21と個々の凹部161に対応して、保護層155、171の上方に、複数個の凸型マイクロレンズ76が設けられる。そして、凹部161のそれぞれは、撮像素子のそれぞれに対応して形成され、凹部161のそれぞれは、対応する凸型マイクロレンズ76と対応する撮像素子との間に位置する。その結果、凹部161は、凸型マイクロレンズ76からの入射光の光路上に位置するので、凸型マイクロレンズ76で集光された入射光は、凹部161によって、撮像素子21に垂直に入射する。
【0056】
この凹部161は、上述した凹部61と同じ機能を有するので、凸型マイクロレンズ76によって集光した光線は、凹部161によって、受光領域26の撮像素子21に垂直に入射されることになる。
【0057】
次に、図5の凹部161の形成方法について説明する。
第3の配線層153、154上に、プラズマCVDにより、酸化シリコン層155を形成する。酸化シリコン層155は、第3の配線層153、154の形状に沿って形成されるので、酸化シリコン層155の断面形状は、層間絶縁層50と配線層153、154とが形成する段差部を有する。
【0058】
次に、その段差部を埋めるように、SOGを塗布することによって、なだらかな曲面を有するSOG膜156を設ける。SOG膜156は、スピンコートにより形成されるので、SOG膜156がなだらかな表面を形成する。具体的には、段差部にSOGが入り込んで段差部を埋め、その結果SOGの表面張力によって、なだらかな曲面のSOG膜156が形成される。
【0059】
さらに、ベーキング処理によって、SOG膜156を焼成する。SOG膜156上に、プラズマCVDによって窒化シリコン層171を形成する。
窒化シリコン層171上に上述した平坦化層72を設け、その後、カラーフィルタ73、中間層74、レンズ・カラーフィルタ間層75、凸型マイクロレンズ76、及び保護層77を設ける方法は、上述した方法と同じである。
【0060】
以上のように、SOG膜156を利用して、凹型マイクロレンズを構成する凹部161を形成したので、上述した凹部61と同様に、保護層に凹部161が形成されているので、上述した先行技術に開示されているような保護層とは別に凹型マイクロレンズを設ける必要はない。
【0061】
従って、上述した実施の形態によれば、保護層自体を層内レンズとしたので、集光効率の高い固体撮像装置の製造における工程数を低減することができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる固体撮像装置の構造を示す部分断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係わる固体撮像装置の製造工程の説明図。
【図3】本発明の実施の形態に係わる固体撮像装置の製造工程の説明図。
【図4】本発明の実施の形態に係わる固体撮像装置の製造工程の説明図。
【図5】本発明の実施の形態に係わる固体撮像装置の他の構造例の部分断面図。
【符号の説明】
1 固体撮像装置、10 半導体基板、60、71 保護層、61 凹部、76
凸型マイクロレンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、固体撮像装置の小型化等に伴う光電変換素子の感度の低下等を防止するために、固体撮像装置の構造の改良に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
その特許文献1に開示された固体撮像装置は、その文献に示すように、光電変換素子上の表面保護層上に平坦化層を設け、その平坦化層上に凹型マイクロレンズ層が形成されている。さらに、凹型マイクロレンズ層上に、凸型マイクロレンズ層が設けられている。凹型マイクロレンズ層は、凸型マイクロレンズ層で集光した光を光電変換素子の表面に垂直近く入射するようにして集光効率を上げることによって、光電変換素子の感度を向上させ、さらにスミアノイズの発生を抑えるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−199874号公報(第4欄、第1図、第2図、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した固体撮像装置では、光電変換素子上に設けた表面保護層上に平坦化層を設け、その平坦化層上に凹型マイクロレンズを設けるようにしているため、固体撮像装置の製造の工程数が多かった。
