JP2004319409A - マイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜およびこの接触電極用薄膜を形成するためのスパッタリングターゲット - Google Patents
マイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜およびこの接触電極用薄膜を形成するためのスパッタリングターゲット Download PDFInfo
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Abstract
【課題】マイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜およびそのマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜を形成するためのスパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】Ir、PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、並びにIr、PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット。
【選択図】 なし
【解決手段】Ir、PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、並びにIr、PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、マイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜およびそのマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜を形成するためのスパッタリングターゲットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、軍事、民生、宇宙用のレーダーや通信システムなどでは高周波帯の需要が増大しており、これらレーダーや通信システムの一層の小型化が求められている。これら小型化を解決するためにマイクロマシン(Micro Electro−Mechanical System)技術の使用が注目されており、この技術を用いて作製した小型で高性能なスイッチを高周波帯回路へ組込むことにより高周波帯回路の一層の小型化が試みられている。この高周波帯回路へ組込まれるスイッチは半導体スイッチやバラクタダイオードに比べて機械的スイッチの方が損失やアイソレーション、消費電力の点で有利であるとされている(例えば、非特許文献1参照)。そのために各種のマイクロマシンスイッチが提案されており、そのマイクロマシンスイッチの接触電極にはRu、Rh、Au−Co合金からなる薄膜用いられ、これら金属の薄膜はその厚さが極めて薄いために、一般にスパッタリングにより形成されている。これらRu、Rh、Au−Co合金などの金属は粘着性が低いために接触部の粘着を最小限に抑えることができ、動作特性を一層向上させることができると言われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
「Design Wavo Magazine」2002 November 第80〜81頁、99〜100頁
【特許文献1】
特開2001−266727号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
確かに純Ru、純Rh、Au−Co合金などからなる薄膜を接触電極に用いた場合、接触部の粘着を最小限に抑えることができるが、RhおよびAu−Co合金は比較的高価な金属であるから、コスト削減の面で接触電極に一層安価なRuを使用しようとする研究が成されている。しかし、純Ruからなる薄膜を接触電極に用いた場合、104回程度の接触/非接触による導通/非導通を繰り返すと接触抵抗が上昇するようになり、長期使用した場合、信頼性に問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、かかる課題を解決すべく研究を行なった。その結果、
(イ)RuにIr、PdおよびReのうちの1種または2種以上を合計で1〜20%含有してなるRu基合金で形成した薄膜は、これをマイクロマシンスイッチの接触電極に用いると、106回以上接触/非接触による導通/非導通を繰り返しても接触抵抗が上昇することがなく、長期にわたって信頼性が向上する、
(ロ)このRu基合金からなる薄膜は、Ru基合金粉末を燒結して得られたRu基焼結合金ターゲットを用いてスパッタリングすることにより得られ、この薄膜の比抵抗は純Ru薄膜の比抵抗と大差がないほど導電性に優れている、
という研究結果が得られたのである。
【0006】
この発明は、かかる研究結果に基づいて成されたものであって、
(1)質量%で(以下、%は質量%を示す)Ir:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、
(2)Pd:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、
(3)Re:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、
(4)IrおよびPdを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、
(5)IrおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、
(6)PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、
(7)Ir、PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、に特徴を有するものである。
【0007】
純Ruからなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜が104回程度の接触/非接触による導通/非導通の繰り返しによって接触抵抗値が上昇する理由として、純Ruは比抵抗が極めて小くかつ高硬度を有するが、純Ruは脆いため比較的粉末になりやすい特性を有し、したがって、接触/非接触を繰り返すと接触電極用薄膜の一部が粉末化し、接触面の間に粉末が入り込んで接触電極用薄膜相互の接触面積が少なくなるが、この発明のRuにIr、PdおよびReのうちの1種または2種以上を合計で1〜20%(一層好ましくは、2〜15%)含有してなるRu基合金は延性が付加されて粉末化が抑制され、接触面の間に入り込む粉末が少なくなることによるものと考えられる。
【0008】
この発明のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜の成分組成を前述のごとく限定した理由は、Ir、PdおよびReのうちの1種または2種以上を合計で20%を越えて含有すると、Ru基合金の比抵抗が大きくなって、接点材料として使用できなくなるので好ましくなく、一方、Ir、PdおよびReのうちの1種または2種以上を合計で1%未満含有しても純Ruの特性を変えることができず、マイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜としての寿命を延ばすことができないことによるものである。