【0005】
具体的には、光電変換素子を形成して、固体撮像装置のチップの保護層を形成する工程の後に、凸型マイクロレンズに対応する凹型マイクロレンズを設けるための平坦化層を表面保護層上に形成する工程と、その平坦化層上に凹型マイクロレンズを有する層を設けるという工程とが必要であり、工程数が多かった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、集光効率の高い固体撮像装置の製造の工程数を低減することができる固体撮像装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の固体撮像装置は、半導体基板上に形成された複数個の光電変換素子と、該複数個の光電変換素子の上方に形成された保護層と、個々の前記光電変換素子に対応して、前記保護層の上方に設けられた複数個の凸型マイクロレンズとを有し、個々の前記光電変換素子に対応して前記保護層の表面上に複数個の凹部が形成され、前記凹部のそれぞれは、対応する前記凸型マイクロレンズと、対応する前記光電変換素子との間に位置している。
【0008】
本発明の固体撮像装置は、半導体基板上に形成された複数個の光電変換素子と、該複数個の光電変換素子の上方に形成された層間絶縁層上に形成され、前記光電変換素子に対応して設けられた複数の開口部を有する遮光膜と、前記遮光膜上に設けられ、前記開口部に凹部を形成する保護層と、個々の前記光電変換素子に対応して、前記保護層の上方に設けられた複数個の凸型マイクロレンズとを有し、前記凹部のそれぞれは、前記光電変換素子のそれぞれに対応して形成され、前記凹部のそれぞれは、対応する前記凸型マイクロレンズと対応する前記光電変換素子との間に位置している。
【0009】
本発明の固体撮像装置は、半導体基板と、前記半導体基板内に設けられた撮像素子領域と、前記半導体基板内に設けられた周辺回路領域と、前記撮像素子領域内に形成された複数個の光電変換素子と、前記周辺回路領域内に形成された少なくとも一つのトランジスタと、前記光電変換素子と前記トランジスタとの上方に形成された酸化シリコン層であって、前記光電変換素子の各々に対応する凹部を有する酸化シリコン層と、前記酸化シリコン層上に形成された窒化シリコン層であって、表面が平坦化された窒化シリコン層と、前記窒化シリコン層の上方に形成されたカラーフィルタと、前記カラーフィルタの上方に形成された凸型マイクロレンズと、を含み、前記記窒化シリコン層は前記周辺回路領域の保護層である。
【0010】
このような構成によれば、集光効率の高い固体撮像装置の製造の工程数を低減することができる固体撮像装置を実現することができる。
【0011】
本発明の固体撮像装置の製造方法は、複数個の光電変換素子が表面に形成された半導体基板の上方に保護層を形成し、前記保護層の表面上に、個々の前記光電変換素子に対応して凹部を複数個形成し、前記凹部のそれぞれに対応して、複数個の凸型マイクロレンズを設ける。
【0012】
このような構成によれば、集光効率の高い固体撮像装置の製造の工程数を低減することができる固体撮像装置の製造方法を実現することができる。
【0013】
また、本発明の固体撮像装置の製造方法において、前記凹部の形成は、前記保護層の表面上のフォトレジストされていない表面領域に対して、等方性のウエットエッチング又は等方性のドライエッチングによって行われることが望ましい。
【0014】
このような構成によれば、容易に凹部を有する保護層を形成することができる。
【0015】
本発明の固体撮像装置の製造方法は、複数個の光電変換素子が表面に形成された半導体基板の上方に層間絶縁層を形成し、前記複数個の光電変換素子に対応して設けられた複数の開口部を有する遮光膜を、前記層間絶縁層上に形成し、前記開口部のそれぞれに凹部を形成するように、前記遮光膜上に保護層を形成し、前記凹部のそれぞれに対応して、複数個の凸型マイクロレンズを設ける。
【0016】
このような構成によれば、集光効率の高い固体撮像装置の製造の工程数を低減することができる固体撮像装置の製造方法を実現することができる。
【0017】
また、本発明の固体撮像装置の製造方法において、前記凹部の形成は、前記遮光膜上に前記保護層を堆積した後に、SOG膜を形成することが望ましい。
【0018】
このような構成によれば、容易に凹部を有する保護層を形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
まず、図1に基づき、本実施の形態に係わる固体撮像装置の構成を説明する。図1は、本実施の形態に係わる固体撮像装置の構造を示す部分断面図である。
固体撮像装置1は、1つの半導体基板(半導体チップ)上に2次元で複数個の撮像素子すなわち光電変換素子がマトリックス状に形成された撮像素子領域1aと、撮像素子の電荷を読み出す読出回路等を含む周辺回路領域1bを有する。10は、固体撮像装置の半導体基板である。半導体基板10上には、周辺回路のトランジスタ群と、撮像素子群が設けられている。よって、図1において、11は、周辺回路の1つのトランジスタであり、21は、1つの画素に対応する撮像素子であるが、1つの固体撮像装置1の半導体基板10の表面上には、複数個のトランジスタと複数個の撮像素子が設けられている。
【0021】
トランジスタ11は、P型の半導体基板10上のP−領域12内に設けられている。撮像素子21は、P型の半導体基板10上のN−領域22内に設けられている。トランジスタ11間及びトランジスタ11と撮像素子21間を電気的に分離するために、複数の素子分離膜13が半導体基板10上に設けられている。素子分離膜13は、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)である。
【0022】
図1は、配線層が3層である固体撮像装置の例を示す。ここでは、3層構造の配線層の例で説明するが、配線層は3層でなくてもよい。半導体基板10上のトランジスタ11、撮像素子21及び素子分離膜13上には、第1の層間絶縁層30が形成されている。第1の層間絶縁層30上には、第1の配線層31、32、33、34が設けられている。なお、配線層33、34は遮光膜としての機能も有しているので、受光領域26上に開口部を形成するように配線層33は形成されている。
【0023】
同様に、第1の層間絶縁層30と第1の配線層31、32、33、34との上には、第2の層間絶縁層40が形成されている。第2の層間絶縁層40上には、第2の配線層41、42、43、44が設けられている。さらに同様に、第2の層間絶縁層40と第2の配線層41、42、43、44との上には、第3の層間絶縁層50が形成されている。第3の層間絶縁層50上には、第3の配線層51、52、53、54が設けられている。なお、配線層43、44、53、54は、配線層33、34と同様に遮光膜を兼ねている。
【0024】
また、半導体基板10上のソース領域14とドレイン領域15の上で、層間絶縁層30中には開孔が形成され、その開孔に、タングステン等の金属材料を埋め込むことによって、半導体基板10上のソース領域14及びドレイン領域15と、第1の配線層31、32とをそれぞれ電気的に接続するためのコンタクト31a、32aが形成される。
【0025】
第1の配線層31、32と、第2の配線層41、42も、同様に、層間絶縁層40中に形成された開孔に金属材料が埋め込まれることによって、第1の配線層31、32と、第2の配線層41、42とをそれぞれ電気的に接続するためのコンタクト41a、42aが形成される。さらに、第2の配線層41、42と、第3の配線層51、52も、同様に、層間絶縁層50中に形成された開孔に金属材料が埋め込まれることによって、第2の配線層41、42と、第3の配線層51、52とをそれぞれ電気的に接続するためのコンタクト51a、52aが形成される。
【0026】
また、半導体基板10上のソース領域23とドレイン領域24の上で、層間絶縁層30中には開孔が形成され、その開孔にタングステン等の金属材料が埋め込まれることによって、半導体基板10上のソース領域23及びドレイン領域24と、第1の配線層33、34との間に、それぞれ遮光壁33a、34aが形成される。遮光壁33a、34aは、各受光領域26を囲むように、すなわち各受光領域26の面に対して垂直方向に延び、かつ各受光領域26の周囲を取り囲むように形成されている。
【0027】