【0009】
この発明のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜を形成するためのスパッタリングターゲットは、この発明のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜と同じ成分組成を有するRu基合金粉末をホットプレスすることにより作製することができる。
【0010】
したがって、この発明は、
(8)Ir:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなる前記(1)記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット、
(9)Pd:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなる前記(2)記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット、
(10)Re:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなる前記(3)記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット、
(11)IrおよびPdを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなる前記(4)記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット、
(12)IrおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなる前記(5)記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット、
(13)PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなる前記(6)記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット、
(14)Ir、PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなる前記(7)記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット、に特徴を有するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
いずれも100メッシュアンダーを有する市販のIr、Pd、ReおよびRuの各粉末を所定の組成になるように配合し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:1150℃、圧力:15MPaでホットプレスすることによりホットプレス体を作製し、これらホットプレス体を、ダイヤモンド砥石を使用し、回転数:200rpmの条件で研削加工することにより直径:125mm、厚さ:5mmの円盤状を有し、表1に示される成分組成を有する本発明ターゲット1〜20、比較ターゲット1〜4および従来ターゲット1を作製した。
【0012】
【表1】
【0013】
これら本発明ターゲット1〜20、比較ターゲット1〜4および従来ターゲット1をそれぞれモリブデン製の冷却用バッキングプレートに純度:99.999重量%のイリジウムろう材にてハンダ付けし、これを直流マグネトロンスパッタリング装置に装入し、ターゲットとSiウエハ基板の間の距離を70mmになるようにセットした後、到達真空度:5×10−5Pa以下になるまで真空引きを行い、
・基板温度:室温、
・投入電力:50W(0.4W/cm2)、
の条件でスパッタリングを行い、Siウエハ基板の表面に厚さ:0.5μmを有し、表2に示される成分組成の本発明接触電極用薄膜1〜20、比較接触電極用薄膜1〜4および従来接触電極用薄膜1を形成した。これら本発明接触電極用薄膜1〜20、比較接触電極用薄膜1〜4および従来接触電極用薄膜1の初期の抵抗値を四探針法で測定し、その結果を表2に示した。
【0014】
さらに、幅:100μm、厚さ:300μmでつきだし長さが400μmを有するNi箔をアディティブ法で形成し、この表面に金メッキを0.1μmした後、Siウエハ上に形成した薄膜と同じ成分組成を有する薄膜を0.5μmになるようにスパッタにより形成して針を作製した。この針にかかる最大荷重が0.2gになるようにプローブテスターを使用してウエハが乗っている台を10μmの幅で上下させ、接触抵抗が1Ωに上昇するに要した台の上下回数を表2に示した。接触抵抗が1Ωに上昇したときをマイクロスイッチのスイッチング使用不可と考えたからである。
【0015】
【表2】
【0016】
表1〜2示される結果から、本発明ターゲット1〜20を用いてスパッタリングすることにより得られた本発明接触電極用薄膜1〜20は、従来ターゲット1を用いてスパッタリングすることにより得られた従来接触電極用薄膜1に比べて接触抵抗が1Ωに達するまでの台の上下回数が高いことが分かる。しかし、この発明の条件から外れた成分組成を有する比較ターゲット1〜4を用いてスパッタリングすることにより得られた比較接触電極用薄膜1〜4は薄膜自体の初期抵抗値が高すぎて接触電極として好ましくないことが分かる。
【0017】
【発明の効果】
上述のように、この発明によると、長期間使用しても接触抵抗が上昇せず、優れた特性を有するマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜を低コストで提供することができ、マイクロマシン産業の発展に大いに貢献し得るものである。
【発明の属する技術分野】
この発明は、マイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜およびそのマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜を形成するためのスパッタリングターゲットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、軍事、民生、宇宙用のレーダーや通信システムなどでは高周波帯の需要が増大しており、これらレーダーや通信システムの一層の小型化が求められている。これら小型化を解決するためにマイクロマシン(Micro Electro−Mechanical System)技術の使用が注目されており、この技術を用いて作製した小型で高性能なスイッチを高周波帯回路へ組込むことにより高周波帯回路の一層の小型化が試みられている。この高周波帯回路へ組込まれるスイッチは半導体スイッチやバラクタダイオードに比べて機械的スイッチの方が損失やアイソレーション、消費電力の点で有利であるとされている(例えば、非特許文献1参照)。そのために各種のマイクロマシンスイッチが提案されており、そのマイクロマシンスイッチの接触電極にはRu、Rh、Au−Co合金からなる薄膜用いられ、これら金属の薄膜はその厚さが極めて薄いために、一般にスパッタリングにより形成されている。これらRu、Rh、Au−Co合金などの金属は粘着性が低いために接触部の粘着を最小限に抑えることができ、動作特性を一層向上させることができると言われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