同様に、第1の配線層33、34と、第2の配線層43、44も、同様に、層間絶縁層40中に形成された開孔に金属材料が埋め込まれることによって、第1の配線層33、34と、第2の配線層43、44との間に、それぞれ遮光壁43a、44aが形成される。なお、遮光壁43a、44aも、遮光壁33a、34aと同様に、受光領域26を上から見たときに各受光領域26を囲むように形成されている。
【0028】
さらに、第2の配線層43、44と、第3の配線層53、54も、同様に、層間絶縁層50中に形成された開孔に金属材料が埋め込まれることによって、第2の配線層43、44と、第3の配線層53、54との間に、それぞれ遮光壁53a、54aが形成される。なお、遮光壁53a、54aも、遮光壁33a、34aと同様に、受光領域26を上から見たときに各受光領域26を囲むように形成されている。
【0029】
表面保護層として酸化シリコン(SiO2)層60が、第3の層間絶縁層50と第3の配線層51、52、53、54との上に設けられている。酸化シリコン層60の上部表面に凹部61が設けられることによって、層内レンズとして、酸化シリコン層60の一部が凹型マイクロレンズを構成する。すなわち、酸化シリコン層60は、複数個の凹部61を有する凹型マイクロレンズ層を構成する。
【0030】
酸化シリコン層60上には、さらにもう一つの表面保護層として窒化シリコン層(Si3N4)71が設けられている。すなわち、半導体基板(半導体チップ)の表面保護層は、酸化シリコン層60と窒化シリコン層71の積層構造で構成されている。また、窒化シリコン層71は、表面が平坦化されることにより、カラーフィルタ73や凸型マイクロレンズ76を形成する上で、平坦化層としても機能する。
【0031】
窒化シリコン層71上には、透明高分子樹脂等の平坦化層72は設けられている。
【0032】
平坦化層72上であって、凹部61の上方には、カラーフィルタ73が設けられている。平坦化層72とカラーフィルタ73上には、透明高分子樹脂等の中間層74が設けられる。透明高分子樹脂等のレンズ・カラーフィルタ間層75が、中間層74上に設けられている。レンズ・カラーフィルタ間層75上であって、凹部61の上方に凸型マイクロレンズ76が設けられる。凸型マイクロレンズ76の表面上には、透明高分子樹脂等の保護層77が設けられる。
【0033】
以上のように、半導体基板10上には複数個の撮像素子21が形成され、その撮像素子21の上方に保護層としての酸化シリコン層60が形成されている。酸化シリコン層60の上方には、個々の撮像素子21に対応して、複数個の凸型マイクロレンズ76が設けられている。そして、個々の撮像素子21に対応して、酸化シリコン層60の表面上に複数個の凹部61が形成され、その凹部61のそれぞれは、対応する凸型マイクロレンズ76と、対応する撮像素子21との間に位置する。すなわち、凸型マイクロレンズ76で集光された入射光が、凹部61によって、撮像素子21に垂直に入射するように、凹部61はその入射光の光路上に位置する。
【0034】
なお、表面保護層としての酸化シリコン層61と窒化シリコン層71は、撮像素子の領域1aだけでなく、周辺回路領域1b上にも形成されているが、平坦化層72も、周辺回路領域1bの上方に形成されていてもよい。
【0035】
撮像素子21は、ソース領域23と、ドレイン領域24と、ゲート電極25からなり、フォトダイオード部である受光領域26を有する。受光領域26の径すなわち開口径R1は、円形の凹部61の直径R2に略等しい。なお、受光領域26が矩形形状であれば、開口径R1は、対角線の長さとして、その対角線の長さ(R1)は、凹部61の直径R2に略等しい。
【0036】
なお、図1では、撮像素子21は、P−のフローティングPウエル27を有する、N−P−N構造のフォトダイオードを含む構造であるが、本実施の形態に係る撮像素子の構造は図1に示す構造に限定されず、CCD(Charge Coupled Device)等の構造であってもよい。
【0037】
以上のような構成にしたので、凸型マイクロレンズ76に入射した光は、図1において一点鎖線で示すように、凸型マイクロレンズ76によって集光した光線は、凹部61によって、受光領域26の撮像素子21に垂直に入射されることになる。なお、各層及び各膜の屈折率は、凸型マイクロレンズ76によって集光した光線を、撮像素子21に垂直に入射されるように、適宜選択される。
【0038】
上述した構造において、保護層としての酸化シリコン層60に凹部61が形成されているので、上述した先行技術に開示されているような保護層とは別に凹型マイクロレンズを設ける必要はない。
【0039】
次に、上述した図1に示す固体撮像装置1の製造方法について説明する。
【0040】
半導体基板10上にトランジスタ11、撮像素子21及び素子分離膜13を形成した後、酸化シリコン層をCVD(化学気相成長法:Chemical Vapor Deposition)によって堆積し、さらに化学的機械研磨法(CMP : Chemical Mechanical Polishing)により平坦化することによって、第1の層間絶縁層30を形成する。
【0041】
第1の層間絶縁層30に対して、フォトレジストとエッチングにより開孔を形成し、その開孔に金属材料をCVDにより形成することによって、コンタクト31a、32a、遮光壁33a、34aが形成される。
【0042】
さらに、第1の層間絶縁層30と、コンタクト31a、32aと、遮光壁33a、34aとの上に、金属材料をCVDによって堆積し、さらにフォトレジストとエッチングにより、第1の配線層31、32、33、34を形成する。
【0043】
第1の配線層31、32、33、34が表面に形成された第1の層間絶縁層30上には、第2の層間絶縁層40が形成され、さらにフォトレジストとエッチングにより開孔を形成する。その開孔に、金属材料をCVDにより形成することによって、コンタクト41a、42a、遮光壁43a、44aが形成される。
【0044】
さらに、第2の層間絶縁層40と、コンタクト41a、42aと、遮光壁43a、44aとの上に、金属材料をCVDによって堆積し、さらにフォトレジストとエッチングにより、第2の配線層41、42、43、44を形成する。
【0045】
第3の層間絶縁層50と、コンタクト51a、52aと、遮光壁53a、54aと、第3の配線層51、52、53、54は、第2の層間絶縁層40等を形成するのと同じ方法で形成される。
【0046】
図2に示すように、第3の配線層51、52、53、54が表面に形成された第3の層間絶縁層50上に、酸化シリコン層を、プラズマCVD(plasma−enhanced Chemical Vapor Deposition)あるいは高密度プラズマCVD(HDP CVD : High Density Plasma Chemical Vapor Deposition)によって堆積させ、さらに表面をCMPにより平坦化し、酸化シリコン層60を形成する。なお、高密度プラズマCVDを利用するのは、第3の配線層51、52、53、54が表面に形成された第3の層間絶縁層50上に、酸化シリコン層を半導体基板全面に亘って隙間を生じさせないように堆積させるためである。
【0047】
平坦化された酸化シリコン層60上に、半導体基板10を上から見たときに、受光領域26の開口径R1よりも小さな直径R3の円形上の領域を残してレジストパターンを形成し、直径R3の領域に対して等方性のウエットエッチングを行うことによって、酸化シリコン層60の表面に凹部61を形成する。ウエットエッチングでは、例えば、薬液として弗酸(HF)が用いられる。その結果、図3に示すように、受光領域26の開口径R1と同じ直径あるいはそれよりやや大きな直径R2を有する凹部61が形成される。なお、等方性のウエットエッチングの代わりに、等方性のドライエッチングを用いてもよい。
【0048】
さらに、図4に示すように、凹部61が表面に形成された酸化シリコン層60上に、プラズマCVDにより、表面保護層として窒化シリコン層71を堆積させる。このとき、堆積された酸化シリコン層の表面には凹部71aが形成されている。
【0049】
そして、CMPによって1点鎖線71bで示すところまで平坦化することによって、表面に形成されている凹部71aを除去して、平坦な窒化シリコン層71を形成する。
【0050】
さらに、窒化シリコン層71上に、図1に示すように、平坦化層72を設け、その後、平坦化層72上に、カラーフィルタ73、中間層74、レンズ・カラーフィルタ間層75が設けられている。レンズ・カラーフィルタ間層75上であって、凹部61の上方に凸型マイクロレンズ76が設けられる。凸型マイクロレンズ76の表面上には保護層77が設けられる。なお、レンズ・カラーフィルタ間層75上にマイクロレンズになるべき樹脂を塗布し、画素のパターンを行い、高温ベークによるリフローを行うことによって、凸型マイクロレンズ76が形成される。