「Design Wavo Magazine」2002 November 第80〜81頁、99〜100頁
【特許文献1】
特開2001−266727号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
確かに純Ru、純Rh、Au−Co合金などからなる薄膜を接触電極に用いた場合、接触部の粘着を最小限に抑えることができるが、RhおよびAu−Co合金は比較的高価な金属であるから、コスト削減の面で接触電極に一層安価なRuを使用しようとする研究が成されている。しかし、純Ruからなる薄膜を接触電極に用いた場合、104回程度の接触/非接触による導通/非導通を繰り返すと接触抵抗が上昇するようになり、長期使用した場合、信頼性に問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、かかる課題を解決すべく研究を行なった。その結果、
(イ)RuにIr、PdおよびReのうちの1種または2種以上を合計で1〜20%含有してなるRu基合金で形成した薄膜は、これをマイクロマシンスイッチの接触電極に用いると、106回以上接触/非接触による導通/非導通を繰り返しても接触抵抗が上昇することがなく、長期にわたって信頼性が向上する、
(ロ)このRu基合金からなる薄膜は、Ru基合金粉末を燒結して得られたRu基焼結合金ターゲットを用いてスパッタリングすることにより得られ、この薄膜の比抵抗は純Ru薄膜の比抵抗と大差がないほど導電性に優れている、
という研究結果が得られたのである。
【0006】
この発明は、かかる研究結果に基づいて成されたものであって、
(1)質量%で(以下、%は質量%を示す)Ir:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、
(2)Pd:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、
(3)Re:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、
(4)IrおよびPdを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、
(5)IrおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、
(6)PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、
(7)Ir、PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜、に特徴を有するものである。
【0007】
純Ruからなるマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜が104回程度の接触/非接触による導通/非導通の繰り返しによって接触抵抗値が上昇する理由として、純Ruは比抵抗が極めて小くかつ高硬度を有するが、純Ruは脆いため比較的粉末になりやすい特性を有し、したがって、接触/非接触を繰り返すと接触電極用薄膜の一部が粉末化し、接触面の間に粉末が入り込んで接触電極用薄膜相互の接触面積が少なくなるが、この発明のRuにIr、PdおよびReのうちの1種または2種以上を合計で1〜20%(一層好ましくは、2〜15%)含有してなるRu基合金は延性が付加されて粉末化が抑制され、接触面の間に入り込む粉末が少なくなることによるものと考えられる。
【0008】
この発明のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜の成分組成を前述のごとく限定した理由は、Ir、PdおよびReのうちの1種または2種以上を合計で20%を越えて含有すると、Ru基合金の比抵抗が大きくなって、接点材料として使用できなくなるので好ましくなく、一方、Ir、PdおよびReのうちの1種または2種以上を合計で1%未満含有しても純Ruの特性を変えることができず、マイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜としての寿命を延ばすことができないことによるものである。
【0009】
この発明のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜を形成するためのスパッタリングターゲットは、この発明のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜と同じ成分組成を有するRu基合金粉末をホットプレスすることにより作製することができる。
【0010】
したがって、この発明は、
(8)Ir:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなる前記(1)記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット、
(9)Pd:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなる前記(2)記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット、
(10)Re:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなる前記(3)記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット、
(11)IrおよびPdを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなる前記(4)記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット、
(12)IrおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなる前記(5)記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット、
(13)PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなる前記(6)記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット、
(14)Ir、PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなる前記(7)記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット、に特徴を有するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
いずれも100メッシュアンダーを有する市販のIr、Pd、ReおよびRuの各粉末を所定の組成になるように配合し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:1150℃、圧力:15MPaでホットプレスすることによりホットプレス体を作製し、これらホットプレス体を、ダイヤモンド砥石を使用し、回転数:200rpmの条件で研削加工することにより直径:125mm、厚さ:5mmの円盤状を有し、表1に示される成分組成を有する本発明ターゲット1〜20、比較ターゲット1〜4および従来ターゲット1を作製した。
【0012】
【表1】
【0013】