【0051】
従って、上述した製造方法によれば、先行技術に開示されたように、保護層の上方に、別途凹型マイクロレンズ層を設けることなく、簡単な方法で、保護層に凹型マイクロレンズを形成することができる。
【0052】
次に、凸型マイクロレンズに対応する凹部を形成する別な方法について図5を用いて詳述する。まず、その凹部の構造について説明する。
図5は、その別な方法によって形成された凹部の構造を示す部分断面図である。図5は、凹部に係わるところのみを示している。従って、図1において説明した凹部61の下に設けられた、トランジスタ、光電変換素子、第1及び第2の層間絶縁層等、及び、凹部61の上に設けられた平坦化層72、カラーフィルタ73、中間層74、レンズ・カラーフィルタ間層75、凸型マイクロレンズ76等は、省略してある。
【0053】
第3の層間絶縁層50上には、第3の配線層153、154が形成されている。第3の配線層153と154の断面は、図5において、矩形形状をしているが、半導体基板10の上方からの見ると略円形の開口部を有する遮光膜である。遮光膜である第3の配線層153と154に設けられた開口部は、撮像素子21の受光領域26の上方に対応して形成されている。第3の配線層153、154上には、表面保護層としての酸化シリコン層155が設けられている。さらに酸化シリコン層155上にはSOG(Spin On Glass)膜156が形成され、さらにSOG膜156上に表面保護層としての窒化シリコン層171が設けられている。
【0054】
酸化シリコン層155と、SOG膜156と、窒化シリコン層171とによって、遮光膜である第3の配線層153と154の開口部に凹部161が形成される。凹部161の直径R4は、受光領域26の開口径R1と同じ直径あるいはそれよりやや大きな直径である。
【0055】
以上のように、半導体基板10上に形成された複数個の撮像素子21の上方に形成された層間絶縁層50上に、撮像素子に対応して設けられた複数の開口部を有する遮光膜153、154を設ける。遮光膜153、154上に、開口部に凹部161を形成する保護層155、171を設ける。個々の撮像素子21と個々の凹部161に対応して、保護層155、171の上方に、複数個の凸型マイクロレンズ76が設けられる。そして、凹部161のそれぞれは、撮像素子のそれぞれに対応して形成され、凹部161のそれぞれは、対応する凸型マイクロレンズ76と対応する撮像素子との間に位置する。その結果、凹部161は、凸型マイクロレンズ76からの入射光の光路上に位置するので、凸型マイクロレンズ76で集光された入射光は、凹部161によって、撮像素子21に垂直に入射する。
【0056】
この凹部161は、上述した凹部61と同じ機能を有するので、凸型マイクロレンズ76によって集光した光線は、凹部161によって、受光領域26の撮像素子21に垂直に入射されることになる。
【0057】
次に、図5の凹部161の形成方法について説明する。
第3の配線層153、154上に、プラズマCVDにより、酸化シリコン層155を形成する。酸化シリコン層155は、第3の配線層153、154の形状に沿って形成されるので、酸化シリコン層155の断面形状は、層間絶縁層50と配線層153、154とが形成する段差部を有する。
【0058】
次に、その段差部を埋めるように、SOGを塗布することによって、なだらかな曲面を有するSOG膜156を設ける。SOG膜156は、スピンコートにより形成されるので、SOG膜156がなだらかな表面を形成する。具体的には、段差部にSOGが入り込んで段差部を埋め、その結果SOGの表面張力によって、なだらかな曲面のSOG膜156が形成される。
【0059】
さらに、ベーキング処理によって、SOG膜156を焼成する。SOG膜156上に、プラズマCVDによって窒化シリコン層171を形成する。
窒化シリコン層171上に上述した平坦化層72を設け、その後、カラーフィルタ73、中間層74、レンズ・カラーフィルタ間層75、凸型マイクロレンズ76、及び保護層77を設ける方法は、上述した方法と同じである。
【0060】
以上のように、SOG膜156を利用して、凹型マイクロレンズを構成する凹部161を形成したので、上述した凹部61と同様に、保護層に凹部161が形成されているので、上述した先行技術に開示されているような保護層とは別に凹型マイクロレンズを設ける必要はない。
【0061】
従って、上述した実施の形態によれば、保護層自体を層内レンズとしたので、集光効率の高い固体撮像装置の製造における工程数を低減することができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる固体撮像装置の構造を示す部分断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係わる固体撮像装置の製造工程の説明図。
【図3】本発明の実施の形態に係わる固体撮像装置の製造工程の説明図。
【図4】本発明の実施の形態に係わる固体撮像装置の製造工程の説明図。
【図5】本発明の実施の形態に係わる固体撮像装置の他の構造例の部分断面図。
【符号の説明】
1 固体撮像装置、10 半導体基板、60、71 保護層、61 凹部、76
凸型マイクロレンズ
Claims (7)
- 半導体基板上に形成された複数個の光電変換素子と、
該複数個の光電変換素子の上方に形成された保護層と、
個々の前記光電変換素子に対応して、前記保護層の上方に設けられた複数個の凸型マイクロレンズと、
を有し、個々の前記光電変換素子に対応して前記保護層の表面上に複数個の凹部が形成され、前記凹部のそれぞれは、対応する前記凸型マイクロレンズと、対応する前記光電変換素子との間に位置していることを特徴とする固体撮像装置。 - 複数個の光電変換素子が表面に形成された半導体基板の上方に保護層を形成し、
前記保護層の表面上に、個々の前記光電変換素子に対応して凹部を複数個形成し、
前記凹部のそれぞれに対応して、複数個の凸型マイクロレンズを設けることを特徴とする固体撮像装置の製造方法。 - 前記凹部の形成は、前記保護層の表面上のフォトレジストされていない表面領域に対して、等方性のウエットエッチング又は等方性のドライエッチングによって行われることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置の製造方法。
- 半導体基板上に形成された複数個の光電変換素子と、
該複数個の光電変換素子の上方に形成された層間絶縁層上に形成され、前記光電変換素子に対応して設けられた複数の開口部を有する遮光膜と、
前記遮光膜上に設けられ、前記開口部に凹部を形成する保護層と、
個々の前記光電変換素子に対応して、前記保護層の上方に設けられた複数個の凸型マイクロレンズと、
を有し、前記凹部のそれぞれは、前記光電変換素子のそれぞれに対応して形成され、前記凹部のそれぞれは、対応する前記凸型マイクロレンズと対応する前記光電変換素子との間に位置していることを特徴とする固体撮像装置。 - 複数個の光電変換素子が表面に形成された半導体基板の上方に層間絶縁層を形成し、
前記複数個の光電変換素子に対応して設けられた複数の開口部を有する遮光膜を、前記層間絶縁層上に形成し、
前記開口部のそれぞれに凹部を形成するように、前記遮光膜上に保護層を形成し、
前記凹部のそれぞれに対応して、複数個の凸型マイクロレンズを設けることを特徴とする固体撮像装置の製造方法。 - 前記凹部の形成は、前記遮光膜上に前記保護層を堆積した後に、SOG膜を形成することによって行われることを特徴とする請求項5に記載の固体撮像装置の製造方法。
- 半導体基板と、
前記半導体基板内に設けられた撮像素子領域と、
前記半導体基板内に設けられた周辺回路領域と、
前記撮像素子領域内に形成された複数個の光電変換素子と、
前記周辺回路領域内に形成された少なくとも一つのトランジスタと、
前記光電変換素子と前記トランジスタとの上方に形成された酸化シリコン層であって、前記光電変換素子の各々に対応する凹部を有する酸化シリコン層と、
前記酸化シリコン層上に形成された窒化シリコン層であって、表面が平坦化された窒化シリコン層と、
前記窒化シリコン層の上方に形成されたカラーフィルタと、
前記カラーフィルタの上方に形成された凸型マイクロレンズと、
を含み、
前記記窒化シリコン層は前記周辺回路領域の保護層である、固体撮像装置。
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