これら本発明ターゲット1〜20、比較ターゲット1〜4および従来ターゲット1をそれぞれモリブデン製の冷却用バッキングプレートに純度:99.999重量%のイリジウムろう材にてハンダ付けし、これを直流マグネトロンスパッタリング装置に装入し、ターゲットとSiウエハ基板の間の距離を70mmになるようにセットした後、到達真空度:5×10−5Pa以下になるまで真空引きを行い、
・基板温度:室温、
・投入電力:50W(0.4W/cm2)、
の条件でスパッタリングを行い、Siウエハ基板の表面に厚さ:0.5μmを有し、表2に示される成分組成の本発明接触電極用薄膜1〜20、比較接触電極用薄膜1〜4および従来接触電極用薄膜1を形成した。これら本発明接触電極用薄膜1〜20、比較接触電極用薄膜1〜4および従来接触電極用薄膜1の初期の抵抗値を四探針法で測定し、その結果を表2に示した。
【0014】
さらに、幅:100μm、厚さ:300μmでつきだし長さが400μmを有するNi箔をアディティブ法で形成し、この表面に金メッキを0.1μmした後、Siウエハ上に形成した薄膜と同じ成分組成を有する薄膜を0.5μmになるようにスパッタにより形成して針を作製した。この針にかかる最大荷重が0.2gになるようにプローブテスターを使用してウエハが乗っている台を10μmの幅で上下させ、接触抵抗が1Ωに上昇するに要した台の上下回数を表2に示した。接触抵抗が1Ωに上昇したときをマイクロスイッチのスイッチング使用不可と考えたからである。
【0015】
【表2】
【0016】
表1〜2示される結果から、本発明ターゲット1〜20を用いてスパッタリングすることにより得られた本発明接触電極用薄膜1〜20は、従来ターゲット1を用いてスパッタリングすることにより得られた従来接触電極用薄膜1に比べて接触抵抗が1Ωに達するまでの台の上下回数が高いことが分かる。しかし、この発明の条件から外れた成分組成を有する比較ターゲット1〜4を用いてスパッタリングすることにより得られた比較接触電極用薄膜1〜4は薄膜自体の初期抵抗値が高すぎて接触電極として好ましくないことが分かる。
【0017】
【発明の効果】
上述のように、この発明によると、長期間使用しても接触抵抗が上昇せず、優れた特性を有するマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜を低コストで提供することができ、マイクロマシン産業の発展に大いに貢献し得るものである。
Claims (14)
- 質量%で(以下、%は質量%を示す)Ir:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなることを特徴とするマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜。
- Pd:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなることを特徴とするマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜。
- Re:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなることを特徴とするマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜。
- IrおよびPdを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなることを特徴とするマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜。
- IrおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなることを特徴とするマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜。
- PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなることを特徴とするマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜。
- Ir、PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基合金からなることを特徴とするマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜。
- Ir:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなることを特徴とする請求項1記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット。
- Pd:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなることを特徴とする請求項2記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット。
- Re:1〜20%を含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなることを特徴とする請求項3記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット。
- IrおよびPdを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなることを特徴とする請求項4記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット。
- IrおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなることを特徴とする請求項5記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット。
- PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなることを特徴とする請求項6記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット。
- Ir、PdおよびReを合計で1〜20%含有し、残部がRuおよび不可避不純物からなる組成を有するRu基焼結合金からなることを特徴とする請求項7記載のマイクロマシンスイッチの接触電極用薄膜形成用スパッタリングターゲット。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012211356A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-11-01 | Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk | Ru−Pd系スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
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2003
- 2003-04-21 JP JP2003115169A patent/JP2004319409A/ja active Pending
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